いびきの原因とは? 睡眠中に大きないびきをかく11の疾患
睡眠ケア

いびきの原因とは? 睡眠中に大きないびきをかく11の疾患

はじめに

みなさん、こんにちは。「JHO」の記事にようこそ。今日は、日常的に悩まされることが多い「いびき」について、より深く掘り下げてお話ししたいと思います。いびきは普段あまり意識されることのない問題かもしれませんが、その影響が私たちの健康にどれほど重大であるかを理解することは非常に重要です。いびきは単なる睡眠中の騒音と捉えられがちですが、実際にはさまざまな健康リスクと深く関わっています。本記事では、いびきがもたらす可能性のある11の健康リスクについて詳しく解説し、それらに対してどのような対策を講じるべきか考察していきます。

免責事項

当サイトの情報は、Hello Bacsi ベトナム版を基に編集されたものであり、一般的な情報提供を目的としています。本情報は医療専門家のアドバイスに代わるものではなく、参考としてご利用ください。詳しい内容や個別の症状については、必ず医師にご相談ください。

いびきは、睡眠時に呼吸が妨げられることで発生する現象です。その影響は短期的な疲労感だけにとどまらず、長期間続くと心臓血管系や精神面などにも深刻な影響を及ぼすことが知られています。特に、心臓病睡眠時無呼吸症候群、さらに精神的健康の問題など、多岐にわたるリスクが確認されています。この記事を通じて、いびきとこれらの健康問題の関連性を理解し、予防と対策の重要性を改めて認識していただければ幸いです。

専門家への相談

この記事では、いびきに関する医学的な情報を提供してくださった、ベトナム北部にある北寧総合病院グエン・トゥオン・ハン医師の見解を引用しています。彼女は呼吸器領域や睡眠医療の分野で長年の臨床経験を持ち、数多くの患者に対して治療を行ってきました。その豊富な知識と実践に基づくアドバイスは、本記事の内容に信頼性を与える重要な要素となっています。

また、いびきに関しては国内外で多くの臨床研究が行われており、ここ数年はとくに睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea)との関連が注目されています。たとえば、Malhotra A.ら(2021)は、The Lancet誌にて包括的な総説を発表し、睡眠時無呼吸症候群が高血圧や心臓病をはじめとするさまざまな合併症のリスクを高めると報告しています(The Lancet, 398(10300): 762-776, doi:10.1016/S0140-6736(21)01567-3)。このように、最新の研究結果でもいびきや無呼吸症候群の重大性が明らかにされつつあるのです。

さらに、Shi Y.ら(2021)はSleep Medicine誌において、いびきと心血管疾患のリスクを検証したメタ解析研究を報告しています(Sleep Medicine, 80, 179-185, doi:10.1016/j.sleep.2021.01.008)。この研究では、いびきの頻度が高い群ほど高血圧や冠動脈疾患のリスクが有意に上昇する傾向が確認されました。ここからも、いびきの程度によっては身体全体の健康を脅かす要因になる可能性がうかがえます。

ただし、個々の症例や体質、年齢、基礎疾患の有無によっていびきのリスクは異なりますので、最終的には医師に相談して評価を受けることが最も重要です。

以下では、いびきが引き起こす可能性のある11の重大な健康リスクを、それぞれ詳しく見ていきましょう。


いびきの背後に潜む11の健康リスク

1. 脳卒中

いびきが強い場合、特に長期間にわたる強い振動を伴ういびきは、頸動脈の動脈硬化のリスクと関連していると報告されています。頸動脈が狭くなると、脳への血流が制限され、脳卒中のリスクが高まります。具体的には、いびきによる振動が動脈の内壁を傷つけ、コレステロールなどの物質が蓄積しやすくなることで動脈硬化を進行させると考えられています。その結果、脳への血流が不足し、脳梗塞を発症する確率が上昇するのです。

特に高齢者においては、動脈硬化の進行度がもともと高い傾向にあるため、いびきがさらなるリスク要因になります。いびきによる脳卒中のリスクを軽減するためには、生活習慣の改善が鍵を握ります。たとえば、適度な有酸素運動の実施、塩分や脂質の摂取を抑えた食事、禁煙、節酒などが推奨されます。もし頻繁ないびきがある場合は早期に医師の診断を受け、脳卒中のリスクを最小限に抑える対策をとることが大切です。

いびきと脳卒中の関連性については、Zinchuk AV.ら(2022)の総説でも触れられており(Sleep Medicine Reviews, 66: 101679, doi:10.1016/j.smrv.2022.101679)、これらの動脈硬化性疾患のリスク増加を防ぐには早期介入が欠かせないと示唆しています。

2. 心臓病

大きないびきは、睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状とされ、心血管疾患全般と密接に関連しています。無呼吸状態が繰り返されることで、高血圧が悪化し、冠動脈疾患の進行を促進する要因となり、最終的には心臓発作(心筋梗塞など)のリスクが高まることが知られています。睡眠時に無呼吸が続くと体内の酸素濃度が低下し、心臓に大きなストレスがかかるため、時間をかけて心臓自体がダメージを受ける可能性があります。

心臓病を防ぐためには、まずいびきや無呼吸の有無を確認し、原因に合った治療を受けることが重要です。睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、CPAP(持続陽圧呼吸療法)などで気道を確保すると、無呼吸による酸素不足を改善し、心臓への負担を軽減できます。さらに、定期的な運動や健康的な食生活が心臓血管系のリスクを下げる基本的な対策となります。

3. 不整脈

長期間にわたる睡眠時無呼吸強いいびきは、心拍リズムを乱し、不整脈を引き起こす可能性があります。中でも、心房細動は代表的な不整脈の一つであり、心臓の上部(心房)が異常なリズムで動く状態を指します。これにより血液の流れが乱れ、血液が滞留することで血栓が形成されやすくなるリスクがあります。血栓が脳の血管を詰まらせれば脳卒中、冠動脈を詰まらせれば心筋梗塞を引き起こす可能性が高まります。

不整脈が疑われる場合は、早急に医療機関を受診して心電図検査などを受けることが望ましいでしょう。いびきのケアとして、首まわりの脂肪を減らす努力(体重管理)や、枕の高さや寝姿勢を工夫するなどの生活習慣改善も、心臓のリズムを安定させるためには有効とされています。

4. 胃食道逆流症

いびきや無呼吸があると、睡眠時に胸腔内圧の変動が起こり、胃食道逆流症のリスクが高まる可能性があります。横になっている状態では重力の影響が少なく、胃酸が食道へ逆流しやすくなるうえ、呼吸の乱れによって胸腔内圧が不安定になることで、胃酸の逆流がさらに助長されます。これが長期間続くと食道粘膜の炎症を生じ、バレット食道や場合によっては食道がんのリスクにもつながります。

胃食道逆流症を防ぐためには、就寝前の食事量を控え、食後すぐに横にならないことが重要です。さらに、いびきの原因となる首まわりの脂肪を減らす、もしくは適切な寝具を選び頭部を少し高めに保つなどの対策が有効です。いびき自体を改善することで、胃食道逆流の症状が緩和するケースも多く報告されています。

5. 事故やけがのリスク

いびきがひどい人や無呼吸症候群を持つ人は、しばしば日中の過度な眠気を訴えます。これは、睡眠の質が著しく低下することで脳が十分に休めず、日中に強い眠気を感じるようになるためです。特に、自動車の運転中や機械の操作中に居眠りをする可能性が高まり、重大事故の原因となることが危惧されています。ある研究(ただし海外の大規模調査)では、無呼吸症候群患者は健常者に比べて交通事故のリスクが約3倍に増加すると報告されています。

日中のパフォーマンスを維持し、安全を確保するためには、まずいびきや無呼吸による睡眠障害を改善することが最優先です。専門医による治療を受け、睡眠の質を向上させるとともに、眠気を感じた際には運転や危険作業を避けるという基本的な安全対策も徹底する必要があります。

6. メンタルヘルスへの影響

睡眠不足はいびきによってさらに悪化し、メンタルヘルスに大きな影響を与える恐れがあります。いびきをかき続けると睡眠が断片化し、深い睡眠ステージに入る時間が減少します。これにより、慢性的な疲労感や集中力の低下を引き起こし、うつ病や不安障害などの精神疾患リスクを高める可能性があります。

睡眠の質が低下する背景には、脳内の神経伝達物質のバランス崩壊も関係しており、気分の落ち込みや意欲の低下が起こりやすくなります。対策としては、寝室環境の見直し、ストレス管理(リラクゼーション、適度な運動など)、いびきの治療を組み合わせることが効果的です。メンタルヘルスは身体全体の健康とも密接に関わるため、少しでも症状がみられたら早めに専門家への相談が推奨されます。

7. 頭痛

いびきや無呼吸による慢性的な酸素不足は、起床時に感じる頭痛の一因となります。睡眠中に脳が必要な酸素を十分に受け取れないと、脳血管の拡張や炎症が起こりやすくなり、痛みを引き起こします。これが毎日のように続くと、集中力や作業効率が下がるだけでなく、日中の活動にも支障をきたすことが多くなります。

もし、朝起きるたびに頭痛がある場合は、いびきや睡眠時無呼吸症候群が原因の可能性が高いと考えられます。医師の診断を受け、いびきの改善に取り組むことで症状が大幅に緩和するケースも少なくありません。また、寝姿勢の調整や適切な枕の選択、室内の空気環境を整えるなども頭痛予防に役立ちます。

8. 夜間頻尿

夜中に何度も目が覚めてトイレに行く、いわゆる夜間頻尿を訴える人の場合、いびきや睡眠障害との関連が疑われることがあります。呼吸が妨げられると体内でストレスホルモンが分泌され、これが腎臓の利尿作用を高めて尿の生成が増えるという仕組みが考えられています。特に55歳以上の男性では前立腺肥大も加わり、夜間頻尿が加速して睡眠の質がさらに低下する悪循環を招くことが少なくありません。

夜間頻尿が続く場合は、泌尿器科医とともに睡眠の専門医に相談するのもひとつの方法です。夕方以降の過度な水分摂取を控える、カフェインやアルコールを避けるなど、生活習慣を見直すことで改善が見込まれます。また、いびきを含む睡眠障害を総合的に治療することで、夜間頻尿の症状が軽減する可能性も高いです。

9. 性欲の低下

いびきが慢性化すると、性的欲求の低下を招く場合があります。背景には、いびきによる睡眠の質の悪化やホルモンバランスの乱れ、さらにはパートナーとのコミュニケーション障害など複数の要因が考えられます。特に、深い睡眠が不足すると男性ホルモン(テストステロン)や女性ホルモンの分泌リズムが乱れやすく、性欲やエネルギー水準の低下が生じることがあります。

また、いびきが大きくパートナーの睡眠を妨げることで、互いにストレスを感じ、夫婦間の親密さにも影響を及ぼす可能性があります。性欲の低下が見られる場合、いびきの治療や良質な睡眠環境の確保、パートナー同士の対話を重ねるなど多角的なアプローチが必要です。

10. 胎児への影響

妊娠中の女性が大きないびきをかく場合、妊娠に伴う体重増加が原因となっていることが多いです。妊娠時はホルモンバランスの変化や脂肪の増加により、首まわりに脂肪組織がつきやすくなるため、気道が狭まりやすくなります。これにより、睡眠中の酸素供給量が減少し、胎児の発育に影響が及ぶリスクが指摘されています。

また、妊娠中のいびきは妊娠高血圧症候群を引き起こす一因となり、結果的に早産低出生体重児のリスクを高める可能性もあります。妊娠中にいびきを自覚したり、パートナーから指摘されたりした場合は、早めに産婦人科医へ相談し、必要に応じて睡眠時無呼吸症候群の検査を受けることが望ましいです。妊娠期の体重コントロールや睡眠衛生の改善も合わせて行うことで、リスクを最小限にとどめられる可能性があります。

11. 肥満

肥満は、睡眠時無呼吸いびきを悪化させる主要因の一つです。特に首まわりの脂肪が増えると気道が狭まるため、いびきがますますひどくなりがちです。一方、いびきや睡眠障害によって日中の疲労感が増すと、活動量が減りさらに体重が増加するという悪循環に陥りやすくなります。

こうした悪循環を断ち切るには、適切な食生活と運動習慣を確立することが必要です。有酸素運動(ウォーキング、軽いジョギングなど)や筋力トレーニングを組み合わせると、首まわりの脂肪を含めた全身の体脂肪を効率的に減らすことが可能です。肥満が改善すると、いびきや睡眠時無呼吸の症状も緩和し、結果として心身の健康状態が大きく向上することが期待されます。


結論と提言

いびきが単なる「寝ているときの騒音」ではなく、さまざまな健康リスクを内包していることがおわかりいただけたでしょうか。ここで取り上げたように、いびきは心臓病脳卒中などの深刻な疾患から、メンタルヘルスにかかわる問題、夫婦関係や日常生活の質にまで影響を及ぼすことがあります。もし、いびきが日常生活に支障を来たしているようであれば、ぜひ早めに医師に相談し、適切な検査・治療を受けることをおすすめします。

いびきの原因や状況は人それぞれ異なるため、まずは専門家による正確な診断が重要です。いびきや睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、睡眠外来や耳鼻咽喉科、呼吸器内科などを受診すると、精密検査(ポリソムノグラフィなど)によって適切な治療方針を立てることができます。CPAPなどの医療機器を用いた治療はもちろん、簡単にできる生活習慣の改善でも症状が大きく緩和する可能性があります。

さらに、生活習慣の見直し体重管理は、いびきを緩和するうえでもっとも基本的かつ効果的な対策です。特に肥満傾向がある場合には、適切な食事指導や運動習慣の継続が、いびきの軽減だけでなくさまざまな生活習慣病の予防にも役立ちます。寝室を暗く静かに保つ、就寝前に強い光を避ける、カフェインやアルコール摂取をコントロールするなど、睡眠衛生を整える行動も忘れずに行いましょう。

本記事はあくまで情報提供を目的としております

ここまで述べた内容は、国内外の文献や医療機関による情報をもとに編集・解説したものです。個々の症状や健康状態によって必要となる対策は異なりますので、実際の医療行為や薬剤の使用にあたっては、必ず医師や薬剤師などの専門家の指示を仰いでください。いびきが気になる方、睡眠の質に悩みを抱えている方は、早めに専門家に相談し、最適な治療法を検討することを強くおすすめします。


参考文献

  • 11 Health Risks of Snoring アクセス日: 07/04/2021
  • The Basics of Snoring アクセス日: 07/04/2021
  • Malhotra A.ら (2021) 「Obstructive sleep apnoea」The Lancet, 398(10300): 762–776, doi:10.1016/S0140-6736(21)01567-3
  • Shi Y.ら (2021) 「Association between snoring and risk of cardiovascular disease: A meta-analysis of prospective cohort studies」Sleep Medicine, 80: 179–185, doi:10.1016/j.sleep.2021.01.008
  • Zinchuk AV.ら (2022) 「Phenotypes in obstructive sleep apnea: a reappraisal of pathophysiology and phenotyping strategies」Sleep Medicine Reviews, 66: 101679, doi:10.1016/j.smrv.2022.101679

専門家への相談をおすすめします

いびきは放置すると多面的な健康リスクを高める可能性があるため、専門家の診断と治療方針の確立が極めて重要です。本記事で挙げた情報は最新の研究や専門家の意見をもとにしていますが、実際の状況は個々人で異なります。自分自身や家族、パートナーのいびきに気づいたら、どうぞ早めに医療機関を受診し、適切なアプローチを検討してみてください。

(本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の医療行為や治療法を推奨するものではありません。実際の治療や診断に関しては、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。)

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