REM睡眠とは? | 疲れ知らずの目覚めを叶える方法
睡眠ケア

REM睡眠とは? | 疲れ知らずの目覚めを叶える方法

はじめに

こんにちは、JHO編集部です。日々の暮らしの中で、睡眠に関する悩みを抱えている方は少なくありません。特に朝起きたときに「疲れが取れていない」「ぐっすり眠れた気がしない」という状況は、多くの方が経験しているかもしれません。その背景には、REM睡眠(急速眼球運動睡眠)の不足が関係している可能性があります。

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当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

REM睡眠(Rapid Eye Movement 睡眠)は、目が急速に動く独特の睡眠段階であり、私たちの身体的・精神的健康と深く結びついています。本記事では、REM睡眠の仕組みや重要性、さらに質の良い睡眠を確保するための具体的な方法を、信頼できる専門情報や研究論文に基づいて詳細に解説します。子どもから大人、高齢者まで幅広い世代が理解しやすく、日常生活で実践しやすい工夫も盛り込んでいます。毎日の生活の質を高め、より健やかな日々を送るためのヒントを、ぜひ見つけてみてください。

専門家への相談

本記事では、「Brain Basics: Understanding Sleep」や「The Biology of REM Sleep」などの信頼できる専門情報をはじめ、多数の研究論文・専門家の意見を参考にしています。また、「What is REM Sleep?」「Sleep Basics: REM & NREM, Sleep Stages, Good Sleep Habits & More」「What is REM Sleep and How Much Do You Need?」等といった権威ある研究機関・医療情報サイトの知見も踏まえ、科学的根拠に基づいた最新の内容を厳選しました。いずれも学術的に評価が高く、医療機関や専門家によって検証された情報をもとに構成されています。したがって、本記事で扱う内容は信頼性が高く、確かな裏付けがあります。読者の皆様が安心して理解を深め、日常生活で睡眠の改善につなげられるよう努めています。詳細な参考文献や情報源は記事末尾に示してありますので、さらなる理解や確証を得たい場合はぜひご確認ください。

REM睡眠とは?

睡眠は複数のステージから構成され、その中にはREM(ラピッドアイムーブメント:急速眼球運動)睡眠NREM(ノンラピッドアイムーブメント:非急速眼球運動)睡眠が存在します。一般的には入眠から約90分後にREM睡眠が訪れ、夢を見る段階として知られています。この段階では、眼球が急速に左右へ動き、脳の活動が活発化します。

REM睡眠は、成人の睡眠サイクル全体のおよそ20〜25%を占め、新生児期には50%以上に達することも特筆すべき点です。年齢によってREM睡眠の割合は変動し、成長期には脳の発達や神経系の成熟に深くかかわります。大人にとっても、記憶や感情の整理など、精神的健康を保つうえで欠かせない重要な役割を担っているのです。

さらに、近年ではREM睡眠が心の安定や学習効率の向上に大きな影響を及ぼすことが広く認識されるようになりました。忙しい日々を送る方ほど、短時間の睡眠で済ませてしまいがちですが、質の高いREM睡眠が不足すると、心身ともに十分な回復が得られず、パフォーマンス低下やストレスの蓄積につながる可能性があります。

4つの睡眠段階

通常の睡眠は、REM睡眠とNREM睡眠という2つの主要段階に分けられ、NREM睡眠はさらに3つのサブステージを含みます。これら4つの段階は相互に影響し合いながら、私たちが深く休息し、身体と脳を再構築するしくみを形成しています。

第1段階:NREM睡眠の始まり

この最初の段階は、眠りに落ちる直前の移行期です。まぶたが重くなり、意識がぼんやりしてくるものの、外界からの刺激に対してまだ敏感で、少しの物音でも目が覚めてしまうことがあります。脳波はゆっくりと変化し始め、日中に溜まった疲れを解放する初期プロセスが進みます。この短いステージは数分程度続くことが多く、筋肉は徐々に弛緩していきます。家事や勉強を終えて布団に入り、まどろむような感覚をイメージすれば、この段階をより身近に感じられるでしょう。

第2段階:浅いNREM睡眠

この段階は比較的浅い睡眠状態ですが、全睡眠時間の約50%を占める重要なフェーズです。体温が軽く下がり、心拍数や呼吸はゆったりと安定します。脳波には「スリープスピンドル」と呼ばれる短時間の脳活動が観察されますが、これは外部刺激(音や振動など)を遮断し、脳を保護する働きを持つと考えられています。また、この時期に脳は記憶の整理や情報の定着を行い、不要な記憶は減らされるため、翌日の活動がよりスムーズになります。

たとえば、日中に学んだ新しい技術や言葉は、この浅い睡眠段階を通して脳内で再構成され、その後の深い睡眠やREM睡眠でさらに強固な記憶として定着します。学習や仕事の効率を上げるうえでも、この第2段階の質を高めることは非常に重要です。

第3段階:深いNREM睡眠

この段階は、深い眠り(徐波睡眠)とも呼ばれ、身体がしっかりと休息し再生するための根幹を担います。筋肉は完全に弛緩し、血流は組織へ十分に行きわたり、細胞修復や成長ホルモンの分泌が活発になります。免疫機能も高まり、新陳代謝が正常化することで身体全体が整えられます。深い睡眠が不足すると、翌日に疲労感が抜けず集中力が落ち、日中のパフォーマンス低下につながりやすくなります。

例えば、スポーツ選手が高いパフォーマンスを発揮するためにもこの深い睡眠段階は欠かせません。子どもや成長期の若者にとっては、骨や筋肉の成長・修復を行う重要な時間となるため、質の良い深い睡眠を確保することが心身の健全な成長に結びつきます。

第4段階:REM睡眠

睡眠のサイクルを締めくくるのが、REM睡眠です。この段階では脳の活動が非常に活発になり、多くの夢が見られます。脳は日中に獲得した情報や経験を整理し、長期記憶へと定着させ、感情的な出来事の処理を行います。このプロセスによって、学習能力の向上や創造力の発揮、問題解決力の強化が期待されます。感情コントロールやストレス処理能力、精神的な安定にも深く関与しているため、REM睡眠不足は心の不調を招きやすい要因となります。

激務や勉強づけの生活で精神的な負荷が高い状態が続くと、どうしても睡眠の質が落ち、REM睡眠が十分に得られなくなることがあります。結果としてストレスがうまく解消されず、翌日の集中力や気分に影響を及ぼしやすくなるのです。

REM睡眠の特性

REM睡眠中、身体と脳には以下のような変化が起こります。これらを理解することで、なぜREM睡眠が「脳と心のリセット」に不可欠なのかが見えてきます。

  • 急速な眼球運動:目が左右に素早く動き、これは夢の映像的体験と関連すると考えられています。
  • 不規則かつ速い呼吸:呼吸のリズムが乱れ、時に速くなることがあります。脳活動の活発化に伴う生理的反応です。
  • 心拍数の増加:夢の内容に感情が伴いやすく、覚醒時に近い心拍数まで上昇する場合もあります。
  • 体温の変化:体温調節がやや不安定となり、一定に保たれないことがあります。
  • 血圧の上昇:覚醒時に近い血圧レベルまで上昇し、不規則に変動することがあります。
  • 脳活動の増加:脳波は覚醒時に近いパターンを示し、脳が活発に情報処理を行っている証拠とされています。
  • 脳への酸素供給増加:活発な脳活動を支えるために酸素供給が高まり、情報の整理や感情の処理が効率的に進みます。
  • 性欲の刺激:ホルモンバランスの変化により、性欲が刺激される場合があります。
  • 軽い顔・四肢の痙攣:夢の内容と連動した微細な動きが起こることがありますが、脳が全身の大きな運動を抑制しているため、限定的にとどまります。

特に、REM睡眠時には多くの人が一時的な筋無力症(無動状態)となることが知られています。これは脳が意図的に身体の筋肉を「動かないように制御」する働きであり、夢の中の行動を実際に体で行わないようにする安全装置のようなものです。この機能がなければ、夢に合わせて体が大きく動き、睡眠中のケガや周囲への影響が大きくなる恐れがあります。

また、REM睡眠は精神的な健康維持にも重要です。REM睡眠不足はストレスや不安への対処力を低下させ、感情コントロールが難しくなる可能性が報告されています。さらに、学習や記憶の定着、創造力の発揮にも悪影響を与えるため、心身の健やかな営みを支える基盤として位置づけられるのです。

REM睡眠の利点

REM睡眠には、学習・記憶・感情調整など、私たちの生活を豊かにするうえで多面的な恩恵があります。具体的には、うつ症状の軽減、不安の緩和、認知機能の維持・向上が挙げられます。精神的な安定を保ち、集中力や創造力を高めるためにも、質の良いREM睡眠は欠かせません。スポーツ、学業、仕事など、あらゆる分野でパフォーマンス向上に大きく寄与すると考えられています。

学習と記憶

脳は睡眠中に情報を整理・統合し、記憶を強化します。特にREM睡眠時には、日中学んだことを定着させ、運動スキルなどの手続き的記憶も安定化するとされています。
2016年の研究https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC5324644/)では、睡眠不足が「偽の記憶」を形成しやすくするリスクを高めることが示唆されています。しっかり眠って情報を確実に整理することで、正確な記憶の保持が可能になり、学びの質が向上すると考えられています。

子供の神経発達

新生児や幼児にとって、REM睡眠は脳の発達に不可欠な要素です。ある研究https://www.karger.com/Article/FullText/508055)によれば、REM睡眠中に生じる神経刺激が脳回路の成熟を促し、将来的な認知機能や情動制御の基盤を築く可能性が示されています。十分なREM睡眠を確保することで、成長期の子どもは健全な精神発達と学習能力の獲得につなげられるのです。

REM睡眠不足の影響

REM睡眠が十分に確保できない場合、以下のような健康面・精神面での問題が生じる可能性があります。

  • 危機管理能力の低下
    研究https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC6143346/)によると、REM睡眠不足は緊急状況への判断力や対応力を弱めるおそれがあると報告されています。不測の事態に対処しなければならない場面や、仕事中の突発的なトラブルに対応する際に影響が出る可能性があります。
  • 片頭痛のリスク増加
    質の悪い睡眠は片頭痛を引き起こすリスクを高める場合があります。頭痛持ちの方は、普段の睡眠習慣を整えることで発作の頻度や程度を軽減できる可能性があります。
  • 肥満のリスク増加
    睡眠時間が短いと、食欲調節ホルモンであるレプチンの分泌バランスが乱れ、過剰な食欲や脂肪蓄積を招きやすいと考えられています。その結果、肥満へと進みやすくなるリスクが増加します。

アルコールがREM睡眠に与える影響

就寝前にアルコールを摂取すると、一見リラックスして眠りにつきやすいように感じるかもしれませんが、実際には睡眠の質を下げる要因となります。複数の研究https://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC6879503/)によると、アルコールは総睡眠時間そのものに大きな変化を及ぼさない場合でも、REM睡眠の質や量を減少させることが指摘されています。さらに、研究レビューhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/labs/pmc/articles/PMC5821259/)では、アルコール摂取が睡眠後半の質を著しく悪化させ、翌日の疲労感や集中力の低下を招く可能性があると示されています。

これは、アルコールが脳内の睡眠調節システムに作用し、深い睡眠やREM睡眠への移行を妨げるためと考えられます。少量であっても、習慣的に夜にアルコールを飲んでいる方は、睡眠全体の質の低下を自覚しにくい場合があるため注意が必要です。

REM睡眠行動障害(RBD)とは

通常、REM睡眠時には筋肉が一時的に麻痺し、夢の内容が実際の行動として表出しないよう抑制されます。しかし、REM睡眠行動障害(RBD)の場合、この抑制メカニズムが十分に働かず、夢の中の行動をそのまま身体が実行してしまうことがあります。

RBDの原因としては、中枢神経系の伝導異常が考えられており、以下のリスク要因が指摘されています。

  • 男性
  • 50歳以上
  • 抗うつ薬の使用
  • 薬物やアルコール依存からのリハビリ中
  • 神経変性疾患(パーキンソン病など)
  • ナルコレプシー

RBDの治療では、薬物療法のほか、睡眠中の安全確保(ベッド周りに危険物を置かない、落下防止のクッションを設置するなど)を行います。専門家と相談しながら適切な対策をとることで、安定した睡眠環境を整え、本人や周囲へのリスクを軽減することができるでしょう。

REM睡眠の改善方法

質の良いREM睡眠を確保するためには、以下のような方法が有効と考えられています。これらは日常生活で実践しやすく、続けることで睡眠の質全体を高めることにもつながります。

  • 十分な睡眠時間の確保
    健康な成人は一般的に1日7時間以上の睡眠が望ましいといわれています。睡眠不足は自然とREM睡眠の不足を招きます。忙しい毎日でも睡眠時間を削りすぎず、スケジュールを適切に管理することが大切です。
  • 睡眠障害の治療
    睡眠時無呼吸症候群や不眠症など既存の睡眠障害がある場合は、早期に医療機関を受診し、専門の治療を行うことが重要です。こうした障害が改善されると、睡眠全体のバランスが整いやすくなり、REM睡眠の質や量も向上する可能性があります。
  • アルコール摂取を避ける
    就寝前の飲酒はリラックス効果を感じやすい一方で、深い睡眠やREM睡眠を阻害し、翌日の疲労感や集中力低下につながります。夜はアルコールの代わりにハーブティーやぬるめのお湯を飲むなど、より健康的なリラックス方法を取り入れるのが望ましいでしょう。

健康的な睡眠習慣

毎日の習慣を見直すことで、全体的な睡眠の質が底上げされ、REM睡眠の確保にも役立ちます。以下に日常生活で取り入れやすい習慣を挙げます。

  • 毎日一定の就寝・起床時間を守る
  • 寝室ではスマートフォンやテレビなどの電子機器をできるだけ使用しない
  • 日中に適度な運動を行う
  • 寝室環境を涼しく、暗く、静かに保つ
  • 就寝前はカフェインや重い食事を避ける

これらの習慣を組み合わせることで、深いNREM睡眠と質の高いREM睡眠をバランスよく確保しやすくなります。結果として、日中の集中力や体力も向上し、生活の質そのものが大きく改善されるでしょう。

REM睡眠に関するよくある質問

1. REM睡眠を増やすためには何をすれば良いですか?

回答:
十分な睡眠時間の確保や、毎晩同じ時間に眠り同じ時間に起きる規則正しい生活リズムが基本です。また、カフェインやアルコールの摂取を就寝前に控えることで、自然とREM睡眠が促されることが期待できます。

説明とアドバイス:
夜更かしや不規則な生活リズムは、体内時計を乱し、REM睡眠の質と量を損なう原因になります。決まった時間に寝起きすることで生体リズムが整い、スムーズに深い睡眠やREM睡眠へ移行しやすくなります。カフェインは覚醒作用が強く、アルコールは一見リラックス効果があるように見えても、睡眠後半の質を低下させるといわれています。結果的にREM睡眠が十分確保できず、脳と身体の回復力を損ねやすいのです。

2. なぜREM睡眠が重要なのですか?

回答:
REM睡眠は、記憶整理・感情調整・創造性や問題解決力の向上など、脳と心の健康維持にとって極めて重要な段階だからです。

説明とアドバイス:
REM睡眠中、脳は日中に得た情報や経験を“再編集”し、長期記憶として蓄積します。新しい知識や技能の定着が促され、翌日の学習や仕事の効率が上がります。また、感情処理やストレス軽減にも重要な役割を果たし、精神的なバランスを整える効果が期待できます。そのため、精神的な安定や集中力を保ちたい人にとって、REM睡眠の質を高めることは非常に大切です。

3. REM睡眠不足による影響は何ですか?

回答:
REM睡眠が不足すると、記憶力や集中力の低下、感情の不安定、ストレスへの耐性の低下などさまざまな問題が生じる可能性があります。

説明とアドバイス:
継続的にREM睡眠が不足すると、学習能力だけでなく、思考の柔軟性や問題解決能力も落ちると考えられています。さらに、ストレスや不安を溜め込みやすくなり、うつ症状や不安障害を悪化させるリスクもあるため、注意が必要です。ストレス緩和のテクニック(軽いストレッチ、ヨガ、読書など)を就寝前に取り入れると心身が落ち着き、自然に睡眠の質が高まりやすくなります。

結論と提言

結論

REM睡眠は脳と身体を健やかに保つための不可欠な要素です。記憶の定着、感情の整理、学習能力や創造性の発揮など、多方面で私たちの生活の質を左右します。REM睡眠を十分確保すると、ストレス緩和や気分の安定、集中力の向上などが期待でき、日々のパフォーマンスや健康状態にも良い影響を及ぼします。

提言

REM睡眠を改善するためには、十分な睡眠時間の確保、規則正しい生活リズム、睡眠障害の早期治療、カフェインやアルコールなど刺激物の摂取制限といった基本的な生活習慣が鍵となります。誰でも取り組める実践的な対策を地道に続けることで、確実に睡眠の質と健康レベルが向上します。睡眠は生命活動の根幹を支える重要なプロセスであることを改めて認識し、REM睡眠の役割を意識しながら生活習慣を整えることで、より健康的で充実した毎日を送りましょう。

免責事項:本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療上のアドバイスを代替するものではありません。個々の健康状態や症状は人によって異なるため、具体的な診断や治療方針については医師や専門家に相談することをおすすめします。

参考文献

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