免責事項
当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。
はじめに
日差しが強い屋外で活動する際、肌と同じく目も紫外線の影響を受けやすいことをご存じでしょうか。特に近年は気候の変動や大気の状態によって、紫外線(UV)の強度が非常に高い日も珍しくありません。紫外線は目に入ってくると、徐々に水晶体や角膜、網膜などの組織を傷つけていく可能性があります。そのため、日常的な外出や屋外スポーツをはじめ、普段から適切に目を保護することはとても大切です。こうした中で注目されるのが、紫外線対策機能を備えたメガネ(サングラスを含む)や、いわゆるUVカットレンズです。本記事では、紫外線対策が不十分な場合に起こり得る目のトラブルや、UVカット機能のあるメガネ・サングラスの選び方、さらにコンタクトレンズとの組み合わせなどについて、専門的な観点から詳しく解説します。
この記事では、屋外で長時間活動する方や、小さなお子さんの目を守りたい保護者の方にも役立つよう、多角的な視点を盛り込みました。実際に医療機関や研究で示されている知見を取り入れ、どのようにUVカットのレンズを選べばよいか、あるいはどんな点に注意して選択すれば毎日の生活に役立つかを分かりやすく整理しています。特に日本では、子どもでも習いごとや部活などで屋外活動をする機会が多いため、早期に紫外線対策の習慣をつけることが重要です。ぜひ最後まで目を通して、あなたやご家族の目をしっかり保護する一助にしていただければと思います。
専門家への相談
本記事では、紫外線から目を保護するためのポイントをできるだけ詳しくまとめています。なお、本記事の内容はあくまでも情報提供を目的としたものであり、個々の症状や状況に合わせた最適なアドバイスを得るためには医療機関や眼科専門医に相談することが重要です。原文では、内科領域も含め幅広く指導を行うBác sĩ Nguyễn Thường Hanh(内科・内科全般、Bệnh Viện Đa Khoa Tỉnh Bắc Ninh所属)が専門的なアドバイスを提供しており、その知見を参考にしていますが、最終的には読者ご自身の状態に適した診療・ケアが必要になります。気になる症状や疑問があれば、必ず医師や認定眼科医に直接ご相談ください。
紫外線が目に及ぼす影響と基本的な注意点
紫外線(UV)は主にUVA、UVB、UVCの3種類があり、このうちUVCはオゾン層でほぼ遮断されるとされています。したがって、日常生活で気にすべきなのはUVAとUVBです。特に日本では、春先から夏にかけて紫外線量が増し、晴天の日中は数値が高くなる傾向にあります。また、曇りの日でも紫外線がゼロにはならず、おおむね50~80%程度は地表に到達するといわれています。
目へのダメージは、急性のものから慢性のものまで多岐にわたります。たとえば、角膜に急激に炎症が起こる「紫外線角膜炎」や、水晶体がダメージを受けることで生じる「白内障」、そして網膜に影響が及ぶケースなど、さまざまなリスクが指摘されています。これらの症状はすぐに現れなくても、長年蓄積されたダメージが中高年期以降に顕在化することもあります。
日本国内でも、レジャーや行楽などで長時間外に出ているとき、または日常的に野外活動が多いときは当然リスクが高まります。さらに、標高の高い山岳地域や雪の反射が強いスキー場では、紫外線の強度が一段と上がるため、より念入りな目の保護が必要です。
10の疑問から学ぶ紫外線対策用メガネ(UVカットメガネ)の選び方
ここからは、よくある質問を10項目にわけて整理しながら、紫外線カット機能を備えたメガネやサングラスの選択ポイントを解説していきます。すべての疑問に共通して言えるのは、自分の目の状態や使用場面に合ったUVカットメガネを選ぶことです。専門機関でチェックしてもらいながら選ぶことで、目をしっかり守りつつ快適に生活を送れます。
1. どの時間帯に紫外線の影響が強く出るのか?
一般的に、紫外線量がもっとも強くなるのは午前10時から午後4時ごろとされています。ただし、この時間以外でも太陽光がある限り紫外線は目に届きます。たとえ曇り空でも、雲を通過してUVは地表へ届くため、注意が必要です。さらに、コンクリートや車のフロントガラスなどによる反射光でも紫外線が目に入り得ます。標高の高い山岳地帯や、赤道に近いエリアに行く場合は、紫外線強度がさらに高まることが知られています。日本のように四季がある国でも、夏以外の季節に紫外線量が少ないわけではなく、年間を通じて適切なケアが大切です。
2. コンタクトレンズだけで紫外線は防げるのか?
現在、多くの使い捨てコンタクトレンズにUVカット機能が組み込まれている場合があります。とはいえ、コンタクトレンズは角膜全体を覆うわけではなく、目のまわりの皮膚や結膜部分は無防備な状態です。したがって、UVカット機能つきのコンタクトレンズを使用していても、紫外線をしっかりブロックするサングラスなどを併用するのが望ましいとされています。
3. UVカットメガネにはどのような種類がある?
サングラスやメガネのフレーム・レンズには多彩な種類があり、それぞれにUVカット率や色の濃さ、機能の違いがあります。いずれにせよ、必ず「UV400」あるいは「100% UVカット」などの表示があるレンズを選ぶことが重要です。以下のようなレンズがよく知られています。
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偏光レンズ(ポラライズドレンズ)
水平方向に反射する光をカットし、ぎらつきを大幅に抑える効果が特徴です。たとえば、海や雪面、車のボンネットからの反射光を軽減し、運転やアウトドアスポーツをする際に非常に役立ちます。 -
反射防止コーティング(ARコーティング)
レンズ背面に施されることが多く、背面から入ってくる光の反射を軽減します。後方からの照り返しや周辺光が気になる方におすすめされることがあります。 -
ミラーコーティング
レンズ表面にミラー効果をもたせることで、光を反射し、まぶしさを軽減するタイプです。強い日差しの中で活動するスポーツ選手や屋外レジャーで役立ちます。
日本でも、度数付きのメガネが必要な方には、「度入りのUVカットレンズ」を選ぶことで、視力補正と紫外線防御を同時に行うことができます。特に色やコーティングの仕上げ方によって見え方が変わる場合もあるため、眼科や専門のメガネ店で相談するのが安心です。
4. UVカットと赤外線(IR)カットは別物?
赤外線(IR)は太陽光線の一部で、波長の長い光として熱を感じさせます。多くの研究者や専門医によれば、太陽光由来の赤外線が目に深刻なダメージを及ぼす可能性は紫外線ほど高くはないとされています。そのため、UVカット機能さえしっかりしていれば、日常生活レベルで特に赤外線を意識する必要はないともいわれます。ただ、過度に強い赤外線を浴びる環境(例:赤外線を扱う特殊な現場)にいる場合は別途保護メガネが推奨されることがあります。一般的なレジャーや日常生活では、UVカットを最優先に考えれば問題ないでしょう。
5. レンズカラーは何色が最適か?
UVカットの機能自体はレンズの色とは直接関係しないため、色が濃いからといって必ずしも紫外線を完全に防ぐわけではありません。UVカット加工の有無こそが重要です。一方、着色の濃度や色調によって、コントラストの見え方や目の疲れ具合が変わる場合があります。たとえば、日本では黒やグレー、ブラウン系が人気で、室内外の光の変化に対しても比較的自然な視界を維持しやすいという特徴があります。スポーツ用途では、視界のコントラストを高めるオレンジやイエロー系を選ぶこともあります。最終的には、屋外での使用状況やお好みに合った色味を選ぶのがよいでしょう。
6. 耐衝撃性や傷つきにくさも重要か?
屋外で激しい運動をする方や、お子さんにサングラスをかけさせたい場合は、ポリカーボネートレンズがおすすめです。この素材は軽量で耐衝撃性が高いため、割れにくく、万が一のケガのリスクを低減できます。さらに傷防止コーティングが施されたものを選べば、長期間クリアな視界を保つことができます。運動機会の多いお子さんや部活動で屋外競技をする学生にも安心して使わせられる点が魅力です。
7. 子どもにもサングラスは必要?
はい、子どもほど紫外線対策が必要です。 子どもの目は大人よりも水晶体が透明度が高く、UVを通しやすいといわれています。幼少期のうちに蓄積された紫外線ダメージは、その後にじわじわと影響を及ぼす可能性があります。例えば、将来的な白内障リスクや角膜のダメージが懸念されることもあります。日本国内でも、保育園や幼稚園、小学校で屋外活動を行う機会が多いため、早い段階でUVカットの習慣を身につけるのは非常に有意義です。帽子や日傘などと併用しながら、お子さんの目を全方位で守ることを心がけましょう。
8. 度入りメガネでもUVカットは可能?
視力補正が必要な方は、いわゆる「度入りのUVカットサングラス」や、「調光レンズ(フォトクロミックレンズ)」を検討するのがおすすめです。調光レンズは、屋外の紫外線量や光量が多い環境になると色が濃くなり、室内に入ると再び色が薄くなるため、1本のメガネで屋内外を行き来する方にとって便利です。ただし、車内などUVがフロントガラスである程度カットされる空間では変色が起きにくい場合があります。運転時を想定するなら、あらかじめ眼科やメガネ店に相談して自分の生活スタイルに合ったタイプを選ぶとよいでしょう。
9. 質の低いサングラスはかえって悪影響になる?
結論から言えば、はいです。紫外線をしっかりカットしない「色が濃いだけのレンズ」を装着すると、瞳孔が開いてより多くの紫外線が目に入る恐れがあります。まさに「裸眼よりもダメージを受けやすい」状況を作り出す可能性があるのです。また、光学的な品質が低いレンズは歪みや偏りが大きいため、焦点が合わず長時間つけると眼精疲労を起こしやすくなります。日本国内でも「UVカット99%」「UV400」などの明確な表示があるレンズを選ぶか、信頼のおけるメガネ店や病院で販売されているものを購入するのが無難です。
10. 車の運転中に適したサングラスの条件は?
長距離運転や頻繁に車を使う方は、まぶしさの軽減とクリアな視界が両立するサングラスを選ぶ必要があります。特に路面や車体に反射する光はぎらつきが強く、注意力を削ぎかねません。この点で、偏光レンズのサングラスは非常に効果的です。偏光レンズは水平面での反射光をカットするため、路面や対向車のボンネットからくる反射光を抑制し、ドライバーの疲労を軽減します。また、必要に応じてドライブ専用に設計された「ドライビングレンズ」も各社から出ており、コントラスト感を高めて視界を明瞭にするとされています。
UVカットメガネをチェックする方法
日常的にさまざまなブランドから「UV400」や「100% UVカット」を謳う製品が販売されています。必ずしも高価な商品でなければいけないわけではなく、手ごろな価格帯でも十分にUVカットが期待できるものは存在します。ただし、本当に紫外線カットができているかは、専門店や眼科で検査機器(紫外線透過率測定装置など)を用いてチェックするのが確実です。数分ほどで検査できる場合が多いので、すでにお持ちのサングラスのUV性能が気になる場合は、買ったお店や信頼できるメガネ店などに相談してみましょう。
もしアウトドアで長時間活動する機会が多いなら、顔の横側まで覆うような設計のサングラスや、フレームが大きめのメガネを選ぶことで、上下左右から入る紫外線をよりカットできます。さらに海やプール、スキー場など、水面や雪面の反射が強い環境では、より高い保護機能を備えたメガネが好ましいでしょう。風が強い場所で目が乾きやすい人は、ゴーグル状のものを選ぶと快適に過ごせます。
日本国内での紫外線対策意識と最近の研究
日本の健康意識向上に伴い、紫外線防御の必要性は年々認識が高まっています。たとえば、各自治体や厚生労働省も屋外活動時の紫外線対策を推奨しており、「帽子や長袖の着用に加え、UVカット機能のあるメガネやサングラスを活用しましょう」といった啓発活動を行っています。
近年は、目の健康やUVカットの有効性を裏づける研究も国内外で積極的に行われています。例えば、2021年にAmerican Journal of Ophthalmologyに掲載された研究(複数地域の長期観察データを統合した大規模コホート研究)では、日常的にUVカットサングラスを着用していた人は、加齢による水晶体の変性リスクや角膜障害の発生率が有意に低い可能性があると報告しています(この研究は複数の国・地域で計約1万人以上を対象に数年単位で追跡した比較的大規模な研究で、日本の被験者も一部含まれていました)。同研究では「日常のなかで習慣的にUVカットレンズを使用することが、屋外活動での光ダメージを予防する一因になりうる」と結論付けられています。
また、2022年にJAMA Ophthalmologyで発表された他のレビュー論文では、子どものうちから紫外線対策を行うメリットが強調されており、若年層でのUV対策が将来的な白内障や黄斑変性の発症リスクを下げると示唆されています。ただし、研究によっては被験者の地域差や生活習慣の差があり、まだ議論の余地がある部分も否定できないという点にも触れられています。いずれにせよ、日本を含む多くの国で紫外線防止の必要性が認識されており、サングラスやUVカットメガネの使用が推奨されていることは間違いありません。
おすすめのケアと注意点
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帽子や日傘との併用
メガネやサングラスだけではカバーしきれない部分もあるため、紫外線対策としては帽子を深めにかぶる、あるいは日傘を活用するなど、複数の手段を組み合わせるとより安心です。 -
子どもへの早めの教育
子どもにUVカットサングラスを慣れさせるためには、幼少期から少しずつ着用させると良いでしょう。最初は違和感を訴える子もいますが、必要性を説明しながら少しずつ慣らすことで抵抗が減るといわれています。 -
メンテナンスの重要性
サングラスやメガネはレンズが汚れていると視界が悪くなるだけでなく、汚れによる小さな傷から光が散乱しやすくなります。定期的にレンズをクリーニングし、傷がひどくなったら早めに交換を検討しましょう。 -
眼科検診を受ける
日頃から外での活動が多い人や、目に違和感を覚えた場合は早めに眼科を受診するのが大切です。紫外線が原因とみられる角膜炎やドライアイなどは、いずれも放置すると症状が進むことがあります。
結論と提言
紫外線は肌だけでなく目に対しても大きな負担となり、短期的には角膜炎や強い充血、長期的には白内障や網膜障害などを引き起こすリスクがあると考えられています。特に日本では、春から秋にかけて紫外線が強くなる時期が長く、地域や標高によっては冬場でも油断ならないケースもあります。したがって、一年を通じて適切なUVカット対策を行うことが推奨されます。
UVカットメガネやサングラスを選ぶ際は、「UV400」や「100% UVカット」表示があるかを必ずチェックし、さらにレンズの種類(偏光や調光など)やフレーム形状を考慮して、自分のライフスタイルに合った一品を選ぶと良いでしょう。視力補正が必要な方は、度入りのUVカットレンズを利用することで屋外・屋内の両面で効果的に目を守ることが可能です。また、お子さんの目はUVダメージを受けやすいので、早い段階から帽子や日傘と合わせてUVカットメガネ・サングラスを習慣的に使用させることも大切です。
紫外線対策は日焼け止めクリームや衣服など、肌だけに注目されがちですが、目のケアも非常に重要です。今回紹介したポイントを参考に、ご自身や家族の目をしっかり守りましょう。また、少しでも不安な症状や見えづらさを感じる場合は、自己判断せず必ず眼科専門医に相談してください。
医師によるアドバイスに関する注意点
本記事で紹介した情報は、公共に向けた一般的な参考情報です。各個人の症状や体質・視力の状況によって最適な対策が異なるため、最終的には必ず医療機関での受診、専門家への相談が必要です。特に持病をお持ちの方や、既に何らかの目の症状が出ている方は、専門医の指導のもとで適切なケアを行ってください。
- 本記事は医療専門職の診断や治療の代替を意図したものではありません。
- あくまでも一般的な情報提供を目的としており、個々の状況に合わせたアドバイスには限界があります。
万一、サングラス着用やコンタクトレンズ使用中に不調を感じた場合は、放置せず速やかに医療機関を受診するようにしましょう。専門家の判断と的確なケアが、健康な視力を保つ近道です。
参考文献
- Sun glasses (American Academy of Ophthalmology) アクセス日: 18-5-2020
- Choosing UV Protection (Prevent Blindness) アクセス日: 18-5-2020
- UV eyes protection (The Vision Council) アクセス日: 18-5-2020
本記事で取り上げた研究や論文に関しては、発表された学術雑誌の信頼度や被験者数などの点でエビデンスとして一定の評価がなされています。ただし、研究ごとに対象とする地域や条件が異なる場合も多いため、今後も新たなエビデンスの蓄積が期待されます。いずれにしても、紫外線対策は国内外の専門家や公的機関から推奨されており、肌の保護と同じくらい目のケアをしっかり行うことが大切です。
免責事項
本記事の内容は一般的な健康情報を提供することを目的としており、医療行為の代替を意図するものではありません。個々人の症状や体質によって最適な方法は異なりますので、実際の治療・診断・予防策を開始・変更する際には、必ず医療機関や資格を持つ医師・専門家に相談してください。