熱けいれんの原因と応急処置|筋肉がつる仕組みを徹底解説
この記事でわかること
目次
- 結論:熱けいれんとは何か
- 熱けいれんとは?なぜ足や腹の筋肉がつるのか — 仕組み
- 熱中症という病気の医学的な定義 — 熱けいれんはどこに含まれるか
- 熱中症の重症度分類のなかで熱けいれんはどこに位置するか
- こむら返り・熱失神・熱疲労・熱射病とどう違うのか
- 応急処置 — 塩分と水分の補給のしかた
- 労働現場での熱けいれん予防 — WBGTと作業管理
- スポーツ活動での熱けいれん予防 — 日本スポーツ協会の指針
- 経口補水液・スポーツドリンク・食塩水、何を選べばよいか
- 高齢者・屋外労働者・スポーツ選手 — リスクが高いのは誰か
- 日本と海外、熱けいれんの考え方はどう違うのか
- 日常生活での予防習慣 — 暑さ指数を確認する習慣をつける
- よくある質問
- 参考文献
結論:熱けいれんとは何か
日本救急医学会のガイドラインによれば、熱けいれんとは、大量の汗をかいたときに水分だけを補給し、血液中の塩分(ナトリウム)濃度が下がることで、ふくらはぎ・太もも・腹筋などの筋肉が「こむら返り」のようにけいれんする状態です[1]。日本救急医学会の分類では熱中症のうちもっとも軽い「Ⅰ度」にあたり、意識ははっきりしたまま筋肉だけがつることが特徴です[2]。総務省消防庁によると、2025年5〜9月の熱中症による救急搬送人員は全国で10万510人にのぼり、統計を取り始めた2008年以降で最多を更新しました[3]。
この症状、いつ受診すべきか確認しますか?
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屋外での労働や部活動・スポーツの最中に足がつったとき、それが単なる筋肉疲労なのか、熱中症の初期サインであるこの症状なのかを見分けることが、重症化を防ぐ第一歩になります。この記事では、環境省と日本救急医学会の資料をもとに、この症状が起こる仕組み、ふだんの「こむら返り」や熱疲労・熱射病との違い、現場でできる応急処置、119番が必要になる目安まで、一次資料に基づいて解説します。こむら返り全般の原因や日常的な予防法については、当サイトのこむら返りまとめページもあわせてご覧ください。
要点まとめ
- 環境省の指針によれば、熱けいれんは汗で失われた塩分を水だけで補ったときに血液中の塩分濃度が下がって起こる筋肉のけいれん[1]
- 日本救急医学会の熱中症重症度分類では「Ⅰ度(軽症)」に位置づけられ、意識障害はない[2]
- 2025年5〜9月の熱中症による救急搬送は全国で10万510人と過去最多、65歳以上が5万7433人(57.1%)を占める[3]
- 環境省の指針・日本スポーツ協会の指針によれば、応急処置は涼しい場所での安静と、0.1〜0.2%の食塩水や経口補水液での塩分・水分補給が基本[1][5]
- 意識がおかしい・自分で水分や塩分を摂れない・症状が良くならないときは、ためらわず119番を——目安は以下で詳しく解説
編集方針: JHO編集部がAIツールの支援を受け、環境省・日本救急医学会・厚生労働省・総務省消防庁・日本スポーツ協会・米国国立衛生研究所(NIH)の公的資料と照合して作成しました。最終確認は人の目で行っています。医師による個別診断の代わりにはなりません。数値・分類はガイドライン改定により変わることがあります(更新日:2026年7月・2026年7月確認)。内容に誤りやお気づきの点がありましたら、お問い合わせフォームからご連絡・ご報告ください。
今すぐセルフチェック — その足のつり、熱けいれんかも?
- ①暑い場所にいた、または長時間の労働・運動の後か?
- ②大量に汗をかいたあと、水だけをたくさん飲んでいないか?
- ③ふくらはぎ・太もも・腹筋など、複数の筋肉が同時につっていないか?
環境省・日本救急医学会の指針・ガイドラインに沿って整理すると、3つとも当てはまるなら、単なる寝ているときの「こむら返り」ではなく、熱中症Ⅰ度の熱けいれんの可能性があります[1][2]。まずは涼しい場所へ移動し、下の「応急処置」の項目を確認してください。
今の血圧・脈拍を確かめる
数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。
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これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
熱けいれんとは?なぜ足や腹の筋肉がつるのか — 仕組み
環境省の熱中症予防情報サイトが公開する「熱中症環境保健マニュアル」(日本救急医学会のガイドラインに基づく資料)によれば、暑熱環境での体調不良はすべて熱中症の可能性があり、そのうち軽症に分類される熱けいれんは、てんかんなどの全身けいれん発作ではなく「筋肉のこむら返り」を指すとされています[1]。同指針は、小さな子どもが発熱時に起こす「熱性けいれん」とは別の病態であることをコラムで注意喚起しています[1]。
仕組みはこうです。暑い環境で体を動かしたり、屋外で作業を続けたりすると、体は汗をかいて体温を下げようとします。汗には水分だけでなく、ナトリウムや塩素などの塩分(電解質)も含まれています。日本救急医学会のガイドラインは、熱中症では水分とともにナトリウムなど電解質の喪失があるため、水分補給だけでは「ナトリウム欠乏性脱水」という状態になりやすいと説明しています[2]。汗で塩分を失った状態で水だけを大量に飲むと、血液中の塩分濃度がさらに薄まり、この濃度低下が筋肉の異常な収縮、つまり「けいれん」を引き起こすと考えられています。
国際的な資料も、同様の電解質バランスの乱れを重視しています。NIHの研究解説(StatPearls)では、この症状は大きな筋肉群に起こる不随意のけいれん性収縮で、ナトリウムだけでなくカリウム・塩素・マグネシウムなど複数の電解質の相対的な欠乏によって生じるとされています[6]。同指針は、けいれんに加えて吐き気・嘔吐・疲労感・脱力感・発汗・頻脈といった症状を伴うことがあるとも説明しています[6]。日本の資料がナトリウムを中心に説明しているのに対し、国際的な資料はより広く複数の電解質に触れている点が特徴ですが、「汗で失われた電解質を、水だけでは十分に補えない」という基本構造は共通しています。
暑熱環境での作業や運動を続ける以上、汗をかくこと自体は避けられません。重要なのは、汗で何が失われているかを理解し、水だけでなく塩分もあわせて補うという発想を持つことです。次の項目では、この仕組みが熱中症全体の重症度分類のなかでどう位置づけられているかを見ていきます。
けいれんが起こりやすいのは、下肢(ふくらはぎ・太もも)と腹筋です。これは、長時間の労働やランニング・部活動など、同じ筋肉を繰り返し使い続けたときに、その筋肉ほど汗による塩分損失と疲労が集中しやすいためと考えられます。環境省の指針(熱中症環境保健マニュアル)は、熱けいれんも熱失神と同様に「意識は清明」——つまり意識ははっきりしたままであることを強調しています[1]。意識がおかしい場合は熱けいれんではなく、より重い段階を疑う必要があります。
熱中症という病気の医学的な定義 — 熱けいれんはどこに含まれるか
そもそも「熱中症」とは医学的にどう定義されているのでしょうか。日本救急医学会のガイドラインは、熱中症の診断基準を「暑熱環境に居る、あるいは居た後」の症状として、めまい、失神(立ちくらみ)、生あくび、大量の発汗、強い口渇感、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、意識障害、痙攣、せん妄、小脳失調、高体温などの諸症状を呈するもので、感染症や悪性症候群による中枢性高体温、甲状腺クリーゼなど他の原因疾患を除外したものと、同ガイドラインは定めています[2]。同ガイドラインの診断基準のなかに「筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)」として明記されている部分が、まさに熱けいれんに当たります[2]。
同ガイドラインはさらに、熱中症の病態を大きく2つに分けて説明しています[2]。1つは、熱そのものによる体温上昇が招く「暑熱障害」で、高体温が長く続くことによる神経細胞の障害が中心です。もう1つは、水分摂取不足や発汗過多による「脱水」で、循環している血液量が減ることが中心の病態です。熱けいれんは、この2つのうち後者、つまり発汗による水分・塩分の喪失(脱水)に関連する病態として位置づけられ、高体温そのものによる神経障害が中心となる熱射病とは、成り立ちの面で異なります。この違いを知っておくと、「けいれん=すぐに命に関わる」と過度に不安になる必要はない一方、放置すれば病態が進み得ることも理解しやすくなります。
もっとも、実際の現場では「暑熱障害」と「脱水」が完全に切り分けられるわけではなく、両方の要素が重なって進行することも少なくありません。長時間の労働や運動を続ければ、発汗による脱水が進むと同時に、体温そのものも上昇していきます。この記事で解説する熱けいれんは、あくまで「脱水(とくに塩分の喪失)が中心となって現れる、もっとも軽い段階のサイン」だと理解しておくと、なぜ現場での早期対応が重要なのかが見えやすくなります。
熱中症の重症度分類のなかで熱けいれんはどこに位置するか
日本救急医学会は2000年以降、熱中症の重症度を「具体的な治療の必要性」の観点から段階分けする分類を導入し、2024年のガイドラインでは最重症を細分化した「Ⅳ度」を加えた4段階の枠組みを示しています[2]。環境省の資料も、この重症度分類を「Ⅰ度(現場での応急処置で対応できる軽症)」「Ⅱ度(病院への搬送を要する中等症)」「Ⅲ度(入院して集中治療が必要な重症)」として紹介しています[1]。
| 重症度 | 主な症状 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| Ⅰ度(軽症) | めまい、立ちくらみ(熱失神)、生あくび、大量の発汗、強い口渇感、筋肉痛・筋肉の硬直(こむら返り=熱けいれん)[2] | 現場での応急処置と見守り(意識は清明)[1] |
| Ⅱ度(中等症) | 頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感など(熱疲労)[1] | 医療機関への搬送が必要[1] |
| Ⅲ度・Ⅳ度(重症・最重症) | 意識障害、高体温、発汗停止、けいれん、肝・腎障害(熱射病)[1][2] | 入院・集中治療。迷わず119番[1] |
出典:環境省の熱中症対策ガイドライン的資料「熱中症環境保健マニュアル」表2-1(日本救急医学会熱中症診療ガイドライン2015を改変)[1]/日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」[2]
環境省の指針が重視するのは、意識がしっかりしているかどうかという1点です。少しでも意識がおかしい場合はⅡ度(中等症)以上と判断し、病院への搬送が必要になります[1]。逆にいえば、意識がはっきりしていて、筋肉のけいれんだけが症状であれば、それは典型的な熱けいれん(Ⅰ度)であり、現場での応急処置が対応の中心になります。ただし「現場で対応できる」というのは軽視してよいという意味ではなく、放置すればⅡ度以上に進む可能性がある初期サインだという点が重要です。
環境省の指針(熱中症環境保健マニュアル)は、厚生労働省が管轄する診療報酬明細書(レセプト)データをもとに、2012〜2016年の6〜9月に熱中症の診断で医療機関にかかった受診者を、軽症から4段階に分けた集計も紹介しています[1]。
| 受診区分 | 割合 | 備考 |
|---|---|---|
| 外来受診のみ | 27% | 最も軽症の区分[1] |
| 外来受診+点滴治療 | 65% | 最も多い区分[1] |
| 入院 | 7.8% | 中等症〜重症相当[1] |
| 死亡 | 0.1%(421人) | 最重症の転帰[1] |
出典:環境省の熱中症対策ガイドライン的資料「熱中症環境保健マニュアル」図2-1・図2-2(提供:帝京大学 三宅康史氏、診療報酬明細書データ 2012〜2016年6〜9月)[1]
同指針は、年齢層別にみると、高齢になるほど入院・死亡の割合が増える傾向があったとも報告しています[1]。熱けいれん自体はこの集計のうち最も軽い「外来受診のみ」の区分に含まれるケースが多いと考えられますが、放置や誤った対応によってⅡ度以上に進行すれば、点滴治療や入院が必要な区分に移る可能性があるという意味で、この集計は熱けいれんを軽く見てはいけない理由を数字で裏づけています。
こむら返り・熱失神・熱疲労・熱射病とどう違うのか
「こむら返り」という言葉は、就寝中や運動後に誰にでも起こりうる一般的な筋肉のけいれんを指す言葉としても使われます。当サイトのよく起こるこむら返りに効く薬は?|効果的な対策の完全ガイドで扱っているのは、主に就寝中の脱水や冷え、加齢、筋肉疲労による一般的なこむら返りで、必ずしも暑熱環境が背景にあるとは限りません。同様に、当サイトの夜中の足のつり(こむら返り)の完全ガイドも、就寝中に起こる一般的なこむら返りを扱っています。一方、環境省の指針・日本救急医学会のガイドラインが扱う「熱けいれん」は、暑熱環境にさらされた状態で起こる、熱中症の一分類としてのこむら返りである点が異なります[1]。
環境省の指針(熱中症環境保健マニュアル)は、熱けいれんと紛らわしい用語として「熱失神」も紹介しています。同指針によれば、熱失神は突然意識を失って倒れる一般的な「失神」とは異なり、暑さのために一瞬「立ちくらみ」が起きることを指す、軽症(Ⅰ度)の症状の1つです[1]。熱けいれんが「筋肉」の症状であるのに対し、熱失神は「立ちくらみ」という循環器系の症状である点で区別されます。
| 状態 | 主な症状 | 意識 | 重症度 |
|---|---|---|---|
| 熱けいれん | ふくらはぎ・太もも・腹筋などのこむら返り[1] | 清明 | Ⅰ度(軽症)[2] |
| 熱失神 | 暑さによる一瞬の立ちくらみ[1] | 清明(一過性) | Ⅰ度(軽症)[1] |
| 熱疲労 | 頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、倦怠感、脱力[1] | 清明〜軽度低下 | Ⅱ度(中等症)[1] |
| 熱射病 | 高体温、発汗停止、けいれん、肝・腎障害[1] | 意識障害あり | Ⅲ・Ⅳ度(重症)[1][2] |
出典:環境省の熱中症対策ガイドライン的資料「熱中症環境保健マニュアル」コラム「熱けいれん」と「熱失神」ほか[1]/日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」[2]
就寝中のこむら返りが繰り返し起こる場合の原因や対策については、当サイトの筋肉痙攣(こむら返り)に対する食事療法の記事で詳しく解説しています。熱けいれんの場合は「暑熱環境+発汗+水のみ補給」という特有の3条件がそろって起こる点が、日常のこむら返りとの最大の違いです。言い換えると、暑い季節でなくても、就寝中や運動後にこむら返りを繰り返す場合は、この記事で扱う熱けいれんとは別の原因(血流やミネラルバランス、筋肉の疲労など)を考える必要があるということです。
応急処置 — 塩分と水分の補給のしかた
熱けいれんが疑われるときの現場対応について、環境省の指針(熱中症環境保健マニュアル)は、涼しい場所へ移動して安静にし、体を冷やしたうえで、軽症の熱けいれんは塩分を含んだ飲み物や食べ物を摂取することで改善すると説明しています[1]。日本救急医学会のガイドラインも、熱中症では水分だけでなくナトリウムの喪失があるため、水分補給に加えた適切な電解質の補給が重要であり、世界保健機関(WHO)も脱水時のORS(経口補水液)使用を推奨していると述べています[2]。
| 手順 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| ①避難 | 日陰やエアコンの効いた室内など、涼しい場所へすぐ移動する | 作業・運動は中断する[1] |
| ②冷却 | 衣服をゆるめ、うちわや保冷剤などで体を冷やす | けいれんしている筋肉を無理に動かさない |
| ③塩分・水分補給 | 0.1〜0.2%の食塩水、経口補水液、または市販のスポーツドリンクを飲む | 日本スポーツ協会は食塩水濃度の目安として100ml中0.1〜0.2gの食塩を挙げている[5] |
| ④安静・見守り | 誰かがそばに付き添い、症状の変化を見守る | 1人にしない[1] |
出典:環境省の熱中症対策ガイドライン的資料「熱中症環境保健マニュアル」[1]/日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」[5]
0.1〜0.2%の食塩水は、水1リットルに対して食塩1〜2グラム程度が目安になります。500mlのペットボトルであれば、食塩0.5〜1グラム程度が同じ濃度に相当する計算です。日本スポーツ協会の指針資料では、運動時の水分補給として、体重減少が体重の2%以内におさまる量を目安に、0.1〜0.2%の食塩と糖質を含んだ飲料(一般的なスポーツドリンクで代用可)が効果的だとされています[5]。ただし同指針は、糖質濃度が高すぎると胃にたまりやすくなるため、糖質はおよそ4〜8%程度が望ましいとも説明しています[5]。自宅や現場に計量スプーンがない場合は、指先でひとつまみ程度からではなく、できるだけ計量して作るほうが濃度のばらつきを防げます。濃すぎる食塩水はかえって飲みにくく、吐き気の原因にもなり得るため、目安の範囲を守ることが大切です。
国際的な資料でも考え方は共通しています。米国国立衛生研究所(NIH)の研究解説(StatPearls)によれば、熱けいれん(heat cramps)への対応は、運動や作業をいったん中止して経口補水を行い、安静とマッサージまたは軽いストレッチが有効とされる一方、薬剤(ジアゼパム、マグネシウム、カルシウムなど)による治療は効果的でないとされています[6]。塩分と水分を体に補い、けいれんしている筋肉を休ませることが、洋の東西を問わない基本対応だといえます。
すぐに119番・受診が必要なサイン(受診の目安)
- 環境省の指針が示す基準:意識がおかしい、応答が鈍い、または意識がない[1]
- 同指針が示す基準:自分で水分や塩分を摂ることができない[1]
- 同指針が示す基準:涼しい場所での安静・水分塩分補給を行っても症状が改善しない[1]
- 日本救急医学会の分類で頭痛・嘔吐・強い倦怠感などⅡ度(中等症)以上の症状が出ている[2]
- 高体温、発汗が止まっている、けいれんが全身に広がっている(Ⅲ・Ⅳ度の可能性)[1][2]
環境省の指針(熱中症環境保健マニュアル)は、「意識がない」場合はすべてⅢ度(重症)に分類し、絶対に見逃さないことが重要だと強調しています[1]。少しでも判断に迷う場合は119番通報をためらわないでください。搬送や応急処置の際は、必ず誰かが付き添うことも環境省の指針が繰り返し呼びかけている点です[1]。
労働現場での熱けいれん予防 — WBGTと作業管理
屋外労働者は熱けいれんを含む熱中症のリスクが高い代表的なグループです。環境省の指針「熱中症環境保健マニュアル」(労働環境編)は、職場で熱中症が生じやすい要因として、炉や高温物体があること、周囲のペースに合わせなければならないこと、身体を動かす時間が長いこと、体調に合わせて休憩しにくいことを挙げています[9]。同指針によれば、労働災害における熱中症の死傷者の発生時刻は、体温が上昇しやすい午後14〜16時に大きなピークがあり、業種別では建設業がもっとも多く、次いで製造業が多いとされています[9]。年齢階級別に見ると、労働者1,000人あたりの死傷者数の割合は年齢とともに大きくなる傾向があり、65歳以上は25〜29歳の2倍以上である一方、19歳以下の若年労働者も非常に多いと同指針は報告しています[9]。
厚生労働省の指針は、令和7年(2025年)6月1日施行の改正労働安全衛生規則により、職場における熱中症対策を強化しました[4]。同規則の指針では、WBGT(暑さ指数)が28度以上、または気温が31度以上の環境で、連続1時間以上、あるいは1日4時間を超える作業が見込まれる場合、事業者に一定の措置が義務づけられています[4]。
ここでいうWBGTとは、厚生労働省の職場のあんぜんサイトの用語解説によれば、1954年にアメリカで開発された暑さ指数(Wet Bulb Globe Temperature)で、厚労省の指針によれば通風のない状態で測定する乾球温度、湿度を反映する湿球温度、日差しの影響を反映する黒球温度の3つから算出される指標です[8]。厚労省の指針の同解説では、日が当たらない屋内ではWBGT値=0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度、日が当たる屋外ではWBGT値=0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×気温(乾球温度)という式で計算されるとされています[8]。単なる気温だけでなく湿度や日射の影響もあわせて評価するため、気温がそれほど高くなくても、湿度が高い日にはWBGTが上がり、熱けいれんを含む熱中症のリスクが高まることがある点に、厚労省の指針は注意を促しています。
| 義務の項目 | 内容 |
|---|---|
| ①体制整備 | 熱中症の自覚症状がある作業者、または熱中症のおそれがある作業者を見つけた者が報告するための体制(連絡先・担当者)を事業場ごとに定める[4] |
| ②手順作成 | 作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じて医師の診察・処置を受けさせることなど、重篤化を防ぐための実施手順を定める[4] |
| ③周知 | 緊急連絡網や緊急搬送先の連絡先・所在地を含め、定めた体制・手順を関係作業者に周知する[4] |
出典:厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」(令和7年6月1日施行)[4]
この規則が対象とするWBGT28度・気温31度という基準そのものは、熱けいれんだけでなく熱疲労・熱射病を含む熱中症全体の予防を目的にしたものですが、屋外労働者に多い熱けいれんの発生条件(暑熱環境+長時間作業+大量発汗)とも重なっています。厚生労働省の指針は、職場での熱中症予防対策を「環境管理」「作業管理」「健康管理」の3つに整理しています[7]。
| 管理区分 | 具体的な内容 |
|---|---|
| ①環境管理 | 作業場所周辺への冷房設備の設置、作業場所の近くへの適切な休憩場所の確保、十分な通風・冷却のための設備の整備[7] |
| ②作業管理 | 作業時間の短縮、作業強度の軽減、作業場所の変更[7] |
| ③健康管理 | 熱中症の発症・予防方法・応急処置の方法や症状についての教育訓練[7] |
出典:厚生労働省の指針「職場における熱中症の予防について」[7]
同指針によれば、WBGT値が基準を超える作業場では、日よけや冷房設備の設置、通風・冷却のための施設の整備、休憩場所の確保が求められます[7]。作業現場では、これらの環境整備に加えて、休憩時間ごとの塩分を含む飲料の準備が、熱けいれんを含む労働災害としての熱中症予防に直結します。
スポーツ活動での熱けいれん予防 — 日本スポーツ協会の指針
部活動やスポーツの現場でも、熱けいれんは選手にとって身近なリスクです。日本スポーツ協会が発行するガイドライン相当の資料「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」は、運動時の適切な水分補給量について、体重減少が体重の2%以内におさまることを目安とし、飲料の中身は0.1〜0.2%の食塩と糖質を含んだものが効果的で、一般のスポーツドリンクが利用できるとしています[5]。
同ガイドブック(指針)はまた、身体冷却の方法として、伝導や対流による非蒸発性熱放散のしくみを利用する外部冷却(アイスタオル、アイスパック、クーリングベスト、手掌冷却など)と、皮膚や筋肉の温度を大きく低下させることなく体の内部(核心部)を冷却できることが特徴の内部冷却を紹介しています[5]。内部冷却の方法としては、氷と飲料水を混ぜたシャーベット状の「アイススラリー」の摂取が近年注目されており、日本スポーツ協会の指針によれば、スポーツ飲料でアイススラリーを作成した場合は、身体冷却に加え水分・電解質・糖質も同時に補給できる効果的な方法だとされています[5]。
日本救急医学会のガイドラインも、繰り返し暑さにさらされることで熱耐性を高める「暑熱順化」について取り上げ、暑熱順化アプローチが熱中症の発症率・入院率・死亡率の低下につながる可能性を示唆する報告を紹介しています[2]。同ガイドラインによれば、暑熱順化アプローチを実施する場合の期間は7〜14日程度とする研究が多いものの、確立した期間・方法が定まっているわけではなく、暑熱順化の有用性を示すエビデンスの強さは全体として弱いとも慎重に補足しています[2]。つまり「本格的に暑くなる前から少しずつ暑さに慣れておく」という考え方自体は支持されていますが、具体的なプログラムを一律に決められるほど研究が固まっているわけではないという段階です。
練習や試合前から、こまめな水分・塩分補給と適度な休憩を計画に組み込むことが、熱けいれんを含む熱中症全般の予防につながります。
経口補水液・スポーツドリンク・食塩水、何を選べばよいか
「塩分と水分を補給する」といっても、実際に何を飲めばよいか迷う人は多いはずです。コンビニやドラッグストアには、経口補水液、スポーツドリンク、麦茶、ミネラルウォーターなど多くの選択肢があり、どれを選んでも同じというわけではありません。ここまでに紹介した資料を整理すると、目的や状況によって適した飲み物が異なることがわかります。
| 飲料の種類 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 0.1〜0.2%食塩水 | 水1リットルに食塩1〜2g程度。安価で作りやすい[5] | 手元にスポーツドリンクがないときの応急処置[1] |
| 経口補水液(ORS) | WHOが組成表を公表するなど、塩分と糖分の配合が調整されている[2] | 脱水症状が疑われるとき、医療現場・災害現場でも活用[2] |
| スポーツドリンク | 0.1〜0.2%の食塩と糖質(4〜8%程度が目安)を含む一般的な製品[5] | 運動中のこまめな水分・塩分・エネルギー補給[5] |
出典:環境省の熱中症対策ガイドライン的資料「熱中症環境保健マニュアル」[1]/日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」[2]/日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」[5]
日本救急医学会のガイドラインは、いずれのORSが有効かについては十分な研究成果が得られておらず、今後の研究課題であるとも述べています[2]。同ガイドラインが紹介する研究では、天然水だけを飲むよりもORSを摂取したほうが、暑熱環境下での運動後の筋けいれんが起こりにくかったという報告もあります[2]。特定の商品にこだわるよりも、「水だけで済ませない」という原則を守ることが、この症状の予防の実践面ではもっとも重要だといえます。応急処置の場面では、まず手元にあるものを使うのが現実的です。スポーツドリンクや経口補水液が手元にあればそれを、なければ0.1〜0.2%の食塩水を作って飲む、というように、状況に応じて選べるようにしておくとよいでしょう。
高齢者・屋外労働者・スポーツ選手 — リスクが高いのは誰か
総務省消防庁がまとめた調査報告によると、2025年5〜9月に熱中症で救急搬送された人のうち、65歳以上の高齢者が5万7433人と最多で、全体の57.1%を占めています[3]。搬送直後に死亡が確認された人は117人にのぼりました[3]。高齢者は、暑さやのどの渇きを感じにくくなることに加え、体内の水分量そのものが若年層より少ない傾向があり、汗による塩分・水分の喪失が熱けいれんを含む熱中症全般につながりやすいと考えられます。NIHの研究解説(StatPearls)も、高齢者・屋外労働者・スポーツ選手を、熱中症全般のリスクが高い集団の代表例として位置づけています[6]。
屋外労働者については、前述のとおり厚生労働省の指針が2025年6月から職場での熱中症対策を法令で強化しており、暑熱環境での連続作業がリスク要因として明確に位置づけられています[4]。建設業や農作業、警備、配送など屋外での身体活動を伴う職種では、休憩と水分・塩分補給の計画がとりわけ重要になります。
スポーツ選手、とくに夏季に屋外で活動する部活動の生徒や陸上・サッカーなどの選手も、大量の発汗と長時間の運動が重なりやすいグループです。日本スポーツ協会の指針が示す0.1〜0.2%の食塩水や電解質を含む飲料での補給は、こうした選手にとって熱けいれん予防の基本になります[5]。年齢や職業を問わず共通しているのは、「暑熱環境+大量発汗+水分だけの補給」という3条件がそろったときにこの症状が起こりやすいという構造です。
逆にいえば、この3条件のうちどれか1つでも崩せれば、けいれん予防につながります。暑熱環境そのものを避けられないなら発汗量を管理する、発汗量が多いなら塩分補給を増やす、というように、自分がどの条件に当てはまりやすいかを把握しておくことが、高齢者・屋外労働者・スポーツ選手のいずれにとっても現実的な対策になります。持病があり水分・塩分の制限を医師から指示されている場合は、自己判断で塩分摂取量を増やす前に、必ずかかりつけ医に相談してください。
日本と海外、熱けいれんの考え方はどう違うのか
日本救急医学会の重症度分類は、熱中症をⅠ度からⅣ度まで段階的に分類し、熱けいれんをⅠ度に位置づけるという特徴があります[2]。一方、米国国立衛生研究所(NIH)の研究解説(StatPearls)では、熱けいれん(heat cramps)は、大きな筋肉群に起こる不随意のけいれん性収縮で、ナトリウム・カリウム・塩素・マグネシウムなどの相対的な欠乏によって生じるとされ、熱疲労(heat exhaustion)や熱射病(heat stroke)とは並列の、別個の熱関連疾患として、同研究解説は説明しています[6]。
| 項目 | 日本(日本救急医学会) | 米国(NIH/StatPearls) |
|---|---|---|
| 分類の考え方 | Ⅰ〜Ⅳ度の段階的な重症度分類。熱けいれんはⅠ度に含まれる[2] | 熱けいれん・熱疲労・熱射病を並列の別疾患として区分[6] |
| 熱けいれんの主因 | 発汗によるナトリウム喪失と水のみ補給による塩分濃度低下[1] | ナトリウム・カリウム・塩素・マグネシウムなどの相対的欠乏[6] |
| 応急処置 | 涼所安静・体表冷却・経口的な水分とナトリウム補給[2] | 運動中止と経口補水、安静、マッサージ・軽いストレッチ[6] |
| 薬物治療 | 個別の薬物療法よりも電解質補正を重視[2] | ジアゼパム・マグネシウム・カルシウムなどの薬剤は効果的でないと明記[6] |
出典:日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」[2]/NIH・NCBI Bookshelf StatPearls「Heat Illness」[6]
日本救急医学会のガイドラインは、日本の重症度分類のほかにも、世界的には2002年のNew England Journal of Medicineで示された「Bouchama基準」が国際的に広く使われていると紹介しています[2]。Bouchama基準では、軽症群を「Heat exhaustion(熱疲労)」、重症群を「Heat stroke(熱射病)」と呼び、重症の定義は深部体温40℃以上・中枢神経障害・暑熱環境への曝露としている一方、日本救急医学会のⅢ度(2015年版)は、軽い意識障害だけの例から多臓器不全を伴う致死的な状態まで幅広く含む点が異なると同ガイドラインは説明しています[2]。このため2024年のガイドラインでは、Ⅲ度のなかでもとくに深部体温40.0℃以上かつ意識レベルが低いもの(GCS8以下)を新たに「Ⅳ度」として区別し、迅速な積極的冷却(Active Cooling)を含む集学的治療の必要性を明確にしました[2]。同ガイドラインは、2023年の全国の熱中症による搬送者数が91,467人に上り、死亡者数も毎年1,000人を超える状況が続いていることを、この見直しの背景として挙げています[2]。前述のとおり2025年5〜9月の搬送者数はさらに増えて10万510人(過去最多)となっており[3]、熱けいれんのような軽症段階で早期に気づき対応することの重要性は、年々高まっているといえます。
興味深いのは、分類の枠組みは違っても、対応の中身——涼しい場所での安静、水分と塩分(電解質)の補給、けいれんした筋肉を休ませること——は日米でほぼ共通している点です。日本救急医学会のガイドラインが重視する「Ⅰ度=現場対応可能」という位置づけと、NIHの資料が示す「運動中止+経口補水+安静」という対応は、実質的に同じ方向を指しています[2][6]。日本救急医学会のガイドラインはさらに、世界保健機関(WHO)がナトリウムとブドウ糖の濃度を調整したORSの使用を推奨し、組成表も公表していることを紹介しており、国内の応急処置の考え方が国際的な枠組みとも整合していることがわかります[2]。読者にとって実務的に重要なのは、分類名の違い(Ⅰ度と呼ぶかheat crampsと呼ぶか)そのものではなく、「意識がはっきりしていて筋肉のけいれんだけなら現場対応、少しでも意識がおかしければ医療機関へ」という判断の軸が、日本救急医学会のガイドラインとNIHの研究解説の両方で一貫している点です[2][6]。
日常生活での予防習慣 — 暑さ指数を確認する習慣をつける
労働現場やスポーツ現場だけでなく、日常生活のなかでも熱けいれんを予防する工夫は可能です。環境省の指針が公開する熱中症予防情報サイトは、暑さ指数(WBGT)や熱中症警戒アラートなどの情報を提供しており、外出や作業の前にその日の暑さ指数を確認する習慣をつけることが、熱けいれんを含む熱中症全般の予防の第一歩になります[1]。前述のとおり厚労省の指針によればWBGTは気温だけでなく湿度・日射の影響も反映した指標であるため、体感の「暑い・涼しい」だけに頼らず、数値で確認することが役立ちます[8]。
そのうえで、環境省・日本スポーツ協会の指針をもとに整理した、次のような基本的な習慣が熱けいれんの予防につながります。
- 暑い日の外出・作業・運動の前後に、水分だけでなく塩分を含む飲料を用意しておく[1][5]
- 屋外での活動を計画するときは、気温が上がりやすい昼過ぎから夕方にかけての時間帯を避けるか、休憩を増やす
- 高齢の家族と同居している場合は、のどの渇きを感じにくい可能性を踏まえ、時間を決めてこまめな水分・塩分補給を声かけする
- 通気性のよい衣服を選び、屋内でも冷房や換気を活用して暑熱環境そのものを避ける
環境省の指針が繰り返し強調しているのは、熱けいれんも含めた熱中症の初期サインに気づいた時点で、涼しい場所へ移動し、水分と塩分を補給するという基本行動を「早く」取ることの重要性です[1]。重症化してから対応するよりも、Ⅰ度の段階で気づいて対処するほうが、はるかに負担が少なくて済みます。
家庭内でも、高齢の家族が「足がつった」と訴えたときに、それを単なる加齢によるものと決めつけず、その日の気温や活動内容、水分・塩分の摂り方を一度振り返ってみることが役立ちます。とくに気温や湿度が高い日が続く時期は、普段こむら返りを起こさない人でも熱けいれんを起こすことがあるため、家族全員で暑さ指数を意識する習慣が予防につながります。
| 適用時期 | 年収の目安 | 計算式 | 100万円の場合 |
|---|---|---|---|
| ~2026年7月診療分 現行 | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 87,430円 |
| 2026年8月診療分から 見直し後(第1段階) | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 85,800円+1%(PDF原文の表記) | 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small> |
| + 年間上限 53万円(新設) | |||
※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は
厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF)
|JHO確認日:2026-07-16
受診時に持っていくと役立つチェックリスト(印刷して使えます)
- いつ・どこで症状が出たか(屋外作業中/部活動中/屋内など)、そのときのおおよその気温・湿度
- けいれんした部位(ふくらはぎ・太もも・腹筋など)と持続時間、片側だけか両側か
- 症状が出る前にどれくらい汗をかき、何をどれだけ飲んでいたか(水のみか、塩分を含む飲料か)
- 意識の状態(はっきりしていたか、少しでもおかしいと感じたか)
- 応急処置として何をしたか(涼所への移動・冷却・塩分補給など)と、それでどう変化したか
- 同じような症状を過去にも繰り返しているか、持病や服用中の薬があるか
- 医師に聞きたいこと:応急処置で改善しない場合の次の一手、繰り返す場合の受診科
熱けいれんの起こりやすさには、体質や普段の運動習慣、暑熱順化(暑さに体を慣らす過程)の程度による個人差があるとされていますが、どの程度の差が生じるかを一律の数値で示せるほど単純ではなく、今回参照した一次資料にも個人ごとの倍率のような記載は見当たりませんでした。また、経口補水液の種類ごとの効果の違いについても、日本救急医学会のガイドラインは、どのORSが有用かを比較検討した研究は十分でなく、今後の研究課題であるとしています[2]。今回は、複数の情報源で見解が割れる細かな点にまで踏み込むのではなく、環境省・日本救急医学会・厚生労働省・日本スポーツ協会・NIHが共通して示している仕組みと対応にしぼって解説しました。市販の経口補水液やスポーツドリンクの商品ごとの優劣についても、一次資料で明確に比較されているわけではないため、特定の商品名を挙げた優劣の判断はこの記事では行っていません。内容は今後のガイドライン改定にあわせて見直します。
よくある質問
熱けいれんと、寝ているときに起こる普通のこむら返りは何が違うのですか?
熱けいれんは何科を受診すればよいですか?
高齢者はなぜ熱けいれんを含む熱中症になりやすいのですか?
職場での熱けいれん・熱中症予防について、会社に義務はありますか?
熱けいれんを繰り返す場合、何か薬を飲めば予防できますか?
糖尿病や高血圧など持病がある人は、塩分補給を増やしても大丈夫ですか?
子どもの部活動でも、この記事の応急処置は同じように使えますか?
参考文献
- 環境省熱中症予防情報サイト「熱中症環境保健マニュアル」Ⅱ.熱中症になったときには(コラム「熱けいれん」と「熱失神」を含む) https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_2-1.pdf
- 日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」2024 https://www.jaam.jp/info/2024/files/20240725_2024.pdf
- 総務省消防庁 調査報告資料「令和7年(5月〜9月)の熱中症による救急搬送状況」2025 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01shoubo01_02001124.html
- 厚生労働省 山口労働局「職場における熱中症予防対策」(令和7年6月1日施行 改正労働安全衛生規則) https://jsite.mhlw.go.jp/yamaguchi-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/nettyuusyouyobou.html
- 日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」リーフレット(2020年7月改訂版) https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/supoken/doc/heatstroke/heatstroke_leaflet202007.PDF
- NIH・National Library of Medicine, NCBI Bookshelf「StatPearls: Heat Illness」https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK553117/
- 厚生労働省「職場における熱中症の予防について」https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei33/
- 厚生労働省 職場のあんぜんサイト「暑さ指数(WBGT値)」用語解説 https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo89_1.html
- 環境省熱中症予防情報サイト「熱中症環境保健マニュアル」5.労働環境での注意事項(職場における熱中症の特徴) https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_3-5.pdf
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医療情報に関する重要なお知らせ
本記事はAI技術を活用し、厚生労働省・WHO等の公的医療機関の情報に基づいて作成されています。医療専門家による個別の監修は受けておりません。健康上の判断や治療については、必ず医師にご相談ください。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。
