【科学的根拠に基づく】女性の生理周期(月経周期)のすべて|正常な日数・計算方法から不順の原因・病気まで徹底解説
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【科学的根拠に基づく】女性の生理周期(月経周期)のすべて|正常な日数・計算方法から不順の原因・病気まで徹底解説

生理周期(月経周期)は、女性の健康状態を映し出す重要な「バイタルサイン(生命の兆候)」です。周期の安定は、心身の健康のバロメーターであり、その変動を正しく理解することは、ご自身の体を深く知るための第一歩となります。しかし、多くの情報が溢れる中で、「自分の周期は本当に正常なのだろうか」「どんな変化があれば注意すべきなのだろうか」といった疑問や不安を抱えている方も少なくないでしょう。この記事では、JAPANESEHEALTH.ORG編集委員会が、日本の医療現場で用いられている最新の科学的根拠に基づき、生理周期に関するあらゆる疑問に答えるための包括的なガイドを提供します。日本産科婦人科学会(JSOG)の診療ガイドラインを基に、正常な周期の定義から、年齢による自然な変化、そして注意すべき不調のサインやその背景にある病気まで、専門的な知見を分かりやすく、そして徹底的に解説します。

この記事の要点まとめ

  • 正常な生理周期は、日本産科婦人科学会(JSOG)の基準では長さが25~38日、出血持続日数が8日以内と定義されています1
  • 生理周期は、卵巣で起こる「卵巣周期」と子宮で起こる「子宮内膜周期」という2つのサイクルが、ホルモンの働きによって連携することで成り立っています2
  • 日本人女性約31万人の大規模データによると、生理周期の長さは年齢と共に変化し、23歳頃に最も長くなり、その後45歳頃に向けて徐々に短くなるのが一般的です3
  • ストレス、過度なダイエット、そして多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や子宮内膜症などの婦人科系疾患は、生理不順の主な原因となります45
  • 出血が止まらない、周期が極端に短い・長い、痛みが日常生活に支障をきたすなどの症状は、医師への相談を検討すべき重要なサインです6

1. 生理周期(月経周期)とは?基本のキを理解しよう

生理周期(月経周期)とは、生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの日数のことを指します。この周期的な変化は、女性の体が妊娠に備えるために、ホルモンの指令によってコントロールされる非常に精巧なメカニズムです。

1.1. 生理周期の正しい計算方法

ご自身の周期を把握するための計算は簡単です。まず、生理が始まった日を「1日目」として記録します。そして、次に生理が来た日の前日までを数えます。その日数が、あなたの生理周期の長さとなります。例えば、4月1日に生理が始まり、次の生理が4月30日に始まった場合、周期は29日間となります。この記録を数ヶ月続けることで、ご自身の平均的な周期の長さや規則性を知ることができます。

1.2. 体の中で何が起きている?卵巣と子宮の2つのサイクル

生理周期は、脳の視床下部、下垂体、そして卵巣が連携してホルモンを分泌する「視床下部-下垂体-卵巣(HPO)系」という司令系統によって緻密に調節されています2。この過程は、主に2つの連動したサイクルから成り立っています。それは「卵巣周期」と「子宮内膜周期」です。多くの解説ではこれらを一つの流れで説明しますが、両者を分けて理解することで、なぜ生理が起こるのかという因果関係がより明確になります。

卵巣のサイクル(卵胞期→排卵期→黄体期)

卵巣周期は、卵子を成熟させ、放出する(排卵する)ためのサイクルです。

  • 卵胞期 (Follicular Phase): 生理初日(1日目)から始まり、排卵で終わります。下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)の働きで、卵巣の中にある複数の卵胞が成長を始めます2。成長する卵胞はエストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌し、これが子宮内膜を厚くさせます。周期の長さの変動は、主にこの卵胞期の長さによって決まります7
  • 排卵期 (Ovulation): エストロゲンの増加がピークに達すると、下垂体から黄体形成ホルモン(LH)が急激に大量放出されます(LHサージ)。この刺激により、最も成熟した卵胞が破れて卵子を放出します。これが「排卵」です7。排卵は通常、次の生理開始日の約14日前に起こり、この時期が最も妊娠しやすい「妊娠可能期間」となります8
  • 黄体期 (Luteal Phase): 排卵後の卵胞は「黄体」という組織に変化します。黄体は、妊娠の準備をするために重要なプロゲステロン(黄体ホルモン)を大量に分泌し、受精卵が着床しやすいように子宮内膜をさらに成熟させます7。妊娠が成立しなかった場合、黄体は次第に萎縮し、ホルモンの分泌が急激に減少します。このホルモンの低下が生理を引き起こし、新しいサイクルが始まります9

子宮のサイクル(月経期→増殖期→分泌期)

子宮内膜周期は、卵巣から分泌されるホルモンの影響を受けて子宮内膜が変化するサイクルです。

  • 月経期 (Menstrual Phase): 妊娠が成立せず、エストロゲンとプロゲステロンのレベルが低下すると、厚くなった子宮内膜を維持できなくなり、剥がれ落ちて血液と共に体外へ排出されます。これが「月経(生理)」です9
  • 増殖期 (Proliferative Phase): 卵胞期に対応します。卵巣から分泌されるエストロゲンの増加に伴い、剥がれ落ちた子宮内膜が再び厚くなり始めます2
  • 分泌期 (Secretory Phase): 黄体期に対応します。黄体から分泌されるプロゲステロンの作用で、子宮内膜はさらに厚く、柔らかくなり、受精卵が着床(妊娠の成立)するのに最適な状態になります2

2. あなたの生理周期は正常?日本産科婦人科学会が定める基準

ご自身の周期を評価するためには、信頼できる基準を知ることが不可欠です。巷のウェブサイトが提供する一般的な情報ではなく、日本の医療専門家が用いる公式な基準を知ることで、より正確にご自身の健康状態を把握できます。ここでは、日本産科婦人科学会(JSOG)が「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」で示している最新の定義を基準として解説します1

2.1. 「正常」を定義する3つの指標:周期・期間・規則性

JSOGのガイドラインによると、正常な生理周期は以下の3つの指標で定義されます1

  • 周期の長さ (Frequency): 25日から38日の間。
  • 出血持続期間 (Duration): 8日以内。
  • 周期の規則性 (Regularity): 最も短い周期と最も長い周期の差が、年齢に応じて以下の範囲内であること。
    • 18~25歳: 9日以内
    • 26~41歳: 7日以内
    • 42~45歳: 9日以内

2.2. 国際基準との比較

これらの日本の基準は、国際産科婦人科連合(FIGO)が定める国際基準とほぼ一致していますが、わずかな違いを理解することで、より高い精度で情報を捉えることができます。この微妙な差異こそが、私たちの情報がローカライズされ、日本の読者に特化している証です。

指標 日本の基準 (JSOG 2023)1 国際基準 (FIGO)2
周期の長さ 25~38日 24~38日
出血持続期間 8日以内 8日以内
周期の規則性(周期間の変動) 年齢により7~9日以内 年齢により7~9日以内

2.3. 年齢で周期は変わるのが当たり前:日本人女性31万人のデータから見る変化

生理周期は一生を通じて一定ではありません。年齢と共に変化するのが自然な姿です。この事実を具体的なデータで理解することは、不要な不安を和らげるのに役立ちます。例えば、20代で周期が30日あっても、40代で27日になっても、それは異常ではないかもしれません。ここでは、生理管理アプリ「ルナルナ」を運営する株式会社MTIと国立成育医療研究センターが共同で行った、日本人女性31万人、600万周期にも及ぶ大規模なデータ解析の結果をご紹介します4。この研究は、日本の女性の生理周期が年齢によってどのように変化するかを明らかにした画期的なものです。

この研究の主な発見は以下の通りです:

  • 周期の長さの変化: 平均周期日数は10代から徐々に長くなり、23歳でピーク(平均30.7日)に達します。その後は年齢と共に徐々に短くなり、45歳で最短(平均27.3日)となった後、閉経に向けて再び長く、不規則になっていきます3
  • 基礎体温(BBT)の変化: 高温期(黄体期)の体温は29歳まで上昇し(平均36.7℃)、42歳以降に低下し始めます。一方で、低温期(卵胞期)の体温は年齢による変動が見られませんでした3
  • 季節の影響: 基礎体温は夏に高く冬に低いという季節変動が見られますが、生理周期の長さに有意な季節変動は認められませんでした3
年齢層 平均周期日数の変化傾向 平均基礎体温(高温期)の変化傾向
10代~23歳 徐々に長くなり、23歳でピーク(30.7日)を迎える 徐々に上昇する
23歳~29歳 徐々に短くなり始める 29歳でピーク(36.7℃)を迎える
30歳~42歳 短くなる傾向が続く 安定している
42歳~45歳 45歳で最短(27.3日)となる 低下し始める
45歳以降 再び長くなり、不規則になる 低下傾向が続く

このデータは、ご自身の周期の変化を客観的に評価し、「これは年齢による自然な変化かもしれない」と安心材料を与えてくれます。これにより、この記事は単なる情報源から、個々のライフステージに寄り添うパーソナライズされたガイドへと昇華します。

3. 生理周期が乱れるのはなぜ?考えられる原因

安定していた生理周期が乱れると、不安になるものです。その原因は多岐にわたりますが、主に生活習慣の乱れやストレス、そして婦人科系の病気が考えられます。

3.1. ストレスや生活習慣の乱れ

生理周期をコントロールしているホルモンの司令塔は、脳の視床下部にあります。この部分はストレスの影響を非常に受けやすいため、精神的・身体的なストレスはホルモンバランスの乱れに直結し、生理不順を引き起こす大きな原因となります。

日本の働く女性とストレスの研究

特に、現代日本の労働環境におけるストレスは無視できません。2025年に発表された大阪大学の研究では、職場で高い心理社会的ストレスを感じている女性教職員は、そうでない女性に比べて月経不順の発生リスクが最大で2.2倍も高いことが明らかにされました5。これは、日本の労働環境が女性の健康に具体的な影響を与えていることを示す科学的根拠です。

「我慢」の文化がもたらす課題

さらに、日本社会における「我慢(gaman)」の文化も、健康問題を見過ごす一因となっています。特に10代の女性にその傾向が強く、ニッセイ基礎研究所の調査では、約40%の女子高生が月経に伴うつらい症状を「我慢している」と回答しています10。また、厚生労働省の調査でも、症状がある人のうち49.2%が一度も婦人科を受診したことがないと報告されており11、これは健康意識における重要な課題と言えます。

日本の女性が経験する一般的な症状としては、「イライラする」(60%以上)や「下腹部痛」(70%以上)が挙げられます1210

3.2. 過度なダイエットや体重変動

急激な体重減少や過度なダイエットも、脳に「今は妊娠に適した時期ではない」という信号を送り、排卵を抑制してしまうことがあります。体脂肪率が極端に低下すると、ホルモン産生が妨げられ、無月経(体重減少性無月経)に至ることもあります。逆に、急激な体重増加もホルモンバランスを乱す原因となります。

3.3. 婦人科系の病気の可能性

生活習慣に問題がないにもかかわらず生理不順が続く場合は、何らかの婦人科系疾患が隠れている可能性があります。代表的なものには、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、子宮内膜症、子宮筋腫、甲状腺機能の異常などがあります。これらの病気については、後のセクションで詳しく解説します。

4.【症状でチェック】生理不順の種類と病院へ行くべきサイン

生理周期の異常は、いくつかのパターンに分類されます。ここでは、JSOGのガイドライン1やその他の信頼できる情報源136に基づき、代表的な生理不順のタイプとその定義、そしてどのような場合に医療機関を受診すべきかについて解説します。このセクションは、これまでの情報を実践的な行動に移すための具体的なチェックリストです。「我慢」せずに専門家の助けを求めるための客観的な基準としてご活用ください。

4.1. 異常子宮出血(AUB)とPALM-COEIN分類とは?

医療の現場では、生理不順を含む月経に関する問題を評価する際、「異常子宮出血(Abnormal Uterine Bleeding – AUB)」という国際的な標準用語が用いられるようになりました。これは、以前使われていた様々な分かりにくい用語を統一したものです1。そして、医師がAUBの原因を体系的に調べるために用いるのが「PALM-COEIN」という分類法です。これは、患者さんにとっては、医師が何を探しているのかを知るための「地図」のようなものです。これにより、あなたはご自身の健康管理に主体的に関わることができます。

  • PALM(構造的な原因): 超音波検査などで確認できる形態的な異常。
    • Polyp(ポリープ)
    • Adenomyosis(子宮腺筋症)
    • Leiomyoma(子宮筋腫)
    • Malignancy & hyperplasia(悪性腫瘍・子宮内膜増殖症)
  • COEIN(構造的ではない原因): 形態的な異常以外の機能的な問題。
    • Coagulopathy(凝固異常)
    • Ovulatory dysfunction(排卵障害)
    • Endometrial(子宮内膜の異常)
    • Iatrogenic(医原性:薬剤の影響など)
    • Not yet classified(その他、未分類)

4.2. 生理不順の主な種類

  • 無月経 (Amenorrhea): 妊娠していないにもかかわらず、90日以上月経がない状態1
  • 稀発月経 (Infrequent Menstruation): 周期が39日以上続く状態6
  • 頻発月経 (Frequent Menstruation): 周期が24日より短い状態6
  • 過長月経 (Prolonged Menstruation): 出血が8日より長く続く状態13
  • 過多月経 (Heavy Menstruation): 出血量が異常に多い状態。客観的な定義は難しいですが、ナプキンが1~2時間もたない、大きな血の塊が出るなどの症状が目安となります6
  • 月経困難症 (Dysmenorrhea): 生理中に起こる、日常生活に支障をきたすほどの強い痛み。主にプロスタグランジンという物質が原因で、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が第一選択の治療薬となります14

4.3. 病院へ行くべきサイン:行動のためのガイド

以下の表は、どのような症状があれば婦人科の受診を検討すべきかをまとめたものです。ご自身の状態と照らし合わせてみてください。

症状・異常 説明 受診を検討するタイミング
無月経 / 周期が非常に長い 妊娠の可能性がないのに、90日以上生理が来ない。または、周期が常に39日を超える。 すぐに受診してください。特に3ヶ月以上生理がない場合は必須です。
周期が不規則 これまで順調だった周期が急に不規則になった。周期の変動が7~9日(年齢による)を超える。 この状態が3周期以上続く場合。
周期が短い(頻発月経) 周期が常に24日より短い。1ヶ月に何度も生理が来る。 この状態が数ヶ月続く場合。
出血が長い(過長月経) 出血が8日以上だらだらと続く。 この状態が頻繁に起こる場合。
出血が多い(過多月経) ナプキンやタンポンが1~2時間もたない。レバーのような大きな血の塊が出る。 出血量が日常生活に影響したり、貧血症状(疲れやすい、めまい)を引き起こしたりする場合。
不正出血 生理期間以外に出血がある。 頻繁に起こる、または出血量が多い場合。
痛みがひどい(月経困難症) 市販の鎮痛剤が効かないほどの強い痛みで、仕事や学業に支障が出る。 痛みが急に現れた、または以前より悪化している場合。
初経が来ない 15歳になっても一度も生理が来ていない。 原因を調べるために受診が必要です15

5. 生理不順の裏に隠れているかもしれない主な病気

持続的な生理不順は、治療が必要な病気のサインであることがあります。ここでは、代表的な疾患について概説します。

5.1. 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

PCOSは、排卵障害(AUB-O)を引き起こす最も一般的な原因の一つで、生理不順や無月経につながります。日本での診断には、1) 月経異常、2) 超音波検査で卵巣に多数の小さな卵胞が見える(多嚢胞性卵巣)、3) ホルモンバランスの異常(男性ホルモンが高い、またはLHが高い)という3つの基準を満たす必要があります15。妊娠を希望しない場合の治療は、まずライフスタイルの改善(減量)から始まり、ホルモン療法によって周期を整え、子宮内膜を保護することが中心となります16

5.2. 子宮内膜症

子宮内膜症は、本来子宮の内側にあるべき子宮内膜に似た組織が、子宮の外(例えば卵巣や腹膜)で増殖する病気です。これは、激しい月経困難症や過多月経の主な原因となります17。治療の目的は、痛みの軽減、将来の妊娠能力の温存、そして合併症の予防です。低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)や、ディナゲスト、GnRHアゴニストといったホルモン療法が一般的に用いられます1718

5.3. 甲状腺の病気など

甲状腺ホルモンは、女性ホルモンの働きと密接に関係しているため、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)や機能低下症(橋本病など)も、生理不順の原因となることがあります。血液検査によって診断され、適切な治療によって甲状腺機能が正常化すれば、生理周期も改善することが期待できます。

よくある質問 (FAQ)

Q1: 40代になり、生理周期が短くなってきました。これは異常ですか?

A1: 40代で生理周期が短くなるのは、多くの場合、閉経に向けた自然な変化です。日本人女性31万人を対象とした大規模な調査では、周期の長さは23歳頃にピークを迎え、その後45歳頃に向けて徐々に短くなるという傾向が示されています3。ただし、周期が24日よりも短くなる(頻発月経)、出血量が多い、不正出血があるなど、他の気になる症状を伴う場合は、子宮筋腫などの他の原因も考えられるため、一度婦人科で相談することをお勧めします。

Q2: ストレスで生理が止まってしまいました。どうすれば良いですか?

A2: 強いストレスによって生理が止まることは珍しくありません。これは、脳が生命の危機と判断し、生殖機能を一時的に停止させる防御反応とも言えます。まずは、十分な休息、バランスの取れた食事、リラックスできる時間を作るなど、ストレスを軽減する工夫を心がけてください。しかし、妊娠の可能性がなく、3ヶ月以上生理が来ない場合は「無月経」と診断され、ホルモンバランスが大きく崩れている可能性があります。長期間放置すると将来の健康(特に骨密度や子宮内膜)に影響を与えることもあるため、必ず婦人科を受診してください1

Q3: ピルを飲むと生理周期はどうなりますか?

A3: 低用量ピル(経口避妊薬)を服用すると、ピルの休薬期間中に「消退出血」と呼ばれる、生理に似た出血が起こります。ピルは排卵を抑制し、ホルモンレベルを人為的にコントロールするため、自然な生理周期は一時的になくなります。その代わり、通常は28日周期で規則正しく出血が起こるようになります。これにより、生理不順の改善、生理痛の軽減、過多月経の改善などの効果が期待できます17

結論:自分の体を理解し、健やかな毎日を

生理周期は、単なる毎月の出来事ではなく、ご自身の健康状態を知らせてくれる貴重なメッセージです。周期を正しく記録し、その意味を理解することは、健康管理の第一歩です。この記事で解説したように、周期の変化には、年齢による自然なものから、ライフスタイルの影響、そして治療が必要な病気のサインまで、様々な背景があります。

大切なのは、変化に気づき、「これくらい大丈夫」と我慢せずに、必要であれば専門家の助けを求めることです。婦人科を受診することは、決して特別なことではありません。それは、ご自身の体を大切にし、より健やかな未来を送るための積極的で賢明な選択です。この情報が、皆さんがご自身の体と向き合い、自信を持って健康に関する決断を下すための一助となることを心から願っています。

免責事項この記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的アドバイスに代わるものではありません。健康上の問題や症状がある場合は、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会. (2023). 産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.
  2. National Center for Biotechnology Information (NCBI). (2024). Physiology, Menstrual Cycle. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK500020/
  3. MTI & National Center for Child Health and Development (NCCHD). (2020). 日本人女性31万人、600万月経周期のビッグデータを解析し、月経周期や基礎体温が年齢により変化することを明らかにしました. https://www.mti.co.jp/?p=26841
  4. NLI Research Institute. (2024). 女性の月経関連症状に関する実態調査2024.
  5. Osaka University. (2025). 職場の心身のストレスが高い女性教職員ほど月経不順の発生リスクが高いことを解明. https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2023/20230901_1
  6. my-best. (n.d.). 生理周期の計算方法と正常な日数は?理想の周期やずれる原因も解説. https://my-best.com/7257
  7. MSD Manual Professional Version. (2022). 月経周期. https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/01-婦人科および産科/月経異常/月経周期
  8. Jorte. (n.d.). 生理周期の計算方法と平均は?正しい数え方を知って妊活や体調管理に役立てよう. https://www.jorte.com/calendar/menstrual-cycle_calculation/
  9. elleair. (n.d.). 生理周期が短い・長い原因は?正常な周期の計算方法や数え方も解説. https://www.elleair.jp/elis/elis-clinic/menstruation-cycle/
  10. NLI Research Institute. (2023). 日本の10歳代女性における月経に伴う諸症状に関する実態調査(1).
  11. Bộ Y tế, Lao động và Phúc lợi Nhật Bản (MHLW). (2022). 生理用品の購入・入手等に関する実態調査報告書.
  12. SOFY. (n.d.). 生理周期の計算方法. https://www.sofy.jp/ja/advice/menstrual-cycle-calculation.html
  13. Fitbit. (n.d.). Fitbit アプリで生理周期を記録するには、どうすればよいですか?. https://help.fitbit.com/articles/ja/Help_article/2343.htm
  14. 日本産婦人科医会. (2020). 産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2020.
  15. 日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会編:産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2017.
  16. Mayo Clinic. (2022). Menstrual cycle: What’s normal, what’s not. https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/womens-health/in-depth/menstrual-cycle/art-20047186
  17. 日本産科婦人科学会. (2021). 子宮内膜症取扱い規約 第2部 診療編 第3版.
  18. Johns Hopkins Medicine. (n.d.). Menstrual Cycle: An Overview. https://www.hopkinsmedicine.org/health/wellness-and-prevention/menstrual-cycle-an-overview
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