喘息
最終更新: 2026年7月 | 編集: JHO編集部(AI技術活用・公的資料に基づく)
✦ 結論から言うと
喘息(ぜんそく)は気道に慢性的な炎症が続き、ちょっとした刺激でも気道が狭くなって「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴や息苦しさ、咳をくり返す病気です[1]。吸入ステロイド薬を中心とした長期管理薬で発作を予防できますが、自己判断で薬をやめると悪化しやすく、まれに喘息発作(大発作)は命に関わります[2]。会話ができない・唇や爪が青い(チアノーゼ)・横になれないなどの「強い発作のサイン」が一つでもあれば、ためらわず119番または救急外来を受診してください[6]。
| 原因 | 気道の慢性炎症+アレルゲン(ダニ・ハウスダスト・ペット・花粉など)や感染・喫煙・気象変化などの悪化因子が複雑に関係する[1] |
|---|---|
| 主な症状 | 夜間〜早朝に悪化しやすい咳・喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)・息苦しさ[1] |
| 受診の目安 | 短時間作用性気管支拡張薬を吸入しても改善しない、苦しくて眠れない、強い発作のサインがある場合はすぐ受診[6] |
喘息とは何か?気道が狭くなる仕組み
喘息の人の気道には、アレルギーなどが原因となって慢性的な炎症が続いています。そのため、健康な人なら反応しないような少しの刺激でも気道が過敏に反応し、気道の粘膜が赤くむくんで狭くなる「気道狭窄」が起こり、せき・たん・呼吸困難をともなう発作につながります[1]。炎症を放置して発作をくり返すと、気道の組織が元通りに治らずに硬く狭いままになる「リモデリング」が起こり、呼吸機能の低下につながることも報告されています[10]。
成人(20〜45歳)を対象にした全国調査では、ぜん鳴を経験する人の割合(有症率)が2006年9.3%→2010年12.3%→2012年13.9%、医師の診断・治療中の人(有病率)は2006年5.3%→2010年7.7%→2012年8.9%と、いずれも増加傾向にあると報告されています[1]。喘息で亡くなる人の数は減少傾向にありますが、その多くは65歳以上の高齢者です[1]。
アレルギー性の喘息が起こる流れは、①ダニやハウスダストなどのアレルゲンが体内に侵入する、②樹状細胞が異物として認識しヘルパーT細胞に伝える、③B細胞が活性化してIgE抗体を大量につくりマスト細胞の表面に結合する(感作)、④再びアレルゲンが侵入するとIgE抗体と結合したマスト細胞が活性化し、ヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症性物質を放出する、⑤気道に炎症が起こる、という段階を経るとされています[1]。感作の段階ではまだ症状は出ず、炎症性物質が放出されて初めて症状につながります[1]。
症状の特徴:喘鳴・咳・夜間から早朝の悪化と、似た病気との見分け方
喘息の特徴的な症状は、夜間から早朝にかけてせきやたんが出やすいこと、呼吸のたびに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音(喘鳴)が聞こえること、運動したり冷たい空気や煙にあたると息苦しさやせきが出ることです[1]。せきやたん、呼吸困難をともなう病気は喘息以外にもあり、治療法が異なるため見分けが必要です[5]。
| 項目 | 喘息 | 咳喘息 | COPD | 心臓喘息 |
|---|---|---|---|---|
| 主症状 | 喘鳴・咳・息苦しさ | 乾いた咳が8週間以上(喘鳴なし) | 労作時の息切れ・咳・たん | 発作性の呼吸困難・むくみ |
| 好発時間帯 | 夜間〜早朝 | 就寝時〜深夜・明け方[5] | 坂道や階段など体を動かした時 | 体を動かしすぎた日の夜 |
| 主な原因 | 気道の慢性炎症 | 喘息と同じ悪化因子(気道感染・冷気・運動など)[5] | 主に長期間の喫煙[5] | 虚血性心疾患・心臓弁膜症など[5] |
| 呼吸機能検査 | 気道が狭い(可逆性あり) | ほぼ正常なことが多い[5] | 1秒率の低下が持続 | 喘息治療で改善しにくい |
見分けるカギ:喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)をともなわない咳が8週間以上続く場合は「咳喘息」が疑われ、成人の咳喘息を放置すると30〜40%が喘息に移行するとされています[5]。40歳以上で喫煙歴があり坂道や階段で息切れする場合はCOPDの合併も確認が必要です[5]。
出典:環境再生保全機構(ERCA)「ぜん息と似ている病気」[5]
原因と発作のきっかけ(悪化因子)
喘息は「個体因子」(遺伝子素因・アトピー素因・気道過敏性・性差など)と「環境因子」(アレルゲンや感染、大気汚染物質など)が複雑に絡み合って発症するとされています[1]。両親に喘息があると子どもの発症リスクは3〜5倍程度高くなるとされています[1]。ただし、体質(個体因子)を持っていても生まれた後の環境に左右されるため、「遺伝する」=「喘息を発症する」と単純に予測することは誰にもできず、絶対に発症しないと保証することもできないとされています[8]。
| 要因 | 内容 | 対策の要点 |
|---|---|---|
| アレルゲン | ダニ・カビ・ペットの毛やフケ・花粉など[4] | 室内環境の見直し、こまめな掃除 |
| 呼吸器感染症 | カゼやインフルエンザ、肺炎などの感染症は大きな悪化要因、とくに空気が乾燥する冬は注意[4] | 手洗い・ワクチン接種の検討 |
| 喫煙・受動喫煙 | 呼吸機能を低下させ、薬の効きも悪くする。受動喫煙も同程度悪化させる[4] | 禁煙、家族の受動喫煙対策 |
| 肥満・メタボリックシンドローム | 悪化因子であり発症因子でもある。女性はBMIが高いほど重症化しやすい[4] | 内臓脂肪を減らす運動・食事療法 |
| 気象の変化 | 気圧・気温の急な変化、台風などで悪化することがある[4] | 気温差が大きい日は薬を携帯 |
| 大気汚染・PM2.5 | 汚れた空気は気道を刺激する。春先はPM2.5が原因になることも[4] | 大気情報の確認、屋内での対策 |
| アスピリン等の解熱鎮痛薬(NSAIDs) | 成人喘息患者の約5〜10%、とくに鼻ポリープ・副鼻腔炎のある人で重症発作を誘発することがある(アスピリン喘息)[4] | 使用前に必ず医師・薬剤師に確認 |
| β遮断薬 | 高血圧・緑内障治療薬の一部は気管支を収縮させ悪化させる[4] | 処方時に喘息の既往を必ず伝える |
出典:ERCA「日常生活におけるぜん息悪化の要因」[4]
職業性喘息:特定の職場環境で特定の物質にさらされることで発症する喘息もあります。ラテックス(看護師・ゴム手袋使用者)、小麦粉・そば粉(製パン・製麺業者)、動物の毛やフケ(実験動物取扱者・獣医)、薬剤粉じん(薬剤師・製薬会社従業員)などが原因物質として知られています[16]。診断には職種や休日に症状が出るかどうかを含めた問診がもっとも重要で、発症したら原因物質を完全に回避することが治療の原則とされています[16]。
診断の目安となる検査
喘息の診断でもっとも重要な手がかりは問診です。症状の種類・頻度・程度、既往歴、家族のアレルギー歴、生活環境(喫煙・ペットの有無)などを詳しく医師に伝えることが診断に役立ちます[3]。問診に加え、アレルギー体質の有無、気道の狭さ、気道の炎症の状態を調べる検査が行われます。
| 検査 | 調べること/目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 血液検査(好酸球数) | 一般的に4%以上、または300個/㎣以上で高いと判定 | アレルギー体質の判定[3] |
| 血液検査(総IgE値) | 一般的に200IU/mL以上で高いと判定 | アレルギーのなりやすさ[3] |
| 呼吸機能検査(スパイロメトリー) | 1秒率70%以下の場合、喘息が疑われる | 気道の狭さを数値化[3] |
| 気道可逆性テスト | 短時間作用性β2刺激薬の吸入前後で気道が広がるか | 喘息の診断・鑑別に有用[3] |
| 呼気NO検査 | 一般的な目安として36ppbを超えると喘息が疑われる | 発作時(肺機能低下時)はむしろ低値を示すため解釈は医師に確認[3] |
| 気道過敏性テスト | 刺激薬に対する気道の反応性を確認 | 重症度や治療効果の把握にも利用[3] |
出典:ERCA「検査と診断」[3]
治療:発作治療薬(リリーバー)と長期管理薬(コントローラー)、重症度別の治療ステップ
喘息治療の基本は、気道の炎症そのものを抑える「長期管理薬(コントローラー)」です。中心となるのは吸入ステロイド薬で、普及してから喘息で亡くなる人や入院する人の数が大幅に減少したとされています[2]。長期管理薬は使い始めてすぐに症状が治まっても気道の炎症は続いているため、症状がないからと自己判断で中断せず、医師の指示通りに継続することが重要です[2]。
発作が起きたときに使うのが「発作治療薬(リリーバー)」で、代表的なものが短時間作用性β2刺激薬(SABA)です。気管支を広げてすぐに効果が現れますが、気道の炎症を抑える働きはないため喘息の根本治療にはならず、長期管理薬を使わずリリーバーだけに頼ると気道の炎症が進み悪化してしまいます[2]。
| 治療ステップ | 未治療時の症状の目安 | 長期管理薬(基本治療) |
|---|---|---|
| ステップ1(軽症間欠型相当) | 症状が週1回未満、夜間症状は月2回未満[2] | 吸入ステロイド薬(低用量) |
| ステップ2(軽症持続型相当) | 症状が週1回以上だが毎日ではない、夜間症状が月2回以上[2] | 吸入ステロイド薬(低〜中用量)+長時間作用性β2刺激薬など1剤 |
| ステップ3(中等症持続型相当) | 症状が毎日あり、SABAがほぼ毎日必要、夜間症状が週1回以上[2] | 吸入ステロイド薬(中〜高用量)+複数の併用薬 |
| ステップ4(重症持続型相当) | 治療下でもしばしば増悪、症状が毎日あり日常生活が制限される[2] | 吸入ステロイド薬(高用量)+複数併用、生物学的製剤や経口ステロイド薬も検討 |
出典:ERCA「ぜん息の薬」(喘息予防・管理ガイドライン2018を一部改変)[2]
症状が出ない状態が3〜6か月持続すれば、治療薬の種類や量を減らす「ステップダウン」も可能ですが、自己判断での中止は避け、必ず医師の指示に従って続けることが求められています[2]。
重症喘息への生物学的製剤:高用量の吸入ステロイド薬や複数の薬剤を併用しても症状が安定しない重症喘息には、抗IgE抗体(オマリズマブ)、抗IL-5抗体(メポリズマブ)、抗IL-5受容体抗体(ベンラリズマブ)などの注射薬や、気管支サーモプラスティ(気管支の内側を電極で温める非薬物療法、18歳以上が対象)といった新しい治療法があります[7]。いずれも新しい治療法のため、長期の有効性・安全性については医師とよく相談する必要があるとされています[7]。
⚠ 喘息発作(増悪)が起きたら — 強い発作のサインとすぐ119番すべき目安
次の「強い発作のサイン」が一つでもあれば、ためらわず救急車(119番)を呼ぶか救急外来を受診してください:苦しくて動けない・唇や指先が青白い(チアノーゼ)・横になれない・呼吸が減弱している・呼吸が止まっている[6]。
| 発作強度 | 呼吸困難の程度 | 対処法 |
|---|---|---|
| 喘鳴/胸苦しい | 急ぐと苦しい・動くと苦しい | 短時間作用性β2刺激薬を吸入し、改善したら自宅で様子見。悪化するなら再吸入し、改善しなければ救急外来へ[6] |
| 軽度(小発作) | 苦しいが横になれる | 同上:吸入して改善しなければ再吸入、それでも改善しなければ救急外来[6] |
| 中等度(中発作) | 苦しくて横になれない | 吸入し改善なければ20〜30分後に再吸入。改善しなければ救急外来を受診[6] |
| 高度(大発作) | 苦しくて動けない | 吸入しながら周囲の助けを借りて速やかに救急外来を受診、もしくは救急車を呼ぶ[6] |
| 重篤 | 呼吸が減弱、チアノーゼ、呼吸停止 | 直ちに救急車(119番)を呼ぶ[6] |
出典:ERCA「発作が起こったら…」(喘息予防・管理ガイドライン2018を一部改変)[6]
次のような場合は、ためらわずに医療機関を受診しましょう:苦しくて眠れない・短時間作用性β2刺激薬や内服薬の効果が不十分・発作止めの薬が手元にない・強い喘息発作のサインがある場合です[6]。日頃から、使う薬とその使い方、受診のタイミングを医師と相談し「行動計画(アクションプラン)」として書面にまとめておくことが勧められています[6]。
⛔ 発作治療薬(SABA)は気管支を広げるだけで、気道の炎症を抑える働きはありません。症状が治まったからといって長期管理薬(吸入ステロイド薬)を自己判断で中断すると、炎症が進んで悪化・再発作につながります[2]。長期管理薬の量や種類を変える判断は、必ず主治医・呼吸器またはアレルギー専門医に相談してください[2]。
日常管理・予防:吸入手技・ピークフロー・自己管理・環境整備
自分の喘息のコントロール状態を把握するには「喘息コントロールテスト(ACT)」が使われます。過去4週間の症状頻度や発作止めの使用回数などを点数化し、25点満点で「完全な状態(トータルコントロール)」、20〜24点で「良好な状態(ウェルコントロール)」、20点未満は「コントロールされていない状態」と判定されます[12]。
ピークフロー測定と「ゾーン管理システム」
ピークフローメーターで力いっぱい息を吐き出したときの速度の最大値を測ることで、目に見えない気道の状態を数値で客観的に把握できます[14]。朝・夜など1日2〜3回測定して記録し、自己最良値(自分の最も良い時の値)に対する割合を「グリーン・イエロー・レッド」の3ゾーンに分けて対処の目安にする「ゾーン管理システム」が案内されています[14]。
| ゾーン | ピークフロー値の目安 | 状態 | 対処 |
|---|---|---|---|
| グリーン(安全) | 自己最良値の80〜100% | 症状ほぼなく日常生活・睡眠に支障なし[14] | 良好な状態が3か月以上続けば、医師が長期管理薬の減量を慎重に検討[14] |
| イエロー(要注意) | 自己最良値の50〜80% | 咳・喘鳴・胸部圧迫感で睡眠や活動が障害される[14] | 短時間作用性β2刺激薬を吸入し様子をみる[14] |
| レッド(要警戒) | 自己最良値の50%以下 | 安静時にも症状があり日常生活に支障[14] | 直ちに短時間作用性β2刺激薬・経口ステロイド薬を使用し、改善しなければ医師の診察が必要[14] |
出典:ERCA「ピークフロー測定とぜん息日記」[14]/ゾーンの区切りは医師と相談して個別に設定するものであり目安です[14]
成人では、朝と夜のピークフロー値の変動(日内変動率=(最高値-最低値)÷最高値×100)が20%以内であることが管理目標とされています[14]。日内変動が大きいときは気管支の状態が不安定と考えられ、とくに夜から朝にかけて値が大きく下がるときは早めの対処が大切だとされています[14]。測定結果は「喘息日記」に記録し、症状・薬の使用状況とあわせて受診時に医師に見せることで、治療方針の相談に役立ちます[14]。
正しい吸入方法と服薬継続のコツ
長期管理薬は、正しい吸入方法で肺に届けてはじめて効果を発揮します。自分ではうまく吸入できているつもりでも、いつのまにか自己流になり、間違った方法で吸入していることも少なくないため、医師・薬剤師に定期的にチェックしてもらうことが勧められています[15]。毎日忘れずに吸入を続けるコツとして、洗顔・歯みがきの前や食事の前、起床直後など「同じ時間・同じ場所・同じ状況」で吸入する習慣づけが案内されています[15]。
治療をきちんと継続しているのにコントロール良好にならない場合は、医師の指示通り吸入・服薬を続けているか、吸入薬を正しい手順で吸入できているかを、医師・看護師・薬剤師に定期的にチェックしてもらうことが勧められています[12]。吸入ステロイド薬は吸入後に口の中に残ると声がれやカンジダ症の原因になることがあるため、吸入後は必ずうがいをすることが対策として示されています[2]。
喘息と鼻炎・副鼻腔炎は同じ気道に起こる炎症のため互いに影響し合い、喘息の人の60〜80%前後にアレルギー性鼻炎の合併がみられるとされます[11]。鼻炎をしっかり治療することで喘息の症状が改善することも知られており、高齢者ではCOPDの合併(約25%に合併との報告あり)にも注意が必要です[11]。日常生活では、禁煙・受動喫煙対策、室内のダニ・ハウスダスト対策、体重管理、風邪やインフルエンザの予防、気象変化が大きい時期の薬の携帯などが、悪化予防の柱として挙げられています[4]。
運動誘発喘息への対策
運動をきっかけに発作が起こることを「運動誘発喘息」と呼びます。喘息だからといって運動を制限する必要はなく、むしろ適度な運動を続けることは長期的に発作を起こりにくくするとされています[13]。運動誘発喘息が出るのは喘息がうまくコントロールできていないサインとされ、治療の見直しが必要な場合もあるため医師に相談することが勧められています[13]。歩行や水泳では起こりにくく、激しい運動・長時間の運動・冷たく乾燥した環境(とくに冬)のランニングでもっとも起こりやすいとされています[13]。予防としては、入念なウォーミングアップに加え、運動の15分前に短時間作用性β2刺激薬を吸入する方法が効果的だと報告されています[13]。運動中に発作が起きた場合は、運動を中止し、水分をとって楽な姿勢で休み、発作治療薬を吸入し、それでも改善しなければ医療機関を受診することが案内されています[13]。
出典:ERCA「運動誘発ぜん息」[13]
小児喘息と妊娠中の喘息の要点
小児喘息
子どもの喘息発作のきっかけとして最も頻度が高いのは風邪(多くがウイルス感染症)で、ライノウイルス・RSウイルス・ヒトメタニューモウイルス・インフルエンザウイルスなどが知られています[10]。ダニ・ハウスダスト・ペットの毛やフケ・花粉などのアレルゲンや、タバコ・花火などの煙も発作の原因になります[10]。不適切な治療で症状がコントロールされていないと、運動時の発作、将来的な呼吸機能低下、突然の発作による救急受診・入院、まれに発作による死亡につながることもあるとされています[10]。
子どもの「強い喘息発作のサイン」(一つでもあれば医療機関を受診、救急車を要請してもかまいません):息をすうときにのどや肋骨の間などがはっきりへこむ(陥没呼吸)・話すのが苦しい・眠れない、といった様子が見られる場合です[9]。会話・食欲・睡眠の様子、顔色や脈、呼吸の様子をよく観察し、受診のタイミングを逃さないことが大切だとされています[9]。ゼーゼーしていてもぐっすり眠っている場合は、無理に起こして薬を飲ませる必要はありません[9]。
子どもの吸入ステロイド薬は、通常の投与量では全身への副作用はほとんどないとされ、正しく使えば安全に続けられます[10]。吸入後にうがいができない年齢では、吸入後に水を飲んで胃に流すことが勧められています[10]。⛔ 自己判断で長期管理薬をやめたり量を変えたりせず、必ず医師の指示に従ってください。
妊娠中・授乳中の喘息
妊娠すると肺が圧迫されて呼吸機能が低下するため、喘息患者さんの約1/3は妊娠中に喘息が悪化するといわれています[8]。妊娠中にコントロール状態が悪くなると、本人だけでなくお腹の中の赤ちゃんも低酸素状態になるおそれがあります[8]。妊娠中にもっとも大切なのは、医師の指示通り薬物治療・自己管理を継続し、コントロール状態を良くして発作を起こさないようにすることだとされています[8]。
吸入ステロイド薬やβ2刺激薬などの主な喘息治療薬は、妊娠中であっても問題なく使用できるとされています[8]。授乳中も薬物治療は継続され、母乳に移行する薬の量はごくわずかで赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています[8]。⛔ 妊娠中の薬の使用に不安がある場合も自己判断で中断せず、必ず呼吸器・アレルギー専門医に相談してください[8]。
医療費の目安
| 適用時期 | 年収の目安 | 計算式 | 100万円の場合 |
|---|---|---|---|
| ~2026年7月診療分 現行 | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 87,430円 |
| 2026年8月診療分から 見直し後(第1段階) | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 85,800円+1%(PDF原文の表記) | 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small> |
| + 年間上限 53万円(新設) | |||
※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は
厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF)
|JHO確認日:2026-07-16
よくある質問(FAQ)
喘息は完治しますか?薬をやめられる日は来ますか?
喘息発作が起きたとき、まず何をすればいいですか?
どんな症状があればすぐ119番すべきですか?
吸入ステロイド薬は毎日使い続けても安全ですか?
咳だけが8週間以上続きます。喘息と関係ありますか?
妊娠中でも喘息の薬を使って大丈夫ですか?
子どもがゼーゼーしていますが、寝ているので起こすべきですか?
喘息とCOPDはどう違いますか?合併することはありますか?
アスピリンなどの痛み止めを飲むと喘息が悪くなることがありますか?
重症の喘息にはどんな新しい治療がありますか?
喘息に関する記事一覧
記事一覧 9件
基礎知識・原因 1
治療・薬 7
合併症・リスク 1
喘息死の具体的な統計(人口動態統計)については、今回参照した資料には記載が見当たりませんでした。より詳しい数値は厚生労働省の人口動態統計を直接ご確認ください。
参考文献
- 独立行政法人環境再生保全機構(ERCA)「ぜん息とは」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/index.html
- ERCA「治療 ぜん息の薬」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/medicine.html
- ERCA「検査と診断」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/test.html
- ERCA「日常生活におけるぜん息悪化の要因」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/causes.html
- ERCA「ぜん息と似ている病気」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/similar.html
- ERCA「発作が起こったら…」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/attack.html
- ERCA「治療 そのほかの治療法」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/cure.html
- ERCA「女性のぜん息患者さんへ」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/case/women.html
- ERCA「発作時の対応(小児ぜん息)」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/kodomonozensoku/hossa.html
- ERCA「ぜん息ってなに?<症状や治療法>(小児ぜん息)」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/kodomonozensoku/syojo.html
- ERCA「ぜん息との合併に気をつけたい病気」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/complications.html
- ERCA「コントロール状態を調べよう」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/condition/control.html
- ERCA「運動誘発ぜん息」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/exercise.html
- ERCA「ピークフロー測定とぜん息日記」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/condition/peakflow.html
- ERCA「正しい吸入方法を身につけよう」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/inhalation.html
- ERCA「職業性ぜん息」 erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/job.html
