この記事の科学的根拠
この記事は、引用元として明記された最高品質の医学的根拠にのみ基づいて作成されています。以下は、参照された情報源と、提示された医学的指導との直接的な関連性を示したリストです。
- 公益社団法人 日本眼科医会: 本稿における白内障の基本的な定義、症状、手術の概要に関する記述は、日本眼科医会が提供する健康情報に基づいています。
- 厚生労働省・参天製薬株式会社: 日本国内の白内障手術件数や患者の年齢構成に関する統計データは、厚生労働省の調査および参天製薬が公開している情報に基づいています。
- 日本眼科学会: 手術の安全性、後発白内障、そして特に高機能レンズを選択する際の基準となる「選定療養」の指針に関する記述は、日本眼科学会の公式な見解とガイドラインを根拠としています。
- 複数の査読済み学術論文: 多焦点眼内レンズや焦点深度拡張型(EDOF)レンズの臨床成績、光学的特性(ハロー・グレア)、患者満足度に関する分析は、PubMed等に掲載されている複数の国際的な学術研究の結果に基づいています。
要点まとめ
- 白内障は加齢に伴う自然な変化であり、現代の安全な手術によって視力を回復できます。手術のタイミングは、視力だけでなく「日常生活の不便さ」が重要な判断基準となります。
- 手術で挿入する「眼内レンズ」の選択は、生涯の見え方を決める重要な決断です。自分のライフスタイルを深く見つめ直し、どの距離を裸眼で見たいかを明確にすることが不可欠です。
- 眼内レンズには主に3種類あります。保険適用の「単焦点レンズ」、遠方から中間距離まで自然に見え、副作用が少ない「焦点深度拡張型(EDOF)レンズ」、そして眼鏡依存度を最も減らせる可能性がある「多焦点レンズ」です。
- 高機能レンズ(EDOF・多焦点)は「選定療養」制度の対象となり、国の定めた厳しい基準を満たした経験豊富な医師と施設でのみ受けることができます。これは質の高い医療機関を見分ける一つの指標となります。
- 最適な結果を得るためには、レンズの利点と妥協点(ハロー・グレア等)を理解し、信頼できる医師と十分に話し合い、共同で治療方針を決定する「共同意思決定」が重要です。
第1部:白内障を理解する:クリアな視界を取り戻すための道筋
白内障は、特に高齢化社会を迎えた日本において、多くの人が経験する可能性のある眼の疾患です。しかし、現代の医療技術、特に手術の進歩により、これは治療可能な状態であり、多くの患者が再びクリアな視界を取り戻しています。このセクションでは、白内障という病気の本質、日本におけるその現状、そして視力回復の鍵となる手術について、基礎から丁寧に解説します。病気への正しい理解は、不安を和らげ、最適な治療選択への第一歩となります。
1.1 白内障とは?眼のレンズが「濁る」こと
私たちの眼の構造と働きは、しばしばカメラに例えられます1。外から入ってきた光を、フィルムにあたる「網膜(もうまく)」に正確に届けることで、私たちは「見る」ことができます。このとき、カメラのレンズの役割を果たすのが、眼の中にある「水晶体(すいしょうたい)」という透明な組織です1。
白内障とは、この水晶体が様々な原因で白く濁ってしまう病気のことです1。透明であったレンズが曇りガラスのようになってしまうため、光がうまく網膜まで届かなくなり、視機能に様々な影響が出ます。主な症状としては、以下のようなものがあります。
- 視界がかすむ・ぼやける: 全体的に霧がかかったように見える。
- 光をまぶしく感じる(羞明): 太陽光や対向車のヘッドライトなどが以前より眩しく感じる1。
- ものが二重、三重に見える(複視): 特に片目だけで見た時に、ものがダブって見える。
- 視力の低下: 病状が進行するにつれて、眼鏡やコンタクトレンズを調整しても視力が改善しなくなる。
白内障の最も一般的な原因は加齢であり、「加齢性白内障」と呼ばれます1。個人差はありますが、早い人では40代から発症し始め、80代になると、ほとんどの人が何らかの程度の白内障になっているとされています1。その他、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの全身疾患、ステロイド薬の長期使用、眼の外傷などが原因となることもあります。
1.2 加齢に伴う自然な変化:日本における白内障の統計
白内障は、恐ろしい特殊な病気というよりは、年齢を重ねるにつれて誰にでも起こりうる、ある種の自然な変化と捉えることができます。日本国内の統計データは、この事実を明確に示しています。
厚生労働省の調査によると、2019年度(令和元年度)に日本国内で行われた白内障手術の件数は約166万件にのぼります2。これは同年度の国内出生数を上回る数字であり、白内障手術がいかに一般的で、広く行われている治療であるかを示しています2。年齢別に見ると、手術を受ける患者の約70%を70代と80代が占めており、加齢との強い関連性がうかがえます2。特に65歳以上の高齢者層において、患者数は顕著に増加します3。
これほど多くの人が手術を受けているという事実は、治療の安全性と有効性が確立されていることの証左でもあります。実際、白内障は日本の失明原因(社会的失明:矯正視力0.1以下)の中では3.2%と比較的低い割合であり、これは手術によって視力回復が可能であることを意味しています4。
このように、白内障手術は日本で最も件数の多い外科手術の一つであり、多くの人にとって身近な治療となっています。この「当たり前」の治療であるという認識は、患者の心理的なハードルを下げる一方で、重要な側面を見過ごさせる危険性もはらんでいます。手術自体は安全で短時間で終わるかもしれませんが、その際に眼の中に埋め込む「眼内レンズ」の選択は、その後の人生における「見え方の質」を生涯にわたって決定づける、非常に重要な決断です。手術のルーチン化が進んでいるからこそ、患者一人ひとりが自身のライフスタイルと希望を深く見つめ、レンズ選択に主体的に関わることの重要性が増しているのです。
1.3 手術という解決策:白内障手術を行う時期と理由
白内障の初期段階では、点眼薬によって進行を遅らせる治療が試みられることがあります。しかし、これらの薬はあくまで進行抑制を目的とするものであり、一度濁ってしまった水晶体を透明に戻すことはできません5。したがって、白内障が進行し、かすみや眩しさによって「日常生活に支障が出ている」と本人が感じるようになった場合、根本的な治療法は手術のみとなります5。
手術を決断するタイミングは、視力検査の数値だけで決まるわけではありません。「日常生活における不便さ」が最も重要な判断基準となります。例えば、以下のような状況が挙げられます。
- 車の運転に不安を感じるようになった。
- 新聞や本の文字が読みにくくなった。
- 趣味であるゴルフや手芸が楽しめなくなった。
- 仕事で使うパソコンの画面が見づらい。
- 標識や人の顔が判別しにくい。
これらの不便さを解消し、生活の質(Quality of Life)を向上させることが、白内障手術の最大の目的です。
1.4 手術の流れを詳しく解説:ステップ・バイ・ステップ
現代の白内障手術は技術的に大きく進歩しており、多くの患者にとって安全で負担の少ない治療となっています。ここでは、一般的な手術の流れを順を追って説明し、患者が安心して手術に臨めるよう情報を提供します。
手術の概要
多くの場合、手術は日帰り(外来)で行われ、所要時間は10分から20分程度です5。麻酔は点眼薬による局所麻酔が基本で、手術中や術後の痛みはほとんどありません6。ただし、これは非常に繊細な顕微鏡下の手術であり、熟練した眼科医が高度な医療機器を駆使して行います5。
手術の主なステップ
手術は主に以下の手順で進められます7。
- 角膜切開(しょうまくせっかい): 黒目の部分(角膜)にごく小さな切開創(約2-3mm)を作ります。
- 超音波水晶体乳化吸引術(ちょうおんぱすいしょうたいにゅうかきゅういんじゅつ): 切開創から超音波を発する細い器具を挿入し、濁った水晶体を細かく砕きながら吸引して取り除きます。
- 眼内レンズ(IOL)の挿入: 水晶体があった場所(水晶体嚢という袋の中)に、折りたたんだ状態の人工の眼内レンズを挿入し、眼内でゆっくりと開いて固定します。
手術前後のケア
術前: 手術室に入る前に、散瞳剤(瞳孔を開く薬)の点眼や血圧測定などが行われます5。
術直後: 眼を保護するために眼帯を装着します。眼をこすったり、圧迫したりしないよう注意が必要です5。
術後: 処方された点眼薬を指示通りに使用することが、感染症予防と炎症を抑えるために非常に重要です8。手術当日は入浴できませんが、翌日以降は首から下のシャワーが可能になるなど、生活には一定の制限があります。洗顔や洗髪は1週間程度できない場合もありますので、医師の指示に従ってください5。
術後の合併症について
白内障手術は安全性が高い手術ですが、術後に合併症が起こる可能性もゼロではありません。その中で比較的頻度が高いのが「後発白内障(こうはつはくないしょう)」です5。これは、手術から数ヶ月〜数年後に、眼内レンズを固定している水晶体嚢が再び濁ってくる状態です。視力が再び低下するため「白内障の再発」と誤解されがちですが、これは簡単なレーザー治療(YAGレーザー)で濁りを取り除くことができ、一度治療すれば再発することはほとんどありません5。
第2部:手術の核となる眼内レンズ(IOL)の総合ガイド
白内障手術は、濁った水晶体を取り除くだけでなく、その代わりとなる人工の「眼内レンズ(Intraocular Lens: IOL)」を眼の中に挿入する手術です。このレンズは一度挿入すると生涯にわたって使用するため、どの種類のレンズを選ぶかが、手術後の見え方、ひいては生活の質を大きく左右します。ここでは、現在利用可能な主要な眼内レンズの種類を体系的に解説し、それぞれの特徴、利点、そして妥協点を明らかにします。
2.1 標準的な選択肢:単焦点眼内レンズ(単焦点IOL)
単焦点眼内レンズは、白内障手術で最も古くから使用されており、現在でも最も一般的な選択肢です9。その名の通り、ピント(焦点)が合う距離が「一つ」に定められています10。
特徴と利点:
- クリアな見え方: ピントを合わせた距離においては、非常にシャープで質の高い見え方(コントラスト感度)が得られます。後述する多焦点レンズで起こりうるハロー・グレアといった不快な光の現象がほとんどないのが大きな利点です11。
- 焦点距離の選択: 手術前に、遠く(例:運転、スポーツ観戦)、中間(例:テレビ、対面での会話)、近く(例:読書、手元の作業)のいずれか、自分のライフスタイルで最も重視する距離にピントを合わせるかを選択します10。
- 保険適用: 単焦点眼内レンズを用いた白内障手術は、レンズ代を含めてすべてが健康保険の適用対象となります。これにより、患者の自己負担額を抑えることができます10。
注意点とトレードオフ:
単焦点レンズの最大のトレードオフは、ピントを合わせた距離以外では視界がぼやけることです。例えば、遠くにピントを合わせた場合、近くの新聞やスマートフォンを見るためには老眼鏡が必要になります。逆に近くにピントを合わせた場合は、遠くの景色やテレビを見るために遠用眼鏡が必要となります10。
2.2 眼鏡への依存を減らす:高機能レンズへの序章
単焦点レンズの「一つの距離にしかピントが合わない」という特性を克服し、手術後にできるだけ眼鏡を使わずに生活したいというニーズに応えるために開発されたのが、高機能レンズです。これらのレンズは「老眼矯正眼内レンズ」とも呼ばれ、手術後の眼鏡への依存度を軽減すること(眼鏡依存度の軽減)を主な目的としています12。
これらの高機能レンズは、単焦点レンズの限界を補うための技術的解決策として登場しました12。主に「多焦点眼内レンズ(Multifocal IOL)」と「焦点深度拡張型眼内レンズ(Extended Depth of Focus: EDOF IOL)」の2つの大きなカテゴリーに分類されます13。これらのレンズは、複数の距離、あるいはある程度の幅を持った範囲にピントを合わせることを可能にし、多くの生活シーンで裸眼での生活を実現する可能性を提供します。
2.3 詳細な比較:多焦点レンズとEDOFレンズ
高機能レンズを選択する際には、多焦点レンズとEDOFレンズの根本的な仕組みの違いと、それに伴う見え方の特性を理解することが不可欠です。両者は眼鏡からの解放を目指すという共通の目的を持ちながら、そのアプローチと結果には明確な違いがあります。
多焦点眼内レンズ(Multifocal IOL):
- 仕組み: 多焦点レンズは、レンズの表面に刻まれた同心円状の回折構造によって、眼内に入ってきた光を複数の異なる焦点(例:遠方、中間60cm、近方40cmなど)に振り分けます14。これにより、遠くから近くまで、複数の距離でピントが合った像を網膜に届けます10。特に3焦点レンズ(Trifocal IOL)は、遠・中・近の3点で良好な視界を提供し、近年の主流となっています14。
- 利点: 複数の距離にピントが合うため、眼鏡なしで生活できる場面が大幅に増えます。例えば、Clareon® PanOptix®のような3焦点レンズを用いた臨床研究では、94.7%という高い患者満足度と、多くの距離で眼鏡が不要になったという結果が報告されています15。
- トレードオフ: 光を複数の焦点に「分割」する仕組み上、いくつかの妥協点が生じます。
焦点深度拡張型眼内レンズ(EDOF IOL):
- 仕組み: EDOFレンズは、多焦点レンズとは異なる光学技術(例:非回折型、波面制御技術)を用いて、複数の明確な焦点を作るのではなく、焦点を「引き伸ばす」ことで、切れ目のない連続した焦点範囲を作り出します13。これにより、遠方から中間距離にかけて、滑らかで自然な見え方を提供します。
- 利点: EDOFレンズの最大の利点は、多焦点レンズの課題であったハロー・グレアといった不快な光の現象を大幅に抑制できることです13。臨床研究でも、EDOFレンズは単焦点レンズに近いレベルの低い光の現象でありながら、単焦点レンズよりも優れた中間視力を提供することが示されています17。
- トレードオフ: 焦点を引き伸ばす設計のため、近方(30-40cm)の見え方は3焦点レンズに比べてやや弱い傾向があります。非常に細かい文字を読む際には、軽い老眼鏡が必要になる場合があります17。
この技術の進化は、単なる選択肢の増加ではなく、先行技術の課題を解決しようとする物語として理解することができます。単焦点レンズは「眼鏡が必要」という課題を残しました。多焦点レンズはそれを解決しようとしましたが、「ハロー・グレア」という新たな課題を生み出しました。そしてEDOFレンズは、そのハロー・グレアを最小限に抑えつつ、眼鏡への依存度を減らすという、よりバランスの取れた解決策として登場したのです。この進化の文脈を理解することは、患者が各技術の「なぜ」を理解し、自身にとって最適な妥協点を見つける助けとなります。
日本におけるトレンド:
このEDOFレンズのバランスの良さは、日本の市場でも高く評価されています。2019年には高機能レンズ市場の約37%を占めていたEDOFレンズは、2023年には推定で約63%にまでシェアを伸ばし、主流の選択肢となっています18。これは、日本の患者や医師が、完全な眼鏡からの解放よりも、不快な副作用が少なく、より自然な見え方を重視する傾向にあることを示唆しています。
2.4 乱視も同時に矯正:トーリックIOLの役割
乱視とは、主に角膜の形状がきれいな球面ではなく、ラグビーボールのように歪んでいるために、光が一点に集まらず、視界がぶれたり、ものが二重に見えたりする状態です。白内障とは別の問題ですが、多くの人が乱視を持っています。
トーリック眼内レンズは、この乱視を矯正する機能を持った特殊なレンズです10。白内障手術の際にこのレンズを選択することで、白内障と角膜乱視を一度の手術で同時に治療することが可能になります。
重要な点は、この「トーリック(乱視矯正)」機能は、単焦点レンズ、多焦点レンズ、EDOFレンズのいずれにも付加できるオプションであるということです10。乱視がある患者が高機能レンズの恩恵を最大限に受けるためには、トーリック機能付きのレンズを選択することが、術後の裸眼視力を向上させる上で非常に重要です19。ただし、乱視の種類や程度によっては、トーリックレンズが適さない場合もあります4。
レンズの種類 | 見える範囲 | 眼鏡の必要性 | 見え方の質 | 主な費用制度 | こんな方におすすめ |
---|---|---|---|---|---|
単焦点IOL | 選択した一つの距離(遠・中・近)で非常に鮮明 | ピントを合わせていない距離では高い確率で必要 | 非常に良好なコントラスト。ハロー・グレアはほぼ無い。 | 保険適用 | 特定の距離での最もシャープな見え方を優先する方。夜間の運転が多い方。費用を抑えたい方。 |
焦点深度拡張型IOL (EDOF) | 遠方から中間距離まで連続的で自然な範囲 | 非常に低い。細かい文字や近距離作業で軽い眼鏡が必要な場合がある。 | 良好なコントラスト。ハロー・グレアのリスクは非常に低い。 | 選定療養 | 活動的な方。PC作業やスポーツなど中間距離を重視し、副作用を最小限にしたい方。 |
多焦点IOL(3焦点) | 遠方、中間、近方の3つの距離で鮮明 | 非常に低い。ほとんどの場面で眼鏡なしの生活が期待できる。 | ややコントラストが低下。ハロー・グレアを感じる可能性がある。 | 選定療養 | あらゆる距離で眼鏡から解放されたいという希望が非常に強い方。光の現象に順応できる方。 |
第3部:重要な決断:あなたのライフスタイルに最適なIOLを選ぶ
眼内レンズの技術的な特性を理解した上で、次に行うべき最も重要なステップは、その技術を自身の生活に当てはめて考えることです。「最高のレンズ」というものは存在せず、存在するのは「あなたにとって最も適したレンズ」だけです10。このセクションでは、患者が自己分析を行い、手術の成功を左右する非技術的な要因を理解するための具体的なアプローチを提案します。
3.1 ライフスタイル・ファーストのアプローチ:日々の活動にレンズを合わせる
最適なレンズ選択の鍵は、自身のライフスタイルを深く見つめ直すことから始まります。手術後の「見え方」が、あなたの日々の活動や喜びとどのように関わるかを具体的に想像することが不可欠です10。日本眼科学会のガイドラインでも、術後に眼鏡装用を減らしたいという患者自身の希望が、高機能レンズ選択の前提条件として挙げられています20。
以下の質問リストを使って、ご自身のニーズを整理してみましょう。
- 最も重要な日常活動は何ですか?
- どの距離を裸眼でクリアに見たいですか?
上記の活動リストを参考に、どの距離でのクリアな視界が自分にとって最も価値があるかを考えてみましょう。例えば、「運転が最優先なので遠くがはっきり見えれば、手元は老眼鏡でも構わない」と考える方もいれば、「PC作業とスマホ操作が多いため、中間から近方が裸眼で見えることが必須」と考える方もいます。 - 眼鏡からの解放は、あなたにとってどれくらい重要ですか?
「どんな状況でも絶対に眼鏡をかけたくない」という強い希望があるのか、それとも「普段は裸眼で過ごせれば、細かい作業の時に時々眼鏡を使うのは苦にならない」のか。この希望の強さが、許容できる妥協点(コストや副作用のリスク)を決定します。
3.2 高機能レンズのトレードオフ:ハロー、グレア、コントラスト感度を理解する
高機能レンズ、特に多焦点レンズは、複数の距離で見えるという大きな利点を提供する一方で、特有の見え方の特徴(視覚現象)を伴う可能性があります。これらを事前に理解し、自身が許容できる範囲内であるかを見極めることが、術後の満足度に直結します。
- ハロー・グレア (Halo/Glare)
これは、夜間に強い光(街灯、信号、対向車のヘッドライトなど)を見たときに、光の周りに輪がかかって見えたり(ハロー)、光が星のようにギラついて眩しく感じたり(グレア)する現象です9。これは、レンズの回折構造が光を複数の焦点に振り分ける際に生じる物理的な現象です21。多くの人は、手術後3ヶ月程度で脳がこの見え方に順応し、気にならなくなると報告されています16。しかし、夜間の運転を頻繁に行う方や、光に敏感な方にとっては、この現象が大きなストレスになる可能性も否定できません10。 - コントラスト感度の低下 (Contrast Sensitivity)
これは、色の濃淡の微妙な違いを識別する能力が、単焦点レンズに比べてわずかに低下する可能性があることを意味します11。例えば、薄暗い場所で物が見えにくく感じたり、グレーの濃淡の区別がつきにくくなったりすることがあります。これも光を分割する多焦点レンズの構造に起因します16。日常生活で大きな問題になることは稀ですが、この微妙な見え方の質の変化に違和感を覚える可能性も考慮しておく必要があります。
3.3 あなたは適切な候補者か?高機能IOLに関する公式ガイドライン
高機能レンズは誰にでも適しているわけではありません。安全で満足のいく結果を得るために、日本眼科学会は選定療養の対象となる患者について、明確な基準を設けています20。これを患者にも分かりやすい言葉で説明し、自身が適切な候補者であるかを判断する一助とします。
除外基準(高機能レンズが推奨されないケース):
- 他の眼疾患の合併: 緑内障、重度のドライアイ、角膜の病気、ぶどう膜炎、網膜疾患など、白内障以外に視機能に影響を与える病気がある場合、多焦点レンズの性能が十分に発揮されないばかりか、逆に見えにくくなる可能性があります16。特に緑内障患者は、元々コントラスト感度が低下しているため、多焦点レンズの選択には慎重な判断が求められます17。
- 眼の構造的な問題: 水晶体を支える組織(チン小帯)が弱い場合や、瞳孔が極端に小さい場合も、レンズの固定や機能に問題が生じるため不適応となります16。
- 乱視が強すぎる、または不規則な場合: トーリックレンズで矯正できないほどの強い乱視や、不正乱視がある場合も、期待した視力が得られない可能性があります20。
適さない職業や性格:
- 非常に精密な見え方が求められる職業: デザイナー、カメラマン、歯科医師など、わずかな見え方の質の差が仕事に影響する職業の方は、多焦点レンズのコントラスト低下や視覚現象に不満を感じる可能性があります10。
- 非常に几帳面・神経質な性格の方: 見え方に対して非常にこだわりが強い、あるいは完璧を求める傾向がある方は、多焦点レンズ特有の視覚現象を「欠点」として強く認識してしまい、満足感が得られにくいとされています16。
手術後の満足度は、単に「レンズの性能」だけで決まるわけではありません。それは、「レンズの光学的性能」、「患者のライフスタイルとの一致」、そして「患者の期待値と性格による心理的適応」という3つの要素が交差する点に存在します。たとえ手術が完璧に行われ、レンズが仕様通りに機能していても、その光学的特性が患者の生活ニーズに合っていなかったり、その妥協点が患者の性格的に許容できないものであったりすれば、結果として「不満足」につながりかねません。したがって、この自己分析のプロセスは、単なるレンズ選びではなく、自身にとっての「成功」とは何かを定義する重要な作業なのです。
第4部:費用を理解する:白内障手術と日本の保険制度
白内障手術を検討する上で、費用は避けて通れない重要な要素です。特に、選択する眼内レンズの種類によって、適用される医療保険制度が大きく異なり、患者の自己負担額に数十万円単位の差が生じます。このセクションでは、日本の複雑な医療費制度を分かりやすく解き明かし、患者が経済的な見通しを立てられるように支援します。
4.1 全額保険適用:標準的な単焦点レンズ手術の費用
最も基本的な治療法である、単焦点眼内レンズを用いた白内障手術は、手術費用、検査費用、レンズ代のすべてが公的医療保険(健康保険)の適用対象となります10。
これにより、患者が窓口で支払う自己負担額は、総医療費の1割〜3割(年齢や所得に応じて変動)となります。具体的な金額は医療機関によって異なりますが、70歳以上で1割負担の場合、片眼あたり1万5千円〜2万円程度が一般的な目安です。70歳未満で3割負担の場合は、片眼あたり4万5千円〜6万円程度となります。
4.2 重要解説:「選定療養」制度と高機能レンズ
多焦点眼内レンズやEDOFレンズといった高機能レンズを用いた手術は、原則として「選定療養」という制度のもとで行われます。これは患者にとって最も重要な費用の仕組みであり、正しく理解する必要があります。
選定療養の定義と仕組み:
選定療養とは、厚生労働省が定める保険外併用療養費制度の一つです22。患者が追加の費用を自己負担することで、保険適用外のより高度な医療を、保険が適用される部分と組み合わせて受けることができる制度です23。
白内障手術における選定療養は、以下のような費用構造になっています22。
- 保険適用部分: 白内障手術の基本的な技術料や診察、検査、薬代など。この部分については、通常の保険診療と同様に、患者は自己負担割合(1〜3割)に応じた金額を支払います。
- 全額自己負担部分: 高機能眼内レンズ(多焦点IOLやEDOF IOL)のレンズ代金と、そのレンズを用いるために必要となる特別な追加検査の費用。この部分は「差額費用」として、患者が100%自己負担します。
費用例:
この制度により、全額を自費で支払う「自由診療」に比べて、患者の総負担額は大幅に軽減されます。例えば、ある医療機関のケースでは、自由診療だと片眼50万円かかるところ、選定療養を利用すると、保険診療分と差額レンズ費用を合わせて約31万5千円になるとされています23。差額レンズ費用は医療機関や選択するレンズの種類によって異なり、一般的には20万円〜40万円程度が目安です。
4.3 歴史的経緯:「先進医療」が適用されなくなった理由
白内障手術について情報収集していると、「先進医療」という言葉を目にすることがあるかもしれません。これは、患者の混乱を招きやすいポイントであるため、正確な情報を提供します。
2020年3月まで、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は「先進医療」の一つとして位置づけられていました24。先進医療は、民間の医療保険に「先進医療特約」を付けている場合、その技術料が保険会社から支払われることが多く、患者は自己負担なく高機能レンズ手術を受けられるケースがありました。
しかし、2020年4月1日をもって、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術は先進医療の対象から削除されました25。これ以降、この手術は前述の「選定療養」という枠組みに移行しています。したがって、現在では先進医療特約を使って多焦点眼内レンズ手術の費用をカバーすることはできません。この制度変更を知らずにいると、資金計画に大きな狂いが生じるため、注意が必要です。
4.4 全額自己負担の選択肢:「自由診療」となるケース
「自由診療」とは、公的医療保険を一切使わず、医療にかかる費用のすべて(診察、検査、手術、レンズ代など)を患者が100%自己負担する診療形態です。
白内障手術においては、以下のような場合に自由診療となります。
- 日本国内でまだ承認されていない最新の眼内レンズを使用する場合。
- 選定療養の対象として認められていないレンズを使用する場合16。
自由診療は最も高額な選択肢となり、費用は片眼あたり40万円以上になることが一般的です。
レンズの種類 | 費用制度 | 仕組み | 自己負担額の目安(片眼) |
---|---|---|---|
単焦点レンズ | 健康保険適用 | 手術、レンズ代など全てが保険の対象。窓口で1〜3割を負担。 | ¥15,000 – ¥60,000 |
選定療養対象の多焦点/EDOFレンズ | 選定療養 | 手術の基本費用は保険適用。高機能レンズ代と追加検査代が全額自己負担。 | ¥200,000 – ¥400,000 |
選定療養対象外のレンズ | 自由診療 | 手術、レンズ代など全てが100%自己負担。 | ¥400,000以上 |
この「選定療養」という制度は、単なる支払い方法の違い以上の意味を持ちます。この制度を導入するためには、医療機関と執刀医が日本眼科学会の定める厳しい施設基準をクリアし、地方厚生局に届け出る必要があります。この基準には、執刀医の経験(白内障手術100件以上など)、専門医資格、特定の研修の修了、さらには精密な検査を行うための設備や視能訓練士の配置などが含まれています20。
つまり、患者が「選定療養実施施設」を選ぶという行為は、意図せずして、国が定めた高いレベルの質と安全基準を満たした経験豊富な医師とクリニックを選んでいることになるのです。この事実は、患者が質の高い医療機関を見分けるための、非常に実用的で信頼性の高い指標となります。費用制度という一見すると事務的な情報が、実は患者の安全と治療の質を担保するフィルターとして機能しているのです。
第5部:成功する結果を確実にするために:医師とクリニックの選び方
白内障手術の成功は、最新のレンズ技術だけでなく、それを扱う医師の技量と、患者一人ひとりに寄り添った適切な診断・説明に大きく依存します。最終的に最良の決断を下すためには、信頼できる医療機関を選び、医師との間で実りある対話を行うことが不可欠です。この最終セクションでは、患者が主体的に医療に参加し、満足のいく結果を得るための具体的な行動指針を提示します。
5.1 質の高い医療機関の証:選定療養の施設・医師基準
前述の通り、「選定療養」を実施できる医療機関は、一定の基準を満たしていることの証です。クリニックを選ぶ際には、この「選定療養実施施設」であるかどうかを確認することが、質の高い医療を受けるための第一歩となります。
日本眼科学会が定める主な基準を、患者の視点から解説します20。
医師の経験と資格:
- 眼科専門医(がんかせんもんい): 日本眼科学会が認定した、眼科領域における高度な知識と技量を持つ医師です。これは最低限の条件と言えます。
- 豊富な手術実績: 水晶体再建術を100件以上実施していることが求められます。これは、安定した手術手技を持つことの客観的な指標です。
- 専門研修の修了: 多焦点眼内レンズに関する専門的な知識や適正使用に関する学会の研修を修了している必要があります。これにより、医師が最新のレンズの特性や注意点を熟知していることが担保されます。
施設の設備と体制:
- 視能訓練士(しのうくんれんし)の配置: 視能訓練士は、眼の機能検査を専門に行う国家資格を持つ専門家です。特に高機能レンズの選択には、角膜形状解析やコントラスト感度検査など、精密な術前検査が不可欠であり、その正確なデータ取得に視能訓練士の存在は欠かせません。
- 精密な検査機器: 正確なレンズ度数計算や、他の眼疾患の有無を詳細に調べるための高度な検査機器が整備されていることが求められます。
これらの基準は、患者がウェブサイトやクリニックで直接確認すべきチェックリストとして活用できます。「選定療養を行っていますか?」という質問は、「あなたのクリニックは、国が定める高い基準を満たした、経験豊富な医師と設備を備えていますか?」と尋ねているのと同じ意味を持つのです。
5.2 診察に備える:眼科医に尋ねるべき重要な質問
本稿で得た知識を最大限に活用する場が、医師との診察(コンサルテーション)です。準備を整えて診察に臨むことで、一方的に情報を受け取るだけでなく、自身の希望を明確に伝え、医師と協力して最適な治療法を決定する「共同意思決定(Shared Decision Making)」が可能になります。
診察の際には、以下の質問リストを参考に、積極的に対話を進めてください。
候補となるレンズについて:
- 「私の眼の状態(乱視の有無、他の病気など)とライフスタイルを考慮すると、どの眼内レンズ(単焦点、EDOF、多焦点)が候補になりますか?」
費用制度について:
- 「こちらのクリニックは選定療養の実施施設ですか?そして、私に推奨されるレンズはその制度の対象になりますか?」
- 「手術にかかる自己負担額の総額(レンズ代、手術代、検査代を含む)の見積もりを教えてください。」
レンズの具体的な特性について:
- 「先生が推奨するレンズの、私にとっての具体的なメリットとデメリット(妥協点)は何ですか?」
- 「そのレンズを使った場合、ハロー・グレアはどの程度予想されますか?また、それに慣れるまで、通常どのくらいの期間がかかりますか?」
医師の経験について:
- 「先生ご自身は、この種類のレンズを用いた手術をどのくらい経験されていますか?」
よくある質問
手術後に眼鏡は全く必要なくなりますか?
選択する眼内レンズによります。遠くか近くか、一つの距離にピントを合わせる「単焦点レンズ」の場合、ピントを合わせていない距離を見るためには眼鏡が必要になります10。「多焦点レンズ」や「焦点深度拡張型(EDOF)レンズ」は眼鏡への依存度を大幅に減らすことができますが、非常に細かい文字を読む際など、特定の状況で軽い眼鏡(老眼鏡)が必要になる可能性はゼロではありません。どのレンズがご自身の希望に最も合うか、医師とよく相談することが重要です。
多焦点レンズのハロー・グレアは必ず起こるのですか?どれくらいで慣れますか?
手術は痛いですか?時間はどのくらいかかりますか?
「選定療養」と「自由診療」の違いがよく分かりません。
結論
本稿の最終的な目的は、患者がこれらの知識で武装し、自信を持って医師との対話に臨めるようにすることです。白内障手術は、単に「濁りを取る」だけの処置ではありません。それは、その後の人生の「見え方」を再設計する、きわめて個人的で重要なプロジェクトです。レンズの技術的な特性、費用制度、そして何よりもご自身のライフスタイルと価値観を深く理解することが、満足のいく結果への最短距離です。この記事が、すべての患者にとって、そのプロジェクトを成功に導くための信頼できる羅針盤となることを願っています。
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