痛風の治療薬ガイド|発作時と長期管理薬を正しく使い分ける方法
この記事でわかること
目次
- 結論:痛風の治療薬の全体像
- 要点まとめ
- 編集基準
- 痛風の治療薬とは?発作時の薬と長期管理薬はまったく別物
- そもそも痛風の治療薬はいつから始まるのか — 高尿酸血症の診断ラインと薬物治療の目安
- 発作時に使う痛風の治療薬 — NSAIDs・コルヒチン・ステロイドの使い分け
- 尿酸生成抑制薬 — アロプリノール・フェブキソスタット・トピロキソスタットの痛風の治療薬
- 尿酸排泄促進薬 — ベンズブロマロン・プロベネシド・ドチヌラドの痛風の治療薬と劇症肝炎の警告
- 尿酸生成抑制薬と他の薬の飲み合わせ — 免疫抑制薬・喘息薬・血液サラサラの薬との関係
- 病型(尿酸排泄低下型・尿酸産生過剰型・混合型)に応じた痛風の治療薬の選び方
- 発作中に痛風の治療薬を自己判断で変えてはいけない理由
- 受診の目安 — 腎機能・肝機能に不安がある人が特に注意すべきこと
- 治療目標値とガイドライン — 血清尿酸値6.0mg/dL以下を目指す理由
- 痛風の治療薬 早見表 — 9つの薬を1枚で振り返る
- まとめ — 痛風の治療薬を理解するときに押さえておきたいこと
- よくある質問
- 参考文献
結論:痛風の治療薬の全体像
「痛風の治療薬」は大きく3つのグループに分かれます。①発作の激痛を鎮める薬(NSAIDs・コルヒチン・ステロイド)、②尿酸を作りにくくする薬(アロプリノール・フェブキソスタット・トピロキソスタットなど尿酸生成抑制薬)、③尿酸を尿へ出しやすくする薬(ベンズブロマロン・プロベネシド・ドチヌラドなど尿酸排泄促進薬)です。[8]
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この3つは「使う目的」がまったく違うため、発作中に②③を新しく始めたり、量を急に増減したりすると、かえって発作が悪化することがあるとPMDA添付文書は注意しています[1]。どの薬を、いつ、どの量で使うかは医師が個々の病状(腎機能・肝機能・尿路結石の有無など)を見て決めるものであり、この記事は薬を自己判断で選ぶための案内ではありません。
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要点まとめ
編集基準
編集方針:JHO編集部がAIツールの支援を受け、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の添付文書、日本痛風・尿酸核酸学会のガイドライン、学会誌に掲載された総説と照合して作成しました。最終確認は人の目で行っています。医師による個別診断・処方の代わりにはなりません。用法・用量や適応は薬剤の改定により変わることがあります(2026年7月21日時点の添付文書に基づく)。
痛風の治療薬とは?発作時の薬と長期管理薬はまったく別物
痛風の治療薬は、目的によって働き方がまったく異なります。ガイドラインの解説論文によれば、関節に沈着した尿酸塩の結晶が炎症を起こしている「発作」そのものを鎮める薬と、血液中の尿酸値を下げて結晶ができにくい体にする薬は、同じ「痛風の薬」でも役割が別です[8]。ガイドラインの解説論文によれば、この違いを理解しないまま自己判断で薬を使うと、発作を長引かせたり、悪化させたりする可能性があるとされています[8]。
そもそも尿酸は、体の細胞が入れ替わるときやプリン体を多く含む食品を摂取したときに、肝臓などで作られる代謝物です。ガイドラインの解説論文によれば、尿酸は主に腎臓から尿へ排泄されますが、作られる量が排泄される量を上回ると血液中の尿酸値が高くなり、余った尿酸が関節や腎臓に結晶として沈着しやすくなると考えられています[8]。関節にたまった結晶が何らかのきっかけで剥がれ落ちると、体の免疫が結晶を異物とみなして炎症を起こし、激しい痛みを伴う痛風発作につながるとされています。この「尿酸が作られすぎる・排泄されにくい」という体質のどちらに近いかによって、長期管理で使う痛風の治療薬の選び方も変わってきます(詳しくは後述する病型分類の章を参照してください)。
発作を鎮める薬(NSAIDs・コルヒチン・ステロイド)は、すでに関節内にできてしまった尿酸塩結晶による急性炎症を、抗炎症作用でその場しのぎ的に抑えるものです。ガイドラインの解説論文によれば、一方、尿酸を下げる薬(尿酸生成抑制薬・尿酸排泄促進薬)は、体内の尿酸そのものを長期的に減らし、将来の発作や痛風結節・腎障害などの合併症を防ぐことを目的とした薬です[8]。ガイドラインの解説論文によれば、尿酸生成抑制薬は、プリン体から尿酸を作る過程の最終段階を担う酵素(キサンチンオキシダーゼ)の働きを弱めることで、尿酸そのものが作られる量を減らします[8]。ガイドラインの解説論文によれば、これに対して尿酸排泄促進薬は、腎臓の尿細管で一度ろ過された尿酸が再び血液中に吸収されてしまう働きを弱めることで、尿への尿酸の排泄量を増やします[8]。同じ「尿酸を下げる」という結果でも、体の中で起きていることはまったく違う仕組みだと理解しておくと、なぜ副作用の出方や注意点が薬ごとに異なるのかが分かりやすくなります。
急性期の対処については、当サイトの急性痛風発作の対処法で詳しく解説しているので、まずは発作そのものへの対応を知りたい方はそちらも参考にしてください。この記事では、発作を鎮める薬から尿酸を下げる薬まで、痛風の治療薬全体を作用の仕組みごとに整理します。
上の図のように、痛風の治療薬は「発作時の薬」「尿酸生成抑制薬」「尿酸排泄促進薬」の3レーンに分けて考えると整理しやすくなります。次の章から、それぞれのグループに含まれる薬と、押さえておくべき注意点を順に見ていきます。
そもそも痛風の治療薬はいつから始まるのか — 高尿酸血症の診断ラインと薬物治療の目安
高尿酸血症は、血清尿酸値が7.0mg/dLを超える場合と定義されるとされています[9]。ガイドラインの解説論文によれば、これは、37℃における尿酸塩の血中溶解度が7.0mg/dLであることに基づく数値だと説明されています[8]。尿酸塩が沈着すると、痛風関節炎(発作)や痛風結節、痛風腎、尿路結石といった合併症につながる可能性がある一方、尿酸塩が沈着しない形でも高血圧、肥満、脂質異常症、耐糖能異常、メタボリックシンドロームなどとの関連が報告されています[8]。
薬物治療を始めるかどうかの目安として、ガイドラインの解説論文では次のような治療方針の考え方が紹介されています[8]。ガイドラインの解説論文によれば、すでに痛風関節炎や痛風結節を起こしたことがある場合は、血清尿酸値の高さにかかわらず尿酸降下薬による薬物治療が検討されるとされています[8]。ガイドラインの解説論文によれば、一方、まだ関節炎や結節を起こしていない「無症候性高尿酸血症」では、血清尿酸値が8.0mg/dL未満であれば生活指導のみで経過を観察し、8.0mg/dL以上で腎障害・尿路結石・肥満・高血圧症・高脂血症・虚血性疾患・耐糖能異常などの合併症があれば薬物治療を考慮、9.0mg/dL以上であれば合併症の有無にかかわらず薬物治療を考慮するという考え方が示されています[9]。ガイドラインの解説論文によれば、ただし無症候性高尿酸血症における血清尿酸値はあくまで目安のひとつであり、痛風発作の回数や生活習慣改善への意欲なども考慮したうえで、尿酸降下薬を使うかどうかを医師が総合的に判断するとされています[8]。ガイドラインの解説論文によれば、たとえば、痛風発作を1回しか起こしておらず血清尿酸値も7.0mg/dL台にとどまる場合は、生活指導のみにとどめることもあるとされる一方、すでに痛風結節が生じている場合には尿酸降下薬が必要になるとされています[8]。この「薬を始めるかどうか」の判断そのものが医師の専門的な評価を要する部分であり、市販薬や自己判断で開始する性質の治療ではないことがよく分かります。
発作時に使う痛風の治療薬 — NSAIDs・コルヒチン・ステロイドの使い分け
痛風発作(急性痛風関節炎)が起きているときに使われる薬は、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、コルヒチン、副腎皮質ステロイドの3系統です。通常はNSAIDsが第一選択とされ、NSAIDsが使えない場合やコルヒチン・ステロイドが検討されるという報告があります[8]。
| 薬の種類 | 代表的な使い方 | 特に注意すべき点 |
|---|---|---|
| NSAIDs | 発作後1〜3日以内に比較的大量から開始し、疼痛軽減とともに減量・中止する「パルス療法」が知られている[8] | 高齢者、腎・肝・心不全合併例、消化性潰瘍の既往、抗凝固療法中の患者では注意が必要[8] |
| コルヒチン | 発作の前兆期に1錠(0.5mg)のみ服用し、発作そのものを頓挫させる使い方がガイドラインで勧められている[8] | 1日量1.5mgを超える高用量投与や腎機能障害患者で重篤な中毒症状(胃腸障害・血液障害・腎障害・肝障害等)が生じ、死亡に至った例が報告されている[7] |
| 副腎皮質ステロイド | NSAIDsが無効・禁忌の場合や多発関節炎例に用いられる。経口ではプレドニゾロン15〜30mg/日を投与し、1週間以上かけて漸減する例が示されている[8] | 関節内投与は感染性関節炎が疑われる場合には行ってはならないとされている[8] |
出典:谷口敦夫「ガイドラインに基づく高尿酸血症・痛風の治療」日本薬理学雑誌(2010年)[8]/コルヒチン添付文書[7]
発作時の薬を選ぶうえで、医師は患者の持病や併用薬も考慮するとされています。ガイドラインの解説論文によれば、たとえば高齢者、炎症性腸疾患や腎・肝・心不全を合併している患者、消化性潰瘍の既往がある患者、抗凝固療法中の患者ではNSAIDsの使用に注意が必要とされています[8]。ガイドラインの解説論文によれば、こうした患者でNSAIDsが使いにくい場合や、多発関節炎を起こしている場合には、副腎皮質ステロイドが有効な選択肢のひとつとして紹介されています[8]。ガイドラインの解説論文によれば、関節内へのステロイド投与は、感染性関節炎が疑われる場合や、感染巣が近くにある場合には行ってはならないとされ[8]、単関節に限られる場合の局所投与か、多発関節罹患の場合の筋肉内投与かも、関節の状態によって使い分けられるとされています[8]。このように、同じ「発作を鎮める薬」でも、どれを選ぶかは痛みの強さだけでなく、患者がもつ他の病気や飲んでいる薬全体を踏まえて決まる、という点は覚えておいて損はありません。
コルヒチンについては、CYP3A4(肝代謝酵素)やP糖蛋白を強く阻害する薬との飲み合わせが特に危険とされています。PMDA添付文書は、肝臓または腎臓に障害のある患者がクラリスロマイシン含有製剤(クラリス・クラリシッド等)、イトラコナゾール、リトナビルを含有する製剤、ダルナビルを含有する製剤、コビシスタットを含有する製剤、アタザナビル、エンシトレルビル(ゾコーバ)などを服用中の場合を併用禁忌としています[7]。PMDA添付文書によれば、肝臓・腎臓に障害がない患者でも、これらの薬やジルチアゼム・ベラパミル・エリスロマイシン・フルコナゾール・グレープフルーツジュースなどと一緒に使う場合は、コルヒチンの血中濃度が上がりやすくなるため減量や慎重な投与が必要とされています[7]。過量投与では、悪心・嘔吐、激しい下痢、血尿、乏尿、著しい筋脱力、さらには呼吸抑制による死亡に至った症例も報告されており[7]、コルヒチンは「昔からある薬だから安全」と思い込まず、決められた量を超えないことが重要とされています。
コルヒチンの使い方は、実は近年で大きく見直された経緯があるとされています。ガイドラインの解説論文によれば、かつては痛風発作に対してコルヒチン0.5mgを1時間ごとに内服し、関節症状が軽減するか、悪心・嘔吐・下痢といった消化管障害が出るか、あるいは総量10mgになるまで服用を続けるという方法が取られていたとされています[8]。ガイドラインの解説論文によれば、しかし、コルヒチンによる消化管障害は関節炎への効果よりも先に現れやすいことが分かってきており、近年は痛風発作に対するコルヒチン投与について副作用を危惧する意見が多いとされています[8]。こうした背景から、現在のガイドラインでは、痛風発作の前兆期に1錠(0.5mg)のみを用い、もっぱら発作そのものを頓挫させる目的で使うことが勧められているとされ[8]、以前のような「痛みが取れるまで1時間おきに繰り返し飲む」使い方は現在では推奨されていません。
尿酸生成抑制薬 — アロプリノール・フェブキソスタット・トピロキソスタットの痛風の治療薬
尿酸生成抑制薬は、体内でプリン体から尿酸を作る酵素(キサンチンオキシダーゼ)の働きを抑えることで、尿酸が作られる量そのものを減らす痛風の治療薬です。ガイドラインの解説論文によれば、代表的な薬にアロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタットがあります[8]。
| 薬の名前 | 特徴 | 腎機能低下時の注意 |
|---|---|---|
| アロプリノール | 尿路結石の既往がある患者では第一選択とされることが多い[8]。PMDA添付文書は、急性痛風発作がおさまるまで投与を開始しないよう定めている[1] | 腎機能障害患者では投与量の減量や投与間隔の延長を考慮するとされ、腎不全患者に副作用が出た場合は重篤な転帰(死亡例を含む)が報告されている[1] |
| フェブキソスタット | 体重に応じた低用量から開始し、2週間・6週間ごとに段階的に増量する用法が添付文書に定められている[2] | 投与中に痛風関節炎が起きた場合も、本剤の用量を変更せず投与を継続し、コルヒチン・NSAIDs・副腎皮質ステロイドなどを併用するとされている[2] |
| トピロキソスタット | 1回20mgを1日2回から開始し、2週間・6週間ごとに増量する用法が示されている[3] | 重度の腎機能障害患者(eGFR30mL/min/1.73m2未満)を対象とした臨床試験は実施されていないとされている[3] |
出典:アロプリノール添付文書[1]/フェブキソスタット添付文書[2]/トピロキソスタット添付文書[3]
アロプリノールとフェブキソスタット・トピロキソスタットでは、体からの消え方(代謝経路)にも違いがあるとされています。PMDA添付文書によれば、フェブキソスタットの添付文書によれば、主な代謝経路はグルクロン酸抱合反応であり、投与量に対する未変化体の尿中排泄率はわずか2〜4%程度にとどまるとされています[2]。PMDA添付文書によれば、トピロキソスタットについても、未変化体の尿中排泄率は投与量の0.1%未満で、主にグルクロン酸抱合体として排泄されるとされています[3]。PMDA添付文書によれば、これに対しアロプリノールは、本剤やその代謝物の排泄が主に腎臓を介して行われるため、腎機能が低下すると排泄が遅延し血中濃度が高い状態が続きやすいとされています[1]。この代謝経路の違いが、腎機能障害がある患者でどの尿酸生成抑制薬を選びやすいかという医師の判断材料のひとつになっていると考えられます。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、個々の患者でどの薬が適しているかは腎機能の程度や他の持病を踏まえて医師が判断します。
尿酸生成抑制薬に共通する重要な注意点があります。ガイドラインの解説論文によれば、尿酸降下薬による治療の初期には、血中尿酸値が急激に下がることで、かえって痛風発作が誘発されることがあるとされています[8]。そのため、未治療の患者に新しく尿酸降下薬を始める場合は、発作がおさまってから2週間程度あけて開始するという考え方がガイドラインの解説で示されています[8]。逆に、すでに尿酸降下薬を飲んでいる最中に発作が起きた場合は、薬の量を維持したまま抗炎症薬を併用するのが原則とされ[2]、自己判断で尿酸降下薬を急にやめたり増やしたりしないことが重要だとPMDA添付文書は繰り返し注意しています[2][3]。
特にアロプリノールは、腎機能が低下している人ほど薬や代謝物の排泄が遅れて血中濃度が高い状態が続きやすく、特に腎不全患者で重篤な副作用(皮膚症状や過敏症状を含む)が出た場合には死亡例も報告されているとPMDAの添付文書は記載しています[1]。PMDA添付文書によれば、このため腎機能が低下している患者では、医師が腎機能の程度に応じて投与量の減量や投与間隔の延長を検討することになっています[1]。PMDA添付文書によれば、高齢者についても、腎機能が低下していることが多いため、用量に留意した慎重な投与が求められるとされています[1]。
尿酸排泄促進薬 — ベンズブロマロン・プロベネシド・ドチヌラドの痛風の治療薬と劇症肝炎の警告
尿酸排泄促進薬は、腎臓の尿細管で尿酸が再吸収されるのを妨げることで、尿への尿酸の排泄を増やし、血液中の尿酸値を下げる痛風の治療薬です。ガイドラインの解説論文によれば、代表的な薬にベンズブロマロン、プロベネシド、ドチヌラドがあります[8]。
| 薬の名前 | 特徴 | 特有の注意 |
|---|---|---|
| ベンズブロマロン | 尿酸低下作用が強く、投与初期に痛風発作を誘発することがあるとされている[4] | 投与開始後主に6か月以内に劇症肝炎等の重篤な肝障害が発現し、死亡に至った例が報告されている(警告欄に明記)[4] |
| プロベネシド | もともと痛風のほか、ペニシリン等の血中濃度を維持する目的でも使われる薬とされている[5] | 急性痛風発作がおさまるまで投与を開始しないこと、投与初期に発作が一時的に強まることがあるとされている[5] |
| ドチヌラド | 比較的新しい尿酸排泄促進薬で、低用量から段階的に増量する用法が定められている[6] | 重度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)では有効性が期待できないため投与を避けるとされている[6] |
出典:ベンズブロマロン添付文書[4]/プロベネシド添付文書[5]/ドチヌラド添付文書[6]
PMDA添付文書によれば、
尿酸排泄促進薬に共通する注意点として、尿が酸性の場合には尿酸結石ができやすくなり、これに由来する血尿や腎仙痛などの症状を起こしやすいとされています[4]。ガイドラインの解説論文によれば、これを防ぐため、水分を多く摂って尿量を増やしたり、尿をアルカリ化する薬を併用したりすることがあるとされています[8]。また、他の尿酸排泄促進薬でも重篤な肝障害が報告されていることから、ドチヌラドの投与中は定期的な肝機能検査など患者の状態の観察が必要だとPMDA添付文書は記載しています[6]。ドチヌラドのPMDA添付文書は「本剤の薬理作用により特に投与初期に尿酸排泄量が増大することから、尿が酸性の場合には、患者に尿路結石及びこれに由来する血尿、腎仙痛等の症状を起こす可能性があるので、これを防止するため、水分の摂取による尿量の増加及び尿のアルカリ化をはかること」と具体的に記載しています[6]。水分摂取の量やアルカリ化薬を使うかどうかも、自己判断ではなく医師の指示に従ってください。
ベンズブロマロンの劇症肝炎に関する警告 — このサインが出たらすぐに受診
PMDAの添付文書は、ベンズブロマロンについて「劇症肝炎等の重篤な肝障害が主に投与開始6か月以内に発現し、死亡等の重篤な転帰に至る例も報告されているので、投与開始後少なくとも6か月間は必ず、定期的に肝機能検査を行うこと」という警告を最上位の項目に置いています[4]。PMDA添付文書によれば、続けて「副作用として肝障害が発生する場合があることをあらかじめ患者に説明するとともに、食欲不振、悪心・嘔吐、全身倦怠感、腹痛、下痢、発熱、尿濃染、眼球結膜黄染等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに受診するよう患者に注意を行うこと」とも記載されています[4]。PMDA添付文書によれば、次のような症状が出たら、自己判断で様子を見ず、服用を中止してただちに受診するよう患者に注意することが添付文書に明記されています[4]。
尿酸生成抑制薬と他の薬の飲み合わせ — 免疫抑制薬・喘息薬・血液サラサラの薬との関係
尿酸生成抑制薬(アロプリノール・フェブキソスタット・トピロキソスタット)はいずれもキサンチンオキシダーゼという酵素を阻害する薬ですが、この酵素は尿酸を作るだけでなく、一部の免疫抑制薬や気管支拡張薬の分解にも関わっているため、飲み合わせに注意が必要な薬がいくつか知られています。
アザチオプリンやメルカプトプリン水和物(主に臓器移植後や自己免疫疾患で使われる免疫抑制薬)は、キサンチンオキシダーゼによって代謝されるため、アロプリノールとの併用で骨髄抑制等の副作用が増強することが知られており、フェブキソスタットやトピロキソスタットも同様の酵素阻害作用を持つことから同様の可能性があるとそれぞれのPMDA添付文書は注意しています[2][3]。PMDA添付文書によれば、同様に、抗ウイルス薬のビダラビンや、抗HIV薬のジダノシンも、キサンチンオキシダーゼによる代謝を受けるため、血中濃度が上昇し副作用が強まる可能性があるとされています[2][3]。気管支拡張薬として使われるテオフィリンについても、トピロキソスタットとの併用でキサンチンオキシダーゼ阻害により血中濃度が上昇する可能性があるとトピロキソスタットのPMDA添付文書は記載しています[3]。PMDA添付文書によれば、さらにトピロキソスタットは、肝代謝酵素の阻害作用によって血液をサラサラにする薬であるワルファリンの作用を増強させる可能性があるともされています[3]。免疫抑制薬・抗ウイルス薬・ワルファリンなどを服用している方は、痛風の治療薬を新しく始める際に必ずすべての服用中の薬を医師・薬剤師に伝えるようにしてください。
コルヒチン中毒に関する警告 — このサインが出たらすぐに受診
コルヒチンのPMDA添付文書は、1日量1.5mgを超える高用量を投与した患者や、重度腎機能障害患者において、重篤な中毒症状(胃腸障害・血液障害・腎障害・肝障害等)を発現し、死亡に至った症例が報告されているとしています[7]。PMDA添付文書によれば、承認された用量を超えて投与しないこと、また大量使用や誤用により服用後数時間以内に急性中毒症状が現れることがあるともされています[7]。PMDA添付文書によれば、次のような症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者に指導することが添付文書に明記されています[7]。
なお、コルヒチンは強制利尿や血液透析では除去されないとされており[7]、過量投与が疑われる場合は自宅で様子を見ず、できるだけ早く医療機関にかかることが重要です。
病型(尿酸排泄低下型・尿酸産生過剰型・混合型)に応じた痛風の治療薬の選び方
医師が尿酸生成抑制薬と尿酸排泄促進薬のどちらを選ぶかは、患者の高尿酸血症がどのタイプに当てはまるかによって変わるという考え方がガイドラインの解説論文で紹介されています[8]。高尿酸血症は大きく「尿酸排泄低下型」「尿酸産生過剰型」「混合型」に分類され、この病型分類の具体的な方法はガイドラインに示されているとされています[8]。
尿酸排泄低下型高尿酸血症には、原則として尿酸排泄促進薬を用いるという考え方が示されています[8]。ガイドラインの解説論文によれば、一方、尿酸産生過剰型高尿酸血症には尿酸生成抑制薬を使用するとされています[8]。この使い分けが逆になると、次のような不都合が起きる可能性が報告されています。
- 尿酸排泄低下型の患者にアロプリノールを用いると、活性代謝物であるオキシプリノールの腎排泄が低下しやすく、肝障害の頻度が高くなると報告されている[8]
- 尿酸産生過剰型の患者に尿酸排泄促進薬を投与すると、尿中への尿酸排泄量がさらに増加し、高尿酸尿症(尿酸結石のリスク)につながりやすいため、このような使い方は避けたほうがよいとされている[8]
また、すでに尿路結石を合併している患者(既往歴を含む)では、尿酸排泄促進薬によって尿酸結石のリスクがさらに高まる可能性があるため、アロプリノールが第一選択とされることが多いという考え方も紹介されています[8]。ガイドラインの解説論文によれば、腎障害を合併している例では尿酸排泄促進薬そのものの有効性が下がるため、この場合もアロプリノールが第一選択となりやすいとされています[8]。つまり、痛風の治療薬選びは「発作を何度も繰り返しているから強い薬を」という単純な発想ではなく、尿酸がどのように体にたまっているかという病型と、腎臓・肝臓・尿路結石の有無を踏まえた総合判断だということが分かります。
出典:谷口敦夫「ガイドラインに基づく高尿酸血症・痛風の治療」日本薬理学雑誌(2010年)の表3をもとに作成[8]。フェブキソスタット・トピロキソスタット・ドチヌラドは同論文発表後に承認された薬のため、用法・用量は各添付文書を参照してください[2][3][6]。
発作中に痛風の治療薬を自己判断で変えてはいけない理由
今回参照したすべての尿酸降下薬(アロプリノール・フェブキソスタット・トピロキソスタット・ドチヌラド・プロベネシド)の添付文書に共通して書かれている、極めて重要な原則があります。PMDA添付文書によれば、それは「発作が起きている最中に尿酸降下薬を新しく始めない」「すでに飲んでいる薬の量を発作の有無で勝手に変えない」という2点です[1][2]。アロプリノールのPMDA添付文書は、この点についてシンプルに「急性痛風発作がおさまるまで、本剤の投与を開始しないこと」と定めており[1]、さらに「本剤投与中に痛風が増悪した場合にはコルヒチン、インドメタシン等を併用すること」とも記載しています[1]。PMDA添付文書によれば、プロベネシドの添付文書にもほぼ同じ趣旨で「急性痛風発作がおさまるまで、本剤の投与を開始しないこと」「投与初期に尿酸の移動により痛風発作の一時的な増強をみることがある」「本剤投与中に痛風が増悪した場合には、コルヒチン、インドメタシン等を併用すること」と記載されています[5]。
フェブキソスタットのPMDA添付文書は「本剤投与前に痛風関節炎(痛風発作)が認められた場合は、症状がおさまるまで、本剤の投与を開始しないこと。PMDA添付文書によれば、また、本剤投与中に痛風関節炎(痛風発作)が発現した場合には、本剤の用量を変更することなく投与を継続し、症状によりコルヒチン、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド等を併用すること」と定めています[2]。PMDA添付文書によれば、トピロキソスタット、ドチヌラドの添付文書にもほぼ同じ趣旨の記載があります[3][6]。
なぜこのルールが重要なのでしょうか。ガイドラインの解説論文によれば、尿酸降下薬によって血中の尿酸値が急激に下がると、関節内にすでにできている尿酸塩結晶が剥がれ落ちやすくなり、かえって関節炎が悪化したり長引いたりすると考えられているためです[8]。この仕組みのために、未治療の患者が新しく尿酸降下薬を始めるときも、発作が消えてから2週間程度あけて開始するという考え方が、ガイドラインの解説論文で紹介されています[8]。PMDA添付文書によれば、逆に言えば、「発作が痛いから、いま飲んでいる尿酸を下げる薬をやめよう」「効きが悪い気がするから量を増やそう」という自己判断は、添付文書が明確に否定している行動だということになります[2]。薬の量を変えるかどうかの判断は、必ず処方した医師に相談してください。
受診の目安 — 腎機能・肝機能に不安がある人が特に注意すべきこと
痛風の治療薬は種類によって、腎臓や肝臓の状態次第で選び方・使い方が変わることが添付文書やガイドラインの解説で示されています[8]。ここでは腎機能と肝機能に分けて整理します。
腎機能が低下している場合:アロプリノールは、腎機能障害患者で投与量の減量や投与間隔の延長を考慮するとされています[1]。PMDA添付文書によれば、ドチヌラドとトピロキソスタットは、重度の腎機能障害患者(eGFRがおおむね30mL/min/1.73m2未満)を対象とした臨床試験が実施されていないため、有効性・安全性について十分なデータがないとされ、ドチヌラドについては乏尿・無尿の患者では有効性が期待できないため投与を避けるとされています[6]。PMDA添付文書によれば、コルヒチンについては、CYP3A4を強く阻害する薬やP糖蛋白を阻害する薬を服用中の腎機能障害患者には投与しないこととされ、それ以外の重度腎機能障害患者でも、臨床上やむを得ない場合を除き投与を避け、投与する場合はごく少量から開始し必要最小限の投与期間にとどめるよう注意することとされています[7]。重度腎機能障害患者では重篤な中毒症状を発現し死亡に至った症例も報告されているため、腎機能に不安がある方がコルヒチンを処方される際は、腎機能の程度を必ず医師に把握してもらう必要があります[7]。ガイドラインの解説論文によれば、腎障害を合併している患者では、尿酸排泄促進薬そのものの有効性が下がるため、尿酸生成抑制薬(アロプリノール等)が選ばれやすいという考え方も紹介されています[8]。
肝機能に不安がある場合:ベンズブロマロンは、投与開始前に肝機能検査を行い肝障害がないことを確認したうえで開始し、投与開始後少なくとも6か月間は必ず定期的な肝機能検査を行うことが添付文書で求められています[4]。PMDA添付文書によれば、アロプリノールについても、肝疾患を有する患者やその既往歴のある患者では定期的な肝機能検査を実施することとされています[1]。PMDA添付文書によれば、コルヒチンは主に肝代謝酵素CYP3A4によって代謝されるため、肝臓に障害のある患者がCYP3A4を強く阻害する薬(クラリスロマイシン含有製剤等)を服用している場合は併用禁忌とされています[7]。
高齢の方の場合:アロプリノールのPMDA添付文書は、高齢者では腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがあるため、用量に留意した慎重な投与が求められるとしています[1]。PMDA添付文書によれば、これは、本剤の主な代謝物が主として腎臓から排泄される薬であるため、年齢そのものよりも「腎機能がどの程度保たれているか」が重要になるという考え方に基づいています[1]。
妊娠中・授乳中の場合:アロプリノールのPMDA添付文書は、妊婦または妊娠している可能性のある女性については、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与するとしています[1]。PMDA添付文書によれば、授乳中についても、治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討することとされています[1]。妊娠・授乳中に痛風の治療薬が必要になった場合は、自己判断で中断・継続を決めず、産婦人科医とも連携している主治医に必ず相談してください。
いずれの場合も、血液検査の数値をどう判断し、どの薬をどれだけ使うかは、腎機能・肝機能の数値だけでなく年齢や併用薬、妊娠・授乳の有無など個々の事情によって変わるため、この記事の内容だけで自己判断せず、必ず主治医に確認してください。
治療目標値とガイドライン — 血清尿酸値6.0mg/dL以下を目指す理由
日本痛風・核酸代謝学会(現:日本痛風・尿酸核酸学会)は「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」を作成しており、2002年の第1版、2010年の第2版に続き、2018年に第3版が、2022年にその追補版が発刊されています[9]。ガイドラインは医学の進歩に応じて版を重ねて見直されており、痛風結節を有する患者に対して薬物治療により血清尿酸値を6.0mg/dL以下にすることを推奨する記載も、こうした改訂の中で積み重ねられてきたエビデンスに基づいています[9]。
ガイドラインの解説論文では、痛風における血清尿酸値のコントロール目標値は6.0mg/dL以下が妥当と考えられるとまとめられています[9]。これは、ある後ろ向き研究で、観察期間中の平均血清尿酸値が7.01mg/dLだった群では痛風発作が起きた一方、6.36mg/dLだった群では発作が起きなかったという報告や[8]、血清尿酸値を1年以上6.0mg/dL以下にコントロールできた群では、コントロール不良の群に比べて非発作時の関節内に尿酸塩結晶が見られる割合が低かったという報告など[8]、複数の研究結果を踏まえたものとされています。
尿酸降下薬をどのくらいの期間続けるべきかについては、明確なエビデンスは示されていないとされていますが[8]、生活習慣を改善しても尿酸値が上がりやすい体質が続く場合は、尿酸値が正常化した後もすぐに中止すべきではなく、長期にわたる投与が必要になることが多いという考え方が紹介されています[8]。ガイドラインの解説論文によれば、治療をいつまで続けるか、目標値をどこに置くかは、痛風結節の有無や合併症、生活習慣改善の進み具合などを踏まえて医師が個別に判断する事柄です[8]。
痛風の治療薬 早見表 — 9つの薬を1枚で振り返る
ここまで見てきた9つの痛風の治療薬を、グループごとに1行でまとめます。診察の前に頭を整理する目的で使ってください。実際にどの薬を使うかは、病型・腎機能・肝機能・尿路結石の有無などを踏まえて医師が決めます。
| グループ | 薬の名前 | 1行でいうと |
|---|---|---|
| 発作時の薬 | NSAIDs | 発作直後に短期間・比較的大量から使い、痛みが引いたら中止する第一選択薬[8] |
| コルヒチン | 前兆期に1錠のみで発作を頓挫させる使い方が勧められ、高用量や腎障害では中毒に注意[7] | |
| 副腎皮質ステロイド | NSAIDsが使えない・多発関節炎のときの選択肢[8] | |
| 尿酸生成抑制薬 | アロプリノール | 尿路結石合併例で選ばれやすいが腎機能低下で減量が必要[1] |
| フェブキソスタット | 低用量から段階的に増量、主にグルクロン酸抱合で代謝[2] | |
| トピロキソスタット | 1日2回投与、テオフィリン・ワルファリンとの相互作用に注意[3] | |
| 尿酸排泄促進薬 | ベンズブロマロン | 尿酸低下作用は強いが劇症肝炎の警告があり6か月間の肝機能検査が必須[4] |
| プロベネシド | 痛風のほかペニシリン等の血中濃度維持にも使われる薬[5] | |
| ドチヌラド | 比較的新しい薬で、重度腎機能障害では効果が期待できず投与を避ける[6] |
出典:各薬剤の添付文書[1][2][3][4][5][6][7]/谷口敦夫(2010年)[8]をもとにJHO編集部がまとめ
なお、薬物治療はあくまで対応の一部です。肥満、高血圧、利尿薬の使用、アルコール飲料、肉類・魚介類の過剰摂取、砂糖入りソフトドリンクや果糖の過剰摂取は痛風発症のリスクを増加させる要因として報告されている一方、乳製品の摂取は痛風発作に抑制的に作用すると報告されています[8]。ガイドラインの解説論文によれば、生活指導は薬物治療を行っていても、高尿酸血症の基礎療法として重要だとされています[8]。生活習慣の見直し方については当サイトの痛風対策レシピ集も参考にしてください。同じ生活習慣の中でも、ビールやスピリッツなどのアルコール飲料、肉・魚介類、砂糖入りソフトドリンクは痛風発症リスクと血清尿酸値の両方を増加させる一方、乳製品やコーヒー、ビタミンCの摂取は痛風発症リスクと血清尿酸値をいずれも低下させると報告されています[8]。一方で、高プリン体含有野菜や高タンパク質食の摂取そのものは痛風発症に関与しないとも報告されており[8]、「プリン体を含む野菜や肉全般を極端に避ける」ことよりも、アルコールや加糖飲料の摂りすぎに注意するほうが理にかなっていると考えられます。
| 適用時期 | 年収の目安 | 計算式 | 100万円の場合 |
|---|---|---|---|
| ~2026年7月診療分 現行 | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 87,430円 |
| 2026年8月診療分から 見直し後(第1段階) | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 85,800円+1%(PDF原文の表記) | 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small> |
| + 年間上限 53万円(新設) | |||
※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は
厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF)
|JHO確認日:2026-07-16
診察前にこの内容をメモして持参すると、医師とのやり取りがスムーズになります。
- 今、痛風・高尿酸血症の薬を飲んでいるか(薬の名前・量・いつからか)。おくすり手帳があればそのまま持参する
- 直近の発作はいつ、どの関節に起きたか。ガイドラインの解説論文によれば、何回目の発作か(初めてか、繰り返しているか)
- 腎臓・肝臓の病気を指摘されたことがあるか、直近の血液検査の数値(血清尿酸値・eGFR・肝機能)がわかれば控えておく
- 他に飲んでいる薬(特に抗菌薬・抗真菌薬・免疫抑制薬・血圧の薬など)やサプリメント、市販の痛み止めの有無
- 妊娠中・授乳中、または妊娠の可能性があるか
- 体がだるい・食欲がない・尿の色が濃いなど、肝臓に関わる症状が最近出ていないか
- 「発作中に今の薬を続けていいか」「量を変えるべきか」を直接質問する
まとめ — 痛風の治療薬を理解するときに押さえておきたいこと
ここまで見てきたように、痛風の治療薬は「発作を鎮める薬」(NSAIDs・コルヒチン・ステロイド)と「尿酸値そのものを下げる薬」(尿酸生成抑制薬・尿酸排泄促進薬)に大きく分かれ、両者の役割は明確に違います[8]。PMDA添付文書によれば、とくに重要なのは、発作が起きている最中に尿酸降下薬を新しく始めたり、自己判断で量を変えたりしないという原則です[2]。PMDA添付文書によれば、この原則は、アロプリノール・フェブキソスタット・トピロキソスタット・ドチヌラド・プロベネシドの添付文書に共通して記載されています[1][2][3][5][6]。
また、腎機能が低下している人ではアロプリノールの減量が必要になることがあり[1]、肝機能に不安がある人、とくにベンズブロマロンを使う人は劇症肝炎の警告に沿った定期的な肝機能検査が欠かせません[4]。PMDA添付文書によれば、コルヒチンを使う人は、クラリスロマイシンなど一部の薬との併用禁忌や、決められた用量を超えないことの重要性を知っておく必要があります[7]。ガイドラインの解説論文によれば、血清尿酸値のコントロール目標は6.0mg/dL以下が目安とされていますが[9]、個々の目標値や薬の選び方は、病型(尿酸排泄低下型・尿酸産生過剰型・混合型)、腎機能・肝機能、尿路結石の有無、併用薬など多くの要素を踏まえて医師が決めるものです[8]。この記事で紹介した内容は、あくまで診察の際に医師と話すための予備知識としてご活用ください。
個々の薬の費用や適用される保険区分の詳細、また海外のガイドラインとの目標値の細かな違いについては、今回参照した資料には記載が見当たりませんでした。処方薬の価格や自己負担額は薬局・医療機関に確認してください。
よくある質問
発作が痛いので、尿酸を下げる薬を自分の判断で増やしてもいいですか?
尿酸生成抑制薬と尿酸排泄促進薬はどちらが優れていますか?
ベンズブロマロンを飲んでいて体がだるい・食欲がないときはどうすればいいですか?
コルヒチンとクラリスロマイシン(抗菌薬)を一緒に飲んでも大丈夫ですか?
血清尿酸値はどこまで下げればいいですか?
ドチヌラドを飲んでいますが、痛み止めに市販の頭痛薬(アスピリン等)を使ってもいいですか?
プロベネシドは痛風以外にも使われると聞きました。PMDA添付文書によれば、どういうことですか?
参考文献
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)承認 添付文書「アロプリノール錠50mg・100mg「アメル」」(JAPIC医療用医薬品集PINS収載) https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00072103.pdf
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)承認 添付文書「フェブリク錠10mg 他(フェブキソスタット)」(JAPIC医療用医薬品集PINS収載) https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00059341.pdf
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)承認 添付文書「ウリアデック錠20mg 他(トピロキソスタット)」(JAPIC医療用医薬品集PINS収載) https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00061804.pdf
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)承認 添付文書「ユリノーム錠50mg 他(ベンズブロマロン)」(JAPIC医療用医薬品集PINS収載) https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00050635.pdf
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)承認 添付文書「ベネシッド錠250mg(プロベネシド)」(JAPIC医療用医薬品集PINS収載) https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00054020.pdf
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)承認 添付文書「ユリス錠0.5mg 他(ドチヌラド)」(JAPIC医療用医薬品集PINS収載) https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00068466.pdf
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)承認 添付文書「コルヒチン錠0.5mg「タカタ」」(JAPIC医療用医薬品集PINS収載) https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00058355.pdf
- 谷口敦夫「ガイドラインに基づく高尿酸血症・痛風の治療」日本薬理学雑誌 2010年;136巻6号:330-334 https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/136/6/136_6_330/_pdf
- 久留一郎「高尿酸血症と低尿酸血症をめぐる話題:二つのガイドラインから考える」日本内科学会雑誌 2023年;112巻3号:472(2022年度日本内科学会生涯教育講演会)文献5・6に「日本痛風・核酸代謝学会 ガイドライン改定委員会(編):高尿酸血症と痛風の治療ガイドライン(第3版).診断と治療社,2018」「(同第3版2022年追補版).診断と治療社,2022」と記載 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/112/3/112_472/_pdf
更新日:2026年7月21日。この記事は医師による診断・処方の代わりになるものではありません。掲載している添付文書・ガイドラインの内容は改定される可能性があるため、実際の治療方針は必ず処方医・薬剤師にご確認ください。内容に誤りや古い情報があれば、下記フォームからお知らせください。
あわせて読みたい:痛風・高尿酸血症の基礎知識まとめ、痛風治療の最新ガイド(発作時の対処から再発予防まで)、痛風完全ガイド、痛風のすべて(原因・危険サイン・予防)
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本記事はAI技術を活用し、厚生労働省・WHO等の公的医療機関の情報に基づいて作成されています。医療専門家による個別の監修は受けておりません。健康上の判断や治療については、必ず医師にご相談ください。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。
