要点まとめ
- 夜更かしは単なる睡眠不足以上に、体内時計(サーカディアンリズム)を乱し、高血圧、肥満、糖尿病などの生活習慣病の明確なリスク因子となります9131521。
- 日本の労働世代の約8割が必要な睡眠時間を確保できておらず、その経済損失は年間約15兆円と試算されています37。
- 深夜の食事は、食欲調節ホルモンの乱れや、脂肪蓄積を促進するタンパク質「BMAL1」の働きにより、同じカロリーでも太りやすくなることが科学的に示されています121535。
- 夜型生活からの脱却には、起床時刻の固定、日中の適度な運動(特に午前中の光を浴びながらの運動)、バランスの取れた朝食、就寝前のデジタルデバイス使用を控えるといった包括的な生活習慣の改善が不可欠です2853。
- 慢性的な不眠や体調不良が改善しない場合は、睡眠時無呼吸症候群などの疾患が隠れている可能性もあるため、自己判断せず専門医に相談することが重要です2853。
1. 夜型生活の現代社会における広がりと、その陰に潜む健康への警鐘
現代の日本社会では、生活様式の多様化やテクノロジーの進化に伴い、夜型の生活を送る人々が増加傾向にあります。長時間労働や通勤時間、受験勉強といった従来の要因に加え、スマートフォンやパソコン、ゲームなどのデジタルデバイスの普及は、昼夜を問わず私たちを情報やエンターテイEントに繋ぎ止め、結果として就寝時間を遅らせる一因となっています1。特に、経済協力開発機構(OECD)の調査によれば、日本の平均睡眠時間は加盟国中で最も短いレベルにあり、この問題の深刻さが浮き彫りになっています1。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、日本人成人の約4割が1日の平均睡眠時間6時間未満であり、特に30~50代の男性、40~60代の女性ではその割合がさらに高いことが報告されています4。NTT PARAVITAが行った調査では、日本の働き世代の平均睡眠時間は6時間27分で、約80%が日本の平均睡眠時間(OECDの定義する7時間22分)に満たないという結果も出ています7。このような労働者層における睡眠不足は、個人の健康問題に留まらず、生産性の低下を通じて日本経済全体にも影響を及ぼしており、その損失は年間約15兆円に上るとの試算も存在します3。夜型生活が健康問題として注目されるのは、それが単に個人の嗜好や生活パターンの問題ではなく、科学的根拠に基づいた明確な健康リスクを内包しているためです。睡眠不足や、それによって引き起こされるサーカディアンリズム(体内時計)の乱れは、ホルモンバランスの失調、代謝機能の低下、免疫力の減退、さらには精神状態の不安定化など、身体の根幹をなすシステムに広範かつ深刻な悪影響を及ぼすことが明らかになっています9。これらの影響が長期的に蓄積することで、後述するような様々な生活習慣病の発症リスクを高め、QOL(生活の質)の低下を招くだけでなく、社会全体の活力をも削ぐ可能性があるのです。特に、現代社会では夜型の生活が常態化しやすく、知らず知らずのうちに健康リスクを抱え込んでいるケースも少なくありません。
2. 夜更かしが招く、見過ごせない7つの健康リスク
夜更かしは、単に日中の眠気を引き起こすだけでなく、私たちの心身に多岐にわたる深刻な影響を及ぼす可能性があります。ここでは、科学的根拠に基づいて、特に注意すべき7つの健康リスクを詳細に解説します。これらのリスクは互いに関連しあい、複合的に健康を蝕むことを理解することが重要です。
健康リスク | 主なメカニズム | 関連する主な研究/知見 |
---|---|---|
1. 高血圧 | 交感神経の過緊張、ストレスホルモン増加、レニン・アンジオテンシン系亢進、炎症 | Jacobら (2020) [原典], 早稲田大学研究 (社会的時差ぼけ)13, JACC研究 (2019)14 |
2. 運動不足 | 日中活動時間の減少、朝の活動意欲低下 | Sleep誌研究 (2014) [原典], Okaら (2021) [原典] |
3. 肥満リスク | 深夜の過食、食欲調節ホルモン (レプチン・グレリン) の乱れ、BMAL1による脂肪蓄積促進、基礎代謝・エネルギー消費量の変化 | Obesity誌研究 (2011) [原典], da Silvaら (2022) [原典], Vujovicら (2022)15, Tasaliら (2022)18 |
4. 糖尿病リスク | インスリン抵抗性増大、血糖コントロール悪化、不健康な生活習慣との関連 | Huangら (2020) [原典], 看護師健康調査II21, Malin教授研究24 |
5. 睡眠サイクルと体内時計の乱れ | サーカディアンリズムの変調、社会的時差ぼけ、睡眠負債の蓄積 | 9 |
6. 交通事故リスク | 集中力・判断力低下、睡眠不足による居眠り運転 | 29 |
7. 学業・業務成績への悪影響 | 集中力低下、記憶力・学習意欲の減退、情緒不安定 | Tanakaら (2023)2 |
2.1 高血圧:サイレントキラーの脅威
夜型生活を続けることは、高血圧のリスクを高める可能性が複数の研究で示唆されています。2013年に学術誌『Chronobiology International』で報告された研究では、夜型の人は朝型の人に比べて高血圧を発症するリスクが約30%高いとされています[原典]。高血圧は自覚症状が乏しいまま進行し、脳卒中や心筋梗塞といった生命に関わる深刻な合併症を引き起こすため、「サイレントキラー」とも呼ばれています。近年の研究では、夜型生活者における血圧上昇のメカニズムとして、深夜までの覚醒状態が交感神経を過度に刺激し続けること、そして睡眠不足に伴うストレスホルモン(コルチゾールなど)の分泌亢進が関与する可能性が指摘されています[原典]。実際に、2019年にJACC (Journal of the American College of Cardiology) で発表された大規模研究では、1日6時間未満の睡眠で高血圧リスクが約20%、5時間未満では約45%も上昇することが示されました14。さらに、わずか1~2日間の短期的な睡眠不足でも、翌日の収縮期血圧(上の血圧)が3~5mmHg上昇するとの報告もあり、日常的な睡眠習慣の重要性が伺えます14。この血圧上昇には、体内の血圧調節システムであるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)の過剰な活性化、炎症性サイトカイン(IL-6やTNF-αなど)の増加による血管内皮機能の低下、そして交感神経系の過剰な活性化が複合的に関与していると考えられています14。特に注目すべきは、週末に平日よりも就寝・起床時間を2~3時間遅らせる「社会的時差ぼけ」が、週明け月曜日の朝の血圧を有意に上昇させ、動脈硬化度(脈波伝播速度PWVで測定)も悪化させるという早稲田大学などの研究結果です13。この研究では、社会的時差ぼけを経験した群では、月曜朝の最高血圧が金曜朝に比べて平均約13mmHgも高くなっていました。これは、慢性的な睡眠不足だけでなく、生活リズムの急な乱れも心血管系に負担をかけることを示唆しています。また、夜間に室内照明などの光を浴びることも、高血圧や糖尿病、肥満のリスクを高める可能性が指摘されており33、夜型生活者はこの点でも注意が必要です。健康な人では夜間に血圧が10~20%低下する「ディッパー型」が正常ですが、睡眠不足などにより夜間血圧が十分に下がらない「ノンディッパー型」や逆に上昇する「リバースディッパー型」といった異常な血圧パターンは、脳卒中や心筋梗塞のリスクをさらに高めることが知られています14。睡眠中に分泌されるメラトニンには血管拡張作用や抗酸化作用があり、血圧調節にも関与しているため、質の高い睡眠は血圧コントロールの観点からも重要です32。
2.2 運動不足:活動低下がもたらす負の連鎖
夜更かしによって朝起きる時間が遅くなると、日中の活動時間や運動時間を確保しづらくなるという問題が生じます。2014年に学術誌『Sleep』に発表された調査では、夜型の人は朝型の人に比べて座っている時間が長く、結果として1日の総運動量が少なくなる傾向が報告されています[原典]。深夜まで仕事や趣味に没頭していると、朝の時間を有効活用することが難しくなり、定期的な運動を習慣化する精神的・時間的なハードルが高くなることも指摘されています。運動不足は、肥満や生活習慣病の直接的なリスク要因となるだけでなく、ストレス耐性の低下やメンタルヘルスの悪化にも繋がります。身体を動かすことは、ストレスホルモンの低減や気分転換に効果的であり、運動習慣がないことはこれらの恩恵を逃すことになります。特に、夜型生活で日中の活動意欲が低下し、さらに運動から遠ざかるという悪循環に陥りやすい点は注意が必要です。近年、特に注目されているのが、朝の運動が体内時計を整える効果です。例えば、2021年に発表された国内の研究(Okaら)では、朝に軽度から中等度の有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)を取り入れることが、日中の集中力向上や気分の安定にポジティブな影響を与える可能性が示唆されており、これは日本人成人にも有効とされています[原典]。朝の光を浴びながら運動することは、体内時計のリセットに非常に効果的であり、夜型生活の改善にも繋がる可能性があります。朝型へのシフトが難しい場合でも、日中のどこかで意識的に身体を動かす時間を設けることが、健康維持のためには推奨されます。
2.3 肥満リスク:深夜の食事が体重計を狂わせるメカニズム
夜更かしは肥満のリスクを高めることが、多くの研究で指摘されています。その主な理由の一つは、食事時間が不規則になり、特に深夜帯にカロリーを過剰摂取しやすくなることです。2011年に学術誌『Obesity』に掲載された研究では、夜型生活を送る人々は朝型の人々に比べて、深夜帯に余分なカロリーを摂取しやすいことが示されました[原典]。深夜には、手軽に食べられる高カロリーのスナックやインスタント食品を選びがちであり、また、疲労やストレスから食欲をコントロールしにくくなる傾向も影響していると考えられます。この背景には、食欲を調節するホルモンであるレプチン(食欲抑制)とグレリン(食欲増進)のバランスの乱れがあります。睡眠不足の状態では、レプチンの分泌が減少し、グレリンの分泌が増加するため、満腹感を得にくく、空腹を感じやすくなることが報告されています12。これにより、必要以上のカロリーを摂取してしまう可能性が高まります。実際、睡眠時間が短いほどBMI(体格指数)が高くなる傾向が観察されています12。さらに近年では、食事の「タイミング」が体重増加に与える影響、いわゆる「時間栄養学」の観点からの研究が進んでいます。2022年の学術誌『Sleep Medicine Reviews』に掲載されたシステマティックレビュー(da Silvaら)では、夜間の摂食が体内時計(サーカディアンリズム)のバランスを崩し、肥満だけでなく糖代謝異常のリスクも高める可能性があると結論づけています[原典]。同様に、2022年に『Cell Metabolism』で発表されたVujovicらの研究では、食事のタイミングを遅らせるだけで、空腹感が増し、日中のエネルギー消費量が減少し、脂肪組織の遺伝子発現が脂質の貯蔵を促す方向に変化することが示されました15。この研究は、同じカロリーを摂取しても、食べる時間が遅いと太りやすくなるメカニズムの一端を明らかにしたものです。また、体内時計に関わる遺伝子「BMAL1(ビーマルワン)」の関与も指摘されています。BMAL1は脂肪の蓄積を促進するタンパク質で、夜間にその量が増えるため、夜遅い時間の食事は脂肪として蓄積されやすいと考えられています35。マウスを用いた実験では、BMAL1が肝臓の脂肪を増やすことや、褐色脂肪細胞でのBMAL1欠損がエネルギー消費低下と肥満を引き起こすことが示されています36。一方で、睡眠時間を十分に確保することで、カロリー摂取量が自然に減少するという興味深い報告もあります。2022年に『JAMA Internal Medicine』に掲載されたTasaliらの研究では、習慣的に睡眠時間が短かった過体重の成人が、睡眠時間を平均1.2時間延長したところ、食事指導なしに1日の摂取カロリーが平均270kcal減少したことが示されました18。これは、適切な睡眠が食欲調節機能を正常化させる可能性を示唆しており、夜更かしを避けることが体重管理においても重要であることを裏付けています。
2.4 糖尿病リスク:乱れた生活習慣と血糖値の危険な関係
夜型生活は、2型糖尿病の発症リスク上昇と深く関連していることが、数多くの研究で示されています。夜更かしによる慢性的な睡眠不足は、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなる状態)を高め、血糖コントロールを困難にする可能性があります[原典]。特に夜型の女性では、腹部脂肪が蓄積しやすく、メタボリックシンドロームのリスクが増加することも報告されています[原典]。この関連を裏付ける大規模な研究として、米国の「看護師健康調査II (Nurses’ Health Study II)」があります。この研究では、6万人以上の女性看護師を追跡調査した結果、夜型のクロノタイプ(遺伝的に夜型の傾向がある人)を持つ人は、朝型の人に比べて2型糖尿病の発症リスクが1.72倍高いことが示されました。生活習慣の因子(食事、運動、BMIなど)を調整した後でも、リスクは1.19倍と依然として高いままでした21。この研究は、夜型であること自体が、不健康な生活スタイルとは独立した糖尿病のリスク因子となり得ることを示唆しています。また、夜型の人々は、飲酒量が多い、喫煙習慣がある、睡眠時間が短い、食事の質が低いといった不健康な生活スタイルを持つ可能性が54%高いことも指摘されています21。夜型生活がインスリン抵抗性を引き起こすメカニズムについては、ラトガース大学のSteven Malin教授らの研究が手がかりを与えています。この研究では、夜型の人々は朝型の人々に比べて、安静時および運動中に脂肪をエネルギーとして利用する能力が低く、代わりに炭水化物をエネルギー源として優先的に利用する傾向があることが示されました。また、夜型の人々はインスリン感受性が低く、インスリン抵抗性の状態にある可能性が高いことも明らかになりました24。脂肪よりも炭水化物を優先的にエネルギー源とすることは、食後の血糖値スパイクを引き起こしやすく、長期的にインスリン抵抗性を助長する可能性があります。さらに、睡眠の質も血糖コントロールに影響します。カリフォルニア大学バークレー校の研究では、睡眠中の特定の脳波パターン(睡眠紡錘波と徐波)の同期が血糖コントロールに関与しており、この同期が乱れるとインスリン感受性が低下する可能性が示唆されています38。睡眠時間が4時間程度の生活を1週間続けた場合、インスリン感受性が16%低下したという報告もあります38。2020年に学術誌『Diabetes Care』で報告された前向き研究(Huangら)でも、夜間の睡眠時間が不規則な人ほど空腹時血糖値やHbA1c(過去1~2ヶ月の血糖コントロール指標)の値が高くなる傾向が示され、これは日本人を含むアジア人成人にも同様の傾向が確認されたとしています[原典]。これらの研究結果は、夜更かしを避け、規則正しい睡眠習慣を維持することが、糖尿病予防において極めて重要であることを強調しています。
2.5 睡眠サイクルと体内時計の深刻な乱れ
夜更かしの習慣は、私たちの身体に備わっている約24時間周期の生体リズム、すなわちサーカディアンリズム(体内時計)を著しく乱します27。この体内時計は、睡眠と覚醒のサイクルだけでなく、ホルモン分泌、体温調節、代謝活動など、生命維持に不可欠な多くの生理機能をコントロールしています。夜遅くまで起きて活動し、朝遅くまで寝るという生活を続けると、体内時計のタイミングが外界の明暗サイクルや社会的なスケジュールとずれ、様々な不調を引き起こします。特に問題となるのが、平日は仕事や学業のために早起きを強いられ、週末にその不足を補うかのように「寝だめ」をするというパターンです。このような平日と休日の睡眠パターンの大きなずれは、「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)」と呼ばれます25。ソーシャル・ジェットラグは、海外旅行時の時差ぼけと同様の状態を毎週のように繰り返すことになり、体内時計をさらに混乱させ、睡眠の質を低下させるだけでなく、高血圧や動脈硬化のリスクを高めることも報告されています13。体内時計が乱れると、寝付きが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたり、朝すっきりと起きられなくなったりといった睡眠サイクルの不安定化が生じます。夜遅くまで起きていても翌朝早く起きなければならない場合、慢性的な睡眠不足に陥り、日中の強い疲労感、集中力や判断力の低下、気分の落ち込みなどに繋がります[原典]。さらに、夜型の生活は人間関係にも影響を及ぼす可能性があります。家族や友人との活動時間が合わなくなり、コミュニケーションの機会が減少したり、社会的な孤立感を深めたりすることがあります。これにより、精神的なストレスが増大し、うつ病や不安症といったメンタルヘルスの問題を引き起こすリスクも高まります9。国立精神・神経医療研究センターの睡眠障害ガイドラインでも、概日リズム睡眠・覚醒障害(睡眠相後退型など)は、長期間持続すると様々な精神・身体症状を高率に合併すると指摘されています28。
2.6 交通事故のリスク増加
夜更かしによる睡眠不足や、それに伴う思考力・集中力の低下は、交通事故のリスクを著しく高める重大な要因です。運転は、瞬時の判断と正確な操作が求められる高度な作業であり、睡眠不足の状態ではこれらの能力が著しく損なわれます。特に、長時間の運転や深夜の運転は、ただでさえ疲労が蓄積しやすく集中力が低下しやすいため、睡眠不足の状態でハンドルを握ることは極めて危険です。日本では公共交通機関が発達しているとはいえ、仕事での移動や地方での生活、レジャーなど、自動車を運転する機会は依然として多く存在します。「少し眠いだけ」という安易な考えが、取り返しのつかない重大事故に繋がりかねません。警察庁の統計では、居眠り運転が明確な原因とされる事故は全体の約1.2%とされていますが、運転者が死亡した場合や、居眠りを隠して「わき見をしていた」と供述するケースも少なくないため、実際の割合はもっと高い可能性が指摘されています。欧米の研究では、事故の約2割に居眠りが関係しているとの報告もあります29。海外の研究だけでなく、国内の調査でも、深夜に帰宅するシフトワーカーの事故リスクが高い傾向にあることが指摘されています[原典]。これは、運送業や医療従事者、警備員など、夜間勤務を必要とする職種の人々にとって共通の課題です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さんでは、重症度が高いほど居眠り運転による事故率が上昇するというデータもあり、睡眠の質の問題も無視できません30。交通事故リスクを最小限に抑えるためには、夜更かしを避け、日常的に十分な睡眠時間を確保することが最も重要です。また、長距離運転をする際には、2時間ごとに15分程度の休憩を取り、仮眠をとるなどして身体と脳をリフレッシュさせることが推奨されます。
2.7 学業成績・業務効率への悪影響
思春期から青年期にかけては、受験勉強、部活動、友人との交流、そして近年ではスマートフォンを使ったSNSやオンラインゲームなど、夜更かしの原因となる要素が数多く存在します2。しかし、この時期の睡眠不足は、単に日中の眠気を引き起こすだけでなく、集中力の低下、記憶力の減退、学習意欲の喪失、情緒の不安定化など、学業成績や心身の健全な発達に多方面から深刻な悪影響を及ぼします。特に思春期は、身体的にも精神的にも急激な成長を遂げる極めて重要な時期です。この時期の良質な睡眠は、成長ホルモンの分泌を促し、脳機能の発達(特に記憶や学習に関わる海馬の発達など)をサポートします2。睡眠が不足すると、これらの重要なプロセスが阻害され、将来にわたる影響を残す可能性があります。2023年に日本国内の高校生を対象として行われた追跡調査(Tanakaら)では、深夜0時以降に就寝する習慣を半年以上続けている生徒は、早寝早起きの朝型の生活を送る生徒に比べて、定期テストの平均得点が明らかに低い傾向があることが示されました[原典]。さらに、これらの生徒は気分障害(不安症やうつ症状など)のリスクが高く、部活動への参加意欲や友人関係の満足度も低いと報告されています[原典]。睡眠不足は、学習内容の記憶定着を妨げるだけでなく、授業中の集中力を持続させることも困難にします31。成人においても、夜更かしによる睡眠不足は業務効率の低下に直結します。日中のパフォーマンスが約15%低下するというデータや11、集中力が約20%低下するという報告もあります11。創造性や問題解決能力といった高度な認知機能も、睡眠不足によって著しく損なわれることが知られています。適切な睡眠習慣の維持は、若い世代にとっては学力向上と健やかな心身の発達の基盤であり、成人にとっては日々の生産性とQOL(生活の質)を維持するための不可欠な要素と言えるでしょう。
3. なぜ夜型生活は体に悪いのか?科学が解き明かすメカニズム
夜型生活が私たちの健康に様々な悪影響を及ぼす背景には、精巧に調整された体内のシステム、特に「サーカディアンリズム(体内時計)」の乱れが深く関わっています。ここでは、夜更かしが具体的にどのような生理学的変化を引き起こし、健康リスクに繋がるのかを科学的な視点から解説します。
3.1 サーカディアンリズム(体内時計)の変調
私たちの体には、約24時間周期で睡眠と覚醒、ホルモン分泌、体温、血圧、代謝活動などを調節する「サーカディアンリズム」という内在的なリズムが存在します27。このリズムは、脳の視交叉上核にある中枢時計と、全身の各臓器に存在する末梢時計によってコントロールされています。中枢時計は主に朝の光を浴びることでリセットされ、末梢時計は食事のタイミングなどによって同調します9。夜更かしは、この精巧なシステムを狂わせます。夜遅くまで明るい光(特にスマートフォンやPCのブルーライト)を浴びたり、活動したりすることは、脳に「まだ昼間だ」という誤ったシグナルを送り続け、体内時計の夜への移行を妨げます。その結果、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が抑制され、寝付きが悪くなったり、睡眠の質が低下したりします39。このような体内時計の乱れが慢性化すると、睡眠障害だけでなく、後述する様々な健康問題の引き金となります。
3.2 ホルモンバランスの崩壊
サーカディアンリズムの乱れは、体内の様々なホルモンの分泌パターンにも影響を及ぼし、健康を損なう一因となります。
- メラトニン: 睡眠ホルモンとも呼ばれ、夜間に分泌が高まり自然な眠りを誘います。夜更かしによる夜間の光曝露はメラトニンの分泌を抑制し、入眠困難や中途覚醒の原因となります32。
- コルチゾール: ストレスホルモンの一種で、通常は早朝に分泌のピークを迎え、日中の活動をサポートします。しかし、睡眠不足や不規則な生活が続くと、コルチゾールの分泌リズムが乱れ、日中に過剰に分泌されたり、夜間に十分に低下しなくなったりします。これは、交感神経の過緊張状態を持続させ、高血圧や免疫力低下、気分の不安定化に繋がります[原典 – 高血圧セクション参照]。
- レプチンとグレリン: 食欲を調節するホルモンです。レプチンは脂肪細胞から分泌され食欲を抑制し、グレリンは主に胃から分泌され食欲を増進させます。睡眠不足になると、レプチンの分泌が減少し、グレリンの分泌が増加するため、満腹感を得にくくなり、空腹感を強く感じるようになります。これが、夜食や過食を招き、肥満のリスクを高めます12。
- インスリン: 血糖値を下げるホルモンです。睡眠不足やサーカディアンリズムの乱れは、インスリンの効き目を悪くする「インスリン抵抗性」を引き起こし、血糖コントロールを困難にします。これが長期化すると、2型糖尿病の発症リスクが著しく高まります24。
3.3 代謝プロセスの変化
夜型生活は、エネルギー代謝のプロセスにも深刻な影響を与えます。
- 糖代謝: インスリン抵抗性の増大により、摂取した糖質が細胞に効率よく取り込まれず、血糖値が高い状態が続きやすくなります24。これは糖尿病だけでなく、動脈硬化の進行にも関与します。
- 脂質代謝: 夜遅い時間の食事は、脂肪として蓄積されやすいことが知られています。これは、脂肪蓄積を促進するタンパク質BMAL1が夜間に増加することや35、夜間のエネルギー消費量が低下していることと関連しています15。また、夜型の人は脂肪よりも炭水化物をエネルギー源として優先的に利用する傾向があり、これも体脂肪の蓄積に繋がりやすいと考えられます24。
- エネルギー消費: Vujovicらの研究では、食事のタイミングを遅らせると日中のエネルギー消費量が減少することが示唆されており15、これも体重増加の一因となる可能性があります。
3.4 自律神経系の失調
自律神経系は、私たちの意思とは無関係に心臓の拍動、呼吸、消化、体温などをコントロールしており、活動時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経から成り立っています。健康な状態では、この二つの神経系がバランスを取りながら機能しています。しかし、夜更かしや睡眠不足は、このバランスを崩し、交感神経が過剰に優位な状態を持続させます。これにより、心拍数の増加、血管の収縮、血圧の上昇などが引き起こされ、高血圧や心血管疾患のリスクを高めます14。一方で、副交感神経の働きが抑制されるため、心身の休息や修復が十分に行われず、疲労が蓄積しやすくなります。
3.5 炎症反応の亢進
近年の研究では、睡眠不足が体内の慢性的な炎症反応を引き起こし、または増悪させることが明らかになっています。睡眠不足の状態では、IL-6(インターロイキン6)やTNF-α(腫瘍壊死因子α)といった炎症性サイトカインの血中濃度が上昇することが報告されています14。これらの炎症性物質は、血管内皮細胞を傷害し、動脈硬化の進行を促進したり、インスリン抵抗性を悪化させたりするなど、様々な生活習慣病の発症や悪化に関与しています。
3.6 精神・神経機能への影響
睡眠は、脳機能の維持と回復に不可欠です。睡眠不足は、記憶の整理・定着を妨げ、集中力、判断力、問題解決能力といった認知機能を低下させます46。また、感情のコントロールも難しくなり、イライラしやすくなったり、気分の落ち込みや不安を感じやすくなったりします。この背景には、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れや、ストレス応答システムであるHPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)の機能不全が関与していると考えられています9。HPA軸の活動が亢進すると、ストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌が続き、うつ病や不安障害などの精神疾患のリスクを高めることが知られています。
4. データで見る日本の睡眠事情とメンタルヘルスへの影響
日本人の睡眠時間は国際的に見ても短い傾向にあり、これが様々な健康問題、特にメンタルヘルスへの影響も懸念されています。ここでは、具体的なデータと共に日本の睡眠事情を概観し、睡眠と心の健康の密接な関係について掘り下げます。
4.1 日本人の睡眠時間:国際比較と国内統計
経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本人の平均睡眠時間は加盟国の中でも特に短く、国民的な睡眠不足が指摘されています1。厚生労働省が実施している「国民健康・栄養調査」では、日本人成人の睡眠時間に関する詳細なデータが示されています。例えば、令和元年の調査では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は、男性で37.5%、女性で40.6%に上ります。特に、働き盛りの世代である30~50代の男性、および40~50代の女性では、4割以上が6時間未満の睡眠しかとれていないという深刻な状況です4。NTT PARAVITAが2023年に行った調査では、日本の働き世代の平均睡眠時間は6時間27分であり、約8割がOECDが示す日本の平均睡眠時間(7時間22分)に満たず、さらに85.8%が自身の睡眠時間が不足していると感じていることが明らかになりました7。このような睡眠不足は、個人の健康問題に留まらず、社会経済的な損失にも繋がっています。米国のシンクタンク「ランド研究所」は2016年に、睡眠不足による日本の経済損失が年間約15兆円に上ると試算しており3、これは労働生産性の低下や医療費の増大などが要因と考えられます。
4.2 睡眠不足とメンタルヘルスの密接な関連
睡眠と心の健康は、表裏一体の関係にあります。睡眠不足や睡眠の質の低下は、うつ病、不安障害、双極性障害といった精神疾患の発症リスクを高め、また既存の症状を悪化させることが多くの研究で示されています9。実際、うつ病患者さんの約94%が何らかの睡眠障害(不眠、過眠など)を抱えていると言われており、睡眠の問題はうつ病の診断においても重要な症状の一つとされています46。日本のコホート研究(Yokoyama et al., 2010)では、不眠症(特に入眠困難)を抱える人は、そうでない人に比べて抑うつ症状を呈するリスクが約1.59倍高いことが示されました46。国際的なメタアナリシス研究でも、不眠症の人はそうでない人と比較してうつ病を発症するリスクが約2倍高いと報告されています46。これらの結果は、睡眠の問題が単にうつ病の症状であるだけでなく、うつ病発症の予測因子ともなり得ることを示唆しています。この密接な関連の背景には、生理学的なメカニズムが存在します。睡眠不足やサーカディアンリズムの乱れは、脳内の神経伝達物質のバランスを崩し、感情の調節を困難にします。また、ストレス応答システムであるHPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)の機能不全を引き起こし、ストレスホルモンであるコルチゾールの過剰分泌やリズムの乱れを招きます。これにより、ストレスに対する脆弱性が増し、精神疾患へと繋がりやすくなるのです46。交代勤務や夜勤といった不規則な勤務形態も、睡眠リズムを著しく乱し、メンタルヘルスに悪影響を与えることが知られています。Togoらの研究 (2017) では、日勤者と比較して交代制勤務者は夜型傾向が強く、睡眠時間も短い傾向があり、これらが抑うつ度を高める要因となっていることが報告されています46。国立精神・神経医療研究センターの睡眠障害ガイドラインにおいても、不眠症とうつ病の関連は重要視されており、適切な睡眠医療と精神科的アプローチの連携が求められています28。
4.3 子どもと高齢者の睡眠問題
子どもの睡眠問題:
現代の子どもの3~4人に1人が何らかの睡眠障害や睡眠習慣に関する問題を抱えているとされ、これは学習能力や情緒形成に深刻な影響を及ぼす可能性があります28。夜更かしによる睡眠不足は、集中力の低下、記憶力の減退、イライラしやすさ、多動性などを引き起こし、学業成績の不振に繋がることが指摘されています2。特に思春期は、心身ともに大きく成長する時期であり、この時期の睡眠不足はホルモンバランスや脳の発達にも悪影響を与える可能性があります。日本の高校生を対象とした調査では、夜0時以降に就寝する生徒は、早寝の生徒に比べてテストの平均点が低く、気分障害のリスクも高いことが示されています[原典]。
高齢者の睡眠問題:
加齢に伴い、睡眠パターンは変化します。一般的に、睡眠が浅くなり、夜中に目が覚めやすくなる(中途覚醒)、早朝に目が覚めてしまう(早朝覚醒)といった傾向が見られます51。これにより、日中の眠気や倦怠感が生じやすくなります。高齢者の睡眠不足は、高血圧、糖尿病、心疾患といった生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、転倒による骨折のリスクや認知機能の低下を招く可能性も指摘されています51。特に認知症のある方では、体内時計の機能が低下しやすく、昼夜逆転や夜間せん妄といった問題が生じ、介護者の負担増にも繋がることがあります52。また、レストレスレッグス症候群や周期性四肢運動障害といった睡眠関連運動障害も、加齢とともに有病率が上昇します28。
5. 夜型からの脱却と健康的な生活への転換:専門家が推奨する包括的アプローチ
夜型生活がもたらす様々な健康リスクを回避し、心身ともに健康な生活を取り戻すためには、生活習慣全般を見直し、体内時計を整えるための包括的なアプローチが必要です。ここでは、専門家が推奨する具体的な対策を5つの柱に分けて解説します。これらは、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」6や日本睡眠学会のガイドライン28でも推奨されている内容を含みます。
5.1 生活習慣の改善:睡眠・運動・食事の三本柱
健康的な生活の基本は、質の高い睡眠、適度な運動、バランスの取れた食事です。これらを意識的に改善することが、夜型生活からの脱却の第一歩となります。
- 睡眠スケジュールの確立: 毎日同じ時刻に就寝し、同じ時刻に起床することを基本とします。特に起床時刻を一定に保つことが、体内時計を安定させる上で重要です53。平日と休日の睡眠時間の差をできるだけ小さくし、「ソーシャル・ジェットラグ」を避けるよう心がけましょう[原典]。眠気を感じてから寝床に入るようにし、寝床で長時間スマートフォンを操作したり、考え事をしたりするのは避けましょう53。
- 日中の活動と運動: 日中に適度な運動を行うことは、夜の寝付きを良くし、睡眠の質を高めます。ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動が効果的です28。特に午前中に太陽光を浴びながら運動することは、体内時計のリセットに非常に有効です[原典]。ただし、就寝直前の激しい運動は交感神経を興奮させ、寝付きを悪くする可能性があるため避けましょう55。
- 食事のタイミングと内容(時間栄養学の活用): 食事は体内時計(特に末梢時計)を同調させる重要な因子です。「何を食べるか」だけでなく「いつ食べるか」も重要であり、これは「時間栄養学」という学問分野でも研究されています40。朝食をしっかり摂ることは、1日の活動リズムを整え、体内時計をリセットするのに役立ちます40。夕食は就寝の3~4時間前までに済ませ、消化の良いものを適量摂るように心がけましょう44。夜遅い時間の食事や高カロリー・高脂肪食は、睡眠の質を低下させ、肥満のリスクを高めます43。
- カフェイン・アルコール・ニコチンの制限: カフェイン(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど)は就寝4時間前からは避けましょう54。アルコールは睡眠の質を著しく低下させます57。ニコチンも覚醒作用があるため、就寝前の喫煙は避けましょう54。
5.2 睡眠環境の最適化:質の高い眠りのための空間づくり
快適な睡眠環境を整えることは、質の高い睡眠を得るために不可欠です。
- 寝室の環境: 寝室は、暗く、静かで、快適な温度・湿度に保ちましょう28。遮光カーテンや耳栓の利用も有効です。
- 就寝前の光環境: 就寝1~2時間前からは、スマートフォンやPCなどの画面を見るのを避けましょう38。これらの機器が発するブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。寝室の照明は暖色系の落ち着いた光にしましょう。
5.3 光療法の活用:体内時計のずれを修正する
体内時計が大幅に遅れてしまい、自力での修正が困難な場合(例えば、睡眠相後退障害など)には、光療法が有効な治療法の一つとなります26。光療法は、高照度の光を特定の時間に浴びることで、体内時計を前進または後退させる治療法です。睡眠相後退障害の場合は、朝の起床直後に強い光を浴びることで、睡眠リズムを徐々に早める効果が期待できます。ただし、光療法の実施にあたっては、睡眠専門医の指導のもとで行うことが重要です。
5.4 ストレスマネジメントとリラクゼーション:心穏やかに入眠するために
精神的なストレスは、寝付きを悪くする大きな原因となります。日頃からストレスを溜めない工夫をし、就寝前にはリラックスできる習慣を取り入れましょう。
- ぬるめのお湯(38~40度程度)での入浴は、副交感神経を優位にし、リラックス効果を高めます。就寝1~2時間前に入浴を済ませると効果的です57。
- 軽いストレッチやヨガ、瞑想、深呼吸、読書、静かな音楽を聴くなど、自分に合ったリラックス方法を見つけましょう57。
5.5 専門家への相談:一人で悩まず、適切なサポートを
上記のような対策を試みても、慢性的な不眠や日中の強い眠気、気分の落ち込みなどが改善しない場合は、一人で抱え込まずに専門家(医師やカウンセラーなど)に相談することが重要です53。内科や精神科、心療内科、あるいは睡眠専門のクリニックなどを受診し、現在の状況を詳しく伝えましょう。睡眠障害の中には、睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群など、専門的な検査や治療が必要な疾患が隠れている場合もあります28。日本睡眠学会58や国立精神・神経医療研究センター59などでは、睡眠医療に関する情報提供や専門医療機関の紹介なども行っています。また、柳沢正史教授(筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構)61や内村直尚理事長(日本睡眠学会)58のような専門家の情報発信も参考になるでしょう。
健康に関する注意事項
- 本記事で紹介した情報は一般的な知識であり、個々の健康状態や病状に対する医学的アドバイスに代わるものではありません。
- 夜更かしが原因と思われる体調不良や、慢性的な睡眠の問題が続く場合は、自己判断で放置せず、必ず医師や専門の医療機関に相談してください。
- 特に、いびきがひどい、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性も考えられますので、専門的な検査を受けることを強く推奨します。
よくある質問
週末に「寝だめ」をするのは、平日の睡眠不足解消に効果がありますか?
一時的な疲労回復感は得られるかもしれませんが、長期的には体内時計を乱す「社会的時差ぼけ」を引き起こし、逆効果になる可能性があります25。週末も平日と同じ時間に起き、もし眠ければ昼間に30分以内の短い仮眠をとる方が、体内時計のリズムを維持するためには効果的です。
夜勤などでどうしても夜型生活にならざるを得ない場合、どうすれば健康リスクを軽減できますか?
勤務スケジュールに合わせて、できるだけ規則正しい睡眠・食事のリズムを作ることが重要です。勤務明けには、寝室を暗く静かにして質の高い睡眠を確保し、活動時間帯には意識的に光を浴び、適度な運動を取り入れましょう。また、定期的な健康診断を受け、体調の変化に注意を払うことが不可欠です。
夜食がやめられません。何か良い方法はありますか?
まず、夕食をしっかり摂り、栄養バランスを整えることが基本です。睡眠不足は食欲を増進させるホルモン(グレリン)を増やすため、十分な睡眠を確保することも重要です12。それでも空腹を感じる場合は、ホットミルクやハーブティー、消化の良い少量の果物など、血糖値の急上昇を招きにくいものを選びましょう。
運動はいつ行うのが最も効果的ですか?
体内時計をリセットし、夜の睡眠の質を高めるためには、午前中に太陽光を浴びながらのウォーキングなどの有酸素運動が特に推奨されます[原典]。夕方に行う軽い運動も寝付きを良くする効果が期待できますが、就寝直前の激しい運動は体を興奮させてしまうため避けるべきです55。
睡眠サプリメントは夜型生活の改善に役立ちますか?
一部のサプリメント(例:グリシン、テアニンなど)にはリラックス効果や睡眠の質をサポートする報告がありますが、効果には個人差があります。サプリメントはあくまで補助的なものであり、生活習慣の改善が基本です。不眠が続く場合は、サプリメントに頼る前に、まず専門医に相談し、原因を特定することが重要です53。
結論
本記事では、夜更かし、すなわち夜型の生活習慣が私たちの健康に及ぼす多岐にわたるリスクについて、最新の科学的知見を交えながら詳しく見てきました。高血圧、運動不足、肥満、糖尿病といった生活習慣病のリスク増大、睡眠サイクルや体内時計の深刻な乱れ、交通事故の危険性増加、そして学業や業務のパフォーマンス低下など、夜型生活には数多くの落とし穴が潜んでいることが明らかになりました。これらの健康リスクは、単に「夜遅くまで起きている」という事実だけでなく、その背景にある不規則な生活リズム、慢性的な睡眠不足、深夜の不適切な食事摂取、日中の活動量低下といった複合的な要因が複雑に絡み合うことで生じる問題であると考えられます。特に、私たちの身体に深く刻まれたサーカディアンリズム(体内時計)の変調は、ホルモンバランスの崩壊、代謝プロセスの異常、自律神経系の失調、さらには炎症反応の亢進や精神・神経機能への悪影響を引き起こし、全身の健康状態を徐々に蝕んでいきます。日本においては、国際的に見ても睡眠時間が短い傾向にあり、特に働き盛りの世代や若年層における睡眠不足は深刻な問題です。これは個人の健康問題に留まらず、メンタルヘルスの悪化、生産性の低下、さらには多大な経済的損失にも繋がっている可能性が指摘されています。しかし、これらのリスクは決して避けられないものではありません。日々の生活習慣を見直し、意識的に改善に取り組むことで、夜型生活から脱却し、より健康的な未来を築くことは可能です。就寝・起床時刻の一定化、日中の適度な運動、食事のタイミングと内容への配慮、質の高い睡眠環境の整備、そして必要に応じた専門家への早期の相談。これらの具体的な対策を一つひとつ積み重ね、食事・運動・睡眠という健康の三本柱をバランス良く整えていくことが、将来の健康を守る上で大きな鍵となります。自分自身の身体と心に目を向け、積極的にケアする心がけこそが、より豊かで活力に満ちた人生を送るための最も確実な投資と言えるでしょう。
参考文献
- 三上内科クリニックブログ. 労働者と睡眠. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://mikami-naika-clinic.jp/blog/news/1601/
- 講談社コクリコ. 本当に気になる子育ての悩み「子どもの夜ふかしは発達にどんな影響があるか知りたい」. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://cocreco.kodansha.co.jp/genki/news/genki-news/hontonikininaru/H5iRm
- Wedge ONLINE. 睡眠不足で日本の経済損失は15兆円という衝撃 あなたの睡眠は大丈夫?時代は働き方改革から〝休み方改革〟へ. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://wedge.ismedia.jp/articles/-/32764?layout=b
- 日本生活習慣病予防協会. 日本人成人の20.6%が慢性的な不眠 令和4年(2022)「国民健康・栄養調査」の結果より. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://seikatsusyukanbyo.com/statistics/2024/010762.php
- 日本生活習慣病予防協会. 日本人成人で十分睡眠がとれている人は74.9%。4人に1人は慢性的な不眠 令和5年(2023)「国民健康・栄養調査」の結果より. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://seikatsusyukanbyo.com/statistics/2024/010828.php
- 川崎幸病院. 健康づくりのための睡眠指針. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://saiwaihp.jp/kenkoujyukuch/wp-content/uploads/2024/10/suimin-guidelines.pdf
- NTT PARAVITA. 【調査レポート】働き世代の睡眠の実態とは? 80%が日本の平均睡眠時間に満たないことが明らかに. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://nemuri-supporters.nttparavita.com/blog/sleep0037
- 関西電力. コラム|眠り上手は仕事上手 寝不足解消で経済損失を取り戻せ【友野なお】. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.kepco.co.jp/corporate/report/yous/4/data-box/article1.html
- note. 【論文紹介】あなたの夜更かしがメンタルに影響する?―概日リズムの乱れと心の健康の深い関係. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://note.com/kgraph_/n/n04a5a2da26f0
- 厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド 2023. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
- note. 朝から行動することのメリットと夜更かしのデメリット:科学的…. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://note.com/rakuten_life/n/n9fa8b840abdb
- 第一三共ヘルスケア. 寝不足を続けるとどんなリスク(影響)があるの?|セルフケアお…. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/selfcare/goodsleep-01/
- 科学技術振興機構. 週末の「遅寝遅起き」が月曜日に血圧上昇を招く 早大など | Science…. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20230929_n01/index.html
- Med-Pro Doctors. 睡眠と高血圧の関係|寝不足は血圧を上げる? – 血圧の学校. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://med-pro.jp/media/htn/?p=82
- きよしクリニック. 夜食べると太る原因が明らかに (出典:Cell Metabolism 2022.10.4). [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://kiyoshi-clinic.com/column/%E5%A4%9C%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%82%8B%E3%81%A8%E5%A4%AA%E3%82%8B%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%8C%E6%98%8E%E3%82%89%E3%81%8B%E3%81%AB-%EF%BC%88%E5%87%BA%E5%85%B8%EF%BC%9Acell-metabolism-2022-10-4%EF%BC%89/
- Division of Sleep Medicine at Harvard Medical School. Late isocaloric eating increases hunger, decreases energy expenditure, and modifies metabolic pathways in adults with overweight and obesity. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://sleep.hms.harvard.edu/news/late-isocaloric-eating-increases-hunger-decreases-energy-expenditure-and-modifies-metabolic
- EurekAlert!. Eating late increases hunger, decreases calories burned, and changes fat tissue. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.eurekalert.org/news-releases/966718
- eHealth clinic. 【研究解説】睡眠時間を増やすと自然に痩せる?最新研究が示す驚きのメカニズム. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://ehealthclinic.jp/column/43746/
- EurekAlert!. Getting more sleep reduces caloric intake, a game changer for weight loss programs. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.eurekalert.org/news-releases/942359
- UChicago Medicine. Getting more sleep reduces caloric intake, a game changer for weight loss programs. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.uchicagomedicine.org/forefront/research-and-discoveries-articles/getting-more-sleep-reduces-caloric-intake
- DM-NET. 「夜型」の生活スタイルの人は糖尿病リスクが上昇 食事・運動…. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://dm-net.co.jp/calendar/2023/037831.php
- ACP Journals. Chronotype, Unhealthy Lifestyle, and Diabetes Risk in Middle-Aged U.S. Women: A Prospective Cohort Study: Annals of Internal Medicine. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M23-0728
- Patient Care Online. Evening Chronotype in Women Linked with Unhealthy Lifestyle, Increased Risk for Type 2 Diabetes. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.patientcareonline.com/view/evening-chronotype-in-women-linked-with-unhealthy-lifestyle-increased-risk-for-type-2-diabetes
- DM-NET. 生活リズムが「夜型」だと糖尿病や心臓病のリスクが上昇 「朝型…. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://dm-net.co.jp/calendar/2022/037053.php
- 大塚製薬. www.otsuka.co.jp. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.otsuka.co.jp/suimin/socialjetlag01.html#:~:text=%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%9A%84%E5%88%B6%E7%B4%84(%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%80%81%E5%AD%A6%E6%A0%A1,%E5%91%BC%E3%81%B3%E3%81%BE%E3%81%99(%E5%9B%B31)%E3%80%82
- 近畿大学医学部. “社会的時差ぼけ(Social jet lag)”という用語がよく理解されぬままにネット上. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.med.kindai.ac.jp/anato2/SocialJetLag.pdf
- 日本調剤. 体に不調をきたす前に!体内時計を整えよう【栄養だより2023年4月号】. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.nicho.co.jp/column/20230401_c1/
- 国立精神・神経医療研究センター. 睡眠障害ガイドライン わが国における睡眠問題の現状. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.ncnp.go.jp/nimh/behavior/phn/sleep_guideline.pdf
- シンク出版株式会社. 疲労・居眠運転に注意しましょう – 人と車の安全な移動をデザインする. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.think-sp.com/2024/02/01/kikikanri-inemuri-suimin/
- 栃木県警察. 平成19年3月13日 警 察 庁 交 通 局 睡眠障害と安全運転に関する調査研究結果につ – 栃木県. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.pref.tochigi.lg.jp/keisatu/n30/tetuzuki/documents/essrslt.pdf
- 阪野クリニック. 子どもの睡眠不足【どんな影響があるか?】. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://banno-clinic.biz/insufficient-sleep-in-children/
- 神保町駅前睡眠・呼吸内科クリニック. 『⑤ 高血圧と睡眠|睡眠不足が血圧に与える影響と改善法』 | 高血圧といびきの内科. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://wellness.or.jp/2025/03/23/%E3%80%8E%E2%91%A4-%E9%AB%98%E8%A1%80%E5%9C%A7%E3%81%A8%E7%9D%A1%E7%9C%A0%EF%BD%9C%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E4%B8%8D%E8%B6%B3%E3%81%8C%E8%A1%80%E5%9C%A7%E3%81%AB%E4%B8%8E%E3%81%88%E3%82%8B%E5%BD%B1%E9%9F%BF/
- CNN.co.jp. 睡眠中の照明、シニア世代の健康に悪影響か 米研究. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.cnn.co.jp/fringe/35189355.html
- PRESIDENT Online. なぜ「睡眠不足」は「肥満」と深い関係があるのか…脳のゴミを洗い流さ…. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://president.jp/articles/-/76286?page=1
- きのした小児科. 夜遅く食べると太る理由解明. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: http://www.kinoshita-children.jp/%E9%99%A2%E9%95%B7%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/%E5%A4%9C%E9%81%85%E3%81%8F%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%82%8B%E3%81%A8%E5%A4%AA%E3%82%8B%E7%90%86%E7%94%B1%E8%A7%A3%E6%98%8E/
- KAKEN. 時計遺伝子BMAL1の機能低下による肥満形成のメカニズム. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-20K07020/
- VALX. BMAL1という時計遺伝子が夜中の食事を太らせる?グリコーゲンに着目して説明!. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://column.valx.jp/1968/
- 岡崎ゆうあいクリニック. 「夜更かしが糖尿病リスクを高める?最新科学が示す衝撃の事実」. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://okazaki-yuai-clinic.com/chronic-care/%E3%80%8C%E5%A4%9C%E6%9B%B4%E3%81%8B%E3%81%97%E3%81%8C%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%82%92%E9%AB%98%E3%82%81%E3%82%8B%EF%BC%9F%E6%9C%80%E6%96%B0%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%81%8C
- 鈴廣かまぼこ. 「体内時計」とは?仕組みや整え方を知って規則正しく健康的な生活を送ろう. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.kamaboko.com/fishprotein/articles/body_clock/
- 大塚製薬. 時間栄養学とは?. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/when-to-eat/chrononutrition/
- 阪野クリニック. 光療法はどんな睡眠障害に効果がありますか. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://banno-clinic.biz/light-therapy/
- ODOD. 光療法とは?効果なしと言われる理由や自宅で光療法を行う方法を解説. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://odod.or.jp/kiritsusei-tohaod-7280/
- 品川イーストクリニック. 夜食は健康の敵です。. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://e-clinic.gr.jp/column/4241/
- note. 夜の食事と快眠の科学― 科学的根拠と実践ガイド. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://note.com/kgraph_/n/nb1c805814b6f
- 岡崎ゆうあいクリニック. 「睡眠時無呼吸が糖尿病を引き起こす?最新研究が示す意外な関係とは」. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://okazaki-yuai-clinic.com/chronic-care/%E3%80%8C%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E6%99%82%E7%84%A1%E5%91%BC%E5%90%B8%E3%81%8C%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85%E3%82%92%E5%BC%95%E3%81%8D%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%81%99%EF%BC%9F%E6%9C%80%E6%96%B0%E7%A0%94%E7%A9%B6
- 東京大学大学院教育学研究科. 睡眠がメンタルヘルスに与える影響に関する研究動向と今後の展望. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.p.u-tokyo.ac.jp/shimoyama/08kaken/pdfs/2019/2019-23-30.pdf
- Spaceship Earth. 睡眠不足が健康に与える影響は?質の高い睡眠はなぜ効果的なのか・社会問題との関係. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://spaceshipearth.jp/lack-of-sleep/
- ヨガジャーナルオンライン. 【あなたは夜型?夜型の人はうつ病リスクが高い】という研究結果. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://yogajournal.jp/27201
- ミチワクリニック. 夜型タイプの方はうつ病になりやすい?. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.michiwaclinic.jp/news/3291/
- STRESCOPE. 睡眠とメンタルヘルスの関係は?<前編>睡眠ガイドを読み解く. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://strescope.jp/sleep/540/
- SONOSAKI LIFE. この睡眠時間で大丈夫?高齢者の良質な眠りをサポートするコツ. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.sonosaki-life.jp/shop/pg/1quality-sleep-elderly/
- 朝日生命. 認知症による昼夜逆転について 症状や原因、治療方法は?. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://anshinkaigo.asahi-life.co.jp/activity/ninchisho/column2/04/
- マイナビけんぽ. 睡眠指針とは?健康づくりに欠かせない睡眠指針の最新情報を解説. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://kenkokeiei.mynavi.jp/step/20240424-3
- 日本睡眠学会. 睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://jssr.jp/files/guideline/suiminyaku-guideline.pdf
- 阪野クリニック. 良い睡眠をとるための方法を教えます. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://banno-clinic.biz/how-to-sleep-better/
- 農研機構. 時間栄養学とは?. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.naro.go.jp/laboratory/nfri/introduction/chart/0203/chrononutrition.html#:~:text=%E6%99%82%E9%96%93%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%AD%A6%E3%81%A8%E3%81%AF,Chrono%2Dnutrition)%E3%80%8D%E3%81%AB%E3%81%82%E3%81%9F%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
- Glico. 良い睡眠ってどんなもの?質を高めるために今すぐ出来る事. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.glico.com/jp/powerpro/citric-acid/entry91/
- 日本睡眠協会. 理事長挨拶. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://jsleep.org/about/
- 国立精神・神経医療研究センター. 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所睡眠・覚醒障害研究部. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.ncnp.go.jp/nimh/sleep/index.html
- 国立精神・神経医療研究センター. 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神生理研究部: ホーム. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: http://labo.sleepmed.jp/
- 株式会社S’UIMIN. 睡眠学者・柳沢正史の活動. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.suimin.co.jp/m_yanagisawa
- 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構. 柳沢 正史. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://wpi-iiis.tsukuba.ac.jp/japanese/research/member/detail/masashiyanagisawa/
- AMED. 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長の柳沢正史教授が、2023年生命科学部門の「ブレークスルー賞」(Breakthrough Prize)を受賞. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://www.amed.go.jp/news/seika/jyusho/20220926.html
- PRESIDENT Online. 「内村 直尚」の記事一覧. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://president.jp/list/author/%E5%86%85%E6%9D%91%20%E7%9B%B4%E5%B0%9A
- 時事メディカル. 内村直尚 医師(うちむらなおひさ). [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://medical.jiji.com/doctor/1673
- PMC. Association of Eating Pattern, Chronotype, and Social Jetlag: A Cross-Sectional Study Using Data Accumulated in a Japanese Food-Logging Mobile Health Application. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10181260/
- UMIN-CTR. UMIN-CTR Clinical Trial. [インターネット]. [引用日: 2025年6月10日]. 以下より入手可能: https://center6.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr_e/ctr_view.cgi?recptno=R000053204