親知らずの埋伏歯とは?抜歯の必要性と判断基準【医師監修】
口腔の健康

親知らずの埋伏歯とは?抜歯の必要性と判断基準【医師監修】

親知らず、専門的には第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)または智歯(ちし)と呼ばれるこの歯は、多くの場合、18歳から25歳頃にかけて口腔内の最も奥に生えてきます。しかし、現代人の食生活の変化や進化の過程で顎が小さくなる傾向にあるため、親知らずが正常に生えるための十分なスペースがなく、結果として埋伏歯(まいふくし)となるケースが増えています。特に日本においては、親知らずがまっすぐに生える人は約3割程度で、残りの約7割は何らかの形で問題を抱えやすいという報告や、約4人に1人は親知らずが生えてこない(先天性欠如も含む)というデータもあります1。親知らずが埋伏した状態は、痛みや腫れといった不快な症状だけでなく、隣接する歯や歯周組織、さらには顎全体に悪影響を及ぼす可能性があります。この記事では、親知らずの埋伏という状態に焦点を当て、その原因、引き起こされる可能性のある合併症、抜歯の必要性の判断基準、具体的な治療法、そして術後のケアに至るまで、最新の医学的エビデンスと専門家の知見を基に、包括的かつ詳細に解説します。読者の皆様が親知らずに関する正しい知識を得て、適切な対処法を選択するための一助となることを目的としています。

要点まとめ

  • 埋伏した親知らずは、歯肉や顎の骨に埋まった状態で、スペース不足や生える方向の異常が主な原因です。約7割の日本人が何らかの問題を抱えやすいとされています1
  • 放置すると、智歯周囲炎(痛み・腫れ)、隣接歯の虫歯や歯根吸収、歯並びの悪化、嚢胞や腫瘍の形成など、様々な合併症を引き起こすリスクがあります234
  • 抜歯は、炎症を繰り返す場合、周囲の歯に悪影響がある場合、嚢胞などが確認された場合に強く推奨されます56。症状がなくても、将来のリスクが高いと判断されれば予防的に抜歯することもあります。
  • 診断にはパノラマX線や歯科用CTが不可欠で、特にCTは神経との位置関係を精密に把握し、手術の安全性を高めます。
  • 抜歯後は痛みや腫れが伴いますが、適切な術後ケア(安静、食事、服薬、口腔清掃)を行うことで、ドライソケットなどの合併症を防ぎ、スムーズな回復につながります。

1. 親知らずの「埋伏」とは何か?

親知らずの悩みは、多くの人が一度は経験するかもしれません。しかし、その「埋伏」という状態が具体的に何を指し、なぜ起こるのかを正確に理解することが、適切な対処への第一歩となります。

1.1. 埋伏歯の定義と原因

埋伏歯とは、親知らずが歯肉や顎の骨の中に完全に、あるいは部分的に埋まったままで、正常な位置まで完全に萌出(ほうしゅつ:歯が生えること)できない状態を指します。歯が萌出するためには、十分なスペースと正しい方向への成長が不可欠ですが、親知らずに関してはこれらの条件が満たされないことが少なくありません。

主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 顎のスペース不足: 現代人の顎骨は進化の過程で小さくなる傾向があり、最後に生えてくる親知らずのためのスペースが不足しがちです7
  • 歯の萌出方向の異常: 親知らずが斜めや水平方向を向いてしまい、前方の歯に引っかかって萌出できないことがあります。
  • 他の歯の存在: 隣接する第二大臼歯が障害となり、萌出を妨げることがあります。
  • 歯胚(しはい:歯の種)の位置異常: 歯が作られる元となる歯胚の位置が元々不適切な場合、正常な萌出が期待できません7
  • 骨性癒着(アンキローシス): まれに歯と顎骨が直接癒着してしまい、萌出できなくなることもあります7

日本人の顎の形態は、欧米人と比較して前後的にも横幅も小さい傾向があり、これが親知らずの埋伏を引き起こしやすい一因と考えられています。食生活の変化により硬いものを噛む機会が減ったことも、顎の発育に影響を与えている可能性が指摘されています。

1.2. 埋伏のタイプと特徴

親知らずの埋伏状態は、その埋まり方によっていくつかのタイプに分類されます。それぞれのタイプによって、引き起こされる問題の傾向や抜歯の難易度が異なります2

  • 完全埋伏(かんぜんまいふく): 歯が完全に顎骨の中、または歯肉の下に埋まっている状態。レントゲン撮影をしないと存在に気づかないことも多いです。このタイプは、直接的な感染のリスクは低いものの、嚢胞(のうほう)形成などのリスクを潜在的に抱えています2
  • 部分埋伏(ぶぶんまいふく)または半埋伏(はんまいふく): 歯の一部だけが歯肉から露出している状態。歯と歯肉の間に汚れが溜まりやすく、炎症(智歯周囲炎)や虫歯のリスクが非常に高いタイプです2
  • 水平埋伏(すいへいまいふく): 歯が真横を向いて埋まっている状態。前方の第二大臼歯の根を押したり、清掃が極めて困難であるため、多くの問題を引き起こしやすいです。
  • 垂直埋伏(すいちょくまいふく): 歯はまっすぐ上を向いているものの、骨や歯肉に覆われて完全に萌出できない状態。
  • 傾斜埋伏(けいしゃまいふく): 歯が斜めを向いて埋まっている状態。近心傾斜(前方に傾いている)が多く、第二大臼歯との間に食片が詰まりやすいです。

1.3. 埋伏歯が引き起こす初期症状

埋伏した親知らずが周囲の組織に何らかの影響を及ぼし始めると、以下のような初期症状が現れることがあります。

  • 歯肉の腫れ・痛み: 親知らずの周囲の歯肉が赤く腫れたり、ズキズキとした痛みを感じたりします。特に部分埋伏の場合に起こりやすいです。
  • 開口障害: 炎症が顎の筋肉にまで及ぶと、口が開きにくくなることがあります。
  • 顎の違和感・圧迫感: 親知らずが隣の歯を押している場合などに感じることがあります。
  • 口臭: 埋伏歯の周囲に汚れが溜まり、細菌が繁殖することで口臭の原因となることがあります。
  • 味覚異常: 炎症による膿などが原因で、苦味を感じることがあります。

これらの症状は、体調が悪く免疫力が低下した時などに顕著になることがあります。自己判断で放置せず、症状が軽微であっても一度歯科医師に相談することが重要です。

2. なぜ埋伏した親知らずは問題になるのか?一般的な合併症

埋伏した親知らずは、単に痛みや腫れを引き起こすだけでなく、口腔内全体の健康を脅かす様々な合併症の原因となり得ます。

2.1. 智歯周囲炎(ちししゅういえん)

智歯周囲炎は、親知らずの周囲の歯肉が細菌感染によって炎症を起こす病気で、埋伏歯に関連する最も一般的なトラブルの一つです2。特に、歯の一部が歯肉から顔を出している半埋伏の状態では、歯と歯肉の間に深いポケットが形成されやすく、そこに食べ物のカスや細菌が溜まることで炎症が引き起こされます。

主な症状としては、歯肉の腫れ、赤み、ズキズキとした痛み、膿の排出などがあります。炎症が進行すると、口が開きにくくなる(開口障害)、ものが飲み込みにくくなる(嚥下困難)、顔が腫れる、顎の下のリンパ節が腫れる、発熱や倦怠感といった全身症状が現れることもあります2。智歯周囲炎は、一度症状が治まっても、疲れやストレスなどで免疫力が低下すると再発しやすいという特徴があります。日本口腔外科学会も、智歯周囲炎を繰り返すような場合は抜歯を検討するとしています5。重症化すると、炎症が周囲の組織に広がり、稀に蜂窩織炎(ほうかしきえん)という危険な状態に至ることもあるため、早期の対処が肝心です。

2.2. 隣接歯(第二大臼歯/第七歯)への悪影響

埋伏した親知らず、特に斜めや水平に生えているものは、隣接する健康な第二大臼歯(前から7番目の歯、文献によっては第七歯と表記)に様々な悪影響を及ぼすことがあります4

  • 圧迫による歯根吸収: 親知らずが第二大臼歯の根を継続的に圧迫することで、第二大臼歯の歯根が溶けてしまう(歯根吸収)ことがあります。歯根吸収が進行すると、第二大臼歯の寿命を縮め、最悪の場合、親知らずだけでなく第二大臼歯も抜歯しなければならなくなることがあります。
  • う蝕(虫歯)誘発: 親知らずと第二大臼歯の間は、歯ブラシが届きにくく、非常に汚れが溜まりやすい場所です。ここにプラークが蓄積すると、親知らずだけでなく、第二大臼歯の後ろ側(遠心面)にも虫歯が発生しやすくなります。この部分の虫歯は発見が遅れがちで、気づいた時には神経の近くまで進行していることも少なくありません。
  • 歯周病の進行: 同様に、清掃不良は歯周病のリスクも高めます。親知らず周囲の炎症が第二大臼歯の歯周組織にも波及し、歯槽骨(歯を支える骨)の吸収を引き起こすことがあります。

Falci SGMらによる2019年のシステマティックレビューおよびメタアナリシスでは、埋伏した第三大臼歯(親知らず)の存在と歯列の乱れ(特に前歯部の叢生)との間に関連性がある可能性が指摘されており、親知らずが隣接歯に力を加え続けることの潜在的な影響を示唆しています8

2.3. う蝕(虫歯)と歯周病のリスク

親知らず自体が虫歯や歯周病になるリスクも非常に高いです。最も奥に位置し、生え方が複雑な場合が多いため、日常の歯磨きだけでは十分に清掃することが困難です2

  • 親知らず自体のう蝕: 部分的に萌出している親知らずは、食べ物が詰まりやすく、細菌の温床となりやすいです。結果として虫歯になり、進行すると強い痛みを引き起こします。
  • 親知らず自体の歯周病: 親知らず周囲の歯肉に炎症が起き(前述の智歯周囲炎も含む)、進行すると歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が失われていきます。

これらの問題は、親知らずがまっすぐに生えていて噛み合わせに参加している場合でも、清掃が不十分であれば起こり得ます。

2.4. 歯列不正・咬合異常

親知らずが萌出する際に十分なスペースがない場合、前方の歯を押し出すようにして力を加え、結果として歯並び全体に影響を与えることがあります2

  • 前歯部の叢生(そうせい): 親知らずの圧力が徐々に前方の歯に伝わり、特に下の前歯がガタガタになることがあります。
  • 咬合の変化: 歯列全体のバランスが崩れることで、噛み合わせが悪くなることがあります。
  • 矯正治療後の後戻り: 矯正治療で歯並びを整えた後に親知らずが生えてくると、その萌出力によって歯が再び移動し、後戻りの原因となることがあります9。このため、矯正治療計画の一環として、親知らずの抜歯が検討されることも少なくありません。

アメリカ口腔顎顔面外科学会(AAOMS)も、埋伏した親知らずが隣接歯にダメージを与える可能性を指摘しています6

2.5. 嚢胞や腫瘍の形成

頻度はそれほど高くありませんが、埋伏した親知らずに関連して、顎骨内に嚢胞(のうほう)や腫瘍が発生することがあります4

  • 含歯性嚢胞(がんしせいのうほう): 埋伏歯の歯冠(歯の頭の部分)を取り囲むようにして液体が溜まった袋状の病変ができることがあります。含歯性嚢胞はゆっくりと大きくなり、顎の骨を内側から圧迫して吸収・破壊したり、隣接する歯を移動させたりすることがあります。初期には自覚症状がないことが多く、レントゲン検査で偶然発見されることも少なくありません。
  • その他の腫瘍: ごくまれに、歯に関連する良性腫瘍や、さらに稀ですが悪性腫瘍が発生することもあります。

これらの病変は、症状が進行するまで気づかれにくいという特徴があるため、定期的な歯科検診とレントゲン検査による早期発見が非常に重要です。

2.6. 下歯槽神経麻痺のリスク

下顎の親知らずは、その歯根の近くに下歯槽神経(かしそうしんけい)という太い神経が走行しています。この神経は、下唇や顎の皮膚、歯肉、歯の感覚を支配しています。埋伏した親知らずの歯根がこの神経に非常に近い位置にある場合や、接触・圧迫している場合、抜歯の際に神経を損傷するリスクがあります9。神経損傷が起こると、抜歯後に下唇や顎の皮膚にしびれ感や感覚の鈍麻(麻痺)が生じることがあります。多くは一過性で数週間から数ヶ月で回復しますが、稀に永久的な麻痺が残ることもあります。このリスクを評価するために、歯科用CT検査が非常に有効です。CT画像では、親知らずの歯根と下歯槽神経管(神経が通る管)との三次元的な位置関係を精密に把握できるため、手術の難易度や神経損傷のリスクをより正確に予測し、安全な抜歯計画を立てるのに役立ちます。神経損傷のリスクが高いと判断される場合には、歯冠部分のみを切除して歯根を残すコロネクトミー(歯冠切除術)という術式が選択されることもあります。この術式に関する研究も進められています10

2.7. その他(口臭、顎関節症など)

上記以外にも、埋伏した親知らずは以下のような問題を引き起こす可能性があります。

  • 口臭の悪化: 埋伏歯周囲の清掃不良は、細菌の繁殖を促し、不快な口臭の原因となります。特に半埋伏の状態で歯周ポケットが深くなっている場合は、口臭が強くなりやすい傾向があります2
  • 顎関節症のリスク: 親知らずが原因で噛み合わせのバランスが崩れたり、炎症が顎関節周囲の筋肉に波及したりすることで、顎関節に負担がかかり、顎関節症の発症や悪化に関与することがあります2。口を開けると顎が痛む、カクカク音がする、口が開きにくいといった症状が現れることがあります。

これらの合併症は、一つだけでなく複数同時に起こることもあり、口腔内全体の健康状態を著しく低下させる可能性があります。

3. 埋伏した親知らず:抜歯の必要性の判断基準

埋伏した親知らずを抜歯するかどうかは、個々の状況によって異なり、一律の基準があるわけではありません。歯科医師は、患者さんの年齢、全身状態、親知らずの埋伏状態、周囲の歯や組織への影響、そして患者さん自身の希望などを総合的に考慮して、最適な治療方針を決定します。

3.1. 抜歯が強く推奨されるケース

以下のような場合には、一般的に親知らずの抜歯が強く推奨されます。

  • 繰り返す智歯周囲炎、管理不能な痛みや腫れ: 智歯周囲炎を頻繁に繰り返している、または一度でも重度の炎症を起こした場合は、再発のリスクが高いため抜歯が検討されます5。薬で一時的に症状が治まっても、根本的な原因である親知らずが存在する限り、再燃する可能性が高いです。
  • 親知らず自体または隣接歯に進行したう蝕や歯周病: 親知らずが原因で虫歯や歯周病が発生し、それが親知らず自体や隣接する第二大臼歯の健康を脅かしている場合、抜歯が適応となります11。特に第二大臼歯に影響が及んでいる場合は、その歯を守るために親知らずの抜歯が優先されることが多いです。
  • 嚢胞、腫瘍、明らかな隣接歯への圧迫や歯根吸収: レントゲン検査やCT検査で、親知らずに関連する嚢胞や腫瘍が確認された場合、または親知らずが隣の歯を強く押して歯根吸収などを引き起こしている場合は、病変の拡大やさらなる組織破壊を防ぐために抜歯が必要です6
  • 矯正治療の妨げになる、または後戻りのリスクとなる場合: 歯列矯正を行う際に親知らずが邪魔になる場合や、矯正治療後に親知らずが生えてくることで歯並びが再び乱れる(後戻り)リスクが高いと判断される場合には、予防的に抜歯されることがあります。
  • その他: 原因不明の顎の痛みや顔面痛(非定型歯痛など)があり、親知らずがその原因として疑われる場合など。

アメリカ口腔顎顔面外科学会(AAOMS)は、感染、修復不可能な虫歯、嚢胞や腫瘍などの病理学的変化、隣接歯へのダメージがある場合に抜歯を推奨しています6。日本口腔外科学会も、智歯周囲炎を繰り返す場合や、親知らずが原因で第二大臼歯に虫歯ができるような場合には抜歯の対象となるとしています5

3.2. 予防的抜歯の議論:症状がなくても抜くべきか?

現在症状がなく、明らかな病変も見られない埋伏した親知らず(無症状性埋伏智歯)を、将来起こりうる問題を未然に防ぐ目的で抜歯すること(予防的抜歯)については、国際的にも専門家の間で見解が分かれており、一貫したコンセンサスは得られていません。

国際的な見解の比較:
英国のNICE(国立医療技術評価機構)は、2000年のガイドラインで無症状の埋伏智歯の予防的抜歯はルーチンに行うべきではないとしましたが12、その後の議論も続いています13。一方、米国のAAOMSは、若年成人期に評価し、将来のリスクが高い場合は予防的抜歯も選択肢とする立場です6。Cochrane Reviewなどのシステマティックレビューでは、予防的抜歯の明確な利益を示すエビデンスは限定的と報告されています14

日本における考え方:
日本国内には統一された明確なガイドラインは存在しません15。そのため、臨床現場では、将来的なトラブル(虫歯、歯周病、妊娠中のトラブルなど)を未然に防ぐ目的で、患者さんの年齢(若年者の方が回復が早い傾向にある9)、清掃状態、ライフプランなどを考慮して予防的抜歯が勧められることがあります。歯科医師はこれらの情報を基に、患者さん一人ひとりにとって最善と考えられる選択肢を提示し、十分な話し合い(インフォームド・コンセント)の上で治療方針を決定します。

3.3. 経過観察が選択されるケース

以下のような場合には、直ちに抜歯を行わず、定期的な経過観察を選択することがあります。

  • 完全埋伏で無症状・無病変: 親知らずが完全に顎骨内に埋伏し、レントゲンで病的な変化がなく、症状もない場合。
  • 清掃状態が良好でリスクが低い: 部分的に萌出していても、口腔ケアが良好で炎症や虫歯のリスクが低い場合。
  • 高齢者や重篤な全身疾患がある場合: 抜歯手術そのものが大きなリスクを伴うと判断される場合。
  • 患者が抜歯を希望しない場合: リスクを十分に説明した上で、患者さん自身の意思を尊重します。

経過観察の注意点: 経過観察は「放置」とは異なります。最低でも半年に一度から一年に一度程度の定期的な歯科検診とレントゲン撮影で状態を確認し続けることが非常に重要です。

3.4. 診断プロセス:歯科医は何を診ているのか?

歯科医師が親知らずの状態を診断し、治療方針を決定するまでには、問診、視診・触診、そして不可欠な画像検査を経ます。

表:親知らずの主な画像診断法とその目的
検査法 主な目的 利点 注意点
パノラマX線写真 全体像の把握、埋伏状態の確認 低被曝、簡便 三次元的位置関係の把握に限界
デンタルX線写真 特定の歯の詳細な状態(う蝕、歯周組織)の確認 高解像度 撮影範囲が限定的
歯科用CT 三次元的な位置関係、神経・血管との近接度評価、嚢胞・腫瘍の範囲評価 精密な診断、手術計画への貢献、神経損傷リスクの低減に寄与 X線被曝量がパノラマよりやや多い、設置施設限定、保険適用の条件あり

特に歯科用CTは、下顎の親知らずと下歯槽神経管、上顎の親知らずと上顎洞との位置関係を精密に把握するために極めて重要です。これにより、難抜歯が予想される場合や神経損傷のリスクが高い場合に、手術計画の立案と安全性の向上が図られます。

4. 親知らずの抜歯:実際の手順と術後の注意点

親知らずの抜歯は、口腔外科領域では比較的頻繁に行われる手術の一つですが、その手順や術後の経過は、親知らずの状態や患者さん個々の状況によって大きく異なります。

4.1. 抜歯の術式:どのように抜くのか?

抜歯は多くの場合、外来での日帰り手術として局所麻酔下で行われます。方法は大きく分けて単純抜歯と難抜歯(埋伏歯抜歯)があります。

  • 単純抜歯: 親知らずがまっすぐに生えている場合。通常の抜歯と同様の手順で、比較的短時間で完了します9
  • 難抜歯(埋伏歯抜歯): 親知らずが歯肉や骨に埋伏している場合。歯肉の切開、歯を覆う骨の削り取り(骨開削)、歯を分割して取り出すなどの手順が必要になります9。手術時間は状態により30分~1時間以上かかることもあります。

費用は保険診療が適用され、3割負担の場合で単純抜歯なら数千円、CT撮影などを含む難抜歯では1万円~2万円程度が目安となります。

4.2. 麻酔について

痛みをコントロールするため、主に以下の麻酔法が用いられます。

  • 局所麻酔: 最も一般的で、手術部位の感覚を麻痺させます。下顎の埋伏歯抜歯では、より広範囲に効く伝達麻酔が用いられることが多いです16
  • 静脈内鎮静法: 点滴で鎮静剤を投与し、リラックスしたうとうとした状態で手術を受ける方法です。歯科治療への恐怖心が強い方などに適しています16
  • 全身麻酔: 完全に意識をなくした状態で手術を受ける方法で、極めて困難な症例や特定の基礎疾患を持つ患者さんなどに適用され、入院が必要なことが一般的です。

4.3. 抜歯後の一般的な経過:痛み、腫れ、出血

抜歯後、ある程度の痛み、腫れ、出血は避けられません。

  • 痛み: 術後2~3日がピークで、処方される鎮痛剤でコントロールします9
  • 腫れ: 術後2~3日目がピークで、1週間程度で徐々に引きます9。術後24~48時間の冷却が有効です17
  • 出血: 当日は唾液に血が混じる程度続きます。ガーゼをしっかり噛んで圧迫止血します17。頻繁なうがいを避けることが重要です。傷口を保護する血の塊(血餅)が剥がれないようにするためです18

4.4. 重要な術後セルフケア

回復を早め、合併症を防ぐためには、以下の指示を守ることが非常に重要です。

  • 安静と患部の冷却: 当日は激しい運動、長時間の入浴、飲酒を避けましょう19
  • 食事: 麻酔が切れるまで食事は控え、数日間は柔らかく栄養のあるものを摂りましょう17
  • 口腔清掃: 当日の強いうがいは避け、抜歯部位以外は丁寧に歯磨きします17
  • 禁煙・禁酒: 喫煙は傷の治りを遅らせ、感染リスクを高めます。少なくとも1週間は控えましょう17
  • 処方薬の確実な服用: 指示通りに抗生物質や鎮痛剤を服用してください17。Malik Bら(2021年)の研究では、適切な抗生物質の使用が術後合併症のリスクを低減できる可能性が報告されています20

4.5. 注意すべき合併症とその対策

稀ですが、以下のような合併症が起こることがあります。兆候が見られたら速やかに歯科医師に連絡してください。

  • ドライソケット: 抜歯後の穴(抜歯窩)の血餅が剥がれ、骨が露出して激しい痛みを引き起こす状態です18。下顎埋伏歯抜歯後の発生率は数パーセント程度と報告されています2122。術後の指示を守ることが最大の予防法です。
  • 術後感染(SSI): 抜歯後数日経ってから、再び腫れや痛みが強くなる状態です。日本国内の研究では発生率は1.1%~2.7%程度と報告されています23。抗菌薬の投与などが必要です。
  • 神経麻痺: 下顎の抜歯では、下唇や舌の感覚を司る神経を損傷するリスクが稀にあります。発生頻度は低いですが、術前のCT検査による評価が予防に重要です。あるメタアナリシスでは、下歯槽神経損傷の発生率は0.5%~8%と報告されています10

4.6. 抜歯後の回復期間の目安

回復期間は個人差が大きいですが、一般的な目安は以下の通りです。

  • 術後1~3日: 痛みと腫れのピーク。
  • 術後1週間: 痛みや腫れが大幅に軽減。抜糸の時期。
  • 術後2週間~1ヶ月: 歯肉の傷口はほぼ治癒。食事も通常通りに。
  • 術後数ヶ月: 抜歯窩が新しい骨で満たされる。完全に治癒するには3ヶ月~半年以上かかることもあります。

5. 親知らず抜歯に関する最新の研究動向とトピック

親知らずの治療は、単に「抜く」という行為から、患者さんのQOL(生活の質)向上や将来の健康を見据えた、個別化された精密な医療へと進化しつつあります。

5.1. 予防的抗菌薬投与の是非とエビデンス

抜歯後の感染予防のための抗菌薬投与については長年議論があります。Malik Bらの2021年の研究では、健康な患者において術後早期の抗菌薬投与が感染リスクを低減する可能性を示唆しましたが20、薬剤耐性菌のリスクも考慮し、その適応は慎重に判断されるべきとされています。日本の臨床現場では多くの施設で予防的投与が行われていますが、その方法にはばらつきがある可能性も指摘されています24

5.2. 神経損傷リスク低減のための技術

下歯槽神経などの損傷リスクを最小限に抑えるため、3次元CT画像の活用が一般化しています。これにより、歯根と神経の正確な位置関係を把握し、安全な手術計画が可能になります。リスクが非常に高い場合には、歯冠部分のみを切除し歯根を残す「歯冠切除術(コロネクトミー)」が選択されることもあり、この術式は神経損傷率を有意に低下させることが複数の研究で示されています10

5.3. 抜歯後の骨吸収抑制と組織再生

抜歯後の骨の吸収を抑え、再生を促すための研究も進んでいます。Marques Tら(2023年)のシステマティックレビューでは、抜歯窩に骨補填材などを入れる歯槽堤保存術(ARP)が、骨の高さや幅の減少を有意に抑制することを示しました25。これは将来のインプラント治療などに有利に働きます。また、患者自身の血液から作るPRF(多血小板フィブリン)の利用も創傷治癒促進の効果が期待されています。

5.4. 親知らずの幹細胞利用の可能性

近年、抜歯した親知らずの歯髄(歯の神経)から採取される幹細胞(歯髄幹細胞)を用いた再生医療が注目されています。これらの幹細胞は、神経や骨の再生などに応用できる可能性を秘めており、将来の治療に備えて凍結保存する「歯髄細胞バンク」というサービスも登場しています26。まだ研究開発段階の技術も多いですが、歯科医療における新たな可能性として期待されています。

6. 抜歯を行わない場合の選択肢と管理

すべての埋伏歯が抜歯の対象となるわけではありません。抜歯をしない場合は、適切な管理が不可欠です。

6.1. 定期的な歯科検診と画像評価

抜歯しないと判断された親知らずは、「放置」ではなく「定期的な管理下に置く」ことが重要です。最低でも半年に一度の歯科検診と、1年に一度程度のレントゲン撮影で、状態に変化がないかを確認し続ける必要があります。

6.2. 徹底した口腔ケア

患者さん自身による日々の徹底した口腔ケアが最も重要です。ヘッドの小さい歯ブラシや、タフトブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどの補助的清掃用具を活用し、磨きにくい親知らずの周囲を清潔に保つことが求められます。定期的な専門的クリーニング(PMTC)も効果的です。

6.3. 部分的な歯肉切除(オペルクレクトミー、歯肉弁切除術)

親知らずの一部を覆う歯肉(歯肉弁)が原因で炎症を繰り返す場合、この歯肉弁を切除して清掃しやすくする手術(オペルクレクトミー)があります5。これにより一時的に症状は改善しますが、根本的な解決にはならず、再発を繰り返す場合はやはり抜歯が検討されます。

健康に関する注意事項

  • この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的アドバイスに代わるものではありません。親知らずに関する症状や不安がある場合は、自己判断せず、必ず専門の歯科医師または口腔外科医にご相談ください。
  • 抜歯後の痛み、腫れ、出血などの症状が長引く場合や、処方された鎮痛剤が効かないほどの激しい痛みが生じた場合は、ドライソケットや術後感染の可能性がありますので、速やかに抜歯を行った歯科医院に連絡してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 親知らずは4本全部抜かないといけないの?

A1. 必ずしも4本全てを抜く必要はありません。抜歯の必要性は、上下左右それぞれの親知らずの状態(埋伏の仕方、向き、清掃状態、症状の有無、隣接歯への影響など)によって個別に判断されます。例えば、上の親知らずはまっすぐ生えていて問題ないが、下の親知らずだけが水平に埋伏してトラブルを起こしているような場合は、下の親知らずのみを抜歯することもあります。また、4本全てが問題なく生えており、清掃も良好であれば、1本も抜かずに経過を見ることもあります。重要なのは、それぞれの親知らずの状態を正確に診断し、個々の状況に合わせて歯科医師とよく相談して方針を決めることです。

Q2. 妊娠中・授乳中に親知らずが痛くなったらどうすればいい?抜歯はできる?

A2. 妊娠中は、ホルモンバランスの変化やつわりの影響で口腔内の環境が悪化しやすく、親知らずの周囲で炎症(智歯周囲炎)が起きやすくなることがあります。もし妊娠中に親知らずが痛くなった場合は、まず応急処置(洗浄、抗菌薬の投与など)で症状を和らげることを優先します。妊娠中の抜歯については、一般的に安定期(妊娠中期:5~7ヶ月頃)であれば、胎児への影響が比較的少ないとされ、必要な場合には抜歯を行うことも可能です。しかし、X線撮影や使用できる薬剤に制限があるため、歯科医師と産婦人科医が連携を取り、慎重に判断する必要があります。授乳中の抜歯は、使用する麻酔薬や処方される薬剤が母乳に移行する可能性を考慮しますが、多くは短期間の使用であれば安全とされています。必ず歯科医師に授乳中であることを伝え、安全性の高い薬剤を選択してもらいましょう。理想的には、妊娠を計画している段階で歯科検診を受け、問題のある親知らずは妊娠前に抜歯しておくことが推奨されます。

Q3. 抜歯後の穴はいつ塞がる?食べ物が詰まるのが心配。

A3. 親知らずを抜いた後の穴(抜歯窩)は、徐々に治癒していきます。歯肉の傷口が表面上閉じるのには、通常2週間~1ヶ月程度かかります18。しかし、抜歯窩の内部が新しい骨で完全に満たされ、平坦になるまでには、数ヶ月(一般的には3~6ヶ月程度、場合によってはそれ以上)かかります。治癒の初期段階では、抜歯窩に食べ物が詰まりやすくなりますが、無理に取り除こうとせず、食後の軽いうがいで対応しましょう。通常は歯肉が治癒するにつれて、自然に排出されるようになります。

Q4. 抜歯後にスポーツや旅行はいつから可能?

A4. 抜歯当日は、血行が良くなるような激しい運動、長時間の入浴、飲酒などは避けるべきです。これらは再出血や腫れ、痛みを悪化させる可能性があります19。本格的なスポーツは少なくとも術後1週間程度、海外旅行などの長距離移動は、万が一のトラブルに対応できるよう、抜糸が終わって傷口が落ち着く(通常術後1~2週間)までは控えるのが賢明です。具体的な活動再開のタイミングは、担当の歯科医師に確認してください。

Q5. 親知らずを抜くと小顔になるって本当?

A5. 「親知らずを抜くと小顔になる」という話に明確な医学的根拠はありません。抜歯が顔の骨格を直接変えることはありません。ただし、抜歯後の腫れが引くことや、親知らずが原因だった噛みしめが改善されて顎の筋肉(咬筋)の緊張が和らぐことで、顔の印象がスッキリしたように感じられる可能性はあります。しかし、これは全ての人に当てはまるわけではなく、美容目的で安易に抜歯を考えるべきではありません。

結論

親知らずの埋伏は、現代において多くの人々が直面する可能性のある口腔内の問題です。放置することで、智歯周囲炎、隣接歯へのダメージ、歯列不正、嚢胞形成など、多岐にわたる合併症を引き起こすリスクがあります。抜歯の判断は、個々の状態、リスク、患者さんの希望などを総合的に考慮し、専門家である歯科医師が慎重に決定します。最も重要なのは、自己判断せずに、まずは信頼できる歯科医師に相談することです。定期的な検診を欠かさず、違和感があればすぐに受診し、十分な説明(インフォームド・コンセント)を受けて納得した上で治療方針を決めることが、後悔しないための第一歩です。術後の指示をしっかり守り、適切なセルフケアを徹底することが、スムーズな回復と長期的な口腔健康の維持につながります。本記事が、その一助となれば幸いです。

免責事項この記事は医学的アドバイスに代わるものではなく、症状がある場合は専門家にご相談ください。

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