免責事項
当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。
はじめに
ニキビケアや美白、エイジングケアなど、多様な目的で使われることが多い有用成分として知られるナイアシンアミドですが、一部の方から「塗布後にヒリヒリや刺激感を覚える」という声が報告されています。こうした症状はどのような原因で起こり、どのように対処すればよいのでしょうか。本記事では、ナイアシンアミドの基本的な働きやメリットを改めて整理したうえで、実際にナイアシンアミドを使用してヒリヒリ感や赤みなどを感じた場合の原因や対策について詳しく解説します。
なお、本記事は日々のスキンケアに役立つ一般的な情報をまとめたものであり、個々人の肌状態や症状により最適解は異なる場合があります。気になる症状が長引く場合や重症化した場合は、医師など専門家への相談を検討してください。
専門家への相談
本記事では、皮膚科学分野を担当しているThạc sĩ – Bác sĩ CKI Lạc Thị Kim Ngân（医師免許保有、大学付属病院にて皮膚科専門外来を担当）による見解をもとに、一部の臨床データや公的機関の参考資料を踏まえて情報をまとめています。ナイアシンアミドは比較的安全性が高い成分と言われているものの、肌質によっては刺激が生じるケースがあるため、専門家の視点を加えて注意点を整理しています。
ナイアシンアミドの働きとメリット
肌トラブルを予防しつつ健康的な肌状態を保つために、スキンケア成分として頻繁に取り入れられるナイアシンアミド。もともとビタミンB3の一種であり、皮膚のバリア機能やターンオーバーなどに多角的に寄与すると考えられています。以下は主なメリットです。
- 保湿・バリア強化
角質層のセラミド合成を促すことで、肌のうるおい保持機能のサポートが期待されています。この働きにより、水分蒸発を防ぎ、外的刺激から肌を守る“バリア機能”の向上に寄与します。 - 赤みや炎症の緩和
皮膚の炎症を軽減する可能性が示唆されており、ニキビや赤み、脂漏性皮膚炎などに対して穏やかに働きかける成分としても注目されています。 - 毛穴の開き・皮脂分泌量のコントロール
過剰な皮脂分泌をやわらげ、毛穴周囲の角質詰まりを減らす効果が期待されています。毛穴トラブルの一因をブロックすることで、肌全体のキメを整えるのに役立つ可能性があります。 - シミやくすみの改善サポート
色素沈着を抑制する補助的な働きがあると考えられており、透明感のある肌づくりに貢献します。5%ほどの濃度のナイアシンアミドでも、継続使用によってシミや色ムラの軽減が期待できるといわれています。 - エイジングケアへのアプローチ
抗酸化作用が認められているため、紫外線や外部刺激による酸化ストレスの緩和、シワや乾燥など年齢肌の悩みに対するサポートが期待できます。
こうした働きから、美容液やクリームなど幅広い製品に配合され、日常的に使いやすい成分とされています。しかしながら、一部で「使用後にヒリヒリする」「赤みが出た」という声が存在するのも事実です。以下では、このような刺激感が生まれる原因と考えられるポイントを整理します。
ナイアシンアミド使用時の刺激感・ヒリヒリの主な原因
1. 濃度が高すぎる製品を使用している
ナイアシンアミドは一般的に刺激の少ない成分とされますが、それでも過度に高濃度な配合がある製品を使用すると、肌質によっては赤みやヒリつきを感じる場合があります。
ある研究（“Final report of the safety assessment of niacinamide and niacin”, 2005, PMID:16596767）では、5%程度までのナイアシンアミドでは比較的刺激を起こしにくいとされています。しかし、肌が敏感な方にとっては、5%以下でもトラブルを生じるケースがまれにあります。
- 対策のポイント
- 初めてナイアシンアミドを使用する際は、濃度2〜3%程度のマイルドな製品から導入する
- 徐々に慣らしつつ、肌の調子を見ながら濃度を上げる
- 刺激が出た場合はただちに使用を中断し、洗い流す
2. 使用頻度が多すぎる
肌に良い成分であっても、1日に何度も重ね塗りをしたり、急に高頻度で使用すると、表皮への過剰な負担となり得ます。
特に週に2〜3回が目安とされる酸（AHA/BHA）などと合わせて頻回に使うと、バリア機能が乱れてヒリヒリしやすくなるという見方もあります。
- 対策のポイント
- 肌が敏感な方は、最初は週2～3回程度から始める
- 肌がナイアシンアミドに慣れてきたら、1日1回（夜だけ）→朝晩と徐々に増やす
- AHA/BHAなどの刺激系成分との併用時は、時間を空けて塗る、あるいは日を分けるなど調整を行う
3. スキンケアの順番が合っていない
ナイアシンアミドを他の成分（特に酸系）と同時に、あるいは短い間隔で重ねることで不快感が生じやすくなる場合があります。例えば、AHA/BHAと同時使用すると、pHレベルの変化や皮膚バリアの乱れにより刺激が高まる可能性があります。
- 対策のポイント
- AHA/BHAは先に塗り、30分程度時間を空けてからナイアシンアミドを塗布
- 敏感肌の方は、酸との併用を避けるか、あるいは日ごとに使う成分を変えて様子を見る
- ナイアシンアミド後は、保湿クリームを重ねてうるおいを閉じ込める
4. 製品の使用期限切れ・品質低下
ナイアシンアミドを含む製品は、適切な保存状態であっても、一定の期間を過ぎると品質が劣化し、思わぬ刺激を生むことがあります。特に液状美容液などは空気に触れやすく、酸化・分解のリスクが高いため注意が必要です。
- 対策のポイント
- 商品パッケージに明記されている使用期限を必ず確認し、期限切れは使わない
- 開封後はなるべく早めに使い切る
- 高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管
塗布後に刺激や赤みが起こったときの対処法
ナイアシンアミド使用中に、明らかなヒリヒリ感、赤み、ほてりなどを感じた場合は以下を参考にしてください。
- ただちに使用を中止する
皮膚の状態が悪化する前に、速やかに洗い流し、使用を中断しましょう。 - 清潔な水、または低刺激性洗顔料でやさしく洗い流す
強くこすらないように注意し、ぬるま湯でやさしく洗い流します。 - その後の経過を観察する
赤みや刺激感が引いていけば、次に使うタイミングや濃度を調整すれば再開できる場合があります。 - 改善しない場合・症状が重い場合は医師に相談
ヒリヒリが止まらない、腫れなどが広範囲に及ぶ場合は、皮膚科専門医の診断を受けてください。
ナイアシンアミドを快適に使うためのコツ
1. 低濃度から始める
刺激のリスクを低減するためには、最初から高濃度のものに手を出さず、2～3%程度のアイテムから取り入れるのがおすすめです。
2. パッチテストを行う
敏感肌やアレルギーの既往がある方は特に、初めての製品を使う際には腕の内側や耳の裏など、目立たない場所でパッチテストをしておきましょう。
24～48時間ほど観察し、赤みや痒みが出ないかを確認します。
3. スキンケアの順番を整える
- AHA/BHAを使う場合は、30分程度時間を空ける
- ナイアシンアミドを塗ったあとは、しっかりと保湿クリームなどでフタをする
- 朝使う場合は、最後に日焼け止めを塗り外的刺激から保護
4. 製品選びにこだわる
- 原材料や品質の高いメーカーを選ぶ
- パラベンやアルコールなど、肌に合わない成分が含まれていないかチェック
- 可能であればサンプルやトライアルサイズで試す
よくある疑問と回答
- Q. ナイアシンアミドを使うとニキビが増えるって本当？
A. 一般的には、適切な濃度と使い方であれば、皮脂分泌を抑え炎症をやわらげる傾向があるため、ニキビを増やす原因にはなりにくいと考えられています。ただし、肌質によっては合わないケースもあるため、使用後の変化をよく観察しましょう。 - Q. ビタミンCと一緒に使ってもいいの？
A. pHの違いなどから、同時塗布で刺激が出る方もいますが、製品設計によっては併用可能とされる場合もあります。製品の説明書や専門家のアドバイスを参考にしてください。 - Q. 朝と夜、どちらで使うのが正解？
A. 基本的には朝晩ともに使用可能ですが、肌が敏感な方は夜のみにして様子を見るほうが無難です。日中使う場合は紫外線対策を忘れずに。
関連する研究や文献情報について
ナイアシンアミドに関する研究は国内外で多数行われており、以下のような報告が挙げられます。
- Final report of the safety assessment of niacinamide and niacin
(2005年, PMID:16596767)
ナイアシンアミドおよびナイアシンの安全性を総合的に評価した報告であり、比較的安全性が高いことが示唆されています。 - Top 6 Benefits of Niacinamide
(Cleveland Clinic, 2022年12月28日閲覧)
アメリカの医療機関であるCleveland Clinicが、ナイアシンアミドの主なメリットを紹介しており、保湿効果・皮脂コントロールなどが中心に挙げられています。 - Niacinamide
(Susan G. Komen, 2022年12月28日閲覧)
乳がんの啓発で有名なSusan G. Komenが、ビタミンB3（ナイアシンアミド）に関する基礎的な情報を整理しています。 - Vitamin B3 (Niacin)
(Mount Sinai, 2023年9月16日閲覧)
アメリカの著名な医療機関であるMount Sinai病院によるビタミンB3（ナイアシン）関連の解説で、ナイアシンアミドの基礎知識や相互作用なども紹介。
上記のように、信頼できる医療機関や科学誌でも広くデータが蓄積されている成分ですが、使用する人の肌状態や製品ごとの設計によって、刺激の感じ方が異なる点には注意が必要です。
注意点と推奨事項
- ナイアシンアミドの濃度・使用頻度に留意
あまりに高濃度、または過度の使用は肌トラブルを招きやすくなります。 - 刺激を感じたらすぐに中止し、悪化する場合は専門医へ
軽度の赤みやヒリつき程度なら経過観察も選択肢ですが、重度になりそうな場合は早めに受診を。 - 他の成分との併用を慎重に
酸系成分やレチノールなど、肌に負担がかかりやすい成分との併用時は間隔を空ける、日を分けて使うなど工夫を。 - 製品の品質管理や保存方法を徹底
開封後はなるべく早めに使い切り、高温多湿・直射日光を避ける。 - 基本は“肌のバリア機能強化”が最優先
いきなり多機能を求めず、丁寧に保湿・保護を行いながら、ナイアシンアミドの利点をゆっくりと引き出す。
結論と提言
ナイアシンアミドは様々な角度から肌にメリットをもたらす非常に魅力的な成分です。一方で、ごく少数ながらヒリヒリ感や赤みなどを引き起こすケースもあり、濃度や使い方、保存状態などに注意する必要があります。
- 使い始めは低濃度から、徐々に肌を慣らす
- AHA/BHAなど他の成分とのタイミングや間隔を工夫し、刺激リスクを最小限に
- 使用期限や保管方法に気をつけ、品質が変化した製品は使わない
- 万一、ヒリヒリや赤みが持続する場合は皮膚科専門医に相談
最終的には、ご自身の肌状態をよく観察しながら少しずつ導入していくことが、ナイアシンアミドの恩恵を最大化する近道といえます。
参考文献
- Final report of the safety assessment of niacinamide and niacin（PMID:16596767）（閲覧日不明）
- Top 6 Benefits of Niacinamide（Cleveland Clinic、2022年12月28日閲覧）
- Niacinamide（Susan G. Komen、2022年12月28日閲覧）
- Vitamin B3 (Niacin)（Mount Sinai、2023年9月16日閲覧）
免責事項
本記事は、医師免許を有する専門家の見解や各種論文・医学データを踏まえてまとめられた一般的な情報提供を目的としていますが、特定の症状や個人の肌状態に対して必ずしも有効とは限りません。特に持続的な刺激や炎症、その他気になる点がある場合は医師や薬剤師など専門家にご相談ください。本記事で紹介している内容は医療行為の代替となるものではありません。
（※この記事の公開時点で得られる情報をもとに執筆していますが、新しい研究結果などにより内容が変わる可能性があります。定期的に最新情報を確認し、必要に応じてアップデートすることが推奨されます。）
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