癜風(でんぷう)治療の完全ガイド:市販薬から処方薬まで科学的根拠に基づき徹底解説
皮膚科疾患

癜風(でんぷう)治療の完全ガイド:市販薬から処方薬まで科学的根拠に基づき徹底解説

まず、ご自身の症状が本当に癜風(でんぷう)であるか診断を確かめ、軽度であれば外用薬(塗り薬)から治療を開始します。症状の範囲が広い場合や再発を繰り返すケースでは、経口アゾール系抗真菌薬の内服を検討します。ここで重要なのは、水虫などに使われるテルビナフィンの内服薬は癜風には無効であるという点です。また、治療後に皮膚の色むらが正常に戻るまでには数週間から数か月かかります。再発しやすい季節には、抗真菌シャンプーを用いた予防が効果的です。

本記事の信頼性について

信頼できる理由: 本記事は、日本の皮膚真菌症診療ガイドライン(2019年版)や主要な学術レビュー論文、厚生労働省の公的資料を最優先の根拠としています。記載する数値は単位・発表年・対象集団を併記して検証可能性を担保しました。特に重要な主張(例:薬剤の無効性)は、複数の独立した情報源で裏付けを取り、矛盾があればその旨を注記します。

編集体制: 本記事はJHO編集部がAIを活用して編集・検証しました。外部の医師・専門家の関与はありません。これは医学的助言ではなく、情報提供を目的としています。

この記事の要点まとめ

  • 治療の第一歩は外用薬: 治療はまず抗真菌成分を含む塗り薬やシャンプーから始めます。これが基本です。
  • 飲み薬の選択が重要: 広範囲に広がったり、頻繁に再発したりする場合は、飲み薬を検討します。国内ではイトラコナゾールが保険適用となります。
  • テルビナフィン内服薬は効きません: 水虫治療で有名なテルビナフィンの飲み薬は、癜風には効果がありません。薬剤の選択を誤らないことが大切です。8
  • 色むらの回復はゆっくり: 治療で菌が消えても、皮膚の色が元に戻るには数週間から数か月かかります。鱗屑(うろこ状のくず)がなくなれば、感染自体は制御されています。1
  • 予防にはシャンプーが有効: 再発を防ぐため、週に1~2回、抗真菌成分配合のシャンプーなどを定期的に使用することを習慣にしましょう。

第1章 皮膚真菌感染症の理解:癜風(Pityriasis Versicolor)と白癬(Dermatophytosis)の明確化

1.1. 用語の定義:利用者の問い合わせへの対応

お問い合わせでよく使われる「白癬(はくせん)」という言葉は、医学的には特定の真菌が原因の感染症を指しますが、一般的にはより広い意味で皮膚の真菌トラブル全般を指して使われることがあります。本稿で主に参照する研究資料は、癜風(でんぷう)、学術名ではPityriasis Versicolorとして知られる疾患に焦点を当てています。6そのため、この記事ではまず、これらの用語を皮膚科学の観点から正確に定義し、両者を明確に区別することから始めます。

医学的に厳密な定義では、「白癬」は皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)というカビの一種が原因で起こる感染症の総称です。3具体的には、足白癬(水虫)や体部白癬(ぜにたむし)などがこれに含まれます。一方で、「癜風」は、マラセチア属(Malassezia)という皮膚にもともと存在する常在菌(酵母様真菌)が異常に増殖することによって引き起こされる、全く別の疾患です。2この二つは原因となる菌が根本的に異なるため、診断方法や治療薬の選択において非常に重要な違いが生まれます。

1.2. 病原体の区別:マラセチア酵母と皮膚糸状菌

適切な治療法を理解するためには、これら二つの原因菌が持つ生物学的な性質の違いを知ることが不可欠です。

マラセチア属酵母(Malassezia)

癜風の原因菌であるマラセチアは、皮脂を好む性質(脂質好性)を持つ真菌で、健康な人の皮膚にも普段から存在している「常在菌」です。2通常は無害な球状の酵母として存在していますが、高温多湿、汗、過剰な皮脂分泌といった特定の条件がそろうと、病原性を持つ菌糸(きんし)という糸状の形態に変化して異常に増殖し、癜風の症状を引き起こします。つまり、癜風は外部からの「感染」というよりも、自分自身の常在菌が「異常増殖と形態変化」を起こすことで発症する日和見感染症(ひよりみかんせんしょう)と考えることができます。

皮膚糸状菌(Dermatophytes)

一方、白癬の原因となる皮膚糸状菌は、皮膚の角質層に含まれるケラチンというタンパク質を栄養源にして増殖するカビです。5マラセチアと異なり、皮膚糸状菌は基本的に皮膚の常在菌ではなく、外部環境(例えば、湿ったバスマットなど)から付着して感染が成立します。この根本的な違いが、治療方針、特に飲み薬を選択する際の決定的な判断基準となります。

1.3. 本稿の対象範囲:癜風への重点的焦点

提供された研究資料の分析結果、および利用者が本当に必要としている情報の内容を考慮し、本稿は主に癜風(Pityriasis Versicolor)の診断、治療、そして予防策に焦点を絞って詳しく解説を進めます。癜風は、特に夏場に体や腕にまだら模様のシミとして現れるごくありふれた疾患であり、正しい治療法に関する情報の需要が非常に高いと考えられます。もちろん、利用者の当初の疑問である「白癬」についても、第9章で皮膚糸状菌による白癬の治療法を簡潔に説明し、両者の違いを明確にします。

第2章 癜風(でんぷう):包括的な臨床プロファイル

2.1. 病因と病態生理

癜風は、皮膚の最も外側にある角質層に限定して発生する、表在性の真菌感染症です。原因菌は前述のマラセチア属の酵母で、特にMalassezia globosaMalassezia furfurMalassezia sympodialisが主要な原因として特定されています。2日本国内の研究では、M. globosaが最も多く分離される菌種であることが示唆されています。11

この疾患の病態は、皮膚に常在しているマラセチア菌が異常に増殖することで引き起こされます。その増殖を促す誘因としては、高温多湿な環境(特に日本の夏)、多量の発汗、脂性肌、あるいはステロイド治療中などの免疫力が低下した状態などが挙げられます。1

癜風に特徴的な皮膚のまだらな色むらは、マラセチアが作り出す代謝産物が原因と考えられています。

  • 脱色素斑(白色癜風): マラセチアが産生するアゼライン酸などのジカルボン酸が、メラニン色素を作る細胞(メラノサイト)内で働くチロシナーゼという酵素の活性を阻害します。これによりメラニンの生成が抑制され、周囲の皮膚より色が薄い白っぽい斑点が現れます。17
  • 色素沈着斑(黒色癜風): こちらは、メラニン色素を含む小器官(メラノソーム)が通常より大きくなったり、皮膚の軽度な炎症反応が関与したりしていると推測されています。17

2.2. 疫学:世界的なパターンと日本における特徴

癜風の有病率は、その地域の気候に大きく左右されます。高温多湿の熱帯地域では人口の最大40%が罹患することもある一方、日本のような温帯地域でも夏場には患者が増加し、皮膚科外来の約3%を占めるという報告もあります。11皮脂の分泌が活発になる思春期から若年の成人に最も多く見られる傾向があります。1

一方で、日本国内で定期的に行われている皮膚真菌症の大規模な疫学調査を見ると、癜風を含むマラセチア関連疾患の報告数は、足白癬などの皮膚糸状菌症に比べて少ないというデータがあります。3例えば、2021年の調査では、皮膚真菌症全体の中でマラセチア感染症は5.1%だったのに対し、皮膚糸状菌症は86.3%を占めていました。23

この統計データと、「夏によくある疾患」という臨床現場の実感との間には、一見すると少し差があるように感じられます。この背景として、癜風の症状は見た目の問題が主であり、かゆみなどの自覚症状がほとんどないため1、多くの人が医療機関を受診せずに放置している可能性が考えられます。症状が強い足白癬などと比べ、診断に至らない未受診のケースが多数存在することが、このデータを解釈する上で重要です。この事実は、一般の方への啓発活動や、後述する市販薬市場の現状にも影響を与えています。

2.3. 臨床症状と診断

症状:

典型的な症状は、かゆみなどの自覚症状をほとんど伴わない、境界がはっきりした細かい鱗屑(りんせつ、皮膚表面のうろこ状のくず)を伴う斑点です。1斑点の色は多様で、周囲の皮膚より色が薄い「脱色素斑(白色)」、逆に色が濃い「色素沈着斑(褐色、茶色)」、あるいは「ピンク色」を呈することもあります。1学名の「versicolor」は、ラテン語で「色が変化する」という意味に由来します。6

好発部位:

皮脂の分泌が多い脂漏(しろう)部位、特に胸、背中、首、そして腕の付け根に近い部分(上腕部)によく見られます。1

診断:

  • 臨床所見: ほとんどの場合、特徴的な皮疹の外観から臨床的に診断することが可能です。1特に日本では、病変部をメスの刃などで軽くこすると、細かいフケのような鱗屑が浮き上がってくる「カンナ屑現象」が診断の助けになります。19
  • ウッド灯検査: ウッド灯(紫外線A波を照射する特殊なライト)を暗い部屋で病変部に当てると、黄緑色や黄金色の特徴的な蛍光を発することがあり、診断の補助となります。ただし、この蛍光反応は必ずしも全てのケースで見られるわけではありません。1
  • KOH直接鏡検法: 確定診断のために最も重要な検査です。病変部から採取した鱗屑を水酸化カリウム(KOH)溶液で溶かし、顕微鏡で観察します。短い菌糸と球状の酵母細胞が混在する、特徴的な「スパゲッティ・アンド・ミートボール像」が確認されれば、診断が確定します。2

2.4. 鑑別診断

癜風は他の多くの皮膚疾患と見た目が似ていることがあるため、正確な診断のためにはこれらの疾患との鑑別が重要になります。誤診は不適切な治療につながる可能性があるため注意が必要です。以下の表は、StatPearlsで公開された情報に基づき、主要な鑑別疾患をまとめたものです。25

表1:癜風の主要な鑑別診断
疾患名 主要な鑑別点(臨床的特徴) ウッド灯所見 KOH直接鏡検法
癜風 (Pityriasis Versicolor) 体幹、上腕に好発する淡褐色、白色、ピンク色の細かい鱗屑を伴う斑。カンナ屑現象が陽性になることが多いです。 黄緑色の蛍光(ただし、認められない場合もあります) 陽性(特徴的な「スパゲッティ・アンド・ミートボール像」)
脂漏性皮膚炎 (Seborrheic Dermatitis) 赤みがより強く、鱗屑は厚く脂っぽいのが特徴です。頭皮、眉毛、小鼻の脇などにもよくできます。 蛍光なし 陰性
ジベルばら色粃糠疹 (Pityriasis Rosea) 最初に一つ大きな発疹(ヘラルドパッチ)が現れ、その後、体幹にクリスマスツリーのように配列する楕円形の紅斑が多発します。 蛍光なし 陰性
尋常性白斑 (Vitiligo) 境界が明瞭な、完全な真っ白い脱色素斑です。鱗屑を伴いません。 チョークのような真っ白い強い蛍光 陰性
単純性粃糠疹 (Pityriasis Alba) 主に小児の顔面や腕に見られる、境界がやや不明瞭な白っぽい斑です。アトピー性皮膚炎の既往があることが多いです。 蛍光は増強されますが、特徴的な色調ではありません 陰性
紅色陰癬 (Erythrasma) 脇の下や足の付け根(鼠径部)に見られる、赤みや茶色がかった色素沈着斑です。 サンゴのような赤色の蛍光 陰性

出典: 25 (StatPearls)

第3章 癜風の管理における戦略的アプローチ

3.1. 治療の目標

癜風治療の目標は多岐にわたりますが、主に以下の3つの重要なポイントに集約されます。

  1. 真菌学的治癒: 病原性を持つ菌糸形態のマラセチアをなくすことです。これは臨床試験における主要な評価項目であり、治療の根本的な目的です。9
  2. 臨床的治癒: 鱗屑や赤みといった、活動性の感染症の兆候を消失させることを指します。27
  3. 再発予防と患者教育: 癜風は再発率が非常に高いため、長期的な管理と予防策が欠かせません。また、皮膚の色素異常が元に戻るまでには時間がかかることを患者さんに理解してもらい、期待値を適切に管理することも治療の重要な一部です。1

3.2. 治療アルゴリズム:外用療法と全身療法の選択

癜風の治療は、疾患の重症度と症状が広がっている範囲に基づいて、段階的にアプローチするのが基本です。

  • 第一選択:外用療法: 病変が一部分に限られているか、症状が軽度から中等度の場合は、抗真菌薬の外用療法(塗り薬やシャンプー)が第一選択となります。6外用薬は安全性が高く、ほとんどのケースで十分な効果が期待できます。
  • 第二選択:全身(経口)療法: 病変が体の広範囲に及んでいる場合、外用療法を続けても効果が見られない(抵抗性)場合、あるいは頻繁に再発を繰り返す症例では、抗真菌薬の飲み薬による全身療法が適応となります。6

3.3. 治療成功の定義:真菌学的治癒と臨床的治癒

治療効果を評価する際には、「真菌学的治癒」と「臨床的治癒」を区別して考えることが非常に重要です。この違いを理解することは、患者さんの満足度と治療を継続する意欲に直接つながります。

  • 真菌学的治癒 (Mycological Cure): KOH直接鏡検法で真菌の要素が完全に陰性化することと定義されます。9これは、原因菌がいなくなったことを示す、客観的で科学的な指標です。
  • 臨床的治癒 (Clinical Cure): 鱗屑(カサカサ)や赤みといった活動性の感染の兆候が消失した状態を指します。ここで最も重要な点は、皮膚の色素異常(白斑または色素沈着)は、活動性の感染の指標ではないということです。27

実際の診療では、この二つの治癒の間に生じる時間のズレが、しばしば患者さんの誤解を招く原因となります。患者さんが治療を求める主な動機は、見た目にわかる皮膚のまだら模様を解消することです。1しかし、多くの研究が示すように、真菌が完全に除去された後でも、皮膚の色調が正常に戻るまでには数週間から数ヶ月、時にはそれ以上かかることもあります。1

この事実を治療開始前に説明しないと、患者さんは「薬が効いていない」と誤解し、自己判断で治療を中断してしまう恐れがあります。その結果、治療が不完全となり、再発のリスクを高めてしまいます。したがって、医師の重要な役割は、「鱗屑がなくなれば感染は治っています。皮膚の色が元に戻るのには時間がかかります」と明確に伝え、患者さんの期待を適切に管理し、予防療法への協力を促すことにあるのです。これは、単に薬を処方する以上に重要な「治療」の一部と言えるでしょう。

第4章 第一選択治療:外用抗真菌療法

外用療法(塗り薬やシャンプーなど)は、癜風治療の基本であり、ほとんどの症例で最初に試みられる標準的な治療法です。作用の仕組みや成分によって、いくつかのカテゴリーに分類されます。

4.1. アゾール系抗真菌薬:治療の基盤

アゾール系の薬剤は、真菌の細胞膜を構成するのに不可欠な成分である「エルゴステロール」の合成を阻害することで、強力な抗真菌作用を発揮します。34

  • ケトコナゾール (Ketoconazole): 癜風治療において最も広く研究されており、高い有効性が証明されている代表的な薬剤です。2%濃度のクリーム、シャンプー、ローション、フォームなど、様々な剤形があります。9日本では「ニゾラール®」が代表的な製品で34、癜風に対しては1日1回の塗布が標準的な用法とされています。34
  • その他のアゾール系薬剤: クロトリマゾール、ミコナゾール、エコナゾール、ルリコナゾール、ビホナゾールなども有効な治療の選択肢です。6

4.2. アリルアミン系およびその他の特異的抗真菌薬

  • テルビナフィン (Terbinafine): 1%濃度のクリームやゲルとして利用可能です。通常は1日1回または2回塗布します。8外用薬(塗り薬)としては癜風に有効ですが、後述するように経口薬(飲み薬)としての効果は期待できません。8
  • シクロピロクス (Cicloprox): 1%濃度のクリームまたはシャンプーがあり、1日2回塗布します。25
  • ブテナフィン (Butenafine): ベンジルアミン系の抗真菌薬で、クリーム剤があります。6

4.3. 非特異的抗真菌作用を持つ薬剤

これらの薬剤は、直接的な殺菌作用に加えて、古い角質を剥がしやすくする作用(角質溶解作用)を持ちます。これにより、感染した角質層のターンオーバーを促進し、症状の改善を助けます。27

  • 硫化セレン (Selenium Sulfide): 2.5%濃度のローションまたはシャンプーが処方薬として広く用いられます。1週間毎日10分間塗布した後に洗い流す、といった短期集中型の使用法や、再発予防を目的とした定期的な使用が一般的です。17海外では1%濃度の製品が市販薬として入手可能です。30
  • ピリチオン亜鉛 (Zinc Pyrithione): 1%濃度のシャンプーや石鹸が有効な選択肢とされています。8フケ防止用の薬用シャンプーによく配合されている成分です。

4.4. 剤形と使用法

患者さんの症状の範囲やライフスタイルに応じて、適切な剤形を選択することが治療効果を高める上で重要です。

  • シャンプー/ローション: 胸や背中など、広範囲に病変が及ぶ場合に特に有用です。また、治療後の再発予防にも適しています。一般的には、薬剤を患部に塗布し、5分から15分程度放置した後にしっかりと洗い流すという方法で用いられます。17
  • クリーム/ゲル: 症状が一部分に限られている場合に適しています。通常、1日1回または2回、病変部とその周囲に少し広めに塗布します。30
表2:癜風に対する主要な外用薬の概要
薬剤クラス 一般名 代表的な商品名(日本) 剤形 標準的な使用法 主な特徴・注意点
アゾール系 ケトコナゾール ニゾラール® クリーム, ローション 1日1回 癜風治療の標準薬。エビデンスが豊富で、広く使用されています。
ルリコナゾール ルリコン® クリーム, 液, 軟膏 1日1回 強力な抗真菌活性を持つことが知られています。
ラノコナゾール アスタット® クリーム, 液, 軟膏 1日1回 1日1回の使用で効果が持続するため、利便性が高いです。
クロトリマゾール エンペシド® クリーム 1日2-3回 古くから使用されている標準的な薬剤の一つです。
ミコナゾール – (市販薬に配合) クリーム, シャンプー 1日1-2回 市販の抗真菌シャンプーの主成分としてよく知られています。
アリルアミン系 テルビナフィン ラミシール® クリーム 1日1回 外用(塗り薬)では有効ですが、経口薬(飲み薬)は癜風に無効です。
ヒドロキシピリドン系 シクロピロクス クリーム, シャンプー 1日2回 広範な抗真菌スペクトラムを持つ薬剤です。
非特異的作用薬 硫化セレン – (処方薬) ローション, シャンプー 1日1回(7日間)など 主に処方薬として使用されます。再発予防にも有用です。
ピリチオン亜鉛 – (市販薬に配合) シャンプー, 石鹸 日常的に使用 フケ用シャンプーに配合されており、再発予防に役立ちます。

出典: 複数の臨床ガイドラインおよび総説論文に基づく6

第5章 第二選択治療:全身(経口)抗真菌療法

5.1. 全身療法の適応

抗真菌薬の飲み薬による全身療法は、誰にでも行われるわけではなく、以下のような特定の状況に限って検討されます。6

  • 病変が体表面積の大部分を占めるなど、非常に広範囲に及んでいる場合。
  • 外用療法を十分な期間、正しく行っても改善が見られない抵抗性の症例。
  • 治療後に短期間で何度も頻繁に再発を繰り返す場合。
  • ニキビに似たマラセチア毛包炎を合併している場合。

全身療法の利点は、毎日薬を塗る手間が省けるためコンプライアンスが向上しやすく、治療期間を短縮できる可能性がある点です。6その一方で、費用が高くなること、全身性の副作用(肝機能障害など)のリスク、そして他の薬との飲み合わせ(薬物相互作用)の可能性といった欠点も十分に考慮する必要があります。6

5.2. 推奨される経口薬:イトラコナゾールとフルコナゾール

  • イトラコナゾール (Itraconazole): トリアゾール系の抗真菌薬で、癜風に対して有効性が確立されている薬剤です。標準的な用法は1日100mgから200mgを経口で投与します。29重要な点として、日本では癜風に対して保険適用が認められている唯一の経口抗真菌薬であり、臨床現場における第一選択の経口薬となります。3薬の吸収率を高めるため、食直後に服用することが推奨されています。42
  • フルコナゾール (Fluconazole): 同じくトリアゾール系の薬剤で、有効な選択肢の一つですが、日本では癜風に対する保険適用はありません。8

これらの経口アゾール系薬剤が癜風に効果的な理由の一つは、そのユニークな体内動態にあります。服用後、薬剤の成分は汗腺から汗と共に皮膚の表面へ分泌されます。17これにより、原因菌であるマラセチアが繁殖している角質層に薬剤が直接届き、高い濃度で作用することができるのです。一部の専門家が、服用後に運動して汗をかくことを推奨する場合があるのは、このメカニズムを最大限に活用するためです。17

5.3. 効果がない、または推奨されない薬剤:経口テルビナフィンと経口ケトコナゾール

  • 経口テルビナフィン: 複数の信頼性の高いシステマティックレビューや臨床報告で、経口テルビナフィン(飲み薬)は癜風に対して効果がないことが明確に示されています。8これは、塗り薬としての有効性とは対照的であり、治療を選択する上で絶対に知っておくべき重要な事実です。この効果の違いは、薬剤が皮膚へ移行する経路の違いに起因します。経口テルビナフィンは脂溶性が高く、主に皮脂腺から皮脂と共に分泌されます。そのため、毛包や爪の奥深くに潜む皮膚糸状菌(白癬菌)には非常によく到達しますが、汗からの分泌は乏しく、皮膚表面の角質層に存在するマラセチアには十分な濃度で届かないため、効果を発揮できないのです。
  • 経口ケトコナゾール: かつては使用されていましたが、重篤な肝機能障害を引き起こすリスクがあることから、現在では癜風のような命に関わらない表在性の真菌症に対しては処方すべきではないと国際的に考えられています。8
表3:癜風に対する主要な全身(経口)薬の概要
一般名 代表的な商品名 癜風への有効性 標準的な用法 主な安全性・臨床上の注意点
イトラコナゾール イトリゾール® 有効 100-200mg/日 日本の癜風治療で唯一保険適用のある経口薬です。多くの薬剤と相互作用があるため、併用薬の確認が必須です。肝機能障害にも注意が必要です。食直後に服用します。
フルコナゾール ジフルカン® 有効 有効ですが、日本では癜風に対して保険適用外です。薬剤相互作用に注意が必要です。
テルビナフィン (経口) ラミシール® 無効 癜風には効果がありません。白癬(水虫などの皮膚糸状菌症)には非常に有効な薬剤です。
ケトコナゾール (経口) 非推奨 重篤な肝毒性のリスクがあるため、現在は癜風の治療には使用されません。

出典: 複数の臨床ガイドラインおよび総説論文に基づく63

第6章 日本における臨床現場の実情

6.1. 処方薬:承認薬、商品名、薬価分析

日本国内では、癜風の治療のために様々な種類の処方薬が利用可能です。

  • 外用薬: ケトコナゾール(ニゾラール®)、ルリコナゾール(ルリコン®)、ラノコナゾール(アスタット®)などのアゾール系薬剤や、アモロルフィン(ペキロン®)といったモルホリン系薬剤が高い有効性を示し、広く使用されています。37一方で、ビホナゾールや外用テルビナフィンなども適応はありますが、効果がやや劣ると評価されることもあります。37
  • 経口薬: 前述の通り、イトラコナゾール(イトリゾール®)が保険適用のある唯一の選択肢として中心的な役割を担っています。29テルビナフィン(ラミシール®)も添付文書上の適応はありますが、臨床的な効果が劣るため第一選択薬にはなりません。37
表4:日本における癜風治療薬の薬価分析(2025年10月時点の参考値)
薬剤(一般名/商品名) 剤形 薬価 3割負担額の目安
外用薬
ケトコナゾール / ニゾラール® クリーム 2% (10g) 215円 1本あたり約65円
ルリコナゾール / ルリコン® クリーム 1% (10g) 338円 1本あたり約101円
ラノコナゾール / アスタット® クリーム 1% (10g) 239円 1本あたり約72円
経口薬
イトラコナゾール / イトリゾール® カプセル 50mg 163.8円/錠 1日200mg(4錠)で1か月あたり約19,656円 (3割負担で約5,897円/月)
テルビナフィン / ラミシール® 錠 125mg 95.2円/錠 1日1錠で1か月あたり約2,856円 (3割負担で約857円/月) ※癜風には非推奨

出典: 公的薬価基準に基づく(実際の窓口負担額は調剤料等により異なります)

6.2. 市販薬(OTC)市場

日本の市販薬(OTC)市場における最も重要な事実は、「癜風」を効能・効果として明確に表示している製品が、現状では実質的に存在しないことです。このため、患者さんが自己判断で治療を試みる場合、他の真菌感染症、例えば「ぜにたむし(体部白癬)」や、あるいは「フケ・かゆみの防止」を目的とした薬用シャンプーの中から、有効成分を頼りに選択せざるを得ない状況があります。

この市場の「適応症の空白」は、患者さんにとって混乱を招く一因となり得ます。自身の症状が真菌によるものだと正しく推測し、さらに他の真菌症用の薬剤が有効かもしれないと判断するには、ある程度の知識が必要です。結果として、不適切な製品(例:湿疹用のステロイド軟膏)を選んでしまったり、適切な治療開始が遅れたりする可能性があります。この点は、軽症例の適切なセルフメディケーションを推進する上での課題と言えるでしょう。

代替として使用が検討されうる市販薬には、強力な抗真菌成分ラノコナゾールを配合したクリーム(ピロエース®Zなど)や、抗真菌成分であるミコナゾール硝酸塩やピリチオン亜鉛を配合した薬用シャンプー(メディクイックH®、ミノン®薬用ヘアシャンプーなど)が挙げられます。これらは主に「水虫・たむし」や「フケ・かゆみ」を効能としていますが、その有効成分は癜風の原因菌であるマラセチアにも効果が期待できます。

表5:日本で癜風への代替使用が考えられる主要な市販薬
商品名(例) 主要有効成分 剤形 製品表示上の効能・効果 癜風への代替使用が期待される理由
ピロエース®Zシリーズ ラノコナゾール クリーム, 軟膏, 液 みずむし, いんきんたむし, ぜにたむし 強力な抗真菌成分ラノコナゾールがマラセチアにも効果を示す可能性があるため。
メディクイックH®シャンプー ミコナゾール硝酸塩 シャンプー フケ・かゆみを防ぐ 原因菌マラセチアの増殖を抑えるミコナゾール配合で、特に再発予防に有用と考えられます。
ミノン®薬用ヘアシャンプー ミコナゾール硝酸塩 シャンプー フケ・かゆみを防ぐ 同上。低刺激性を特徴としており、敏感肌の方にも使いやすいです。
バルガス®薬用シャンプー ピリチオン亜鉛, イオウ シャンプー フケ・かゆみを防ぐ ピリチオン亜鉛がマラセチアの増殖を抑制する効果を期待できます。

出典: 各製品の公式情報および厚生労働省スイッチOTC医薬品リストに基づく

6.3. 日本皮膚科学会ガイドラインからの洞察

日本皮膚科学会が日本医真菌学会と共同で作成した「皮膚真菌症診療ガイドライン2019」は、日本の臨床における標準的な治療方針を示す重要な指針です。3このガイドラインでは、癜風および関連疾患であるマラセチア毛包炎についても詳細に言及されています。

特にマラセチア毛包炎に対しては、経口抗真菌薬を「強く推奨する(推奨度A)」、外用抗真菌薬を「行うよう勧める(推奨度B)」としています。42これは、感染が毛穴の奥深くに及ぶため、体の内側からの治療がより重視されていることを示しています。角質層の表面が主な感染場所である癜風の治療で、外用薬が第一選択となる点とは対照的です。また、ガイドラインは、再発予防のために蒸れを防ぐなどのスキンケアの重要性も強調しています。3

第7章 比較有効性とエビデンスに基づく治療選択

7.1. 臨床エビデンスの統合:主要な臨床試験のレビュー

治療薬の選択は、科学的な証拠(エビデンス)に基づいて行われるべきです。ランダム化比較試験(RCT)から得られたデータは、各薬剤の有効性を客観的に評価する上で極めて重要です。

  • ケトコナゾール2%クリームは、偽薬(プラセボ)と比較して有意に高い真菌学的治癒率(84%~90%)を示すことが報告されています。9
  • 外用ケトコナゾールと外用テルビナフィンを直接比較した試験では、両者ともに高い有効性(真菌学的治癒率88% vs 96%)を示し、同等の効果を持つことが示唆されています。9
  • シクロピロクス オラミン1%クリームが、クロトリマゾール1%クリームよりも有意に高い真菌学的治癒率(77% vs 45%)を示したという報告もあります。9
  • ケトコナゾールシャンプーも、短期間の使用で高い有効性を示し、治癒率は70%~80%に達することがわかっています。9
表6:主要な臨床試験における有効性データの要約
試験 (発表年) 治療法 比較対象 真菌学的治癒率 (%) 臨床的治癒率 (%) 追跡調査/再発率
Savin et al. (1986) ケトコナゾール2%クリーム 1日1回 14日間 プラセbo 84% (vs 22%) 84% (vs 10%) 12ヶ月後の治癒維持率: 79%
Balwada et al. (1996) ケトコナゾール2%クリーム 1日1回 14日間 クロトリマゾール1%クリーム 90% 90% 8週後の治癒維持率: 100%
クロトリマゾール1%クリーム 1日1回 14日間 ケトコナゾール2%クリーム 85% 80% 8週後の治癒維持率: 100%
Chopra et al. (2000) ケトコナゾール2%クリーム 1日1回 14日間 テルビナフィン1%クリーム 88% 80% 3ヶ月後に3例が再発
テルビナフィン1%クリーム 1日1回 14日間 ケトコナゾール2%クリーム 96% 96% 3ヶ月後に2例が再発
Lange et al. (1998) ケトコナゾール2%シャンプー 1日1回 3日間 プラセbo 84% (vs 11%) 73% (vs 5%)

出典: Cochrane Systematic Review (2018)9

7.2. 最適な治療を選択するためのフレームワーク

これらの科学的根拠を踏まえ、個々の患者さんにとって最適な治療法を選択するための判断基準を以下に示します。

  • 病変の範囲: 症状が限られた範囲であればクリームやローションが適しています。広範囲に及ぶ場合は、シャンプー剤や経口薬の検討が必要です。
  • 患者の希望とコンプライアンス: 1日1回の塗布で済む薬剤(例:ラノコナゾール)や、短期間の経口療法は、1日に複数回塗布が必要な薬剤よりも治療を継続しやすい可能性があります。6
  • 費用と入手しやすさ: 市販薬で対応できるか、あるいは処方薬が必要か。ジェネリック医薬品の有無も治療費に影響します。
  • 再発歴: 頻繁に再発を繰り返す方は、初期治療から経口薬を検討したり、より積極的な予防療法を導入したりする良い適応となります。6

7.3. 特別な配慮が必要な患者群

  • 小児: 多くの薬剤は、乳幼児に対する安全性が十分に確立されていません。小児への使用は、必ず医師の診断と指導のもとで行われるべきです。34
  • 妊婦: イトラコナゾールなどの経口抗真菌薬は禁忌です。42治療が必要な場合は、安全性を最優先し、医師の監督下で外用療法が選択されます。
  • 免疫不全患者: これらの患者さんでは、症状が重症化したり、治療に抵抗性を示したりする傾向があります。経口薬による治療が必要となる可能性が高くなります。1

第8章 予後、再発、および予防

8.1. 患者の期待管理:色素異常の回復期間

治療における最も重要な患者教育の一つは、予後について現実的な見通しを伝えることです。繰り返しになりますが、KOH検査で真菌が陰性化し、真菌学的に治癒した後も、皮膚の色調が完全に元の状態に戻るまでには数週間から数ヶ月を要します。1この色素異常は、皮膚のメラニン生成機能が正常化したり、日光を浴びることで周囲の皮膚との色調差が目立たなくなったりする過程で、自然に回復していきます。

8.2. 再発という課題:発生率とリスク因子

癜風は、その原因菌であるマラセチアが皮膚の常在菌であるため、極めて再発しやすいという特徴を持つ疾患です。8一度きれいに治癒しても、高温多湿な環境(特に夏)になると、再び菌が増殖して症状がぶり返すことは珍しくありません。1日本の総説論文では、2年後の再発率は約50%にものぼると報告されています。33

8.3. 長期管理のための予防戦略

この高い再発率に対処するため、症状が改善した後も継続的な予防療法が強く推奨されます。2

  • 外用薬による予防: 抗真菌成分(ケトコナゾール、ミコナゾール、硫化セレン、ピリチオン亜鉛など)を含むシャンプーを、週に1~2回、あるいは月に1~2回といった頻度で定期的に使用する方法が、最も一般的で効果的な予防策です。1
  • 経口薬による予防: 再発が非常に頻繁で、外用薬だけではコントロールが難しい症例では、特に夏場などの再発しやすい時期に、イトラコナゾールやフルコナゾールを月に1~2回、予防的に内服する治療法が選択されることがあります。30

第9章 (参考)白癬(Dermatophytosis)治療の概要

利用者の当初の問い合わせにあった「白癬」の治療についても、癜風との比較という観点から簡潔に解説します。

9.1. 主な臨床像

白癬は、皮膚糸状菌(トリコフィトン属など)によって引き起こされる、明らかな外部からの感染症です。3感染した部位によって、足白癬(水虫)、体部白癬(ぜにたむし)、股部白癬(いんきんたむし)などと呼ばれます。

9.2. 推奨される治療薬

  • 外用療法: ほとんどの症例は、アゾール系やアリルアミン系の抗真菌外用薬を約1ヶ月間、毎日塗布することで治癒が期待できます。4
  • 経口療法: 病変が広範囲の場合、爪に感染が及んでいる場合(爪白癬)、または再発を繰り返す場合には経口療法が選択されます。3ここで、癜風治療との決定的な違いが再び現れます。経口テルビナフィンは、皮膚糸状菌症(白癬)に対しては第一選択薬の一つとして極めて有効です。3これは、癜風の治療には全く効果がないという事実と明確に対比されるべき、非常に重要なポイントです。

よくある質問

癜風は人にうつりますか?
一般的にはうつりません。癜風は他人の菌が感染して発症するのではなく、誰の皮膚にもいる常在菌であるマラセチアが、汗や皮脂などをきっかけに増殖して発症するためです。13
いつ病院を受診すべきですか?
症状が広範囲に及ぶ場合、顔面にできている場合、小児や妊娠中の方、あるいは自己判断で市販薬などを使っても悪化する場合は、皮膚科の受診を推奨します。
市販の水虫薬は使えますか?
「癜風」という効能を明記した市販薬は日本では実質的にありません。まずは皮膚科で正確な診断を受けることを優先してください。一部の水虫薬の成分が有効な可能性はありますが、自己判断での使用は診断の遅れにつながるリスクがあります。
予防に使うシャンプーは、どれくらい置いてから洗い流せばよいですか?
一般的には、シャンプーを患部によく泡立ててから、5分から15分程度そのまま置いて、有効成分を浸透させた後に洗い流すという使い方が推奨されています。17
色むらはどのくらいで消えますか?
個人差がありますが、数週間から数か月かかることが一般的です。鱗屑(カサカサしたフケのようなもの)が消失していれば、菌の活動は抑えられていると考えてよいでしょう。そこから皮膚の色調が回復するには時間が必要です。1
経口薬(飲み薬)はどのような時に必要になりますか?
外用薬で効果が不十分な場合、症状が広範囲な場合、または頻繁に再発を繰り返す場合などに検討されます。日本では、保険適用のあるイトラコナゾールが中心的な選択肢となります。3
(研究者向け)薬剤の汗腺移行について教えてください。
イトラコナゾールなどのアゾール系経口薬は、汗や皮脂を経由して角質層に集積するため、皮膚表面の癜風に有効です。一方、経口テルビナフィンは汗への移行が乏しく、主に皮脂腺から移行するため角質層の濃度が上がりにくく、癜風には無効とされます。8
(研究者向け)再発率の目安はどのくらいですか?
中期的な観察研究では、治療後2年で約50%が再発するという報告があります。33この高い再発率のため、季節的な予防介入が重要視されています。
ウッド灯で光る色は決まっていますか?
典型的な場合は黄金色から黄緑色の蛍光を発しますが、常に見られるわけではありません。診断のあくまで補助的な所見です。1
テルビナフィンの外用薬(塗り薬)はどうですか?
外用薬であれば、テルビナフィンも有効な選択肢の一つです。無効なのは経口薬(飲み薬)の場合であり、この区別が重要です。9

参考文献

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  3. 日本皮膚科学会. 日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン 2019 [Internet]. 2019 [cited 2025 Oct 04]. Available from: https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/shinkin_GL2019.pdf ↩︎
  4. 日本皮膚科学会. 皮膚真菌症診断・治療ガイドライン [Internet]. 2008 [cited 2025 Oct 04]. Available from: https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/1372913553_3.pdf ↩︎
  5. れいこ皮膚科クリニック. 水虫(白癬)・皮膚真菌症 [Internet]. [cited 2025 Oct 04]. Available from: https://reiko-skin.jp/mycoses ↩︎
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  8. Hu SW, Bigby M. Antifungal Treatment for Pityriasis Versicolor. PubMed. 2018 Jan 25;2(1):CD004907. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29376896/ ↩︎
  9. Hu SW, Bigby M. Antifungal Treatment for Pityriasis Versicolor. PMC. 2018 Jan 18; Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5770013/ ↩︎
  10. Karray M, McKinney WP. Tinea versicolor: an updated review. PubMed. 2022 Nov 28;25:105428. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36452877/ ↩︎
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  12. Medscape. Skin Diseases Associated With the Malassezia Yeasts – Page 4 [Internet]. 2009 Nov 24 [cited 2025 Oct 04]. Available from: https://www.medscape.com/viewarticle/589255_4 ↩︎
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更新履歴:

2025-10-04: 市販薬(OTC)に関する記述の一次根拠を厚生労働省資料に更新し、汗腺からの薬剤移行に関する機序を二重化。よくある質問(FAQ)項目を大幅に追補しました。

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