インフルエンザ症状と危険サイン2026
この記事でわかること
目次
- 要点まとめ
- 🚦 今すぐ確認:あなた・ご家族の状態は?
- インフルエンザとは?なぜ「急に」高熱が出るのか
- インフルエンザとかぜ、症状の見分け方 — 基準になる一覧
- 【本題】危険サイン一覧 — 成人・小児・高齢者・妊婦
- 成人の危険サイン
- 小児の危険サイン
- 高齢者の危険サイン
- 妊婦の危険サイン
- 乳幼児(とくに1歳未満)の危険サイン — 薬が使えない年齢があることに注意
- 基礎疾患のある方(喘息・心疾患・糖尿病など)の危険サイン
- 今日・今すぐできること — 解熱・水分・隔離
- 抗インフルエンザ薬(タミフル・ゾフルーザ・リレンザ・イナビル)と検査のタイミング
- 4種類の薬、何が違うのか — PMDA患者向医薬品ガイドで比較
- ケースで考える — よくある2つの場面
- 診断・受診の実際 — 何科・費用
- 危険サインの先にあるもの — 診断・治療後も続く合併症の理解
- ①肺炎
- ②インフルエンザ脳症
- ③中耳炎
- ④熱性けいれん・クループ症候群
- ⑤心筋炎 — 頻度は低いが「胸痛・動悸」は聞き逃さない
- 家庭内での感染拡大を防ぐ — 診断後・自宅療養中の注意
- 日本と世界のガイドライン比較 — WHO・CDCとの違い
- よくある質問
- 参考文献
【結論】「さっきまで元気だったのに、急に38℃以上の熱が出た」——この立ち上がりの速さこそが、インフルエンザと普通のかぜを見分ける最大の手がかりです。厚生労働省の資料では、インフルエンザは38℃以上の発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・全身倦怠感といった症状が「比較的急速に」現れるのが特徴とされ、鼻水・咳・のどの痛みなどかぜと共通する症状も伴います[1]。厚生労働省の資料によれば、多くは自然経過の中で4〜5日間の発熱等の症状が出た後、自然に軽快するとされています[1]。一方で、CDC(米国疾病予防管理センター)の資料では、呼吸が苦しい・意識状態がおかしい・けいれんがある場合は、様子を見ずに医療機関を受診すべき危険サインとされています[2]。とくに小児では、発熱から2日以内に急に走り出す・意味不明な言動をとるといった異常行動が起こることがあり、厚生労働省はこの期間は一人にしない配慮を呼びかけています[1]。この記事では、症状の見分け方から、年代別の危険サイン、今すぐできる対処、診断の目安、よくある疑問までを、公的機関の一次資料に基づいて整理しました。「これくらいで病院に行くのは大げさかもしれない」と迷っている今この瞬間の判断材料にしてください。
この症状、いつ受診すべきか確認しますか?
回答に合わせて必要な質問だけを表示します。診断は行いません。
症状はいつから続いていますか?
回答により質問数が変わります・途中でいつでも記事に戻れます
要点まとめ
- ✓ 厚生労働省の資料によれば、インフルエンザは発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・倦怠感が「突然」現れるのが特徴で、症状の立ち上がりの速さがかぜとの最大の違いです[1]。
- ✓ CDC(米国疾病予防管理センター)によれば、危険サイン(成人)は、呼吸が苦しい・胸やお腹の痛みが続く・強いめまいや意識がもうろうとする・けいれん・尿が出ない、の5つが代表的です[2]。
- ✓ CDC(米国疾病予防管理センター)によれば、危険サイン(小児)は、呼吸が速い・唇や顔が青白い・肋骨の下が呼吸のたびにへこむ(陥没呼吸)・水分が摂れず8時間以上おしっこが出ない・呼びかけへの反応がおかしい・けいれん、などです[2]。
- ✓ 国立健康危機管理研究機構(JIHS)によれば、インフルエンザ脳症は2009/10シーズン以降、毎シーズンおよそ60〜100例の報告があり、乳幼児だけでなく成人でも一定の割合を占めます[6]。
- ✓ 厚生労働省の資料によれば、抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に使い始めると発熱期間が通常1〜2日短縮されるとされ、48時間を過ぎると十分な効果は期待できないとされています[1]。
〈編集方針〉この記事は、JHO編集部がAIツールの支援を受け、厚生労働省・国立健康危機管理研究機構(JIHS、旧国立感染症研究所)・日本感染症学会・世界保健機関(WHO)・米国疾病予防管理センター(CDC)などの公的機関・学会が公開する一次資料と照合して作成しました。最終確認は人の目で行っています。医師による個別診断の代わりにはなりません。数値・基準はガイドラインの改定により変わることがあります(2026年7月時点の情報です)。
今の血圧・脈拍を確かめる
数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。
身長と体重からBMIも調べる
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これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
🚦 今すぐ確認:あなた・ご家族の状態は?
下の「危険サインの三色表」で、今の症状がどの色に当てはまるか確認してください。1つでも🔴に当てはまれば、様子を見ずに受診・救急要請の検討を。
インフルエンザとは?なぜ「急に」高熱が出るのか
インフルエンザは、インフルエンザウイルス(A型・B型が主に季節性流行の原因)が鼻やのどの粘膜から感染し、気道の細胞で急速に増殖することで発症する急性の呼吸器感染症です。世界保健機関(WHO)によれば、感染してから症状が出るまでの潜伏期間はおよそ2日、範囲としては1〜4日とされています[3]。感染力については、厚生労働省の資料で、症状が出る前日から、発症後およそ3〜7日間は鼻やのどからウイルスを排出し、他人にうつす可能性があるとされています[1]。つまり、自分がまだ「かぜかな?」と思っている発症前日の時点で、すでに周囲へうつす力を持っていることがあるという点は、意外と知られていない事実です。
症状が「突然」重なって現れる理由は、ウイルスが気道の広い範囲で一気に増殖し、体の免疫システムが強い炎症反応(発熱物質の放出など)を起こして応戦するためと考えられています。普通のかぜの原因となるライノウイルスなどは、感染する部位が鼻やのどの一部に限られやすく、症状も1つずつ段階的に現れることが多いのに対し、インフルエンザウイルスは気道全体に広がりやすく、全身症状を同時に強く引き起こす傾向があります。
インフルエンザは「さっきまで元気だったのに」というほど急に、38℃以上の発熱・頭痛・関節痛・筋肉痛・全身倦怠感が同時に立ち上がるのが特徴である[1]。かぜは症状が1つずつ、数日かけて段階的に重なっていくのが典型で、高熱になることは比較的少ない。
インフルエンザとかぜ、症状の見分け方 — 基準になる一覧
「これは風邪?それともインフルエンザ?」という疑問に対して、厚生労働省・国立成育医療研究センターなどの公的資料が示す典型的な特徴を、比較表として整理しました。ただし、これはあくまで「傾向」であり、実際には症状が軽いインフルエンザや、高熱の出るかぜも存在するため、確定には検査が必要です。
| 項目 | インフルエンザ | かぜ症候群 |
|---|---|---|
| 症状の始まり方 | 厚生労働省によると、比較的急速(数時間で高熱・関節痛)[1] | ゆっくり(1〜3日かけて段階的) |
| 発熱の程度 | 国立成育医療研究センターによれば、38℃以上になることが多い[4] | 微熱〜37℃台のことが多い |
| 全身症状 | 厚生労働省によれば、頭痛・関節痛・筋肉痛・全身倦怠感が強い[1] | 比較的軽い |
| のど・鼻の症状 | 厚生労働省によれば、のどの痛み・鼻水・咳もみられる[1] | のどの痛み・鼻水・咳が中心 |
| 消化器症状 | 国立成育医療研究センターによれば、吐き気・腹痛・下痢を伴うことがある[4] | 比較的まれ |
| 自然経過での持続期間 | 厚生労働省によれば、発熱等の症状は通常4〜5日で軽快[1] | 数日〜1週間程度で軽快することが多い |
出典:厚生労働省「令和7年度インフルエンザQ&A」[1]/国立成育医療研究センター「インフルエンザ」[4]
【本題】危険サイン一覧 — 成人・小児・高齢者・妊婦
〈すぐに受診・救急要請が必要なサイン(CDC緊急警告サインに基づく)〉
- CDC(米国疾病予防管理センター)の緊急警告サインによれば、呼吸が苦しい・息切れがする[2]
- CDC(米国疾病予防管理センター)の緊急警告サインによれば、胸やお腹の痛み・圧迫感が続く[2]
- CDC(米国疾病予防管理センター)の緊急警告サインによれば、強いめまい・意識がもうろうとする・呼びかけへの反応がおかしい[2]
- CDC(米国疾病予防管理センター)の緊急警告サインによれば、けいれんが起きている[2]
- CDC(米国疾病予防管理センター)の緊急警告サインによれば、尿が出ない(成人)/8時間以上おしっこが出ない(小児の脱水サイン)[2]
- CDC(米国疾病予防管理センター)の緊急警告サインによれば、(小児)唇や顔が青白い・呼吸のたびに肋骨の下がへこむ(陥没呼吸)[2]
- CDC(米国疾病予防管理センター)の緊急警告サインによれば、(小児)症状がいったん軽快した後、熱や咳が再びぶり返し悪化する[2]
- CDC(米国疾病予防管理センター)の緊急警告サインによれば、(小児)生後12週未満の乳児に発熱がある場合はどんな熱でも受診[2]
成人と小児では、体が発する「危険サイン」の現れ方が異なります。以下、年代・立場別に、公的資料で示されている具体的な目安を整理します。
成人の危険サイン
米国疾病予防管理センター(CDC)が示す成人の緊急警告サインには、呼吸困難・息切れ、胸やお腹の持続する痛みや圧迫感、持続するめまい・混乱・覚醒させても反応が悪い状態、けいれん、尿が出ない、重度の筋肉痛が含まれます[2]。CDC(米国疾病予防管理センター)によれば、これらは「様子を見てよい」範囲を超えたサインであり、救急外来を受診すべき状態とされています[2]。日本国内向けの資料でも、厚生労働省は「高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなど具合が悪ければ早めに医療機関を受診しましょう」と呼びかけています[1]。国立成育医療研究センターの解説では、基礎疾患(喘息・糖尿病など)がある方、妊娠中の方、免疫機能が低下している方は、軽い症状であっても重症化のリスクが高いとされ、より早めの受診相談が推奨されています[4]。
小児の危険サイン
厚生労働省「発熱したお子さんを見守るポイント」では、小児の危険サインとして、呼吸が速い・息苦しそうにしている、顔色が悪い(土気色・青白いなど)、嘔吐や下痢が続いている、落ち着きがない・遊ばない・反応が鈍い、症状が長引いて悪化してきた、といった様子が挙げられ、こうした状態がみられたらすぐに医療機関を受診することが推奨されています[5]。CDC(米国疾病予防管理センター)が示す小児の緊急警告サインはさらに具体的で、呼吸が速い・呼吸が苦しい、唇や顔が青みがかっている、呼吸のたびに肋骨の下がへこむ(陥没呼吸)、胸の痛み、強い筋肉痛(歩くのを嫌がる)、脱水(8時間おしっこが出ない・口が乾いている・泣いても涙が出ない)、起きているのに元気がなく反応が乏しい、けいれん、解熱剤で下がらない40℃以上の高熱、生後12週未満の乳児のあらゆる発熱、症状がいったん改善した後の再悪化、基礎疾患の悪化が、CDC(米国疾病予防管理センター)の資料には挙げられています[2]。
息を吸うたびに鎖骨の上・胸骨の下・肋骨の下の縁が内側にへこむのが「陥没呼吸」。呼吸が速い・息苦しそう・顔色が悪いと合わせて見られたら、すぐに医療機関の受診が推奨される[2]。呼吸のたびに胸とお腹が同時に、なめらかに動くのが普段の呼吸で、鎖骨の上や肋骨の下が内側にへこむことはない。
厚生労働省の資料によると、さらに小児・未成年者では、インフルエンザ罹患時に急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、うろうろと歩き回るといった異常行動を起こすことがあります[1]。この異常行動は発熱から2日以内に発現することが多いとされており、厚生労働省は、インフルエンザと診断され治療が始まった後、少なくとも2日間は小児・未成年者を一人にしないなどの配慮を呼びかけています[1]。マンションなどの高所では、ベランダに面していない部屋で寝かせる、窓に施錠するなどの対応が具体的に呼びかけられています。
高齢者の危険サイン
高齢者は典型的な高熱が出にくく、逆に「食欲がない」「なんとなく元気がない」「反応が鈍い」といった非典型的な症状で重症化が進んでいることがあります。WHOは65歳以上を季節性インフルエンザの重症化ハイリスク群の一つに位置づけています[3]。国立健康危機管理研究機構(JIHS)の資料でも、インフルエンザ脳症は小児に多い一方、成人・高齢者例も一定数報告されており、60歳以上の死亡報告率は他の年代より高い傾向が示されています[6](詳細は後述)。高齢のご家族については、いつもと様子が違う(会話が噛み合わない、ぼんやりしている、食事や水分を摂らない)と感じたら、体温の高さだけで判断せず、早めに医療機関へ相談することが勧められます。また、高齢者は複数の持病を抱えていることが多く、インフルエンザの発熱・脱水がきっかけで、普段服用している薬の効き方が変わったり、持病(心不全・腎臓病・糖尿病など)が一時的に悪化したりすることがあります。「インフルエンザは治りかけているのに、なんとなく元気が戻らない」という場合も、自己判断で様子見を続けず、持病の主治医に一度連絡を入れることを検討してください。
妊婦の危険サイン
WHOは妊婦を季節性インフルエンザの重症化ハイリスク群の一つとして明記しています[3]。妊娠中は免疫や心肺機能の変化により、インフルエンザにかかった際に肺炎などの合併症のリスクが高まる可能性があるとされています。呼吸が苦しい、高熱が続く、普段と違う強い症状がある場合は、我慢せず産婦人科・かかりつけ医に相談することが重要です。胎児の状態が心配な場合(胎動の減少など)も、症状の一つとして早めに伝えてください。抗インフルエンザ薬の使用については、PMDAの患者向医薬品ガイドによれば、タミフル・ゾフルーザ・リレンザ・イナビルいずれの添付文書でも「妊婦または妊娠している可能性のある人」は使用前に医師・薬剤師に申告することが求められており、使用の可否は個々の状況に応じて医師が判断します[7][8]。
| 🟢 様子を見てよいことが多い | 🟡 早めに産婦人科・内科へ相談 | 🔴 すぐに受診 |
|---|---|---|
| 軽い発熱・のどの痛みのみで、水分・食事が摂れる | 高熱が2〜3日以上続く、症状が強くて日常生活がつらい | 呼吸が苦しい、胸の痛み、意識がもうろうとする、胎動が普段よりはっきり減ったと感じる |
乳幼児(とくに1歳未満)の危険サイン — 薬が使えない年齢があることに注意
乳幼児の中でも、とくに1歳未満の赤ちゃんは、危険サインの見極めがより難しく、かつ使える薬にも制限があります。PMDAが公開するタミフルの患者向医薬品ガイドでは「1歳未満の人に対する安全性および有効性は確認されていません」と明記されており[7]、CDC(米国疾病予防管理センター)の資料では、生後12週未満の乳児に発熱がある場合は、熱の高さにかかわらずすぐに受診すべきとされています[2]。乳幼児では、呼びかけへの反応・機嫌・哺乳量(ミルクや母乳をいつも通り飲めているか)・おしっこの回数が、大人が言葉で訴える代わりの重要な手がかりになります。CDC(米国疾病予防管理センター)の資料では、ぐったりしている、母乳・ミルクを受けつけない、あやしても反応が薄い、いつもより明らかに機嫌が悪い、といった様子は、体温の高さだけでは分からない危険サインとされています[2]。
| 🟢 様子を見てよいことが多い | 🟡 早めに小児科へ | 🔴 すぐに受診 |
|---|---|---|
| 発熱はあるが機嫌がよく、母乳・ミルク・水分がいつも通り摂れる | 哺乳量が減っている、機嫌が普段よりはっきり悪い、症状が2〜3日続いている | CDCによれば、生後12週未満のあらゆる発熱、陥没呼吸、8時間おしっこが出ない、ぐったりして反応が乏しい、けいれん[2] |
基礎疾患のある方(喘息・心疾患・糖尿病など)の危険サイン
喘息などの慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、慢性腎機能障害、免疫が低下した状態にある方は、インフルエンザにかかった際に重症化しやすいハイリスク群として、PMDAが公開するタミフル・ゾフルーザ・イナビル・リレンザいずれの添付文書でも挙げられている場合があります[7][8]。これらの持病がある方は、同居家族がインフルエンザにかかった際に、抗インフルエンザ薬を予防的に使うことが検討される対象にもなっています[7]。喘息のある方は咳・呼吸困難の悪化、心疾患のある方は動悸・むくみ・息切れの悪化、糖尿病のある方は血糖コントロールの乱れ(普段と違う倦怠感・口の渇き)に、とくに注意してください。持病の主治医から「発熱時にはこうしてください」という個別の指示を事前にもらっている場合は、その指示に従うことが最優先です。
| 持病 | とくに注意したいサイン | 受診の目安 |
|---|---|---|
| 喘息・慢性呼吸器疾患 | 普段の発作より咳・息苦しさが強い、吸入薬の効きが悪い | 呼吸が苦しい場合はすぐに受診 |
| 慢性心疾患 | 動悸、むくみの悪化、普段より強い息切れ | 胸の痛み・強い息切れがあればすぐに受診 |
| 糖尿病 | 血糖コントロールの乱れ、普段と違う強いだるさ・口の渇き | 数日以内に主治医へ相談、意識がもうろうとすればすぐに受診 |
出典:PMDA公表のタミフル患者向医薬品ガイド[7]/PMDA公表のゾフルーザ患者向医薬品ガイド[8]をもとにJHO編集部が整理
| 対象 | 🟢 様子を見てよいことが多い | 🔴 すぐに受診・救急要請 |
|---|---|---|
| 成人 | 発熱・関節痛・のどの痛みのみ、水分が摂れる | 呼吸困難、胸腹部の持続痛、強いめまい・意識障害、けいれん、尿が出ない[2] |
| 小児 | 発熱はあるが機嫌がよく水分が摂れる | 陥没呼吸、唇や顔が青白い、8時間おしっこが出ない、反応が乏しい、けいれん、異常行動[2][1] |
| 高齢者 | いつも通り食事・水分が摂れ、会話が成立する | 反応が鈍い、会話がかみ合わない、食事や水分を摂らない、呼吸が苦しい |
| 妊婦 | 軽い症状で水分が摂れる | 呼吸が苦しい、高熱が続く、胎動の減少を感じる |
出典:CDC緊急警告サイン[2]/厚生労働省「令和7年度インフルエンザQ&A」[1]/WHOハイリスク群の記載[3]をもとにJHO編集部が整理
今日・今すぐできること — 解熱・水分・隔離
危険サインがない場合、自宅でできる対処が中心になります。以下は「もし〜なら」の形で整理した実践的な対応です。
- もし高熱で辛いなら → 市販の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)を用量を守って使用する。ただし、15歳未満の子どもへのアスピリン・ジクロフェナク・メフェナム酸系の解熱薬使用は、ライ症候群やインフルエンザ脳症との関連が指摘され、原則使用しないよう注意喚起されています。子どもの解熱には、必ず小児科医の指示に従うか、アセトアミノフェンを中心に検討し、自己判断で市販の総合感冒薬を使わないようにしてください。
- もし水分が摂りにくいなら → 経口補水液や麦茶などで少量ずつこまめに水分補給する。おしっこの回数・色を目安に脱水を確認する。
- もし家族に高齢者・乳幼児・妊婦・基礎疾患のある人がいるなら → できるだけ部屋を分け、マスク着用・換気・こまめな手洗いで家庭内の感染を防ぐ。
- もし解熱剤を使った直後なら → とくに小児は、少なくとも発熱から2日間は目を離さず、異常行動(急に走り出す等)が出ないか見守る[1]。
- もし#7119(救急安心センター事業)が使える地域にいて判断に迷うなら → 電話で相談し、緊急性の判断を仰ぐ。呼吸が明らかに苦しい・意識がおかしい場合は迷わず119番通報する。
抗インフルエンザ薬(タミフル・ゾフルーザ・リレンザ・イナビル)と検査のタイミング
厚生労働省の資料によれば、抗インフルエンザ薬(オセルタミビル=商品名タミフルなど)は、発症から48時間以内に服用を開始すると、発熱期間が通常1〜2日間短縮されるとされています[1]。一方、厚生労働省は、症状が出てから2日(48時間)以降に服用を開始した場合は、十分な効果は期待できないとしています[1]。これは「早く検査して早く薬を飲めば飲むほど良い」という単純な話ではなく、検査のタイミングにも注意が必要という、もう一つの落とし穴につながります。インフルエンザの迅速抗原検査は、体内のウイルス量がまだ少ない発症直後(発症から半日程度以内)に受けると、感染していても「陰性」と出てしまう偽陰性が起こりやすいことが知られています。発熱してすぐに受診して検査が陰性だったからといって、インフルエンザではないと即断せず、症状が続く場合は翌日以降に再検査を検討するか、医師の判断に従うことが重要です。なお、抗インフルエンザ薬は医師の処方に基づく薬であり、この記事は特定の薬の使用を推奨するものではありません。服用の要否・種類は必ず医師の診察を受けて判断してください。
4種類の薬、何が違うのか — PMDA患者向医薬品ガイドで比較
日本国内で処方される代表的な抗インフルエンザ薬には、内服薬のタミフル(オセルタミビル)とゾフルーザ(バロキサビル マルボキシル)、吸入薬のリレンザ(ザナミビル)とイナビル(ラニナミビル)があります。剤形・投与回数・対象年齢が異なるため、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開する患者向医薬品ガイドの内容を比較しました。
| 薬剤名 | 投与経路 | 治療時の投与回数 | 48時間ルール | 特有の注意点 |
|---|---|---|---|---|
| タミフル(オセルタミビル) | 内服(カプセル・ドライシロップ) | 1日2回・5日間 | 症状出現後48時間以降は効果期待できず[7] | 1歳未満は安全性・有効性が確認されていない[7]。過量時に嘔吐・傾眠・浮動性めまいの報告 |
| ゾフルーザ(バロキサビル マルボキシル) | 内服(錠剤・顆粒) | 1回のみ(単回投与) | できるだけ速やかに、48時間以内に開始[8] | 血便・鼻出血・血尿などの出血症状が服用後数日してから現れることがある。新生児・乳児はビタミンK欠乏による出血傾向に注意[8] |
| リレンザ(ザナミビル) | 吸入 | 1日2回・5日間 | 症状出現後48時間以降は効果期待できず[9] | 吸入薬のため決して飲んではいけない。乳製品アレルギーのある人・喘息などの慢性呼吸器疾患のある人は要注意[9] |
| イナビル(ラニナミビル) | 吸入(粉末) | 1回のみ(単回吸入) | 症状出現後48時間以降は効果期待できず | 強く吸入したり吸入後に息を長く止めすぎると、失神やショック症状(冷汗・めまい・顔面蒼白・手足の冷え)が起こることがある[10] |
出典:PMDA公表のタミフルカプセル75 患者向医薬品ガイド(2024年11月更新)[7]/PMDA公表のゾフルーザ 患者向医薬品ガイド(2025年11月更新)[8]/PMDA公表のリレンザ 患者向医薬品ガイド(2021年8月更新)[9]/PMDA公表のイナビル吸入粉末剤20mg 患者向医薬品ガイド(2024年10月更新)[10]
4種類に共通する注意点として、いずれの薬でも「薬の種類や服用の有無にかかわらず、インフルエンザにかかった時は異常行動を発現した例が報告されている」ことが明記されています[7][8][9][10]。厚生労働省・PMDAが公表した2016/2017シーズンの報告集計では、抗インフルエンザ薬投与後の異常な行動(急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、徘徊する等)の報告数は、タミフルで38例(推定使用患者数約313万人)、リレンザで11例(同約197万人)、イナビルで5例(同約475万人)、ラピアクタ(点滴薬)で0例(同約27万人)であったと報告されています[11]。この調査結果を踏まえ、厚生労働省は「抗インフルエンザウイルス薬の処方の有無、種類にかかわらず異常行動が発生していた」と結論づけており、薬を替えれば異常行動のリスクがなくなるわけではないという点が重要です[11]。厚生労働省の報告集計によれば、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動は、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多く、発熱から2日間以内に発現することが多いとされています[7]。
ケースで考える — よくある2つの場面
まだ検査結果が出ていない、あるいは「多分インフルエンザだろう」という段階でよくある状況です。この時点でまず確認すべきは危険サインの有無です。呼吸が苦しい・意識がおかしい・けいれんなどがなく、水分・食事がある程度摂れているなら、緊急性は高くないことが多いとされています。解熱剤(アセトアミノフェンなど、用量を守って)で辛さを和らげつつ、水分補給と安静を優先し、様子を見ることが基本になります。検査を急ぐ必要はなく、発症から半日〜1日程度経ってから受診したほうが、迅速抗原検査の偽陰性を避けやすいという実務上の目安もあります(ただし発熱後の受診タイミングは医療機関の方針にもよるため、心配な場合は早めに医療機関・電話相談窓口に確認してください)。CDC(米国疾病予防管理センター)が示す危険サインが1つでも当てはまれば、この限りではなく、様子を見ずに受診してください[2]。
インフルエンザでは、発症後いったん解熱に向かいかけた後、半日〜数日してから再び熱が上がる「二峰性発熱」と呼ばれる経過をたどることがあると報告されています。これは体の免疫反応が2段階で働くことによる現象と考えられていますが、再び熱が上がったこと自体が、必ずしも重症化や合併症を意味するわけではありません。ただし、再上昇した熱に加えて、呼吸が苦しい・強い胸の痛み・意識がおかしい・けいれんなど、この記事で紹介した危険サインを新たに伴う場合は、肺炎・中耳炎・心筋炎などの合併症の可能性を考え、様子を見ずに受診することが重要です。「熱が下がったのにまた上がった」という事実だけで慌てず、危険サインを伴っているかどうかで落ち着いて判断してください。
二峰性発熱が起こる割合(何%の患者に起こるか)についての確定的な統計は、本記事執筆時点で参照した公的資料には見当たりませんでした。頻度の数字よりも、再上昇時に危険サインを伴っているかどうかを判断の軸にしてください。
診断・受診の実際 — 何科・費用
まず受診すべきは、内科(成人)または小児科(子ども)です。CDC(米国疾病予防管理センター)の資料でも、呼吸が苦しい・意識がおかしいなど重症のサインがある場合は、入院設備のある医療機関を受診するか、119番で救急要請することが推奨されています[2]。厚生労働省が定める学校保健安全法上の基準では、インフルエンザにかかった児童・生徒は「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」出席停止とされています[1]。職場復帰の基準は法律で一律に定められているわけではありませんが、この学校の基準を参考に、会社の就業規則やかかりつけ医の判断に従うのが一般的です。
| 適用時期 | 年収の目安 | 計算式 | 100万円の場合 |
|---|---|---|---|
| ~2026年7月診療分 現行 | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 87,430円 |
| 2026年8月診療分から 見直し後(第1段階) | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 85,800円+1%(PDF原文の表記) | 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small> |
| + 年間上限 53万円(新設) | |||
※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は
厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF)
|JHO確認日:2026-07-16
危険サインの先にあるもの — 診断・治療後も続く合併症の理解
インフルエンザの多くは自然に軽快しますが、まれに重い合併症を伴うことがあります。ここでは、頻度としては少数派ながら見逃したくない合併症を、公的資料に基づき整理します。
①肺炎
インフルエンザウイルスそのものによる肺炎(ウイルス性肺炎)や、体力が落ちたところに細菌が感染する二次性の細菌性肺炎が起こることがあります。高齢者や基礎疾患のある方で、いったん熱が下がりかけた後に再び高熱・激しい咳・呼吸困難が現れた場合は、肺炎を疑って早めの受診が必要です。早期のサインとしては、咳の性質が変わる(乾いた咳から、色のついた痰がからむ湿った咳へ)、呼吸のたびに息苦しさを感じる、安静にしていても呼吸数が普段より明らかに多い、といった変化が挙げられます。とくに高齢者では、咳や発熱が目立たないまま、食欲低下・意識のぼんやりだけが先行することがあるため、「熱の高さ」より「呼吸の様子といつもとの違い」を意識して見守ることが大切です。
②インフルエンザ脳症
国立健康危機管理研究機構(JIHS、旧国立感染症研究所)の資料によれば、過去6シーズン(2009/10〜2014/15シーズン)で計748例のインフルエンザ脳症の報告があり、小児での報告例が多いものの、20歳以上の成人例もシーズンごとに変動しながら10〜35%認められています[6]。JIHSの資料では、診断の目安として、38℃以上の高熱、何らかの中枢神経症状(意識障害、けいれん、異常言動など)、先行するインフルエンザ様感染症状の3つが重視され、発熱・頭痛・嘔吐・項部硬直・けいれんなどが具体的な症状として挙げられています[6]。JIHSの統計では、死亡報告率は年代によって異なり、0〜4歳では6.9%、5〜19歳では4.9%であったのに対し、20〜59歳では9.7%、60歳以上では15.2%と、成人・高齢者のほうが高い傾向が示されています[6]。「子どもの病気」というイメージが強いインフルエンザ脳症ですが、成人・高齢者でも決して他人事ではないことがこの数字からわかります。
高熱に加えて、呼びかけへの反応がおかしい・意味不明な言動・けいれん・急に走り出す等の異常行動が見られた場合は、インフルエンザ脳症や重症化のサインである可能性があり、様子を見ずに医療機関を受診する[6]。とくに発熱から2日以内は、小児・未成年者を一人にしないことが呼びかけられている[1]。名前を呼べば目を開けて反応し、受け答えができ、いつも通りの言動であれば緊急性は高くないことが多い。
インフルエンザ脳症の直近シーズン(2025/26年)における国内の正確な発症数・死亡数の確定値については、本記事執筆時点で参照した資料には最新の確定統計が見当たりませんでした。厚生労働省・国立健康危機管理研究機構(JIHS)が毎年公表する感染症発生動向調査(IASR)の最新版で、シーズンごとの数値を確認することをおすすめします。
③中耳炎
とくに乳幼児では、インフルエンザにかかった後に急性中耳炎を合併することがあります。発熱が続く、耳を痛がる・触る、機嫌が悪い、夜間に泣いて眠れないといった様子があれば、耳鼻咽喉科または小児科への相談を検討してください。言葉でうまく症状を訴えられない乳幼児では、耳を頻繁に触る・引っ張る、横向きに寝るのを嫌がる、呼びかけへの反応が普段より鈍い(聞こえにくさのサイン)、耳だれ(黄色っぽい分泌物)が出る、といった様子が早期のサインになります。熱が一度下がった後に再び発熱した場合、中耳炎の合併も念頭に置いてよいでしょう。
④熱性けいれん・クループ症候群
国立成育医療研究センターの解説では、生後6か月〜3歳頃に多い合併症として、声帯周辺が腫れて声がかすれたり「犬の鳴き声のような」かん高い咳が出るクループ症候群、1〜2歳で最も起こりやすいとされる熱性けいれんが挙げられています[4]。クループ症候群の疑い症状が出た場合は早めの受診、けいれん発作が起きた場合はすぐの受診(救急車の利用も含め)が推奨されています[4]。
⑤心筋炎 — 頻度は低いが「胸痛・動悸」は聞き逃さない
インフルエンザに伴う合併症としては頻度の低い部類ですが、ウイルス感染をきっかけに心臓の筋肉に炎症が起こる心筋炎も報告されています。一般に、ウイルス感染に伴う心筋炎では、悪寒・発熱・頭痛・筋肉痛・全身倦怠感といったかぜ様の症状や、食欲不振・嘔吐・下痢などの消化器症状が先に現れ、その後数時間から数日の経過で、動悸・胸の圧迫感といった心不全の徴候や、心膜の炎症による胸痛、脈の乱れ(不整脈)が現れることがあると説明されています。インフルエンザの熱がいったん下がりかけたころに、息切れ・動悸・胸痛・普段と違うだるさが新たに出てきた場合は、単なる回復期の疲れと自己判断せず、早めに医療機関に相談することが勧められます。とくに基礎疾患のある方や、症状が急激に悪化する場合は、様子を見ずに受診してください。
心筋炎の発症頻度(インフルエンザ罹患者のうち何%に起こるか)についての最新の確定的な統計は、本記事執筆時点で参照した資料には見当たりませんでした。持病がある方・症状が急激に悪化する方は、頻度の数字を待たず、症状そのもの(胸痛・動悸・強い息切れ)を目安に受診を判断してください。
家庭内での感染拡大を防ぐ — 診断後・自宅療養中の注意
インフルエンザと診断された後の自宅療養では、厚生労働省の資料が示す感染力が残っている期間(発症後およそ3〜7日間、ウイルスの排出が続く可能性がある期間)[1]を意識した対応が家族を守る鍵になります。可能な範囲で療養者の部屋を分ける、看病する人を限定する、こまめな換気と手洗い、共用タオルを避ける、といった対応が基本になります。とくに高齢者・乳幼児・妊婦・基礎疾患のある家族と同居している場合は、より慎重な対応が望まれます。前述のとおり、厚生労働省が呼びかけるように、小児・未成年者では発熱から少なくとも2日間、異常行動に備えて目を離さない配慮も忘れないでください[1]。マスクや手洗いだけでなく、療養者が使ったティッシュはふた付きのごみ箱にすぐ捨てる、ドアノブ・スイッチなど手が触れる場所をこまめに拭く、といった対策も、家庭内での接触感染を減らすうえで有効とされています。PMDAの患者向医薬品ガイドによれば、同居家族に高齢者・乳幼児・妊婦・基礎疾患のある方がいる場合、前述のとおりタミフルなどの抗インフルエンザ薬を予防的に使うことが検討される対象になることもあるため、心配な場合はかかりつけ医に相談してみてください[7]。
日本と世界のガイドライン比較 — WHO・CDCとの違い
日本の厚生労働省の資料と、世界保健機関(WHO)・米国疾病予防管理センター(CDC)の資料を比較すると、危険サインの示し方に細部の違いがあります。日本の資料は「呼吸が苦しい・意識状態がおかしい・けいれん」といった総合的な表現が中心である一方、CDC(米国疾病予防管理センター)は「唇や顔が青みがかる」「肋骨の下が呼吸のたびにへこむ」「8時間おしっこが出ない」「40℃以上の熱が解熱剤で下がらない」など、より具体的で行動に移しやすいチェックリスト形式になっています[2]。これは診断名を判断するためではなく、医療者でない保護者・家族が「今すぐ動くべきかどうか」を自己判断できるように設計された違いだと考えられます。本記事のCDC由来の項目は、日本の医療現場にもそのまま参考にできる目安として紹介しています。
| 項目 | 日本(厚生労働省) | 米国(CDC) |
|---|---|---|
| 成人の危険サイン | 高熱が続く・呼吸が苦しい・意識状態がおかしい、という総合的な表現[1] | 呼吸困難、胸腹部の持続痛、持続するめまい・混乱、けいれん、尿が出ない、と個別項目で明示[2] |
| 小児の危険サイン | 呼吸が速い・顔色が悪い・反応が鈍いなど[2] | 唇・顔が青い、陥没呼吸、8時間無尿、40℃超の解熱剤無効の高熱など具体的な数値・部位を明示[2] |
数値・部位を明示するCDCの表現は、家庭での初期判断に使いやすい一方、日本の資料は医療者・保護者双方の解釈に幅を持たせた総合判断を促す表現になっている点が、両者の実務上の違いといえます。どちらが優れているというよりも、日本語話者にとっては、普段見慣れた厚生労働省の総合的な表現に加えて、CDCが示すような具体的なチェック項目を「もう一つのものさし」として持っておくことで、判断に迷う場面が減るという実務的な利点があります。この記事で紹介した表2・表2b〜2dは、その両方の視点を組み合わせて整理したものです。
- □ いつから発熱・症状が始まったか(日時)
- □ 最高で何℃まで上がったか、解熱剤は使ったか(薬名・時刻)
- □ 呼吸の様子(速い・苦しそう・陥没呼吸の有無)
- □ 水分・食事は摂れているか、おしっこの回数
- □ 意識・言動の変化、異常行動の有無
- □ 持病・服用中の薬(お薬手帳を持参)
- □ 家族内に同じ症状の人がいるか
妊婦・基礎疾患のある方に対する抗インフルエンザ薬の使用可否や、個々の症例における重症化リスクの判定については、本記事は一般的な公的情報の整理にとどまり、個別の医学的判断を行うものではありません。実際の治療方針は必ず主治医にご相談ください。
よくある質問
Q1: インフルエンザは何日で治りますか?
Q2: 熱が下がったらすぐ出勤・登校していいですか?
Q3: 検査はいつ受ければいいですか?発熱してすぐ受けても大丈夫ですか?
Q5: 解熱剤は何を使えばいいですか?市販薬でも大丈夫ですか?
Q7: 妊娠中にインフルエンザにかかったら、どんな症状に注意すればいいですか?
Q8: 高齢の親が「これくらい大丈夫」と受診を渋っています。どう判断すればいいですか?
Q11: 熱が下がった後にまた熱が上がりました(二峰性発熱)。心配すべきですか?
- ①CDCの詳細な危険サインチェックリスト:「唇や顔の色」「肋骨の下のへこみ」「8時間無尿」「40℃超で解熱剤が効かない」など、家庭で確認できる具体的な数値・部位を、日本語の記事としてまとめて紹介している点。多くの国内サイトは「呼吸が苦しい」「意識がおかしい」といった総合的な表現にとどまっています。
- ②インフルエンザ脳症の年代別死亡報告率:「子どもの病気」というイメージが強いインフルエンザ脳症について、20〜59歳9.7%、60歳以上15.2%という、成人・高齢者のほうが死亡報告率が高いという国立健康危機管理研究機構(JIHS)の資料の数字まで踏み込んで紹介している点[6]。
- ③検査タイミングと偽陰性の関係:「早く病院に行けば行くほど良い」という単純化された情報ではなく、発症直後の検査は偽陰性になりやすいという、受診のタイミングに関わる実務的な注意点を明記している点。
最終更新日:2026年7月17日(JHO編集部が出典を再確認した日)
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あわせて読みたい:インフルエンザの合併症として本記事でも触れた肺炎について、正体・症状・治療法をさらに詳しく知りたい方は細菌性肺炎の正体と治療法を徹底解説した記事、発熱時の水分補給の具体的なコツは風邪の時に飲むのは?ココナッツウォーターの記事、発熱中にお風呂に入ってよいか迷ったときは発熱時の入浴について知識で重装備した記事、お子さんの他の感染症ワクチンについても知っておきたい方は子供の健康を守るために知っておきたい百日咳の記事もあわせてご覧ください。
参考文献
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厚生労働省. 令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2025.html(最終アクセス日:2026-07-17) ↩
-
Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Flu Symptoms & Complications(アーカイブ版). https://archive.cdc.gov/www_cdc_gov/flu/symptoms/symptoms.htm(最終アクセス日:2026-07-17) ↩
-
World Health Organization (WHO). Influenza (Seasonal) — Fact sheet. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/influenza-(seasonal)(最終アクセス日:2026-07-17) ↩
-
国立成育医療研究センター. インフルエンザ|病気の情報. https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/influenza.html(最終アクセス日:2026-07-17) ↩
-
厚生労働省. 発熱したお子さんを見守るポイント. https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/parents_pamphlet01.pdf(最終アクセス日:2026-07-17) ↩
-
国立健康危機管理研究機構(JIHS、旧国立感染症研究所). インフルエンザ脳症について(IASR reference). https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/6068-dj4295.html(最終アクセス日:2026-07-17) ↩
-
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA). 患者向医薬品ガイド タミフルカプセル75(2024年11月更新). https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/guide/ph/450045_6250021M1027_1_01G.pdf(最終アクセス日:2026-07-17) ↩
-
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA). 患者向医薬品ガイド ゾフルーザ錠10mg/錠20mg/顆粒2%分包(2025年11月更新). https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/guide/ph/340018_6250047F1022_1_00G.pdf(最終アクセス日:2026-07-17) ↩
-
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA). 患者向医薬品ガイド リレンザ(2021年8月更新). https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/guide/ph/340278_6250702G1028_1_00G.pdf(最終アクセス日:2026-07-17) ↩
-
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA). 患者向医薬品ガイド イナビル吸入粉末剤20mg(2024年10月更新). https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/guide/ph/430574_6250703G1022_1_00G.pdf(最終アクセス日:2026-07-17) ↩
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厚生労働省医薬・生活衛生局/独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA). 医薬品・医療機器等安全性情報 No.349「抗インフルエンザウイルス薬の安全性について」(2017年12月). https://www.pmda.go.jp/files/000221898.pdf(最終アクセス日:2026-07-17) ↩
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