日本の厚生労働省が公表した人口動態統計によると、2022年には11,000人以上の方がくも膜下出血で命を落としています1。古くから「3分の1ルール」と表現されるように、発症した患者さんの約3分の1が亡くなり、3分の1が重い後遺症を残して生存し、残りの3分の1が良好な回復を遂げるとされています2。近年の治療や集中治療の進歩により予後は少しずつ改善しているものの、依然として非常に注意が必要な病気です。
一方で、くも膜下出血には「雷鳴頭痛」と呼ばれる非常に特徴的な症状や、発症前に現れることがある「警告頭痛」など、命を守るためのサインも存在します。これらのサインを正しく理解し、迷わず119番通報や医療機関受診につなげることで、救命率や後遺症の程度を大きく変えられる可能性があります。
この記事では、JHO(JapaneseHealth.org)編集委員会が、厚生労働省や日本の専門学会、国立循環器病研究センター、米国心臓協会/米国脳卒中協会(AHA/ASA)などが公表している最新の科学的根拠と日米の主要な診療ガイドラインに基づき、くも膜下出血の原因、命を救うための重要な前兆、最新の診断・治療法、そして治療後の生活や社会復帰までを、できるだけわかりやすく丁寧に解説します。
この記事でわかる主なポイントは次のとおりです。
- くも膜下出血とはどのような脳卒中で、脳の中で何が起きているのか
- 「雷鳴頭痛」や「警告頭痛」など、見逃してはいけない危険な頭痛のサイン
- 高血圧・喫煙・飲酒などのリスク要因と、特に女性における喫煙リスクの高さ
- 開頭クリッピング術と血管内コイル塞栓術を中心とした最新の治療選択
- 治療後に起こりうる合併症と、その後のリハビリテーションや社会復帰のポイント
- 介護保険制度や患者会など、日本で利用できる公的支援と情報源
この記事の科学的根拠
本記事は、以下のような公的機関や専門学会、査読付き論文などの信頼できる情報源に基づき、JHO(JapaneseHealth.org)編集委員会が作成しました。一部の情報整理や表現候補の作成にはAIツールも活用していますが、最終的な内容の確認・編集・更新はすべて編集委員会が責任をもって行っています。
- 米国心臓協会/米国脳卒中協会(AHA/ASA):診断、急性期治療、合併症管理に関する推奨の多くは、2023年に発表された「動脈瘤性くも膜下出血患者管理ガイドライン」に基づいています313。
- 日本脳卒中学会:日本国内の臨床実践に即した治療法や薬剤、予防に関する記述は、「脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕」を主要な典拠としています4。
- 厚生労働省(MHLW):日本におけるくも膜下出血による死亡者数や、脳卒中後の生活上の困難に関する統計データは、人口動態統計や調査報告に基づいています119。
- 系統的レビューおよびメタアナリシス:特に女性における喫煙とくも膜下出血リスクに関する記述は、2025年に発表された最新の系統的レビューおよびメタアナリシスの結果に基づいています5。
- 国立循環器病研究センター(NCVC):未破裂脳動脈瘤や先進的な治療法に関する情報は、同センターが公開している患者向け情報や関連資料を参照しています6。
- 日本脳卒中協会(JSA):患者・家族への支援や患者会に関する記述は、同協会の公式情報を参考にしています722。
なお、ガイドラインや研究結果は随時アップデートされます。JHO編集委員会では定期的に情報を見直し、必要に応じて記事の内容を更新しています。
要点まとめ
- くも膜下出血は主に脳動脈瘤の破裂によって起こり、突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)が典型的な症状です28。
- 高血圧、喫煙、過度の飲酒は三大リスク要因であり、日本人では塩分の多い食生活に伴う高血圧が特に重要です31112。
- 最新の研究では、喫煙によるくも膜下出血のリスクは男性よりも女性で高い可能性が示されており、喫煙習慣のある女性は特に注意が必要です5。
- 原因となる脳動脈瘤に対する治療には、開頭クリッピング術と血管内コイル塞栓術があり、条件が整えば血管内治療が優先的に推奨される場面もあります313。
- 治療後は脳血管攣縮や遅発性脳虚血(DCI)、高次脳機能障害などの合併症の管理が非常に重要で、退院後も長期的なフォローアップが必要です1617。
- 日本には介護保険制度や患者会など、公的支援や相談窓口が複数存在し、適切に活用することで在宅生活や社会復帰を支えることができます72021。
- 「これまでに経験したことのない突然の激しい頭痛」や、頭痛に意識障害・麻痺などが伴う場合は、様子を見ずに119番通報を検討することが重要です89。
第1章:くも膜下出血とは?―脳内で何が起きているのか
1.1. くも膜下出血の定義とメカニズム
くも膜下出血(Subarachnoid Hemorrhage, SAH)とは、脳の表面を覆う3層の髄膜(外側から硬膜・くも膜・軟膜)のうち、くも膜と軟膜の間にある「くも膜下腔」に出血が起こった状態を指します8。この空間には、本来は透明な脳脊髄液が循環しており、血液は存在しません。ここに動脈から勢いよく血液が流れ込むと、脳脊髄液と血液が混ざり合い、頭蓋骨の内部の圧力(頭蓋内圧)が一気に上昇します。
頭蓋骨は固い箱のような構造で、脳はその中にぴったり収まっています。そのため、内側の圧力が急激に上がると、逃げ場のない脳全体が強く圧迫され、激しい頭痛や吐き気、意識障害などの深刻な症状が突然に引き起こされます。出血量が多い場合には、発症直後から昏睡状態に陥ったり、呼吸停止に至ることもあります。
1.2. 主な原因:脳動脈瘤の破裂が80〜90%
外傷(交通事故や転倒など)を除いたくも膜下出血の最も一般的な原因は、脳動脈瘤の破裂です。これは全症例の約80〜90%を占めるとされています26。脳動脈瘤とは、脳の動脈の壁の一部が血管の分岐部などで風船のように膨らんだ状態で、多くの場合、長年にわたって少しずつ大きくなっていきます。
血管壁の弱い部分に持続的に血圧がかかることで、袋状に膨らんだ「こぶ」が形成されます。ある時点でこのこぶの壁が耐えられなくなり、破裂すると、動脈血が一気にくも膜下腔へと流れ込み、くも膜下出血が発症します。なお、脳動静脈奇形(AVM)やもやもや病など、脳血管の異常が原因となる場合もありますが、頻度としては脳動脈瘤に比べて少数です9。
1.3. くも膜下出血と他の脳卒中との違い
脳卒中は大きく、「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の3つに分類されます。脳梗塞は血管が詰まる病気、脳出血は脳の中の血管が破れる病気、くも膜下出血は脳の表面近く(くも膜下腔)で出血する病気です11。
いずれも命に関わる重大な病気ですが、くも膜下出血は比較的若い世代にも起こりやすく、発症が非常に突然で、救急搬送の段階から集中治療が必要になることが多いのが特徴です。また、出血の場所が脳の表面近くであるため、出血自体がそれほど多くなくても、脳全体に強い影響を与えることがあります。
第2章:命を救うサイン―見逃してはいけない症状と前兆
2.1. 典型的な症状:「雷鳴頭痛」とその他の危険信号
くも膜下出血の最も典型的な症状は、「雷鳴頭痛(らいめいずつう)」と呼ばれる、突然発症する非常に激しい頭痛です。多くの患者さんが「バットで後頭部を殴られたような痛み」「これまでの人生で経験したことのない痛み」と表現し、痛みは数秒〜数分で一気にピークに達します9。これは単なる偏頭痛や緊張型頭痛とは性質が異なる、「命の危険を知らせるサイレン」のような頭痛です。
雷鳴頭痛に加えて、以下のような症状が一つでも見られる場合は、くも膜下出血を含む重篤な脳の病気が疑われます。
- 突然の悪心・嘔吐(特に頭痛と同時に起こる場合)
- 意識障害(朦朧とする、呼びかけへの反応が鈍い、意味の通らない言動、昏睡など)
- 項部硬直(首の後ろが強く張り、あごを胸につけようとすると痛みや強い抵抗を感じる)
- 光過敏(光が異常にまぶしく感じる、カーテンを閉めたくなる)
- けいれん発作
- 片側の手足の脱力やしびれ、ろれつが回らない、顔のゆがみなどの神経症状
これらの症状が突然出現した場合、「少し様子を見てから病院へ行く」ではなく、ためらわずに119番通報を検討してください。症状が出てから治療までの時間が短いほど、救命率やその後の生活の質に良い影響を及ぼします11。
2.2. 警告頭痛:破裂前の重要なサイン
すべての患者さんに起こるわけではありませんが、本格的な大出血が起こる数日〜数週間前に、「警告頭痛(けいこくずつう)」と呼ばれる頭痛が出現することがあります。これは動脈瘤から少量の血液が漏れ出す「微小出血」によって起こると考えられており、患者さんの約20〜40%でみられると報告されています10。
警告頭痛は、雷鳴頭痛ほど「人生最悪」と感じるレベルではないかもしれませんが、次のような特徴を持つことが多いとされています。
- 「いつもの頭痛」と明らかに質が違う、突然始まる強い頭痛
- 数時間〜数日続き、自然に軽くなったり消えたりする
- 頭痛と同時に軽い吐き気や首の張りを感じることがある
- 市販の鎮痛薬で一時的によくなっても、再びぶり返す
この段階で医療機関(特に頭痛外来や脳神経外科・脳卒中センターなど)を受診し、CTやMRI、MRA、CTアンギオグラフィー(CTA)などの検査を行うことで、破裂前の動脈瘤を見つけられる可能性があります26。適切なタイミングで治療が行えれば、大出血を防ぎ、重い後遺症を避けられる可能性が高まるため、まさに「命を救う最後のチャンス」といえます。
2.3. 自宅でできるチェックと受診の目安
突然の強い頭痛が起こったとき、「これは救急車を呼ぶレベルなのか」「少し様子を見ても大丈夫なのか」と迷う方は少なくありません。簡単な目安として、以下のような状況では救急車(119番)を検討してください。
- これまでに経験したことのない激しい頭痛が、数秒〜数分でピークに達した
- 頭痛と同時に、意識がぼんやりする、会話がおかしい、ろれつが回らない、手足が動かしにくいなどの症状が出た
- 頭痛とともに激しい吐き気や嘔吐があり、立っていられないほどつらい
- 頭痛が急に始まり、時間とともに悪化していく感じがある
一方、「いつもの片頭痛と似ている」「長年同じような頭痛を繰り返している」という場合でも、いつもとは異なる特徴が出ているとき(発症の仕方や痛みの強さ、伴う症状が明らかに違う場合)は注意が必要です。自己判断で「いつものこと」と決めつけず、できるだけ早く医療機関に相談しましょう9。
第3章:リスク要因の徹底分析―あなたは大丈夫?
3.1. 修正可能なリスク要因:高血圧、喫煙、過度の飲酒
くも膜下出血の発症には、私たちが日々の生活の中でコントロールできる「生活習慣」が深く関わっています。日本脳卒中学会およびAHA/ASAのガイドラインは、とくに次の3つの要因を管理することの重要性を強く強調しています311。
- 高血圧:最も重要な制御可能なリスク要因です。高い血圧が続くと、動脈壁に常に強い圧力がかかり、脳動脈瘤の形成・成長・破裂を促進すると考えられています。高血圧の治療や減塩、適度な運動による血圧管理は、くも膜下出血のみならず、脳梗塞や心筋梗塞の予防にもつながります。
- 喫煙:喫煙は血管内皮を傷つけ、血管壁の弾力性を失わせることで、動脈瘤の発生と成長に直接関与します。また、血液の凝固バランスにも影響を与え、血栓や出血のリスクを高めることが知られています。
- 過度の飲酒:大量の飲酒を習慣的に続けると、血圧が上昇し、脳出血やくも膜下出血のリスクが高くなります。ガイドラインでは、「節度ある飲酒」が推奨されており、飲酒量の見直しは重要なリスク低減策です11。
特に日本では、塩分の多い食生活が高血圧の大きな原因となっています。日本脳卒中学会のガイドラインでは、脳卒中予防のために1日6g未満の食塩摂取が推奨されています12。味噌汁の塩分を控える、加工食品を減らす、外食時に「薄味」を意識するなど、日常の小さな工夫が将来のリスクを減らすことにつながります。
3.2. 【特に注意】女性と喫煙の相乗リスク
くも膜下出血は男性より女性に多いことがわかっていますが、近年の研究では、とくに「女性×喫煙」の組み合わせがリスクを大きく高める可能性が示されています。2025年に発表された最新の系統的レビューとメタアナリシスでは、喫煙によるくも膜下出血の相対リスクが、男性に比べて女性で1.5倍程度高いことが報告されました5。
背景には、女性ホルモン(エストロゲン)の変動や閉経による血管保護作用の低下、血管壁の構造の違いなど、生物学的な要因が関与していると考えられています。そこに喫煙という血管にとって大きな負担となる習慣が加わることで、動脈瘤の形成や破裂リスクが一気に高まる可能性があります。
「若いから大丈夫」「毎日ではないから問題ない」と考えている方でも、喫煙歴がある場合は、くも膜下出血を含む脳卒中リスクが確実に上昇することが多くの研究で示されています。禁煙は、どの年代から始めても遅すぎることはありません。禁煙外来やサポートサービスを活用しながら、少しずつでも一緒にリスクを下げていくことが大切です。
3.3. 変えられないリスク要因:年齢・性別・家族歴など
一方で、私たちの努力だけでは変えられないリスク要因も存在します。
- 年齢:くも膜下出血は40〜60代に多くみられますが、若年者に起こることもあります2。
- 性別:女性は男性よりもくも膜下出血を起こしやすいことが知られています5。
- 家族歴:近親者にくも膜下出血や脳動脈瘤の既往がある場合、自分自身のリスクも高くなることが報告されています。
- 一部の遺伝性疾患:多発性嚢胞腎など、特定の遺伝性疾患では脳動脈瘤のリスクが高くなることが知られています。
これらは「変えられない」要因ですが、だからこそ、血圧管理や禁煙、節度ある飲酒、定期健診といった「変えられる要因」をできるだけ整えることが重要です。また、家族歴がある場合は、脳ドックや専門外来での相談を早めに検討することも一つの選択肢です6。
3.4. 今日からできる予防のポイント
ガイドラインや各種研究結果を踏まえると、くも膜下出血の予防のために、次のような生活習慣の見直しが推奨されます31112。
- 血圧を定期的に測定し、必要に応じて治療を受ける
- 減塩(1日6g未満を目標に)や野菜・果物中心の食生活を心がける
- 禁煙、あるいは喫煙本数・頻度の段階的な減少を目指す
- 「休肝日」を設けるなど、飲酒量と頻度を見直す
- 適度な有酸素運動(ウォーキングなど)を習慣にする
- 定期的な健康診断や脳ドックで、血圧・脂質・血糖・脳血管の状態を把握する
こうした取り組みは、くも膜下出血だけでなく、脳梗塞や心筋梗塞、認知症といった他の生活習慣病の予防にも直結します。「完璧を目指す」のではなく、「できることから少しずつ」を合言葉に、自分のペースで取り組んでいきましょう。
第4章:最新の診断と治療法―専門医はどう判断し、どう治すのか
4.1. 診断プロセス:一刻を争う検査
くも膜下出血が疑われる場合、診断は一刻を争います。AHA/ASAの2023年ガイドラインでは、まず造影剤を使用しない頭部CTスキャン(非造影頭部CT)が第一選択の検査として推奨されています3。発症から時間があまり経っていない段階では、くも膜下腔に溜まった血液を高い精度で捉えることができます。
しかし、発症から時間が経過した場合や出血量がごく少ない場合には、CTだけでは異常がはっきりしないこともあります。そのような場合には、必要に応じて次のような検査が組み合わせて行われます。
- CTアンギオグラフィー(CTA):造影剤を用いて脳血管を詳しく描出し、脳動脈瘤の有無や形、大きさ、場所などを評価します。
- MRI・MRA:磁気共鳴画像を用いて、脳の状態や血管の形態を評価します。急性期にはCTの方が優先されることが多いですが、補助的に用いられます。
- 腰椎穿刺:臨床的にくも膜下出血が強く疑われるにもかかわらず、CTやCTAで決定的な所見が得られない場合に行われることがあります。腰の部分から細い針を刺して脳脊髄液を採取し、血液が混じっていないかを調べます8。
これらの検査結果と、発症状況や神経学的所見などを総合的に判断し、「くも膜下出血かどうか」「原因が脳動脈瘤かどうか」「どの治療をいつ行うか」が決定されます。
4.2. 治療の二大選択肢:開頭クリッピング術 vs. 血管内コイル塞栓術
動脈瘤の再破裂を防ぐための根本的な治療法は、大きく分けて次の2つです。どちらの方法が適しているかは、動脈瘤の大きさ・形・場所、患者さんの年齢や全身状態、他の持病、施設の経験などを総合的に考慮して決定されます。
| 治療法 | 概要 | 利点 | 欠点 |
|---|---|---|---|
| 開頭クリッピング術 | 頭蓋骨を一部開け、手術用顕微鏡で脳動脈瘤を直接確認し、その根元をチタン製のクリップで挟んで血流を遮断する。 | 根治性が高く、再発率が低い。複雑な形状の動脈瘤や、血管の分岐部にある動脈瘤にも対応しやすい。 | 侵襲性が高く、入院期間が長くなる傾向がある。脳を直接触るため、神経機能障害のリスクがある。 |
| 血管内コイル塞栓術 | 足の付け根の動脈からカテーテルを挿入し、脳の血管まで進め、動脈瘤の内部にプラチナ製の柔らかいコイルを詰めて血流を止める。 | 開頭せずに済むため、身体への負担が比較的小さい。回復が早く、入院期間が短い傾向がある。 | 再発の可能性があり、術後も定期的な画像検査による経過観察が必要。すべての動脈瘤に適応できるわけではない。 |
注目すべき点として、AHA/ASAの2023年最新ガイドラインでは、前方循環(前大脳動脈や中大脳動脈など)にある脳動脈瘤で、開頭クリッピング術と血管内コイル塞栓術の両方が技術的に可能な場合、1年後の機能的予後(後遺症の程度)を改善する目的で、血管内コイル塞栓術を優先して検討することが推奨されています313。
近年では、特に複雑な大型動脈瘤や通常の治療が難しい症例に対して、フローダイバーターステントなどの新しい血管内治療が用いられることもあります6。ただし、どの治療が最も適しているかは症例ごとに異なるため、担当医と十分に話し合い、メリット・デメリットを理解した上で決定することが大切です。
4.3. 治療における権威:日本の専門施設と名医たち
日本には、くも膜下出血や脳動脈瘤の治療に豊富な経験を持つ専門施設や医師が多数存在します。例えば、藤田医科大学ばんたね病院の加藤庸子医師は、女性脳神経外科医のパイオニアとして知られ、開頭クリッピング術の分野で世界的に高い評価を受けています14。
また、年間の手術件数が多い施設として、広南病院(宮城県)や順天堂大学医学部附属順天堂医院(東京都)などが、病院ランキングでも上位に挙げられています15。もちろん、ランキングだけがすべてではありませんが、「どの病院で治療を受けるか」を考える際の一つの参考になります。
実際には、救急搬送される医療機関や居住地、他の病気との兼ね合いなど、さまざまな要因を踏まえて治療方針が決まります。大切なのは、「不安なことや疑問点をそのままにせず、担当医や医療スタッフと率直に話し合える関係」を築くことです。
4.4. 治療法の選択に参加するために知っておきたいこと
くも膜下出血は緊急性が高く、多くの場合、発症直後はご本人が十分に意思決定に参加できない状況にあります。そのため、家族やパートナーが医師から説明を受け、治療法の選択に関わることも少なくありません。
その際、次のような点を確認しておくと、治療法の違いを理解しやすくなります。
- それぞれの治療法の目的(何を防ぐための治療か)
- 急性期のリスク(手術や全身麻酔による合併症など)
- 長期的な見通し(再発リスク、定期検査の必要性など)
- 患者さんの年齢や全身状態、既往歴とのバランス
- その医療機関の得意とする治療法や実績
わかりにくい専門用語が出てきたときは、「もう一度、一般的な言葉で説明してもらえますか?」と遠慮なく尋ねて構いません。理解度を確認しながら説明してくれる医療スタッフは、治療後の長い経過を一緒に歩んでいくうえでも心強い存在になるはずです。
第5章:治療後の難関―合併症との闘い
5.1. 脳血管攣縮と遅発性脳虚血(DCI)
くも膜下出血の治療後であっても、しばらくの間は「合併症」との闘いが続きます。その中でも特に注意が必要なのが、脳血管攣縮(のうけっかんれんしゅく)と、それに伴う遅発性脳虚血(Delayed Cerebral Ischemia, DCI)です。
脳血管攣縮とは、出血後4〜14日頃を中心に、脳の血管が異常に細くなってしまう現象です。血管が強く収縮すると、脳の一部への血流が不足し、新たな脳梗塞(遅発性脳虚血)を引き起こすことがあります1617。急性期を乗り越えた後でも、「もう大丈夫」と安心しきってしまうのではなく、この時期の慎重な観察と対応が非常に重要です。
AHA/ASAの2023年ガイドラインでは、DCIによる神経症状の悪化を防ぐ目的で、経口ニモジピン(カルシウム拮抗薬の一種)の早期投与が強く推奨されています3。また、血圧や輸液量の管理、必要に応じた血管内治療(血管拡張など)が検討されることもあります。
患者さんやご家族にとっては、治療後の数日〜数週間の間、「一度良くなったように見えたのに、また症状が悪くならないだろうか」という不安がつきまとう時期でもあります。些細な変化でも、「いつもと違う」「少しおかしい」と感じた場合には、病棟スタッフに遠慮なく伝えることが大切です。
5.2. その他の主な合併症:再出血、水頭症、てんかんなど
脳血管攣縮・DCI以外にも、くも膜下出血にはいくつかの重要な合併症があります23。
- 再出血:初回出血後、動脈瘤が完全に治療されるまでの間や、場合によっては治療後でも、再び出血を起こすことがあります。再出血は非常に重篤な転帰をとることが多いため、急性期に速やかに動脈瘤を処置することが重要です。
- 水頭症:くも膜下腔に溜まった血液が脳脊髄液の流れを妨げ、脳室に水がたまる「水頭症」を引き起こすことがあります。その場合、一時的または長期的に脳脊髄液を外へ逃がすシャント手術が必要になることがあります。
- てんかん発作:出血や手術の影響で、てんかん発作を起こす方もいます。抗てんかん薬による治療や、生活上の注意点の共有が重要です。
- 感染症や血栓症:長期入院や手術・侵襲的処置に伴い、肺炎や尿路感染症、深部静脈血栓症などの合併症が起こることもあります。
これらの合併症は、医療チームによる綿密なモニタリングや予防対策によってリスクを減らすことができますが、完全にゼロにすることはできません。その中で、患者さん本人やご家族が症状の変化に気付き、早めに医療スタッフに伝えることも大きな役割を果たします。
5.3. 退院後のフォローアップと再発予防
くも膜下出血の治療後、退院して自宅生活に戻った後も、一定期間は定期的な外来フォローアップが必要です。再発や新たな動脈瘤の出現、シャント機能のトラブル、高次脳機能障害の経過などを確認しながら、長期的な生活の安定を目指します619。
また、再発予防という観点では、前章で述べたような血圧管理や禁煙、節度ある飲酒、定期健診が非常に重要です。退院後は「元の生活に戻る」ことに目が向きがちですが、「再び同じようなことを繰り返さないために、どんな生活習慣を整えていくか」を主治医やリハビリスタッフと一緒に考えていくことが、長期的な安心につながります。
第6章:回復への道―リハビリと社会復帰、家族の支え
6.1. 高次脳機能障害と共に生きる
くも膜下出血の後遺症と聞くと、「手足の麻痺」や「言葉が出にくい」といった目に見える障害をイメージされる方が多いかもしれません。しかし実際には、「高次脳機能障害」と呼ばれる目に見えにくい障害が残ることも少なくありません。
高次脳機能障害には、記憶障害、注意散漫、遂行機能障害(計画を立てて物事を順序立てて行うことが難しい)、感情のコントロールの難しさ、社会的行動の変化など、さまざまな症状が含まれます。ご家族からは、「見た目は元通りなのに、性格が変わってしまった」「些細なことで怒りっぽくなった」といった声が聞かれることもあります18。
これらの変化は、本人の努力不足やわがままではなく、脳の障害によって起こる「症状」です。そのため、責めたり我慢を強いるのではなく、「脳の病気の後遺症としてこういうことが起こりうる」と家族や職場が理解することが重要です。専門のリハビリテーション(作業療法、言語聴覚療法、臨床心理士による支援など)を通じて、少しずつ対処法を身につけていくことで、生活のしやすさを高めることができます。
厚生労働省の調査でも、脳卒中後の患者さんが仕事や家事、対人関係などでさまざまな困難を抱えていることが報告されています19。一人で抱え込まず、医療機関やリハビリ施設、市町村の相談窓口などを活用しながら、「できることを増やしていく」長期的な視点を持つことが大切です。
6.2. 日本における公的支援制度の活用法(介護保険など)
日本には、脳卒中の患者さんとご家族を支えるための公的支援制度がいくつか用意されています。その中でも特に重要なのが「介護保険制度」です。40歳以上の方で、脳卒中(くも膜下出血を含む)により一定以上の要介護状態になった場合、この制度を利用してさまざまなサービスを受けることができます20。
介護保険を利用すると、次のようなサービスが状況に応じて選択できます。
- 訪問リハビリテーションや訪問看護
- デイケア(通所リハビリ)やデイサービス
- 福祉用具(手すり、歩行器、車いすなど)のレンタルや購入補助
- 自宅の段差解消や手すり設置など、住宅改修費の助成
まずはお住まいの市町村の「地域包括支援センター」や市役所・区役所の介護保険窓口に相談し、要介護認定の申請を行うことから始めましょう21。申請から認定までは一定の時間がかかるため、退院前の段階から医療ソーシャルワーカーや退院支援担当者と連携して準備を進めておくと安心です。
6.3. 患者会と家族会:一人で悩まないために
同じ病気を経験した仲間との出会いは、大きな精神的支えになります。公益社団法人日本脳卒中協会などの団体は、患者さんやご家族のための相談窓口を設けたり、交流会や講演会を開催したりしています722。そこでは、医療機関ではなかなか聞きにくい日常生活の工夫や、家族としての悩みなどを共有することができます。
また、インターネット上の情報には玉石混交なものも多いため、信頼できる公的機関や患者会が発信する情報を中心に活用することが大切です。「似た経験をした人の声」を聞くことで、「自分だけではない」と感じられ、前向きな一歩を踏み出しやすくなる方も多くいらっしゃいます。
6.4. 仕事・家庭・妊娠・出産への影響について
くも膜下出血は、単に「病気が治るかどうか」だけでなく、その後の仕事や家庭生活、将来の妊娠・出産の計画などにも大きな影響を与えます。復職のタイミングや働き方の調整、家事や育児の分担の見直しなどは、多くのご家庭で悩まれるポイントです19。
復職については、「いつまでに完全に元の仕事量に戻らなければならない」と考えすぎず、主治医や産業医、人事・上司と相談しながら、段階的に戻していくことが一般的です。疲れやすさや集中力の低下、高次脳機能障害がある場合には、勤務時間の短縮や在宅勤務の活用など、柔軟な働き方を検討することも選択肢の一つです。
妊娠・出産を希望される方の場合、脳動脈瘤の状態や治療歴、血圧のコントロール状況などを踏まえ、主治医(脳神経外科や脳卒中専門医)と産婦人科医が連携して慎重に方針を検討します。妊娠を考え始めた段階で早めに相談することで、より安心して準備を進めることができます。
結論
くも膜下出血は、その発症の突発性と重篤さから、多くの人にとって「最も恐ろしい脳卒中」の一つかもしれません。しかし、本記事で見てきたように、リスクを減らし、万が一発症した場合でも最善の結果を目指すために、私たちができることは決して少なくありません。
最も重要なメッセージは、次の3点に集約されます。
- 警告サインを見逃さない:これまでに経験したことのない突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)や、普段とは明らかに異なる頭痛に加え、意識の変化や吐き気、麻痺などが伴う場合は、最大の危険信号です。様子を見ず、ためらわずに119番通報を検討してください89。
- 迅速な行動:くも膜下出血の治療は、まさに「時間との勝負」です。発症から治療までの時間が短いほど、救命率の向上や後遺症の軽減につながります。突然の症状が出たら、「少し寝て様子を見る」よりも、「まず救急で相談する」ことが重要です。
- 予防への意識:高血圧の管理、禁煙、節度ある飲酒、減塩、そして定期的な健康診断や脳ドックは、動脈瘤の早期発見と破裂予防に有効です3612。今日からできる小さな一歩の積み重ねが、将来の大きなリスク低減につながります。
JHO(JapaneseHealth.org)編集委員会は、厚生労働省や日本の専門学会、世界保健機関(WHO)などが公表している信頼できる情報や最新の研究成果に基づき、日本に暮らす皆さんが自分と家族の健康を守るために必要な知識を、わかりやすくお届けすることを目指しています。この記事が、くも膜下出血という病気への正しい理解を深め、あなた自身と大切な方々の命と生活を守るための一助となれば幸いです。
よくある質問
脳ドックで未破裂動脈瘤が見つかったら、必ず手術が必要ですか?
なぜ女性のほうが、くも膜下出血になりやすいのですか?
くも膜下出血が女性に多い理由は完全には解明されていませんが、女性ホルモンであるエストロゲンの変動が関与している可能性が指摘されています。エストロゲンには血管壁を保護する作用があると考えられており、閉経後にエストロゲンが減少することで血管がもろくなり、動脈瘤が形成・破裂しやすくなるという仮説があります。さらに、本記事でも紹介したように、喫煙などの生活習慣が加わることで、そのリスクがさらに増大する可能性が最新の研究で示唆されています5。
突然の頭痛があったとき、どのような場合に救急車を呼ぶべきですか?
頭痛持ち(片頭痛など)の人は、くも膜下出血を見逃しやすいですか?
片頭痛や緊張型頭痛などの持病がある方は、「今回の頭痛もいつもの頭痛だろう」と考えてしまい、くも膜下出血などの重大な病気のサインを見逃してしまう可能性があります。しかし、くも膜下出血の雷鳴頭痛は、多くの場合「これまでとは明らかに質の違う頭痛」として感じられます9。
「いつもの頭痛薬で効かない」「起き上がれないほど急に強い痛みが来た」「今までにない吐き気や意識のぼんやり感がある」など、いつもと違う点が少しでもあれば、早めに医療機関を受診してください。普段から頭痛ダイアリーなどをつけておくと、尋ねられたときに「いつもとの違い」を説明しやすくなります。
くも膜下出血のあと、どのくらいで仕事や家事に戻れますか?
回復のスピードや最終的な生活レベルは、出血の程度や合併症の有無、年齢、もともとの健康状態、行っている仕事の内容などによって大きく異なります19。一概に「何カ月で復職できる」とは言えませんが、軽症で合併症が少ない場合でも、しばらくは疲れやすさや集中力の低下を感じることが多く、段階的な復職が望ましいとされています。
職場復帰については、主治医の意見書や産業医との相談をもとに、勤務時間の短縮や業務内容の調整、在宅勤務の活用などを検討することが一般的です。家事や育児についても、「以前と同じペースにすぐ戻る」ことを目標にするのではなく、家族や周囲のサポートを得ながら、少しずつ「できること」を広げていくイメージで考えていきましょう。
くも膜下出血を経験したあと、再発が心配です。何に気をつければよいでしょうか?
一度くも膜下出血を経験された方の多くは、「また同じことが起こるのではないか」という不安を抱えています。再発リスクは個々の状況によって異なりますが、一般的に次のような点に気をつけることが推奨されています3611。
- 主治医の指示に従い、定期的な画像検査(CT/MRI/MRAなど)を受ける
- 高血圧の治療を続け、家庭でも血圧を記録する
- 禁煙を継続し、飲酒量を見直す
- 急激な血圧上昇を招くような無理な運動や極端なストレスを避ける
- 頭痛や神経症状など、気になる症状が出たときは早めに受診する
不安な気持ちを一人で抱え込まず、定期外来の際に主治医や看護師に率直に相談してください。必要に応じて、心理的サポートや患者会の活用も検討できます。
免責事項:本記事は情報提供のみを目的としており、個々の診断や治療方針を決定するための専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康に関する懸念がある場合、またはご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医師・医療専門職にご相談ください。
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