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消化器疾患 24分で読める 23回

B型肝炎ワクチンを受けていない世代へ|今からの予防接種と検査

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B型肝炎ワクチンが「定期接種」として無料化されたのは2016年(平成28年)10月から。厚生労働省の資料によれば、しかも対象は2016年3月31日以前に生まれた方は定期接種の対象外のままです[1]。つまり、現在成人しているほとんどの人は、乳児期にB型肝炎ワクチンを受けていません。厚生労働省のリーフレットによれば、B型肝炎は血液・体液を介して感染し、感染すると一部の方で慢性化して肝硬変・肝がんに進行するおそれがあります[2]。この記事では、①予防接種を受けていない世代が今から打てる「任意接種」の仕組み、②お住まいの地域で受けられる無料の肝炎ウイルス検査、③過去の集団予防接種が原因で感染した場合の給付金制度、④C型肝炎の予防と検査を、厚生労働省・日本肝臓学会・WHOの一次資料に基づいて整理します。

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要点まとめ

  • ✓ 厚生労働省の資料によれば、B型肝炎ワクチンの定期接種化は2016年10月。2016年3月31日以前生まれの方は対象外で、今から受ける場合は任意接種(自費)になる[1]
  • ✓ 厚生労働省が示す標準的な接種スケジュールは3回接種(1回目から27日以上あけて2回目、1回目から139日以上あけて3回目)[1]
  • ✓ 厚生労働省のリーフレットによれば、B型・C型肝炎ウイルスは血液・体液を介して感染し、食事を共にする・握手する・入浴を共にするなどの日常生活では感染しない[2]
  • ✓ 厚生労働省によれば、肝炎ウイルス検査は全国の保健所・委託医療機関で無料で受けられる。一度も検査を受けたことがない方は受検が推奨されている[2]
  • ✓ 厚生労働省の手引きによれば、1948〜1988年の集団予防接種等でB型肝炎に感染した方には特別措置法に基づく給付金制度があり、病態区分に応じて給付金が支給される[3]

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編集方針・科学的根拠

JHO編集部がAIツールの支援を受け、厚生労働省・日本肝臓学会・WHO(世界保健機関)などの公的情報源と照合して作成しました。医師による監修は行っておらず、特定の症状に対する診断や治療方針の決定を目的とするものではありません。ご自身の状態については医療機関にご相談ください。誤りや古い情報にお気づきの際はお問い合わせフォームよりお知らせください。事実を確認のうえ訂正します。

更新日:2026年8月10日

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2016年3月31日以前に生まれた(今の大人のほぼ全員) B型肝炎ワクチンの定期接種の対象外。今から打つ場合は「任意接種」として医療機関で自費相談[1]
これまで一度も肝炎ウイルス検査を受けたことがない お住まいの自治体の保健所または委託医療機関で無料検査を受けられる[2]
1948年〜1988年の間に、満7歳になるまでに集団予防接種・ツベルクリン反応検査を受けた記憶がある B型肝炎の感染経路として注射器の連続使用が疑われる場合、給付金制度の対象になる可能性がある[3]

出典:厚生労働省の各種資料に基づきJHO編集部が整理[1][3]

基準値・分類:ウイルス性肝炎の種類と感染経路

ウイルス性肝炎の型と主な感染経路
型 主な感染経路 ワクチン 慢性化
A型・E型 主に食べ物・水を介して感染 A型は任意接種で存在 基本的に慢性化しない
B型 血液・体液(出産時の母子感染、注射器の使い回し、性的接触など) あり(2016年10月〜定期接種) キャリアの一部(約10〜20%と推測)が慢性肝炎・肝硬変に進行
C型 血液(輸血、注射器の使い回しなど) 現時点でワクチンなし B型より高い率で慢性化しやすいとされる

出典:厚生労働省「ウイルス性肝炎について(一般向けリーフレット)」(全国C型肝炎診療懇談会作成)[2]、WHO Hepatitis B・Hepatitis C Fact Sheets[4][5]

B型肝炎ワクチン 定期接種と任意接種の違い
定期接種(対象者のみ) 任意接種(対象外の方)
対象 2016年4月1日以降生まれで1歳未満の乳児[6] 2016年3月31日以前生まれの方(今の大人のほぼ全員)
費用 無料(公費) 自費(医療機関ごとに異なるため事前確認が必要)
接種回数 3回(27日以上あけて2回、1回目から139日以上あけて3回目)[1]

出典:中央区「B型肝炎(定期予防接種)」(厚労省の定期接種要領に基づく自治体公式案内)[6]

第1部:よくある場合 — B型肝炎ワクチンを「打っていない世代」が生まれた理由

B型肝炎ワクチンの母子感染防止事業は1986年1月から始まっていました[1]。しかしこれは「母親がB型肝炎キャリアの場合」に限った対策で、すべての赤ちゃんに打つ制度ではありませんでした。

1992年3月、WHOはB型肝炎ワクチンの「ユニバーサル化」(全員接種)を推奨しました[1]。厚生労働省の資料によれば、しかし日本でこれが定期接種として実現したのは、そこから24年後の2016年10月です[1]。厚生労働省の資料によれば、2012年5月に厚生科学審議会で「広く接種を促進すべきワクチン」として指定され、2013年の予防接種法改正案でも定期接種化が求められ、2015年に技術的検討が取りまとめられてようやく制度化されました[1]。

厚労省の定期接種要領によれば、この結果、対象は「平成28年(2016年)4月1日以後に生まれた者」に限定され、2016年3月31日以前に生まれた方は定期予防接種の対象外となっています[6]。厚生労働省の資料によれば、標準的な接種期間は生後2か月〜生後9か月、1歳の誕生日の前日までに3回の接種を終える必要があります[1]。

つまり、2026年現在で成人している方のほぼ全員が、乳児期にこのワクチンを公費で受ける機会がなかったことになります。学校での集団接種もなかったため、「自分が受けたかどうか分からない」という方が多いのは、制度上ごく自然なことです。

「任意接種でも受けられる」と学会が明言している

日本肝臓学会(市民のみなさま向けページ)は、定期接種化のお知らせの中で次のように述べています。「2016年4月1日以後に出生した0歳児が接種の対象です。これ以外の方に関しては任意接種とはなりますが接種を受けることが可能です」[7]。つまり、定期接種の対象外だからといって「打てない」わけではなく、自費であれば年齢を問わず接種を受けられるということです。

なお、同じく日本肝臓学会の案内によれば、標準的な接種時期は生後2か月・3か月・7〜8か月の3回である一方、B型肝炎ウイルスに感染している母親から生まれた0歳児への接種時期は出生直後・生後1か月・生後6か月と異なるスケジュールになっており、母子感染予防のケースと通常のケースを混同しないよう注意が呼びかけられています[7]。任意接種として大人が受ける場合のスケジュールは、かかりつけ医療機関で個別に確認してください。

厚生労働省のリーフレットによれば、第2部:危険な場合 — 感染経路を正しく知る(差別・偏見を防ぐために)

B型・C型肝炎ウイルスは、主に感染している人の血液が体の中に入ることによって感染します[2]。具体的には次のような経路です。

  • 厚生労働省が挙げる経路①出産時の母から子への感染(母子感染)
  • 厚生労働省が挙げる経路②注射器(注射針・注射筒)の連続使用
  • 厚生労働省が挙げる経路③輸血や血液製剤(現在は献血時のスクリーニング検査で厳しく管理されている)
  • 厚生労働省が挙げる経路④性的接触
  • 厚生労働省が挙げる経路⑤ピアス・入れ墨など血液に触れる器具の使い回し

一方で、厚生労働省のリーフレットによれば、ごく常識的な注意事項を守っていれば、日常生活において周囲の人への感染はほとんどありません[2]。厚生労働省のリーフレットは、次のような注意点を挙げています[2]。

  • 厚労省リーフレットの注意点①歯ブラシ、カミソリなど血液が付く可能性のあるものを共用しない
  • 厚労省リーフレットの注意点②血液や分泌物がついたものは、しっかりくるんで捨てるか、流水でよく洗い流す
  • 厚労省リーフレットの注意点③外傷・皮膚炎・鼻血などはできるだけ自分で手当てをし、他人が手当てをする場合は手袋を装着する
  • 厚労省リーフレットの注意点④口の中に傷がある場合は、乳幼児に口移しで食物を与えない

逆に言えば、一緒に食事をする・握手をする・同じ部屋で過ごす・お風呂に一緒に入るといった通常の接触では感染しません。これは「肝炎のキャリアの方への差別・偏見をなくす」うえで、最も重要な事実です。

出典:厚生労働省「ウイルス性肝炎について(一般向けリーフレット)」/JHO編集部が作図

感染した場合、体はどうなるか

厚生労働省のリーフレットによれば、B型肝炎ウイルスの場合、出生時または乳幼児期に感染すると持続感染(キャリア化)することがありますが、成人後の感染ではキャリア化することはまれとされています[2]。厚生労働省のリーフレットは、B型肝炎キャリアのうち一部(約10〜20%と推測されている)は慢性肝炎・肝硬変などの肝臓病がみられますが、大部分の方は発症せずに一生を終わるとしています[2]。厚生労働省のリーフレットによれば、一方でC型肝炎ウイルスに感染した場合、B型肝炎よりもキャリア化する率は高いとされ、その後慢性肝炎になる人も多く、放置すれば肝硬変・肝がんに進行することもあると同資料は述べています[2]。

WHOの推計(2024年)では、世界で約2億4,000万人がB型肝炎に慢性感染しており、毎年約90万人が新規に感染、年間約110万人が主に肝硬変・肝がんによって死亡しています[4]。WHOによれば、C型肝炎については、世界で約4,700万人が慢性感染し、毎年約90万人が新規感染、2024年には約23万9,000人が死亡したと推計されています[5]。

「無症候性キャリア」という言葉の意味

肝炎の情報を調べていると「無症候性キャリア」という言葉によく出会います。厚生労働省のリーフレットによれば、これは、肝炎ウイルスが体の中に持続的に感染している状態でありながら、自覚症状がなく、日常生活に支障がない方を指す言葉です[2]。厚生労働省のリーフレットは、無症候性キャリアであっても肝機能検査の値が変動し、知らない間に病気が進行することがあるため、医療機関を受診して肝臓の状態をチェックするための検査や指導を定期的に受けることを推奨しています[2]。「症状がない=安心して放置してよい」ではなく、「症状がないからこそ、検査で定期的に状態を確認する」という考え方が重要です。

第3部:背景疾患・関連制度 — 過去の集団予防接種が原因の感染と給付金

「B型肝炎訴訟」という言葉を検索で見かけたことがある方もいるかもしれません。厚生労働省の手引きによれば、これは、幼少期に受けた集団予防接種等(予防接種またはツベルクリン反応検査)の際に、注射器(注射針または注射筒)が連続使用されたことによってB型肝炎ウイルスに持続感染したとされる方々が、国による損害賠償を求めている訴訟です[3]。

厚生労働省の手引きによれば、国の過失責任が認定された期間は昭和23年(1948年)から昭和63年(1988年)までです[3]。厚生労働省の手引きによれば、この間に満7歳になるまでの間に集団予防接種等を受け、注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに持続感染したとされる方(一次感染者)が、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法に基づく救済の対象です[3]。

さらに、一次感染者本人だけでなく、その方からの母子感染・父子感染によって持続感染者となった「二次感染者」も対象に含まれます。厚生労働省の手引きによれば、一次感染者である母親からの母子感染のほか、一次感染者である父親からの父子感染、さらにそこから母子感染・父子感染した方も救済対象になるとされています[3]。つまり、ご本人が直接集団予防接種を受けていなくても、親や祖父母がその世代に該当する場合は、対象になる可能性があるということです。厚生労働省の手引きによれば、一次感染者・二次感染者いずれの認定にも、B型肝炎ウイルスへの持続感染(一過性の感染歴だけでは対象外)を医学的資料で証明する必要があります[3]。

給付金は、死亡・肝がん・肝硬変(重度)、肝硬変(軽度)、慢性肝炎、無症候性キャリアという病態区分と、感染した時点から20年の「除斥期間」を経過しているかどうかに応じて金額が異なります。厚生労働省の手引きによれば、文書上確認できた金額としては、死亡・肝がん・肝硬変(重度)で最大3,600万円、慢性肝炎で最大1,250万円、無症候性キャリアで除斥期間内なら600万円、除斥期間を経過した場合は50万円に加えて定期検査費用等の政策的支援(定期検査1回につき1万5千円、年2回まで等)が受けられる仕組みになっています[3]。厚生労働省の手引きによれば、除斥期間を経過すると法的請求権自体は消滅しているため、経過していない場合と比べて給付金額は低く設定されています[3]。

ただし、区分ごとの正確な金額や、ご自身が対象になるかどうかの判定は、症状の程度や治療歴などの証拠によって変わる複雑な制度です。この記事の数字は概要であり、個別の該当性・正確な給付額は厚生労働省の「B型肝炎訴訟の手引き」原本、または全国の弁護士相談窓口で必ずご確認ください[3]。

厚生労働省の制度によれば、もし感染が分かって治療が必要になったら:医療費助成という選択肢

集団予防接種によるものかどうかに関わらず、B型・C型肝炎ウイルスへの抗ウイルス治療(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療、核酸アナログ製剤治療)を受ける場合、都道府県が実施する「肝炎治療特別促進事業」による医療費助成があります[8]。厚生労働省の制度によれば、この制度では、患者の世帯所得(市町村民税課税年額)に応じて、自己負担限度月額を原則1万円(上位所得階層は2万円)まで軽減する仕組みになっています[8]。厚生労働省の制度によれば、対象となるのは保険適用となっている治療に限られ、初診料・再診料・検査料・入院料等は助成対象になりますが、入院時の食費や、副作用等により治療を中止した後の検査・治療にかかる費用は対象外です[8]。厚生労働省の制度によれば、詳しくはお住まいの都道府県の肝炎・肝疾患担当課、または治療を受ける専門医・主治医にご相談ください[8]。

WHOによれば、C型肝炎には予防接種がない — だからこそ検査が予防の中心になる

B型肝炎と異なり、C型肝炎には現時点で承認されたワクチンが存在しません[5]。そのため、C型肝炎への対策は「感染経路を避けること」と「早期に検査で見つけること」の2本柱にならざるを得ません。厚生労働省は、これまで肝炎ウイルス検査を受けたことがない方に対して、少なくとも一度は検査を受けるよう呼びかけています[2]。

特に、次のような経験がある方は、C型肝炎ウイルスに感染している可能性がゼロではないため、検査の優先度が高いと考えられます。

  • 1992年(平成4年)より前に輸血を受けたことがある(現在は献血血液のスクリーニング検査の精度が大きく向上している)
  • 大きな手術を受けたことがある
  • 血液凝固因子製剤やフィブリノゲン製剤の投与を受けたことがある
  • 長期間の血液透析を受けている、または受けたことがある
  • 刺青(タトゥー)やボディピアスを、消毒が不十分な環境で受けたことがある

該当する項目がなくても、これまで一度も検査を受けたことがない方は、無料の肝炎ウイルス検査を受けておくと安心です。WHOによれば、C型肝炎は自覚症状がないまま慢性化することが多く、放置すれば肝硬変・肝がんに進行するリスクがある一方で、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)による治療で95%以上の方が治癒するとされています[5]。「見つければ治せる」病気だからこそ、検査を受けること自体が最大の予防策になります。

厚生労働省のリーフレットによれば、無料の肝炎ウイルス検査、実際にどう受ければいい?

多くの自治体で、保健所における肝炎ウイルスの無料検査を実施しています[2]。実際に検査を受けるまでの一般的な流れは、次のとおりです。

  1. お住まいの自治体名+「肝炎ウイルス検査」で検索し、担当窓口(保健所・保健センター)を確認する
  2. 保健所での検査は、匿名・無料で受けられる場合が多い。事前予約が必要かどうかを電話で確認する
  3. 保健所以外にも、自治体が指定する委託医療機関で無料検査を受けられる場合がある(かかりつけ医に確認するのも一つの方法)
  4. 血液検査でHBs抗原・HCV抗体などを調べ、後日または当日に結果を聞く
  5. 陽性の場合は、精密検査や専門医(消化器内科・肝臓内科)への紹介を受ける

「忙しくて後回しにしてきた」という方でも、多くの自治体では平日の日中以外に検査を受けられる窓口を用意している場合があります。まずは自治体の窓口に問い合わせることから始めてみてください。検査結果が陰性であれば、それ自体が大きな安心材料になりますし、万一陽性であっても、前述のとおり医療費助成や専門医による治療の選択肢が用意されています。「知らないまま放置すること」こそが、最もリスクの高い選択だと言えます。

厚生労働省のリーフレットによれば、判断フレーム:今、何をすればいいか

  • もし2016年3月31日以前に生まれていて、B型肝炎ワクチンを受けた記憶がないなら → かかりつけ医または内科・肝臓内科に相談し、まず抗体の有無を調べる血液検査(HBs抗原・抗体検査)を検討する
  • もしこれまで一度も肝炎ウイルス検査を受けたことがないなら → お住まいの自治体の保健所、または委託医療機関で無料検査を受ける(多くの自治体で実施されている)
  • もし1948年〜1988年の間に満7歳になるまでに集団予防接種を受けた記憶があり、B型肝炎の陽性が判明したなら → 厚生労働省の「B型肝炎訴訟の手引き」を確認し、給付金制度の対象になるか専門の相談窓口・弁護士に相談する
  • もし過去に輸血歴(特に1992年以前)や手術歴、フィブリノゲン製剤の投与歴があるなら → C型肝炎ウイルス検査を医療機関または保健所で受ける

🚦 受診の目安・何科・費用

何科:消化器内科・肝臓内科(かかりつけの内科でも血液検査は可能)

  • 🟢 まず検査から:症状がなくても、乳児期のワクチン歴が不明・検査歴がない方は、保健所または医療機関で肝炎ウイルス検査を受けることを推奨
  • 🟡 陽性が判明したら:自己判断で様子を見ず、消化器内科・肝臓内科を受診し、定期的な経過観察の必要性を確認する
  • 🔴 倦怠感・食欲不振・吐き気・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などの症状がある場合は、検査結果を待たずに速やかに医療機関を受診する[2]

費用:保健所での肝炎ウイルス検査は無料。医療機関を受診した場合の診察料・治療費は健康保険(3割負担が基本)が適用される。B型肝炎の任意接種ワクチンは医療機関により料金が異なるため、事前に確認が必要。厚生労働省の制度によれば、抗ウイルス治療が必要になった場合は、都道府県の医療費助成制度により自己負担が月額1万円(上位所得階層は2万円)程度まで軽減される仕組みがある[8]。

💰 高額療養費制度の自己負担限度額(医療費100万円の例)
自己負担限度額(70歳未満・区分別)— 適用時期に注意
適用時期年収の目安計算式100万円の場合
~2026年7月診療分
現行
年収約370万~770万円(区分ウ) 80,100円+(医療費-267,000円)×1% 87,430円
2026年8月診療分から
見直し後(第1段階)
年収約370万~770万円(区分ウ) 85,800円+1%(PDF原文の表記) 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small>
+ 年間上限 53万円(新設)

※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は 厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF) |JHO確認日:2026-07-16

日常生活での注意点

もしご家族やパートナーがB型肝炎・C型肝炎のキャリアであるなら、次の点を守れば同居や食事を共にすることに問題はありません。

  • 歯ブラシ・カミソリなど血液が付着しうるものは共用しない
  • 血液や分泌物が付いたものは、密閉して捨てるか流水でよく洗い流す
  • 擦り傷・鼻血などの手当ては、可能な限り本人が行う。厚労省の定期接種要領によれば、他人が手当てする場合は手袋を使う
  • 母子感染のリスクがある場合、出生直後の赤ちゃんへのワクチン・グロブリン投与は健康保険が適用される[6]

キスや食器の共用については、唾液中のウイルス量は血液よりはるかに少ないとされ、通常の日常生活での感染リスクは極めて低いとされています。ただし出血を伴う口内炎がある場合などは念のため注意しましょう。

もし妊娠を考えている、または妊娠中であるなら、母子感染防止の観点から肝炎ウイルス検査は特に重要です。厚生労働省の資料によれば、日本では1986年からB型肝炎の母子感染防止事業が実施されており、母親がB型肝炎ウイルスに感染している場合、生まれた赤ちゃんに対する抗HBs人免疫グロブリンとB型肝炎ワクチンの投与には健康保険が適用されます[1]。妊婦健診では通常、B型肝炎ウイルスの検査が行われますが、ご自身の検査結果について不明な点があれば、産科の主治医に確認しておくと安心です。

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🌍 最新研究より:世界と日本の肝炎対策

WHOは2024年の推計として、世界のB型肝炎の慢性感染者を約2億4,000万人、C型肝炎の慢性感染者を約4,700万人としています[4][5]。WHOによれば、C型肝炎には現時点で効果的なワクチンが存在しませんが、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)による治療は、感染者の95%以上を治癒させることができるとされています[5]。WHOによれば、ただし世界的には診断・治療へのアクセスがまだ十分ではないと指摘されています[5]。

日本のB型肝炎ワクチンの定期接種化(2016年)は、WHOが1992年にユニバーサル接種を推奨してから24年後の対応でした[1]。この間に生まれた世代への遡及的なキャッチアップ接種は制度化されておらず、任意接種(自費)にとどまっている点は、他の予防接種先進国の制度と比較したときの日本特有の課題として指摘できます。もっとも、この点についての国際比較データを一次資料で確認することはできなかったため、断定は避け、今後の制度動向を注視する必要があります。

一方で、C型肝炎については、WHOは、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)が95%以上の感染者を治癒させることができるとする一方で、世界的に見て診断・治療へのアクセスはまだ十分ではないと指摘しています[5]。厚生労働省の制度によれば、日本国内では都道府県による医療費助成制度が整備されているため[8]、「治療法があるのにアクセスできない」というギャップは、制度上は比較的小さいと考えられます。ただし、そもそも自分が感染しているかどうかを知らなければ、この制度にたどり着くことすらできません。日本における最大のボトルネックは、治療へのアクセスそのものよりも、「検査を受けていない人が多いこと」にあると言えそうです。

よくある質問

Q. 自分がB型肝炎ワクチンを受けたかどうか、母子手帳がなくても分かりますか?

A. 母子手帳の接種記録が最も確実ですが、手元にない場合は血液検査でHBs抗体の有無を調べることで、過去に感染歴やワクチンによる免疫があるかを確認できます。医療機関で相談してください。

厚生労働省の資料によれば、Q. 大人になってからB型肝炎ワクチンを受けても効果はありますか?

A. B型肝炎ワクチンは接種年齢が若いほど良好な免疫応答が得られるとされていますが[1]、成人でも任意接種として接種可能です。効果の程度や必要性については医療機関にご相談ください。

Q. B型肝炎ワクチンの副作用が心配です。

A. 一次資料で個別の副反応の頻度データまでは確認できませんでした。接種を検討する際は、必ず接種医療機関で説明を受け、体質や既往歴を伝えたうえで判断してください。

WHOによれば、Q. C型肝炎にもワクチンはありますか?

A. 現時点でC型肝炎に対する効果的なワクチンは存在しません[5]。予防の中心は「感染経路を避けること」と「早期発見のための検査」になります。WHOによれば、感染していた場合も、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)による高い治癒率が期待できます[5]。

Q. 肝炎ウイルス検査はどこで無料で受けられますか?

A. お住まいの自治体の保健所、または自治体が委託する医療機関で無料検査を実施しています。実施状況は自治体によって異なるため、お住まいの自治体名+「肝炎ウイルス検査」で検索するか、保健所に直接お問い合わせください。

Q. 昔、集団予防接種を受けた記憶があります。厚生労働省の手引きによれば、給付金の対象になりますか?

A. 昭和23年(1948年)から昭和63年(1988年)の間に満7歳になるまでの間に集団予防接種等を受け、B型肝炎ウイルスに感染したことが医学的に確認できる場合、特別措置法に基づく給付金制度の対象となる可能性があります[3]。まずはB型肝炎ウイルス検査を受けたうえで、厚生労働省の相談窓口や弁護士にご相談ください。

Q. 家族にB型肝炎のキャリアがいます。一緒に食事をしても大丈夫ですか?

A. はい。厚生労働省のリーフレットによれば、B型肝炎は血液・体液を介して感染するウイルスであり、食事を共にする、同じ食器を使う(洗浄されていれば)、握手する、入浴を共にするといった日常生活の接触では感染しません[2]。歯ブラシ・カミソリの共用を避けるなど、血液に直接触れない工夫をすれば、過度に心配する必要はありません。

Q. 定期接種を受けられなかった0歳〜1歳の子どもは、任意接種で受けられますか?

A. はい。2016年4月1日より前に生まれた方(子どもを含む)は定期接種の対象外ですが、日本肝臓学会も「任意接種とはなりますが接種を受けることが可能です」としています[7]。標準的な接種時期や回数について、小児科でご相談ください。

厚生労働省の制度によれば、Q. B型肝炎・C型肝炎の治療にはお金がかかりますか?

A. 抗ウイルス治療(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療、核酸アナログ製剤治療)を受ける場合、都道府県の「肝炎治療特別促進事業」による医療費助成があり、世帯所得に応じて自己負担限度月額が原則1万円(上位所得階層は2万円)まで軽減されます[8]。対象となる治療や申請方法は、お住まいの都道府県の担当課、または主治医にご確認ください。

Q. B型肝炎に感染していても治りますか?

A. 感染時期や個人差によって経過は異なります。厚生労働省のリーフレットによれば、乳幼児期の感染では持続感染(キャリア化)することがありますが、大部分の方は肝臓病を発症せずに一生を終わるとされています[2]。厚生労働省のリーフレットによれば、ウイルス自体を体内から排除する薬剤の開発も進んでおり、場合によってはウイルスの排除が期待できるとされています[2]。ただし個別の治療方針は肝臓の専門医にご相談ください。

Q. 職場や学校の健康診断でB型肝炎・C型肝炎の検査は自動的に行われますか?

A. 健康診断の内容は実施主体(会社・学校・自治体)によって異なり、肝炎ウイルス検査が必ず含まれているとは限りません。一次資料でこの点を一律に確認することはできなかったため、「健診を受けているから安心」と思い込まず、ご自身の健診項目に肝炎ウイルス検査(HBs抗原・HCV抗体など)が含まれているかを一度確認することをおすすめします。厚生労働省のリーフレットによれば、含まれていない場合は、保健所の無料検査を別途利用できます[2]。

結論

B型肝炎ワクチンの定期接種は2016年10月に始まりましたが、それ以前に生まれたほぼすべての成人は対象外のままです。感染は血液・体液を介するものであり、日常生活での接触で感染することはほとんどありません。まだ検査を受けたことがない方は、まず無料の肝炎ウイルス検査から始めること、そして必要であれば任意接種のB型肝炎ワクチンや、過去の集団予防接種による感染が疑われる場合の給付金制度について、医療機関や公的な相談窓口に相談することが、今からできる最も確実な一歩です。

「もう大人だから今さら」と思う必要はありません。ワクチンは任意接種として今からでも受けられますし、検査は無料で、何歳からでも受けられます。過去の集団予防接種が原因で感染した可能性がある方には、給付金という形での救済制度も用意されています。まずは「知る」ことから始めてみてください。

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Trinh Van Dieu

Trinh Van Dieu

ITエンジニア(17年)・Japanese Health 運営者

ベトナム在住のITエンジニア。17年の技術経験を活かし、日本の公的医療機関の情報をAI技術で整理・発信しています。

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