混合肌(オイリー肌寄り)の完全ガイド:正しいスキンケアと生活習慣のすべて
皮膚科疾患

混合肌(オイリー肌寄り)の完全ガイド:正しいスキンケアと生活習慣のすべて

多くの日本人にとって、混合肌、特にオイリー肌寄りの肌質は、身近でありながら非常に複雑な悩みです。「Tゾーン(額、鼻)はテカるのに、Uゾーン(頬、あご)は乾燥してつっぱる」という経験は、スキンケア製品選びにおける混乱と失敗につながりがちです1。脂性肌向けの製品は頬を乾燥させ、乾燥肌向けの保湿製品はTゾーンの毛穴詰まりやニキkiビの原因となり得ます2。特に、若い頃に脂性肌だった方は、今も同じ肌質だと誤解しがちですが、実際にはより複雑な状態に直面していることが多いのです3。日本の洗練された化粧品市場においてさえ、この肌タイプが広く存在するという事実は、標準的な「脂性肌用」や「乾燥肌用」といった製品カテゴリーが、多くの消費者のニーズを満たせていないことを示唆しています。問題の本質は、単に2つの異なる肌質が共存していることではなく、相反する2つの症状を通じて現れる、肌の系統的な機能不全にあります。本稿では、この表面的な定義を超え、混合肌のあらゆる問題の根源である「インナードライ」という現象に焦点を当て、その科学的本質を深く掘り下げていきます。本稿は単なるスキンケアガイドではありません。皮膚科学、臨床研究、そして日本の特有なライフスタイルへの深い理解に基づき構築された、包括的な分析・行動計画書です。私たちの目標は、皆様が単に症状に「対処する」だけでなく、自らの肌を根本から理解し、再バランスを整え、長期的で安定した健やかな肌へと導くための、科学的根拠に基づいた明確な道筋を提供することです。


この記事の科学的根拠

この記事は、入力された研究報告書で明示的に引用された最高品質の医学的証拠にのみ基づいています。以下は、参照された実際の情報源と、提示された医学的ガイダンスとの直接的な関連性を含むリストです。

  • 複数の皮膚科医および美容専門家サイト: 本記事における混合肌の基本的な定義、スキンケアの原則(例:時間差洗顔、部位ごとケア)、そして日常生活での注意点に関する指針は、複数の専門サイトで述べられている共通の見解に基づいています1234
  • 学術論文 (PubMed, PMC): 肌のバリア機能障害、特にセラミドの役割5、ニキビにおけるリノール酸欠乏の重要性67、そして皮脂と免疫系の関連性8に関する記述は、これらの国際的な学術データベースに掲載された研究に基づいています。
  • 日本の公的機関・学会: アトピー性皮膚炎の病態9やニキビ治療に関するガイドライン10など、日本の皮膚科学会や厚生労働省が公表する指針は、肌の炎症やバリア機能に関する記述の科学的基盤となっています。
  • 資生堂の研究開発報告: 有効成分「セブラエン」が肌荒れの根本原因であるタンパク質UPAの連鎖反応を阻害するメカニズムに関する記述は、同社の公式な研究開発報告に基づいています11

要点まとめ

  • 混合肌の根本原因は、肌の水分不足(インナードライ)と、それを補うための皮脂の過剰分泌にあります。これは肌の「バリア機能」の低下が引き金です。
  • 正しいスキンケアは「油分と戦う」のではなく「バリア機能を育む」ことに重点を置きます。洗浄力の強すぎる洗顔料を避け、保湿を徹底することが最も重要です。
  • TゾーンとUゾーンで異なるケア(部位ごとケア)や、洗顔時に時間差を設ける(時間差洗顔)などのテクニックが有効です。
  • セラミド、ナイアシンアミド、ビタミンC誘導体などの成分は、バリア機能の修復と皮脂コントロールに科学的根拠があり、製品選びの重要な指標となります。
  • 食生活(和食の活用)や入浴習慣、睡眠、ストレス管理といったインナーケアも、肌のバランスを整える上で不可欠です。

第1部:分析編 – あなたの肌を深く理解する

インナードライの科学:不均衡の根本原因

オイリー肌寄りの混合肌を真にコントロールするためには、症状の背後にある科学的メカニズムを理解することが不可欠です。「インナードライ」という概念は単なるマーケティング用語ではありません。それは、油分と乾燥の悪循環を引き起こす特定の病態生理学的な状態、すなわち根本原因を説明するものです。

崩壊したバリア機能:すべての問題の始点

肌の最も外側にある角層は、重要な保護バリアとして機能します。このバリアは角層細胞と、主成分であるセラミドを含む細胞間脂質のマトリックスで構成されています5。健康なバリア機能は、経皮水分蒸散(TEWL)を防ぎ、紫外線、汚染、細菌といった外部の有害因子から肌を守るという2つの主要な役割を担っています5。このバリアが、洗顔時の過度な摩擦、紫外線の影響、ストレス、急激な環境変化などの要因によって損なわれると、肌の保湿能力は著しく低下します2。肌の深層部からの水分が制御不能に蒸発し、内側からの水分不足状態に陥ります。これこそが「インナードライ」の本質です。表面は脂っぽく見えても、その下では深刻な水分不足が起きているのです1。この状態は、バリア機能が損なわれ、肌が乾燥し刺激物に敏感になる典型的な疾患であるアトピー性皮膚炎のメカニズムと類似しています9

リノール酸との関連性:失われた環

混合肌を解明する上で最も重要な科学的発見の一つが、皮脂成分の役割です。皮脂は単なる「油」ではなく、様々な脂質の複雑な混合物です。科学的研究により、ニキビができやすくバランスを崩した肌では、皮脂の組成に著しい変化があることが示されています。具体的には、必須脂肪酸であるリノール酸の欠乏です6

この欠乏は、以下のような悪循環を生み出します。

  • バリア機能の低下: リノール酸は、肌のバリア機能の完全性を維持する上で中心的な役割を果たすセラミド-1を合成するための必須成分です7。リノール酸が不足するとセラミドの合成が妨げられ、バリア機能に「穴」が開き、TEWLが増加して内側からの「乾燥」感やつっぱり感を引き起こします7
  • 毛穴の角化異常: リノール酸の欠乏は、毛包内の裏打ち層の異常な角化も引き起こします。角質細胞が正常に剥がれ落ちずに互いに固着し、黒ずみや炎症性ニキビの前駆体であるマイクロコメド(微小面皰)を形成します6。これが、混合肌が毛穴の目立ちやニキビを伴いやすい理由です。
  • 代償的な皮脂分泌: バリア機能の損傷による乾燥を感知すると、肌は「救助信号」を送り、表面を潤滑にし保護しようとして皮脂の産生を増加させます3。しかし、この追加で分泌される皮脂もリノール酸が不足しており、代わりに刺激性が高くニキビを誘発しやすいオレイン酸などが豊富に含まれています8

リノール酸欠乏理論は、混合肌のすべての症状(乾燥と油性、ニキビのでやすさ、バリア機能の弱さ)に対して統一された説明を提供します。これにより、私たちの理解は「何が起きているか(症状)」から「なぜ起きているか(原因)」へと移行し、真に効果的な治療戦略の基盤となります。

客観的な定義:肌の年間リズムを理解する

主観的な感覚を超えて、科学は混合肌に対してより客観的な定義を提唱しています。ある重要な研究では、混合肌を「年間を通じて2つ以上の季節において、TゾーンとUゾーンの肌タイプに相同性がない状態」と定義しました12。これは、客観的に混合肌と分類されるためには、TゾーンとUゾーンの皮脂分泌レベルに明確な差が、複数の季節にわたって持続する必要があることを意味します。同研究は、皮脂分泌量が夏に最も多く、部位によって異なりTゾーンがより活発であることも確認しています12。季節を通じた肌の変化を観察することは、自身の状態をより正確に把握する助けとなります。

セルフチェック:あなたはオイリー肌寄り混合肌ですか?
項目 はい
Tゾーン(額、鼻)はテカるが、Uゾーン(頬、あご)は乾燥する。1
若い頃は脂性肌だった。3
毛穴が目立ち、ニキビができやすい。3
肌がごわごわして硬く感じることがある。3
Tゾーンのメイクが特に崩れやすい。3
さっぱりタイプのスキンケアだけだと、肌がつっぱる感じがする。2
しっとりタイプのスキンケアだけだと、ベタついたりニキビができたりする。2
肌の状態が季節や体調によって大きく変わる。2

このセルフチェックは、研究から得られた抽象的な定義を、共感しやすい体験的な質問に変換し、あなたが正しい情報を読んでいることを確認するのに役立ちます。

肌が揺らぐ原因:内的・外的要因の分析

混合肌の状態は、生まれつきの体質だけでなく、内的および外的要因によっても強く影響を受けます。これらの誘発因子を理解することは、特に日本の環境下で効果的な管理戦略を立てる上で重要なステップです。

  • 日本の環境:四季が明確な日本の気候は、肌のバランスにとって絶え間ない挑戦です。夏の高温多湿は皮脂分泌を増加させ12、冬の低温低湿は深刻な乾燥を引き起こし、既に脆弱なバリア機能をさらに弱めます13。季節の変わり目や、昼夜、屋内外の急激な温度・湿度の変化(寒暖差)も、肌にとって直接的なストレス要因となります14。また、一年中使われるエアコンや暖房は、人工的に乾燥した環境を作り出し、「インナードライ」を悪化させる一因です2
  • ライフスタイル要因:ストレスや睡眠不足は交感神経を刺激し、皮脂の産生を増加させることが研究で示されています2。これは精神状態と肌の脂っぽさの直接的な生物学的関連性を示します。また、精製された炭水化物や乳製品など、血糖指数(グリセミックインデックス)の高い食品の過剰摂取も皮脂分泌を促進する可能性があります2
  • 誤ったスキンケア:良かれと思って行っている多くのスキンケア習慣が、かえって肌の状態を悪化させていることがあります。洗いすぎや洗浄力の強い洗顔料の使用は、過剰な皮脂だけでなく、バリア機能に必要な脂質まで取り除いてしまい、肌はそれを補うためにより多くの皮脂を分泌します2。また、ベタつきを恐れて保湿を怠ると、肌は水分を失い、さらに多くの皮脂を分泌するという悪循環に陥ります3。あぶらとり紙の乱用も、皮脂を取りすぎることで、肌にさらなる皮脂産生の信号を送ってしまうことがあります15

第2部:行動計画編 – バランスへのホリスティックな道筋

基本のスキンケア:専門家が教える完全ステップ

これは本稿の実践的な核心部分であり、第1部で確立された科学的原則に基づき、各ステップの目的と正確なテクニックを解説する詳細なスキンケア手順を提供します。

ステップ1:洗顔 – 「落とす」と「守る」の技術

原則: 目的は、酸化した皮脂、汚れ、余分なメイクを、肌のバリア機能に不可欠な脂質を損なうことなく取り除くことです。

  • テクニック – 時間差洗顔: これは混合肌にとって重要なテクニックです。まず、泡立てた洗顔料を皮脂の多いTゾーンにのせ、優しくマッサージします。その後、洗い流す直前に、残りの泡を乾燥しやすいUゾーンにさっと広げます4。これにより、敏感で乾燥しやすい部分への洗浄剤の接触時間を最小限に抑えます。
  • 優しいタッチ: 洗顔料は常にしっかりと泡立て、手と肌の間にクッションを作ることで、直接的な摩擦を避けます4。お湯の温度は35~38℃程度のぬるま湯を使用してください。熱すぎるお湯は保護脂質を奪い、乾燥の原因となります16
  • 製品選び: アミノ酸系の優しい界面活性剤を使用した製品を探しましょう。pHの高い石鹸や、強力なスクラブ入りの製品は避けるべきです17

ステップ2:保湿(水分補給) – 「インナードライ」を潤す

原則: このステップは、「インナードライ」に対抗するため、水溶性の保湿成分(ヒューメクタント)を角層の奥深くまで届けることに焦点を当てます。

  • 製品: 日本の「化粧水」はこのステップに理想的です。ヒアルロン酸、グリセリン、アミノ酸、プロパンジオールなどの成分を探しましょう5
  • テクニック: 清潔な手で化粧水を優しくパッティングするか、軽く押し当てるようにしてなじませます。この方法はコットンを使うよりも肌への摩擦が少なくなります18。特に乾燥が気になるUゾーンや目元には「重ね付け」をして、保湿を強化しましょう3

ステップ3:美容液 – 悩みに集中アプローチ

原則: 美容液は、バリア機能の修復、皮脂コントロール、鎮静など、特定の悩みに対応するための高濃度の有効成分を届けます。

  • 主要成分:
    • バリア機能修復: ナイアシンアミド(バリア機能改善、皮脂コントロール)、セラミド(細胞間脂質の補充)4
    • 皮脂・毛穴ケア: ビタミンC誘導体(抗酸化、皮脂調整)、サリチル酸(穏やかな角質除去)19
    • 抗炎症・赤み軽減: グリチルリチン酸ジカリウム(抗炎症成分)、トラネキサム酸(美白・抗炎症)3
  • テクニック: 化粧水の後、乳液やクリームの前に塗布します。特に刺激のある部分では、強くこすらないように注意してください18

ステップ4:保護 – 乳液・クリームで潤いを閉じ込める

原則: これは、この肌タイプにとって最も重要でありながら、最も見過ごされがちなステップです。化粧水や美容液からの水分を「密封」し、バリア機能の修復に必要な脂質を供給するために、油性の膜(エモリエント/オクルーシブ)が必要です。

  • 製品選びとテクニック(部位ごとケア):顔全体には軽い乳液やジェルクリームを使い、その後、乾燥するUゾーンにのみ、より保湿力の高いクリームを重ね付けします3。このカスタマイズされたアプローチが、肌のバランスを整える鍵です。

ステップ5:紫外線対策 – 毎日の必須防御

原則: 紫外線はバリア機能の損傷と炎症の主要な原因の一つです16。一年中、毎日欠かさず日焼け止めを使用することは、交渉の余地がありません。

  • 製品選び: 「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示のある処方を探しましょう。重さやベタつきを感じさせない、軽いつけ心地で保湿力のある日焼け止めを選びます。UVカット効果のある化粧下地も良い選択肢です20

応用テクニックと製品選びの知恵

週1〜2回のスペシャルケア

  • シートマスク: 洗顔後、化粧水の代わり、あるいは追加として保湿シートマスクを使用し、集中的にたっぷりと水分を補給します20
  • 穏やかな角質ケア: Tゾーンの毛穴詰まりをコントロールするために、酵素洗顔パウダー(例:ObagiC, FANCL)やマイルドなクレイマスクを使用します。ただし、過剰な角質除去はバリア機能を損なうため、絶対に避ける必要があります21

日中の管理:メイクと化粧直し

あぶらとり紙の使用については議論がありますが、強くこすり取ることは推奨されません。代わりに、清潔で柔らかいティッシュペーパーを皮脂の多い部分に優しく押し当て、肌の保護膜を奪いすぎずに余分な皮脂を吸い取ります15。化粧直しは、ティッシュで皮脂を軽く押さえた後、保湿ミスト化粧水をスプレーし、すぐに軽くたたき込んでなじませます。重要なのは、ミストで補給した水分が蒸発する際に肌の水分まで奪うことを防ぐため、ごく少量の保湿下地やBBクリーム、スティック状美容液などをなじませてからパウダーを重ねることです515。Tゾーンには皮脂コントロール下地、Uゾーンには保湿下地と、2種類の下地を使い分けるのも効果的です20

日本の製品表示を解読する

  • 「医薬部外品」: これは厚生労働省の表示であり、製品が特定の状態(例:肌荒れ防止、ニキビ予防)を「予防」するために承認された有効成分を一定濃度含んでいることを示します22。これは研究開発への投資と規制当局による承認の証です。例えば、資生堂の特許取得成分「セブラエン」は、角層内のタンパク質UPAの活性化を阻害し、肌荒れを引き起こす連鎖反応を根源から断つことで作用する先進的な医薬部外品成分の一例です11
  • 「ノンコメドジェニックテスト済み」: この表示は、製品がコメド(ニキビの初期段階)を誘発しにくいことがテストで確認されていることを意味し、この肌タイプにとって価値のある指標です10

インナーケア:内側から育む美肌

スキンケアと全体的なライフスタイルを結びつけ、日本の食文化(和食)と入浴習慣という2つの柱に焦点を当てます。

「和食」の利点:皮膚科学的な食事法

伝統的な日本の食事は、単に「健康的」であるだけでなく、肌の健康に対する的を絞った介入となり得ます。飽和脂肪酸や高GI炭水化物が西洋食より少なく、炎症を引き起こす皮脂の産生をコントロールするのに役立ちます23。魚(鮭、サバ、アジなど)を多く摂取することで、抗炎症作用がありバリア機能をサポートするオメガ3脂肪酸(DHA、EPA)を補給できます24。味噌や納豆のような発酵食品は、皮膚の炎症軽減に関連する健康な腸内マイクロバイオームをサポートします25

日本の入浴儀式、再定義

湯船に浸かる文化の重要性を認識しつつも、リスクを強調する必要があります。42℃以上の熱いお湯や15分以上の長湯は、肌の天然保湿因子(NMF)やセラミドを奪い、乾燥を悪化させます16。入浴後の水分蒸発は「過乾燥」を引き起こし、入浴前よりも肌を乾燥させることがあります26。肌に優しい入浴法は、湯温を38〜40℃に保ち27、入浴時間を10〜15分に制限することです28。そして最も重要なのが入浴後のケアです。肌を優しく拭き、水分が蒸発する前の3〜10分以内に顔と全身に保湿剤を塗布して潤いを閉じ込めましょう28

第3部:専門家のツールキット編

混合肌のための成分事典

混合肌のバランスを整えるための主要成分を、科学的根拠と共に解説します。

成分名 主な働き 科学的ポイント
セラミド バリア機能修復 角層の細胞間脂質の主成分。不足は乾燥と刺激を引き起こす5
ナイアシンアミド バリア修復+皮脂コントロール セラミド合成を促進し、過剰な皮脂を抑制する多機能成分29
ヒアルロン酸 水分補給 自重の数百倍の水分を保持する能力があり、角層に潤いを与える5
ビタミンC誘導体 皮脂抑制、毛穴ケア、抗酸化 過剰な皮脂を抑制し、酸化を防ぎ、コラーゲン産生をサポートする19
グリチルリチン酸ジカリウム 抗炎症 甘草由来の成分。肌荒れやニキビによる炎症を鎮める効果で医薬部外品として認められている30
トラネキサム酸 抗炎症、美白 炎症を引き起こすサイトカインを抑制し、肌荒れを防ぐ。メラニン生成抑制効果も持つ31
セブラエン 肌荒れ根本予防 資生堂の特許取得成分。角層内のタンパク質UPAの活性化を抑制し、肌荒れの連鎖反応を根源から断つ11

製品選択例:プチプラからデパコスまで

免責事項:これは教育目的の例であり、個々の結果は異なる場合があります。ブランド名だけでなく、成分の原則に基づいて製品を選択することを推奨します。

ここで紹介するのは「ベスト」リストではなく、議論された原則を具体的に示すための例です。

  • 洗顔料: d program エッセンスイン クレンジングフォーム32, ファンケル ディープクリア洗顔パウダー32
  • 化粧水: イプサ ザ・タイムR アクア31, オルビス ブライト ローション31, 無印良品 化粧水 敏感肌用 高保湿タイプ31
  • 美容液: ラ ロッシュ ポゼ エファクラ ピールケア セラム33, メラノCC 薬用しみ 集中対策 プレミアム美容液19
  • 乳液/クリーム: d program バランスケア エマルジョン MB33, エリクシール ルフレ バランシング みずクリーム33, ミノン アミノモイスト モイストチャージ ミルク33
  • 日焼け止め: エリクシール ルフレ バランシング おしろいミルク34

混合肌のためのスキンケアプラン(モデル)

時間帯 ステップ 製品タイプ テクニックのポイント
Step 1: 洗顔 優しい泡洗顔料 ぬるま湯で、泡で優しく洗う。
Step 2: 保湿 保湿化粧水 手でパッティングして浸透させる。
Step 3: 集中ケア ビタミンC美容液など 顔全体に薄く塗布。
Step 4: 保護 軽い乳液 or ジェルクリーム Tゾーンは薄く、乾燥部位は重ね付け。
Step 5: UV対策 ノンコメドジェニックの日焼け止め/下地 十分な量を均一に塗布。
Step 1: ダブル洗顔 ジェル/オイルクレンジング + 泡洗顔料 時間差洗顔を意識する。
Step 2: 保湿 保湿化粧水 Uゾーンに重ね付け。
Step 3: 集中ケア バリア修復美容液(セラミド、ナイアシンアミド等) 優しく塗布。
Step 4: 保護 保湿乳液 or クリーム 部位ごとに量を調整。
週1-2回 スペシャルケア 保湿シートマスク、Tゾーンに酵素洗顔/クレイマスク 肌状態に合わせ、やりすぎない。

よくある質問

混合肌は保湿を省略しても良いですか?

いいえ、絶対に省略してはいけません。混合肌の根本原因は「インナードライ」、つまり肌内部の水分不足です。保湿を怠ると、肌は潤いを補おうとしてさらに多くの皮脂を分泌し、テカリと乾燥の悪循環を招きます。ベタつきが気になる場合でも、「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示された、油分の少ないジェル状の保湿剤などを選び、必ず使用してください。

あぶらとり紙は使ってもいいですか?

使用しても構いませんが、使い方に注意が必要です。あぶらとり紙で肌をゴシゴシこすると、必要な皮脂まで取りすぎてしまい、かえって皮脂の過剰分泌を招く可能性があります15。使用する際は、肌に優しく押し当てるようにして、余分な皮脂だけを吸い取るようにしてください。

混合肌に最適な角質ケアの頻度は?

週に1〜2回が目安です。特に皮脂分泌が多く毛穴が詰まりやすいTゾーンを中心に、酵素洗顔やクレイマスクなどの穏やかな方法で行うのがおすすめです21。肌のバリア機能を損なわないよう、ゴシゴシこするスクラブや、頻繁すぎるピーリングは避けましょう。肌の調子を見ながら、頻度を調整することが大切です。

「インナードライ」と「混合肌」は同じですか?

厳密には異なります。「インナードライ」は肌内部が乾燥しているという「原因」や「状態」を指します。一方、「混合肌」は、その結果としてTゾーンはテカり、Uゾーンは乾燥するという「症状」が現れた肌タイプを指します。つまり、インナードライが、混合肌という症状を引き起こす根本的な原因であることが多い、と理解すると分かりやすいでしょう。

結論

本稿では、オイリー肌寄りの混合肌に悩む方々のために、広範な分析と包括的な行動計画を提示しました。その中心的なメッセージは、この肌状態が永遠の悩みではなく、正しい理解と科学的なアプローチによって管理可能であるということです。成功への鍵は、考え方の転換にあります。「油分と戦う」のではなく、「バリア機能を育む」ことに集中するのです。「インナードライ」のメカニズムとリノール酸不足の役割を理解することで、症状への対症療法から、根本原因の解決へと移行することができます。優しく効果的なスキンケア手順、賢明な成分選択、そして和食から入浴儀式に至るまで、日本の文化に根差した生活習慣の調整を組み合わせることで、肌を内側からと外側から再バランスさせる相乗効果が生まれます。健やかで安定し、もう揺らぐことのない肌への道のりは、忍耐と一貫性を必要とします。本稿で示されたスキンケアとライフスタイルの原則を一貫して実践することで、あなたは自らの肌をケアするだけでなく、長期的な健康と自信への投資を行うことになるのです。これこそが、肌の真のバランスと持続可能な美しさを手に入れるための、確かな道筋です。

免責事項本記事は情報提供を目的としたものであり、専門的な医学的アドバイスを構成するものではありません。健康上の懸念や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

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  24. 【アトピーと食事】和食は本当にアトピーを治すために効果的?その理由は? – YouTube. [インターネット]. [引用日: 2025年7月29日]. Available from: https://www.youtube.com/watch?v=Egzi41fcS60
  25. Vol.9 実は究極の美容フード?意外と知らない「和食」の美肌食材5選 – かんぽ生命保険. [インターネット]. [引用日: 2025年7月29日]. Available from: https://www.jp-life.japanpost.jp/health/column/susume_009.html
  26. お風呂あがりに感じる肌の乾燥は入浴中のなにげない習慣が原因だった? – Lidea. [インターネット]. [引用日: 2025年7月29日]. Available from: https://lidea.today/articles/90
  27. 乾燥肌の方に知ってほしい入浴時のポイントと入浴後のスキンケア – 持田ヘルスケア. [インターネット]. [引用日: 2025年7月29日]. Available from: https://hc.mochida.co.jp/skincare/atopic/atopic21.html
  28. 長風呂は肌を乾燥させる!?医学的に実証されたスキンケア入浴法 – OZmall. [インターネット]. [引用日: 2025年7月29日]. Available from: https://www.ozmall.co.jp/healthcare/onkatsu/article/26517/
  29. 2024年最新!混合肌に効果的な美容液ガイド. [インターネット]. [引用日: 2025年7月29日]. Available from: https://kyonbykyon.com/contents/blog_page126.php
  30. 【乾燥肌・敏感肌・赤ら顔・脂性肌・混合肌】肌タイプ別に合う化粧水を完全解説!. [インターネット]. [引用日: 2025年7月29日]. Available from: https://oogaki.or.jp/hifuka/skin-care/skin-type-lotion-guide/
  31. 混合肌の化粧水おすすめ人気12選|テカリと乾燥を防ぐスキンケア&ランキング – カスタムライフ. [インターネット]. [引用日: 2025年7月29日]. Available from: https://customlife.co.jp/cl-med/combination-skin-lotion/
  32. 混合肌向けスキンケアのおすすめ20選!市販の化粧水・乳液・人気プチプラ商品もご紹介. [インターネット]. [引用日: 2025年7月29日]. Available from: https://hikaku.kurashiru.com/articles/01J4NEBMGD0638PRMH7JB6DY2R
  33. モテたい女子必見!肌タイプ別おすすめスキンケア<混合肌編>. [インターネット]. [引用日: 2025年7月29日]. Available from: https://bestchapel.jp/media/skintypekonngohada/
  34. 混合肌向けスキンケア&メイクテク。テカリと乾燥をケアする方法とは? – 資生堂. [インターネット]. [引用日: 2025年7月29日]. Available from: https://www.shiseido.co.jp/sw/beautyinfo/sp/DB008675/
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