本記事は、日本泌尿器科学会の診療ガイドライン12や国内外の最新の医学研究論文、そして経験豊富な泌尿器科専門医の一般的な知見に基づき、男性の尿失禁の原因、種類、診断方法、そして最新の治療法からご自身で取り組める対策に至るまで、網羅的かつ分かりやすく解説します。読者の皆様が、尿失禁に関する正しい知識を得て、前向きな一歩を踏み出すための一助となることを目指しています。
なお、本記事で提供する情報は一般的なものであり、個々の症状や状態に応じた医学的アドバイスに代わるものではありません。具体的な診断や治療については、必ず医師にご相談ください。
要点まとめ
- 男性の尿失禁は非常にありふれた症状で、特に加齢に伴い増加します。ある調査では、日本の地域在住高齢男性の約58.3%が経験していると報告されています3。しかし、多くの男性が受診せずに一人で悩んでいるのが現状です。
- 尿失禁には、咳やくしゃみで漏れる「腹圧性」、急な尿意で漏れる「切迫性」、尿を出し切れず溢れ出る「溢流性」、身体・認知機能の低下による「機能性」など、様々な種類があります。原因も加齢、前立腺疾患(前立腺肥大症や前立腺がん治療後)、神経疾患、生活習慣など多岐にわたります。
- 治療法は原因やタイプに応じて多様です。生活習慣の改善、骨盤底筋体操、薬物療法(過活動膀胱治療薬など)、そして手術(尿道スリング手術、人工尿道括約筋埋め込み術など)といった選択肢があり、多くの場合、症状の改善が期待できます。
- 尿失禁は「歳のせい」と諦める必要はありません。悩みを一人で抱え込まず、泌尿器科などの専門医に相談することが、QOL(生活の質)を維持・向上させるための最も重要な第一歩です。
1. 男性における尿失禁(尿漏れ)とは?
尿失禁は、多くの中高年男性にとって決して他人事ではない問題です。その基本的な定義と、日本における現状を理解することから始めましょう。
1.1. 尿失禁の基本的な定義とメカニズム
尿失禁とは、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう状態を指します。これは、特定の病名ではなく、様々な原因によって引き起こされる症状の一つです。
正常な排尿のメカニズムを理解することが、尿失禁を理解する上で重要です。尿は腎臓で生成され、尿管を通って膀胱に運ばれ、一時的に貯蔵されます。膀胱に一定量の尿が溜まると、その情報が神経を通じて脳に伝わり、尿意として認識されます。排尿の際には、脳からの指令により膀胱の筋肉(排尿筋)が収縮し、同時に尿道を締めている筋肉(尿道括約筋、特に外尿道括約筋は骨盤底筋の一部)が弛緩することで、尿が尿道を通って体外へ排出されます。この一連の過程において、尿を適切に貯蔵し(蓄尿機能)、適切なタイミングで排出する(排尿機能)ためには、膀胱、尿道、これらを支配する神経(自律神経および体性神経)、そして骨盤底筋群の複雑かつ協調的な働きが不可欠です。尿失禁は、これらのいずれかの機能に障害が生じることによって発生します。例えば、膀胱が過剰に収縮しやすくなったり、尿道括約筋の締まりが悪くなったり、あるいは膀胱から尿道への神経伝達がうまくいかなくなったりすると、意図しない尿漏れが起こり得るのです。
1.2. 日本人男性における尿失禁の現状
日本は世界でも有数の高齢化社会であり、加齢に伴い増加する傾向のある尿失禁は、多くの日本人男性にとって身近な問題となっています。ある調査によれば、地域在住の日本人高齢者男性の約58.3%が何らかの尿失禁を経験しているとの報告があります3。これは、決して他人事ではない数字と言えるでしょう。
年齢との関連性も指摘されており、一般的に加齢とともに尿失禁の有病率は上昇します1。これは、加齢による膀胱機能の変化や骨盤底筋の筋力低下などが影響していると考えられます。
一方で、日本人男性の尿失禁に対する受診行動には課題も見られます。同調査では、尿失禁を経験している男性の多くが「特に何もしていない」と回答しており、その割合は女性よりも高いことが示されています3。この背景には、尿失禁に対する羞恥心、相談しにくいという社会的な雰囲気、あるいは「歳のせいだから仕方ない」といった諦め、情報不足などが複雑に絡み合っている可能性があります。このような状況は、適切な治療やケアによって改善できる可能性があるにもかかわらず、多くの方がQOLの低下に甘んじている現状を示唆しており、正確な情報提供と受診勧奨の重要性が浮き彫りになります。
2. 男性特有の尿失禁:主な種類と症状
尿失禁は、その原因や症状の現れ方によっていくつかのタイプに分類されます。代表的なものとして、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、溢流性尿失禁、機能性尿失禁などがあります。それぞれの特徴を理解することは、適切な対処法を見つけるための第一歩となります。
2.1. 腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみ、笑った時、重い物を持ち上げた時、あるいは運動時など、お腹に力が入った(腹圧が上昇した)際に、意図せず尿が漏れてしまうタイプの尿失禁です。主な原因は、尿道を締める役割を持つ尿道括約筋や、それを支える骨盤底筋群の機能低下です。これにより、腹圧が上昇した際に尿道が十分に閉じられず、尿が漏れ出てしまいます。男性の場合、特に前立腺がんの手術(特に前立腺全摘除術)後に、尿道括約筋の一部が損傷されたり機能が低下したりすることで、腹圧性尿失禁が起こりやすくなることが知られています4。また、加齢による筋力低下や、慢性的な咳、肥満なども誘因となり得ます。
2.2. 切迫性尿失禁
切迫性尿失禁は、突然、抑えられないほど強い尿意(尿意切迫感)を感じ、トイレに間に合わずに尿が漏れてしまうタイプの尿失禁です。多くの場合、頻尿(トイレの回数が多い)や夜間頻尿(夜中に何度もトイレに起きる)を伴います。このタイプの尿失禁の主な原因として、過活動膀胱(OAB: Overactive Bladder)が挙げられます4。過活動膀胱は、膀胱に尿が十分に溜まっていないにもかかわらず、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮してしまう状態です。加齢、脳血管障害やパーキンソン病などの神経疾患、前立腺肥大症などが原因となることもありますが、原因が特定できない場合(特発性過活動膀胱)も少なくありません。
2.3. 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
溢流性尿失禁は、膀胱に尿が溜まりすぎて、 마치コップから水が溢れるように、常にちょろちょろと尿が漏れ出てしまうタイプの尿失禁です。尿意を感じにくい、あるいは感じてもうまく排尿できない(排尿困難)といった症状を伴うことがあります。主な原因は、尿が出にくい状態(尿路閉塞)や、膀胱が十分に収縮できない状態(膀胱収縮障害)です。男性で最も多い原因の一つが前立腺肥大症で、肥大した前立腺が尿道を圧迫し、尿が出にくくなることで膀胱に尿が溜まりすぎてしまいます5。また、糖尿病による神経障害(糖尿病性神経因性膀胱)や、脊髄損傷、一部の薬剤の影響などで膀胱の収縮力が低下した場合にも起こり得ます5。
2.4. 機能性尿失禁
機能性尿失禁は、膀胱や尿道の機能自体には大きな問題がないにもかかわらず、身体運動機能の低下や認知機能の低下によって、トイレでの排尿が時間通りに、あるいは適切に行えないために起こる尿失禁です5。例えば、足腰が悪くトイレまで移動するのに時間がかかる、認知症のために尿意をうまく認識できない、あるいはトイレの場所が分からない、衣服の着脱がスムーズにできない、といった状況が原因となります。脳血管障害後遺症による麻痺、関節リウマチなどによる運動機能障害、重度の認知症などが背景にあることが多いです。介護環境の不備も影響することがあります。
2.5. 完全失禁(持続性尿失禁)
完全失禁は、自分の意思とは全く関係なく、常に尿が漏れ続けてしまい、尿を溜めておくことがほぼ不可能な状態を指します。尿道括約筋の機能が完全に失われた場合や、膀胱と尿道が交通してしまった状態(膀胱尿道瘻など)が原因となります。重度の神経損傷(例:脊髄損傷)、骨盤内の広範な手術による括約筋の重度な損傷、先天的な泌尿器系の異常などが原因となることがありますが、頻度としては稀です。
2.6. その他の特殊な尿失禁(例:クライマクチュリア)
上記以外にも、特定の状況下でのみ起こる尿失禁があります。その一つが、オーガズム時尿失禁(クライマクチュリア)です。これは、性的興奮が最高潮に達した際(オーガズム時)に尿が漏れてしまう現象で、特に前立腺全摘除術を受けた男性に見られることがあります6。発生頻度は報告によって異なりますが、術後の一時期に経験する方がいるとされています。原因としては、手術による尿道括約筋周囲の構造変化や神経への影響などが考えられています。クライマクチュリアはQOLに影響を与える可能性があり、悩んでいる場合は専門医に相談することが推奨されます。
3. なぜ起こる?男性の尿失禁の多様な原因
男性の尿失禁は、単一の原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って発症することが少なくありません。主な原因を理解することで、適切な予防や対策に繋げることができます。
3.1. 加齢による影響
加齢は、尿失禁の最も一般的なリスク因子の一つです。年齢を重ねるとともに、身体の様々な機能が変化し、それが尿失禁を引き起こしやすくします。
- 膀胱機能の変化: 膀胱の弾力性が低下し、尿を溜められる量(膀胱容量)が減少したり、逆に膀胱が過敏になって少量の尿でも強い尿意を感じやすくなる(過活動膀胱)ことがあります。また、膀胱の収縮力が弱まることもあります。
- 骨盤底筋群の筋力低下: 尿道を締める役割を持つ骨盤底筋群が、加齢とともに筋力低下や萎縮を起こしやすくなります。これにより、咳やくしゃみなどの際に尿道を十分に締められず、腹圧性尿失禁が起こりやすくなります7。
- ホルモンバランスの変化: 男性ホルモン(テストステロン)の減少が、前立腺や膀胱・尿道の組織に影響を与える可能性も指摘されていますが、直接的な因果関係はまだ十分に解明されていません。
3.2. 前立腺疾患
男性特有の臓器である前立腺に関連する疾患は、尿失禁の重要な原因となります。
- 前立腺肥大症: 中高年男性に多く見られる疾患で、前立腺が肥大することで尿道を圧迫し、排尿困難(尿が出にくい、勢いが弱い、時間がかかるなど)や頻尿、残尿感といった症状を引き起こします2。進行すると、膀胱に尿が溜まりすぎて溢れ出る溢流性尿失禁や、排尿時にいきむことで腹圧性尿失禁を誘発することもあります。
- 前立腺がん: 前立腺がん自体が進行して尿道や膀胱を圧迫・浸潤することで排尿症状を引き起こすこともありますが、より頻度が高いのは、前立腺がんの治療に伴う尿失禁です8。
- 前立腺全摘除術後: 前立腺がんの根治治療として行われる手術ですが、手術操作によって尿道括約筋やその周囲の神経が損傷を受ける可能性があり、術後に高い頻度で腹圧性尿失禁が起こります。多くの場合、術後の時間経過とともに改善しますが、一部の方では尿失禁が持続することがあります4。
- 放射線治療後: 前立腺がんに対する放射線治療によっても、膀胱や尿道の組織がダメージを受け、頻尿や尿意切迫感、尿失禁などが起こることがあります。
3.3. 神経系の疾患
排尿は脳、脊髄、末梢神経によって複雑にコントロールされているため、これらの神経系に影響を及ぼす疾患は尿失禁の原因となり得ます。このような状態を総称して神経因性膀胱と呼びます。
- 脳血管障害(脳卒中): 脳梗塞や脳出血の後遺症として、排尿をコントロールする脳の機能が障害され、尿意を感じにくくなったり、逆に頻繁に尿意を感じたり(過活動膀胱)、排尿の指示がうまく伝わらなくなったりして、切迫性尿失禁や機能性尿失禁などが起こります。
- パーキンソン病: 脳内のドーパミン不足により、膀胱の過活動が起こりやすく、切迫性尿失禁や頻尿が見られます。
- 多発性硬化症: 脳や脊髄の神経線維の髄鞘が障害される疾患で、排尿に関する神経伝達にも影響が及び、様々なタイプの尿失禁(切迫性、溢流性など)が起こり得ます。
- 糖尿病性神経障害: 長期間の高血糖状態により末梢神経が障害されると、膀胱の知覚神経や運動神経も影響を受けます。初期には膀胱が過敏になることもありますが、進行すると膀胱の収縮力が低下し、尿を出し切れずに残尿が増え、溢流性尿失禁に至ることがあります。
- 脊髄損傷: 事故などによる脊髄の損傷部位や程度によって、排尿コントロールが完全に失われたり、膀胱と尿道括約筋の協調運動が障害されたりして、重度の尿失禁や排尿困難が起こります。
3.4. 外科手術や治療の副作用
前立腺手術以外にも、骨盤内の手術や一部の治療が尿失禁の原因となることがあります。
- 骨盤内手術: 直腸がんや膀胱がんなど、骨盤内の臓器に対する手術の際に、排尿に関わる神経や筋肉が損傷を受けると、術後に尿失禁が起こることがあります。
- 放射線治療: 骨盤領域へのがん(前立腺がん、膀胱がん、直腸がんなど)に対する放射線治療は、膀胱や尿道の組織に炎症や線維化を引き起こし、膀胱容量の減少、過活動、尿道括約筋の機能低下などを招き、尿失禁の原因となることがあります9。
- 薬剤の副作用: 一部の薬剤は、その薬理作用や副作用として尿失禁を誘発したり、悪化させたりすることがあります(詳細は3.6項で後述)。
3.5. 生活習慣との関連
日常の生活習慣も、尿失禁の発症や悪化に影響を与えることがあります。
- 肥満: 過体重や肥満、特に内臓脂肪の蓄積は、腹腔内の圧力を高め、常に膀胱に余計な圧力がかかる状態となります。これにより、腹圧性尿失禁が起こりやすくなったり、悪化したりします5。
- 喫煙: 喫煙は、慢性的な咳(慢性気管支炎など)を引き起こしやすく、咳をするたびに腹圧が上昇し、骨盤底筋や尿道括約筋に負担をかけます。これが腹圧性尿失禁の誘因となります。また、喫煙は血流を悪化させるため、膀胱や尿道の組織の健康にも悪影響を与える可能性があります。
- 便秘: 慢性的な便秘は、腸内に便が滞留することで骨盤内の臓器を圧迫し、膀胱の神経を刺激したり、排尿時のいきみを強くしたりすることで、尿失禁を悪化させる可能性があります。
- 過度なアルコール・カフェイン摂取: アルコールやコーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるカフェインには利尿作用があり、尿量を増加させます。また、膀胱を刺激して尿意を強くする作用もあるため、過剰に摂取すると頻尿や切迫性尿失禁を悪化させる可能性があります5。
3.6. 薬剤性の尿失禁
服用している薬剤が原因で尿失禁が起こったり、既存の尿失禁が悪化したりすることがあります。これを薬剤性尿失禁と呼びます。
- 利尿薬: 高血圧や心不全などの治療に用いられる利尿薬は、尿量を増加させるため、頻尿や尿失禁(特に切迫性、腹圧性)を悪化させることがあります。
- α遮断薬: 一部のα遮断薬(主に高血圧治療薬として用いられるもの。前立腺肥大症治療薬のα1遮断薬とは異なる)は、尿道括約筋の緊張を緩める作用があり、腹圧性尿失禁を引き起こす可能性があります。
- カルシウム拮抗薬: 高血圧や狭心症の治療に用いられる一部のカルシウム拮抗薬は、膀胱の収縮力を低下させ、残尿増加や溢流性尿失禁の原因となることがあります。
- 鎮静薬・睡眠薬・抗不安薬: これらの薬剤は、尿意に対する感覚を鈍らせたり、夜間の覚醒を困難にしたりすることで、夜間尿失禁のリスクを高めることがあります。また、ふらつきによる転倒でトイレに間に合わない機能性尿失禁の原因にもなり得ます。
- 抗精神病薬・抗うつ薬: 一部の薬剤は、抗コリン作用(膀胱の収縮を抑制する作用)やα遮断作用などを持ち、排尿困難や尿失禁を引き起こす可能性があります。
健康に関する注意事項
- 薬剤性の尿失禁が疑われる場合は、自己判断で薬を中止せず、必ず処方医や薬剤師に相談することが重要です。他の薬剤への変更や用量調整などによって改善する可能性があります。
4. 尿失禁の診断:専門医はこう診る
尿失禁の症状がある場合、その原因やタイプを正確に特定し、適切な治療法を選択するために、専門医(主に泌尿器科医)による診断が重要となります。診断は、通常、問診、身体診察、尿検査、そして必要に応じて専門的な検査を組み合わせて行われます。
4.1. 問診の重要性
問診は、診断において非常に重要なステップです。医師は、患者さんから症状に関する詳細な情報を得ることで、尿失禁のタイプや原因を推測します。
- 症状の詳細:いつから始まったか、どんな時に漏れるか、量、回数、夜間の有無、尿意の感じ方、排尿時の状態(勢い、残尿感など)、他の症状(頻尿、血尿など)。
- 既往歴:前立腺疾患、糖尿病、神経疾患、脳血管障害、骨盤内手術、前立腺手術、放射線治療歴など。
- 服用中の薬剤:処方薬、市販薬、漢方薬、サプリメントなど全て。お薬手帳の持参が推奨されます。
- 生活習慣:飲水量、カフェイン・アルコール摂取状況、喫煙、食生活、運動、排便状況など。
- QOLへの影響:日常生活、社会活動、精神面への影響。
より正確な診断のために、医師から排尿日誌(排尿記録)をつけるよう指示されることがあります1。これは、数日間にわたり、排尿した時刻、排尿量、尿意の強さ、尿漏れの状況、飲水量などを記録するものです。排尿日誌は、患者さん自身の症状を客観的に把握するのに役立つだけでなく、医師が尿失禁のタイプを判断し、治療方針を立てる上で非常に貴重な情報となります。
4.2. 身体診察
問診に続き、医師は身体診察を行います。腹部の触診で膀胱の張り(残尿)を確認したり、外陰部・骨盤の診察で前立腺の大きさ(直腸診)や骨盤底筋の状態を評価したりします。咳をしてもらって実際に尿が漏れるかを確認する(咳ストレステスト)こともあります。また、神経系の異常がないかも確認します。
4.3. 尿検査
尿検査は、尿失禁の診断における基本的な検査の一つです。尿路感染症(膀胱炎など)や血尿の有無を調べ、尿失禁の原因や増悪因子となっていないかを確認します。血尿がある場合は、膀胱がんなど他の疾患の可能性も考慮します。また、尿糖の有無から糖尿病のスクリーニングも行えます。
4.4. 必要に応じて行われる専門的な検査
基本的な診察や検査で診断が困難な場合や、より詳細な情報が必要な場合には、以下のような専門的な検査が行われることがあります。
- 残尿測定検査: 排尿直後の膀胱内の残尿量を超音波(エコー)で測定します。溢流性尿失禁の評価に有用です。
- 尿流量測定(ウロフロメトリー): 専用のトイレで排尿し、尿の勢いや量、時間を測定し、排尿障害の程度を客観的に評価します。
- パッドテスト: 一定時間パッドを装着し、漏れた尿の量をパッドの重量変化で測定して重症度を客観的に評価します。
- 膀胱鏡検査(内視鏡検査): 尿道から細い内視鏡を挿入し、尿道や膀胱の内部を直接観察して、尿道狭窄や膀胱腫瘍などを確認します。
- ウロダイナミクス検査(尿流動態検査): 膀胱や尿道の機能をより詳細に評価する検査です4。膀胱内圧測定などを行い、神経因性膀胱や複雑な尿失禁の原因診断に有用です。
- 画像検査: 超音波(エコー)検査、CT検査、MRI検査などで、泌尿器系の形態や他の疾患の有無を詳細に調べます。
4.5. 診断における日本の専門医の視点
日本の泌尿器科専門医は、日本泌尿器科学会などが作成した診療ガイドライン(例:男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン2、夜間頻尿診療ガイドライン1など)を参考に、個々の患者さんに合わせた診断を行います。これらのガイドラインは、質の高い医療を提供する上での重要な指針となっています。特に、高齢者の尿失禁は複数の要因が絡み合っていることが多いため、丁寧な問診と系統的な検査を通じた総合的な評価が重視されます。
5. 尿失禁の治療法:あきらめないための選択肢
男性の尿失禁は、その原因やタイプ、重症度に応じて様々な治療法が存在します。多くの場合、適切な治療やケアによって症状の改善やコントロールが期待できるため、決してあきらめる必要はありません。治療の選択にあたっては、専門医とよく相談し、個々の状況に最も適した方法を見つけることが重要です。
5.1. 治療の基本方針と目標設定
尿失禁治療の基本的な方針は、まず原因となっている疾患があればその治療を行い、同時に尿失禁の症状を軽減・解消することです。治療の最終的な目標は、患者さんのQOL(生活の質)を最大限に改善することに置かれます。治療法を選択する際には、尿失禁のタイプと重症度、原因疾患、患者さんの年齢や全身状態、ライフスタイルや希望、そして各治療法の効果とリスクなどが総合的に考慮されます。近年では、患者さん自身が治療に関する情報を十分に理解し、医師と相談しながら共に治療方針を決定していく「共同意思決定(Shared Decision Making)」の重要性が強調されています9。
5.2. 保存的治療(まず検討される治療法)
保存的治療は、手術を伴わない治療法であり、多くの場合、尿失禁治療の第一選択となります。生活習慣の改善、骨盤底筋体操、膀胱訓練などが含まれます。
5.2.1. 生活習慣の改善(セルフケア)
日常生活におけるちょっとした工夫や習慣の見直しが、尿失禁の症状改善に繋がることがあります。
項目 | 具体的な対策とポイント |
---|---|
適切な水分摂取 | 1日1.5~2リットルを目安にこまめに摂取。夜間の尿失禁が気になる場合は就寝前の水分を控える。 |
食事療法 | 食物繊維を多く摂り便秘を予防7。カフェイン、アルコール、香辛料など膀胱を刺激する食品・飲料を控える5。 |
体重管理 | 肥満は腹圧を高めるため、適度な運動とバランスの取れた食事で適正体重を維持する5。 |
禁煙 | 喫煙による慢性的な咳は腹圧性尿失禁を悪化させる可能性があるため、禁煙が推奨される7。 |
排尿習慣の工夫 | 排尿後に尿道に残った尿をしごき出す「ミルキング法」5や、二度排尿する「ダブルボイド法」、時間を決めてトイレに行く「計画的排尿」などがある。 |
5.2.2. 骨盤底筋体操(ケーゲル体操)
骨盤底筋体操は、尿道を締める役割を持つ骨盤底筋群を意識的に収縮・弛緩させることで、筋力を強化し、尿漏れを改善・予防する訓練です。特に腹圧性尿失禁や、前立腺手術後の尿失禁に対して効果が期待されます4。複数のメタアナリシス研究により、男性の尿失禁に対する骨盤底筋トレーニングの有効性10や、前立腺全摘除術後の尿失禁回復を早める効果11が示唆されています。また、Cochraneレビューでもその効果が検討されています12。
正しいやり方(一般的な方法)
1. まず、排尿を途中で止める時やおならを我慢する時に使う筋肉(骨盤底筋)を意識します。
2. 仰向けに寝て膝を立てるか、椅子に座った姿勢で行います。
3. 肛門、尿道あたりを、ゆっくりと身体の中心に引き上げるようなイメージで5~10秒間締めます。この時、お腹や太ももに力が入らないように注意します。
4. ゆっくりと力を抜き、同じ時間リラックスします。
5. これを1セットとし、1日に10~15回を2~3セット繰り返します。効果を実感するには数週間から数ヶ月かかるのが一般的です。
5.2.3. 膀胱訓練
膀胱訓練は、主に切迫性尿失禁や過活動膀胱の症状改善を目的として行われる行動療法の一つです5。尿意を感じてもすぐにトイレに行かずに少し我慢し、排尿間隔を徐々に(例:1週間ごとに15分ずつ)延ばしていくことで、膀胱の蓄尿機能を高め、尿意切迫感をコントロールする力を養います。目標は通常2~3時間の間隔です。この訓練は必ず専門医の指導のもとで行う必要があります。
5.2.4. 理学療法(上記以外)
骨盤底筋の収縮をセンサーで感知し、音や映像でフィードバックする「バイオフィードバック療法」13や、神経に電気的または磁気的な刺激を与える「電気刺激療法・磁気刺激療法」13などがあります。これらの治療法の詳細や日本での普及状況については、専門医にご確認ください。
5.3. 薬物療法
尿失禁のタイプや原因に応じて、薬物療法が有効な場合があります。薬剤は、医師の診断と処方に基づいて使用することが原則です。
- 過活動膀胱/切迫性尿失禁治療薬: 膀胱の過敏な収縮を抑える目的で使用されます。
- 腹圧性尿失禁治療薬: 現在、日本で腹圧性尿失禁に対して保険適用のある経口薬は限定的です。海外ではデュロキセチンなどが使用されることがありますが4、日本での適応については専門医にご確認ください。
- 前立腺肥大症に伴う排尿障害治療薬: 前立腺肥大症が原因の場合、α1遮断薬などの治療薬により排尿状態が改善し、尿失禁も軽減することがあります。これらの薬剤は、日本泌尿器科学会のガイドラインでも推奨されています2。
5.4. 外科的治療(手術)
保存的治療や薬物療法で十分な効果が得られない場合や、尿失禁の程度が重い場合には、外科的治療が検討されることがあります6。
代表的な手術法
- 男性用スリング手術(尿道スリング): 主に軽度から中等度の腹圧性尿失禁に対して行われます4。特殊なメッシュ状のテープで尿道を支え、尿漏れを防ぎます。比較的低侵襲ですが、術後の排尿困難などのリスクもあります。
- 人工尿道括約筋(AUS)埋め込み術: 重度の腹圧性尿失禁(特に前立腺全摘除術後)に対する標準的な手術です4。尿道の周りに埋め込んだカフで尿道を締め、排尿時には患者自身がポンプを操作してカフを緩めます。高い尿禁制効果が期待できますが、機械的な故障や感染などの合併症のリスクがあり、再手術が必要になることもあります。
- 尿道バルキング剤注入療法: 尿道壁にコラーゲンなどを注入し、尿道を狭くすることで尿漏れを軽減する方法です4。主に軽度の腹圧性尿失禁が対象で、効果の持続期間は限定的です。
健康に関する注意事項
- 手術には必ずメリットとデメリット(リスク、合併症)があります。担当医から十分な説明を受け、納得した上で決定することが大切です。
- 過去に骨盤内への放射線治療を受けた患者さんの場合、手術の難易度や合併症リスクが高まることがあるため、特に慎重な判断が求められます9。
5.5. 日本で利用可能なその他の治療法・アプローチ
5.5.1. 漢方薬
日本では、伝統医療として漢方薬が尿トラブルに用いられることがあります。代表的なものに、高齢者の排尿困難や軽い尿漏れに用いられる「八味地黄丸(はちみじおうがん)」があります5。PMDA(医薬品医療機器総合機構)の添付文書によれば、「体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの…軽い尿漏れ」などに効能・効果があるとされています14。その他、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)なども用いられますが、漢方薬は個人の体質(証)に合わせて処方されることが重要であり、必ず漢方の知識を持つ医師や薬剤師に相談してください。
5.5.2. 最新の治療・研究動向(日本国内を含む)
尿失禁治療の分野でも、より効果的で低侵襲な新しい治療法の開発研究が進められています。その一つが再生医療です。例えば、患者自身の筋芽細胞を培養し、機能が低下した尿道括約筋に移植する治療法が研究されています。日本では、中京病院の後藤百万医師らが、前立腺がん手術後の尿失禁に対する自己筋芽細胞シート移植の研究開発に取り組んでいます15。これらの治療法はまだ研究段階あるいは先進医療として行われているものが多く、広く利用可能となるには更なるエビデンスの蓄積が必要です。
5.6. 尿失禁パッドや専用下着の適切な使用
治療と並行して、あるいは治療が困難な場合にQOLを維持するため、尿失禁パッドや専用下着の活用は非常に有効です7。これらは尿漏れによる不快感を防ぎ、安心して社会生活を送るためのサポートとなります。男性用の製品には様々な形状や吸収量のものがあり、尿漏れの量や活動状況に合わせて最適な製品を選ぶことが重要です。ある調査では、パッドの認知率は高いものの、実際の使用経験がある男性は少ないという結果が示されています3。しかし、パッドはQOLを積極的に向上させるツールと捉え、こまめに交換して皮膚を清潔に保つなど、適切に使用することが大切です。
6. 尿失禁の予防と日常生活での工夫
尿失禁は、完全に予防することが難しい場合もありますが、リスクを軽減したり、症状の進行を遅らせたりするために、日常生活でできることがあります。
6.1. 予防のためにできること
尿失禁の主な原因となる生活習慣病の予防や、骨盤底筋の機能を維持することが、尿失禁の予防に繋がります。
- 生活習慣の見直し: バランスの取れた食事、適度な運動、適正体重の維持、禁煙、カフェイン・アルコールの適量摂取を心がけましょう。
- 骨盤底筋体操の習慣化: 症状がないうちから習慣的に行うことで、骨盤底筋の筋力低下を予防し、尿禁制機能を維持する効果が期待できます。
- 定期的な健康診断と早期対処: 前立腺疾患や糖尿病などの原因となりうる病気を早期に発見し、適切に治療・管理することが重要です。排尿に関する症状に気づいたら、早めに専門医に相談しましょう。
6.2. 尿失禁と上手く付き合うためのヒント
症状があっても、工夫次第で日常生活をより快適に、そして活動的に送ることが可能です。
- 外出時の準備: 予備のパッドや着替えを携帯し、外出先のトイレの場所を事前に確認しておくと安心です。消臭対策も有効です。
- 周囲への理解と協力: 信頼できる家族や友人に状況を伝え、理解を得ることで精神的な負担が軽減されることがあります。介護が必要な場合は、ケアマネージャーなど専門家と連携しましょう。
- 精神的なケア: 尿失禁は抑うつや不安感に繋がることがあります。一人で抱え込まず、家族や専門家に相談したり、同じ悩みを持つ人々が情報を交換する患者会やサポートグループを活用したりすることも精神的な支えとなります。
よくある質問
尿失禁は何科を受診すればよいですか?
尿失禁の専門診療科は泌尿器科です。まずはかかりつけ医に相談し、必要に応じて泌尿器科専門医を紹介してもらうという方法もあります。泌尿器科では、尿失禁の原因やタイプを診断し、適切な治療法を提案してくれます16。
骨盤底筋体操はどれくらいで効果が出ますか?
効果が現れるまでの期間には個人差がありますが、一般的には数週間から数ヶ月程度、根気強く継続することで効果を実感する方が多いと言われています。American Urological Associationのガイドラインによれば、骨盤底筋体操は前立腺手術後の早期の尿禁制回復を助ける可能性がありますが、長期的な効果についてはさらなる研究が必要です6。大切なのは、正しい方法で、毎日コツコツと続けることです。
薬の副作用が心配です。
どのような薬にも効果と副作用の両面があります。尿失禁治療薬についても、口渇、便秘、目のかすみ、排尿困難などの副作用が起こる可能性があります。医師は、患者さんの状態や他の病気などを総合的に考慮し、効果と副作用のバランスを考えて薬剤を選択します。処方された薬について不安な点や、服用後に気になる症状が現れた場合は、自己判断で中止せず、必ず医師や薬剤師に相談してください。
手術は痛いですか?入院期間は?
手術の種類(スリング手術、人工尿道括約筋埋め込み術など)や患者さん個人の状態によって、手術に伴う痛みや入院期間は異なります。手術前には、担当医から麻酔方法、手術内容、術後の経過、予想される痛みとその対策、標準的な入院期間などについて詳しい説明がありますので、よく確認し、不安な点は遠慮なく質問するようにしましょう。
尿失禁は治りますか?
尿失禁の原因やタイプ、重症度によって、治癒の可能性や改善の程度は異なります。しかし、多くの尿失禁は、適切な治療やケアによって症状が大幅に改善したり、日常生活に支障がない程度にコントロールしたりすることが可能です。例えば、前立腺手術後の尿失禁も多くは時間経過やリハビリで改善しますし、過活動膀胱による切迫性尿失禁も薬物療法などで良好なコントロールが期待できます。大切なのは、諦めずに専門医に相談し、ご自身に合った治療法を見つけて取り組むことです。
結論
男性の尿失禁は、決して珍しい症状ではなく、加齢や様々な疾患、生活習慣などが原因で誰にでも起こりうる問題です。しかし、多くの場合、適切な診断と治療、そして生活上の工夫によって、症状をコントロールし、QOL(生活の質)を維持・向上させることが可能です。
本記事では、男性の尿失禁の基本的な知識から、最新の治療法やセルフケアに至るまで、網羅的に解説してきました。重要なのは、尿失禁の悩みを一人で抱え込まず、早期に専門医(泌尿器科医)に相談することです。特に、日本の男性は症状があっても医療機関を受診しない割合が高いというデータもありますが3、尿失禁は「歳のせい」と諦める必要はなく、積極的に対処することで、より快適で活動的な日々を取り戻せる可能性があります。
JAPANESEHEALTH.ORGは、この記事を通じて、尿失禁に悩む男性とそのご家族が、正しい情報を得て、希望を持って治療やケアへの一歩を踏み出すためのお手伝いができればと願っています。
参考文献
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