男性に多い心理的障害 | その特徴と対策
精神・心理疾患

男性に多い心理的障害 | その特徴と対策

現代の日本社会において、男性のメンタルヘルスは、個人の問題だけでなく、社会全体の重要な課題として浮上しています。しかし、「男は強くあるべきだ」という根強い社会的プレッシャーや、精神的な不調を口にすることへの抵抗感から、多くの男性が一人で苦しみを抱え込んでいます。この記事では、日本人男性が直面しやすい心理的障害(うつ病、不安障害、PTSD、LOH症候群など)について、その特有のサインや原因を深く掘り下げます。さらに、科学的根拠に基づいた最新の治療法から、日常生活で実践できるセルフケア、そしていざという時に頼れる日本国内の具体的な相談窓口まで、包括的かつ詳細に解説します。本記事は、ご自身の不調に悩む男性はもちろん、その家族、パートナー、友人、そして企業の担当者など、大切な人の力になりたいと願うすべての方々にとって、確かな知識と次の一歩を踏み出すための具体的な指針を提供することを目的としています。

要点まとめ

  • 日本人男性は、社会的・文化的圧力から自身の精神的な不調を認めにくく、自殺率の高さなど深刻な状況にあります。特に中高年層のリスクが顕著です1
  • 男性のうつ病は、典型的な悲しみだけでなく、怒り、イライラ、身体の痛み、仕事やアルコールへの依存といった特有のサインで現れることがあります2, 3。これらのサインを見逃さないことが早期発見の鍵となります。
  • 40代以降の男性では、男性ホルモン(テストステロン)の低下によるLOH症候群(男性更年期障害)が、うつ病に似た精神症状を引き起こす可能性があります4, 5。適切な診断のためには血液検査が重要です。
  • 対策には、認知行動療法などの心理療法、医師の指導による薬物療法、そしてLOH症候群に対するホルモン補充療法など、原因に応じた多様な選択肢が存在します5, 6, 7
  • 日本国内には、精神保健福祉センター、いのちの電話、オンラインカウンセリングなど、匿名で利用できるものも含め、多様な公的・民間の相談窓口が存在します8, 9。一人で抱え込まず、早期に専門家の助けを求めることが回復への最も確実な道です。

はじめに:なぜ今、日本人男性のメンタルヘルスが社会全体の課題なのか?

1.1. 日本人男性を取り巻く厳しい現実:統計データが示すSOS

日本人男性のメンタルヘルスが危機的な状況にあることは、公式な統計データによって裏付けられています。厚生労働省が警察庁のデータを基に発表した「令和4年における自殺の状況」によると、2022年の日本の自殺者総数は21,881人であり、そのうち男性は14,746人と全体の約3分の2を占め、前年から807人増加しています1。これは女性の自殺者数の2倍以上であり、特に働き盛りである50代(2,848人)、40代(2,611人)、そして20代(2,341人)の男性で深刻な状況が続いています1, 10。自殺の原因・動機として最も多いのは「健康問題」であり、その中にはうつ病などの精神疾患が大きな割合を占めていると推測されます。次いで「経済・生活問題」「勤務問題」が続いており1、これらの複合的な要因が男性を追い詰めている多面的な構造が浮き彫りになります。

1.2. 「男は強くあるべき」という見えない圧力:社会的・文化的背景

統計が示す厳しい数字の背景には、日本社会に根強く残る「男らしさ」という無言の規範が存在します。「男は感情を表に出すべきではない」「弱音を吐くべきではない」「一家の大黒柱として経済的責任を全うすべきだ」といった伝統的な価値観は、多くの男性にとって重圧となっています11, 12。世界経済フォーラムの記事でも指摘されているように、こうした社会的期待は、男性が自身の心の不調を認識し、他者に助けを求める行為を著しく困難にしています11。精神的な苦痛を「弱さ」や「甘え」と捉えてしまうことで、発見や治療が遅れ、症状を深刻化させる悪循環に陥りやすいのです。この「男らしさの呪縛」こそが、男性のメンタルヘルス問題を見えにくくし、対策を難しくしている根本的な要因の一つと言えるでしょう。

1.3. この記事の目的と対象読者:あなたと、あなたの大切な人のために

本記事は、このような困難な状況にある日本人男性、そしてその周囲の人々に向けて、信頼できる情報と具体的な行動指針を提供することを目的としています。ご自身の気分の落ち込み、原因不明の体調不良、過度なストレスに悩んでいる男性ご自身はもちろんのこと、パートナーや家族、友人、職場の同僚の様子がいつもと違うと感じ、心を痛めている方々にもぜひお読みいただきたい内容です。さらに、従業員の健康を守る責務を持つ企業の経営者や人事担当者、そしてすでに支援に携わっている医療・福祉関係者にとっても、知識を深め、実践に役立つ情報源となることを目指しています。心理的障害の正しい知識を広め、早期発見と適切な対処法を提示し、そして回復への道を照らす一助となること、それが私たちの願いです。

第1部:男性のメンタルヘルス問題が見過ごされやすい背景

2.1. 社会的・文化的要因:なぜ男性はSOSを出しにくいのか?

男性が精神的な助けを求めることをためらう背景には、前述の「男らしさ」の規範が深く関わっています11, 13。感情、特に悲しみや不安といった「弱い」とされる感情を表現することは、男性らしさに反すると考えられがちです。その結果、多くの男性は自身の苦痛を内面に押し殺し、誰にも相談できずに孤立を深めていきます。また、精神疾患に対して「意志が弱いからだ」「気合が足りない」といったスティグマ(偏見)が社会に依然として存在することも、受診への高いハードルとなっています12。この文化的圧力は、男性が自身の問題を過小評価し、専門的な支援から遠ざかってしまう大きな要因です。

2.2. 仕事上の重圧と経済的責任

職場における役割期待も、男性のメンタルヘルスに大きな影響を与えます。長時間労働、厳しいノルマ、成果主義のプレッシャー、昇進に伴う責任の増大などは、心身をすり減らす大きなストレス要因です14, 15。特に、部下の管理と自身の業務を両立させなければならない管理職やプレイングマネージャーの負担は計り知れません16。さらに、非正規雇用の増加や経済の先行き不透明感が高まる中で、失業やキャリアへの不安、そして「家族を養わなければならない」という経済的責任感が、重くのしかかります。これらのプレッシャーが持続することで、心は徐々に疲弊していくのです11

2.3. コミュニケーションと孤立の問題

多くの男性は、特に職場以外での人間関係が希薄になりがちで、本音を打ち明けられる友人が少ない傾向にあります。世界経済フォーラムも、社会的孤立が男性のメンタルヘルスに与える深刻な影響を指摘しています11。仕事中心の生活を送る中で、地域社会とのつながりが薄れ、定年退職後や離婚、死別などをきっかけに、急激な孤独感に苛まれるケースは少なくありません。悩みを共有できる相手がいないという状況は、ストレスを内向させ、問題をより深刻なものへと発展させる危険性をはらんでいます。

2.4. メンタルヘルスに関する知識不足と誤解

精神疾患の症状や治療法に関する正しい知識の不足も、男性が助けを求めるのを遅らせる一因です。例えば、気分の落ち込みだけでなく、原因不明の頭痛、めまい、倦怠感、胃腸の不調といった身体的な症状が、うつ病や不安障害のサインであることへの認識はまだ十分ではありません2, 4。多くの人は、まず内科などを受診し、検査で異常が見つからないことで「気のせいだ」と思い込んでしまうことがあります。精神科や心療内科への受診に対する漠然とした不安や偏見も、適切な治療へのアクセスを妨げる壁となっています。

第2部:男性に多く見られる代表的な心理的障害とその特徴

3.1. うつ病 (Major Depressive Disorder)

3.1.1. うつ病とは?:基本的な理解

うつ病は、単なる一時的な気分の落ち込みや「憂鬱な気分」とは一線を画す、治療が必要な「病気」です2。世界保健機関(WHO)によると、持続的な悲しみ、興味や喜びの著しい喪失を主症状とします。これらの症状が脳の機能不全によって引き起こされ、意欲や思考力、集中力の低下を招き、日常生活や社会生活に深刻な支障をきたす状態です17。意志の力だけで回復することは困難であり、適切な休息と専門的な治療が不可欠です。

3.1.2. 男性におけるうつ病の特有な症状・サイン

男性のうつ病は、女性に見られる典型的な「悲しみ」や「涙もろさ」とは異なる形で現れることが少なくありません。そのため、本人も周囲も気づきにくいという特徴があります3, 12。見逃してはならない男性特有のサインには、以下のようなものがあります2, 4

  • 感情・行動の変化: イライラ感、怒りっぽさ、攻撃的な言動、落ち着きのなさ、他人への批判や敵意。
  • 依存的行動: 飲酒量や喫煙量の明らかな増加、ギャンブルへの没頭、危険な運転、過度な仕事への逃避。
  • 身体的症状: 持続的な疲労感、倦怠感、原因不明の頭痛、腰痛、胃腸の不調(便秘や下痢)、めまい。
  • 認知機能の低下: 集中力や決断力の低下、物忘れが多くなる。
  • 睡眠・食欲の変化: 不眠(特に早朝覚醒)、または過眠。食欲不振、または過食による体重の変動。

周囲から見て「最近、表情が暗くなった」「仕事でのミスが増えた」「遅刻や欠勤が目立つ」といった変化も重要なサインです4

3.1.3. うつ病の原因とリスクファクター

うつ病の発症には、単一の原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。これらは大きく3つに分類できます。

  1. 生物学的要因: 脳内のセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質のバランスの乱れ、遺伝的要因などが関与するとされています。
  2. 心理的要因: 真面目で責任感が強く、完璧主義的な性格傾向を持つ人は、ストレスを溜め込みやすいと言われています。また、ストレスへの対処能力(コーピングスキル)も影響します。
  3. 社会的・環境的要因: 失業、離婚や死別といった喪失体験、経済的な困窮、職場や家庭での人間関係のトラブル、深刻な病気など、環境の大きな変化が引き金となることがあります3。特に男性では、キャリア上の挫折や退職が大きなリスクファクターとなり得ます。近年のCOVID-19パンデミックのような世界的な出来事も、経済的な混乱や社会的な孤立を通じて、うつ病のリスクを高めたと指摘されています18

3.1.4. うつ病が放置された場合のリスク

うつ病を治療せずに放置すると、症状が慢性化・重症化し、社会生活を送ることが困難になるだけでなく、他の深刻な問題を引き起こす可能性があります。集中力や判断力の低下は、仕事上の重大なミスや交通事故の原因にもなり得ます。また、高血圧や糖尿病といった身体疾患を併発、あるいは悪化させるリスクも高まることが、世界精神保健調査などによって示されています19。そして、最も深刻なリスクは自殺です。うつ病は自殺の最大の危険因子であり、特に助けを求めるのが遅れがちな男性において、そのリスクは極めて高いと言わざるを得ません1, 11

3.2. 不安障害 (Anxiety Disorders)

3.2.1. 不安障害とは?:多様な病態

不安障害は、日常生活に支障をきたすほどの過剰な不安や恐怖が、長期間にわたって持続する状態の総称です20。単なる「心配性」とは異なり、脳機能の不調が関わっていると考えられています。不安障害にはいくつかの種類があります。

  • パニック障害: 突然、激しい動悸、息苦しさ、めまいなどに襲われる「パニック発作」を繰り返します。
  • 社交不安障害: 人前で話したり、注目を浴びたりする状況に強い恐怖を感じ、そうした場面を避けるようになります。
  • 全般性不安障害: 特定の対象がなく、仕事、健康、家庭など、様々な事柄に対して過剰でコントロール困難な心配が続きます。

3.2.2. 男性における不安障害の現れ方

男性の場合、不安や恐怖といった感情を「弱さ」と捉え、他人に打ち明けたり認めたりすることが難しい傾向にあります。そのため、精神的な苦痛よりも、動悸、呼吸困難、めまい、吐き気、腹痛といった身体症状が前面に出ることが少なくありません。本人は精神的な問題だと気づかず、心臓や呼吸器の病気を疑って内科などを受診するケースも多く見られます。

3.2.3. 不安障害とうつ病の併存

不安障害とうつ病は、非常に併存しやすいことが知られています。世界精神保健調査によると、うつ病を持つ人の多くが何らかの不安障害を併発しており、その逆もまた同様です19。特に男性では、不安をごまかすためにアルコールに頼り、結果としてうつ状態が悪化するという悪循環に陥ることもあります。どちらか一方の症状しか見えていない場合でも、背景に別の問題が隠れている可能性を念頭に置き、早期に専門家へ相談することが重要です。

3.3. 心的外傷後ストレス障害 (PTSD)

3.3.1. PTSDとは?:トラウマ体験後の深刻な影響

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、生命の危機を感じたり、心に深い傷を残したりするような強烈な体験(トラウマ)の後に発症する可能性のある精神疾患です21。原因となる体験には、自然災害、交通事故、暴力、虐待、戦闘体験などがあります。主な症状には以下のようなものがあります。

  • 再体験(フラッシュバック): トラウマ体験を意図せず繰り返し思い出したり、悪夢に見たりします。
  • 回避: トラウマを思い出させる場所、人、状況を無意識に避けるようになります。
  • 過覚醒: 常に神経が張り詰め、過剰に警戒したり、些細なことで驚いたり、不眠やイライラが続きます。

3.3.2. 男性とPTSD:見過ごされやすい「強さ」の裏の苦しみ

男性は、警察官、消防士、自衛官といった危険にさらされる機会の多い職業に従事する割合が高く、トラウマ体験のリスクも高いと言えます。また、事件や事故、DVの被害者となる男性も少なくありません。しかし、「強いはずの自分がトラウマに苦しんでいる」という事実を認めたがらず、症状を他人に話すことを躊躇する傾向があります21。その苦痛を紛らわすために、アルコールや薬物に依存したり、仕事に過剰に没頭したりすることで、問題をさらに複雑化させてしまうケースが見られます。

3.4. 双極性障害 (Bipolar Disorder)

3.4.1. 双極性障害とは?:躁とうつの極端な波

双極性障害は、気分が異常に高揚し、エネルギッシュになる「躁状態」と、意欲が低下し、憂うつになる「抑うつ状態」という両極端な状態を繰り返す脳の病気です。単なる気分の波とは異なり、その振れ幅が極端に大きく、本人の意思でコントロールすることはできません。人間関係や社会的信用、財産を失うなど、人生に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

3.4.2. 男性における双極性障害の特徴と診断の難しさ

男性の場合、躁状態の時に見られる多弁さ、活動性の亢進、自信過剰な態度などが、「活気がある」「仕事ができる」「ユニークな性格」といったポジティブな評価で誤解され、病気のサインとして見過ごされることがあります。また、躁状態の時にアルコールや薬物の問題、あるいは衝動的な行動を起こしやすく、それが双極性障害の症状であるとは気づかれずに、単なる「素行の問題」として扱われてしまうことも少なくありません。抑うつ状態になって初めて受診し、うつ病と診断され、適切な治療に繋がるまで時間がかかるケースも多いのが現状です。

3.5. 物質使用障害(薬物・アルコール依存症)

3.5.1. 物質使用障害とは?:コントロールを失った状態

物質使用障害とは、アルコールや違法薬物、処方薬などの精神に作用する物質の使用が、自分の意思でコントロールできなくなり、心身の健康や社会生活に重大な問題が生じているにもかかわらず、使用をやめられない状態を指します22。これは「依存症」という脳の病気であり、意志の弱さが原因ではありません。

3.5.2. 男性と物質使用障害:背景にある心理と社会的要因

一般的に、男性は女性よりも物質使用障害の有病率が高い傾向にあります。その背景には、ストレスへの対処法としてアルコールなどに頼りやすいこと、仲間からの誘いや圧力、そしてうつ病や不安障害といった他の精神疾患との併存が挙げられます。薬物依存研究の第一人者である国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦医師は、薬物乱用が孤立感やストレスからの一次的な逃避として始まりやすい一方で、一度依存症に至ると他の精神疾患を誘発・悪化させるリスクを指摘しています23, 24。特にアルコールは社会的に容認されやすい文化があるため、問題が深刻化するまで本人も周囲も気づきにくいという危険性があります。

3.5.3. 物質使用障害が他の精神疾患に与える影響

物質使用は、既存の精神疾患を悪化させるだけでなく、新たな精神疾患を引き起こす引き金にもなります。例えば、アルコールは一時的に気分を高揚させますが、その効果が切れるとより深い抑うつ状態を招きます。また、覚せい剤などの乱用は、幻覚や妄想といった統合失調症に似た症状を引き起こすことがあります25, 26。精神疾患と物質使用障害が併存すると、互いに悪影響を及ぼしあい、治療がより困難になる悪循環に陥るため、統合的な治療アプローチが不可欠です。

3.6. LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群/男性更年期障害)と精神症状

3.6.1. LOH症候群とは?:テストステロン低下が引き起こす心身の変化

LOH症候群(Late-Onset Hypogonadism)は、一般に「男性更年期障害」とも呼ばれ、加齢に伴う男性ホルモン(主にテストステロン)の低下によって、心身に様々な不調が現れる状態を指します4, 5。日本泌尿器科学会および日本Men’s Health医学会が策定したガイドラインによると、40代以降の男性に発症の可能性があり、精神心理症状、身体症状、性機能関連症状の3つの側面から症状が評価されます27, 28

3.6.2. LOH症候群による精神症状:うつ、不安、意欲低下、不眠など

LOH症候群が引き起こす精神症状は、うつ病の症状と非常によく似ているため、しばしば混同されます4。具体的には、以下のような症状が現れます。

  • 気分の落ち込み、漠然とした不安感、イライラ
  • 興味や喜びの喪失、何事にもやる気が出ない(意欲低下)
  • 集中力や記憶力の低下
  • 不眠(寝つきが悪い、夜中に目が覚める)
  • 疲労感、倦怠感

これらの症状の原因が、心理的なストレスだけでなく、テストステロンの低下という身体的な要因にある可能性を認識することが非常に重要です。国際的に用いられているAMSスコアなどの質問票は、症状を自己チェックする上で参考になります4

3.6.3. LOH症候群とうつ病の鑑別診断の重要性

症状が酷似しているため、LOH症候群がうつ病と誤診されたり、あるいはその逆のケースも少なくありません。しかし、根本的な原因が異なれば、当然、効果的な治療法も異なります4。うつ病の治療を受けても改善しない場合、背景にテストステロンの低下が隠れている可能性があります。正確な診断のためには、問診や心理検査に加え、血液検査で遊離テストステロン値を測定することが不可欠です5。うつ症状で悩む40代以降の男性は、精神科や心療内科だけでなく、泌尿器科やメンズヘルスクリニックといった選択肢も視野に入れることが、適切な治療への近道となります。

健康に関する注意事項

  • 本記事で提供される情報は、一般的な知識の提供を目的としており、個別の医学的アドバイスに代わるものではありません。自己判断で治療を開始したり、中断したりすることは絶対におやめください。
  • 2週間以上続く気分の落ち込み、意欲の低下、原因不明の体調不良、あるいは自殺を考えるほどの強い苦痛がある場合は、直ちに専門の医療機関(精神科、心療内科)や公的な相談窓口に相談してください。

第3部:男性のメンタルヘルスを守るための具体的な対策

4.1. 専門家による治療法

4.1.1. 心理療法(カウンセリング)

心理療法は、専門家との対話を通じて、自身の思考パターンや行動、感情のあり方を見つめ直し、問題解決を支援する治療法です。特に、認知行動療法(CBT)は、うつ病や不安障害に対して高い効果が科学的に証明されています7。CBTでは、出来事そのものではなく、それをどう受け止め、解釈するか(認知)が感情や行動に影響を与えると考え、非現実的で悲観的な思考パターンを、よりバランスの取れた現実的なものに変えていく手助けをします。男性が抱えやすい「弱音を吐けない」という思い込みや完璧主義的な思考を和らげる上でも有効です。
近年、日本でもオンラインカウンセリングサービスが普及しており、時間や場所の制約を受けにくく、匿名性も高いため、多忙な男性や対面での相談に抵抗がある人にとって利用しやすい選択肢となっています29, 30

4.1.2. 薬物療法

薬物療法は、精神疾患の背景にある脳内の神経伝達物質のアンバランスを調整することを目的とします。抗うつ薬(SSRI、SNRIなど)、抗不安薬、気分安定薬など、症状や診断に応じて様々な種類の薬が用いられます31, 32。これらの薬は、必ず医師の診断と処方に基づいて使用されるべきです。効果が現れるまでには数週間かかることが多く、また副作用(吐き気、眠気、口の渇きなど)が現れることもあります。特に、三環系抗うつ薬は高齢男性で排尿困難を引き起こす可能性があり、若年者へのSSRI投与は時に衝動性を高めるリスク(アクチベーション・シンドローム)も指摘されており、注意が必要です33。治療効果と副作用のバランスを見ながら、医師と緊密に連携し、最適な薬と量を見つけていくことが重要です。自己判断で服薬を中断することは、症状の再発や悪化を招くため、絶対に行わないでください。

4.1.3. LOH症候群に対する治療法

LOH症候群の治療の中心は、低下した男性ホルモンを補充するテストステロン補充療法(TRT)です5, 28。注射剤や塗り薬が用いられ、気力・意欲の向上、気分の改善、性機能の回復、筋力の増加といった効果が期待できます27, 34。ただし、前立腺がんや重度の前立腺肥大症など、この治療が適さないケースもあるため、必ず専門医による診断と管理のもとで行われます。日本では一部の治療が保険適用となっています。また、症状が比較的軽い場合には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や八味地黄丸(はちみじおうがん)といった漢方薬が用いられたり、後述する生活習慣の改善が指導されたりすることもあります。

4.2. 日常生活でできるセルフケアと予防策

4.2.1. バランスの取れた食事と十分な睡眠

心の健康は、体の健康と密接に繋がっています。脳内の神経伝達物質の生成に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取することが基本です。また、規則正しい睡眠リズムを確立することは、精神状態を安定させる上で極めて重要です4。就寝前のスマートフォンの使用を控える、毎日同じ時間に起きるなどの工夫が有効です。肥満はテストステロン値を低下させる要因となるため、適切な食事管理はLOH症候群の予防にも繋がります5

4.2.2. 定期的な運動習慣

運動は「天然の抗うつ薬」とも呼ばれ、気分を安定させ、ストレスへの耐性を高める効果があることが多くの研究で示されています19, 35。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、幸福感に関わるセロトニンやドーパミンといった脳内物質の分泌を促します。激しい運動である必要はなく、週に数回、30分程度の早歩きからでも効果が期待できます。重要なのは、無理なく続けられる運動を見つけ、習慣化することです。

4.2.3. ストレスマネジメント

ストレスを完全になくすことは不可能ですが、うまく付き合っていく方法を身につけることは可能です36。仕事や家庭から離れ、自分のためだけの時間を持つことが大切です。趣味に没頭する、音楽を聴く、自然の中で過ごすなど、自分が心からリラックスできる方法を見つけましょう。また、ストレスの原因となっている問題を紙に書き出して整理する、あるいは朝日光を浴びて体内時計をリセットする習慣をつけるといった具体的な方法も有効です36。マインドフルネス瞑想なども、ストレス軽減に効果的であることが知られています。

4.2.4. アルコールや薬物との適切な距離

ストレス解消の手段として、アルコールや薬物に頼ることは根本的な解決にはなりません。むしろ、一時的な逃避が依存を形成し、問題をさらに深刻化させるリスクをはらんでいます22。「眠れないから」と安易に睡眠薬代わりの飲酒を続けることは、睡眠の質を悪化させ、アルコール依存症への入り口となり得ます。自身の飲酒量や薬物使用について、問題があるかもしれないと感じたら、専門機関に相談することが重要です。

4.2.5. 早期のサインに気づき、変化を無視しない

「最近よく眠れない」「なんだか疲れやすい」「好きだったことが楽しめない」といった心身の「ちょっとした不調」は、心が発する重要なSOSサインかもしれません4。これらの変化を「年のせい」「仕事が忙しいから」と片付けずに、真摯に受け止めることが大切です。特に、不調が2週間以上続く場合は、専門家への相談を検討すべきサインと考えられます。早期に行動を起こす勇気が、長期的な健康を守ることに繋がります。

4.3. 職場におけるメンタルヘルス対策(企業・個人双方の視点から)

4.3.1. 企業に求められる取り組み(安全配慮義務と4つのケア)

企業には、労働契約法に基づき、従業員が心身の健康を損なうことなく働けるように配慮する「安全配慮義務」があります。厚生労働省は、職場におけるメンタルヘルス対策として「4つのケア」を推進しています15, 16

  1. セルフケア: 従業員自身がストレスに気づき、対処するための教育研修。
  2. ラインによるケア: 管理監督者(上司)が、部下の異変に早期に気づき、相談対応や職場環境の改善を行う。
  3. 事業場内産業保健スタッフ等によるケア: 産業医や保健師、人事労務部門が中心となり、対策の企画立案や専門的な相談対応を行う。
  4. 事業場外資源によるケア: 専門の医療機関やEAP(従業員支援プログラム)機関と連携し、支援体制を構築する。

ストレスチェック制度を形骸化させず、その結果を職場環境の改善に活かすことや、相談しやすい窓口を設置することが企業には求められます14。内閣府の試算によれば、従業員一人が休職した場合のコストは年間数百万円にも上り、メンタルヘルス対策は経営課題でもあるのです16

4.3.2. 働く男性自身ができる職場での対処法

過度なストレスを感じた場合、一人で抱え込まずに行動を起こすことが重要です。信頼できる上司や同僚に相談し、業務量の調整を依頼することも一つの方法です。完璧主義を少し手放し、「8割できれば十分」と考えることも、プレッシャーを和らげる上で有効です36。また、仕事とプライベートの境界線を明確にし、休息をしっかり取ることで、心身の回復を促し、ワークライフバランスを確保することが大切です。

4.3.3. 休職と職場復帰支援

心身の不調が深刻な場合は、一時的に仕事から離れて療養に専念する「休職」も重要な選択肢です。休職中は、焦らずにゆっくりと心と体を休めることが何よりも大切です。職場復帰にあたっては、主治医や産業医と相談しながら、段階的なプランを立てることが成功の鍵となります37。多くの地域では、生活リズムの再構築やコミュニケーションスキルの訓練を支援する「リワークプログラム」が提供されています38, 39。復帰後も、時短勤務や業務内容の調整など、企業側の柔軟な配慮が不可欠です40

4.4. 周囲のサポート:家族・友人・同僚ができること

4.4.1. 理解と共感:本人の気持ちに寄り添う

身近な男性が心の不調を抱えている時、周囲の人の対応は非常に重要です。最も大切なのは、本人の気持ちに寄り添い、話をじっくりと聴く姿勢です9。良かれと思って発した「頑張れ」「気の持ちようだ」といった励ましの言葉が、本人をさらに追い詰めてしまうことがあります。代わりに、「つらそうだね」「何もできなくても、そばにいるよ」「何か手伝えることはある?」といった、共感とサポートの意思を示す言葉がけが効果的です。病気や症状について正しい知識を持つことも、本人を理解し支える上で助けとなります。

4.4.2. 専門家への相談を促す際の適切な言葉かけ

受診に抵抗を感じている本人に対して、無理強いは禁物です。まずは本人の不安な気持ちを受け止めた上で、受診を提案することが大切です。「あなたのことが心配だから、一度専門家の意見を聞いてみない?」「私も一緒に病院を探すよ」「付き添うこともできるよ」など、一人ではないことを伝える言葉かけが、本人の受診へのハードルを下げることがあります9, 41。受診は決して恥ずかしいことではなく、回復への第一歩であることを伝えましょう。

4.4.3. ゲートキーパーとしての役割:自殺のサインに気づき、つなぐ

「ゲートキーパー」とは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(声をかけ、話を聴き、必要な支援につなぎ、見守る)をとることができる人のことです。身近な人が「死にたい」「消えてしまいたい」といった言葉を口にしたり、急に身辺整理を始めたり、大切なものを人に譲ったりするなどの行動は、自殺の危険性が高いサインかもしれません。このようなサインに気づいたら、決して一人で抱え込ませず、真剣に話を聴き、直ちに専門の相談窓口や医療機関へつなぐことが命を救う行動となります。松本俊彦医師も、自殺予防におけるゲートキーパーの重要性を強調しています23, 24

第4部:相談窓口と利用できる社会資源(日本国内)

5.1. 公的相談窓口

5.1.1. 精神保健福祉センター

各都道府県・政令指定都市に設置されており、精神保健福祉に関する相談を専門家(精神科医、精神保健福祉士、臨床心理士など)が受け付けています。本人だけでなく、家族からの相談も可能です。地域によっては、アルコールや薬物などの依存症に関する専門相談も行っています。全国のセンター一覧は、厚生労働省のウェブサイトなどから確認できます42

5.1.2. 保健所・市町村の相談窓口

より身近な相談先として、各地域の保健所や市町村の障害福祉担当課などがあります。保健師などによる心の健康相談や、自立支援医療などの経済的支援制度に関する情報提供を行っています8, 9

5.1.3. いのちの電話・よりそいホットラインなど(電話・SNS相談)

すぐに誰かに話を聞いてほしい時、匿名で利用できる電話やSNSの相談窓口が有効です。夜間や休日も対応している窓口が多く、緊急性の高い悩みに対応しています。厚生労働省のポータルサイト「まもろうよ こころ」では、以下の窓口などが紹介されています10, 43

  • いのちの電話: 長い歴史を持つ相談窓口。全国各地に窓口があります。
  • よりそいホットライン: 外国語にも対応しており、様々な困難を抱える人からの相談を受け付けています。
  • こころの健康相談統一ダイヤル: 全国の精神保健福祉センターに繋がる共通番号です。
  • SNS相談: 「生きづらびっと」や「こころのほっとチャット」など、LINEやチャットで相談できる窓口も増えています。

5.2. 医療機関(精神科・心療内科・泌尿器科・メンズヘルスクリニック)

専門的な診断と治療のためには、医療機関の受診が不可欠です。気分の落ち込みや不安が主な症状であれば精神科や心療内科、ストレスによる身体症状が強い場合は心療内科が適しています。40代以降でLOH症候群が疑われる場合は、泌尿器科や、男性の健康問題を専門に扱うメンズヘルスクリニックも重要な選択肢となります5。どこに相談すればよいか分からない場合は、まずかかりつけの内科医に相談し、適切な専門医を紹介してもらうのも良い方法です41

5.3. 民間のカウンセリングサービス・オンラインカウンセリング

医療機関での治療と並行して、あるいは比較的症状が軽い段階で、民間のカウンセリングを利用することも有効です。臨床心理士や公認心理師といった資格を持つ専門家が対応します。前述の通り、株式会社cotreeなどが運営するオンラインカウンセリングは、場所や時間を選ばずに利用できる利便性から、近年利用者が増えています30。自分に合ったカウンセラーを見つけることが重要です。

5.4. NPO法人などによる支援団体

同じ悩みを持つ当事者やその家族が集まる自助グループや家族会は、孤立感を和らげ、情報交換を行う貴重な場となります。また、特定の課題に特化した支援を提供するNPO法人も存在します。例えば、「コモレビ」は訪問型のメンタルケアサービスを、「encourage」はうつ病患者の家族会を運営しています7, 9。若者の自殺予防に取り組む「OVA」など、多様な支援団体があります44, 45

5.5. 利用できる可能性のある経済的支援制度

メンタルヘルスの不調で働くことが困難になった場合、経済的な不安は治療の大きな妨げとなります。日本には、状況に応じて利用できる公的な支援制度があります9

  • 傷病手当金: 健康保険の被保険者が、病気やケガで連続して3日間会社を休んだ後、4日目以降も休業した場合に支給されます。
  • 自立支援医療制度: 精神疾患の治療のために通院する際の医療費の自己負担額を軽減する制度です。
  • 失業保険(雇用保険): 離職した場合に、再就職までの生活を支えるための給付です。

これらの制度の詳細は、勤務先の人事部、健康保険組合、ハローワーク、市区町村の担当窓口などで確認できます。

よくある質問

男性のうつ病は女性とどう違いますか?

男性のうつ病では、女性に多く見られる悲しみや涙といった典型的な症状に加えて、イライラ、怒りの爆発、攻撃性、衝動的な行動(危険な運転やギャンブルなど)といった形で現れることが少なくありません2, 3, 12。また、感情的な苦痛を直接表現する代わりに、原因不明の頭痛、腰痛、疲労感といった身体的な不調を強く訴える傾向も見られます。これは、社会的に「弱音を吐くべきではない」というプレッシャーから、自身の感情を認識し表現することが困難になっていることが一因と考えられています。

LOH症候群(男性更年期障害)のセルフチェック方法はありますか?

はい、LOH症候群の症状を評価するために国際的に広く使われている「AMSスコア(Aging Males’ Symptoms score)」という質問票があります4。これは、「気分の落ち込み」「睡眠の悩み」「関節や筋肉の痛み」「性欲の低下」など17項目の質問から構成され、精神症状、身体症状、性機能関連症状を点数化するものです。インターネット上で簡単に見つけることができますが、これはあくまでスクリーニング(ふるい分け)のためのツールです。スコアが高い場合は、LOH症候群の可能性を示唆しますが、自己判断せず、必ず泌尿器科やメンズヘルスクリニックなどの専門医に相談し、血液検査によるテストステロン値の測定を含む正確な診断を受けてください。

家族がうつ病のようです。どう接すればよいですか?

ご家族の対応は、ご本人の回復に非常に大きな影響を与えます。まず最も大切なのは、焦らず、温かく見守る姿勢です9。無理に励ましたり、「頑張れ」と声をかけたりすることは、ご本人を追い詰めてしまうため避けるべきです。代わりに、「大変だったね」「つらいね」と気持ちに寄り添い、話をじっくりと聴いてあげてください。家事の分担を見直すなど、具体的な負担を減らしてあげることも助けになります。また、ご家族自身が一人で抱え込まず、精神保健福祉センターや家族会などで相談し、サポートを得ることも重要です。

薬物治療に抵抗があります。他に治療法はないのでしょうか?

薬物療法は有効な治療法の一つですが、唯一の選択肢ではありません。精神科の治療ガイドラインでも、軽症から中等症のうつ病に対しては、薬物療法と同等の効果を持つ治療法として、認知行動療法(CBT)などの心理療法が推奨されています7, 33。心理療法は、薬のように即効性はありませんが、再発予防効果が高いことが知られています。また、定期的な運動、バランスの取れた食事、規則正しい睡眠といった生活習慣の改善も、症状の緩和に大きく寄与します35。どのような治療法がご自身の状態に最も合っているか、主治医とよく相談して決定することが大切です。

メンタルヘルスの不調で休職した場合、復職が不安です。

休職後の復職には不安が伴うものです。焦りは禁物です。成功の鍵は、段階的かつ計画的に進めることです。まず、主治医、会社の産業医や人事担当者と密に連携し、復職可能かどうかの判断を仰ぎます。その上で、リワークプログラムなどを利用して、日中の活動に体を慣らし、生活リズムを整えることが非常に有効です38, 39。復職直後は、時短勤務や業務負荷の軽い仕事から始めるなど、会社側に柔軟な対応(合理的配慮)を求めることも重要です40。再発を防ぐためにも、無理のないペースで社会復帰を目指しましょう。

結論

6.1. 社会全体で取り組むべき課題:「男性も弱音を吐いていい」文化の醸成

男性のメンタルヘルス問題は、個人の意志の力だけで解決できるものではありません。これは、私たちの社会が共有する価値観や文化に深く根差した課題です。「男は強く、弱音を吐くべきではない」という古い呪縛を解き放ち、誰もが性別に関係なく、自身の弱さや苦痛を安心して表明できる社会を築いていく必要があります。そのためには、学校教育の早い段階からメンタルヘルスに関する正しい知識を教え、企業は従業員の心の健康を守る体制を強化し、メディアは精神疾患に対する偏見を助長しない責任ある報道を心掛けるなど、社会のあらゆる層での取り組みが不可欠です。

6.2. 個人としてできること:早期の気づきと行動、そして希望

社会の変革を待つだけでなく、私たち一人ひとりができることもあります。それは、自分自身の心と体の声に真摯に耳を傾け、些細な変化を見過ごさないことです。そして、もし不調を感じたら、それを「弱さ」と捉えるのではなく、専門家の助けを求める勇気を持つことです。精神的な不調は、誰にでも起こり得る自然なことであり、風邪をひいたら病院へ行くのと同じように、適切なケアを受ければ必ず回復への道は開けます。回復への道のりは一人ひとり異なりますが、希望を失わず、自分に合ったペースで一歩ずつ進んでいくことが何よりも大切です。

6.3. JAPANESEHEALTH.ORGからのメッセージ

この記事が、今まさに苦しみの渦中にいるあなたや、あなたの大切な人が、次の一歩を踏み出すための小さなきっかけとなれば幸いです。一人で抱え込まないでください。あなたを支え、助けたいと願っている人々や専門家、そして社会資源が、あなたのすぐそばに存在します。JAPANESEHEALTH.ORGは、これからも科学的根拠に基づいた信頼できる情報を提供し続け、すべての人が心身ともに健やかに生きられる社会の実現に貢献してまいります。

免責事項この記事は医学的アドバイスに代わるものではなく、症状がある場合は専門家にご相談ください。

参考文献

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  9. コモレビ. 旦那が突然うつ病に。妻のわたしに何ができるの?サポートのコツ…. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://comorebi.me/column/623/.
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