【左股関節の痛み】考えられる原因と隠れた病気・受診の目安を徹底解説
この記事でわかること
目次
- Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について
- 要点まとめ
- 第1部:左股関節の痛みの基本と日常生活の見直し
- 1.1. 股関節の基本構造と痛みが出る仕組み
- 1.2. 左股関節の痛みを悪化させやすいNG習慣
- 第2部:身体の内部要因 — 骨・関節・ホルモン・栄養の影響
- 2.1. 女性に多い股関節のトラブルとライフステージ
- 2.2. 栄養不足・骨粗鬆症・体重の影響
- 2.3. 自己免疫疾患・全身性の病気に伴う股関節痛
- 第3部:専門的な診断が必要な主な疾患
- 3.1. 変形性股関節症
- 3.2. 特発性・続発性大腿骨頭壊死症
- 3.3. 大腿骨頸部骨折などの骨折・外傷
- 3.4. 股関節周囲炎・滑液包炎・筋腱の炎症
- 3.5. 腰椎・仙腸関節・内臓からの関連痛
- 第4部:今日から始める左股関節の改善アクションプラン
- 第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?
- 5.1. すぐに受診・救急対応を検討すべき危険なサイン
- 5.2. 症状に応じた診療科の選び方
- 5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安
- よくある質問
- 結論:この記事から持ち帰ってほしいこと
- この記事の編集体制と情報の取り扱いについて
- 参考文献
この症状、いつ受診すべきか確認しますか?
回答に合わせて必要な質問だけを表示します。診断は行いません。
症状はいつから続いていますか?
回答により質問数が変わります・途中でいつでも記事に戻れます
股関節は上半身と下半身をつなぐ大きな関節で、一歩歩くたびに体重を支えています。そのため、ちょっとした姿勢の癖や筋肉疲労から、変形性股関節症や大腿骨頭壊死症のような専門的な病気まで、さまざまな原因で痛みが出る可能性があります。特に「左だけ痛い」「片側だけつらい」という場合、バランスの崩れや片側だけに負担がかかる病気が隠れていることもあります。
本記事では、日本のガイドラインや日本整形外科学会などの公的情報をもとに、左股関節の痛みのメカニズム、日常生活に関係する要因、注意したい代表的な病気、セルフケアのポイント、そして「いつ病院に行くべきか」の目安まで、できるだけわかりやすく整理して解説します。
「自分の痛みは様子を見ていいのか」「放っておくと将来歩けなくなってしまうのではないか」と不安を抱えている方が、この記事を通して状況を整理し、適切なタイミングで医療機関に相談する一歩を踏み出せるようにサポートしていきます。ただし、本記事はあくまで一般的な情報提供であり、自己判断で治療や薬の変更を行わず、気になる症状がある場合は必ず医療機関で相談してください。
Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について
Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。
本記事の内容は、主に日本整形外科学会や日本股関節学会、日本医療機能評価機構 Minds、厚生労働省などの公的情報源、および査読付き論文や海外ガイドラインをもとに、JHO編集部がAIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています。
- 厚生労働省・自治体・公的研究機関:e-ヘルスネット、難病情報、統計資料など、日本人向けの公式情報を優先して参照しています。
- 国内外の医学会ガイドライン・査読付き論文:日本整形外科学会や股関節関連学会の資料に加え、世界保健機関(WHO)や海外の専門誌掲載論文など、科学的に検証されたエビデンスをもとに要点を整理しています。
- 教育機関・医療機関・NPOによる一次資料:病気の背景説明や、日本の医療制度・受診方法に関する実務的な情報として利用します。
AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証しています。
JHOの運営ポリシーや編集プロセスの詳細は、JHO(JapaneseHealth.org)編集委員会についてのページをご覧ください。
要点まとめ
- 左股関節の痛みは、姿勢や筋肉疲労などの身近な要因から、変形性股関節症や大腿骨頭壊死症、骨折、関節リウマチなどの病気まで幅広い原因で起こります。
- 痛みの出る場所(鼠径部・お尻のあたり・太ももの側面など)や、動かしたときだけ痛いのか、じっとしていても痛いのかによって、疑われる原因がある程度変わります。
- 徐々に悪化する痛みや、立ち上がり・歩き始め・階段で左股関節に痛みが出る場合は、変形性股関節症などの慢性疾患が隠れていることがあります。
- 突然の強い痛みで足をつけない、発熱を伴う、転倒後から動かせないなどの場合は、骨折や感染症など緊急性の高い状態のサインの可能性があり、早急な受診が必要です。
- 体重管理や姿勢の見直し、股関節周囲の筋力トレーニングなどの生活改善で症状が軽くなるケースもありますが、長く続く片側の痛みは自己判断で放置せず、整形外科などで原因を確かめることが大切です。
- 女性、40〜50代以降、出生時や子どもの頃に股関節の異常を指摘されたことがある方、ステロイド大量投与の既往や多量飲酒歴がある方は、股関節の病気のリスクが高いとされており、特に早めの相談が勧められます。
「左側だけ痛いのはおかしいのでは?」「このまま歩けなくなったらどうしよう」と不安になりつつも、忙しさや「まだ我慢できるから」という気持ちから、受診を先延ばしにしている方も少なくありません。
この記事では、まず「生活習慣や姿勢など、自分で見直せる身近な要因」から整理し、それでも改善しない場合や、初めから強い痛みがある場合に考えるべき「股関節そのものの病気」について、段階的に理解できるよう構成しています。
必要に応じて、股関節の痛み全般を整理した関連する総合ガイドや、特定の病気を深く解説した詳細解説記事など、JHO内の関連記事へも橋渡しできるような構成を想定しています。
一つひとつ読み進めながら、「自分の痛みはどのタイプに近いか」「いつ・どこで・どの診療科に相談すべきか」をイメージしやすくなることを目指しています。
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これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
第1部:左股関節の痛みの基本と日常生活の見直し
まずは、病気に直結する前に見直したい、姿勢・歩き方・筋肉バランス・日常生活のクセについて確認していきます。特に「左だけ痛い」という場合、無意識のうちに左側へ体重をかける癖や、左右差のある筋力・柔軟性が背景にあることも少なくありません。
1.1. 股関節の基本構造と痛みが出る仕組み
股関節は、骨盤側の「寛骨臼」と太ももの骨の「大腿骨頭」がはまり込む、球関節(きゅうかんせつ)の一種です。関節の表面は関節軟骨というすべりのよい組織で覆われ、その周りを関節包や靱帯、筋肉が取り囲んで、スムーズな動きを支えています。
この構造のどこかに負担が集中したり、炎症や変形、血行障害が起きたりすると、「痛み」として感じられます。痛みを感じる場所は、おおまかに以下のように分かれます。
- 鼠径部(脚の付け根)の深いところの痛み:股関節そのもののトラブル(変形性股関節症など)でよく見られます1。
- 太ももの外側やお尻の外側の痛み:股関節周囲の筋肉や腱、滑液包の炎症(いわゆる「股関節周囲炎」など)で出やすい位置です。
- お尻の奥や腰に近い部分の痛み:股関節ではなく、腰椎(腰の骨)や仙腸関節のトラブルから「関連痛」として股関節周囲に響くこともあります5。
左側にだけ痛みを感じる場合、左側の筋肉や靱帯に負担が集中している場合もあれば、左股関節自体の関節軟骨のすり減りや骨の変形が進んでいるケースもあります。
1.2. 左股関節の痛みを悪化させやすいNG習慣
同じ病気でも、日常生活の習慣によって痛みの出方は大きく変わります。特に、以下のような習慣は左股関節に負担をかけやすい代表例です。
- 片脚重心で立つ癖がある:立ち話や電車待ちのときに、いつも左脚だけに体重を乗せていると、左股関節の関節軟骨や周囲の筋肉に負担が蓄積します。
- 椅子に座るときに、左側へ体を傾けて座る:片側の坐骨だけで体重を支える姿勢が続くと、お尻や股関節周囲の筋肉がこわばりやすくなります。
- 脚を組むときに決まって左脚が上・下になる:骨盤のねじれや、左右の筋肉バランスの崩れにつながり、片側の股関節にストレスがかかりがちです。
- 長時間のデスクワーク・スマホ操作で運動不足:股関節を支える殿筋・太ももの筋力が低下し、ちょっとした負担でも痛みを感じやすくなります。
- 急な運動・ストレッチを週末だけまとめて行う:普段動かしていない股関節を急に大きく動かすことで、筋肉や腱の炎症(腸腰筋炎や大腿筋膜張筋炎など)が起こり、片側だけ痛くなることがあります。
思い当たる習慣がある場合は、痛みの原因が「病気」だけとは限らず、生活習慣の見直しだけでもある程度軽減できることがあります。ただし、強い痛みや長引く痛みがあるときは、自己判断で済ませずに整形外科での確認が重要です。
| こんな症状・状況はありませんか? | 考えられる主な背景・原因カテゴリ |
|---|---|
| 左脚に体重をかけたときだけ、脚の付け根がズキッと痛む | 股関節周囲の筋肉・腱の炎症、初期の変形性股関節症 など |
| 立ち上がりや歩き始めだけ左股関節が痛く、しばらく歩くと少しましになる | 変形性股関節症の「始動痛」、関節軟骨のすり減り など1 |
| 長く歩くと左股関節の外側〜お尻が重だるく、階段や坂道で特にきつい | 中殿筋など股関節周囲筋の疲労・筋力低下、股関節周囲炎 など |
| 横向きで寝ると、上側・下側どちらにしても左股関節が痛くて眠れない | 変形性股関節症の進行、滑液包炎、筋・腱の炎症 など |
| 転倒してから左股関節に強い痛みが出て、足をつけない・歩けない | 大腿骨頸部骨折などの骨折、脱臼など緊急性の高い状態の可能性 |
第2部:身体の内部要因 — 骨・関節・ホルモン・栄養の影響
生活習慣を見直しても左股関節の痛みが続く場合、その背景には骨や関節そのものの変化、ホルモンバランス、栄養状態、自己免疫疾患など、身体の内部要因が関わっていることがあります。
2.1. 女性に多い股関節のトラブルとライフステージ
日本整形外科学会によると、変形性股関節症の患者の多くは女性で、発育性股関節形成不全(子どもの頃の股関節の成長異常)や股関節の形成不全が背景にあるケースが全体の約8割を占めるとされています1。若い頃は症状がなくても、40〜50代以降に徐々に痛みが出てくることがあります。
特に以下のようなライフステージでは、股関節への負担やホルモンバランスの変化により、左股関節の痛みが目立つことがあります。
- 妊娠・出産期:体重増加や骨盤のゆるみ、抱っこや家事での偏った負担により、片側の股関節に痛みが出ることがあります。
- 更年期:女性ホルモンの減少に伴い、骨密度が低下しやすくなり、軽い転倒でも大腿骨頸部骨折などのリスクが高まります。
- 高齢期:筋力低下やバランス能力の低下により、片側に負担がかかりやすくなり、既存の変形性股関節症が悪化しやすくなります2。
2.2. 栄養不足・骨粗鬆症・体重の影響
股関節は体重を支える関節のため、体重が増えるほど関節軟骨や骨への負担が増します。変形性股関節症では、加齢や肥満、先天性の股関節疾患などが複合的に関わるとされています2。
また、カルシウムやビタミンD不足、運動不足などにより骨密度が低下すると、股関節周囲の骨折(大腿骨頸部骨折など)のリスクが高まります。骨粗鬆症があると、軽くつまずいただけでも股関節周囲の骨折につながることがあり、その後、左股関節だけ強い痛みが出ることもあります。
「体重が以前より増えた」「運動不足で筋肉が落ちた気がする」「骨粗鬆症を指摘されている」といった場合は、股関節への負担も増えている可能性があるため、食事や運動、必要に応じて骨粗鬆症の治療などを含めて総合的に見直すことが重要です。
2.3. 自己免疫疾患・全身性の病気に伴う股関節痛
左股関節の痛みは、股関節単独の病気だけでなく、全身性の病気の一部として現れることもあります。たとえば、慢性関節リウマチなどの炎症性関節疾患では、免疫の異常によって関節に炎症が起き、股関節を含む全身の関節に痛みや腫れが出ることがあります8。
また、特発性大腿骨頭壊死症のように、大腿骨頭(股関節の丸い部分)への血流が障害されることで骨が壊れてしまう病気もあり、ステロイド大量療法や多量飲酒などが背景因子として知られています34。この病気では、比較的急に股関節周囲の痛みや跛行(足を引きずるような歩き方)が現れることがあります。
全身性の病気が疑われる場合は、整形外科だけでなく内科・膠原病内科などとの連携が必要になることもあります。
第3部:専門的な診断が必要な主な疾患
ここでは、左股関節の痛みの原因となりやすく、放置すると歩行障害や生活の質(QOL)の低下につながる代表的な病気について解説します。実際には右側や両側に出ることもありますが、「片側だけ痛い」と感じる場合にも重要な鑑別になります。
3.1. 変形性股関節症
変形性股関節症は、股関節の関節軟骨がすり減り、骨が変形することで痛みや可動域制限を引き起こす病気です。40〜50代以降の女性に多く、発育性股関節形成不全の後遺症や股関節の形成不全が背景にあるケースが多いとされています12。
症状としては、初期には立ち上がりや歩き始めのときの「始動痛」が特徴で、徐々に歩行時の痛み、階段や長時間歩行での痛みが強くなります。進行すると安静時や夜間も痛みが続き、靴下を履く・足の爪を切る・和式トイレや正座が難しいなど、日常生活動作に支障が出るようになります1。
左側だけ症状が強い場合、左股関節に変形が集中しているほか、脚の長さの左右差などが関係していることもあります。診断にはX線検査が用いられ、進行度に応じて運動療法・薬物療法・装具・手術(人工股関節置換術など)が検討されます213。
3.2. 特発性・続発性大腿骨頭壊死症
大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭の血行障害により骨の組織が壊死し、つぶれて(圧潰して)しまう病気です。日本股関節学会によると、原因は続発性(骨折後や潜函病など明らかな原因があるもの)と特発性(はっきりした原因が特定できないもの)に分けられ、特発性ではステロイド大量療法や多量飲酒が背景因子として知られています3。
症状は、比較的急に始まる股関節周囲の痛みと跛行が典型的で、初期には腰痛や太ももの痛みとして感じることもあります37。壊死した骨頭がつぶれていく過程で痛みが増強し、放置すると関節の変形や歩行障害が進行するため、早期の診断と専門的な治療が重要です。
「ステロイドを多量に使ったことがある」「お酒をかなり飲む習慣がある」「急に左股関節が痛くなり、足を引きずるようになった」といった場合は、この病気を疑って早めに整形外科(特に股関節専門医)の受診が勧められます415。
3.3. 大腿骨頸部骨折などの骨折・外傷
高齢の方が転倒した後に左股関節周囲の強い痛みが出て、足をつけない・歩けないという場合、大腿骨頸部骨折などの骨折が強く疑われます。骨粗鬆症があると、わずかな段差でつまずいたり、布団から立ち上がるときなどの軽い転倒でも骨折することがあります。
骨折を放置すると、痛みだけでなく、寝たきりや認知機能の低下、肺炎・血栓などの合併症のリスクも高まるため、「転んでから股関節が痛い」「足を動かすと激痛が走る」という場合は、救急受診を含めて早急な対応が必要です。
3.4. 股関節周囲炎・滑液包炎・筋腱の炎症
スポーツや長時間の同じ姿勢、急激な負荷によって、股関節周囲の筋肉や腱、滑液包(関節の周囲にある小さな袋状のクッション)が炎症を起こすことがあります。例えば、腸腰筋炎や大腿筋膜張筋炎、大転子滑液包炎などです4。
これらの場合、ある方向に脚を動かしたときだけズキっと痛む、押すと局所的に痛む、休むと少し楽になるなどの特徴があります。多くは保存療法(安静、ストレッチ、リハビリ、必要に応じて鎮痛薬や湿布)で改善しますが、痛みが長引く場合は他の病気が隠れていないか確認が必要です。
3.5. 腰椎・仙腸関節・内臓からの関連痛
左股関節の痛みと思っていても、実際には腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、仙腸関節障害などが原因で、痛みが股関節周囲に放散している場合もあります25。また、まれに腸・腎臓・婦人科臓器などの病気が、左鼠径部やお尻の痛みとして感じられることもあります。
しびれを伴う痛み、腰から足先にかけての痛み、排尿・排便異常、発熱・体重減少など、全身症状や神経症状を伴う場合は、整形外科だけでなく内科・婦人科などを含めた精査が必要になることがあります。
第4部:今日から始める左股関節の改善アクションプラン
原因が何であれ、「今この瞬間からできること」「今週から取り組めること」「長期的に続けたいこと」を整理しておくと、不安を抱えたままじっと我慢する必要がなくなります。ここでは、医療機関での治療と並行して、日常生活で意識したいポイントをレベル別にまとめます。
| ステップ | アクション | 具体例 |
|---|---|---|
| Level 1:今夜からできること | 股関節への負担を減らし、痛みを悪化させない | 長時間の片脚重心を避ける/座るときは左右均等に体重を乗せる/痛みが強いときは無理にストレッチをせず、痛みが出ない範囲で動かす |
| Level 2:今週から始めること | 股関節周囲の筋力・柔軟性を少しずつ高める | 椅子に座ったままでの足上げ運動や、お尻の筋肉を意識した軽いスクワットを、痛みのない範囲で数回ずつ行う/30分ごとに立ち上がって股関節をゆっくり回す |
| Level 3:長期的に続けたいこと | 体重管理と生活習慣の見直し | エレベーターより階段を選ぶなど、日常に無理のない範囲で歩行量を増やす(医師の指示がある場合はそれに従う)/栄養バランスのよい食事で筋肉と骨を守る/過度なお酒は控える |
運動やストレッチについては、変形性股関節症や大腿骨頭壊死症など、病気の種類や進行度によって「やってよい範囲」が異なります。必ず医師や理学療法士の指導のもとで、自分に合ったメニューを続けることが大切です。自己流で痛みを我慢しながら運動を続けると、かえって悪化させてしまうこともあるため注意しましょう217。
また、補助的な選択肢として、鍼治療などの補完代替療法が変形性関節症の痛みの軽減に一定の効果を示した研究もありますが、その効果は限定的であり、通常の医療(運動療法・薬物療法など)を置き換えるものではなく、あくまで補助的に位置づけることが推奨されています6。
第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?
左股関節の痛みは、「様子を見てよい場合」と「早めに受診したほうがよい場合」、「救急車(119)を含めて緊急対応が必要な場合」に分かれます。ここでは、受診の目安と診療科の選び方、診察時に役立つ準備についてまとめます。
5.1. すぐに受診・救急対応を検討すべき危険なサイン
- 転倒や事故のあとから左股関節が強く痛み、足をつけない・歩けない。
- 左股関節が激しく痛み、じっとしていても治まらない・夜も眠れない。
- 股関節の痛みと同時に発熱や悪寒がある(関節の感染症などの可能性)。
- 突然の脱力やしびれ、排尿・排便障害を伴う(神経の重い障害が疑われる)。
- がんの治療中・既往があり、原因不明の股関節痛が続く。
これらの症状がある場合は、救急外来や整形外科を早急に受診し、必要に応じて119番通報も検討してください。
5.2. 症状に応じた診療科の選び方
- まず相談しやすいのは整形外科:股関節そのものの病気(変形性股関節症・大腿骨頭壊死症・骨折・股関節周囲炎など)が疑われる場合の窓口になります。X線検査や必要に応じてMRI検査などを行い、原因を絞り込んでいきます26。
- 神経の症状が強い場合は整形外科+神経内科や脳神経外科:しびれや脱力が強いときは、腰椎や神経のトラブルが関係していることもあり、連携して評価されることがあります。
- 全身症状を伴う場合は内科・膠原病内科など:関節リウマチなどの自己免疫疾患や、感染症・内臓疾患が疑われる場合は、内科系の診療科とも連携して診断・治療が進められます。
- 女性で下腹部・骨盤内の不快感もある場合は婦人科:婦人科疾患による痛みが股関節周囲に広がっている可能性もゼロではないため、必要に応じて婦人科受診も検討されます。
5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安
- 症状のメモ:いつから痛いのか、どの動きで痛みが強くなるか、左だけなのか、夜間痛や安静時痛があるかなどをメモしておくと、診察がスムーズです。
- 服用中の薬のリストやお薬手帳:ステロイドや抗がん剤などの服用歴は、大腿骨頭壊死症などのリスク評価にも関わります34。
- 過去の検査結果:他院で撮影したX線やMRIのデータがあれば持参すると参考になります。
- 費用の目安:初診料、X線検査、必要に応じて血液検査・MRI検査などが行われることが多く、日本の公的医療保険(3割負担)の場合、数千円〜1万円台程度からが一般的な目安です(検査内容や医療機関によって異なります)。
費用面が不安な場合は、受診前に医療機関のウェブサイトや電話で、おおまかな目安を確認しておくと安心です。
よくある質問
Q1: 左股関節だけ痛いのですが、左右で原因は違うのでしょうか?
A1: 左右でまったく別の病気が決まっているわけではなく、多くの病気は右・左どちらにも起こり得ます。ただし、片脚重心の癖や片側だけの筋力低下、過去のケガなどにより、どちらか一方に負担が集中しているケースはよくあります。また、出生時や子どもの頃の股関節の障害が一側だけにあった場合、その側(たとえば左側)に変形性股関節症などが出やすくなることも知られています1。片側だけの痛みが長く続く場合は、自己判断せず整形外科で原因を確認しましょう。
Q2: どのような痛みがあると、変形性股関節症が疑われますか?
A2: 変形性股関節症では、立ち上がりや歩き始めなど動き始めのときに鼠径部(脚の付け根)が痛む「始動痛」が特徴とされます1。進行すると歩行中の痛み、長時間立っているときの痛みが強くなり、階段の上り下りや和式トイレ、靴下を履く動作などがつらくなっていきます12。夜間や安静時にも痛む場合は、進行しているサインの可能性があるため、早めに整形外科を受診することが勧められます。
Q3: しばらく安静にしていれば、左股関節の痛みは自然に治りますか?
A3: 筋肉や腱の一時的な炎症が原因であれば、数日〜1週間程度の安静や負担軽減で改善することもあります。しかし、変形性股関節症や大腿骨頭壊死症、骨折などが原因の場合、安静だけでは根本的な改善にはつながりません23。特に、痛みが徐々に強くなっている、数週間以上続いている、歩行や階段がつらくなってきた、といった場合は医療機関での評価が必要です。
Q4: 左股関節が痛くても、運動は続けても大丈夫ですか?
A4: 痛みの原因や程度によって対応は変わります。軽い筋肉痛程度で、痛みが出ない範囲であれば、ウォーキングや軽いストレッチなどを継続したほうが回復に役立つこともあります。一方、変形性股関節症の進行期や大腿骨頭壊死症、骨折が疑われる場合に、痛みを我慢して運動を続けるのは危険です24。自己判断で運動を続けるのではなく、整形外科で診断を受け、「どの程度まで動かしてよいか」を専門家と確認することが重要です。
Q5: 病院に行く前に市販薬や湿布で様子を見てもよいですか?
A5: 一時的な痛みで、明らかなケガや強い痛みがない場合、市販の鎮痛薬や湿布で様子を見ること自体は一般的に行われています。ただし、痛みが長引く・悪化する、夜も眠れないほど痛い、足を引きずる、発熱を伴う、といった場合は、市販薬で隠してしまうよりも原因を明らかにすることが優先です2。市販薬を使う場合も、添付文書を守り、持病や併用薬がある方は必ず薬剤師や医師に相談してください。
Q6: 画像検査では何がわかるのでしょうか?
A6: 一般的には、まずX線検査(レントゲン)で骨や関節の形、関節のすき間の幅、骨折や明らかな変形の有無などを評価します。変形性股関節症では関節軟骨のすり減りにより関節裂隙の狭小化や骨棘形成などが見られることがあります2。X線で原因がはっきりしない場合や、大腿骨頭壊死症・骨折・腫瘍などが疑われる場合には、MRI検査が行われることがあります6。
Q7: 仕事が忙しくてなかなか病院に行けません。どの程度続いたら必ず受診すべきですか?
A7: 明らかな外傷がなく、軽い痛みで日常生活に大きな支障がない場合でも、「同じ場所の痛みが2週間以上続く」「月単位で少しずつ悪化している」といった場合は、一度は整形外科で評価を受けることが勧められます。先ほど挙げた危険なサイン(歩けない、夜も眠れない、発熱を伴うなど)がある場合は、期間にかかわらず早急な受診が必要です。
Q8: 手術(人工股関節など)は必ず必要になるのでしょうか?
A8: 変形性股関節症や大腿骨頭壊死症でも、すべての方が手術になるわけではありません。痛みの程度やX線上の進行度、年齢、日常生活への影響などを総合的に考慮し、まずは運動療法や薬物療法、装具などの保存療法から行うのが一般的です217。それでも日常生活が大きく制限される場合に、人工股関節置換術などの手術が選択肢として検討されます。手術の必要性やタイミングは一人ひとり異なるため、主治医とよく相談して決めていくことが大切です。
結論:この記事から持ち帰ってほしいこと
左股関節の痛みは、「年齢のせい」「運動不足だから」と片付けてしまいがちですが、その背後には変形性股関節症や大腿骨頭壊死症、骨折、関節リウマチ、腰椎や仙腸関節のトラブルなど、さまざまな原因が隠れている可能性があります。特に、日本では女性に多い股関節の病気が知られており、痛みを我慢し続けることで将来の歩行能力に影響が出ることもあります123。
一方で、片脚重心の癖や長時間の座りっぱなしなど、日常生活のちょっとした工夫で負担を減らせるケースも少なくありません。「自分の痛みはどのタイプに近いか」をセルフチェックしながら、生活の見直しと医療機関での評価を組み合わせていくことが大切です。
この記事が、左股関節の痛みで悩んでいる方にとって、「自分だけではない」と感じられるきっかけになり、必要なタイミングで専門家に相談する一歩につながれば幸いです。痛みを一人で抱え込まず、周囲や医療者と一緒に、将来の歩きやすさと生活の質を守っていきましょう。
この記事の編集体制と情報の取り扱いについて
Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。本記事も、日本整形外科学会や日本股関節学会、厚生労働省、日本医療機能評価機構 Minds などの一次資料をもとに作成しています。
原稿の作成にあたっては、最新のAI技術を活用して下調べと構成案を作成したうえで、JHO(JapaneseHealth.org)編集委員会が、ガイドライン・論文・公的サイトなどの一次資料と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断はすべてJHO編集部が行っています。
ただし、本サイトの情報はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療の決定を直接行うものではありません。気になる症状がある場合や、治療の変更を検討される際は、必ず医師などの医療専門家にご相談ください。
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本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言や診断、治療に代わるものではありません。健康上の懸念がある場合や、治療内容の変更・中止等を検討される際には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。
参考文献
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