COVID-19とSARSの徹底比較:ウイルス学的特徴から臨床像、世界的影響まで専門家が最新知見を解説 (2025年版)
感染症

COVID-19とSARSの徹底比較:ウイルス学的特徴から臨床像、世界的影響まで専門家が最新知見を解説 (2025年版)

本記事は、21世紀に入って人類が経験した二つの深刻なコロナウイルス感染症、すなわち新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と重症急性呼吸器症候群(SARS)について、その違いを多角的に深く掘り下げることを目的としています。COVID-19パンデミックは私たちの生活を一変させ、今なおその影響は続いています。このような状況下で、過去の類似した感染症であるSARSと比較検討することは、現在の危機をより良く理解し、将来起こりうる新たな感染症の脅威に備える上で極めて重要です。JAPANESEHEALTH.ORG編集部は、読者の皆様が抱える健康に関する疑問や不安に対し、最高水準のE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)に基づいた、正確かつ実践的な情報を提供することをお約束します。本記事を通じて、COVID-19とSARSに関する最新の科学的知見を分かりやすく解説し、皆様の健康リテラシー向上に貢献できれば幸いです。

要点まとめ

  • ウイルスの起源と特性: COVID-19(SARS-CoV-2)とSARS(SARS-CoV-1)は共にコウモリを起源とするベータコロナウイルスですが、SARS-CoV-2はヒト細胞への結合親和性が高く、変異しやすい特徴を持ちます56
  • 感染様式の決定的違い: SARSは主に発症後に感染性が高まるのに対し、COVID-19は症状が出る前や無症状・軽症の段階から感染を広げる能力があり、これがパンデミックの規模を決定づけました12
  • 臨床像と致死率: SARSは感染者の多くが重症化し、全体の致死率が約9.6%と高かったのに対し3、COVID-19は無症状・軽症者が多いものの、感染者数が桁違いに多いため、総死亡者数はSARSをはるかに上回ります。また、COVID-19特有の合併症として血栓症や小児多系統炎症性症候群(MIS-C)が報告されています10
  • 対策と教訓: COVID-19ではmRNAワクチンなどが迅速に開発されましたが、SARSの流行は短期間で終息したため実用化されたワクチンはありません。両方の経験から、国際協力、サーベイランス強化、そして将来の脅威に備えた公衆衛生体制の強靭化が不可欠であることが示されました13

第1部:コロナウイルスとは何か?SARSとCOVID-19の起源と発見

二つの疾患を理解する上で、まずその原因となるコロナウイルス科の全体像と、それぞれのウイルスがどのように発見されたかを知ることが基本となります。

1.1. コロナウイルス科:多様なウイルスの素顔

コロナウイルス(Coronaviridae科)は、表面に王冠(ラテン語で「corona」)のようなスパイク状の突起を持つRNAウイルスの一群です1。この科のウイルスは非常に多様性に富み、アルファコロナウイルス属、ベータコロナウイルス属、ガンマコロナウイルス属、デルタコロナウイルス属の4つの主要な属に分類されます。アルファコロナウイルス属とベータコロナウイルス属のウイルスは主に哺乳類に感染し、ガンマコロナウイルス属とデルタコロナウイルス属のウイルスは主に鳥類に感染しますが、一部は哺乳類にも感染することが知られています1。ヒトに日常的に感染し、いわゆる「風邪」の症状を引き起こすコロナウイルスとしては4種類が知られていますが、過去数十年間で、より重篤な疾患を引き起こす3種類のベータコロナウイルス(SARS-CoV、MERS-CoV、SARS-CoV-2)が新たに出現しました1。これらの高病原性コロナウイルスは、コウモリを自然宿主とし、中間宿主を介してヒトに感染(スピルオーバー)したと考えられています。

1.2. SARS(重症急性呼吸器症候群)の出現:2002-2003年の衝撃

重症急性呼吸器症候群(SARS)は、2002年11月に中国広東省仏山市で最初の症例が報告され、その後急速に世界各地へ拡大した新興感染症です2。2003年2月までに広東省で305例が報告され、最終的に30以上の国や地域に広がり、世界保健機関(WHO)によると8,096人が感染し、774人が死亡しました2。原因ウイルスであるSARSコロナウイルス(SARS-CoV)は、従来のコロナウイルスとは異なり、多様な動物種に感染する能力を持つことが明らかになりました4。その起源はキクガシラコウモリが自然宿主であり、ハクビシンなどの中間宿主を介してヒトに感染した可能性が高いと考えられています。当時の国際社会は、患者の早期発見と隔離、接触者の追跡などの公衆衛生措置を迅速に実施し、2003年7月に流行の終息が宣言されました。しかし、その後も実験室内での感染事例が報告されています。

1.3. COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の発生:21世紀のパンデミック

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年12月に中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者が多数報告されたことに端を発します5。原因ウイルスはSARS-CoV-2と名付けられ、SARS-CoVと遺伝的に近縁なベータコロナウイルス属のウイルスであることが特定されました。SARS-CoV-2は、SARS-CoVと比較してヒトからヒトへの伝播がより容易であるとされ、瞬く間に世界中に拡大しました5。2020年3月11日、WHOはCOVID-19をパンデミック(世界的大流行)と認定し、21世紀最大の公衆衛生上の危機となりました。SARSの経験は教訓となりましたが、SARS-CoV-2の特有の性質(後述)により、封じ込めは極めて困難でした。

第2部:ウイルス学的特徴の比較:SARS-CoV-1 vs SARS-CoV-2

遺伝的には類似しているにもかかわらず、SARS-CoV-1とSARS-CoV-2が引き起こした流行規模の甚大な違いは、ウイルスの構造や性質のわずかな差異に起因します。ここでは、そのウイルス学的な特徴を詳細に比較します。

2.1. 遺伝的系統と進化:二つのウイルスの関係性

SARS-CoV-2は、SARS-CoV-1と同様にベータコロナウイルス属に分類されますが、コウモリ由来のRaTG13と呼ばれるウイルスと遺伝的に非常に近いことが示されています1。両ウイルスの進化と変異のしやすさには顕著な違いがあります。SARS-CoV-1の流行期間中、ウイルスの大きな遺伝的変異は限定的でした。一方、SARS-CoV-2はパンデミックの過程で多数の変異を蓄積し、アルファ株、デルタ株、オミクロン株といった「懸念される変異株(VOC)」が次々と出現しました6。例えば、国立感染症研究所の報告によると、BA.2.86系統(ピロラ株)は、スパイクタンパク質においてBA.2系統と比較して30以上のアミノ酸の違いがあり、既存の免疫から逃避する可能性が懸念されました6。このような急速な変異は、SARS-CoV-2がヒト集団内で広範かつ長期間にわたり伝播し続けた結果であり、ウイルスの適応進化の一端を示しています。

2.2. ウイルス構造と細胞への侵入メカニズム

コロナウイルスの表面には、特徴的なクラブ状のスパイク(S)タンパク質が存在し、これが宿主細胞への侵入に不可欠な役割を果たします5。SARS-CoV-1とSARS-CoV-2は、ともに宿主細胞のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)を受容体として利用しますが、両ウイルスのSタンパク質とACE2との結合親和性には重要な違いがあります。2020年のScience誌に掲載されたDaniel Wrapp氏らの研究では、クライオ電子顕微鏡を用いた構造解析により、SARS-CoV-2のSタンパク質は、SARS-CoV-1よりも高い親和性でヒトACE2に結合することが示されました5。この結合親和性の高さが、SARS-CoV-2の効率的な細胞侵入と高い感染力の一因と考えられています10。また、ウイルスの侵入には、宿主細胞のタンパク質分解酵素(例:TMPRSS2)によるSタンパク質の切断(プライミング)が必要であり、このプロセスの効率の違いも両ウイルスの感染性に影響を与えている可能性があります。

2.3. ウイルスの環境中での安定性と感染経路

両ウイルスの主要な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。また、換気の悪い閉鎖空間などでは、エアロゾルを介した感染も重要視されています。環境中での安定性に関しては、類似点と相違点が見られます。SARS-CoV-2は、ステンレス鋼やプラスチックなどの滑らかな表面では2~4日間安定しているとの報告があります1。SARS-CoV-1に関しても、これらの表面上での安定性や半減期はSARS-CoV-2と同程度であるとされています1。また、エアロゾル中での半減期も両ウイルスで類似しており、中央値で約1.1~1.2時間と推定されています1。これらのデータは、環境中での安定性自体が流行規模の劇的な違いを説明する主要因ではない可能性を示唆しており、むしろ後述する疫学的特徴の違いがより重要であったと考えられます。

第3部:疫学的特徴の比較:感染の広がり方と規模

感染がどのように、そしてどれほどの規模で広がるかという疫学的特徴において、SARSとCOVID-19は著しく異なります。この違いが、世界にもたらした影響の差に直結しています。

3.1. 感染力と再生産数(R0, Re)

ウイルスの感染力を示す基本再生産数(R0)は、SARS-CoV-1で概ね2~4程度、SARS-CoV-2の初期株で2~3程度と推定され、大きな差はありませんでした。しかし、SARS-CoV-2はデルタ株やオミクロン株などの変異株で感染性が増強し、R0がより高くなりました。東北大学大学院の押谷仁教授は、SARS-CoV-1が主に下気道で増殖し、重症化してから感染性が高まる傾向があったのに対し、SARS-CoV-2は上気道でも効率的に増殖し、症状が軽い段階や症状が現れる前から他者へ感染させる可能性があると指摘しています12。この「症状が出る前に感染させる」性質が、COVID-19の制御を著しく困難にした最大の要因の一つです。実効再生産数(Re)は、実際の流行状況下での再生産数を示し、日本国内のCOVID-19流行においても重要な指標として用いられました11

3.2. 潜伏期間と感染可能期間

潜伏期間は、SARS-CoV-1で平均約4~6日であったのに対し10、COVID-19では変異株によって変動し、オミクロン株では平均2~4日程度に短縮されました14。日本の国立感染症研究所の報告でも、オミクロン株の潜伏期間の中央値は約3日とされています14。感染可能期間については、SARS-CoV-1が主に症状発現後に感染性が高まったのに対し、COVID-19では発症の1~2日前からウイルス排出が始まり、感染性を持つことが確認されています。この発症前からの感染性が「サイレント・スプレッド」を引き起こし、COVID-19の急速な世界的拡大の背景にある重要な要因となりました。

3.3. 無症状・軽症感染者の割合

感染しても症状が現れない、あるいは軽微な感染者の割合も、両者で大きく異なります。SARSの場合、感染者のほとんどが明確な症状を呈し、無症状のケースは稀であったと考えられています12。このため、症状のある患者を特定・隔離する対策が有効でした。対照的に、COVID-19では無症状や軽い症状で済む感染者が多数存在し、研究によっては感染者全体の40%以上が無症状であったとの推定もあります10。これらの感染者は自身が感染していることに気づかず、意図せず他者にウイルスを伝播させる「サイレント・スプレッダー」となり得ます。この点が、SARSとの決定的違いであり、COVID-19の制御を著しく困難にした要因です。

3.4. 流行規模と地理的拡大

SARSとCOVID-19の流行規模と地理的拡大の範囲は、比較にならないほど大きな違いがあります。SARSの流行は、2002年末から2003年中頃にかけて、WHOの最終報告によると世界29の国と地域で合計8,096人の症例が報告され、774人が死亡しました23。感染は主にアジアと北米の一部に集中し、比較的早期に封じ込めに成功しました3。一方、COVID-19は、2019年末の発生からわずか数ヶ月でパンデミックとなり、2025年5月時点のWHOのデータによると、世界の累計感染者数は数億人規模、累計死亡者数は数百万人規模に達しています13。ほぼ全ての国と地域に広がり、社会経済活動や医療体制に甚大な影響を与えました。

表2:SARSとCOVID-19の流行規模・致死率比較サマリー
特徴 SARS (SARS-CoV-1) COVID-19 (SARS-CoV-2)
流行期間 2002年11月~2003年7月(市中感染) 2019年12月~現在(2025年5月時点、パンデミックは継続中またはエンデミック移行期)
総感染者数 約8,096人3 数億人規模(WHO発表の最新値に基づく)16
総死亡者数 約774人3 数百万人規模(WHO発表の最新値に基づく)16
致死率 (CFR) 全体で約9.6%3。年齢により大きく変動(例:65歳以上で50%超)3 全体で約0.25~3%程度(地域、時期、変異株、医療体制により大きく変動)。一部研究では5.6%との報告も18。SARSよりは低い傾向10
地理的拡大 主にアジア、北米の一部など29の国と地域3 ほぼ全世界16
制御状況 2003年中にほぼ終息宣言3 パンデミック継続中、または一部地域でエンデミックへ移行。変異株により再流行を繰り返す。

注:COVID-19の数値は2025年5月時点のものであり、状況は変動します。致死率は報告される症例の定義や検査体制によっても影響を受けます。

3.5. スーパースプレッディングイベント(SSE)とクラスター

スーパースプレッディングイベント(SSE)とは、一人の感染者が通常よりもはるかに多くの二次感染者を生み出す現象です。SARSの流行では、特に医療機関内などで重症化した患者がSSEを引き起こし、感染拡大の引き金となりました212。押谷仁教授は、このメカニズムがCOVID-19で「クラスター」と呼ばれる集団感染とは異なると指摘しています12。COVID-19では、「クラスター」の連鎖が市中感染を拡大させました。無症状や軽症の感染者でもウイルスを排出するため、特定の「スーパースプレッダー」だけでなく、より広範な人々が気づかないうちにクラスター形成に関与しうる点がSARSとの違いです。日本では、専門家会議が提唱した「3つの密(密閉空間、密集場所、密接場面)」を避ける対策が、クラスター発生抑制の重要な戦略となりました12

第4部:臨床像の比較:症状、重症化、致死率、後遺症

同じコロナウイルスによる呼吸器感染症でありながら、SARSとCOVID-19の臨床像には多くの違いが見られます。症状の現れ方から長期的な後遺症まで、その詳細を比較します。

4.1. 初期症状と典型的な臨床経過

両感染症に共通する初期症状として発熱、咳、倦怠感、筋肉痛などが挙げられますが10、そのパターンには違いがあります。COVID-19では、SARSでは稀だった嗅覚・味覚異常が特徴的に報告されました。また、SARSは発症すると比較的急速に肺炎へと進行しやすい傾向がありましたが、COVID-19は無症状から軽症で経過する人が多数を占めます。COVID-19の臨床経過は非常に多様で、一部の患者では発症から約1週間後に症状が悪化し、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に至ることがあります。特に高齢者や基礎疾患を持つ患者では重症化リスクが高いとされています。

4.2. 重症度スペクトラムと重症化リスク因子

重症度のスペクトラムは顕著に異なります。SARSに感染した場合、患者の多くが重症化し、ICU入室率は19%~32%に達したとされます10。一方、COVID-19の重症度は非常に幅広く、中国での初期の大規模報告では約80%が軽症から中等症でした10。両疾患ともに、重症化の主なリスク因子として、高齢、心血管疾患、糖尿病、慢性呼吸器疾患、肥満などが挙げられます。COVID-19では、変異株の種類によっても重症化リスクが変動し、例えばデルタ株は初期株よりリスクが高いとされましたが、オミクロン株ではワクチン接種者などにおいて重症化率が比較的低い傾向が見られました。

4.3. 致死率(CFR)

致死率(Case Fatality Rate: CFR)には大きな違いがあります。SARSのCFRは全体で約9.6%と報告されており3、特に65歳以上の高齢者では50%を超える非常に高い致死率が示されました3。初期の推定では4%未満とされていましたが、WHOから14~15%という推定値も発表されました17。一方、COVID-19のCFRは、地域、時期、変異株、医療体制など多くの要因で大きく変動しますが、SARSと比較すると低い傾向にあります10。あるシステマティックレビューでは、COVID-19のCFRは5.6%であったのに対し、SARSは13%、MERSは35%であったと報告されています18。ただし、COVID-19は感染者数が桁違いに多いため、死亡者の総数はSARSをはるかに上回っています。

4.4. 合併症

両疾患ともに様々な合併症を引き起こしますが、その種類や頻度には違いが見られます。
呼吸器系合併症: 両疾患の最も一般的な重篤な合併症は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)です。過剰な免疫応答(サイトカインストーム)が関与し、IL-6などの炎症性サイトカインの上昇が重症度と相関するとされています10
心血管系合併症: 心筋炎、心不全、不整脈などの心血管系合併症は、COVID-19でより顕著に報告されており、死亡率と強く関連しています10
腎臓合併症: COVID-19では急性腎障害(AKI)がより一般的に見られ、剖検研究では死亡例の多くで確認されています10
血栓性合併症: 肺塞栓症や深部静脈血栓症などの血栓性合併症は、COVID-19患者で有意に多く認められます10
小児多系統炎症性症候群(MIS-C): 川崎病に類似した症状を呈する重篤な状態で、COVID-19に特有の合併症として報告されていますが、SARSでは観察されませんでした10

4.5. 長期的な後遺症(Post-Acute Infection Syndromes)

急性期を乗り越えた後も、一部の患者では様々な症状が長期間持続することがあります。
COVID-19後遺症(Long COVID): 急性期回復後も、数ヶ月以上にわたり倦怠感、息切れ、思考力低下(ブレインフォグ)、嗅覚・味覚障害などが持続することがあり、「Long COVID(ロングコビッド)」または「罹患後症状」として大きな問題となっています20。2022年の米国の調査では、成人の約7%がLong COVIDを経験したと推定されています21。日本でも厚生労働省が診療の手引きを作成するなど対応が進められています19
SARS後遺症(Post-SARS Syndrome): SARSの生存者の一部でも、肺機能の低下、持続的な倦怠感、PTSDやうつ病などの精神心理的な問題が報告されました。Long COVIDとPost-SARS Syndromeには共通する症状が多く見られますが20、COVID-19は感染者数が桁違いに多いため、Long COVIDの影響を受ける人の絶対数も非常に多く、社会的なインパクトはより大きいと言えます。

第5部:予防と治療戦略

感染症の脅威に対抗するためには、効果的な予防法と治療法が不可欠です。SARSとCOVID-19では、その戦略において異なる道のりを辿りました。

5.1. ワクチン

SARSワクチン開発の試みと課題: SARS流行時、複数のワクチン候補が開発されましたが、流行が短期間で終息したため、大規模な臨床試験や実用化には至りませんでした。また、動物実験でワクチン接種後に肺の炎症が悪化する現象(VAERD)が一部で観察されたことも、開発を慎重にさせた要因の一つです。結果として、広く使用されるSARSワクチンは存在しません。
COVID-19ワクチンの迅速な開発と展開: COVID-19パンデミックでは、過去のコロナウイルス研究の知見と、mRNAワクチンなどの新しい技術プラットフォームの進展により、1年足らずで複数のワクチンが開発・承認されました。これらのワクチンは、特に重症化や死亡を予防する効果が高いことが示され、パンデミック制御の切り札として期待されました。日本では、2021年初頭から接種が開始され、その後オミクロン株などに対応する改良型ワクチンも開発されました。

5.2. 抗ウイルス薬と支持療法

SARSの治療アプローチ: SARS流行当時は特異的な抗ウイルス薬が存在せず、治療は主に対症療法と支持療法が中心でした。リバビリンやコルチコステロイドが経験的に使用されましたが、有効性のエビデンスは確立されず、後に副作用が問題となりました。
COVID-19の治療薬開発と治療戦略: COVID-19では、既存薬の転用や新規治療薬の開発が精力的に進められました。抗ウイルス薬(レムデシビル、パキロビッド、ゾコーバなど)22や、重症患者の過剰な炎症を抑える抗炎症薬・免疫調節薬(デキサメタゾンなど)が承認・使用されています。中和抗体薬も開発されましたが、変異株の出現で有効性が低下し、使用は限定的になっています22。日本の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」では、重症度に応じた治療法が示され、定期的に改訂されています19

5.3. 非薬物的介入(NPIs)/公衆衛生措置

ワクチンや治療薬が普及する前後も、感染拡大を抑制するために非薬物的介入(NPIs)が中心的な役割を果たしました。
基本的な感染予防策: マスク着用、手洗い、換気などの基本的な対策は両方の流行で推奨されました。特にCOVID-19では、不織布マスクの有効性が科学的に示されるなど24、これらの対策が社会全体で広く実践されました。
隔離、検疫、接触者追跡: これらの古典的な公衆衛生措置はSARS流行時には有効でしたが、COVID-19では無症状感染者の多さから、これだけでは感染拡大を抑制することが困難でした。
社会的距離の確保と行動制限: 大規模集会の制限や外出制限、ロックダウンといった措置も、特にCOVID-19パンデミック初期に多くの国で導入されました。経済活動への甚大な影響があった一方で、一時的に感染拡大のペースを鈍化させる効果がありました。日本では、緊急事態宣言などに基づき、「3つの密」の回避を国民に呼びかける比較的ソフトな形での行動変容が促されました。

第6部:社会経済的および公衆衛生的影響

SARSとCOVID-19は、健康被害だけでなく、社会経済システムや人々の生活様式に至るまで、広範かつ深刻な影響を及ぼしました。

6.1. 医療体制への影響

SARS流行は、香港やトロントなど感染が集中した地域の医療体制に大きな負荷をかけましたが、地理的範囲が限定的だったため、世界全体のシステムを揺るがすには至りませんでした。一方、COVID-19パンデミックは、世界中のほぼ全ての国の医療体制に前例のない負荷をかけ、多くの国で「医療崩壊」の危機に瀕しました。病床や医療従事者の不足、通常医療への影響が深刻化し、医療提供体制の脆弱性が露呈しました。この経験は、将来の危機に備えた医療体制の強靭化の必要性を強く認識させました。

6.2. 経済的影響

SARSによる経済的影響は、主に流行地域に集中し、世界経済全体への影響は限定的でした。対照的に、COVID-19パンデミックは、第二次世界大戦後最大とも言われる世界的な経済危機を引き起こしました。ロックダウンやサプライチェーンの混乱などにより、ほぼ全ての国で深刻な経済的打撃が生じ、特に観光、飲食、運輸などの対面サービス産業は壊滅的な影響を受けました。大規模な財政出動が講じられましたが、公的債務の増大や格差の拡大といった新たな課題も生じています。

6.3. 社会的および心理的影響

SARS流行時の社会不安は比較的短期間・限定的でした。しかし、COVID-19パンデミックは、人々の生活様式や心理状態に深く、かつ長期的な影響を与えました。感染への不安や社会的孤立から、うつ病や不安障害などのメンタルヘルスの問題が世界的に増加しました。テレワークの普及、対面コミュニケーションの減少、感染者への偏見や差別、教育への影響など、社会のあらゆる側面に変容をもたらしました。これらの影響は、パンデミック収束後も長期的に残存する可能性があり、継続的なケアが必要です。

6.4. 公衆衛生上の教訓と将来のパンデミックへの備え

SARSとCOVID-19の経験は、将来のパンデミックに備えるための多くの貴重な教訓を与えました。押谷仁教授は、「直近に起きた流行からしか学んでいないこと」が過去30年間の最大の誤りであり、次に全く違うことが起きた場合に対応できないと警鐘を鳴らしています13
この教訓から、以下の点が重要であると認識されています。

  • グローバルな連携と情報共有の強化: WHOを中心とした国際協調体制と、迅速かつ透明性の高い情報共有が不可欠です。
  • サーベイランスシステムの強化: 新たな感染症を早期に探知する「One Health」アプローチに基づいたサーベイランスシステムが必要です。
  • ワクチン・治療薬開発体制の整備: 将来のパンデミックに対し、100日以内に安全で効果的な医薬品を開発・製造・公平に分配できる体制(「100日ミッション」)が目標とされています。ただし、押谷氏は有効なワクチンができない可能性も想定すべきと指摘しています13
  • 公衆衛生インフラと医療体制の強靭化: 平時から保健所などの公衆衛生部門を強化し、有事には医療資源を迅速に動員できる体制を構築することが重要です。
  • リスクコミュニケーション: 科学的根拠に基づいた正確な情報を迅速に市民に伝え、信頼を醸成することが不可欠です。
  • 健康格差への配慮: パンデミック対策は、社会経済的に脆弱な立場の人々に配慮し、公平性の視点を持つことが求められます。

第7部:専門家の見解と今後の展望(日本の文脈を中心に)

COVID-19パンデミックは日本社会に多大な影響を与え、多くの専門家がその対策や将来展望について活発な議論を重ねてきました。ここでは、日本の専門家の見解を中心に、今後の課題と展望を考察します。

7.1. 日本の専門家による主要な洞察

日本の感染症対策で主導的な役割を果たしてきた押谷仁教授(東北大学大学院)は、SARS-CoV-2が上気道でも増殖し、軽症や無症状の段階から感染性を持つため、制御が格段に難しいと繰り返し強調してきました12。この見解は多くの専門家によって共有されています。また、押谷氏はSARS流行時に「We were lucky this time(今回は幸運だった)」という認識があったとし、もしSARSウイルスがCOVID-19のような特性を持っていたら被害は甚大だった可能性があると振り返っています13。これは常に最悪の事態を想定して備える重要性を示唆しています。日本特有のクラスター対策についても、その理論的背景や、市中感染拡大局面での限界について発信してきました。

7.2. 継続中の研究と未解決の課題

パンデミックは多くの科学的進歩をもたらしましたが、依然として多くの未解決の課題が残されています。
Long COVID(罹患後症状)の病態解明と治療法開発: 多くの人々のQOLを低下させており、そのメカニズム解明と有効な治療法の開発が急務です。日本でも厚生労働省主導の研究班などが研究を進めています25
SARS-CoV-2の起源: ウイルスがどのようにしてヒトに感染するようになったのか、その正確な起源はまだ完全には解明されていません。
変異株の出現予測と対応: 今後も変異を続ける可能性があり、新たな変異株を継続的に監視し、迅速に対応できる体制が必要です。
ワクチン・治療薬の持続的改良: より広範な変異株に対応できるワクチンや治療薬の開発が求められています。
パンデミックの長期的社会心理的影響の評価とケア: 孤立や不安などがメンタルヘルスに与えた影響は深刻であり、長期的なケアと支援体制の構築が重要です。
公衆衛生対策の最適化: 将来のパンデミックにおいて、どのような介入が最も効果的かつ社会経済的影響を最小限に抑えられるか、エビデンスの集積と分析が求められます。

7.3. コロナウイルスとの共生:「ニューノーマル」時代の日本

COVID-19パンデミックは急性期を過ぎ、ウイルスとの「共生」を目指す「ニューノーマル(新常態)」へと移行しつつあります。日本でも2023年5月に感染症法上の位置づけが5類感染症に変更されました。しかし、これはウイルスが消滅したわけではなく、今後も一定の流行を繰り返す可能性があります。この時代において、私たちは以下の点を考慮しながら、持続可能な形でコロナウイルスと向き合っていく必要があります。

  • 個人の基本的な感染予防行動(場面に応じたマスク着用、手洗い、換気)の継続。
  • 高齢者や基礎疾患を持つ人々など、重症化リスクの高い人々への社会全体の配慮。
  • 定期的な流行に備えた、柔軟かつ強靭な医療提供体制の維持と強化。
  • JAPANESEHEALTH.ORGのような信頼できる情報源から、科学的根拠に基づいた正確な情報を入手し、冷静に対応すること。
  • 将来の健康危機に対し、社会全体として迅速かつ効果的に対応できるレジリエンス(回復力・強靭性)を構築していくこと。

SARSの経験がそうであったように、COVID-19パンデミックの記憶も時間とともに薄れるかもしれません。しかし、そこから得られた教訓を忘れず、常に新たな脅威に備える姿勢を持ち続けることが、私たちの未来を守るために不可欠です。

健康に関する注意事項

  • 本記事で提供される情報は一般的な知識であり、個別の医学的アドバイスに代わるものではありません。
  • 発熱、咳、息切れ、味覚・嗅覚の異常など、COVID-19やその他の感染症を疑う症状がある場合は、自己判断せず、速やかにお近くの医療機関または公的な相談窓口にご相談ください。
  • 感染予防策やワクチン接種に関する最新の情報は、厚生労働省やお住まいの自治体の公式発表をご確認ください。

よくある質問

結局のところ、COVID-19とSARSの最も大きな違いは何だったのですか?

最も大きな違いは、「感染の広がり方」にあります。専門家の指摘にもある通り、SARSウイルス(SARS-CoV-1)は主に肺などの下気道で増殖し、症状が重くなってから他者への感染力が高まる傾向がありました12。そのため、発熱などの症状が出た人を早期に発見し隔離することで、感染の連鎖を断ち切りやすかったのです。一方、COVID-19のウイルス(SARS-CoV-2)は、鼻や喉といった上気道でも効率的に増殖し、症状が出る1〜2日前や、症状が非常に軽い、あるいは全くない無症状の段階でも他者に感染させる力を持っていました1012。この「静かな感染拡大(サイレント・スプレッド)」が、気づかないうちに市中に感染を広げ、世界的なパンデミックを引き起こした最大の要因と言えます。

致死率はSARSの方が高かったのに、なぜCOVID-19の方が大きな問題になったのですか?

その通り、診断された患者における致死率(CFR)はSARSが約9.6%3、COVID-19が状況により変動するもののそれより低い傾向にありました10。しかし、問題の大きさは「総死亡者数」で見る必要があります。COVID-19は感染力が非常に強く、無症状・軽症者も多いため、感染者の総数がSARSの数万人規模に対し、数億人規模と桁違いに多くなりました16。たとえ致死率が低くても、母数である感染者数が極めて多いため、結果として亡くなる方の総数はSARSをはるかに上回ってしまったのです。また、感染者の急増は医療体制を崩壊寸前にまで追い込み、本来であれば助かったはずの命が失われる事態も引き起こしました。

COVID-19のワクチンはなぜあんなに速く開発できたのですか?SARSのワクチンはなぜないのですか?

COVID-19ワクチンの迅速な開発には、いくつかの理由があります。第一に、過去のSARSやMERS(中東呼吸器症候群)の研究を通じて、コロナウイルスのスパイクタンパク質がワクチンの重要な標的であることが既に分かっていました。第二に、mRNAワクチンのような新しい技術プラットフォームが、パンデミック以前から開発が進んでいたため、ウイルスの遺伝子情報さえあれば迅速にワクチン設計が可能でした。第三に、世界的な危機であったため、前例のない規模での資金投入と国際的な研究協力が行われました。一方、SARSの流行は2003年に比較的短期間で終息したため、ワクチン開発の緊急性が薄れ、製薬企業なども大規模な臨床試験に進む経済的な動機を失ってしまいました。そのため、研究は途中で止まり、実用化には至らなかったのです。

COVID-19の後遺症(Long COVID)は、SARSの後遺症と比べて何か特徴がありますか?

はい、いくつかの共通点と相違点があります。持続的な倦怠感、呼吸困難、精神心理的な問題(うつ病やPTSDなど)は、両方の感染症の生存者に見られる共通の後遺症です20。しかし、COVID-19の後遺症では、思考力や集中力が低下する「ブレインフォグ」や、嗅覚・味覚の異常が長期間続くといった神経学的な症状がより特徴的に報告されています。また、最も大きな違いは、その影響を受ける人の数です。COVID-19は感染者数が非常に多いため、後遺症に苦しむ人の絶対数も膨大になり、大きな社会問題となっています。

今後、また新しいコロナウイルスによるパンデミックは起こりうるのでしょうか?

はい、その可能性は十分にあります。コロナウイルスはコウモリなどの野生動物に広く存在しており、いつまた新たなウイルスが種を超えてヒトに感染するようになるか予測することは困難です。押谷仁教授が指摘するように、私たちは直近の流行から学ぶだけでなく、常に未知の特性を持つ新たな脅威を想定して備える必要があります13。SARSとCOVID-19の経験から、国際的な監視体制の強化、迅速なワクチン・治療薬開発プラットフォームの維持、そして強靭な公衆衛生・医療体制を平時から構築しておくことの重要性が明らかになりました。これらの教訓を活かし、社会全体で備えを続けることが、将来の危機への最善の対策となります。

結論

本記事では、COVID-19とSARSという、21世紀に人類が直面した二つの深刻なコロナウイルス感染症を多角的に比較・分析しました。両疾患は同じコロナウイルス科に属しながら、その様相は大きく異なりました。SARSは高い致死率を示しましたが、厳格な公衆衛生措置によって比較的短期間で封じ込めに成功しました。一方、COVID-19は、潜伏期間中や無症状・軽症期からの高い感染性というウイルスの特性により、世界的パンデミックへと発展し、社会経済に未曾有の影響を与えました。SARSの教訓は一部活かされたものの、COVID-19の圧倒的な規模は新たな課題を突きつけました。この二つのパンデミックの経験を通じて、私たちは科学技術の進歩、国際協力の重要性、公衆衛生体制の強靭化の必要性を学びました。これらの知識と経験は、将来起こりうる新たな感染症の危機に立ち向かうための、かけがえのない財産となるはずです。JAPANESEHEALTH.ORG編集部としては、引き続き最新の科学的エビデンスに基づいた信頼できる情報を皆様にお届けし、健康に関する正しい理解と適切な行動をサポートしてまいります。

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参考文献

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