妊娠週数別の胎児の成長とママの体の変化のすべて:母子手帳と妊婦健診の完全ガイド
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妊娠週数別の胎児の成長とママの体の変化のすべて:母子手帳と妊婦健診の完全ガイド

ご妊娠おめでとうございます。新しい命の誕生を心待ちにする喜びと同時に、お腹の赤ちゃんが順調に育っているか、これから自分の体にどのような変化が起こるのか、期待と不安が入り混じった気持ちでお過ごしのことでしょう。特に日本では、妊娠が確定すると交付される「母子健康手帳」を手に、多くの専門用語や検査項目に戸惑う方も少なくありません。この記事は、そのような皆様の心に寄り添い、信頼できる道標となることを目指しています。厚生労働省や日本産科婦人科学会(JSOG)といった公的機関の指針に基づき、妊娠週数ごとの胎児の成長、お母様の体の変化、そして「母子健康手帳」の活用法までを、一貫した物語として分かりやすく、そして深く解説します。単なる情報の羅列ではなく、日本での妊娠期間を安心して過ごすための、あなただけの伴走者となるような情報をお届けします。

本記事の科学的根拠

本記事は、入力された研究報告書で明示的に引用されている最高品質の医学的根拠にのみ基づいています。提示される医学的指導の直接的な関連性とともに、参照された実際の情報源のみを以下にリストアップします。

  • 日本産科婦人科学会(JSOG): 本記事における胎児発育曲線、妊婦健診の標準的な手順、および胎児発育不全(FGR)に関する医学的指針は、JSOGが発行した診療ガイドラインに基づいています。912
  • 厚生労働省(MHLW)およびこども家庭庁: 妊娠中の栄養(特に葉酸、鉄、カルシウム)、体重管理、避けるべき食品に関する推奨事項は、これらの公的機関が提供する指針と資料に準拠しています。1324
  • 母子健康手帳に関する公的資料: 母子健康手帳の法的根拠、交付手続き、およびその役割についての記述は、国立保健医療科学院やこども家庭庁の公式手引きに基づいています。678
  • 国際的な研究および機関(ACOG, INTERGROWTH-21stなど): 胎児発育に関する世界的な視点や定義(例:FGR)については、米国産科婦人科学会(ACOG)などの国際的な権威ある機関の研究や指針を参考にし、日本の状況と照らし合わせて解説しています。517

要点まとめ

  • 日本の妊娠週数は、最終月経の初日を「妊娠0週0日」として計算され、実際の受精日とは異なります。
  • 「母子健康手帳」は、妊娠確定後に市区町村で交付される法的根拠のある重要な記録であり、医療機関とのコミュニケーションツールです。
  • 「妊婦健診」は、胎児と母体の健康を定期的に確認するために不可欠です。「胎児発育曲線」は、日本の基準に基づいた赤ちゃんの成長を確認するための目安となります。
  • 厚生労働省は、神経管閉鎖障害のリスクを低減するため、妊娠初期に特に「葉酸」の積極的な摂取を推奨しています。
  • 胎児の成長には個人差があり、推定体重が平均から多少ずれていても、医師が問題ないと判断すれば心配しすぎる必要はありません。大切なのは定期的な健診で経過をみることです。

第一トリメスター(妊娠初期:0~15週):確認と基盤づくり

この時期は、「もしかして妊娠?」という不確かな状態から、医学的な確定診断を経て、日本の医療制度における妊婦としての第一歩を踏み出す、劇的な変化の期間です。

妊娠0~3週(妊娠超初期)

日本の産婦人科では、最終月経が始まった日を「妊娠0週0日」と数えるのが一般的です2。つまり、実際に受精が起こる妊娠2週頃には、すでに「妊娠2週」とカウントされています。妊娠3週頃に受精卵が子宮内膜に着床し、妊娠が成立します。この段階では、まだ自覚症状がないことがほとんどですが、体の中では新しい命を育むための準備が静かに始まっています。厚生労働省が推奨するように、この時期から葉酸のサプリメント摂取を開始することが、胎児の先天的な神経管閉鎖障害のリスクを減らすために非常に重要です13

妊娠4~7週(妊娠2ヶ月)

月経の遅れで妊娠に気づくことが多いこの時期、胎児は急速に成長します。身長は約8~16mm、体重は1~4gほどになります1。最も重要な変化は、妊娠6週前後で超音波検査によって心拍が確認できるようになることです。これは、多くの親にとって、赤ちゃんの存在を初めて実感する感動的な瞬間となります。体内では心臓や中枢神経系、目、耳といった主要な器官の形成が始まります1。一方、お母様の体ではホルモンバランスの変化により、「つわり」と呼ばれる吐き気や嘔吐、強い眠気、だるさといった症状が現れ始めます1

【重要】母子健康手帳の交付(妊娠6~11週)

日本における妊娠・出産で不可欠なのが「母子健康手帳」です。これは単なる記録帳ではなく、母子の健康を守るための法に基づいた制度です6

  • 受け取り方: 産婦人科で心拍が確認されると、「妊娠届出書」が発行されます。これを住民票のある市区町村の役所窓口に提出することで、「母子健康手帳」が交付されます7
  • 重要性: こども家庭庁によると、この手帳は妊産婦と医療従事者との間の重要なコミュニケーションツールであり、子どもの成長を生涯にわたって記録する健康記録です8。また、交付時には公費で受けられる妊婦健診の費用補助券(受診票)も一緒に配布されるため、経済的負担の軽減にも繋がります7

妊娠8~11週(妊娠3ヶ月)

胎児の身長は約13~60mm、体重は1~15gに成長し、頭・胴・足が分かれた「3頭身」の人間らしい姿になります1。手足が形成され、活発に動く様子が超音波で観察できることもあります。この時期には、お母様の血液型や感染症の有無などを調べるための初期血液検査が行われ、その結果は母子健康手帳に記録されます11。つわりの症状がピークに達する方も多く、心身ともにつらい時期かもしれませんが、赤ちゃんの成長を支える大切な期間です。

妊娠12~15週(妊娠4ヶ月)

身長65~100mm、体重25~100gにまで成長し、胎盤が完成します1。これ以降、赤ちゃんは胎盤を通して栄養や酸素を受け取るようになります。内臓器官もほぼ完成し、この時期を境に初期流産のリスクが大幅に減少し、一般的に「安定期」と呼ばれる時期に入ります。つわりの症状も和らぎ、体調が安定してくる方が多いでしょう。ここから定期的な「妊婦健診」が始まり、その都度、母子健康手帳に記録が書き加えられていきます。


第二トリメスター(妊娠中期:16~27週):顕著な成長と詳細な追跡

お腹の膨らみが目立ち始め、赤ちゃんの力強い動き「胎動」を感じることで、妊娠がより現実的なものとなる時期です。この段階では、赤ちゃんの健やかな成長を詳細に確認するための検査が中心となります。

妊娠16~19週(妊娠5ヶ月)

身長約16cm、体重200gほどに成長します1。この時期の最も感動的な出来事の一つが、初めて胎動を感じることです。最初は腸が動くような微かな感覚かもしれませんが、次第に力強くなっていきます。母子健康手帳には、初めて胎動を感じた日を記録する欄があります。また、超音波検査で性別が判明することもあります1。お腹が急速に大きくなるため、皮膚の乾燥を防ぎ、妊娠線のケアを始めるのに良い時期です。

妊娠20~23週(妊娠6ヶ月)

身長は25~30cm、体重は300~650gに達します1。聴覚が発達し、お腹の外の音が聞こえるようになります。ぜひ、優しく話しかけたり、音楽を聴かせてあげてください。眉毛や髪の毛も生え始め、より一層人間らしい顔つきになります。お母様は、お腹がせり出してくることで腰痛や足のつりなどに悩まされることがあります。十分な鉄分やカルシウムの摂取が、母子の健康のために重要であると厚生労働省も指導しています13

【専門解説】胎児発育曲線とは?(妊娠18~20週頃から)

妊婦健診が進むと、母子健康手帳の中にある「胎児発育曲線」というグラフに、赤ちゃんの推定体重が記録され始めます8。これは、日本産科婦人科学会(JSOG)が日本人胎児の膨大なデータから作成した、信頼性の高い成長の目安です9

  • 見方: グラフには複数の線が描かれており、中央の線が平均値です。その上下にある「+2.0SD」や「-1.5SD」といった線は「標準偏差」を示し、この範囲内であれば概ね順調な発育とされます9
  • 計測方法: 健診時の超音波検査で、胎児の頭の大きさ(BPD)、お腹の周りの長さ(AC)、太ももの骨の長さ(FL)などを測定します。これらの数値を用いて、コンピューターが「推定胎児体重(EFW)」を算出し、その値をグラフに点として記録します9
  • 重要性: 一回の測定値が平均から外れていても、多くは個人差の範囲内です。大切なのは、点と点を結んだ成長のカーブが、基準のカーブに沿って伸びているかです。このグラフは、発育が順調かどうかを客観的に評価するための重要なツールです。

妊娠24~27週(妊娠7ヶ月)

身長約35cm、体重は1000gに達し、大きな節目を迎えます1。肺の機能がさらに成熟し、子宮の外での生活に向けた準備が進みます。まぶたが開き、まばたきもできるようになります。お母様は、大きくなった子宮に圧迫されて息切れや胸やけを感じたり、足のむくみがひどくなったりすることがあります。胎動はさらに力強く、はっきりとしたものになります。この時期からは、切迫早産の兆候にも注意が必要です。


第三トリメスター(妊娠後期:28~40週):準備と待望

出産というゴールに向けて、心と体の準備を整える最終段階です。健診の頻度も上がり、赤ちゃんと会える日を心待ちにしながら過ごすことになります。

妊娠28~31週(妊娠8ヶ月)

身長約40cm、体重1500gほどに成長1。呼吸様運動といって、横隔膜を動かして呼吸の練習を始めます。目も光を感じ取れるようになります。この頃から妊婦健診は2週間に1回となり、よりきめ細やかな経過観察が行われます。お腹が大きくなることで、どんな姿勢でも苦しく感じたり、疲れやすくなったりします。実家などで出産する「里帰り出産」を計画している場合は、この時期に準備を始めるのが一般的です。飛行機での移動には医師の診断書が必要になることがあります1

妊娠32~35週(妊娠9ヶ月)

身長約45cm、体重は2300gを超え、皮下脂肪も増えてふっくらとした体つきになります1。多くの赤ちゃんは、頭を骨盤の方向へ向けた「頭位」という姿勢で落ち着きます。お母様は、不規則なお腹の張りである「前駆陣痛(Braxton-Hicks収縮)」を感じることがあります。これは出産に向けた体の準備運動のようなものです。出産に向けた入院準備品をまとめた「入院バッグ」の準備を始め、産前産後休業(産休)の手続きも完了させておきましょう。

妊娠36~40週(妊娠10ヶ月)

身長約50cm、体重は3000g前後となり、いつ生まれても大丈夫な状態である「正期産」の時期に入ります1。赤ちゃんが骨盤内に下がってくることで、胃の圧迫感が減って呼吸が楽になる一方、膀胱が圧迫されてトイレがさらに近くなります。健診は1週間に1回となります。「おしるし(少量の出血)」「破水」「規則的な陣痛」といった出産の兆候に注意し、いつでも入院できるよう準備を整えておきましょう。予定日を過ぎても陣痛が来ない場合は、医師の指示に従い、適切な時期に誘発分娩などの処置が検討されます。


【専門家モジュールA】妊婦健診のすべて:日本の標準スケジュールと検査内容

日本の妊婦健診は、母子の健康を守るために非常によく整備されたシステムです。ここでは、日本産科婦人科学会(JSOG)のガイドラインに基づき12、その標準的な内容を解説します。

健診の頻度と基本的な内容

標準的な健診スケジュールは以下の通りです。

  • 妊娠初期~23週まで: 4週間に1回
  • 妊娠24週~35週まで: 2週間に1回
  • 妊娠36週以降: 1週間に1回

毎回ほぼ必ず行われる基本検査は、体重・血圧測定、尿検査(蛋白・糖)、子宮底長・腹囲の測定です。これらは、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの異常を早期に発見するために重要です。

主な検査とその目的

妊娠期間中には、特定の時期に重要な検査が行われます。その結果はすべて母子健康手帳に記録されます20

  • 初期(~12週頃): 血液検査が行われ、血液型、貧血の有無、風疹などの感染症抗体、B型肝炎、C型肝炎、HIV、梅毒などを調べます12
  • 中期(24~28週頃): 妊娠糖尿病のスクリーニング検査が行われることが多いです12
  • 後期(35~37週頃): 貧血の再検査や、GBS(B群溶血性レンサ球菌)の検査などが行われます。
  • 超音波検査: 定期的に行われ、胎児の大きさや発育、胎盤の位置、羊水の量などを確認し、形態的な異常がないかをスクリーニングします。

【専門家モジュールB】胎児発育のギモンと安心:成長の個人差とFGRの正しい理解

妊婦健診で「赤ちゃんが少し小さい」と言われると、誰もが不安になるものです。しかし、それは必ずしも異常を意味するわけではありません。ここでは、権威ある情報源に基づき、胎児の成長に関する疑問にお答えします。

「小さい」の正しい理解:FGRとSGAの違い

まず大切なのは、「胎児発育不全(FGR: Fetal Growth Restriction)」と「在胎不当過小児(SGA: Small for Gestational Age)」を区別することです。米国産科婦人科学会(ACOG)やJSOGの定義によると45

  • SGA: 単純に、同じ週数の胎児の中で体重が小さい(通常は10パーセンタイル未満)だけで、赤ちゃん自身は元気に発育している状態を指します。体質的に小柄な赤ちゃんです。
  • FGR: 何らかの原因(胎盤機能不全など)により、赤ちゃんが本来持っている発育のポテンシャルを十分に発揮できず、成長が妨げられている状態を指します。こちらは医学的なフォローが必要です。

健診で小さいと指摘された場合、医師はSGAなのかFGRの疑いがあるのかを慎重に見極めます。JSOGの指針では、FGRが疑われる場合、一定期間をあけて再度計測を行ったり、胎盤やへその緒の血流、羊水量などを詳しく調べたりします9

JSOGによる胎児推定体重(EFW)の目安

以下の表は、JSOGが示す日本人胎児の推定体重の基準値です。ご自身の母子健康手帳の記録と見比べる際の参考にしてください。ただし、これはあくまで推定値であり、超音波検査には±10%程度の誤差があり得ることを理解しておくことが重要です。

表1: JSOGによる週数別胎児推定体重(EFW)参照値
妊娠週数 -1.5SD (g) 平均値 (g) +2.0SD (g)
20週 226 301 425
24週 499 652 871
28週 919 1168 1520
32週 1500 1855 2337
36週 2205 2665 3296
40週 2627 3113 4023
出典: 日本産科婦人科学会9。SD (Standard Deviation)は標準偏差を意味し、-1.5SDから+2.0SDの間が正常な発育の目安範囲とされます。

【専門家モジュールC】妊娠中の食事パーフェクトガイド:厚生労働省推奨の栄養と安全

妊娠中の食事は、お母様自身の健康維持と、赤ちゃんの健やかな発育の両方にとって非常に重要です。厚生労働省やこども家庭庁の公式な指針に基づき、何を、どのように食べればよいのかを具体的に解説します13

特に重要な3つの栄養素

  • 葉酸: 妊娠前から初期にかけて特に重要で、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを低減します。食事からの摂取に加え、1日400µgのサプリメント摂取が推奨されます13
  • 鉄分: 妊娠中は血液量が増加するため、鉄欠乏性貧血になりやすくなります。赤身の肉や魚、レバー、ほうれん草などを積極的に摂りましょう13
  • カルシウム: 赤ちゃんの骨や歯を形成するために不可欠です。牛乳や乳製品、小魚、豆腐などを食事に取り入れましょう15

妊娠中の体重管理

適切な体重増加は、安全な出産と産後の健康のために重要です。厚生労働省は、妊娠前の体格指数(BMI)に応じた推奨体重増加量を示しています13

  • 低体重 (BMI < 18.5): 12~15kg
  • ふつう (18.5 ≤ BMI < 25): 10~13kg
  • 肥満 (BMI ≥ 25): 個別対応(約7kg~が目安)

栄養と食品安全のチェックリスト

以下の表は、厚生労働省の推奨に基づいた、妊娠中に特に注意すべき栄養素と食品のリスクをまとめたものです。日々の食事管理にお役立てください。

表2: MHLW準拠 妊娠中の栄養・安全チェックリスト
栄養素・リスク 厚生労働省の推奨事項 良い供給源・注意すべき食品
葉酸 食事に加え1日400µgのサプリメント摂取(特に妊娠初期)。13 供給源: ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、いちご。
鉄分 貧血予防に不可欠。ビタミンCと同時に摂ると吸収率アップ。13 供給源: 赤身肉、魚、レバー、豆腐、小松菜。
カルシウム 胎児の骨と歯の形成に必要。15 供給源: 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、豆腐。
水銀 食物連鎖の上位にいる大型魚の摂取を制限。13 注意: キンメダイ、メカジキなどは週1回(約80g)まで。
リステリア菌 加熱殺菌されていない食品は避ける。食品は十分に加熱する。16 注意: ナチュラルチーズ、生ハム、パテ、スモークサーモン。
トキソプラズマ 肉は中心部まで十分に加熱。土いじりやペットの世話の後は手洗い。16 注意: 生肉、加熱不十分な肉。
ビタミンA 妊娠初期の過剰摂取は胎児の奇形リスクを高めるため避ける。24 注意: レバー、うなぎ。自己判断でのサプリメント摂取は危険。
アルコール 安全な摂取量はないため、妊娠中は完全に避ける。1 注意: 全てのアルコール飲料。
カフェイン 適度な量に制限する。13 注意: コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンク(1日1~2杯程度が目安)。

よくある質問

胎児の推定体重が平均より小さいと言われました。心配です。

まず、超音波による推定体重にはある程度の誤差があることをご理解ください。また、胎児の成長には個人差があり、ご両親の体格が影響することもあります。大切なのは、一回の測定値ではなく、成長曲線に沿って赤ちゃん自身のペースで大きくなっているかです9。医師が定期的な健診で経過を観察し、特に問題がないと判断している場合は、過度に心配する必要はありません。不安な点は遠慮なく医師に質問しましょう。

つわりで食事がとれません。赤ちゃんに影響はありますか?

妊娠初期のつわりの時期は、多くの妊婦さんが食事を思うようにとれなくなります。この時期の赤ちゃんはまだ非常に小さく、お母様がもともと蓄えている栄養で十分に成長できます。無理に食べようとせず、食べられるものを、食べられるときに、食べられるだけで大丈夫です。ただし、水分補給は非常に重要ですので、水やお茶、スープなどでこまめに水分を摂るようにしてください。体重が著しく減少したり、水も飲めないほど症状が重い場合は、「妊娠悪阻」という治療が必要な状態の可能性もありますので、かかりつけの産婦人科にご相談ください。

葉酸サプリメントは本当に飲む必要がありますか?

はい、強く推奨されています。葉酸は、胎児の脳や脊髄が作られる妊娠超初期から初期にかけて、神経管閉鎖障害という先天異常のリスクを大幅に低減することが科学的に証明されています。厚生労働省も、通常の食事からの摂取に加えて、サプリメントで1日400µg(0.4mg)の葉酸を摂取することを推奨しています13。食事だけで必要量を安定して摂取するのは難しいため、サプリメントの活用が非常に有効です。

母子健康手帳で、健診後に特に確認すべき点は何ですか?

健診後は、医師や助産師からの説明を思い出しながら、手帳の記録を確認する習慣をつけましょう。特に見ておきたいのは、「妊娠中の経過」のページです。尿蛋白や尿糖、血圧、体重の推移に異常がないか、また「胎児発育曲線」のページで、赤ちゃんの推定体重が前回から順調に増えているかを確認するとよいでしょう。何か異常を示す記号や数値があった場合は、次回の健診で質問できるようにメモしておくと安心です20

結論

妊娠から出産までの約40週間は、女性の人生において最もダイナミックで感動的な旅の一つです。お腹の中で日々成長していく小さな命を感じながら、ご自身の心と体も大きく変化していきます。本記事では、科学的根拠に基づき、妊娠週数ごとの胎児の成長と母体の変化、そして日本独自の素晴らしい制度である「母子健康手帳」や「妊婦健診」について、包括的に解説してまいりました。情報が溢れる現代において、何が正しく、何を信じればよいのか不安になることもあるでしょう。しかし、あなたの手元にある母子健康手帳と、かかりつけの医師や助産師こそが、最も信頼できるパートナーです。このガイドが、あなたの妊娠期間中の不安を和らげ、赤ちゃんとのかけがえのない時間を、より深く、安心して楽しむための一助となれば幸いです。あなたの素晴らしいマタニティライフを心から応援しています。

免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスに代わるものではありません。健康上の懸念や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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  2. 妊娠週数別!胎児の成長とママの体の変化 – 新型出生前診断 NIPT … [インターネット]. [引用日: 2025年7月19日]. Available from: https://niptjapan.com/column/foetation/
  3. マタニティ基礎知識|埼玉県さいたま市の産婦人科 高橋クリニック. [インターネット]. [引用日: 2025年7月19日]. Available from: https://www.taka-cl.jp/knowledge/
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  10. 母子手帳(赤ちゃん手帳)はいつもらえる?知っておきたい重要なポイント【医師監修】 – ヒロクリニック. [インターネット]. [引用日: 2025年7月19日]. Available from: https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/when-get-handbook/
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