「脂肪腎症」とは?考えられる3つの病気(腎血管筋脂肪腫・肥満関連腎臓病・ネフローゼ症候群)の症状・原因・治療法を徹底解説
腎臓と尿路の病気

「脂肪腎症」とは?考えられる3つの病気(腎血管筋脂肪腫・肥満関連腎臓病・ネフローゼ症候群)の症状・原因・治療法を徹底解説

「脂肪腎症(しぼうじんしょう)」という言葉を聞き、ご自身の腎臓の健康について不安を感じていらっしゃるかもしれません。この「脂肪腎症」は、実は正式な医学的診断名ではありません。しかし、この言葉をきっかけに情報を探されている方の多くは、腎臓と「脂肪」が関連する何らかの病態について知りたいと考えていることでしょう。JAPANESEHEALTH.ORG編集部では、そのような皆様の疑問や不安を解消するため、科学的根拠に基づき、「脂肪腎症」という言葉が指し示す可能性のある3つの主要な腎臓疾患について、専門的な観点から深く、そして分かりやすく解説します。本記事を読めば、それぞれの病気の本質、症状、検査方法、そして日本国内で受けられる最新の治療法まで、包括的に理解することができます。


この記事の科学的根拠

この記事は、引用元として明記された最高品質の医学的根拠にのみ基づいて作成されています。以下は、提示された医学的指導に直接関連する、実際に参照された情報源のリストです。

  • 日本腎臓学会(JSN)および難病情報センター: 本記事におけるネフローゼ症候群の診断基準、治療ガイドライン、および日本の患者数や予後に関する記述は、日本腎臓学会発行の「エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン2020」および厚生労働省の指定難病情報を提供する難病情報センターのデータを基にしています1415
  • 国際腎臓病予後改善機構(KDIGO): ネフローゼ症候群に関する国際的な治療指針については、世界的な専門家グループが策定した「KDIGO 2021 Clinical Practice Guideline for the Management of Glomerular Diseases」を参考に、日本のガイドラインとの比較を行っています20
  • 東京大学による研究: 肥満や脂質異常症が独立して腎機能低下の危険因子となる点に関する記述は、約30万人の日本人労働者を対象とした東京大学の大規模研究結果に基づいています5
  • 日本肥満症予防協会: 肥満が腎臓に与える具体的なメカニズム(肥満関連腎臓病)に関する解説は、日本肥満症予防協会が提供する専門的情報に基づいています3
  • 順天堂大学医学部附属順天堂医院およびノバルティスファーマ株式会社: 腎血管筋脂肪腫の定義、症状、および治療法(腎動脈塞栓術)に関する情報は、順天堂医院の公開情報および大手製薬企業であるノバルティスファーマの情報サイトから引用しています12

要点まとめ

  • 「脂肪腎症」は正式な病名ではなく、腎臓と脂肪が関連する病態を指す俗称です。これには主に3つの異なる疾患が考えられます。
  • 可能性の一つは「腎血管筋脂肪腫」で、腎臓にできる脂肪を含む良性の腫瘍です。多くは無症状ですが、大きくなると破裂・出血の危険性があります2
  • 二つ目は「肥満関連腎臓病」です。肥満、特に内臓脂肪が原因で腎臓に負担がかかり、蛋白尿などを引き起こす状態で、減量が治療の基本となります3
  • 三つ目は「ネフローゼ症候群」です。腎臓のフィルター機能が損なわれ、大量の蛋白が尿に漏れ出ることで、重度のむくみや脂質異常症を引き起こす病気の総称です11
  • いずれの疾患も早期発見と適切な管理が重要です。気になる症状があれば、自己判断せず、必ず腎臓内科の専門医に相談してください。

可能性1:腎臓に脂肪を含む良性の腫瘍「腎血管筋脂肪腫」

「脂肪腎症」という言葉から多くの方が連想する可能性の一つが、腎臓に脂肪成分を含む腫瘍ができる「腎血管筋脂肪腫(じんけっかんきんしぼうしゅ)」です。これは腎AML(Renal Angiomyolipoma)とも略されます。

腎血管筋脂肪腫とは?

腎血管筋脂肪腫は、その名の通り、異常に増殖した血管(血管)、平滑筋(筋)、そして成熟した脂肪組織(脂肪)という3つの成分から構成される腫瘍です2。そのほとんどは良性であり、悪性化することは極めて稀であると報告されています2。この病気は主に二つの形式で発生します。一つは、特定の基礎疾患なく単発で発生する「孤発性」で、全体の約80%を占めます。もう一つは、「結節性硬化症」という常染色体優性遺伝形式の遺伝性疾患に伴って発生するもので、全体の約20%を占めます2。一般的に10代半ばから35歳頃に診断されることが多く、女性にやや多く見られる傾向があります1

症状と発見のきっかけ

腫瘍が小さい間は、多くの場合で症状はなく、腎機能にも影響を与えません1。そのため、健康診断の超音波検査や、他の病気の検査で偶然発見されるケースがほとんどです。しかし、腫瘍が大きくなるにつれて、腹部の膨満感や便秘といった、お腹の中での圧迫による症状が現れることがあります2。最も注意すべき危険な状態は、腫瘍内部の異常な血管が破裂することです。これにより、腫瘍内やその周囲で出血が起こり、急激な腹痛や血圧低下によるショック状態を引き起こし、生命を脅かす可能性があります2

治療が必要になるケースと治療法

治療の検討が推奨されるのは、主に破裂による出血の危険性が高まる場合です。具体的な指標として、順天堂大学医学部附属順天堂医院などの専門機関では、腫瘍の直径が4cmを超えた場合、または腫瘍内に直径5mm以上の動脈瘤(血管のこぶ)が見つかった場合に治療を考慮するとしています2。現在の標準的な治療法として第一に選択されるのは、「腎動脈塞栓術(じんどうみゃくそくせんじゅつ)」です。これは、カテーテルと呼ばれる細い管を用いて、腫瘍に栄養を供給している血管を塞いでしまう低侵襲的な治療法です。血流を遮断することで腫瘍を縮小させ、動脈瘤を治癒させることを目的とし、将来的な破裂・出血のリスクを未然に防ぎます2


可能性2:肥満やメタボが腎臓に与える影響「肥満関連腎臓病」

現代社会における健康問題として深刻化している「肥満」が、直接的に腎臓を傷害する状態、それが「肥満関連腎臓病」です。これは、糖尿病や高血圧といった併存疾患を介した間接的な影響とは区別される、肥満そのものが原因となる腎臓の病気です3

なぜ肥満で腎臓が悪くなるのか?そのメカニズム

肥満、特に内臓脂肪の蓄積は、体内のエネルギー過剰状態と代謝亢進を引き起こします。日本肥満症予防協会によると、この状態では、肥大化した脂肪細胞がアンジオテンシノーゲンという物質の産生と分泌を活発化させます3。これにより、血圧や体液バランスを調節するレニン・アンジオテンシン系(RAAS)というホルモンシステムが過剰に活性化されます。RAASの過剰な活性化は、腎臓のフィルターである「糸球体(しきゅうたい)」に二つの大きな負担をかけます。一つは糸球体での濾過量が異常に増える「糸球体過剰濾過」、もう一つは糸球体内の血圧が上昇する「糸球体高血圧」です。この過剰な負担が長期間続くことで、糸球体の構造が破壊され、腎機能が低下していきます3。さらに、腎臓の周囲など、本来あるべきでない場所に脂肪が蓄積する「異所性脂肪」は、それ自体が細胞への毒性(脂肪毒性)を持ち、インスリン抵抗性を悪化させ、慢性腎臓病(CKD)の進行をさらに加速させることが分かっています8

診断と検査:蛋白尿がサイン

肥満関連腎臓病の臨床的な特徴は、尿中に蛋白が漏れ出る「蛋白尿」が見られる一方で、血尿は稀であることです3。初期段階では自覚症状がほとんどなく、貧血や倦怠感、むくみといった症状が現れるのは、病気がかなり進行してからです。そのため、定期的な健康診断、特に尿検査と血液検査による早期発見が極めて重要になります3。確定診断のためには腎生検(腎臓の組織を採取して調べる検査)が必要となり、その病理組織像としては、糸球体が大きくなる「糸球体肥大」や、それに加えて糸球体の一部が硬化する「巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)」が特徴的です3

最新研究が示す脂質異常症の独立したリスク

肥満だけでなく、脂質異常症(高コレステロール血症など)やメタボリックシンドロームも、腎臓病の独立した危険因子であることが大規模な研究で明らかになっています。東京大学が約30万人の日本人労働者のデータを分析した画期的な研究では、年齢、性別、高血圧、糖尿病といった従来の危険因子を統計的に調整した後でも、肥満(BMI 25以上)、内臓脂肪蓄積(腹囲の増大)、そして脂質異常症(特にHDLコレステロール、いわゆる「善玉」コレステロールの低値)が、蛋白尿の出現や腎機能の経時的な低下リスクを独立して有意に上昇させることが示されました5。このことは、腎臓を守るためには、血糖値や血圧の管理と同等に、体重と血中脂質の管理が重要であることを強く裏付けています46

治療の基本は減量と生活習慣の改善

肥満関連腎臓病の治療の根幹は「減量」です。食事療法や運動療法による体重減少が、糸球体の過剰濾過を是正し、蛋白尿を著しく減少させることが複数の研究で証明されています3。薬物療法としては、病態の中心的な役割を担うRAASを抑制する薬剤、具体的にはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)やアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)が第一選択薬として用いられます3


可能性3:大量の蛋白尿とむくみが特徴の「ネフローゼ症候群」

「脂肪」と「腎臓」の関連で考えられるもう一つの重要な病態が「ネフローゼ症候群」です。これは、肥満関連腎臓病が進行した結果として起こることもあり10、また、病態そのものが重度の脂質異常症を特徴とするため、「脂肪腎症」という言葉のイメージと結びつきやすい疾患です。

ネフローゼ症候群とは?

ネフローゼ症候群は単一の病気ではなく、腎臓のフィルターである糸球体が何らかの原因で障害を受け、その透過性が異常に高まることで生じる一連の症状や検査値異常の総称(症候群)です11。フィルターの目が粗くなることで、血液中の重要なタンパク質であるアルブミンが大量に尿中へ漏れ出てしまいます12

主な症状と診断基準

最も顕著な症状は「むくみ(浮腫)」です。血中のアルブミンが減少すると、血液が水分を血管内に保持する力(膠質浸透圧)が低下し、水分が血管の外へ漏れ出して組織の間に溜まります。むくみは、まぶたなど皮膚の柔らかい部分から始まり、足首、そして全身へと広がり、腹水や胸水が溜まることもあります7。その他の特徴的な症状としては、尿中の蛋白濃度が非常に高いために起こる「尿の泡立ち」が挙げられます7
日本腎臓学会のガイドラインに基づく成人の診断基準は、以下の二つの必須項目を満たすことです14

  1. 高度な蛋白尿:1日の尿蛋白排泄量が3.5g以上
  2. 低アルブミン血症:血清アルブミン値が3.0g/dL以下

むくみや脂質異常症(高コレステロール血症)は重要な臨床所見ですが、診断の必須項目ではありません14

原因は、腎臓自体に原因がある「一次性」と、糖尿病、全身性エリテマトーデス(SLE)、C型肝炎などの感染症、悪性腫瘍といった全身性疾患が原因で起こる「二次性」に大別されます13

日本の患者数と予後データ

厚生労働省の令和元年度(2019年)の統計によると、指定難病である一次性ネフローゼ症候群の医療受給者証を保持している患者は、日本国内に10,109人存在します15
この病気の長期的な予後は、原因となる腎生検での組織型によって大きく異なります。難病情報センターが示すデータによると、腎生存率(透析導入に至らずに済む割合)は、組織型によって厳しい現実を示しています15

  • 膜性腎症:10年腎生存率は89%ですが、15年で80%、20年で59%と低下します。
  • 巣状分節性糸球体硬化症(FSGS):予後はさらに厳しく、10年腎生存率は85.3%、15年で60.1%、20年後にはわずか33.5%まで低下します。
  • 微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS):初期治療への反応は良好ですが、30%から70%という高い再発率が問題となります。また、感染症による死亡リスクが懸念され、特に65歳以上の高齢者では12.8%に達します。

これらのデータは、ネフローゼ症候群が長期的な治療を要する慢性疾患であり、特に成人患者の44%が2年以上にわたる継続的な免疫抑制療法を必要とするという事実を裏付けています15

治療法:ステロイド治療と国内外のガイドライン

一次性ネフローゼ症候群の治療は、日本腎臓学会(JSN)や国際的な組織であるKDIGO(Kidney Disease: Improving Global Outcomes)が発行する、科学的根拠に基づく診療ガイドラインに準じて行われます。
成人で最も頻度の高い微小変化型(MCNS)および巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)に対しては、プレドニゾロン(PSL)などの高用量ステロイド療法が第一選択となります14。日本腎臓学会の2020年ガイドラインでは、成人のMCNSに対するPSLの初期投与量を0.8~1mg/kg/日(最大60mg/日)と推奨しています22
国際的なKDIGOガイドラインと日本のJSNガイドラインでは、大筋で同様の治療戦略を推奨しつつも、日本の実臨床に合わせた微妙な差異が存在します。例えば、JSNガイドラインでは寛解(症状が落ち着くこと)後1~2週でのステロイド減量を許容するのに対し、KDIGOガイドラインでは寛解後も4週間は初期用量を維持することを推奨するなど、治療期間の考え方に違いが見られます1920。このような違いは、各国の医療データや専門家の経験に基づいて調整された結果であり、日本の医師がJSNガイドラインに沿って治療を行うことは、日本の患者にとって最適化された医療を提供する上で非常に重要です。これらのガイドラインは、厚生労働省の難治性腎疾患に関する調査研究班や、Brad Rovin氏(米国)、Jürgen Floege氏(ドイツ)といった世界的な専門家が主導するワーキンググループによって策定されています25


腎臓病と診断された方のための食事療法の基本

腎臓病の進行を抑制し、症状を管理する上で、食事療法は薬物療法と並んで非常に重要です。特に「減塩」はすべての腎臓病患者にとって基本中の基本となります27

なぜ減塩が重要なのか?

塩分(ナトリウム)を過剰に摂取すると、体は水分を溜め込み、血液量が増加します。これにより血圧が上昇し、腎臓の糸球体に大きな負担がかかります。また、体液量の増加は、むくみや心不全の原因ともなります。減塩は、これらの負担を軽減し、腎臓を保護するために不可欠です27

たんぱく質・カリウムの制限について

腎機能が低下してくると、たんぱく質の老廃物を十分に排泄できなくなり、体内に蓄積して尿毒症の原因となるため、たんぱく質の摂取制限が必要になる場合があります。また、カリウムも腎機能低下に伴い排泄されにくくなり、血中濃度が高くなると不整脈など命に関わる状態を引き起こすため、制限が必要となることがあります29。これらの制限の要否や程度は、病状や血液検査のデータによって個々に異なるため、必ず医師や管理栄養士の指導に従ってください。

美味しく減塩するための工夫と市販品活用術

日本の食文化において、醤油やだしは欠かせませんが、これらは塩分が高い傾向にあります。しかし、近年では、腎臓病患者向けに塩分だけでなく、カリウムやリンも調整された優れた市販品が多数開発されています。これらを上手に活用することで、食事の楽しみを損なうことなく減塩を実践することが可能です。
以下の表は、日本で入手可能な減塩・低カリウム・低リンの調味料の一例です。これらは、日々の食事療法をサポートする強力な味方となるでしょう。

腎臓病の食事療法をサポートする市販調味料の例
商品名 メーカー 主な特徴 栄養成分(目安) 参考リンク
からだ想い だしわりしょうゆ 日清オイリオグループ 減塩・低カリウム・低リン 食塩: 約8.7g/100ml32 製品情報
塩ぬき屋 50%減塩だしつゆ 塩ぬき屋 50%減塩, リン50%・カリウム70%カット 食塩: 8.7g, K: 168mg, P: 110mg /100ml33 製品情報
減塩だしの素 マルハチ村松 ナトリウム8割カット 食塩: 7.6g, K: 170mg, P: 430mg /100g34 製品情報
50% 減塩 極 だし醤油 塩ぬき屋 50%減塩, 低リン・低カリウム 食塩: 8.0g, K: 130.7mg, P: 52mg /100ml35 製品情報

注:栄養成分データは公表されている情報源に基づく推定値を含む場合があり、変更される可能性があります。使用前には必ず製品ラベルをご確認ください。

よくある質問

健康診断で「蛋白尿」を指摘されました。すぐに腎臓内科に行くべきですか?

はい、速やかに腎臓内科を受診することを強くお勧めします。蛋白尿は、肥満関連腎臓病やネフローゼ症候群など、多くの腎臓疾患の初期サインです3。自覚症状がなくても、腎臓で何らかの異常が起きている可能性を示唆します。早期に専門医の診察を受けることで、正確な原因を特定し、病気の進行を食い止めるための適切な治療や生活指導を開始することができます。

腎血管筋脂肪腫は良性とのことですが、放置しても大丈夫ですか?

腫瘍が小さい(例:直径4cm未満)うちは、多くの場合、定期的な経過観察のみで特別な治療は必要ありません2。しかし、良性であっても腫瘍が大きくなると、腹痛などの症状を引き起こしたり、最も危険な合併症である破裂・出血のリスクが高まります。そのため、「良性だから大丈夫」と自己判断せず、必ず専門医の指示に従い、定期的に画像検査(超音波検査やCT検査など)を受けて、腫瘍の大きさや状態の変化を監視してもらうことが非常に重要です。

ネフローゼ症候群の治療でステロイドを使うのが不安です。副作用は大丈夫でしょうか?

ステロイド(プレドニゾロンなど)はネフローゼ症候群の治療に不可欠な薬ですが、易感染性(感染しやすくなる)、満月様顔貌(顔が丸くなる)、高血圧、高血糖、骨粗鬆症など、様々な副作用の可能性があります。しかし、医師はこれらの副作用を最小限に抑えるため、患者さん一人ひとりの状態に合わせて投与量を慎重に調整し、治療中は副作用の出現を注意深く監視します。また、副作用を予防・管理するための薬を併用することも一般的です。治療の利益と不利益を十分に理解し、不安な点があれば遠慮なく主治医に相談し、納得して治療に臨むことが大切です。

結論

「脂肪腎症」という医学的に不正確な言葉の裏には、腎血管筋脂肪腫、肥満関連腎臓病、そしてネフローゼ症候群という、それぞれ異なる性質を持つ3つの重要な疾患が隠れている可能性を解説しました。これらの疾患は、無症状で進行するものから、生命を脅かす急変をきたすもの、あるいは長期にわたる厳しい治療を要するものまで様々です。共通して言える最も重要なことは、健康診断などで指摘される「蛋白尿」や、ご自身で気づく「むくみ」「尿の泡立ち」といったサインを見逃さず、早期に専門家である腎臓内科医に相談することです。本記事が、皆様の腎臓の健康に対する理解を深め、適切な医療へと繋がる一助となれば幸いです。

免責事項本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言に代わるものではありません。健康に関する懸念や、ご自身の健康や治療に関する決定を下す前には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

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