眼の健康を守る6つのエクササイズ│視力向上のための簡単な習慣
眼の病気

眼の健康を守る6つのエクササイズ│視力向上のための簡単な習慣

はじめに

私たちの日常生活には、スマートフォンやコンピューター、テレビなどの電子機器がますます欠かせない存在となっています。仕事でもプライベートでも、長時間にわたって画面に向き合う機会が増え、目への負担や視力の低下を感じる人は少なくありません。こうした背景から、目の健康を守るための取り組みが注目されています。特に、こまめなエクササイズや休息を取り入れることで、疲れた目をリフレッシュし、日常の視力ケアにも役立つと考えられています。本稿では、簡単に行える目のエクササイズを中心に、目の健康を保つさまざまな方法や日常的な対策を幅広く解説します。日々の生活習慣の中で実践しやすい具体的なコツを学び、もし目の不調が深刻化した場合にはどのように医師へ相談すべきかを整理し、より快適な視生活を目指していただければ幸いです。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

専門家への相談

この記事では、JHOとして、目の健康維持に役立つ情報やエクササイズの方法を分かりやすくお伝えしています。その際、以下のような信頼できる組織や医療機関の情報を参照し、国内外の研究結果をふまえて内容をまとめています。なお、本記事はあくまで情報提供を目的としたものであり、最終的な判断や治療に際しては、かならず眼科医や専門医に相談しながら進めることをおすすめします。

  • アメリカ視力協会(American Optometric Associationなど)
  • 国内外の医学雑誌や医療機関(Mayo Clinic、Cleveland Clinic、National Eye Instituteなど)

また、家族や個人の病歴によって目の疾患リスクが変わる場合もあります。記事中で取り上げるエクササイズや習慣は、あくまでも健康な人が予防的・補助的に実践する方法であり、症状の原因が別にあるケースや重度の異常が疑われる場合には、早めに専門家の診断を受けるようにしてください。

目の健康を守るためのシンプルなエクササイズ

現代社会では、多くの人が長時間にわたって電子機器を使用することから、目の疲れや視力への負担が増大しやすいとされています。特にスマートフォンやコンピューターは画面を近い距離で見ることが多く、瞬きの回数も減りがちです。その結果、ドライアイや眼精疲労などの不快症状が起こりやすくなり、集中力や作業効率に影響を及ぼす場合もあるでしょう。

コンピュータービジョン症候群とは

アメリカ視力協会によれば、長時間連続してパソコンやスマートフォンの画面を見続けることで、いわゆるコンピュータービジョン症候群と呼ばれる症状を起こしやすくなります。2時間以上作業や閲覧を続けると、そのリスクが高まるといわれています。小さい文字で書かれたコンテンツを読む場合、以下のような要因が目に大きなストレスを与えるのです。

  • 画面を見ている最中、瞬きの回数が減少する(瞬きは目の表面を潤すうえで重要)
  • 画面を近距離で凝視する
  • 画面の輝度が強かったり、反射が多かったりする
  • 文字と背景のコントラストが弱い

これらの環境にさらされることが続くと、目の乾燥感、目の奥の疲労、さらには頭痛や首・肩こりなど、全身的な負担へと波及する場合もあります。科学的なエビデンスとしては、長時間のデジタルデバイス使用が眼精疲労やドライアイ症状の発生を促す可能性が指摘されており、国内外で研究が進められてきました。たとえば、2023年に欧米の複数施設の研究グループが発表した調査(Saldanha IJら, 2023, Ophthalmology, 130(6), 585-596, doi:10.1016/j.ophtha.2022.12.006)では、コンピューター使用によるドライアイの発症が増える傾向が示され、適切な休息や目を休ませる工夫が有用だと結論付けられています。

目のエクササイズで期待できる効果

日常のケアとしての目のエクササイズは、上記のようなデジタルデバイス使用による目の疲れや不快感をやわらげるために取り入れられることが多いです。多くの大規模調査や系統的レビューがあるわけではないものの、実際に以下のような効果が期待されるとされています。

  • 目の乾燥感の緩和
  • 目の疲れ・かすみの軽減
  • 頭痛の一部症状の緩和
  • 集中力や作業効率の向上

2021年に若年成人を対象に行われたランダム化比較試験(Karthik Narayanan Vら, Journal of Ophthalmic & Vision Research, 16(4), 611-618, doi:10.18502/jovr.v16i4.9740)では、一定期間にわたり目のエクササイズを取り入れたグループが、取り入れなかったグループに比べて眼精疲労の訴えが軽減したという結果が示されています。このような研究は限られたサンプルではあるものの、パソコンやスマートフォンを長時間使用する現代の生活において、エクササイズが一定の補助的役割を果たす可能性があると考えられています。

目の健康をサポートするエクササイズ

目の健康を保つうえで、日常的に取り入れやすいエクササイズは多く存在します。ここでは代表的な例を3つ紹介します。これらは視力矯正器具の使用に関わらず、誰でも簡単に実施できる点が特徴です。いずれのエクササイズも、目を無理に動かして痛みが出るようなやり方は避け、リラックスした状態で行うことが大切です。過度に長時間続けるのではなく、短い時間でこまめに取り入れましょう。

  1. パルミング
    • やり方: 両手のひらを軽くこすり合わせて温かくし、そっと目を覆います。強く押しつけず、まぶたに手を触れる程度でOKです。
    • 効果: 手のひらの温度と暗さにより、緊張していた目の周辺筋肉を緩め、短時間でリラックス効果を得ることができます。
  2. フォーカスシフト
    • やり方: 遠くの景色や壁の文字などを数秒見つめたあと、手元のペン先やスマートフォン画面など近い対象物を数秒見る、という動作を交互に繰り返します。
    • 効果: 近距離と遠距離のピント調節を交互に行うことで、目の筋肉バランスを整え、疲労を和らげる助けとなります。
  3. 上下左右の目の動き
    • やり方: 目だけを上下左右に動かします。首は動かさず、目の筋肉を意識しながら行いましょう。
    • 効果: 目の周辺筋肉を刺激し、凝り固まった状態をほぐすことが期待できます。

エクササイズを行う際には、姿勢を正し、呼吸をゆっくり行うことも重要です。全身のリラックスによって、より効果的に目を休ませることができます。例えば、パソコン作業を1時間続けたら1回は必ず休憩をとり、このようなエクササイズを1分ほど取り入れるだけでも目の状態は大きく変わってくるでしょう。

他に試せる目の健康維持法

上記のエクササイズだけでなく、日常習慣の見直しや栄養素の摂取など、複合的なアプローチで目の健康をサポートできます。以下にいくつかの具体的な方法を挙げます。

  • 目の病気リスクを把握する
    家族病歴や既往歴に目の疾患がある場合は、定期的な検査や早期受診がより重要になります。進行性の病気や遺伝リスクがある場合、症状が現れてからでは手遅れになることも考えられるため、早めの受診が推奨されます。
  • サングラスで紫外線から目を保護する
    強い紫外線は白内障や黄斑変性など、さまざまな目の疾患のリスクを高める可能性があります。屋外活動時、とくに日差しの強い日にはUVカット機能のあるサングラスを使用することで、目のダメージを軽減できます。
  • 栄養バランスのよい食事を心がける
    オメガ3脂肪酸(青魚などに多く含まれる)やルテイン(ほうれん草、ケールなど)、ビタミンA・E・Cなどが目の健康維持に関与するといわれています。近年では、ルテインやゼアキサンチンといった成分が黄斑部を保護し、加齢に伴う視力低下リスクを抑える可能性が報告されています。2022年に発表された国内の栄養疫学研究では、定期的に緑黄色野菜を摂取している成人において、視機能の経時的な悪化リスクがやや低下傾向にあるという結果が得られました(著者名複数, 2022, 日本国内学術誌)。このように、食事内容の見直しは、日々の目のケアにとって大切な一歩です。
  • 健康的なライフスタイルの維持
    規則的な運動や禁煙は、全身の血液循環を促し、目の健康にも好影響を与えます。たとえば喫煙は血管収縮をもたらし、目の血流も滞りやすくなるとされています。高血圧や糖尿病などの生活習慣病は網膜にもダメージを与えうるため、総合的な健康管理が重要です。
  • 定期的な目の健康診断を受ける
    自覚症状がない段階でも進行する病気は数多く存在します。定期的な眼科検診を受けることで、早期発見・早期治療につなげることができます。

医師の診断が必要な場合

目のエクササイズは軽度の疲れやコリ感をやわらげるには効果的ですが、以下のような症状がある場合は重大な疾患の可能性も否定できません。自己判断せず、速やかに眼科医の診察を受けるようにしましょう。

  • 目の赤みや痛みが続く
  • 視力の著しい低下やぼやけ、視野が狭くなる
  • 複視(ものが二重に見える)
  • 光に対して過剰に敏感になる
  • 目が原因と思われる頭痛が慢性的に続く

これらの症状がある場合、早い段階で適切な治療を受けることが、視力を守るうえで非常に重要です。たとえ症状が一時的に治まっても、原因が解消されない限り再発する可能性がありますので、必ず専門医を受診してください。

日常における目のセルフケアの心がけ

エクササイズや生活習慣の改善だけでなく、日常のちょっとした心がけが目の健康には大切です。以下のポイントを意識して、ストレスフルな仕事や長時間のデジタルデバイス使用から目を守りましょう。

  • 20-20-20ルールを取り入れる
    20分ごとに作業の手を止めて、20フィート(約6m)先を20秒間見つめるというアプローチです。これによってピント調節の負荷が軽減され、休憩時間にリセットする効果が期待できます。日本国内では6m先を長めの時間しっかり見るという形で行うだけでも、良い息抜きになりやすいでしょう。
  • モニターの環境を最適化する
    まぶしすぎる画面や反射が多い環境は目に負担をかけます。輝度やコントラストを適切に調整したり、ブルーライトカットの画面フィルターを使用したりすることで、眼精疲労をやわらげることができます。
  • 瞬きを意識的に増やす
    デジタル作業中は瞬きが減りやすく、目の乾燥を招きます。特に集中しているときは数分おきに意識的にまばたきを行い、目の表面を潤すことを忘れないようにしましょう。
  • 適度な睡眠を確保する
    睡眠不足は全身の不調だけでなく、目の疲れを回復させる妨げにもなります。できるだけ規則正しい生活リズムを守り、十分な睡眠時間をとることが、結果的に仕事や学習の効率を上げることにもつながります。

おわりに

長時間のデジタルデバイス使用は、私たちの日常生活に深く根付いている一方で、目の疲れや不調を訴える人も増えているのが現実です。こうした状況に対し、パルミングやフォーカスシフトなどのエクササイズは取り入れやすい対処法の一つといえるでしょう。さらに、サングラスの使用や栄養バランスの見直し、運動・禁煙などの生活習慣の改善、定期的な眼科検診などを組み合わせることで、より総合的に目の健康を守ることが可能になります。

ただし、あくまでこれらの方法は一般的な予防や軽度の不快感を和らげる目的であり、重症化した症状や別の疾患が隠れている場合には、速やかに専門医の診察を受ける必要があります。もし視力低下や痛み、赤みなどが続くようであれば、そのまま放置せずに医師の診断を仰ぎましょう。早期発見・早期対応が視力を保つうえで不可欠です。

本記事で紹介したエクササイズや日常のケア法は、いずれも目の健康維持に役立つ可能性がありますが、個人差や体質の違いもあります。最終的な適用や治療方法については、各自の体調や状況に応じて専門家の判断を受けるようにしてください。この記事の情報はあくまでも参考であり、医療行為を指示・提供するものではありません。大切な目を守るために、信頼できる医療専門家との連携を図りつつ、日ごろのケアをじっくり行ってみてはいかがでしょうか。


参考文献

本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療の代替とはなりません。目に不調を感じたり、症状が持続・悪化する場合は専門家への相談を強くおすすめします。

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