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呼吸器疾患 34分で読める 4回

アレルギー性喘息とは?IgEと好酸球、アトピー型との違い

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結論から言うと

アレルギー性喘息は、ダニ・ハウスダストなどのアレルゲンに対してIgE抗体がつくられ、気道に「2型炎症」と呼ばれる好酸球中心の慢性炎症が起こることで発作が繰り返される病気です。独立行政法人環境再生保全機構(ERCA)によると、成人喘息ではアレルゲンが見つかる「アトピー型」は約6割にとどまり、残り約4割はアレルゲンが特定できない「非アトピー型」だとされています[1]。

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子どもの喘息は9割以上がアトピー型ですが、大人になるほど非アトピー型の割合が増える傾向があると環境再生保全機構は説明しています[1]。治療の土台は吸入ステロイド薬であり、アレルゲン免疫療法や生物学的製剤は、条件を満たす一部の人に上乗せで検討される治療です[5][6]。会話が難しいほど苦しい、唇や指先が青白くなるチアノーゼが出た、発作止めの吸入薬を使っても改善しない――このいずれかがあれば、ためらわずに救急受診してください(同機構)[7]。

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要点まとめ

  • アレルギー性喘息は、アレルゲンに対するIgE抗体と好酸球が引き起こす気道の慢性炎症(2型炎症)が土台にある[1]。
  • 成人喘息の「アトピー型」はアレルゲンが特定できるタイプで約6割、「非アトピー型」は約4割とされる(環境再生保全機構調査に基づく目安)[1]。
  • 日本の住宅でとくに多いアレルゲンはダニ・ハウスダスト・カビ・ペット・花粉で、ゴキブリなど昆虫も対象になり得る[3][4]。
  • 治療の中心は吸入ステロイド薬(長期管理薬)で、環境再生保全機構は「吸入ステロイド薬が普及してから喘息で亡くなる人や入院する人が大幅に減った」と述べている[5]。
  • 会話困難・チアノーゼ・発作止めが効かないの、いずれか一つでもあれば救急受診の目安になると環境再生保全機構は案内している[7]。

編集方針:JHO編集部がAIツールの支援を受け、環境再生保全機構(ERCA)・厚生労働省・世界保健機関(WHO)など公的機関の公開情報と照合して作成しました。最終確認は人の目で行っています。医師による個別の診断・治療方針の代わりにはなりません。数値や適用条件はガイドライン改定により変わることがあります(2026年7月時点の公開情報に基づく)。

アレルギー性喘息とは?IgE・2型炎症・好酸球が起こす仕組み

喘息の気道では、慢性的な炎症によって少しの刺激でも過敏に反応し、せき・たん・呼吸困難をともなう発作が起こると環境再生保全機構は説明しています[1]。アレルギー性喘息では、この炎症の引き金がアレルゲンに対する免疫反応です。環境再生保全機構が示す仕組みは次のような流れになります[1]。

まず、ダニやハウスダストなどのアレルゲンが体内に入ると、樹状細胞という免疫細胞がこれを異物としてとらえ、ヘルパーT細胞に情報を伝えます。情報を受けたヘルパーT細胞はB細胞を活性化させ、B細胞はそのアレルゲンだけに結合する「特異的IgE抗体」を大量につくって放出します。IgE抗体はマスト細胞の表面に結合して次の侵入を待つ状態になり、この段階を「感作」と呼ぶと環境再生保全機構は解説しています[1]。感作の時点ではまだ症状は出ません。

同じアレルゲンが再び体内に入ると、マスト細胞表面のIgE抗体と結合し、マスト細胞が活性化してヒスタミンやロイコトリエンといった炎症物質を放出します。さらにヘルパーT細胞によって活性化された好酸球からも炎症物質が放出され、気道の炎症が進むと環境再生保全機構は述べています[1]。この、IgE・ヘルパーT細胞・好酸球が中心となって進む炎症の流れは、近年「2型炎症」と呼ばれる免疫反応の一種にあたります。好酸球が気道に集まって粘膜がむくみ、気道がせまくなることで、ぜん鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)や呼吸困難が起こりやすくなります[1]。

環境再生保全機構は、この炎症を皮膚のケガにたとえて、気道の粘膜がすりむけて「ヒリヒリ」している状態が続いているのだと説明しています。喘息の人の気道は、発作が起きていないときも炎症そのものは続いているため、症状がない日でも炎症を抑える治療を続ける必要があるとされています[1]。この慢性的な炎症を放置すると、気道の組織が修復される過程で線維化が進み、元の太さに戻りにくくなる「リモデリング」が起こり、呼吸機能の低下につながることがあるとも説明されています(同機構)[1]。発作がないときの静かな炎症こそが、アレルギー性喘息の本体だと理解しておくことが、治療を継続する動機づけになります。

図:JHO編集部が作成

喘息の発症には、この免疫の仕組みだけでなく個体因子と環境因子が複雑に絡み合うと環境再生保全機構は説明しています。個体因子としては、両親に喘息があると子どもの発症リスクが3~5倍程度高まるとされる遺伝子素因、環境中のアレルゲンに対してIgE抗体をつくりやすい体質である「アトピー素因」、気道がさまざまな刺激に過敏に反応する「気道過敏性」などが挙げられています[1]。環境因子としては、喫煙、アレルゲン、呼吸器感染症、大気汚染、食物、鼻炎などが関係すると環境再生保全機構は整理しています[1]。

アトピー型と非アトピー型の違い — 何が「型」を分けるのか

喘息は、アレルゲンへの感作が関与しているかどうかで大きく「アトピー型」と「非アトピー型」に分けて説明されることがあります。環境再生保全機構によると、小児喘息では9割以上にアレルギーの関与が認められる(アトピー型喘息)のに対し、成人喘息ではアレルゲンを発見できるのは6割程度で、残り4割はアレルゲンが見つからない非アトピー型喘息にあたるとされています[1]。つまり、大人になってから発症した喘息だからといって、必ずしもアレルゲンが原因とは限りません。

非アトピー型が多いことは、成人喘息が「なかなかよくならない」と言われる理由の一つでもあると環境再生保全機構は述べています。喘息の悪化要因が小児期より多いこと、気管支の線維化が進んで気道がせまいまま戻りにくくなる「リモデリング」が起こりやすいことも重なり、慢性疾患として長く付き合う病気になりやすいと説明されています[1]。

項目 アトピー型喘息 非アトピー型喘息
アレルゲンへの感作 あり(特異的IgE抗体が陽性) 明確なアレルゲンが見つからないことが多い
小児喘息に占める割合の目安 9割以上 1割未満
成人喘息に占める割合の目安 約6割 約4割
典型的な発症時期 小児期に多い 成人になってからの発症が多い
環境整備(アレルゲン対策)の位置づけ 自分のアレルゲンが分かれば有効な対策になり得る アレルゲン対策だけでは効果が乏しいことがある

出典:独立行政法人環境再生保全機構「成人ぜん息|ぜん息とは/悪化因子の対策 室内環境を見直しましょう」[1][4]

環境再生保全機構は、成人喘息の場合であっても、まず病院で血液検査(抗原特異的IgE抗体検査)を受けて自分のアレルゲンが何かを明らかにすることが、負担の少ない効率的な対策の前提になると案内しています[4]。アレルゲンが関与していない非アトピー型の患者も多いため、闇雲に掃除だけを増やすのではなく、まず検査で自分の型を知ることが優先されると理解しておくとよいでしょう。

日本の住まいで多いアレルゲン — ダニ・ハウスダスト・ペット・カビ・花粉・ゴキブリ

環境再生保全機構は、喘息を引き起こすアレルゲンとしてもっとも多いのはダニ、カビ、ペットの毛やフケ、花粉などだと説明しています[3]。室内アレルゲンの中心はダニ・カビ・ペットで、アレルゲンを取り除くには屋内対策が主体になるとも述べています[4]。

グループ 代表的なアレルゲン 環境整備の要点
ダニ コナヒョウヒダニ・ヤケヒョウヒダニ(家の中のホコリやハウスダストに潜む) 換気・こまめな掃除、寝具の防ダニシーツ、カーペットを避ける
カビ アスペルギルス(アスペルギルス・フミガタス)、アルテルナリア、カンジダ ダニ対策に加え、換気と湿度対策を徹底。加湿器は使わない
ペット ネコ皮膚、イヌ皮膚 飼育を続ける場合は寝室に入れない、こまめに洗う、空気清浄機を使う
花粉 春はスギ・ヒノキ・ハンノキ、初夏はカモガヤ、秋はブタクサ・ヨモギ 季節性。居住地域と発症時期の関係を医師に伝える
昆虫 ガ、チャタテムシ(ゴキブリはハウスダスト中の混入アレルゲンとして知られる) ホコリの中に生息し湿気を好むため、ダニ・カビ対策と共通

出典:独立行政法人環境再生保全機構「日常生活におけるぜん息悪化の要因」「悪化因子の対策 室内環境を見直しましょう」[3][4]

環境再生保全機構によると、アスペルギルスやアルテルナリアは喘息の重症化との関係が明らかになっているため優先して調べたほうがよいとされ、アスペルギルスアレルギーを持つ人はアレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)を発症している可能性があるため胸部レントゲンやCTを受けることが望ましいとも説明されています(同機構)[4]。花粉については、過去と現在の居住地域や周囲環境、症状が出やすい季節が影響するため、血液検査の結果を解釈する際は医師との相談が必要だと案内されています[4]。

アレルゲン以外にも発作の引き金はある — 喫煙・感染症・気象・薬剤

アレルギー性喘息という名前がついていても、発作の引き金はアレルゲンだけとは限りません。環境再生保全機構は、喘息の悪化や発作の要因として、感染症、アレルゲン、喫煙、肥満などさまざまなものがあると整理しており、自分がどんなときに発作を起こしやすいかを見極めて対策をとることをすすめています[3]。

悪化要因 環境再生保全機構による説明の要点
喫煙・受動喫煙 喫煙は呼吸機能を低下させ薬の効きも悪くする。他人のたばこの煙を吸う受動喫煙も、自分が喫煙するのと同程度に喘息を悪化させる要因になる[3]
呼吸器感染症 かぜやインフルエンザ、肺炎などの呼吸器感染症は喘息を悪化させる大きな要因で、空気が乾燥しがちな冬はとくに注意が必要[3]
メタボリックシンドローム・肥満 喘息の悪化因子であり発症因子でもあるとされ、とくに女性はBMIが高いほど喘息が重症化することがわかっている[3]
気象の変化 気圧や気温の変化、とくに前日との気温差が激しいときや台風による気圧変化で悪化することがある[3]
アスピリン喘息(解熱鎮痛薬喘息) 成人喘息患者の約5~10%、とくに鼻ポリープと副鼻腔炎のある患者で、アスピリンやロキソプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)により重症発作が誘発されることがある[3]
β遮断薬 高血圧や緑内障の治療に使われるβ遮断薬には気管支を収縮させる働きがあり、喘息を悪化させる[3]

出典:独立行政法人環境再生保全機構「日常生活におけるぜん息悪化の要因」[3]

環境再生保全機構は、ストレスについても、原因ははっきりとはわかっていないものの、体内のマスト細胞などから炎症物質が放出されることで喘息が悪化すると考えられていると説明しています[3]。また大気汚染や煙についても、PM2.5をはじめ気道を刺激する物質が春先に増えることがあるほか、家の中でも線香の煙や調理の湯気、建材に使われる化学物質が気道を刺激することがあると案内されています(同機構)[3]。こうした要因は、アレルギー性喘息の患者にとってもアトピー型・非アトピー型を問わず共通の悪化因子になり得るため、アレルゲン対策だけに意識を集中させず、あわせて確認しておきたいポイントです。

検査で何がわかるか — 特異的IgE・皮膚テスト・呼気NO・スパイロメトリー

環境再生保全機構は、喘息の診断でもっとも重要な手がかりは問診だとしたうえで、アレルギー体質があるか、気道がせまくなっていないか、気道の炎症の状態はどうかを、複数の検査で確認すると説明しています[2]。特異的IgE検査に加え、皮膚に少量のアレルゲンを触れさせて反応をみる皮膚テストも、アレルギーの関与を調べる検査として用いられます。いずれも「陽性=その人の喘息の原因」と即断できるものではなく、症状や生活環境と合わせて医師が総合的に判断する材料だと理解しておく必要があります。

検査 何を調べるか 目安となる数値
血液検査(好酸球数) アレルギー性の炎症があるか 一般的には4%以上、もしくは300個/mm³以上で高いと判定[2]
血液検査(総IgE値) アレルギーのなりやすさ 一般的には200IU/mL以上で高いと判定[2]
抗原特異的IgE抗体 何がアレルゲンになっているか(ダニ・カビ・ガ・ゴキブリ・イヌ・ネコなど) 陽性か陰性かで判定。数値の高さは反応の強さの目安[2]
呼吸機能検査(1秒率) 気道がどれだけせまくなっているか 1秒率が70%以下の場合、喘息が疑われる[2]
呼気NO検査(FeNO) 好酸球性の気道炎症の有無 目安として36ppbを超えると喘息が疑われる[2]

出典:独立行政法人環境再生保全機構「成人ぜん息|検査と診断」[2]

総IgE値と抗原特異的IgE抗体は、似ているようで意味が異なります。環境再生保全機構によると、総IgE値はアレルギーへの「なりやすさ」全体を示す指標であるのに対し、抗原特異的IgE抗体はダニ・カビ・ガ・ゴキブリ・イヌ・ネコなど個別のアレルゲンごとに調べる検査で、どの物質が自分の喘息に関与しているかを特定するために使われるとされています[2]。特異的IgE抗体が陽性であっても、それが必ずしも症状の主因になっているとは限らないため、生活状況の問診と合わせて医師が総合的に判断する必要があります(同機構)[2]。花粉症を引き起こすアレルゲンの例としてはスギ、ブタクサ、イネ科(カモガヤなど)、ハンノキなどが挙げられており、喘息の原因アレルゲンとは検査項目が一部重なる一方で異なる部分もあると環境再生保全機構は整理しています[2]。

呼気NO検査については注意点もあります。環境再生保全機構は、この数値は不安定な喘息や治療が不十分な喘息で上昇する一方、アトピー性皮膚炎や鼻アレルギー、好酸球性副鼻腔炎でも軽度に上昇することがあり、発作時(肺機能が低下しているとき)はむしろ低い値を示すため、解釈は医師の判断に委ねる必要があると説明しています[2]。数値だけを一人歩きさせず、医師の総合判断を仰ぐことが大切です。

気道の可逆性を調べる気道可逆性テストも、喘息の診断や他の病気との鑑別に使われます。気管支を広げる短時間作用性β2刺激薬を吸入する前後で呼吸機能検査を行い、吸入後のほうが気道が広がるかどうかを確認する検査だと環境再生保全機構は説明しています[2]。喀たん検査(たんの中の好酸球や気管支上皮細胞の増加を調べる)や、気道が刺激にどれだけ過敏かを調べる気道過敏性テストも、重症度の把握や治療効果の確認に用いられると案内されています[2]。

スパイロメータを使った呼吸機能検査では、マウスピースを口にくわえ、最大限に息を吸ったあと、できるだけ速く勢いよく最後まで息を吐ききってもらい、その空気の量や速さを測定すると環境再生保全機構は説明しています。調べる主な項目は、最大限に吸って一気に吐き出したときの空気の量である「努力性肺活量」、最初の1秒間に吐き出した空気の量である「1秒量」、努力性肺活量に対する1秒量の割合である「1秒率」で、この1秒率が70%以下だと喘息が疑われるとされています[2]。グラフに表す「フローボリューム曲線」で見ると、喘息の人には特徴的な波形の変化が現れるとも説明されています(同機構)[2]。ほかにも、ぜん息以外の肺の病気がないか確認する胸部X線撮影や、中高齢者に多いCOPDや気管支拡張症などとの鑑別に用いる高解像度肺CT、精密肺機能検査、心電図検査が必要に応じて行われると案内されています[2]。

治療の土台は吸入ステロイド — 長期管理薬と発作治療薬

環境再生保全機構は、喘息治療の基本は気道の炎症を抑える「長期管理薬」であり、その中心が吸入ステロイド薬だと説明しています。吸入ステロイド薬が普及してから、喘息で亡くなる人や入院する人の数が大幅に減少したとも述べられています[5]。吸入ステロイド薬は気道だけに作用するため、通常の投与量であれば全身性の副作用はほとんどなく、小児から高齢者、妊娠中の人まで長期に使用できるとされています(同機構)[5]。声がれや口腔内カンジダが起こることがあるため、吸入後のうがいが対策として案内されています[5]。

環境再生保全機構が示す「喘息予防・管理ガイドライン2018を一部改変」した治療ステップでは、症状の頻度に応じて低用量から高用量までの吸入ステロイド薬を基本治療とし、必要に応じて長時間作用性β2刺激薬、長時間作用性抗コリン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン徐放製剤などを併用する段階的な考え方が示されています[5]。長期管理薬は使い始めてすぐに症状が落ち着いても気道の炎症自体は続いているため、自己判断で中断せず医師の指示通り継続することが重要だと環境再生保全機構は強調しています[5]。症状のない状態が3~6か月続けば、治療をステップダウン(薬の種類や量を減らす)できる可能性もあるとされていますが、これも医師の判断のもとで行うものです[5]。

発作が起きたときに使う発作治療薬(リリーバー)は、短時間作用性β2刺激薬などが中心です。気管支を広げる働きはありますが、気道の炎症を抑える作用はないため、発作治療薬だけに頼っていると気道の炎症が進んで喘息が悪化してしまうと環境再生保全機構は注意を促しています[5]。長期管理薬と発作治療薬は役割が異なるため、両方の位置づけを理解しておくことが大切です。

治療目標とコントロールを保つための考え方

喘息治療における大きな目的は、症状や発作が起こらない「コントロール良好な状態」を保つことだと環境再生保全機構は説明しています[5]。小児喘息についても、環境再生保全機構は治療の目標を「喘息症状がない=発作がない状態を維持すること」「スポーツや日常生活が普通にできること」「呼吸機能などの検査も正常であること」と説明し、そのために「喘息を悪くする原因を減らす」「気道の炎症を抑えるために薬を使う」「発作が起こりにくくなるように体力をつける」という3本柱を組み合わせて実践することをすすめています(同機構)[10]。この3本柱の考え方は、アレルゲン対策・吸入ステロイド薬・生活習慣の3つを組み合わせるという点で、成人のアレルギー性喘息にも通じる基本の枠組みです。

日常生活でこの目標が達成できているかを簡単に確認する方法として、環境再生保全機構は「ぜん息コントロールテスト(JPAC)」というチェックシートを紹介しています。1か月間のコントロール状態を点数化し、3段階で判定するもので、毎月記録しておくと薬の調整や経過の把握に役立つとされています[10]。不適切な治療でコントロールされていない状態が続くと、運動時に発作を起こしたり、将来的に呼吸機能が低下したり、突然の発作で救急受診や入院、場合によっては死亡につながることもあると環境再生保全機構は注意を促しています[10]。少し症状が良くなったからといって自己判断で治療の3本柱をやめてしまうと、再び悪化することがあるため、医師の指示のもとで根気よく続けることが重要です[10]。

アレルゲン免疫療法(舌下・皮下)の位置づけと条件

アレルゲン免疫療法は、体のアレルゲンに対する免疫反応そのものを変化させることを目指す治療です。環境再生保全機構は、これまでの喘息治療の多くが症状を抑える対症療法だったのに対し、免疫療法は体質改善の面から取り組む方法だと位置づけています[6]。免疫療法には、アレルゲンを皮下に注射する「皮下免疫療法」と、舌の下にアレルゲンエキスをたらす、または錠剤を入れる「舌下免疫療法」の2種類があります(同機構)[6]。

ここで押さえておきたい重要な点があります。環境再生保全機構によると、喘息そのものに対するダニアレルゲン免疫療法として保険適用になっているのは皮下免疫療法のみで、舌下免疫療法は現時点では喘息への保険適用にはなっていません[6]。ダニが原因でアレルギー性鼻炎を起こしている場合には、舌下免疫療法を保険適用で受けられるとされていますが、これはあくまで鼻炎に対する適用です(同機構)[6]。「喘息にも舌下免疫療法が使える」と単純に思い込まないよう注意が必要です。スギ花粉症に対する免疫療法(皮下・舌下とも保険適用)は別に存在しますが、これも花粉症としての適用です[6]。

皮下免疫療法の対象は、喘息の主な原因がダニアレルギーである軽症から中等症の患者で、年齢は5歳以上とされています(同機構)[6]。方法としては、ダニアレルゲンエキスの濃度を徐々に高めながら週1~2回、20回程度投与する標準法があり、効果が現れる「維持量」に達したあとは3~5年ほど4週間に1回投与を続けるとされています[6]。副作用としては注射部位のはれ、せき、じんま疹などが報告されており、日本では高濃度のダニエキスを投与した場合に2~10%の割合でアナフィラキシーを含む何らかの全身反応がみられているとされています[6]。

環境再生保全機構は、すべての患者に効果がみられるわけではないとも注意を促しています。ダニ以外にも花粉やイヌ・ネコ・カビなど複数のアレルギーがある患者、重症の喘息患者、喫煙している患者は効果があまり期待できず、副作用で発作が起こる危険性も高まるとされています[6]。治療は喘息の症状が落ち着いている安定期に開始し、発作が起きているときやかぜをひいているとき、体調が悪いときは受けられません(同機構)[6]。吸入ステロイド薬などの薬物療法と並行して行い、ダニが多い環境では副作用が出やすく効果も現れにくいため、掃除などの環境整備を並行して続けることも案内されています[6]。免疫療法は効果が出るまで長い年月がかかり、始めればすぐに楽になるという治療ではない点も理解しておく必要があります(同機構)[6]。

これまでの喘息治療の主流だった対症療法は、すでに起きている炎症や気道のせまさを薬で抑える対応でした。これに対し免疫療法は、体がそのアレルゲンをどう認識するかという反応の仕方自体を変えていくことを狙う、体質改善からのアプローチだと環境再生保全機構は位置づけています[6]。だからこそ効果が出るまでに年単位の時間がかかり、途中でやめてしまうと十分な体質の変化が得られない可能性がある治療でもあります。免疫療法を検討する際は、対症療法である吸入ステロイド薬治療をやめてよいという意味ではなく、環境再生保全機構が案内する通り薬物療法と並行して行うものだと理解しておくことが大切です[6]。

生物学的製剤(抗IgE抗体など)は誰のためのものか

高用量の吸入ステロイド薬や複数の薬剤を併用しても症状が安定しない重症の喘息患者を対象に、生物学的製剤という新しい治療の選択肢が登場していると環境再生保全機構は説明しています[6]。これらは自己判断で使う薬ではなく、専門医による重症度評価を経て検討される治療です。

薬剤(一般名/商品名) 標的 適用となる目安 投与間隔
抗IgE抗体(オマリズマブ/ゾレア®) IgE抗体がマスト細胞に結合するのをブロック 通年性の吸入アレルゲンに対する特異的IgE抗体が陽性で、血清総IgE値が30~1,500IU/mLの範囲にある場合[5][6] 体重や血中IgE量に応じて2週間または4週間に1回、皮下注射[6]
抗IL-5抗体(メポリズマブ/ヌーカラ®) 好酸球を活性化させるIL-5の働きを抑える 過去1年以内に好酸球数が300/μL以上のことがあった、もしくは現在150/μL以上の場合に投与がすすめられる[6] 4週間に1回、皮下注射[6]
抗IL-5受容体抗体(ベンラリズマブ/ファセンラ®) 好酸球のIL-5受容体をブロックし、好酸球を直接除去 血中好酸球が高いほど効果が高いとされる[6] 初回・4週後・8週後に皮下注射し、以降は8週間隔[6]

出典:独立行政法人環境再生保全機構「成人ぜん息|ぜん息の薬」「治療 そのほかの治療法」[5][6]

アレルギー性喘息の中心的な機序であるIgEを標的にする抗IgE抗体は、アレルゲンと結合したIgE抗体がマスト細胞にくっつくのをブロックすることで、アレルギー反応そのものを食い止め、発作の減少につなげる薬だと環境再生保全機構は説明しています[6]。一方、抗IL-5抗体・抗IL-5受容体抗体は、2型炎症のもう一つの主役である好酸球を標的にする薬で、血液中の好酸球数が判断材料の一つになります[6]。

そのほか、複数の喘息治療薬を使っても症状が改善しない18歳以上の重症患者を対象に、気管支の内側を内視鏡下で温めて筋肉を薄くする気管支サーモプラスティ(BT)という非薬物療法も紹介されています。合計3回の治療を3週間以上の間隔をあけて、毎回入院して行うとされています(同機構)[6]。環境再生保全機構は、これらの新しい治療法について、治療期間や長期の有効性・安全性に関するデータはまだ十分とはいえないため、医師とよく相談して治療に臨む必要があると注意を促しています[6]。

薬の副作用が心配なとき — 自己判断でやめる前に医師に相談を

治療薬の副作用が気になって、自己判断で吸入や内服をやめてしまう人は少なくありません。しかし環境再生保全機構は、症状がおさまったからと自分の判断で長期管理薬を途中でやめてしまうと気道の炎症が続いたままになり、喘息が悪化すると繰り返し注意しています[5]。副作用が気になる場合は、薬をやめるのではなく、担当医に相談して薬剤の種類や量を調整してもらうことがすすめられています[5]。

経口ステロイド薬や注射でのステロイド投与を長期間続けると、体重増加、高血圧、糖尿病、骨粗しょう症、脂質異常症、胃潰瘍、感染症、副腎不全、白内障などの副作用が生じることがあると環境再生保全機構は説明しています。対策として、高血圧・糖尿病・脂質異常症・感染症・骨粗しょう症などが起きていないか定期的に血液検査やレントゲン、骨密度検査を受けることがすすめられています[5]。これに対して吸入ステロイド薬は、通常の投与量では気道だけに作用し全身への影響は少ないとされ、声がれや口腔内カンジダが気になる場合は吸入後のうがいや薬剤の変更で対処できることが多いと案内されています(同機構)[5]。気管支拡張薬についても、β2刺激薬による手の震えや動悸、抗コリン薬による口の渇き、テオフィリン薬による吐き気や頭痛などの副作用が報告されていますが、いずれも薬剤の選び方で軽減できることが多いとされています[5]。気になる症状が出た場合は自己判断で中止せず、担当医に伝えることが重要です[5]。

アレルゲン免疫療法や生物学的製剤についても同様です。免疫療法では注射部位のはれや、日本国内のデータで高濃度投与時に2~10%程度みられるとされる全身反応が報告されており、生物学的製剤や気管支サーモプラスティのような新しい治療法についても、長期の有効性・安全性のデータはまだ十分ではないと環境再生保全機構は注意を促しています[6]。効果や副作用の感じ方には個人差があるため、治療の継続・変更・中止は必ず担当医と相談しながら判断してください。

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環境整備の効果はどこまであるのか — 過大評価しない

ダニ・カビ・ペットなど室内アレルゲンへの環境整備は、アトピー型の喘息患者にとって重要な対策の一つです。環境再生保全機構は、掃除などの環境整備は薬物療法に加える対策であり、無理のない範囲で継続することが大切だと述べています[4]。ただし、環境整備さえすれば発作が起きなくなる、という単純な話ではありません。

まず、環境再生保全機構自身が、成人喘息の場合アレルゲンが関与していない非アトピー型喘息の患者が多くいると明言しており、こうした患者にとってアレルゲン除去の効果は限定的にならざるを得ません[4]。また同機構は、全員が一律にすべての対策をとる必要はなく、まず血液検査で自分のアレルゲンを確認したうえで、それに応じた対策に絞ることを推奨しています[4]。ダニ殺虫剤についても、効果は確認されていないため積極的に使用しなくてよいと明記されており、対策の中には効果の根拠がはっきりしないものもある点は正直に伝えておく必要があります(同機構)[4]。

ペット対策についても、環境再生保全機構は「飼わないことが大前提」としつつ、どうしても飼育を続ける場合の緩和策(寝室に入れない、こまめに洗う、空気清浄機を使うなど)を並記しており、これらの緩和策だけで症状が完全になくなるとは述べていません[4]。過敏な体質は飼育をやめて症状が出なくなった後も続くため、再度の飼育は厳禁だとも注意されています(同機構)[4]。環境整備は「症状を悪化させる要因を減らす」対策であって、喘息そのものを治す治療ではない、という位置づけを正しく理解しておくことが大切です。

具体的な対策の負担感についても、環境再生保全機構は現実的な案内をしています。ダニ対策の中心は寝室・寝具で、寝具はよく干したあと掃除機をていねいにかけること、できれば防ダニシーツで寝具を覆うこと、ベッドや布団を床から30cm以上離すことなどが挙げられていますが、同時に「これらの対策は短期間ではなく継続して行うことが大切」であり、熱心に掃除をしすぎて負担に感じ、やらなくなってしまっては意味がないとも述べられています(同機構)[4]。肩の力を抜いて、ふだんどおりの掃除をしたうえで症状が出るかどうかを確認し、出ないのであれば今の掃除の仕方で十分だという考え方が示されています[4]。「毎日徹底的に掃除しなければ発作が防げない」と思い込みすぎず、自分が続けられるレベルの対策を医師と一緒に見つけていく姿勢が現実的です。

小児期発症と成人発症で何が違うのか

環境再生保全機構によると、小児喘息では9割以上にアレルギーの関与が認められる一方、中高齢の喘息の70~80%以上は成人になってから発症しているとされ、その根拠として福冨友馬らによる「本邦における病院通院成人喘息患者の実態調査」(アレルギー56巻、2010年)が引用されています[1]。小児喘息が持ち越されたり、いったん治まった(寛解した)あとに大人になって再発したりするケースもありますが、成人喘息の多くは大人になって初めて発症したケースだという点は意外に知られていません[1]。

成人ぜん息の患者数(有病率)についても、環境再生保全機構が複数年の全国調査結果を示しています。2006年の郵送・訪問全国調査では20~45歳成人の有病率が5.3%、2010年のWeb会員6万人調査では7.7%、2012年のWeb会員8万人調査では8.9%だったとされ、増加傾向にあると説明されています(出典:Fukutomi Y, Nakamura H, Taniguchi M, et al. Int Arch Allergy Immunol. 2010;153(3):280-7ほか)[1]。喘息で亡くなる人の数自体は減少傾向にあるものの、その多くは65歳以上の高齢者だとも述べられています(同機構)[1]。

性差についても違いがあります。環境再生保全機構は、小児では女児より男児に喘息が多くみられるのに対し、成人では女性の有病率が高くなると説明しています[1]。また、成人喘息は非アトピー型が多いこと、悪化要因が小児期より多いこと、気道のリモデリングが起こりやすいことが重なり、慢性疾患として長く付き合っていく病気になりやすいともされています(同機構)[1]。世界保健機関(WHO)も、喘息はすべての年齢層に影響する慢性の肺疾患であり、2023年時点で世界の推定3億6300万人が罹患し、44万2000人が死亡したと報告しており、子どもにおいてもっとも多い慢性疾患の一つだと位置づけています[9]。

発作の引き金そのものも、子どもと大人で重みづけが違います。環境再生保全機構は、子どもの喘息発作のきっかけとして最も頻度が高いのは風邪であり、その多くがライノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、インフルエンザウイルスなどのウイルス感染症だと説明しています[10]。一方で成人喘息では、非アトピー型の割合の高さに加え、肥満・喫煙・呼吸器感染症・大気汚染・アスピリンなどの薬剤・気象の変化といった要因が積み重なりやすく、発作の引き金が単純な一つの原因に絞りにくいという特徴があります(同機構)[1][3]。子どものアレルギー性喘息では、ダニ対策など環境整備の効果を実感しやすい一方、成人になってから発症した場合はアレルゲン以外の要因も含めて総合的に見直す必要がある、という違いを押さえておくと理解しやすくなります。

受診の目安 — 今すぐ救急が必要なサイン

すぐに受診・救急要請が必要なサイン

環境再生保全機構は、発作の強度を呼吸困難の程度で見分け、対応を変えることを勧めています[7]。以下のいずれか一つでも当てはまる場合は、ためらわずに救急受診、または救急車の要請を検討してください。

  • 苦しくて動けない、会話が難しいほど呼吸困難が強い(環境再生保全機構の「高度(大発作)」の目安)[7]
  • 唇や指先が青白くなるチアノーゼが出ている、呼吸が弱くなっている(「重篤」に該当し、直ちに救急車を呼ぶべきとされる状態)[7]
  • 短時間作用性β2刺激薬(発作止めの吸入薬)を使っても、20~30分後に改善がみられない[7]
  • 苦しくて眠れない、発作止めの薬が手元にない(同機構)[7]
  • 小さな子どもの場合は、息を吸うときにのどや肋骨の間がはっきりへこむ「陥没呼吸」や、話すのが苦しい様子も強い発作のサインとして受診の目安になる[8]

環境再生保全機構は、ふだんから発作が起きたときにどの薬をどう使うか、どのタイミングで受診するかを医師と相談し、「行動計画(アクションプラン)」として書面にまとめておくことを勧めています[7]。症状が軽いうちに短時間作用性β2刺激薬を吸入し、改善しなければ再度吸入したうえで救急外来を受診する、という基本の流れをあらかじめ家族で共有しておくと、いざというときに落ち着いて対応しやすくなります。

ここまでの内容を整理すると、アレルギー性喘息と向き合ううえで押さえておきたいのは次の3点です。第一に、自分がアトピー型か非アトピー型か、アレルゲンは何かを血液検査などで確認すること(同機構)[2][4]。第二に、治療の土台である吸入ステロイド薬を自己判断でやめず、症状がない日も継続すること[5]。第三に、免疫療法や生物学的製剤は条件を満たす一部の患者に検討される上乗せの選択肢であり、環境整備も薬物療法に加える対策であって喘息そのものを治す治療ではないと理解しておくことです(同機構)[4][6]。そのうえで、危険なサインが出たときにはためらわず救急を受診する、という順番で理解しておくと、日々の対応に迷いにくくなります[7]。

受診時に持っていくメモ(このページの内容から、聞かれやすい項目をまとめました。印刷して書き込み、診察時に医師に見せてください)

  • 症状:いつから、どのくらいの頻度で、夜間や早朝に息苦しくなることがあるか(喘息の特徴的な症状)
  • 気づいている悪化のきっかけ:ダニ・ハウスダスト・カビ・ペット・花粉・ゴキブリなどのアレルゲンに心当たりがあるか、喫煙(受動喫煙含む)・かぜなどの呼吸器感染症・気象の変化・アスピリンなどの解熱鎮痛薬に思い当たるものはあるか
  • 発作止めの薬(短時間作用性β2刺激薬など)を使う頻度:週に何回くらい使っているか
  • 今使っている薬:吸入ステロイド薬の名前と量、長時間作用性β2刺激薬など併用薬の有無
  • すでに受けた検査結果があれば:総IgE値、抗原特異的IgE抗体(何が陽性か)、好酸球数、呼気NO(FeNO)の数値
  • 医師に聞きたいこと(例):自分はアトピー型か非アトピー型か、アレルゲンを調べる検査を受けたほうがよいか、アレルゲン免疫療法(皮下・舌下)は自分に適用があるか、症状が安定しない場合に生物学的製剤(抗IgE抗体など)を検討する段階かどうか

アレルギー性喘息の国際的な診療ガイドライン(GINAなど)における最新の位置づけの詳細比較については、今回参照した公的機関の資料には日本語での網羅的な記載が見当たりませんでした。国際比較が必要な場合は、主治医または呼吸器・アレルギー専門医に確認することをおすすめします。

よくある質問

アレルギー性喘息は治療すれば完全に治りますか?
環境再生保全機構は、とくに非アトピー型が多い成人喘息について「ほぼ治らない」と表現し、高血圧症や糖尿病と同じように長期的に付き合っていく慢性疾患だと説明しています[1]。治療の目標は、症状や発作が起こらない「コントロール良好な状態」を保つことにあるとされています[5]。
アトピー型か非アトピー型かは、自分で判断できますか?
自己判断は難しく、血液検査(抗原特異的IgE抗体検査、総IgE値、好酸球数)などを組み合わせて医師が判断します(同機構)[2]。環境再生保全機構も、まず病院で検査を受けて自分のアレルゲンの有無を確認することをすすめています[4]。
舌下免疫療法を受ければ喘息にも効きますか?
環境再生保全機構によると、喘息に対して保険適用になっているダニアレルゲン免疫療法は皮下免疫療法のみで、舌下免疫療法は現時点でアレルギー性鼻炎に対する適用です[6]。喘息にも使えると思い込まず、担当医に適用範囲を確認してください。
吸入ステロイド薬は長期間使っても大丈夫ですか?
環境再生保全機構は、吸入ステロイド薬は気道だけに作用するため通常の投与量では全身性の副作用はほとんどなく、小児から高齢者、妊娠中の人でも長期に使用できるとしています[5]。声がれや口腔内カンジダが起こることがあるため、吸入後のうがいが対策として案内されています[5]。自己判断で中断せず、医師の指示通り続けることが重要です(同機構)[5]。
生物学的製剤はどんな人が対象になりますか?
高用量の吸入ステロイド薬や複数の薬剤を併用しても症状が安定しない重症患者が対象です。抗IgE抗体(ゾレア)は通年性アレルゲンへの特異的IgE陽性かつ総IgE値30~1,500IU/mLの場合、抗IL-5抗体(ヌーカラ)は好酸球数の基準を満たす場合など、薬剤ごとに適用の目安が異なります(同機構)[6]。専門医による評価が必要です。
環境整備(掃除や空気清浄機)だけで喘息はよくなりますか?
環境再生保全機構は、環境整備は薬物療法に加える対策と位置づけており、非アトピー型の患者にはアレルゲン除去の効果が限定的になり得るとも説明しています[4]。まず自分のアレルゲンを検査で確認したうえで、無理のない範囲で継続することがすすめられています[4]。
子どものときに喘息がなかったのに、大人になって発症することはありますか?
あります。環境再生保全機構によると、中高齢の喘息の70~80%以上は成人になってから発症しているとされ、福冨友馬らの調査(アレルギー56巻、2010年)が根拠として示されています[1]。
発作が起きたとき、どのくらい苦しければ救急車を呼ぶべきですか?
環境再生保全機構は、苦しくて動けない状態(高度・大発作)や、呼吸が弱くなる・チアノーゼが出る状態(重篤)では、直ちに救急車を呼ぶべきだとしています[7]。発作止めの吸入薬を使っても20~30分後に改善しない場合も、救急外来の受診が必要な目安です[7]。
ゴキブリも喘息のアレルゲンになるのですか?
環境再生保全機構の検査項目には、喘息の原因となるアレルゲンの例としてゴキブリが挙げられています[2]。ハウスダストの中に混入していることがあり、ダニ・カビ対策と共通する換気・清掃が対策の基本になります[3][4]。
喘息の悪化因子はアレルゲン以外にもありますか?
あります。環境再生保全機構は、喫煙・受動喫煙、呼吸器感染症、肥満、気象の変化、アスピリンなどの解熱鎮痛薬、β遮断薬なども喘息を悪化させる要因として挙げています[3]。アレルゲン対策だけに集中せず、これらもあわせて見直すことがすすめられています。
子どもの喘息発作は、何がきっかけで起こることが多いですか?
環境再生保全機構によると、子どもの喘息発作のきっかけとして最も頻度が高いのは風邪(ウイルス感染症)だとされています[10]。ダニなどのアレルゲンやタバコの煙、天候の変化も引き金になり得ますが、感染症対策も重要な位置づけです。

参考文献

  1. 独立行政法人環境再生保全機構「成人ぜん息|ぜん息とは(ぜん息のメカニズム・成人ぜん息の特徴)」 https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/index.html
  2. 独立行政法人環境再生保全機構「成人ぜん息|検査と診断」 https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/test.html
  3. 独立行政法人環境再生保全機構「成人ぜん息|日常生活におけるぜん息悪化の要因」 https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/causes.html
  4. 独立行政法人環境再生保全機構「成人ぜん息|悪化因子の対策 室内環境を見直しましょう」 https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/measures/indoor.html
  5. 独立行政法人環境再生保全機構「成人ぜん息|治療 ぜん息の薬」 https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/medicine.html
  6. 独立行政法人環境再生保全機構「成人ぜん息|治療 そのほかの治療法」 https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/cure.html
  7. 独立行政法人環境再生保全機構「成人ぜん息|発作が起こったら…」 https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/attack.html
  8. 独立行政法人環境再生保全機構「小児ぜん息|発作時の対応」 https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/kodomonozensoku/hossa.html
  9. 世界保健機関(WHO)「Asthma」ファクトシート https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/asthma
  10. 独立行政法人環境再生保全機構「小児ぜん息|ぜん息ってなに?(症状や治療法)」 https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/kodomonozensoku/syojo.html

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更新日:2026年7月21日。本記事の内容に誤りや古い情報にお気づきの点がありましたら、コメント欄からお知らせください。ガイドライン改定に応じて随時見直します。

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Trinh Van Dieu

Trinh Van Dieu

ITエンジニア(17年)・Japanese Health 運営者

ベトナム在住のITエンジニア。17年の技術経験を活かし、日本の公的医療機関の情報をAI技術で整理・発信しています。

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