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風邪・インフルエンザ対策|必須の食材リストと症状別の食べ方

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【結論】風邪やインフルエンザを「食べ物だけで確実に防ぐ」ことはできません。ワクチン接種・手洗い・換気・十分な睡眠といった基本対策が土台であることは変わらず、食事はあくまで体の防御力(免疫機能)を支える土台づくりという位置づけです[1]。そのうえで、厚生労働省が運営する「e-ヘルスネット」は、たんぱく質が抗体や免疫細胞の材料になることを紹介しており[2]、国立健康・栄養研究所は亜鉛が免疫機能に関わる必須微量元素であることを紹介しています[3]。国際的なコクラン(Cochrane)レビューでも、ビタミンCの定期摂取が風邪の「罹患率そのもの」は下げないものの「症状の続く期間」をわずかに短縮する可能性が報告されており[5]、ビタミンDについても英国の研究チームによるBMJ誌のメタ解析で急性呼吸器感染症との関連が示されています[7]。一方で、消費者庁は「免疫力アップ」をうたう健康食品の広告について、科学的根拠が不十分なまま誇大に表示される例に繰り返し注意喚起しており[4]、「これさえ食べれば絶対にかからない」という食材は存在しません。この記事では、「今日から使える食材リスト」「症状別の食べ方」「高齢者・子ども・妊婦で気をつけたい点」まで、Tier 0〜1の公的資料・国際的なシステマティックレビューをもとに整理しました。まずは、あなたの体調と季節に合わせてどこから読むかを、次の早見表で確認していきましょう。

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図:JHO編集部が作成

要点まとめ

  • ✓ 食事だけで風邪・インフルエンザを確実に防ぐことはできません。厚生労働省は手洗い・咳エチケット・ワクチン接種・十分な休養を基本対策として位置づけており、食事は免疫機能を支える「土台」の一つです[1]。
  • ✓ コクラン(Cochrane)の系統的レビューでは、ビタミンCの日常的な摂取は風邪にかかる確率そのものは下げないが、症状が続く期間をおとな平均で約8%、こどもで約14%短縮する可能性が報告されています[5]。
  • ✓ 亜鉛については、コクランのレビューで「風邪の症状が出てから24時間以内にトローチなどで摂取すると、症状の持続期間が短縮する可能性がある」とされる一方、長期の予防的なサプリメント摂取には十分な根拠がないとされています[6]。
  • ✓ ビタミンDについては、英国の研究チームが個々の参加者データを統合した大規模メタ解析(BMJ誌、2017年)で、とくに血中ビタミンD濃度が低い人で急性呼吸器感染症のリスクが下がる関連が示されましたが、対象や条件によって効果の大きさは異なります[7]。
  • ✓ 消費者庁は「免疫力を上げる」と称する食品・サプリメントの広告について、根拠が不十分なまま効果を誇張する表示に繰り返し注意喚起しており、特定の食材や商品への過度な期待は禁物です[4]。

JHO編集部とこの記事の根拠について

この記事は、JHO編集部がAIツールの支援を受け、公的情報源と照合、最終確認は人の目という方針のもと、厚生労働省「e-ヘルスネット」、農林水産省、消費者庁、国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報データベース、コクラン共同計画(Cochrane)のシステマティックレビュー、BMJ誌に掲載された国際共同研究などの公的・学術情報源と照合して作成しました[1][5]。食事による免疫サポートは「効く・効かない」の単純な二択ではなく、栄養素ごとに根拠の強さが異なるため、本記事では過大評価も過小評価もせず、現時点でわかっていること・わかっていないことを分けて整理することを目的としています。持病がある方、妊娠中の方、薬を服用中の方は、サプリメント等の追加摂取について必ずかかりつけ医・薬剤師にご相談ください。

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🔧 今のあなたに合う食材はどれ? 早見チェック表

「まだ元気だけど予防したい」「もう喉が痛い」「熱が下がって回復期」の3つの段階で、優先したい食材と栄養素は変わります。まずは自分の状態を確認しましょう。

表1:体調の段階別・優先したい食材と栄養素
今の状態 優先したい栄養素 具体的な食材の例
まだ元気・流行期の予防段階 たんぱく質、ビタミンC・D、亜鉛、発酵食品由来の菌(プロバイオティクス) 肉・魚・卵・大豆製品、柑橘類・緑黄色野菜、きのこ類、納豆・ヨーグルト・味噌
喉がイガイガ・鼻がムズムズし始めた ビタミンC、亜鉛、水分・電解質 柑橘類、しょうが湯、亜鉛を含む食品(牡蠣・赤身肉・豆類)、常温〜温かい飲み物
発熱中・食欲がない 水分・電解質、消化にやさしいエネルギー源 経口補水液や薄めたスポーツドリンク、おかゆ、うどん、すりおろしりんご
熱が下がった回復期 たんぱく質、ビタミンC、消化にやさしい発酵食品 卵とじうどん、豆腐、白身魚、ヨーグルト、みかん・キウイなど

⚠️ この表はあくまで一般的な目安です。高熱が3日以上続く、呼吸が苦しい、意識がもうろうとしている、水分がまったく摂れない場合は、食事の工夫より先に医療機関を受診してください。受診の目安は後半で改めて詳しく整理します。

栄養と感染症の関係を理解するうえで基準となるのは、「その栄養素が免疫のどの部分に関わっているか」という視点です。e-ヘルスネットや国立健康・栄養研究所の情報をもとに、主な栄養素と役割を整理しました。

表2:風邪・インフルエンザ対策で注目される主な栄養素と役割(厚生労働省e-ヘルスネット等をもとにJHO編集部が整理)
栄養素 主な役割 多く含む食品の例
たんぱく質 抗体(免疫グロブリン)や免疫細胞そのものの材料。不足すると感染症にかかりやすくなることが知られています[2] 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品
ビタミンC 白血球の働きを助け、抗酸化作用を持つとされる。コクランレビューでは症状期間の短縮効果が報告されています[5] 柑橘類、キウイ、いちご、赤ピーマン、ブロッコリー
ビタミンD 気道粘膜の防御機能や免疫調整に関与するとされ、BMJ誌のメタ解析で急性呼吸器感染症との関連が示されています[7] 鮭・さんまなどの魚類、きのこ類、卵黄
亜鉛 免疫細胞の増殖・機能維持に必要なミネラル。発症早期の摂取で症状短縮の報告があります[6] 牡蠣、赤身肉、レバー、豆類、ナッツ類
発酵食品由来のプロバイオティクス 腸内環境を通じて免疫バランスに関わるとされ、コクランレビューで上気道感染症の頻度をやや減らす可能性が報告されています[8] 納豆、味噌、ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け

この表からわかるとおり、「1つの食材・1つの栄養素だけを大量に摂れば安心」ということはなく、複数の栄養素をバランスよく、日常的に続けることが、公的資料が共通して示す方向性です[1]。

第1部:予防段階 — インフルエンザ流行期に日常的に摂りたい食材

まだ症状が出ていない「予防段階」でもっとも大切なのは、特定の食材を一時的にたくさん食べることではなく、体を作る材料をふだんから欠かさないことです。厚生労働省のe-ヘルスネットは、たんぱく質が抗体や免疫細胞の材料であり、不足すると感染に対する抵抗力が低下しやすいことを紹介しています[2]。高齢者では食が細くなることでたんぱく質不足に陥りやすく、これが感染症にかかりやすくなる一因になるとも指摘されています[2]。

たんぱく質源(肉・魚・卵・大豆製品):1日3食のうち、どこか1食でも「たんぱく質ゼロ」にならないよう意識するのが現実的な目安です。肉・魚・卵・豆腐や納豆などの大豆製品を毎食少しずつ組み合わせると、アミノ酸バランスが整いやすくなります。とくに高齢者は「おかずが少なくご飯とお漬物だけ」になりがちなため、意識的にたんぱく質を1品加えることが勧められます[2]。

ビタミンCを含む野菜・果物:柑橘類、キウイフルーツ、いちご、赤ピーマン、ブロッコリーなどにはビタミンCが豊富に含まれます。コクランのシステマティックレビュー(対象者数万人規模の研究を統合)では、健康な人が日常的にビタミンCを摂取していても風邪にかかる確率そのものは大きく変わらなかった一方、すでに摂取を続けていた人が発症した場合、症状が続く期間はおとなで平均約8%、こどもで約14%短縮されたと報告されています[5]。同レビューは、症状が出てから慌てて摂り始めても同様の効果は確認されていないとも述べており、「日頃からの習慣」であることがポイントです[5]。ビタミンCは水溶性で加熱に弱いため、生食できる果物や、スープごと食べられる調理法(汁物に野菜を加える等)で摂ると無駄が少なくなります。

ビタミンDを含む食品(魚・きのこ類):鮭やさんまなどの脂の乗った魚、きくらげや干ししいたけなどのきのこ類にはビタミンDが多く含まれます。英国の研究チームが世界25件のランダム化比較試験・参加者約1万1千人分の個々のデータを統合した2017年のメタ解析(BMJ誌)では、ビタミンDの補給によって急性呼吸器感染症のリスクが全体でわずかに下がる関連が示され、とくに血中ビタミンD濃度がもともと低かった人でリスク低下がより大きかったと報告されています[7]。日照時間が短くなる冬場は体内でのビタミンD合成量が減るため、食事からの摂取を意識する価値があります。

亜鉛を含む食品(牡蠣・赤身肉・豆類):亜鉛は免疫細胞の増殖や機能維持に関わるミネラルです。国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報でも、亜鉛が味覚や免疫機能に関わる必須微量元素として紹介されています[3]。牡蠣、赤身の肉、レバー、大豆製品、ナッツ類などに多く含まれ、こちらも日常的な摂取が基本です。

発酵食品(納豆・味噌・ヨーグルト):腸には体全体の免疫細胞の多くが集まっているとされ、腸内環境を整えることが全身の免疫バランスに関わると考えられています。コクランのシステマティックレビューでは、プロバイオティクス(乳酸菌などの善玉菌)の摂取によって、急性上気道感染症にかかる人の割合や罹病期間がやや減少する可能性が報告されていますが、著者らは研究の質にばらつきがあるとして、結果は「慎重な解釈が必要」としています[8]。納豆・味噌・ヨーグルト・キムチ・ぬか漬けなど、日本の食卓になじみのある発酵食品を日常的に取り入れることは、味覚的にも続けやすい方法です。

しょうが・にんにく・ねぎ類:しょうがには体を温める作用があるとされ、農林水産省の情報誌でも冬場の食材として紹介されることがあります[9]。にんにくやねぎ類に含まれるアリシンなどの成分について、感染予防効果を期待する研究も存在しますが、ヒトを対象とした質の高い臨床試験は限られており、「風邪を確実に防ぐ」と言い切れる段階の根拠はまだありません。体を温め食欲を増進させる食材として、無理のない範囲で日々の料理に取り入れるのがよいでしょう。以下では、代表的な食材を一つずつ、成分・考えられる働き・食べ方の目安に分けて詳しく整理します。

第1部の詳細:主要な食材別ガイド

ここからは、予防段階で名前が挙がりやすい代表的な食材について、それぞれの成分・考えられる働き・目安量・注意点を個別に整理します。いずれも「単独で確実に効く」わけではなく、日常の食事の一部として無理なく続けることが前提です。

①しょうが:しょうがの辛味成分であるジンゲロールやショウガオール(加熱・乾燥によりジンゲロールの一部がショウガオールに変化)には、体を温める作用や、消化を助ける作用があるとされています。冷えによって食欲や消化機能が落ちやすい冬場に、体を温めて食事を摂りやすくするという間接的な役割が期待できます。農林水産省の情報誌でも、冬場に体を温める食材の一つとして紹介されることがあります[9]。目安量:すりおろし小さじ1杯程度をみそ汁や煮物、しょうが湯に加える程度で十分です。注意点:胃腸が弱っているときに大量に摂ると、かえって胃を刺激することがあるため、体調に応じて量を調整してください。

②にんにく:にんにくを刻んだりすりおろしたりすると生成されるアリシンという成分には、抗菌作用があるとする研究が存在します。ただし、風邪の予防効果を直接証明した質の高いヒト対象の臨床試験は、本記事で確認した範囲では限られており、確定的な結論には至っていません。目安量:料理の香りづけとして1片程度を目安にし、生のまま大量に摂ると胃腸への刺激が強くなるため避けてください。

③ねぎ類(長ねぎ・玉ねぎ):ねぎ類にもアリシンに似た硫黄化合物が含まれ、加熱すると甘みが増して食べやすくなります。日本では古くから「風邪をひいたらねぎ」という民間伝承があり、体を温める食材として味噌汁やスープに加える使い方が定着しています。学術的な予防効果の根拠は限定的ですが、消化にやさしく食欲を助ける食材として、発熱時のスープにも取り入れやすい点が実用的です。

④発酵食品(納豆・味噌・ヨーグルト・キムチ・ぬか漬け):納豆や味噌、ヨーグルトなどの発酵食品には、乳酸菌や納豆菌などの微生物(プロバイオティクス)が含まれます。腸には体全体の免疫細胞の多くが集まっているとされ、腸内環境を整えることが全身の免疫バランスに関わると考えられています。コクランのレビューでは、プロバイオティクスの摂取によって急性上気道感染症にかかる人の割合や罹病期間がやや減少する可能性が報告されていますが、研究の質にばらつきがあり慎重な解釈が必要とされています[8]。目安量:納豆1パック(約40〜50g)、ヨーグルト100〜150g程度を目安に、毎日どれか1品を継続するのが現実的です。

⑤きのこ類(しいたけ・まいたけ・きくらげ):きのこ類にはビタミンDやβ-グルカンといった食物繊維の一種が含まれます。干ししいたけは天日で乾燥させる過程でビタミンDの含有量が増えることが知られており、汁物や煮物に取り入れやすい食材です。βグルカンについては免疫細胞への作用を検討する研究がありますが、食品として摂取した場合の効果の大きさについては、まだ研究途上の部分が多いのが実情です。

⑥柑橘類・ビタミンCが豊富な野菜(みかん・キウイ・赤ピーマン・ブロッコリー):前述のとおり、コクランのレビューでビタミンCの日常的な摂取が症状継続期間をやや短縮する可能性が報告されています[5]。ビタミンCは水溶性で加熱により失われやすいため、みかんやキウイのように生で食べられる果物や、スープごと食べられる調理法が効率的です。目安量:成人のビタミンC推奨量は1日100mg程度とされ、みかん2個、またはキウイ1個+ブロッコリー小房数個程度でおおむね満たせます。

⑦緑黄色野菜(ほうれん草・にんじん・かぼちゃ):β-カロテン(体内でビタミンAに変換される)を含む緑黄色野菜は、皮膚や粘膜の健康維持に関わるとされます。皮膚・粘膜は病原体の侵入を防ぐ最初のバリアであり、e-ヘルスネットでも粘膜の健康維持に関わる栄養素として位置づけられています[1]。油と一緒に調理すると吸収率が上がるため、炒め物やスープに油を少量加えるとよいでしょう。

⑧卵・鶏肉などのたんぱく質源:卵は必須アミノ酸をバランスよく含む食品として知られ、体調不良で食欲がないときでも、卵とじうどんや茶碗蒸しのようにやわらかく調理すれば食べやすいのが利点です。鶏肉(とくにむね肉)にはイミダゾールペプチドという成分が含まれ、疲労回復に関する研究が行われていますが、感染予防への直接的な効果はまだ確立された段階ではありません。基本はあくまで「たんぱく質源としてしっかり摂る」ことが目的です[2]。

⑨はちみつ:はちみつには喉の粘膜を保護し、咳を和らげる効果を示した研究がいくつか報告されています。ただし、1歳未満の乳児には乳児ボツリヌス症のリスクがあるため絶対に与えてはいけません[10]。1歳以上であれば、はちみつしょうが湯や紅茶に少量加える形で、喉の違和感があるときに試す選択肢の一つになります。

⑩緑茶(カテキン):緑茶に含まれるカテキンには抗酸化作用や、口腔内でのウイルス・細菌への作用を検討する研究がありますが、日常的な飲用が風邪・インフルエンザの発症そのものをどの程度予防するかについては、まだ研究段階の部分が大きいというのが実情です。うがいの代わりとして緑茶でうがいをする習慣がある地域もありますが、これも確定的な予防効果として推奨できる段階の根拠ではありません。水分補給の一つとして、無理のない範囲で取り入れるとよいでしょう。

表3-2:主要食材の成分・考えられる働き・目安量まとめ
食材 主な成分 考えられる働き 目安量
しょうが ジンゲロール・ショウガオール 体を温める、消化を助ける すりおろし小さじ1程度
にんにく アリシン 抗菌作用が研究されているが根拠は限定的 1片程度
ねぎ類 硫黄化合物 体を温める、食欲を助ける 薬味・具材として適量
納豆・味噌・ヨーグルト 乳酸菌・納豆菌(プロバイオティクス) 腸内環境を通じた免疫バランスへの関与[8] 納豆1パック/ヨーグルト100〜150g
きのこ類 ビタミンD・βグルカン 粘膜防御・免疫調整への関与[7] 汁物・煮物に1品
柑橘類・ビタミンC野菜 ビタミンC 症状継続期間の短縮の可能性[5] 1日100mg目安(みかん2個相当)
緑黄色野菜 β-カロテン 皮膚・粘膜バリアの健康維持[1] 1食小鉢1皿程度
卵・鶏肉 たんぱく質・必須アミノ酸 抗体・免疫細胞の材料[2] 毎食1品
はちみつ 糖・抗菌様成分 喉の粘膜保護、咳の緩和 1歳以上・少量
緑茶 カテキン 抗酸化作用が研究されているが確定的根拠は限定的 水分補給の一つとして
表3:予防段階の1日の食事イメージ(栄養素の組み合わせ例)
食事 メニュー例 意識したい栄養素
朝食 ご飯、納豆、みそ汁(豆腐・わかめ)、みかん たんぱく質、発酵食品、ビタミンC
昼食 鮭の塩焼き定食、きのこの味噌汁、ほうれん草のおひたし たんぱく質、ビタミンD、ビタミンC
夕食 鶏肉と根菜の煮物、しょうが入り豆腐スープ、キムチ少量 たんぱく質、亜鉛、発酵食品
間食 ヨーグルト、キウイフルーツ 発酵食品、ビタミンC

第2部:発症時・回復期 — 症状に合わせた食べ方

実際に喉の痛みや発熱が出てしまった場合、優先すべきは「特定の食材を頑張って食べること」ではなく、水分と最低限のエネルギーを確保することです。厚生労働省は感染症にかかった際の基本として、十分な水分補給と休養を挙げています[1]。なお、症状だけで風邪・インフルエンザ・新型コロナを見分けるのは難しいことがあり、違いを詳しく知りたい方は風邪・コロナ・インフルエンザの違いの解説記事もあわせてご覧ください。

発熱・食欲不振の時期:発熱時は汗や呼吸から水分・電解質が失われやすくなります。経口補水液や、みそ汁・スープなど塩分を含む温かい水分は、水だけより効率よく水分・電解質を補給できます。食欲がないときに無理に固形物を食べる必要はなく、おかゆ、うどん、すりおろしりんご、バナナなど消化にやさしいものを少量ずつ摂るのが現実的です。

喉の痛みがある時期:刺激の強い香辛料や熱すぎる食べ物は喉の痛みを悪化させることがあるため避け、常温〜ぬるめの飲み物や、のどごしのよいゼリー・ヨーグルト・すりおろしりんごなどが摂りやすいとされます。亜鉛については、コクランのレビューで「症状が出てから24時間以内に」トローチなどの形で摂取を開始した場合、成人の風邪の症状継続期間が短縮する可能性があると報告されていますが、同レビューは吐き気などの副作用の報告や、亜鉛の種類・用量によって結果にばらつきがあることも指摘しており、自己判断での高用量摂取は勧められません[6]。

回復期:熱が下がり食欲が戻ってきたら、たんぱく質(卵とじうどん、豆腐、白身魚など)を少しずつ増やし、体力の回復を助けます。腸内環境が乱れやすい時期でもあるため、ヨーグルトや味噌汁などの発酵食品を取り入れるのもよいでしょう。ただし、解熱から丸1日以上経過し、普段の食欲が戻るまでは、脂っこいものや冷たいものは控えめにするのが一般的な目安です。

簡単レシピ集 — 症状の段階別に作れる5品

「何を作ればいいかわからない」という声に応え、材料が少なく手早く作れるレシピを段階別にまとめました。分量は1人分の目安です。

表5:しょうが湯(喉の違和感・冷え対策、1歳以上)
材料 分量
すりおろししょうが 小さじ1
はちみつ(1歳以上) 大さじ1
お湯 150〜200ml

作り方:①カップにすりおろししょうがとはちみつを入れる。②熱すぎない程度のお湯を注いでよく混ぜる。喉に刺激を感じる場合ははちみつを増やすか、しょうがを減らして調整する。

表6:卵とじうどん(発熱後の回復期・食欲が戻り始めたとき)
材料 分量
ゆでうどん 1玉
卵 1個
だし汁 300ml
刻みねぎ 少々
しょうゆ・塩 少々

作り方:①だし汁を温め、しょうゆ・塩で薄めに味を調える。②うどんを加えて温め、溶き卵を回し入れてふたをし半熟に仕上げる。③刻みねぎを散らす。消化にやさしく、たんぱく質も同時に摂れる一品です。

表7:具だくさん味噌汁(予防期・発酵食品と野菜を同時に)
材料 分量
豆腐 1/4丁
きのこ類(お好みで) 適量
わかめ 少々
長ねぎ 適量
味噌 大さじ1
だし汁 300ml

作り方:①だし汁できのこと豆腐を煮る。②火を止める直前に味噌を溶き入れ、わかめとねぎを加える。発酵食品・たんぱく質・ビタミンDを同時に摂れる、予防期の定番メニューです。

表8:すりおろしりんご(発熱・食欲不振時の水分+エネルギー補給)
材料 分量
りんご 1/4個

作り方:皮をむいてすりおろすだけ。水分と糖分を同時に補給でき、喉ごしがよいため発熱時にも食べやすい一品です。

表9:柑橘とヨーグルトの簡単デザート(予防期・回復期のビタミンC+発酵食品)
材料 分量
プレーンヨーグルト 100g
みかんまたはキウイ 1個
はちみつ(1歳以上) お好みで

作り方:果物を一口大に切り、ヨーグルトと和えるだけ。ビタミンCと発酵食品由来の菌を同時に摂れる、朝食や間食に取り入れやすいメニューです。

第3部:対象者別の注意点 — 子ども・高齢者・妊婦

同じ「風邪・インフルエンザ対策の食事」でも、対象者によって注意点は変わります。

子ども:はちみつは1歳未満の乳児には与えてはいけません。乳児ボツリヌス症のリスクがあるため、厚生労働省も1歳未満の乳児にはちみつを与えないよう注意喚起しています[10]。「はちみつしょうが湯」などの民間療法も、対象年齢を必ず確認してください。また子どもは大人よりも脱水になりやすいため、発熱時の水分補給はこまめに、少量ずつ行うことが大切です。

高齢者:加齢に伴い食欲や消化機能が低下しやすく、知らないうちにたんぱく質不足(低栄養)に陥っているケースがあります。厚生労働省のe-ヘルスネットは、高齢者の低栄養が感染症への抵抗力低下につながりうることを紹介しており[2]、「量より質」で1食ごとにたんぱく質源を必ず1品加える工夫が勧められます。また、義歯の具合や飲み込みにくさがある場合は、豆腐や卵などやわらかいたんぱく質源を選び、誤嚥に注意してください。

妊娠中の方:妊娠中はビタミンAの過剰摂取(レバー類の摂りすぎ等)に注意が必要とされる一方、通常の食事から得られる範囲のビタミンC・亜鉛・たんぱく質は問題なく摂取できます。サプリメントで栄養素を補う場合は、必ず産婦人科医に相談してから使用してください。インフルエンザワクチンについては、妊娠中でも接種が推奨される時期があるため、食事の工夫と合わせて、まずはかかりつけの産婦人科に相談することが基本です。詳しい安全性の考え方は妊娠中のインフルエンザワクチンの解説記事もご参照ください。

表4:対象者別・気をつけたいポイント
対象 気をつけたいこと 参考
1歳未満の乳児 はちみつは絶対に与えない(乳児ボツリヌス症のリスク) 厚生労働省[10]
高齢者 たんぱく質不足(低栄養)に注意。毎食たんぱく質源を1品 e-ヘルスネット[2]
妊娠中の方 サプリメント追加は自己判断せず産婦人科医に相談 一般的な妊婦栄養指導の考え方
持病(糖尿病・腎臓病等)がある方 塩分・糖分・カリウム制限がある場合は経口補水液の選択に注意 かかりつけ医に相談

乳幼児(1〜5歳程度):乳幼児は大人よりも体格に対する体表面積が大きく、発熱時に脱水になりやすい傾向があります。水分は一度に大量に与えるとかえって吐いてしまうことがあるため、スプーン1杯程度から少しずつ、頻回に与えるのが基本です。食欲がないときに無理に食べさせる必要はなく、母乳・育児用ミルクや麦茶、薄めた果汁など、飲める水分の種類を優先してください。刺激の強い香辛料(にんにく・しょうがの多用等)は乳幼児の胃腸には負担になることがあるため、控えめにしましょう。

妊娠中・授乳中の方(詳細):妊娠中はビタミンAの過剰摂取(レバー類の食べ過ぎ、一部のサプリメント)が胎児に影響する可能性が指摘されているため注意が必要です。一方、通常の食事から得られる範囲のビタミンC・亜鉛・たんぱく質・発酵食品は問題なく摂取できます。授乳中も基本的には同様ですが、カフェインを多く含む緑茶の飲み過ぎは控えめにするのが一般的な目安です。サプリメントで栄養素を補う場合は、成分表示を確認し、必ず産婦人科医・助産師に相談してから使用してください。

生活習慣病(糖尿病・高血圧・腎臓病等)がある方:糖尿病がある方は、はちみつや果物の摂りすぎによる血糖値の急上昇に注意が必要です。高血圧の方は、味噌汁や経口補水液の塩分量が気になる場合があります。腎臓病でカリウム制限がある方は、果物・野菜の種類や量について、市販の経口補水液やスポーツドリンクの成分表示を確認するか、かかりつけ医・管理栄養士に相談してください。持病がある方が体調を崩した際は、「いつもの食事量・水分量」から大きく外れていないかを目安に、変化が大きい場合は早めに受診することが大切です。

表4-2:サプリメント摂取時の注意点
栄養素 摂りすぎで起こりうること 注意したい人
ビタミンC 大量摂取で下痢・胃腸障害を起こすことがある 腎機能に不安がある方
亜鉛 過剰摂取で銅の吸収阻害、吐き気などの副作用の報告がある[6] 長期・高用量での自己判断摂取者
ビタミンD 脂溶性のため過剰摂取で高カルシウム血症のリスクがある サプリを複数併用している方
マグネシウム(一部の風邪対策サプリ) 下痢などの消化器症状 腎機能が低下している方

⚠️ サプリメントは「食事で不足しがちな分を補う」位置づけが基本です。複数のサプリメントを同時に摂取すると、特定の栄養素が重複して過剰になることがあるため、成分表示を確認し、持病がある方・妊娠中の方・お薬を服用中の方は自己判断で始めず、薬剤師・医師に相談してください[3]。

判断フレーム — 迷ったときの「もし〜なら」チェック

「食事を工夫して様子を見てよいか」「受診したほうがよいか」を、以下のフレームで整理してみてください。

  • もし喉のイガイガ程度で熱もなく、食欲もあるなら → 表1・表3を参考に、たんぱく質・ビタミンC・発酵食品を意識した食事を続けながら様子を見る。
  • もし発熱していて食欲がなく、水分もあまり摂れていないなら → 経口補水液を少量ずつこまめに摂り、半日以上ほとんど水分が摂れない場合は受診を検討する。
  • もし高熱が3日以上続く、呼吸が苦しい、意識がぼんやりしているなら → 食事の工夫より先に、様子を見ずに医療機関を受診する。
  • もし1歳未満の乳児の風邪症状で民間療法(はちみつ等)を検討しているなら → はちみつは使わず、まず小児科に相談する[10]。
  • もし「免疫力アップ」をうたうサプリメントの購入を検討しているなら → 消費者庁の注意喚起のとおり、誇大な広告表現がないか確認し、持病がある場合は薬剤師・医師に相談してから使う[4]。
  • もし離れて暮らす高齢の親が食欲不振で心配なら → 表4を一緒に確認し、たんぱく質源を1品加える工夫と、水分摂取量を電話で聞いてみる。
🚦 受診の目安・何科・費用の基準

🟢 様子を見てよいことが多い:喉のイガイガ・軽い鼻水程度で、食欲・水分摂取が保たれている、発熱があっても38度台前半で全身状態が良い場合。食事の工夫と休養を続けながら経過を見てよいことが多いとされます。

🟡 数日以内に受診を検討:発熱が2〜3日以上続く、食欲不振で水分・食事量が明らかに減っている、高齢者や基礎疾患のある方で普段と様子が違う場合。

🔴 早めに、または今すぐ受診を:高熱が続く、呼吸が苦しい・息切れがある、意識がもうろうとしている、水分がまったく摂れない、乳幼児でぐったりして反応が乏しい場合は、様子を見ずに医療機関(症状によっては救急)を受診してください。

何科を受診すればよいか:発熱・咽頭痛などの一般的な症状は内科・小児科(こどもの場合)が窓口です。インフルエンザの検査・治療薬の相談も内科・小児科で行えます。

費用の実際:風邪・インフルエンザの診察・検査・治療薬は、通常の保険診療の範囲内(3割負担が一般的)で行われます。インフルエンザ迅速検査や抗インフルエンザ薬には別途費用がかかる場合があります。正確な金額は受診する医療機関にご確認ください。市販薬の選び方や年齢別の注意点は風邪とインフルエンザの薬 完全ガイドで詳しく解説しています。

日常生活で試せること

もし流行期に入って何から始めればよいかわからないなら → まずは毎食のたんぱく質源を1品確保することから始める。

もし果物をあまり食べる習慣がないなら → 1日1個、みかんやキウイなど手軽に食べられる果物を常備しておく。

もし発熱時に何を食べさせればよいか迷うなら → 無理に固形物を勧めず、経口補水液とおかゆ・うどんなど消化にやさしいものを少量ずつ。

もしサプリメントで手軽に済ませたいなら → まずは食事からの摂取を優先し、サプリメントは食事で不足しがちな分を補う位置づけと考える[3]。

🌍 最新研究より — 「特効食材」への過度な期待に、正直な現状を

「これを食べれば絶対にかからない」という食材の宣伝を見かけることがありますが、国際的な学術レビューが示す実際のエビデンスは、まだ限定的な部分が多いというのが実情です。

①ビタミンCは「予防」ではなく「症状短縮」に近い効果:コクランのレビューでは、日常的なビタミンC摂取は風邪にかかる確率そのものはほとんど下げませんでしたが、すでに摂取を続けていた人が発症した場合の症状継続期間はやや短縮されました[5]。「かからなくなる」というより「かかっても軽く早く済む可能性がある」という、より正確な理解が必要です。

②亜鉛は「発症後早期」に限った限定的な効果:亜鉛のトローチ等は症状発現から24時間以内という早いタイミングでの使用に限り、症状継続期間の短縮が報告されていますが、コクランのレビュー自体が研究間のばらつきの大きさを指摘しており、特定の製剤・用量を強く推奨する段階ではありません[6]。

③「免疫力アップ」食品の広告表示には注意:消費者庁は、根拠が不十分なまま「免疫力が上がる」などとうたう健康食品の表示について、景品表示法上の問題として指摘・注意喚起を行ってきました[4]。特定の食材や商品を過信せず、食事全体のバランスと基本的な感染対策(手洗い・換気・十分な睡眠・ワクチン接種)を土台とする姿勢が大切です[1]。

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よくある質問

Q1: 風邪の予防に一番効果的な食材は何ですか?

A1: 「これ1つで確実に予防できる」という単一の食材はありません。厚生労働省のe-ヘルスネットや国際的なレビューが示すのは、たんぱく質・ビタミンC・ビタミンD・亜鉛・発酵食品をバランスよく日常的に摂ることの重要性です[1][5]。基本対策(手洗い・換気・睡眠・ワクチン)とあわせて、食事は土台の一つと考えてください。

Q2: ビタミンCのサプリを飲めば風邪をひかなくなりますか?

A2: コクランのシステマティックレビューによれば、健康な人が日常的にビタミンCを摂取していても、風邪にかかる確率そのものは大きく変わりません。ただし、日頃から摂取していた人が発症した場合、症状が続く期間がやや短縮される可能性が報告されています[5]。「発症後に慌てて飲み始めても同じ効果が得られる」という根拠は確認されていません。

Q3: しょうがやにんにくは本当に風邪に効きますか?

A3: しょうがには体を温める作用があるとされ、食欲がないときの食べやすさという点でも役立ちますが、「風邪・インフルエンザを予防する」ことを直接証明した質の高いヒト対象の臨床試験は、本記事で確認した範囲では十分ではありません。体を温め食欲を助ける食材として日常的に取り入れる、という位置づけで考えるのが実態に近いです。

Q4: 亜鉛のサプリはいつ飲むのが効果的ですか?

A4: コクランのレビューでは、症状が出てから24時間以内に亜鉛を摂取し始めた場合に、成人の症状継続期間が短縮する可能性が報告されています[6]。ただし研究間で結果にばらつきがあり、製剤の種類や用量によって副作用(吐き気等)の報告もあるため、自己判断での高用量摂取は避け、持病がある方は医師・薬剤師に相談してください。

Q5: 1歳未満の子どもに、はちみつしょうが湯をあげてもいいですか?

A5: いいえ。1歳未満の乳児にはちみつを与えると、乳児ボツリヌス症を発症するリスクがあるため、厚生労働省は1歳未満の乳児にはちみつを与えないよう注意喚起しています[10]。はちみつを使わない温かい飲み物や、月齢に合った離乳食で水分・栄養を補ってください。

Q6: 熱があるとき、何も食べたくない場合はどうすればいいですか?

A6: 無理に固形物を食べる必要はありません。まずは経口補水液や、みそ汁など塩分を含む温かい水分をこまめに少量ずつ摂ることを優先してください。半日以上ほとんど水分が摂れない場合や、ぐったりしている場合は、食事より先に医療機関への相談を検討してください。

Q7: 「免疫力アップ」と書かれたサプリメントは信用してよいですか?

A7: 商品によって根拠の強さは大きく異なります。消費者庁は、科学的根拠が不十分なまま「免疫力が上がる」などと誇大に表示する健康食品の広告について、繰り返し注意喚起を行っています[4]。パッケージの謳い文句だけで判断せず、まずは食事全体のバランスを見直すことを優先し、サプリメントを使う場合は持病・服薬状況を踏まえて薬剤師・医師に相談してください。

Q8: 高齢の親の食欲が落ちていて心配です。何を優先すればいいですか?

A8: 高齢者は知らないうちにたんぱく質不足(低栄養)に陥りやすく、これが感染症への抵抗力低下につながることがあります[2]。毎食、卵・豆腐・魚など少量でもたんぱく質源を1品加えることを意識し、噛みにくさ・飲み込みにくさがある場合はやわらかい食品を選んでください。食欲不振が長く続く場合や、体重減少がある場合は、早めにかかりつけ医に相談することをおすすめします。

Q9: にんにくを毎日たくさん食べれば風邪をひきにくくなりますか?

A9: にんにくに含まれるアリシンには抗菌作用を検討する研究がありますが、風邪の予防効果を直接証明した質の高いヒト対象の臨床試験は限られています。生のにんにくを大量に摂ると胃腸への刺激が強くなることもあるため、料理の香りづけとして1片程度を目安に、無理のない範囲で取り入れるのがよいでしょう。

Q10: 緑茶でうがいをすると予防効果がありますか?

A10: 緑茶に含まれるカテキンについては抗酸化作用などが研究されていますが、うがいによる風邪・インフルエンザ予防効果を確定的に示した質の高い根拠は、本記事で確認した範囲では十分ではありません。水道水などでのうがいや手洗いといった基本対策を優先しつつ、水分補給の一つとして緑茶を取り入れるとよいでしょう。

Q11: 糖尿病がある場合、風邪のときの食事で気をつけることはありますか?

A11: 発熱・食欲不振時ははちみつや果物などの糖分を含む食品で血糖値が変動しやすくなることがあります。また、体調不良時はインスリンや飲み薬の量の調整が必要になる場合があるため(いわゆる「シックデイ」対応)、自己判断で薬を中断・変更せず、事前にかかりつけ医から指示を受けておくか、体調不良時に速やかに相談してください。

Q12: サプリメントを複数同時に飲んでも大丈夫ですか?

A12: 複数のサプリメントを同時に摂取すると、ビタミンDや亜鉛など特定の栄養素が重複し、過剰摂取につながることがあります[6]。まずは食事からの摂取を基本とし、サプリメントを使う場合は成分表示を確認し、持病がある方や他の薬を服用中の方は薬剤師・医師に相談してから使用してください。

🖨️ 買い物・食事の工夫メモ(そのまま印刷してご利用ください)

【結論】風邪・インフルエンザ対策の食事は、特定の食材に頼るのではなく、たんぱく質・ビタミンC・ビタミンD・亜鉛・発酵食品をバランスよく日常的に摂ることが基本です[1]。基本対策(手洗い・換気・睡眠・ワクチン)と組み合わせて、無理なく続けられる範囲で取り入れてください。

買い物リストの参考にどうぞ。

  • □ たんぱく質源(肉・魚・卵・豆腐・納豆)を切らさない
  • □ 柑橘類・キウイなどビタミンCの多い果物を常備
  • □ 鮭・きのこ類などビタミンD源を週に数回
  • □ 発酵食品(納豆・味噌・ヨーグルト)を毎日どこかで1品
  • □ しょうが・ねぎなど体を温める食材を常備
  • □ 発熱時用に経口補水液を1〜2本ストック
  • □ 1歳未満の乳児にはちみつを使わないことを家族で共有
  • □ 高齢の家族には毎食たんぱく質源を1品確認する

食事だけに頼らない — 睡眠・運動・基本対策との組み合わせ

ここまで食材を中心に解説してきましたが、栄養は感染対策の一部にすぎません。厚生労働省は、感染症対策の基本として、手洗い・咳エチケット・十分な換気・ワクチン接種・適切な休養を挙げており、食事はこれらと組み合わせて初めて効果が期待できるものです[1]。睡眠不足が続くと、どれだけ栄養バランスに気をつけていても体の防御力は十分に発揮されにくくなります。忙しい時期こそ、「まず睡眠時間を確保したうえで、食事もできる範囲で整える」という優先順位を意識してください。適度な運動も全身の血流を改善し体温を保つ助けになりますが、体調が悪いときや発熱時の運動は逆効果になるため、休養を優先しましょう。

また、室内の湿度が低いと鼻や喉の粘膜が乾燥し、ウイルスが付着しやすくなるとされています。加湿器の使用や、こまめな水分補給は、食事による栄養摂取と並んで、粘膜のバリア機能を保つうえで実践しやすい工夫です。「今日は忙しくて栄養バランスが崩れてしまった」という日があっても、翌日以降で調整すれば十分です。完璧を目指すより、無理なく続けられる範囲で習慣化することが、長い流行期を乗り切るコツといえます。外食やコンビニ食が続く時期は、汁物を1品追加する、サラダやカット野菜を添える、デザートを果物に置き換えるといった小さな工夫だけでも、たんぱく質やビタミンCの摂取量を底上げできます。家族や職場で誰か一人が体調を崩した場合は、共有の食器やタオルを分けるなど、食事の場面での感染対策も合わせて意識してください。

最後に、この記事の内容とあわせて、インフルエンザそのものについて詳しく知りたい方はインフルエンザ総合ガイド、症状・原因から予防接種までさらに詳しく知りたい方はインフルエンザ完全ガイド(症状・原因・予防接種)もあわせてご覧ください。

最終更新日:2026年7月17日(JHO編集部が出典を再確認した日)

医療情報やガイドライン、公的資料は改定されることがあります。本記事の内容に誤りや古い情報があるとお気づきの際は、ぜひご連絡ください。JHO編集部が一次資料と照合のうえ、事実関係を確認して訂正・更新いたします。連絡先は運営者情報ページに記載しています。

参考文献

  1. 厚生労働省. e-ヘルスネット「感染症の予防」関連情報. https://kennet.mhlw.go.jp/(最終アクセス日:2026-07-17。旧URL www.e-healthnet.mhlw.go.jp は kennet.mhlw.go.jp へ移行済み) ↩

  2. 厚生労働省. e-ヘルスネット「たんぱく質」. https://kennet.mhlw.go.jp/information/food/protein(最終アクセス日:2026-07-17) ↩

  3. 国立健康・栄養研究所(現・国立健康危機管理研究機構). 「健康食品」の素材情報データベース「亜鉛」. https://hfnet.nibn.go.jp/mineral/detail672/(最終アクセス日:2026-07-17。旧URL hfnet.nibiohn.go.jp は hfnet.nibn.go.jp へ移行済み) ↩

  4. 消費者庁. 健康食品の表示等に関する注意喚起. https://www.caa.go.jp/(最終アクセス日:2026-07-17) ↩

  5. Hemilä H, Chalker E. Vitamin C for preventing and treating the common cold. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2013. https://www.cochrane.org/CD000980/ARI_vitamin-c-for-preventing-and-treating-the-common-cold(最終アクセス日:2026-07-17) ↩

  6. Singh M, Das RR. Zinc for the common cold. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2013(PubMed収載). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23775705/(最終アクセス日:2026-07-17) ↩

  7. Martineau AR, et al. Vitamin D supplementation to prevent acute respiratory tract infections: systematic review and meta-analysis of individual participant data. BMJ. 2017;356:i6583(PubMed収載). https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5310969/(最終アクセス日:2026-07-17) ↩

  8. Hao Q, et al. Probiotics for preventing acute upper respiratory tract infections. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2015. https://www.cochrane.org/CD006895/ARI_probiotics-preventing-acute-upper-respiratory-tract-infections(最終アクセス日:2026-07-17) ↩

  9. 農林水産省. 広報誌『aff』食材特集. https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/(最終アクセス日:2026-07-17) ↩

  10. 厚生労働省. 乳児ボツリヌス症とはちみつの注意喚起. https://www.mhlw.go.jp/(最終アクセス日:2026-07-17) ↩

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Trinh Van Dieu

Trinh Van Dieu

ITエンジニア(17年)・Japanese Health 運営者

ベトナム在住のITエンジニア。17年の技術経験を活かし、日本の公的医療機関の情報をAI技術で整理・発信しています。

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