学校で流行る感染症のすべて:症状・予防法から法律で決まった出席停止期間まで徹底解説
この記事でわかること
目次
- 学校感染症とは?出席停止という仕組みが起きる理由
- 出席停止期間の基準 — 学校保健安全法施行規則第19条
- 公的分類:第一種・第二種・第三種にはどんな感染症が含まれるか
- 出席停止期間の正しい数え方
- 学校感染症 早見表
- 学校感染症 完全ガイド(法的分類別)
- 第二種感染症:集団発生のリスクが高い病気
- その他の注意すべき感染症 — 法律で一律の日数が決まっていない病気
- 「出席停止」と「学級閉鎖・休校」の違い
- 「学校」と「保育所」で基準の性格が違う点に注意
- 予防接種(ワクチン)― 最も効果的な防御策
- プール・宿泊行事・修学旅行前後の注意点
- すぐに受診が必要なサイン(受診の目安)
- よくある質問
- 体調の記録をつけるメリット
- 感染予防の基本
- 重症化リスクが高い子ども・特に注意したいケース
- 学校・園への伝え方 — 連絡と復帰時のポイント
- なぜ「欠席」ではなく「出席停止」なのか
- 結論
- 参考文献
学校での出席停止は「学校保健安全法施行規則第19条」が定める公的なルールで、成績上の「欠席」にはなりません。インフルエンザは「発症後5日経過、かつ解熱後2日(幼児は3日)経過するまで」、新型コロナウイルス感染症は「発症後5日経過、かつ症状軽快後1日経過するまで」が法律上の基準です[2]。
この症状、いつ受診すべきか確認しますか?
回答に合わせて必要な質問だけを表示します。診断は行いません。
症状はいつから続いていますか?
回答により質問数が変わります・途中でいつでも記事に戻れます
感染症は「第一種」「第二種」「第三種」に分類され、種類ごとに出席停止の考え方が異なります。溶連菌感染症や手足口病のように法律で日数が決まっていない病気は、全身状態と医師の判断で登校・登園を決めます[6]。「何日休めばいいのか分からない」「学校に何と伝えればいいのか不安」という保護者の悩みは、この法令の構造と数え方さえ理解すれば大きく整理できます。以下、法令の条文と文部科学省・厚生労働省の公式解説だけを根拠に、疾患ごとの基準と数え方を整理します。
この記事の要点まとめ
- 出席停止の根拠は学校保健安全法施行規則第19条。国が定めた公的な制度であり、内申点等で不利になる「欠席」ではありません[3]。
- 第一種は「治癒するまで」、第二種(結核・髄膜炎菌性髄膜炎を除く)は疾患ごとに日数が定められ、結核・髄膜炎菌性髄膜炎・第三種は「医師が感染のおそれがないと認めるまで」です[2]。
- インフルエンザ「発症後5日+解熱後2日(幼児3日)」、麻しん「解熱後3日」、水痘「全ての発疹が痂皮化するまで」が代表的な基準です[2]。
- 溶連菌・手足口病・ヘルパンギーナ・RSウイルス感染症など「その他の感染症」に一律の日数はなく、全身状態で判断します[6]。
- 日数の数え方は「症状が始まった日・解熱した日」を0日目とし、その翌日を1日目として数えます[7]。
編集方針: この記事はJHO編集部がAIツールの支援を受けて作成し、学校保健安全法施行規則の条文(e-Gov法令検索)および文部科学省・厚生労働省・こども家庭庁・日本小児科学会の公式資料と照合したうえで公開しています。特定の医師・医療機関による個別の監修は行っておらず、医師による診断や治療方針の説明の代わりにはなりません。出席停止の基準は法令改正により変わることがあるため、最新の内容は本文中のリンク先で必ずご確認ください(2026年7月時点の情報)。
登校再開までのセルフチェック
① 該当する感染症の法的分類(第一種/第二種/第三種/その他)を下の早見表で確認する。
② 「発症日」または「解熱日」を0日目として、必要日数を指折り数える(数え方は本文「正しい数え方」参照)。
③ 麻しん・水痘・おたふくかぜなど登園許可証の提出を求める園・学校もあるため、事前に規定を確認する。
④ 判断に迷う場合は、自己判断せず学校医またはかかりつけ医に相談する。
感染症ごとの発熱対応や長引く症状の見極め方は、原因不明の発熱や長引く咳と鼻水の記事で詳しく整理しています。予防接種については、この記事で扱った定期接種に加えて子どものHPVワクチンや子どもの髄膜炎菌ワクチンも参考にしてください。小児科領域の全体像は小児科(子どもの病気)のハブページで確認できます。
学校感染症とは?出席停止という仕組みが起きる理由
学校生活における感染症の予防や、感染した際の出席停止のルールは、法律「学校保健安全法」とその「施行規則」によって定められています[3][2]。集団生活の場である学校では、1人の感染が短期間でクラス全体、さらには学年全体に広がるリスクがあります。国立感染症研究所(現・国立健康危機管理研究機構)は感染症発生動向調査(IDWR)を通じて、学校を含む集団生活の場での流行状況を継続的に把握しています[8]。出席停止は、感染した児童生徒本人の回復を優先しつつ、周囲への感染拡大を防ぐための公的な制度です。学校保健安全法に基づく出席停止は、欠席日数としてカウントされず、成績評価などで不利益を受けることはありません[3]。
出典:学校保健安全法施行規則 第18条・第19条(e-Gov法令検索)をもとにJHO編集部が作図
今の血圧・脈拍を確かめる
数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。
身長と体重からBMIも調べる
血圧手帳(この端末に保存)
これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
出席停止期間の基準 — 学校保健安全法施行規則第19条
文部科学省令である学校保健安全法施行規則は、感染症を第18条で「第一種」「第二種」「第三種」に分類し、第19条でそれぞれの出席停止期間の基準を定めています[1]。以下は同施行規則第19条の内容にもとづく基準です。
| 分類 | 出席停止の期間の基準 | 該当する主な感染症 |
|---|---|---|
| 第一種 | 治癒するまで | エボラ出血熱、ペスト、急性灰白髄炎、ジフテリアなど[1] |
| 第二種 (結核・髄膜炎菌性髄膜炎を除く) |
発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで | インフルエンザ(特定鳥インフルエンザ等を除く)[1] |
| 特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで | 百日咳[1] | |
| 解熱した後3日を経過するまで | 麻しん(はしか)[1] | |
| 耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで | 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)[1] | |
| 発しんが消失するまで | 風しん[1] | |
| すべての発しんが痂皮化するまで | 水痘(みずぼうそう)[1] | |
| 主要症状が消退した後2日を経過するまで | 咽頭結膜熱(プール熱)[1] | |
| 発症した後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで | 新型コロナウイルス感染症[1] | |
| 第三種/結核/髄膜炎菌性髄膜炎 | 病状により学校医その他の医師が感染のおそれがないと認めるまで | コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、結核、髄膜炎菌性髄膜炎など[1] |
出典:学校保健安全法施行規則 第18条・第19条(e-Gov法令検索、現行法令)[1]/文部科学省「学校において予防すべき感染症の解説」[2]
公的分類:第一種・第二種・第三種にはどんな感染症が含まれるか
学校保健安全法施行規則第18条は、学校において予防すべき感染症の種類を次のように定めています[1]。
- 第一種: 厚生労働省の解説によれば、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱、急性灰白髄炎(ポリオ)、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARSコロナウイルスによるもの)、中東呼吸器症候群(MERSコロナウイルスによるもの)、特定鳥インフルエンザ。感染力が極めて強く、日本国内での発生はまれです[1]。
- 第二種: 厚生労働省の解説によれば、インフルエンザ(特定鳥インフルエンザを除く)、百日咳、麻しん、流行性耳下腺炎、風しん、水痘、咽頭結膜熱、新型コロナウイルス感染症、結核、髄膜炎菌性髄膜炎。空気感染または飛沫感染し、児童生徒のり患が多く、学校で流行を広げる可能性が高い感染症です[1]。
- 第三種: 厚生労働省の解説によれば、コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、その他の感染症。学校教育活動を通じて、学校において流行を広げる可能性がある感染症として整理されています[1]。
なお、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に規定する新型インフルエンザ等感染症・指定感染症・新感染症は、学校保健安全法施行規則上、第一種の感染症とみなされます[1]。溶連菌感染症・手足口病・ヘルパンギーナ・RSウイルス感染症・感染性胃腸炎などは、この第18条の一覧には含まれない「その他の感染症」として、学校医の判断により個別に出席停止の措置がとられることがあります[6]。
出席停止期間の正しい数え方
保護者が最も混乱しやすいのが、出席停止期間の数え方です。文部科学省・こども家庭庁の解説では、「症状が始まった日」や「解熱した日」を0日目とカウントし、その翌日を1日目として数えるとされています[7]。
具体例:インフルエンザで小学生が月曜日に解熱した場合
- 月曜日(解熱した日) → 解熱0日目
- 火曜日 → 解熱後1日目
- 水曜日 → 解熱後2日目
小学生以上の基準「解熱した後2日を経過するまで」を満たすため、水曜日まで再発熱がなければ木曜日から登校可能です。この数え方は、「発症後〇日」を数える場合も同様です。なお、この考え方はあくまで一般的な整理であり、実際の登校再開日は学校・園の規定にもとづき最終確認してください。
学校感染症 早見表
主要な感染症について、法的分類・主な症状・出席停止の基準をまとめました。
| 疾患名 | 法的分類 | 主な症状 | 出席停止の基準(要約) |
|---|---|---|---|
| インフルエンザ | 第二種 | 38℃以上の高熱、咳、頭痛、関節痛、倦怠感 | 発症後5日経過、かつ解熱後2日(幼児は3日)経過するまで[1] |
| 新型コロナウイルス感染症 | 第二種 | 発熱、咳、喉の痛み、倦怠感 | 発症後5日経過、かつ症状軽快後1日経過するまで[1] |
| 麻しん(はしか) | 第二種 | 高熱、咳、鼻水、目の充血、特有の発疹 | 解熱後3日経過するまで[1] |
| 水痘(みずぼうそう) | 第二種 | かゆみを伴う全身の水疱性の発疹 | すべての発疹がかさぶたになるまで[1] |
| 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) | 第二種 | 耳下腺(耳の下)の腫れと痛み | 腫れが出てから5日経過し、全身状態が良好になるまで[1] |
| 咽頭結膜熱(プール熱) | 第二種 | 高熱、喉の痛み、目の充血 | 主な症状がなくなってから2日経過するまで[1] |
| 百日咳 | 第二種 | けいれん性の連続する咳(スタッカート・ウープ) | 特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬治療が終了するまで[1] |
| 溶連菌感染症 | その他 | 発熱、喉の強い痛み、いちご舌、体や手足の発疹 | 法律上の一律基準なし。抗菌薬投与で24時間以内に感染力はほぼ消失するとされる[6] |
| 手足口病 | その他 | 手のひら・足の裏・口の中の水疱性発疹 | 法律上の一律基準なし。全身状態が安定していれば登校可能とされる[6] |
| ヘルパンギーナ | その他 | 突然の高熱、口の中の奥にできる水疱 | 法律上の一律基準なし。全身状態が安定していれば登校可能とされる[6] |
| RSウイルス感染症 | その他 | 鼻水・咳から始まり、時に喘鳴を伴う呼吸困難 | 法律上の一律基準なし。症状が安定していれば登校可能とされる[6] |
| 感染性胃腸炎(ノロ・ロタ) | その他 | 嘔吐、下痢、腹痛、発熱 | 法律上の一律基準なし。嘔吐・下痢が治まり、普段の食事が摂れることが目安[6] |
学校感染症 完全ガイド(法的分類別)
第二種感染症:集団発生のリスクが高い病気
インフルエンザ
- どんな病気?: 厚生労働省の解説によれば、インフルエンザウイルスによる急性の呼吸器感染症で、冬に流行のピークを迎えます[6]。
- 主な症状: 厚生労働省の解説によれば、38℃以上の突然の高熱、頭痛、関節痛・筋肉痛、全身の倦怠感が特徴で、その後咳・鼻水・喉の痛みなどの呼吸器症状が続きます[6]。
- 潜伏期間と感染経路: 厚生労働省の解説によれば、潜伏期間は1〜4日(平均2日)です。感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染が主な経路です[6]。
- 【最重要】出席停止の基準: 文部科学省令の学校保健安全法施行規則第19条は「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあつては、三日)を経過するまで」と定めており、厚生労働省が公表する解説でも同じ基準が示されています[1][6]。小学生以上と未就学児で解熱後の日数が異なります。
- 予防法: 厚生労働省の解説によれば、毎年のワクチン接種が有効な予防策です[4]。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
麻しん(はしか)
- どんな病気?: 厚生労働省の解説によれば、麻しんウイルスによる感染症で、感染力が非常に強く、重篤な合併症を引き起こすことがあります[6]。
- 主な症状: 厚生労働省の解説によれば、38℃以上の高熱、咳、鼻水、目の充血が数日続いた後、一旦解熱傾向になり再び高熱とともに特有の発疹が出現します[6]。
- 潜伏期間と感染経路: 厚生労働省の解説によれば、潜伏期間は主に8〜12日(7〜18日)です。空気感染・飛沫感染で広がり、感染力が最も強いのは発疹が出る前の咳が始まった頃とされています[6]。
- 【最重要】出席停止の基準: 厚生労働省の解説によれば「解熱した後三日を経過するまで」です[1][6]。
- 予防法: 厚生労働省の解説によれば、MR(麻しん風しん混合)ワクチンの2回接種が、ほぼ唯一の確実な予防法です[4]。
水痘(みずぼうそう)
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
咽頭結膜熱(プール熱)
百日咳
その他の注意すべき感染症 — 法律で一律の日数が決まっていない病気
ここで扱う疾患は、学校保健安全法施行規則に一律の出席停止期間が定められていません。厚生労働省・日本小児科学会の解説は、各疾患の登校(園)基準として、子どもの全身状態が安定しているかどうかを軸に判断する考え方を示しています[6]。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)
- どんな病気?: 病原体はA群溶血性連鎖球菌で、主に喉に感染します。扁桃炎などの上気道感染症のほか、皮膚感染症、猩紅熱を起こすこともあります[6]。
- 潜伏期間と感染経路: 厚生労働省の解説によれば、潜伏期間は2〜5日(皮膚感染では7〜10日)。飛沫感染・接触感染で広がります[6]。
- 主な症状: 厚生労働省の解説によれば、発熱と咽頭痛、咽頭・扁桃の腫れ、リンパ節炎が主症状です。猩紅熱では舌が苺状に赤く腫れる「いちご舌」や全身の鮮紅色の発疹がみられます[6]。
- 合併症と注意点: 厚生労働省の解説によれば、治療が不十分だと、発症数週間後にリウマチ熱や急性糸球体腎炎を合併することがあります[6]。処方された抗菌薬は症状が改善しても最後まで飲み切ることが重要です。
- 登園・登校の目安: 厚生労働省の解説では「抗菌薬投与にて24時間以内に感染力は失せる」とされています[6]。法律上の一律の出席停止日数はなく、全身状態を踏まえて学校医・主治医が判断します。
手足口病・ヘルパンギーナ
- どんな病気?: 厚生労働省の解説によれば、いずれも主にコクサッキーウイルスなどエンテロウイルス属のウイルスによる夏風邪の一種で、夏季に流行のピークを迎えます[6]。
- 潜伏期間と感染経路: 厚生労働省の解説によれば、潜伏期間はいずれも3〜6日。糞口(経口)感染、飛沫感染、接触感染で広がります[6]。
- 主な症状: 厚生労働省の解説によれば、手足口病は口腔粘膜と手足末端に水疱性の発疹が出ます。発熱は軽度で、多くは1〜3日で解熱します。ヘルパンギーナは突然の高熱(39℃以上)と、喉の奥にできる水疱・潰瘍が特徴です[6]。
- 登園・登校の目安: 厚生労働省の解説は「流行の阻止を狙っての登校(園)停止は有効性が低く、またウイルス排出期間が長いことからも現実的ではない」としたうえで、本人の全身状態が安定している場合は登校(園)可能という考え方を示しています(手足口病では、解熱後1日以上経過が保育所ガイドラインの記載として紹介されています)[6]。症状が治まった後も、呼吸器からは1〜2週間、便からは数週間〜数か月にわたりウイルスが排出され続けるため、長期の欠席は求められていません[6]。
RSウイルス感染症
- どんな病気?: 厚生労働省の解説によれば、RSウイルスによる呼吸器感染症で、乳幼児では細気管支炎や肺炎に進展し重症化しやすいことで知られます。
- 潜伏期間と感染経路: 厚生労働省の解説によれば、潜伏期間は2〜8日。主に飛沫感染で広がります[6]。
- 主な症状: 厚生労働省の解説によれば、鼻水・咳といった風邪様の症状から始まり、次第に咳がひどくなって「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴を伴う呼吸困難を起こすことがあります。
- 登園・登校の目安: 厚生労働省の解説では、感染期間の目安を「症状が安定した後」までとしています[6]。生後6か月未満の乳児や心臓・肺に基礎疾患のある子ども、早産児は重症化リスクが高いため、医師による慎重な判断が必要です。
感染性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルスなど)
- どんな病気?: 厚生労働省の解説によれば、主にロタウイルス・ノロウイルスが原因で起こる腸管感染症で、冬季から春先にかけて流行することが多いです[6]。
- 潜伏期間と感染経路: 厚生労働省の解説によれば、ロタウイルスは1〜3日、ノロウイルスは12〜48時間。糞口(経口)感染、接触感染、飛沫感染で広がり、乾燥した吐物からの空気感染も起こり得ます[6]。
- 主な症状: 厚生労働省の解説によれば、嘔吐と下痢が主症状で、多くは2〜7日で回復しますが、脱水やまれにけいれん・脳症を合併することがあります[6]。
- 登園・登校の目安: 厚生労働省の解説では「症状のある間が主なウイルスの排泄期間なので、下痢・嘔吐症状が消失した後、全身状態のよい者は登校可能」とされています[6]。症状消失後も便中に3週間以上ウイルスが排出されることがあるため、再開後も排便後の手洗いを徹底することが重要です[6]。ノロウイルスは速乾性のアルコール消毒が効きにくいため、流水と石鹸での手洗いが基本です[6]。
- 予防法: 厚生労働省の解説によれば、ロタウイルスには定期接種のワクチンがあります[4]。
「出席停止」と「学級閉鎖・休校」の違い
混同されやすい制度に「学級閉鎖」「学年閉鎖」「休校(臨時休業)」があります。出席停止は個々の児童生徒を対象に校長が行う措置であるのに対し、学級閉鎖・学年閉鎖・休校は、同一の学級・学年・学校全体で欠席者や罹患者が一定の割合を超えるなど、感染拡大のおそれが大きいと学校の設置者が判断した場合に、集団単位で授業を停止する措置です[3]。インフルエンザの流行期などに「学級閉鎖のお知らせ」が配布されるのはこの制度によるものです。出席停止中の児童生徒が在籍する学級で学級閉鎖が重なることもありますが、両者は法的根拠も判断主体も異なる、別々の制度である点を押さえておくと、学校からの連絡内容を正しく理解しやすくなります。
「学校」と「保育所」で基準の性格が違う点に注意
| 項目 | 学校(幼稚園・小中高等学校) | 保育所(保育園) |
|---|---|---|
| 根拠 | 学校保健安全法施行規則第18条・第19条 — 文部科学省令という法的拘束力のある基準[1] | こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」 — 各施設が準拠する指針(ガイドライン)[9] |
| 日数の決め方 | 第二種感染症は疾患ごとに具体的な日数が省令に明記[1] | ガイドラインが目安を示しつつ、最終判断は各保育所・嘱託医に委ねられる部分がある[9] |
同じ「出席停止」という言葉でも、学校は文部科学省令という法律に基づく基準、保育所はガイドラインに沿った運用という違いがあります。きょうだいが学校と保育所に別々に通っている家庭では、この違いが「なぜ上の子と下の子で言われる日数が違うのか」という戸惑いの一因になることがあります。
予防接種(ワクチン)― 最も効果的な防御策
手洗いや換気も重要ですが、個々の感染症に対する最も効果的な防御策は予防接種です。厚生労働省が公表する予防接種スケジュールを確認しておきましょう[4]。日本の予防接種法に基づく「定期接種」は、対象年齢になれば公費で受けられます。母子健康手帳を確認し、接種漏れがないかかかりつけ医と相談しましょう。
| 予防する疾患名 | 関連ワクチン | 接種区分 | 標準的な接種時期 |
|---|---|---|---|
| ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ | 5種混合(DPT-IPV-Hib) | 定期 | 生後2か月から開始。追加接種あり[4] |
| 麻しん・風しん | MRワクチン | 定期 | 計2回(1期:1歳、2期:小学校入学前の1年間)[4] |
| 水痘(みずぼうそう) | 水痘ワクチン | 定期 | 計2回接種(1歳代に2回)[4] |
| ロタウイルス胃腸炎 | ロタウイルスワクチン | 定期 | 生後2か月から開始(経口)[4] |
| インフルエンザ | インフルエンザワクチン | 任意 | 毎年1〜2回接種(生後6か月から推奨)[4] |
| 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) | おたふくかぜワクチン | 任意 | 2回接種が推奨されています(1歳、小学校入学前など)[4] |
登校再開の相談時に持参するメモ
・発症日/解熱した日:__月__日
・現在の症状(熱・咳・発疹・食欲など):______
・処方された薬と服用状況:______
・園・学校から求められている書類(治癒証明書/罹患報告書の有無):______
・確認したいこと(登校再開日、プール可否、兄弟姉妹の扱いなど):______
個々の子どもの重症度判定や、学校・園ごとの登園許可証の要否については、今回参照した法令・公的資料には一般化した記載が見当たらないため、必ず在籍する学校・園および主治医に個別に確認してください。
プール・宿泊行事・修学旅行前後の注意点
咽頭結膜熱(プール熱)や流行性角結膜炎のように、水を介して感染が広がりやすい感染症は、プールの授業や水泳教室のシーズンに注意が必要です。出席停止基準を満たしていても、しばらくは目やにや充血が完全に治まっていないことがあるため、学校のプール参加基準(多くは学校医・養護教諭の判断)を別途確認しておくと安心です。また、宿泊行事や修学旅行の直前・最中に感染症が疑われる症状が出た場合は、通常の登校可否とは別に、集団行動としての参加可否を学校・引率教員と早めに相談することが推奨されます。行事の延期・振替の可否は学校ごとの規定によるため、症状が出た時点でできるだけ早く連絡することが望ましいです。
すぐに受診が必要なサイン(受診の目安)
次のような場合は、様子を見ずに医療機関を受診してください
- 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応が乏しい
- 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴を伴う強い呼吸困難がある
- けいれんが5分以上続く、または短時間に繰り返す
- 水分がまったく摂れず、尿量が明らかに減っている(脱水が疑われる)
- 高熱が3日以上続く、または一度下がった熱が再び上がる
よくある質問
兄弟が感染症にかかりました。元気な子は登園・登校できますか?
登園・登校の再開に「治癒証明書」や「登園許可証」は必要ですか?
とびひ(伝染性膿痂疹)や水いぼ(伝染性軟属腫)は休む必要がありますか?
濃厚接触者の扱いはどうなっていますか?
出席停止期間の数え方で「発症日」はいつを指しますか?
保育園と小学校で出席停止の基準は違いますか?
インフルエンザの「幼児は3日」とは何歳までを指しますか?
出席停止中の授業の遅れはどう扱われますか?
体調の記録をつけるメリット
発症日・解熱日・症状の経過を簡単にメモしておくと、出席停止期間の数え方で迷ったときや、学校・園への説明、受診時の問診で役立ちます。記録する項目の例は次のとおりです。
- 症状が始まった日付と時刻(発熱・発疹・咳など、最初に気づいた症状)
- 体温の推移(朝・昼・夜など、1日数回の記録があると解熱日の判断がしやすくなります)
- 受診日と診断名、処方された薬とその開始日
- 解熱した日付(解熱剤を使用せず熱が下がった状態を指すことが多い点に注意)
- きょうだいや家族内での症状の有無
特に「解熱後〇日」を基準とする感染症では、解熱剤の効果が切れたタイミングで再び発熱していないかを複数回確認することが、数え方を誤らないための実務的なポイントです。
感染予防の基本
感染予防の基本は、正しい手洗い、咳エチケット、環境整備(清掃・換気)の3つです。石鹸と流水で指の間・爪・手首まで20秒以上かけて洗うことが推奨されます。咳やくしゃみの際はティッシュや肘の内側で口・鼻を覆いましょう。室内の換気は、1〜2時間に一度、対角線上の2か所の窓を数分開けて空気の流れを作ることが効果的とされています。ドアノブや手すりなど高頻度接触面の清掃・消毒も感染リスクの低減に役立ちます。
重症化リスクが高い子ども・特に注意したいケース
同じ感染症でも、子どもの年齢や基礎疾患の有無によって重症化のリスクは異なります。以下のようなお子さんは、出席停止基準を満たしているかどうかにかかわらず、症状が出た時点で早めに医療機関へ相談することが望ましいとされています。
- 生後6か月未満の乳児: 厚生労働省の解説によれば、免疫が未成熟なため、RSウイルス感染症や百日咳などで呼吸器症状が急速に悪化することがあります[6]。
- 心臓・肺に基礎疾患がある子ども、早産児: RSウイルス感染症などで細気管支炎・肺炎が重症化しやすい傾向が報告されています[6]。
- 予防接種が未完了の子ども: 厚生労働省の解説によれば、麻しん・水痘・百日咳など、ワクチンで防げる感染症にかかった場合、合併症のリスクが相対的に高くなる可能性があります。
- 免疫抑制状態にある子ども: 厚生労働省の解説によれば、治療中の疾患により免疫が低下している場合は、集団生活への復帰時期についてかかりつけ医と個別に相談することが重要です。
これらに該当しない場合でも、水分が摂れない、ぐったりして反応が乏しいなど「すぐに受診が必要なサイン」(後述)が見られたら、出席停止期間の途中であっても速やかに受診してください。
学校・園への伝え方 — 連絡と復帰時のポイント
感染症にかかったら、まず学校・園に病名(診断名)と発症日・症状の経過を連絡します。多くの学校・園では、欠席連絡の際に「いつから」「どんな症状か」「受診したかどうか」を尋ねられます。診断名がまだ分からない場合は、症状(発熱・発疹・嘔吐など)を具体的に伝えれば、後日診断名が判明した時点で伝え直しても問題ありません。復帰の際は、学校・園ごとに定められた書式(登校届・登園届など)の要否を事前に確認しておくと、当日の手続きがスムーズになります。判断に迷う場合は、自己判断で復帰させず、学校医・かかりつけ医に相談することが基本です。
なぜ「欠席」ではなく「出席停止」なのか
保護者の中には「休ませる」という行為そのものへの心理的な負担を感じる方も少なくありません。しかし、学校保健安全法に基づく出席停止は、本人の意思や家庭の都合による欠席とは法的な位置づけが異なります。学校長(校長)が法律の規定にもとづいて出席を停止させる措置であり、児童生徒・保護者側の「休むかどうかの判断」ではなく、学校側が担う制度上の対応です[3]。そのため、内申点や皆勤賞の扱いにおいても、欠席とは異なる整理がなされるのが一般的です。ただし、皆勤賞のような学校独自の制度における具体的な扱いは学校ごとに異なるため、気になる場合は直接確認することをおすすめします。
結論
お子さんが学校で感染症にかかることは、集団生活を送るうえで避けがたい側面があります。保護者が学校保健安全法という公的なルールを正しく理解し、疾患ごとの基準を知っておくことで、慌てずに対応できます。出席停止はペナルティではなく、子どもの回復と集団の安全を守るための制度です。日々の予防策を徹底しつつ、判断に迷う場合はかかりつけ医・学校医に相談してください。
更新日:2026年7月19日
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本記事は情報提供を目的としたものであり、専門的な医学的アドバイスに代わるものではありません。健康に関する懸念や、お子さまの治療方針に関する決定を下す前には、必ず学校医・かかりつけ医にご相談ください。
参考文献
- 学校保健安全法施行規則(昭和三十三年文部省令第十八号、令和五年文部科学省令第二十二号による改正、令和5年5月8日施行)第18条・第19条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/333M50000080018
- 文部科学省. 学校において予防すべき感染症の解説〈令和5年度改訂〉. https://www.mext.go.jp/content/20230427-mxt_ope01-000004520_2.pdf
- 学校保健安全法(昭和三十三年法律第五十六号). e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000056
- 厚生労働省. 予防接種スケジュール(健康・医療 予防接種・ワクチン情報). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html
- 厚生労働省(日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会 監修). 学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説. https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002q4hg-att/2r9852000002q4lb.pdf
- こども家庭庁. (3)学校における感染症対策(保育所における感染症対策ガイドライン関連資料). https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/1fa64474-22c1-4eae-8945-c9ad7e515db8/84bda1f3/20230401_councils_hoiku-kansen-gl_050426_04.pdf
- 国立感染症研究所感染症疫学センター. 感染症発生動向調査(IDWR). https://idsc.niid.go.jp/idwr/
- こども家庭庁. 保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版、2023年一部改訂). https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e4b817c9-5282-4ccc-b0d5-ce15d7b5018c/c60bb9fc/20230720_policies_hoiku_25.pdf
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