帯状疱疹はうつる?家族・妊婦・赤ちゃんへの感染リスクと予防
この記事でわかること
目次
✦ 結論から言うと
この症状、いつ受診すべきか確認しますか?
回答に合わせて必要な質問だけを表示します。診断は行いません。
症状はいつから続いていますか?
回答により質問数が変わります・途中でいつでも記事に戻れます
帯状疱疹そのものが「帯状疱疹」としてほかの人にうつることはありませんが、水疱(水ぶくれ)の中には水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が生きており、このウイルスに一度もかかったことがない人・水痘ワクチンを受けていない人が水疱の中身に触れると、「水痘(水ぼうそう)」としてうつることがあります。(JIHS)[2]
特に注意が必要なのは、妊婦(おなかの赤ちゃんへの影響)、水痘ワクチン未接種の乳幼児、抗がん剤治療中の方やステロイドを使っている方など免疫の働きが弱っている人です(厚労省)[3]。水疱の中身に感染性があるのは、すべての水疱が乾いてかさぶた(痂皮)になるまでの間とされ、患部をガーゼや衣服でしっかり覆うことが、周囲にうつさないための基本になります。
✦ 要点まとめ
〈編集方針〉JHO編集部がAIツールの支援を受け、国立健康危機管理研究機構(JIHS)・厚生労働省・公益社団法人日本皮膚科学会など公的機関・学会の一次情報と照合して作成しました。最終確認は人の目で行っています。医師による個別診断の代わりにはなりません。数値・分類はガイドライン改定により変わることがあります(2026年7月時点の公開情報にもとづきます)。
セルフチェック:あなたの周りに「特に注意が必要な人」はいますか?
下のチェックリストは、帯状疱疹の患者さんが身近にいる、またはご自身が帯状疱疹と診断された際に、まず確認しておきたい項目をまとめたものです。当てはまる項目があるかどうかを、家族構成や同居している人を思い浮かべながら確認してみてください。
- □ 妊娠中、または妊娠している可能性がある同居家族がいる
- □ 水痘(水ぼうそう)にかかったことがなく、ワクチンも受けていない子どもが同居・近くにいる
- □ 生後間もない赤ちゃんが同居・近くにいる
- □ 抗がん剤治療中、臓器移植後、ステロイドを長期に使用中など、免疫の働きが弱い家族がいる
- □ 自分自身が水痘にかかったことがあるかどうか分からない
1つでも当てはまる場合は、下の「誰に注意が必要か」の表と「家族にうつさないための予防策」を必ず確認してください。
帯状疱疹とは?「うつる」の本当の意味と仕組み
帯状疱疹は、過去に水痘(水ぼうそう)にかかったときに体の中に入った水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV:varicella-zoster virus)が、治った後も神経の根もと(脊髄の後根神経節など)に何十年もの間ひっそりと潜み続け、加齢や疲労、病気、ストレスなどで体の免疫力が落ちたタイミングで再び活動を始めることで起こる病気です(皮膚科学会)[5]。国立健康危機管理研究機構(JIHS)の解説によれば、水痘は水痘・帯状疱疹ウイルスの初めての感染(初感染)として現れる病気で、初感染のあとウイルスは脊髄後根神経節に潜伏感染し、加齢や免疫低下にともなって再活性化することで神経の走行に沿った帯状疱疹が起こるとされています[1]。
ここで多くの人が混乱するのが、「帯状疱疹は人にうつるのか」という質問です。答えは二段構えになります。まず、すでに体の中に潜んでいたウイルスが暴れ出して起きる帯状疱疹という「発症のしかた」自体は、他人からうつされるものではありません。目の前の帯状疱疹の患者さんに接触したからといって、あなたが「帯状疱疹」を発症することは基本的にありません。しかし、帯状疱疹の水疱の中身には生きた水痘・帯状疱疹ウイルスが含まれているため、この水疱に直接触れてしまうと、ウイルスに初めてさらされる人にとっては「水痘(水ぼうそう)」という別の病名の病気として感染が成立する可能性があります(JIHS)[2]。
この「帯状疱疹の水疱から水痘がうつる」という現象は、決して新しい発見ではありません。国立健康危機管理研究機構(JIHS)の資料によれば、1888年にvon Bokayという研究者が、水痘に対する免疫を持たない(水痘にかかったことのない)子どもが、帯状疱疹の患者との接触によって水痘を発症することを確認したという記録が残っています[2]。さらに1954年には、Thomas Wellerという研究者によって、水痘の患者と帯状疱疹の患者、それぞれの水疱の中身から同じウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が分離されたことが確認され、両者が同じウイルスによって引き起こされる病気であることが証明されました[2]。つまり、帯状疱疹と水痘は「同じウイルスが、体との関係のしかたによって、まったく違う症状として現れる」という、1つのウイルスの2つの顔だと考えるとわかりやすくなります。
もう少しかみくだいて説明すると、水痘・帯状疱疹ウイルスに一度もかかったことがない人(水痘ワクチンも未接種の人)が、帯状疱疹の水疱の中身に触れてウイルスを浴びると、体にとっては「初めて出会うウイルス」として全身に広がり、発熱や全身の発疹という水痘特有の症状を起こします。一方、すでに水痘にかかったことがある人(または水痘ワクチンで免疫がついている人)は、体の中にすでにこのウイルスに対する抗体(防御の仕組み)を持っているため、帯状疱疹の患者さんに接しても、新たに水痘を発症することは通常ありません(JIHS)[2]。日本では成人のほとんどが子どものころに水痘にかかった経験や予防接種歴を持っているため、大人同士では帯状疱疹から水痘がうつるケースは比較的まれですが、後述するとおり、妊婦・乳幼児・免疫低下者では話が変わってきます。
帯状疱疹の症状としては、体の左右どちらか一方に、神経の走行に沿って帯状に赤みと小さな水ぶくれ(水疱)が集まって現れるのが特徴です。多くの場合、発疹が出る数日前からピリピリ・チクチクとした痛みや違和感が先行し、その後に赤みと水疱が帯状に広がっていきます。胸や背中、顔(特に額から目の周り)、お腹まわりなど、どの神経が影響を受けるかによって出る場所は人それぞれです。痛みの強さにも個人差があり、軽い違和感程度で済む人もいれば、夜も眠れないほどの強い痛みを訴える人もいます。発疹が出る前の段階では、皮膚に見た目の変化がないまま痛みだけが先行するため、「肋間神経痛かと思っていたら実は帯状疱疹の前兆だった」というケースも珍しくありません。原因不明の片側だけの痛みが数日続く場合は、皮膚に変化が出る前でも、念のため医療機関を受診しておくと安心です。水疱が治ったあとも神経の損傷によって痛みが長引く「帯状疱疹後神経痛」に移行することがあり、これは加齢とともに起こりやすくなるとされています。治りかけの時期にどのようなサインが出るか、痛みとどう付き合っていけばよいかについては「帯状疱疹の回復兆候・ケア方法」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
「なぜ今になって帯状疱疹が出てきたのか」と疑問に思う方も多いでしょう。子どものころに水痘にかかったウイルスは、症状が治まったあとも消えてなくなるわけではなく、脊髄の近くにある神経節という場所に、何十年もの間、体の免疫システムに見張られながらおとなしく潜んでいます。加齢による免疫の自然な低下、過労やストレス、糖尿病などの持病、がんの治療、臓器移植後の免疫抑制剤の使用などによって、この見張りの力が弱まると、潜んでいたウイルスが再び増え始め、神経を伝って皮膚まで達し、帯状疱疹として症状が現れます(皮膚科学会)[5]。つまり帯状疱疹は「新しく人からうつされて発症する病気」ではなく、「自分の中に何十年も前から潜んでいたウイルスが、体力や免疫力の低下をきっかけに再活性化して起こる病気」という点が、水痘との根本的な違いです。
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数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。
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これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
水痘(水ぼうそう)とはどんな病気か — 帯状疱疹との違い
帯状疱疹の「うつる・うつらない」を正しく理解するには、水痘(水ぼうそう)がどのような病気かをあわせて知っておくことが役立ちます。水痘は、水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染したときに起こる病気で、発熱とともに、赤み・水疱・かさぶたが混在した発疹が全身に次々と広がっていくのが特徴です(JIHS)[1]。帯状疱疹が体の一部に帯状に出るのに対し、水痘は頭皮から手足の先まで、全身のあちこちに発疹が散らばって出てくる点が大きく異なります。
国立健康危機管理研究機構(JIHS)によれば、水痘の主な感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染の3つとされています[1]。ここが帯状疱疹との重要な違いです。すでに水痘・帯状疱疹ウイルスに感染している水痘の患者さん自身は、咳やくしゃみによる飛沫や、空気中を漂うウイルスを介しても人にうつす可能性がありますが、帯状疱疹の患者さんから他人に伝わる経路は、基本的に水疱の中身への直接接触が中心とされています(JIHS)[2]。同じウイルスが原因でありながら、水痘という「全身に広がる初感染の病気」の患者と、帯状疱疹という「一部の神経に沿って再活性化する病気」の患者とでは、周囲へのうつしやすさや経路が異なるとイメージしておくと整理しやすくなります。水痘そのものについて詳しくは、「水痘(みずぼうそう)のすべて」もあわせてご覧ください。
感染期間の基準 — 水疱からかさぶたになるまで
「いつまで人にうつす可能性があるのか」は、家族と接する上で最も気になる点でしょう。国立健康危機管理研究機構(JIHS)は水痘の感染性について、発疹が出現する1〜2日前から、すべての発疹が痂皮化する(かさぶたになる)までの間、伝染力があると説明しています[1]。これは水痘そのものにかかった人の感染期間についての記載ですが、帯状疱疹の水疱の中にも同じ水痘・帯状疱疹ウイルスが存在しているため、水疱がジュクジュクと液を含んでいる間は接触によってウイルスが周囲に伝わる可能性があり、すべての水疱が乾いてかさぶたになれば、感染性はなくなっていくと考えられています。逆に言えば、水疱が現れる前の「ピリピリした痛みだけの段階」や、すべてかさぶたになったあとの段階では、周囲にウイルスをうつす心配は基本的にありません。
| 段階 | 状態 | 周囲への感染性 |
|---|---|---|
| 発疹が出る前(前駆症状) | ピリピリ・チクチクとした痛みや違和感のみ、皮膚に変化なし | 基本的になし |
| 水疱が出てから乾くまで | 赤み・水ぶくれが帯状に広がり、液を含んでいる状態 | あり(水疱の中身に直接触れた場合)(JIHS)[1] |
| すべて痂皮化(かさぶた)後 | 水疱が乾いてかさぶたになり、めくれて治っていく段階 | 基本的になし(JIHS)[1] |
出典:国立健康危機管理研究機構(JIHS)「水痘」感染症情報[1]/同機構「水痘(詳細版)」[2]
帯状疱疹の患者さん本人にとっても、この感染期間の目安を知っておくことには意味があります。「いつまで人にうつす可能性があるのか」が分かっていれば、無理に外出や人との接触を避け続けるのではなく、水疱が乾いてかさぶたになる目安の時期まで、患部を覆うなどの対策を続ければよいと見通しが立ちます。多くの場合、適切な治療(抗ウイルス薬など)を受ければ、発疹が出てから1〜2週間程度で水疱はかさぶたへと変化していきますが、経過には個人差があるため、正確な見通しは治療にあたっている医師に確認するのが確実です。
なお、水痘・帯状疱疹ウイルスに未感染の人が帯状疱疹の水疱から感染した場合、症状(水痘)がすぐに出るわけではありません。国立健康危機管理研究機構(JIHS)によれば、水痘の潜伏期間はおよそ2週間程度(通常10〜21日)とされており、免疫の働きが弱っている人ではこれより長くなる場合もあるとされています[1]。つまり、帯状疱疹の患者さんと接触してから1〜3週間ほど経ってから、初めて水痘の症状(発熱や全身のかゆみを伴う発疹)が現れる可能性があるということです。心当たりのある接触があった場合は、この期間は体調の変化に注意しておくとよいでしょう。
「感染期間」という言葉は、日常会話では漠然と使われがちですが、実は起点をどこに置くかで意味が変わってくる点に注意が必要です。1つは「帯状疱疹の患者さんが、いつからいつまで周囲に感染性を持つか」という感染源側の期間、もう1つは「接触した人が、いつからいつまでの間に症状(水痘)を発症する可能性があるか」という潜伏期間です。前者は主に水疱の状態(ジュクジュクしているか、すべて乾いているか)で判断し、後者は接触した日を起点に10〜21日という期間で考えます。この2つの期間を混同してしまうと、「もう水疱が乾いたから安心」と思っていても、実は接触した相手側の潜伏期間はまだ続いている、といった誤解が生まれやすくなります。家族に説明する際は、「うつす側の期間」と「うつされた側が発症するまでの期間」を分けて考えると理解しやすくなります。
誰に注意が必要か — 帯状疱疹の水疱に接する相手のリスク
帯状疱疹の患者さんと同居・接触する際、すべての人が同じようにリスクを負うわけではありません。すでに水痘にかかったことがある人や、水痘ワクチンを受けて免疫がある人は、通常あらためて水痘を発症する心配はありません(JIHS)[2]。一方で、次の表に挙げる人たちは特別な注意が必要です。家庭内に該当する人がいるかどうかを、まず落ち着いて確認してみましょう。
ここで大切なのは、「注意が必要」という言葉の意味を正しく理解することです。これは「絶対に感染する」という意味ではなく、「万が一水疱に直接触れてしまった場合に、症状が重くなりやすい、あるいは合併症のリスクがある」という意味です。過度に恐れて患者本人を家庭内で孤立させる必要はありませんが、該当する人がいる家庭では、これから紹介する予防策をいつもより丁寧に実践することをおすすめします。特に、複数の注意対象者が同じ家庭にいる場合(たとえば妊娠中の方と、水痘未接種の上の子どもが同居しているケースなど)は、それぞれに合わせた対策を並行して行う必要があるため、迷ったときはかかりつけ医にまとめて相談するとよいでしょう。
| 対象 | 何が心配か | 備考 |
|---|---|---|
| 妊婦(特に水痘にかかったことがない・記憶が曖昧な人) | 母体の重症化(水痘肺炎など)、おなかの赤ちゃんへの先天性水痘症候群のリスク | 妊娠時期によりリスクの内容が異なる(JIHS)[4] |
| 水痘ワクチン未接種・水痘未経験の乳幼児 | 初めてウイルスにさらされ「水痘」を発症する可能性 | 接触後できるだけ早く(少なくとも72時間以内)の緊急ワクチン接種で発症予防・軽症化が期待できるとされる(JIHS)[2] |
| 免疫の働きが弱っている人(抗がん剤治療中・臓器移植後・ステロイド長期使用中など) | 水痘にかかった場合、重症化・生命に関わる状態になることがある | 「免疫機能が低下している場合の水痘では、生命の危険を伴うことがあるので十分な注意が必要」とされる(JIHS)[2] |
| 新生児(生まれたばかりの赤ちゃん) | 母体からの移行免疫が乏しく、重症化しやすい | 周産期水痘は「重篤な状態となりやすい極めて危険な状態」とされる(JIHS)[4] |
| 水痘にかかったことがなく、ワクチンも未接種の成人 | 子どもより大人のほうが水痘は重症化しやすいとされる | 該当する場合は主治医・産業医への相談を検討 |
出典:国立健康危機管理研究機構(JIHS)「水痘(詳細版)」[2]/同機構「成人水痘-妊婦の水痘などを中心に」[4]
すぐに医療機関へ相談すべきサイン
家族にうつさないための予防策 — 患部を覆う・接触を避ける
ここまでの内容を踏まえると、予防策の考え方はシンプルです。感染の主な経路が「水疱の中身への直接接触」である以上、対策の中心も「水疱の中身に他人が触れないようにすること」に集約されます。難しい特別な設備や薬は必要なく、日常生活の中でできる工夫が中心になるという点は、家族にとって安心材料と言えるでしょう。帯状疱疹と診断されたら、まず心がけたいのは「水疱の中身に他人が直接触れないようにすること」です。水疱の中身にウイルスが含まれている以上、衣服やガーゼなどで患部をしっかり覆っておけば、日常生活の中で家族が偶然中身に触れてしまう可能性を大きく減らすことができます。特に、体幹や腕・脚など衣服で覆いやすい部位に発疹が出ている場合は、通気性のよい素材で患部を覆い、擦れて水疱がつぶれないように工夫するとよいでしょう。
具体的に気をつけたいポイントを整理すると、次のようになります。まず、水疱に触れた後は石けんと流水でしっかり手を洗うことが基本です。水疱をかいたり、つぶしたりしないようにし、患部に貼ったガーゼや絆創膏は他の人が直接触れないよう、使用後は密閉して捨てるようにします。入浴は、感染予防の観点だけで見れば家族と時間をずらす必要は基本的にありませんが、患部を強くこすらず、タオルは共用せず個人専用のものを使うと安心です。寝具やタオルを共有すると、水疱がしみ出た体液が付着している可能性があるため、症状がある間は個別に管理し、通常の洗濯(洗剤を使った洗濯)で問題ありません。
洗濯や掃除についても、過剰な消毒は必要ありませんが、患部に触れたガーゼや絆創膏、汚れた衣類は他の洗濯物と分けて扱うと、より安心です。水痘・帯状疱疹ウイルスは、乾燥した環境や体の外では比較的短時間で感染力を失うと考えられており、通常の洗濯・清掃を行っていれば、家具や床を介して感染が広がる心配は大きくありません。過度に神経質になって家中を消毒して回る必要はなく、水疱に直接触れないという基本を守ることが、最も効果的で続けやすい対策です。
もう一つ大切なのが、「特に注意が必要な人」との距離の取り方です。前の表で挙げた妊婦・水痘未経験の乳幼児・免疫低下者が同居している場合は、水疱が完全にかさぶたになるまでの間、患部を覆った上でできるだけ直接の接触(抱っこで患部が触れる、同じ布団で密着して眠るなど)を避けるようにしましょう。逆に、会話をする、同じ部屋で食事をするといった、水疱に直接触れない範囲の接触については、過度に神経質になる必要はありません。帯状疱疹の主な感染経路は水疱の中身への接触によるものであり、咳やくしゃみなどの飛沫だけで広くうつるものではないとされています(JIHS)[2]。ただし、水疱が広範囲に播種状に広がっている場合や、免疫の働きが強く抑えられている患者さんの場合は、通常の帯状疱疹よりも注意が必要になるため、主治医の指示に従ってください。
仕事や保育園・幼稚園への通園・通学については、水疱が患部を覆う衣服やガーゼでしっかり保護できている場合、多くのケースで通常どおり通うことができますが、園や学校によって対応が異なることがあるため、心配な場合は在籍先に相談し、主治医の意見も確認しておくと安心です。特に、乳幼児が多く集まる保育園などでは、水痘未接種の子どもが多く在籍している可能性を考慮し、園の看護師や担任の先生に率直に相談しておくと、園側も適切な配慮をしやすくなります。職場でも、患部が制服や作業着で完全に覆われる場合は多くのケースで通常勤務が可能ですが、飲食業や医療・介護など人と密接に接する仕事では、勤務先の産業医や上司に相談し、指示に従うのが安全です。日常生活の中で気をつけたい食事・睡眠・入浴などの具体的な注意点については「帯状疱疹にかかった時の生活注意点」でも取り上げていますので、あわせて参考にしてください。
予防策を実践する上で大切なのは、「怖がりすぎて患者本人を過度に隔離すること」と「気にせず何もしないこと」の中間を取ることです。帯状疱疹は本人にとってつらい痛みを伴う病気であり、患者さん自身が孤立感を感じてしまうと療養の負担がかえって大きくなります。水疱の中身に直接触れなければうつる病気ではないという正しい知識を家族全員で共有した上で、患部を覆う・タオルを分ける・こまめに手を洗うといった、無理のない範囲の対策を続けることが現実的な落としどころです。
高齢者が特に気をつけたい2つの理由
タイトルにもある「高齢者への感染リスク」について、ここで整理しておきましょう。高齢者が帯状疱疹に関して注意すべき理由は、実は2つの異なる側面があります。
1つ目は、高齢者自身が帯状疱疹を発症しやすい年代であるという点です。若いころに比べて回復力や免疫の働きがゆるやかに落ちていくのは自然なことですが、そのぶん、体の中に何十年も潜んでいたウイルスが「顔を出しやすくなる」時期でもあります。免疫の働きは年齢とともに自然に低下していくため、体の中に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化しやすくなります。厚生労働省が、65歳の方などを対象に帯状疱疹ワクチンを定期接種の対象としたのも[3]、この年代で発症リスクが高まることが背景にあります。同居している高齢の家族に体の片側だけのピリピリした痛みや、帯状に広がる発疹がないか、日頃から気にかけておくことが早期発見につながります。
2つ目は、高齢者自身が帯状疱疹を発症した「患者」になった場合、これまで見てきた予防策(患部を覆う、直接接触を避けるなど)を自分一人では徹底しにくいことがあるという点です。一人暮らしの高齢者や、日常的な介助が必要な高齢者では、着替えや入浴の介助をする家族・介護者が水疱に触れてしまうリスクが、健康な成人同士のケースよりも高くなりがちです。介護をする側も、可能であれば使い捨て手袋を使う、患部に触れた後は手洗いを徹底するなど、基本的な接触予防策を意識するとよいでしょう。同居家族に妊婦や乳幼児がいる場合は、前述のとおり特に慎重な対応が必要です(JIHS)[4]。
なお、高齢者自身が水痘に未感染で帯状疱疹の患者と接触した場合の「水痘としてうつるリスク」については、日本ではほとんどの高齢者が子どものころに水痘の流行を経験しているため、実際にこのパターンで水痘を発症するケースはまれと考えられます。ただし、まれに水痘の既往がはっきりしない高齢者や、免疫の働きが低下している高齢者では、通常より注意が必要になる場合があるため、心配な場合はかかりつけ医に相談してください。
妊婦・赤ちゃんへの特別な注意 — 先天性水痘症候群と周産期水痘
妊娠中の方にとって、帯状疱疹の患者との接触は特に慎重に考えたいテーマです。まず前提として、妊婦さんご自身がすでに子どものころに水痘にかかったことがある、または水痘ワクチンを受けたことがある場合は、体に抗体があるため、帯状疱疹の患者に接しても新たに水痘を発症する心配は通常ありません。問題になるのは、水痘にかかったことがない、または記憶が曖昧な妊婦さんが、初めて水痘・帯状疱疹ウイルスにさらされてしまうケースです。
国立健康危機管理研究機構(JIHS)の報告によれば、妊娠中期以降に水痘に初めてかかると、赤ちゃんに低体重出生、手足の形成不全、体の片側だけに現れる皮膚の瘢痕、部分的な筋肉の萎縮、脳炎、頭が小さく生まれる小頭症などの症状がみられる「先天性水痘症候群(CVS)」が起こることがあり、その頻度は水痘にかかった妊婦のおよそ2%程度とされています(JIHS)[4]。頻度としては高くはないものの、起こった場合の影響が大きいため、妊娠初期・中期での水痘感染は特に慎重な対応が求められます。妊娠のごく初期であれば流産の危険性があるともされています(JIHS)[4]。
また、母体自身への影響も見過ごせません。国立健康危機管理研究機構(JIHS)は、妊婦が水痘に罹患した場合、母体において重篤な水痘肺炎を引き起こす可能性があると報告しています[4]。特に妊娠後期の水痘肺炎は重症化することが知られていると指摘されています(JIHS)[4]。母体死亡につながりうる具体的な割合については、今回参照した資料には明確な数値の記載が見当たらなかったため、ここでは重症化しうるという事実のみをお伝えします。自己判断で軽視せず、水痘の疑いがある症状が出た場合は速やかに医療機関を受診してください。
出産の時期に近いタイミングでの初感染も危険です。国立健康危機管理研究機構(JIHS)によれば、周産期(出産の前後の時期)に母体が初めて水痘に感染する状態は「周産期水痘」と呼ばれ、母体からの移行免疫(生まれつき受け継ぐ抗体)がない新生児が水痘にかかり、重篤な状態となりやすい極めて危険な状態であるとされています[4]。さらに、出生時には先天性水痘症候群でなかった赤ちゃんであっても、高い頻度で生後6か月前後に帯状疱疹を発症することがあるとされ、これは胎内で感染したウイルスが赤ちゃんの神経節に潜伏し、その後再活性化する仕組みによるものと説明されています(JIHS)[4]。
これらの情報から言えるのは、「妊娠中に水痘の既往やワクチン歴がはっきりしない方が、帯状疱疹の患者と直接接触した(水疱に触れた可能性がある)場合には、様子を見るのではなく、できるだけ早く産婦人科・かかりつけの医療機関に連絡し、指示を仰ぐことが大切」ということです。妊娠中は自己判断で「大丈夫だろう」と考えず、接触の事実を正直に伝えて相談することが、母体と赤ちゃん双方を守る第一歩になります。
妊娠を考えている段階の方にとっても、この情報は重要な意味を持ちます。妊娠が判明してから水痘の既往やワクチン歴を確認するよりも、妊娠を計画する段階で、自分が過去に水痘にかかったことがあるか、母子手帳や実家の記録、あるいは血液検査(抗体検査)で確認しておくことができれば、より落ち着いて対応できます。既往やワクチン歴がなく、抗体がないことが分かった場合には、妊娠前に水痘ワクチンを接種しておくという選択肢について、産婦人科医と相談することもできます。すでに妊娠している場合、生ワクチンである水痘ワクチンは基本的に接種できないため、この対策は「妊娠する前」のタイミングでこそ意味を持つという点も知っておくとよいでしょう。
また、里帰り出産や、出産後に祖父母が育児を手伝いに来るという家庭も多いでしょう。里帰り先や自宅に、水痘・帯状疱疹ウイルスへの免疫がはっきりしない家族がいる場合は、出産前後のタイミングでその家族に体調の変化(特に帯状疱疹や水痘のような症状)がないか、事前に確認しておくことも一つの安心材料になります。新生児は母体からの移行免疫が乏しい時期があり、周産期水痘は重篤な状態となりやすい極めて危険な状態とされているため(JIHS)[4]、赤ちゃんを迎える準備の一環として、こうした感染対策も頭の片隅に置いておくことをおすすめします。
ワクチンによる予防 — 帯状疱疹ワクチンと緊急接種
帯状疱疹そのものの予防には、帯状疱疹ワクチンが有効です。厚生労働省によれば、日本では2025年度から、65歳の方などを対象に帯状疱疹ワクチンの予防接種が予防接種法に基づく定期接種の対象になりました[3]。ワクチンには、皮下に1回接種する生ワクチンと、2か月以上の間隔をあけて2回筋肉内に接種する組換えワクチンの2種類があり、いずれも帯状疱疹や、治った後も痛みが残る帯状疱疹後神経痛の予防に効果が示されています(厚労省)[3]。厚生労働省の情報によれば、組換えワクチンは接種後1年時点で9割以上の予防効果を示し、生ワクチンより高い効果が報告されているとされています[3]。公益社団法人日本皮膚科学会も、ワクチンには生ワクチンとサブユニットワクチン(不活化ワクチン)の2種類があり、どちらも帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の予防に効果が示されているとしています[5]。50歳以上の方や、基礎疾患のある18歳以上の方は任意接種の対象になることもあるため、対象年齢や費用については自治体やかかりつけ医療機関に確認するとよいでしょう。
一方、これから水痘を予防したい「接触した側」に対しては、水痘ワクチンによる緊急接種という選択肢があります。国立健康危機管理研究機構(JIHS)は、水痘が流行している状況下で、患者との接触後できるだけ早く、少なくとも72時間以内に水痘ワクチンを緊急接種することにより、発症の防止や症状の軽症化が期待できるとしています[2]。これは、水痘未経験・ワクチン未接種の乳幼児が帯状疱疹の患者と接触してしまった場合などに検討される対応で、「72時間」という時間の目安があるため、接触が分かったら様子を見ずにできるだけ早く小児科などに相談することが重要です。なお、水痘ワクチンは1〜2歳の間に2回接種する定期接種として、健康な子どもにあらかじめ免疫をつけておく方法としても位置づけられています(JIHS)[1]。
免疫の働きが弱っている方(抗がん剤治療中、臓器移植後など)に対するワクチン接種の可否や種類については、生ワクチンが使用できない場合があるなど、個々の状態によって判断が異なります。該当する方やそのご家族は、自己判断せず、必ず主治医に相談してください。
ワクチン接種を検討する際によく聞かれるのが、副反応についての不安です。帯状疱疹ワクチンでは、接種した部分の腫れ・痛み・赤みといった局所反応や、だるさ、頭痛、筋肉痛といった全身反応が起こることが知られており、特に組換えワクチンでは接種後に一時的な発熱や強い倦怠感を感じる人がいます。これらの多くは数日以内に自然に軽快しますが、症状が長引く場合や、強いアレルギー反応が疑われる場合は、接種した医療機関にすぐ相談してください。ワクチンのメリット(帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の予防効果)とデメリット(副反応の可能性)については、自分の持病や体調とあわせて、接種前に医師とよく話し合っておくことが大切です。
「もう帯状疱疹になったことがあるから、ワクチンは必要ない」と考える方もいますが、帯状疱疹は一度発症した人でも再び発症することがあるとされており、過去にかかったことがあるからといって今後も安心とは限りません。定期接種の対象年齢に該当する方は、これを機にワクチン接種について検討してみるとよいでしょう。
よくある誤解と事実
「帯状疱疹はうつる」というテーマは、断片的な情報が独り歩きしやすい分野です。インターネット上には「絶対にうつらない」という極端な安心情報と、「そばにいるだけで危険」という極端な不安情報の両方が存在しており、どちらも正確ではありません。実際には、ここまで見てきたとおり「病気としての帯状疱疹はうつらないが、水疱の中身に触れると水痘としてうつることがある」という、両極端の中間にある事実が正解です。ここで、よくある誤解と、これまで見てきた情報にもとづく事実を整理しておきます。
| よくある誤解 | 実際のところ |
|---|---|
| 帯状疱疹の人に近づくと自分も「帯状疱疹」になる | 帯状疱疹という病気そのものが人から人へうつることは基本的にない。うつる場合、相手に現れるのは「水痘」(JIHS)[2] |
| 咳やくしゃみをしていなくても、同じ部屋にいるだけで危険 | 主な感染経路は水疱の中身への直接接触であり、水疱に触れなければ、同じ部屋で過ごすだけで過度に恐れる必要はない(JIHS)[2] |
| 子どものころ水ぼうそうにかかった大人は、いつまでも安心して接触してよい | 本人が水痘を発症する心配は基本的にないが、患部への接触自体はウイルスを含むため、周囲に免疫のない人がいないか確認は必要(JIHS)[2] |
| 水疱がかさぶたになれば、その日からすぐに何をしても平気 | すべての発疹が痂皮化するまでが目安であり、一部の水疱がまだ乾いていない段階では引き続き注意が必要(JIHS)[1] |
| 大人になってからの水ぼうそうも、子どもと同じ軽い病気 | 子どもより大人のほうが水痘は重症化しやすいとされ、妊婦や免疫低下者ではさらに重い合併症のリスクがある(JIHS)[4] |
出典:国立健康危機管理研究機構(JIHS)「水痘」感染症情報[1]/同機構「水痘(詳細版)」[2]/同機構「成人水痘-妊婦の水痘などを中心に」[4]
「3割負担でいくらかかる?」帯状疱疹・水痘の治療にかかる費用の考え方
帯状疱疹の治療は、抗ウイルス薬の内服や点滴、痛み止めが中心となり、健康保険が適用されます。窓口での自己負担割合は年齢や所得によって1〜3割となるのが一般的で、症状の重さや通院・入院の有無によって総額は大きく変わります。水疱が広範囲に及ぶ場合や、免疫の働きが弱い方で入院治療が必要になった場合には、医療費が高額になることもあります。そうした場合には、高額療養費制度を利用することで、1か月あたりの自己負担に上限を設けることができます。制度の詳しい仕組みや自分の場合の目安額については、公的な高額療養費の情報や、加入している健康保険組合・市区町村の窓口で確認することをおすすめします。水痘の緊急ワクチン接種についても、対象年齢や状況によって定期接種・任意接種の扱いが異なり、費用負担が変わるため、事前に医療機関や自治体に確認しておくと安心です。
受診の目安 — 何科に相談すればよいか
帯状疱疹そのものについては、皮膚科・内科での早めの受診と抗ウイルス薬による治療が基本になります。ここでは「うつる・うつらない」という視点から、受診・相談を検討すべき場面を整理します。
- 帯状疱疹と診断された本人:患部の広がりが早い、痛みが強い、目や耳の周りに水疱が出ているなどの場合は、様子を見ずに早めに皮膚科・眼科などを受診してください。
- 接触した家族が妊娠中の場合:水痘の既往・ワクチン歴がはっきりしないまま接触した可能性があるときは、産婦人科またはかかりつけの医療機関にできるだけ早く連絡してください(JIHS)[4]。
- 接触した子どもが水痘未経験・ワクチン未接種の場合:72時間以内の緊急ワクチン接種という選択肢があるため、様子を見ずに小児科へ早めに相談してください(JIHS)[2]。
- 接触した家族が免疫低下者の場合:重症化のリスクがあるため、主治医(血液内科・移植科など)に接触の事実を伝えて指示を仰いでください(JIHS)[2]。
- 接触後1〜3週間ほどして発熱・全身の発疹が出た場合:水痘を発症した可能性があるため、事前に医療機関に電話し、他の患者への感染を防ぐための受診方法(時間帯の調整など)を確認してから受診することが望ましいです。
診察に持っていくメモ(チェックリスト)
- 帯状疱疹の患者との接触があった日付・接触の状況(水疱に直接触れたか、覆われていたか)
- ご自身または対象者の水痘(水ぼうそう)の既往歴・水痘ワクチンの接種歴(分かる範囲で)
- 妊娠している場合は妊娠週数
- 持病や治療中の病気(抗がん剤治療、臓器移植歴、ステロイド使用など)
- 現在出ている症状(発熱・発疹の有無、いつからか)
- 医師に確認したいこと(緊急ワクチン接種の可否、通園・通学の可否など)
帯状疱疹の水疱からどの程度の距離・時間の接触であれば安全と言えるかという、具体的な「距離」や「時間」の数値的な基準については、今回参照した資料には明確な記載が見当たりませんでした。感染のしやすさは水疱の状態や接触の程度によって個人差があるため、心配な接触があった場合は自己判断せず医療機関に相談することをおすすめします。
ここまで、帯状疱疹が「うつる・うつらない」というテーマについて、仕組みから具体的な予防策まで整理してきました。最後にもう一度まとめると、帯状疱疹という病気そのものが人から人へうつることは基本的にありませんが、水疱の中身には水痘・帯状疱疹ウイルスが含まれており、これに未感染の人が直接触れると「水痘」として感染することがあります(JIHS)[2]。特に妊婦・水痘未接種の乳幼児・免疫の働きが弱っている人は注意が必要な相手であり、患部を衣服やガーゼでしっかり覆い、水疱の中身に直接触れないようにすることが、周囲を守るための最も基本的で確実な対策です。すべての発疹が乾いてかさぶたになるまでは、この点を意識して過ごすようにしましょう。何より大切なのは、心配な接触や体調の変化があったときに、様子を見すぎず早めに医療機関へ相談することです。特に妊娠中の方や、水痘未接種の乳幼児が接触した場合は、時間の余裕があまりないケースもあるため、早めの行動が安心につながります。
まとめ:正しく知れば、過度に恐れる必要はない
「帯状疱疹はうつる?」という疑問への答えを、最後にもう一度シンプルに整理します。帯状疱疹という病名の病気自体が、他人にそのままうつることはありません。しかし、水疱の中身には水痘・帯状疱疹ウイルスが含まれており、これに接触した水痘未経験者は「水痘」として感染することがあります(JIHS)[2]。この事実さえ理解していれば、対策はシンプルです。水疱がすべて痂皮化するまでの間、患部を衣服やガーゼでしっかり覆い、水疱の中身に直接触れないようにする。これが基本であり、ほぼすべての家庭で実践できる対策です。
そのうえで、家庭内に妊婦・水痘未接種の乳幼児・免疫の働きが弱っている人がいる場合は、通常よりも一段階丁寧な対応を心がけ、心配な接触があった場合は様子を見ずに早めに医療機関へ相談することが、母子や家族全員を守る一番の近道です。正しい知識を持てば、帯状疱疹の患者さんを不必要に隔離したり、家庭内の雰囲気をぎくしゃくさせたりする必要はありません。落ち着いて、できる範囲の対策を続けていきましょう。
本記事で紹介した内容は、あくまで一般的な情報の整理であり、個々の症状や体調、持病、妊娠週数などによって取るべき対応は変わってきます。少しでも不安や疑問がある場合は、自己判断や家族間の伝聞だけで済ませず、皮膚科・産婦人科・小児科など、状況に応じた専門の医療機関に相談することを、あらためておすすめします。
よくある質問
帯状疱疹の人と同じ部屋で寝ても大丈夫ですか?
子どものころ水ぼうそうにかかったので、もう心配しなくていいですか?
妊娠中ですが、家族が帯状疱疹になりました。何をすればいいですか?
赤ちゃんが帯状疱疹の祖父母と接触してしまいました。すぐ病院に行くべきですか?
帯状疱疹はキスやハグでうつりますか?
お風呂は家族と分けたほうがいいですか?
洗濯物やタオルからうつることはありますか?
職場や保育園・幼稚園には行ってもいいですか?
帯状疱疹ワクチンを受けていれば、周りに水痘をうつす心配もなくなりますか?
感染期間中、マスクは意味がありますか?
自分が水痘にかかったことがあるかどうか分からない場合、どうすればいいですか?
帯状疱疹の患者と接触した後、何日くらい様子を見ればいいですか?
帯状疱疹になったら、すぐに仕事や学校を休むべきですか?
ペット(犬や猫)にも帯状疱疹はうつりますか?
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)「水痘」感染症情報提供サイト 2026年時点 https://id-info.jihs.go.jp/diseases/sa/varicella/index.html
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)「水痘(詳細版)」感染症情報提供サイト https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/varicella/detail/index.html
- 厚生労働省「帯状疱疹ワクチン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/shingles/index.html
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)「成人水痘-妊婦の水痘などを中心に」IASR https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/4010-dj4044.html
- 公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A ヘルペスと帯状疱疹」Q22 帯状疱疹の予防法は? https://qa.dermatol.or.jp/qa5/q22.html
更新日:2026年7月18日
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