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【6種類のHMOとプロバイオティクス】赤ちゃんの腸を守るミルクの選び方と注意点

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完全母乳で育てたいと思っていても、仕事への復帰や体調不良、母乳量の不足など、さまざまな事情で「粉ミルクに頼らざるを得ない」場面は少なくありません。 一方で、「どのミルクが一番お腹にやさしい?」「HMOやプロバイオティクス入りのミルクは本当に良いの?」と、不安や疑問を抱えたまま選んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。

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近年、人乳オリゴ糖(HMO: Human Milk Oligosaccharides)を複数種類配合し、さらにビフィズス菌やラクトバチルス菌などのプロバイオティクス(善玉菌)を加えた粉ミルクが登場し、 「母乳により近い」「腸内フローラを整える」といった表現で注目を集めています。研究レベルでは、HMOやプロバイオティクスが乳児の腸内環境や免疫機能をサポートする可能性が報告されていますが、同時に「母乳の代わりになる」と言い切れるほどではなく、慎重な理解が必要です。

本記事では、6種類のHMOとプロバイオティクスを含む乳児用ミルクを中心に、「何がわかっていて、何がまだ研究段階なのか」を整理しつつ、 日本で子育てする保護者の視点から、消化トラブルやアレルギーへの不安とどう向き合えばよいかをわかりやすく解説します。 母乳育児の大切さを前提にしながら、粉ミルクを選ぶときのチェックポイントや、受診の目安もあわせてご紹介します。

Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について

Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。

本記事の内容は、以下のような一次情報源に基づいて、JHO編集部がAIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています。

  • 厚生労働省・自治体・公的研究機関:日本人向けの母子保健情報や栄養・感染症に関する資料を優先的に参照しています。
  • 国内外の医学会ガイドライン・査読付き論文:国立成育医療研究センターや日本の小児関連学会の総説に加え、人乳オリゴ糖(HMO)やプロバイオティクス入り乳児用ミルクに関するランダム化比較試験・システマティックレビューを参照しています。
  • 世界保健機関(WHO)や国際的専門家グループ:母乳育児の推奨や乳児用ミルクの位置づけ、Codex(FAO/WHO合同食品規格委員会)による表示・宣伝上の注意点などを確認しています。

AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証しています。

私たちの運営ポリシーや編集プロセスの詳細は、運営者情報(JapaneseHealth.org)をご覧ください。

要点まとめ

  • HMO(ヒトミルクオリゴ糖)は母乳に多く含まれる「赤ちゃん自身は消化しない糖質」で、ビフィズス菌など善玉菌のエサとなり、腸内フローラと免疫機能の発達に関わると考えられています。2,3,4
  • 6種類のHMO(2’-FL, 3-FL, DFL, LNT, 3’-SL, 6’-SL)を組み合わせて配合した粉ミルクは、母乳に近い多様性を目指した設計ですが、母乳そのものと完全に同じ働きをするわけではありません。
  • プロバイオティクス(ビフィズス菌・ラクトバチルス菌など)は、条件を満たせば乳児においても比較的安全と考えられていますが、菌株や投与量、対象となる子どもの状態によって得られる効果は異なり、すべての赤ちゃんに「必ず効く」わけではありません。1,5
  • 母乳が与えられる場合は、WHOを含む多くの機関が「生後6か月までの完全母乳」を推奨しており、HMO・プロバイオティクス入り粉ミルクは、母乳の代用品・補完的な選択肢と考えるのが基本です。
  • 6種類のHMOや2種類のプロバイオティクスが入ったミルクを選ぶ場合でも、「お腹の張り・便の状態・体重増加・機嫌」など赤ちゃんの様子を必ず観察し、気になるときは小児科や助産師に相談することが大切です。
  • 重い下痢や血便、呼吸が苦しそう、ぐったりしているなどの症状がある場合は、ミルクの種類にかかわらず、すぐに医療機関を受診し、必要に応じて119番通報を検討してください。

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第1部:赤ちゃんの腸とHMO・プロバイオティクスの基本

ここではまず、乳児の消化の仕組みと腸内フローラの発達について整理し、そのうえでHMOやプロバイオティクス入りミルクがどのような考え方で設計されているのかを解説します。 「難しそう」と感じるかもしれませんが、イメージしやすいように、一つひとつ噛み砕いて説明していきます。

1.1. 乳児の腸内フローラとHMOの役割

赤ちゃんは、お腹の中にいる間はほぼ無菌状態ですが、出生と同時に産道や皮膚、周囲の環境から多くの細菌に触れ、徐々に腸内フローラが形成されていきます。 生後まもない時期はビフィズス菌が優勢な状態になることが望ましいとされており、その形成に母乳が大きく関わっていると報告されています。5,6

母乳には、脂質・たんぱく質・乳糖に加えて、第三の固形成分とも言われるほど多量のHMO(ヒトミルクオリゴ糖)が含まれています。HMOは赤ちゃん自身の消化酵素では分解されず、そのまま大腸に届き、ビフィズス菌など善玉菌のエサ(プレバイオティクス)として働きます。2,3,4

これまでに200種類以上のHMOが確認されており、そのなかでも2’-フコシルラクトース(2’-FL)、3-FL、DFL(ジフコシルラクトース)、LNT(ラクト-N-テトラオース)、3’-シアリルラクトース(3’-SL)、6’-シアリルラクトース(6’-SL)といった代表的な6種類は、特に母乳中での割合が高く、乳児の腸内環境や免疫に重要な役割を持つと考えられています。2,3,4

1.2. HMO入り粉ミルクの考え方と限界

近年、母乳に含まれる主要なHMOの一部を工業的に生産し、粉ミルクに添加する技術が発展してきました。2’-FLやLNnT(ラクト-N-ネオテトラオース)などを添加したミルクでは、成長が母乳栄養児と同等であったこと、便性状や感染症リスクに一定の良い傾向が見られたことが報告されています。7,9

6種類のHMO(2’-FL, 3-FL, DFL, LNT, 3’-SL, 6’-SL)を組み合わせた製品は、母乳中のHMOの「多様性」と「グループ構成(フコシル化型・中性N型・シアリル化型など)」を意識した設計と言えます。 ただし、現在の技術では約200種類あるHMOのごく一部しか再現できず、さらに母乳にはHMO以外にも多くの生理活性成分(抗体やホルモンなど)が含まれているため、「母乳と同じ」「完全に置き換えられる」と考えることはできません。3,4,9

また、Codexの議論では、HMOやプロバイオティクスの添加によって「免疫が強くなる」などと過度に宣伝することは、科学的根拠が十分でない場合には誤解を与えかねないと問題提起されています。10

1.3. プロバイオティクス(善玉菌)入りミルクとは?

プロバイオティクスとは、「十分な量を摂取したとき、宿主(人)の健康に有益な作用をもたらす生きた微生物」と定義されています。代表的なのは、ビフィズス菌(Bifidobacterium)やラクトバチルス属(Lactobacillus)の菌株です。1

乳児を対象とした研究では、特定のビフィズス菌やラクトバチルス菌を含むミルクが、腸内フローラをビフィズス菌優位に近づけ、便性状や一部の消化器症状に良い影響を与えた可能性が報告されています。 一方で、菌株や投与量、対象となる子どもの状態(早産児、持病の有無など)によって結果が異なり、すべての乳児に一律の効果を期待することはできません。1,5,8

特に未熟児や重い基礎疾患のある乳児では、プロバイオティクス投与の安全性について慎重な検討が必要です。日本でも国立成育医療研究センターなどで早産児や新生児外科疾患におけるプロバイオティクス使用の研究が進んでいますが、「誰にでも自己判断で与えてよい」という段階ではありません。5,6,8

1.4. 日常で悪化させやすいNG習慣

腸内フローラや消化の調子は、ミルクの種類だけでなく、授乳リズムや抱き方、生活リズムなど身近な要因の影響も受けます。以下のような習慣は、赤ちゃんのお腹の負担になることがあります。

  • 泣くたびにすぐ授乳し、1回量が極端に少なく回数が多くなっている(空気を多く飲み込みやすい)
  • 哺乳びんの乳首のサイズが合わず、勢いよく飲み過ぎてしまう
  • 授乳後すぐに仰向けに寝かせてしまい、ゲップを十分にさせていない
  • ミルクの銘柄や種類(部分水解・アレルギー用など)を短期間に何度も変えてしまう

こうした要因を整えてもなお、激しい嘔吐や血便、体重増加不良が続く場合には、ミルクの種類とは別に病気が隠れていることもあるため、小児科での評価が必要です。

表1:赤ちゃんのお腹とミルクに関するセルフチェックリスト
こんな症状・状況はありませんか? 考えられる主な背景・原因カテゴリ
1日に何度も少量ずつ吐くが、機嫌もよく体重も増えている 生理的な吐き戻し、飲ませ方・ゲップの仕方の影響など
水のような下痢や血便が出て、ぐったりしている 感染性胃腸炎、ミルクアレルギー、腸重積など緊急性の高い疾患の可能性
便がいつも硬く、排便時にとても苦しそう 水分不足、ミルク濃度の誤り、体質、まれに基礎疾患
1〜2か月以上、身長・体重の伸びが明らかに悪い 栄養不足、吸収不良、基礎疾患などの可能性

第2部:腸内フローラに影響する要因 — 出生方法・抗菌薬・授乳方法など

HMOやプロバイオティクス入りミルクを理解するうえで、「そもそも赤ちゃんの腸内フローラは何によって変わるのか」を知っておくことが重要です。 代表的な要因として、出生方法(経膣分娩か帝王切開か)、抗菌薬の使用、母乳かミルクかといった授乳方法が挙げられます。5

2.1. 帝王切開と腸内フローラ

帝王切開で生まれた赤ちゃんは、産道を通らないため、母親の膣内・腸内の細菌に触れる機会が少なく、皮膚由来の細菌が優位になりやすいことが指摘されています。 その結果、ビフィズス菌を中心とした腸内フローラの形成が遅れたり、アレルギーや肥満などとの関連が研究されていますが、まだ因果関係が完全に解明されているわけではありません。5

日本でも、国立成育医療研究センターなどから、出生直後の腸内フローラ形成と免疫・代謝への影響について多数の報告が出ており、「どのように腸内環境を整えるか」は今後も重要な研究テーマとされています。6

2.2. 抗菌薬(抗生物質)の影響

抗菌薬は命を守る重要な薬ですが、同時に腸内フローラを大きく乱す可能性があります。乳児期の抗菌薬使用は、その後のアレルギー疾患や肥満との関連が指摘されていますが、研究によって結果はさまざまであり、「必ずそうなる」というわけではありません。5

不要な抗菌薬の使用は避けるべきですが、細菌性髄膜炎や敗血症など命に関わる感染症では、適切な抗菌薬投与が欠かせません。乳児に抗菌薬が処方された場合は、「飲ませるべきかどうか」を自己判断せず、処方した小児科医の説明をよく聞きましょう。 抗菌薬の服用後に便がゆるくなる場合、プロバイオティクス食品やHMO入りミルクが腸内環境をサポートする可能性もありますが、これも「補助的な選択肢」であり、医師の説明を優先してください。1,5

2.3. 授乳方法(母乳・混合・完全ミルク)と腸内環境

一般に、完全母乳の赤ちゃんはビフィズス菌が優位な腸内フローラになりやすく、ミルク栄養の赤ちゃんではより多様な細菌構成になるとされています。母乳中のHMOや母乳に含まれる乳酸菌・ビフィズス菌が、この違いに関わっていると考えられています。3,5,6

ただし、母乳・ミルクのどちらが「絶対に正しい」というものではありません。母乳育児が難しい場合に罪悪感を抱きすぎると、保護者のメンタルヘルスに悪影響を与え、それが育児全体に波及してしまうこともあります。 HMOやプロバイオティクス入りミルクは、あくまで「母乳が難しい場合の一つの選択肢」として上手に活用しつつ、できる範囲で母乳やスキンシップの時間を確保する、といったバランスが現実的です。

第3部:ミルクの問題だけではないことも — 受診が必要な病気の例

「お腹の調子が悪いのはミルクのせい」と考えがちですが、実際には感染症やアレルギー、先天的な消化管の異常など、ミルクでは説明できない病気が隠れていることもあります。 ここでは、代表的な病気のイメージを簡単に紹介します。ただし、自己診断は危険なので、気になる症状がある場合は必ず小児科で相談してください。

3.1. ミルクアレルギー(牛乳アレルギー)

ミルクアレルギーは、牛乳たんぱくに対する免疫反応によって、皮膚の湿疹、血便、下痢、嘔吐、呼吸困難などが起こる病気です。 通常の粉ミルクだけでなく、HMOやプロバイオティクス入りのミルクでも、牛乳たんぱく自体は含まれているため、アレルギーのあるお子さんでは症状を誘発する可能性があります。

強い湿疹や血便、食後のぐったり感・呼吸が苦しそうな様子が見られた場合は、すぐに小児科を受診し、必要に応じてアレルギー専門医に紹介してもらいましょう。 医師の指示のもとで、アレルギー用ミルク(加水分解乳やアミノ酸乳など)への切り替えが検討されます。7,8

3.2. 先天性の消化管疾患や重い感染症

嘔吐が噴水のように勢いよく出る、緑色(胆汁)を含む、ぐったりして反応が乏しい、発熱と下痢が続く、血便が何度も出る――こうした症状がある場合は、ミルクや腸内フローラの問題にとどまらず、腸重積や腸閉塞、壊死性腸炎(NEC)など重い病気が疑われます。4,6

NECは特に早産児で問題となる腸の病気で、母乳栄養がリスクを下げる可能性や、HMO・プロバイオティクスの役割が研究されていますが、治療の中心はあくまで医療機関での集中管理です。4,6,9

第4部:今日からできる腸内環境サポートとミルク選びの実践ステップ

原因が何であれ、多くの保護者に共通するのは「今、自分にできることを知りたい」という気持ちです。このセクションでは、母乳・ミルク・生活習慣の3つの観点から、今夜から・今週から・長期的にできることを整理します。

表2:改善アクションプラン
ステップ アクション 具体例
Level 1:今夜からできること 授乳の姿勢とゲップの工夫 授乳後に10〜15分ほど縦抱きにして、背中を優しくトントンする/哺乳びんの乳首サイズを月齢に合ったものに見直す
Level 1:今夜からできること ミルクの溶かし方・濃度の再確認 缶や箱に書かれた表示どおりのスプーン数・湯量を守る/熱すぎないか、よく振って均一に溶けているかをチェックする
Level 2:今週から試せること 授乳リズムを整える 医師や助産師と相談のうえ、月齢に応じた1回量と回数の目安を決め、「泣くたび授乳」から少しずつリズムをつくっていく
Level 2:今週から試せること HMO・プロバイオティクスの有無をふまえてミルクを選ぶ 母乳が不足している場合、HMOや特定のビフィズス菌・ラクトバチルス菌(例:BB-12, LGGなど)を含むミルクを候補にし、医師・助産師に相談してから切り替える7,8,9
Level 3:長期的に続けたいこと 母乳育児のサポートと保護者自身のケア 母乳を続けたい場合は、母乳外来や助産師相談を活用し、休息や栄養を確保する/罪悪感を抱きすぎず、「母乳+ミルク」のバランスを自分なりに見つける
Level 3:長期的に続けたいこと 定期健診や予防接種の場での相談 3〜4か月健診や1歳半健診などのタイミングで、便の状態・体重の増え方・食物アレルギーの不安などをまとめて相談する

第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?

HMOやプロバイオティクス入りミルクを使うかどうかは、あくまで「赤ちゃんの状態を見ながら決める」ことが大切です。 そのためには、どのタイミングで専門家に相談すべきかを知っておくと安心です。

5.1. すぐに医療機関を受診すべき危険なサイン

  • 38℃以上の発熱が続き、機嫌が明らかに悪い、反応が乏しい
  • 嘔吐が続き、水分が取れない、尿の量が極端に少ない
  • 血便やコーヒー残渣のような黒い便が出る
  • 呼吸が速い、胸がペコペコへこむ、顔色が悪い
  • 突然激しく泣き出し、膝をお腹に引き寄せるような姿勢をとる(腸重積などの可能性)

こうした症状がある場合は、ミルクの種類にかかわらず早急に受診が必要です。診療時間外であれば、小児救急電話相談(#8000)や自治体の相談窓口を利用し、必要に応じて119番通報も検討してください。

5.2. ミルクや腸内環境について相談したいときの診療科

  • まずは小児科:多くの場合、小児科で幅広く評価が可能です。
  • アレルギーが疑われるとき:小児アレルギー専門医がいる医療機関を紹介してもらいましょう。
  • 先天性の消化管疾患が疑われるとき:小児外科や専門センターへの紹介が検討されます。6

5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安

  • 授乳・ミルクの記録(1日の回数・1回量・吐き戻しや排便の回数など)
  • 使用している粉ミルクの缶や写真(HMO・プロバイオティクスの種類や量を確認しやすくなります)
  • 母子健康手帳・お薬手帳

日本の公的医療保険や自治体の乳幼児医療費助成制度が適用される場合、多くの診察・検査費用は自己負担が抑えられます。自治体ごとに制度が異なるため、お住まいの市区町村の案内を確認してください。

よくある質問

Q1: 母乳とHMO・プロバイオティクス入り粉ミルク、どちらが良いですか?

WHOを含む多くの公的機関は、生後6か月までの完全母乳、その後も2歳頃までの母乳継続を推奨しています。母乳には200種類以上のHMOや多様な免疫成分が含まれており、現在の技術では完全に再現できません。2,3,4

一方で、母乳が難しい場合や、やむを得ずミルクが必要な場合には、HMOや特定のプロバイオティクスを含む粉ミルクが選択肢になり得ます。ただし、「母乳より優れている」と考えるのではなく、「母乳に近づける努力の一つ」と理解し、最終的には小児科や助産師と相談して決めることをおすすめします。

Q2: 6種類すべてのHMOが入っていないと意味がありませんか?

現在の研究では、2’-FLやLNnTなど、特定のHMOを2種類程度添加したミルクでも、腸内フローラや感染症リスクに一定の良い影響が報告されています。7,9

6種類を含む製品は、母乳中のHMOの多様性をより意識した設計といえますが、「6種類だから必ず効果が倍になる」といった研究結果があるわけではありません。重要なのは、HMOの種類や量だけでなく、赤ちゃん自身の状態・飲ませ方・生活全体を総合的に見ることです。

Q3: 「2億個」「20億個」など、プロバイオティクスの菌数は多いほど良いですか?

プロバイオティクスは、一定以上の菌数を摂取することで効果が期待されますが、「多ければ多いほど良い」とは限りません。菌株によって必要な菌数や安全性のデータが異なり、乳児では特に慎重な評価が必要です。1,5,8

パッケージに記載された摂取目安量を守り、早産児や慢性疾患のあるお子さんでは、必ず小児科医と相談してから使用してください。

Q4: HMOやプロバイオティクス入りミルクはアレルギーを予防できますか?

一部の研究では、特定のHMO(2’-FLなど)を含むミルクがアレルギー感作リスクを減らす可能性が示されていますが、結果はまだ限定的で、すべてのアレルギーを予防できると結論づけるには十分ではありません。4,7,9

家族に重いアレルギー歴がある場合や、すでに湿疹や血便が見られる場合は、「自己判断でミルクを変える」よりも、まず小児科・アレルギー専門医に相談し、必要に応じて検査やアレルギー用ミルクへの変更を検討してもらいましょう。

Q5: ミルクを変えてから便がゆるくなりました。HMOやプロバイオティクスが原因ですか?

HMOやプロバイオティクス入りミルクでは、便がやや柔らかく、色も母乳に近づくことがあります。元気で機嫌が良く、体重も増えている場合は、必ずしも異常とは限りません。7,9

一方で、水のような下痢が続く、血が混じる、発熱や嘔吐を伴うなどの場合は、感染症やアレルギーなど別の原因も考えられるため、早めに小児科を受診してください。

Q6: HMO入りミルクを使えば、帝王切開や抗菌薬使用による腸内フローラの乱れをカバーできますか?

帝王切開や抗菌薬使用が腸内フローラに影響することは多くの研究で示されていますが、HMOやプロバイオティクス入りミルクだけでその影響を完全に打ち消せる、というデータはありません。5,6,9

重要なのは、母乳が与えられるなら可能な範囲で続けること、必要なときには適切に医療を受けること、そして長期的にバランスの良い離乳食や生活環境を整えていくことです。

Q7: HMOやプロバイオティクス入りミルクは、何歳まで使えば良いですか?

研究の多くは、生後数か月〜1歳頃までの乳児を対象としており、「何歳まで必ず続けるべき」という明確な基準はありません。4,9

1歳を過ぎて離乳食が進むと、食物繊維や発酵食品(ヨーグルト、納豆など)からもプレバイオティクス・プロバイオティクスをとることができます。年齢や食事内容を踏まえ、小児科や栄養士と相談しながら切り替えタイミングを決めましょう。

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結論:この記事から持ち帰ってほしいこと

HMOとプロバイオティクス入りのミルクは、母乳に近い腸内環境を目指す「試み」として、一定のエビデンスとともに発展してきています。一方で、母乳にはまだ解明しきれていない多くの成分とシナジーがあり、現在の技術では完全に置き換えることはできません。2,3,4,9

もし母乳育児が難しくても、自分を責める必要はありません。大切なのは、赤ちゃんの様子をよく観察し、必要なときには小児科や助産師、保健師などに相談しながら、「そのご家庭にとって現実的で続けやすい方法」を一緒に探していくことです。

本記事が、HMOとプロバイオティクス入りミルクに関する情報を整理する一助となり、保護者の皆さんが少しでも安心して育児と向き合えるきっかけになれば幸いです。

この記事の編集体制と情報の取り扱いについて

Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。

本記事の原稿は、最新のAI技術を活用して下調べと構成案を作成したうえで、JHO編集部が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断はすべてJHO編集部が行っています。

ただし、本サイトの情報はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療の決定を直接行うものではありません。気になる症状がある場合や、治療の変更を検討される際は、必ず医師などの医療専門家にご相談ください。

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免責事項 本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言や診断、治療に代わるものではありません。健康上の懸念がある場合や、治療内容の変更・中止等を検討される際には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. National Center for Complementary and Integrative Health. Probiotics: Usefulness and Safety. https://www.nccih.nih.gov/health/probiotics-usefulness-and-safety(最終アクセス日:2025-11-30)

  2. Bode L. Human milk oligosaccharides: Every baby needs a sugar mama. Glycobiology. 2012;22(9):1147–1162. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22513036/(最終アクセス日:2025-11-30)

  3. Wiciński M, et al. Human Milk Oligosaccharides: Health Benefits, Potential Applications in Infant Formulas, and Pharmacology. Nutrients. 2020;12(1):266. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7019891/(最終アクセス日:2025-11-30)

  4. Dinleyici M, et al. Functional effects of human milk oligosaccharides (HMOs). Frontiers in Nutrition. 2023;10:1096139. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10026937/(最終アクセス日:2025-11-30)

  5. Yang I, et al. The Infant Microbiome: Implications for Infant Health and Neurocognitive Development. Nursing Research. 2016;65(1):76–88. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4681407/(最終アクセス日:2025-11-30)

  6. 金森豊. 新生児・乳児における腸内細菌叢形成と,同時期における腸管内環境の恒常性を構築するビフィズス菌のプロバイオティクスとしての新たな可能性. 外科と代謝・栄養. 2021;55(5):209–216. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssmn/55/5/55_209/_article/-char/ja/(最終アクセス日:2025-11-30)

  7. Puccio G, et al. Effects of Infant Formula With Human Milk Oligosaccharides on Growth and Morbidity: A Randomized Multicenter Trial. Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition. 2017;64(4):624–631. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5378003/(最終アクセス日:2025-11-30)

  8. Alliet P, et al. Safety and efficacy of a probiotic-containing infant formula supplemented with 2′-fucosyllactose: a randomized controlled trial. Nutrients. 2022;14(3):515. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8862345/(最終アクセス日:2025-11-30)

  9. Amin T, et al. Clinical evidence and mechanistic pathways of human milk oligosaccharides supplementation. Frontiers in Nutrition. 2025;8:1599678. https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2025.1599678/full(最終アクセス日:2025-11-30)

  10. FAO/WHO Codex Alimentarius Commission. Agenda Items 6.2, 6.21, 8 CRD30 – Comments on the use of probiotics in infant formula. https://www.fao.org/…/nf44_crd30x.pdf(最終アクセス日:2025-11-30)

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Trinh Van Dieu

Trinh Van Dieu

ITエンジニア(17年)・Japanese Health 運営者

ベトナム在住のITエンジニア。17年の技術経験を活かし、日本の公的医療機関の情報をAI技術で整理・発信しています。

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