【便秘で出ない】つらい排便を少しでも楽にするための原因と今すぐできる対策
この記事でわかること
目次
- Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について
- 要点まとめ
- 第1部:便秘の基本と日常生活の見直し
- 1.1. 便秘の基本的なメカニズムと「普通の便通」とは?
- 1.2. 便秘を悪化させてしまうNG習慣と、今日からできる見直し
- 第2部:身体の内部要因 — 腸の働き・ホルモン・薬の影響
- 2.1. 【特に女性】ライフステージとホルモンバランスの変化
- 2.2. 薬や病気による便秘 — 隠れた原因をチェック
- 第3部:専門的な診断が必要な便秘の病気
- 3.1. 慢性便秘症と機能性便秘
- 3.2. 大腸がんなど、見逃したくない便秘のサイン
- 第4部:今日から始める便秘改善アクションプラン
- 第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?
- 5.1. 受診を検討すべき危険なサイン
- 5.2. 症状に応じた診療科の選び方
- 5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安
- よくある質問
- 結論:この記事から持ち帰ってほしいこと
- この記事の編集体制と情報の取り扱いについて
- 参考文献
「お腹が張って苦しいのに、トイレに行ってもなかなか出ない」「いきむと痛くて、トイレの時間がどんどん長くなる」——便秘によるつらい排便は、多くの人が一度は経験する悩みです。人には相談しづらく、我慢しているうちに、仕事や家事、育児にも影響してしまうことがあります。
この症状、いつ受診すべきか確認しますか?
回答に合わせて必要な質問だけを表示します。診断は行いません。
症状はいつから続いていますか?
回答により質問数が変わります・途中でいつでも記事に戻れます
日本消化管学会の便通異常症診療ガイドラインでは、便秘は「本来排泄すべき便が大腸内に滞ることで、硬い便や排便回数の減少、強いいきみ、残便感などを認める状態」と定義されています23。一時的な便秘であっても、放置すると痔や裂肛、生活の質(QOL)の低下につながることが知られています34。
一方で、生活習慣やトイレの姿勢を少し工夫するだけで、「今日・明日の排便を少しでも楽にする」ことは十分に期待できます。また、中長期的には、食物繊維や水分、身体活動量を見直すことで、便秘そのものが起こりにくい体調を目指すことも可能です157。
この記事では、日本のガイドラインや公的な情報、国内外の研究データをもとに、便秘で排便しづらいときにできる具体的なセルフケアから、長く続く便秘で注意したい病気、医療機関を受診すべきサインまで、段階的にわかりやすく解説します。ご自身やご家族の状況と照らし合わせながら、できるところから少しずつ取り入れてみてください。
Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について
Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。厚生労働省のe-ヘルスネットや日本消化管学会による「便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症」などの公的資料、査読付き論文をもとに、便秘に関する情報を整理しています123457。
本記事の内容は、以下のような一次情報源に基づいて、JHO編集部がAIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています。
- 厚生労働省・公的研究機関:e-ヘルスネットの解説や各種統計資料など、日本人向けの公式情報を優先して参照しています1。
- 日本の専門学会ガイドライン:日本消化管学会による「便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症」や、その解説論文をもとに、便秘の定義・分類・診断基準・治療方針を整理しています23。
- 国内外の疫学・介入研究:日本人での便秘の実態調査(REACTION-J)や、運動・食物繊維・水分摂取と便秘の関係を検討した研究を参照し、生活習慣の改善ポイントを紹介しています457。
AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証しています。
私たちの運営ポリシーや編集プロセスの詳細は、運営者情報(JapaneseHealth.org)をご覧ください。
要点まとめ
- 便秘は「本来排泄すべき便が大腸に滞り、硬い便・排便回数の減少・強いいきみ・残便感などが続く状態」と定義され、慢性化すると生活の質や生命予後にも影響しうるとされています23。
- 短期的に排便を楽にする工夫として、温かい飲み物をとる、朝食後にトイレの時間を確保する、足台を使って「しゃがむ姿勢」に近づける、腹部や会陰部をやさしくマッサージするなどがあります。
- 食物繊維と水分を意識的に増やし、ウォーキングなど中等度以上の身体活動を続けることは、便秘の予防・改善に重要であると報告されています157。
- 市販の下剤や浣腸は一時的なサポートとして役立つことがありますが、漫然と自己判断で使い続けると、腸の働きに影響するおそれがあるため、使用頻度や期間には注意が必要です23。
- 血便や体重減少、吐き気と激しい腹痛を伴う便秘、急に便が細くなったなどの「危険なサイン」がある場合は、早めに消化器内科などを受診し、大腸がんなど器質的な病気がないか確認することが大切です23。
- 3か月以上続く慢性的な便秘や、生活習慣を整えても改善しない便秘は、自己流で我慢せず、医療機関に相談することで、原因に応じた治療や生活指導を受けられます。
「何日も出ていないけれど、病院に行くほどなのか分からない」「トイレでいきむのがつらいが、周りに相談しづらい」と感じている方は少なくありません。まずは、生活習慣やトイレの環境など、身近な要因から整理してみることが、便秘対策の第一歩になります。
この記事では、温かい飲み物やトイレの姿勢を変えるといった今すぐ試せる工夫から、食事・運動・睡眠リズムの見直し、薬や病気が背景にある場合の考え方、慢性的な便秘に対する医療機関の治療まで、段階的に解説します。
必要に応じて、関連する総合ガイドや、詳細解説記事など、JHO内の関連記事に自然な文脈で橋渡しを行います。
読み進めることで、「自分の便秘は生活習慣で様子をみてもよいのか」「どのタイミングで、どの診療科に相談したほうがよいのか」が具体的にイメージできるようになることを目指しています。
今の血圧・脈拍を確かめる
数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。
身長と体重からBMIも調べる
血圧手帳(この端末に保存)
これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
第1部:便秘の基本と日常生活の見直し
便秘というと「毎日出ないこと」と思われがちですが、実際には、排便回数だけでなく、便の硬さや残便感など、さまざまな要素が関わっています23。まずは、腸の基本的な仕組みと、日常生活の中で便秘を悪化させやすい習慣を整理してみましょう。
1.1. 便秘の基本的なメカニズムと「普通の便通」とは?
食べたものは胃や小腸で栄養分が吸収されたあと、大腸に送られます。大腸ではゆっくりと水分が吸収され、残ったものが便として固まっていきます。大腸がリズムよく動き、直腸まで便が運ばれ、肛門周囲の筋肉がうまくゆるむことで、スムーズな排便が起こります。
日本消化管学会のガイドラインでは、便秘の状態を「大腸内の便が適切に直腸まで運ばれない」「直腸内の便をうまく排泄できない」の2つに分けて説明しています3。前者は大腸の動きが弱い、後者は肛門の筋肉や骨盤底のトラブルなどが背景にあることが多いとされています。
排便回数については、「1日3回〜3日に1回程度」が一般的な目安とされますが、これはあくまで目安であり、「自分にとってのふだんのリズムから大きく変わっていないか」「出たあとにスッキリ感があるか」が重要です23。例えば、以前は毎日朝に出ていたのに、数か月前から3日に1回になり、しかも硬くて痛い——という場合は、便秘として対応を考えたほうがよい状態と言えます。
また、日本人を対象としたインターネット調査では、約半分の人が「自分は便秘だと思う」と回答し、その背景として加齢や女性であること、糖尿病や痔などの病気が関係していると報告されています4。便秘は珍しいものではなく、多くの人が悩んでいる「よくある体のサイン」と捉えて、対策を進めていきましょう。
1.2. 便秘を悪化させてしまうNG習慣と、今日からできる見直し
ガイドラインや各種研究では、便秘を悪化させる生活習慣として、以下のようなポイントが挙げられています1247。
- 水分不足:飲み物が少ないと便の水分も減り、硬くなって出にくくなります。心臓病などで医師から制限されていない場合、食事以外に1日1.5〜2Lを目安に、こまめな水分補給を心がけましょう。
- 食物繊維の不足:野菜・果物・海藻・きのこ・豆類などに含まれる食物繊維は、便のかさを増やし、腸の動きを刺激して便秘の予防に役立ちます1。日本人は食物繊維が不足しがちと言われているため、毎食少しずつ増やしていくことが大切です。
- 排便欲求の「我慢」:仕事中や外出先で「あとで行けばいいか」とトイレを我慢することが続くと、脳と腸の「トイレのサイン」が鈍くなり、ますます便秘になりやすくなります2。
- 身体活動の不足:座りっぱなしの生活は、大腸の動きも鈍くなりやすいことが、システマティックレビューなどで報告されています5。特別な運動でなくても、1日20〜30分のウォーキングから始めるだけでも意味があります。
- 極端なダイエットや朝食抜き:食事量が少なすぎると、便そのものの量が減ってしまい、排便の刺激が弱くなります。特に朝食は大腸を動かす大切なスイッチとされているため、少量でも何か口にすることが推奨されます。
- 刺激性下剤の自己判断での長期使用:医師の指示なく、刺激性の市販下剤を長期間・頻回に使用し続けると、腸の動きがかえって弱くなるおそれが指摘されています23。
「全部を一度に変える」のではなく、「まずは水分量を意識して増やす」「朝、トイレに座る時間を5分だけ確保する」といった小さな一歩から始めることが、現実的で長続きしやすい方法です。
| こんな症状・状況はありませんか? | 考えられる主な背景・原因カテゴリ |
|---|---|
| ここ数か月、3日以上出ないことが増え、出てもコロコロと硬い便が多い | 食物繊維・水分不足、大腸の動きの低下、排便習慣の乱れ など |
| 仕事中や外出先で便意を我慢することが多く、自宅でもなかなか便意がこない | 排便欲求の抑制による「トイレのサイン」の鈍化、ストレス など |
| 1日の大半を座って過ごし、運動らしい運動はほとんどしていない | 身体活動不足による大腸運動の低下、筋力低下 など |
| 市販の刺激性下剤を「出ないときの保険」として頻繁に使用している | 腸の習慣的な過度刺激による自然な排便リズムの乱れ |
第2部:身体の内部要因 — 腸の働き・ホルモン・薬の影響
生活習慣を見直してもなかなか改善しない便秘の背景には、腸そのものの動き方や、ホルモン、服用している薬、持病など、身体の内部要因が関わっていることがあります。ここでは、特に女性のライフステージや薬の影響など、日本人に多いパターンについて整理します。
2.1. 【特に女性】ライフステージとホルモンバランスの変化
女性は、月経周期・妊娠・出産・更年期など、ライフステージごとにホルモンバランスが大きく変化します。この変化が腸の動きに影響し、便秘を起こしやすくすることが知られています23。
- 月経前〜月経中:黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で、大腸の動きがややゆっくりになり、便秘やむくみが出やすくなることがあります。
- 妊娠中:ホルモンの影響に加え、子宮が大きくなることで腸が圧迫され、便の通り道が狭くなります。つわりで食事や水分が減ることも重なり、妊娠中の便秘は非常に多い悩みです。
- 産後:会陰部の痛みや帝王切開の傷の痛みを恐れていきむのを避けてしまい、便秘になることがあります。また、睡眠不足や授乳による水分不足も影響します。
- 更年期以降:女性ホルモンの減少や筋力低下、活動量の低下などが重なり、慢性便秘症として長く続くケースが増えます3。
女性特有の背景がある場合、「自分だけがだらしないから」「食事が悪いから」と責める必要はありません。体の仕組みによる面もあるので、ライフステージに応じた対策(産婦人科やかかりつけ医への相談を含む)を検討することが大切です。
2.2. 薬や病気による便秘 — 隠れた原因をチェック
便通異常症診療ガイドラインでは、慢性便秘症の背景として、薬剤性便秘症や症候性便秘症(糖尿病・甲状腺機能低下症など)、大腸がんなどの器質的疾患が挙げられています3。
- 薬による便秘:鎮痛薬(オピオイド系)、三環系抗うつ薬、抗精神病薬、カルシウム拮抗薬(高血圧の薬)、鉄剤、カルシウム製剤などは、便秘を起こしやすい薬として知られています23。
- 内分泌・代謝の病気:甲状腺機能低下症、糖尿病、電解質異常(特にカリウム不足)などは、大腸の動きを鈍くし、慢性的な便秘として現れることがあります。
- 神経・筋疾患:脳血管障害(脳梗塞など)やパーキンソン病、脊髄疾患などでは、腸を動かす神経の情報伝達がうまくいかず、便秘になりやすくなります。
- 器質的な原因:大腸がんやポリープ、炎症性腸疾患、狭窄(腸管が狭くなっている状態)などがあると、便の通り道が物理的に細くなり、便秘や細い便、血便などを引き起こします3。
「急に便秘がひどくなった」「最近便が細くなった」「血が混じる」「体重が意図せず減っている」といった変化がある場合は、生活習慣だけで判断せず、早めに消化器内科などで検査を受けることが重要です。特に40〜50代以降は、大腸がん検診の機会も活用しましょう。
第3部:専門的な診断が必要な便秘の病気
生活習慣を整えても改善しない便秘、長期にわたって生活の質を下げてしまう便秘の中には、「慢性便秘症」や過敏性腸症候群(IBS)など、専門的な診断と治療が必要な病気が隠れていることがあります23。
3.1. 慢性便秘症と機能性便秘
ガイドラインでは、「慢性便秘症」を「慢性的に続く便秘のために日常生活や身体に様々な支障をきたし得る病態」と定義し、Rome IV基準に基づく診断基準が示されています23。簡単に言うと、以下のような特徴が一定期間以上続く場合、「慢性便秘症」として治療の対象になります。
- 排便の半分以上で、強いいきみが必要になる
- コロコロとしたウサギの糞のような便、もしくは非常に硬い便が多い
- 出し切れていない感じ(残便感)がよくある
- 肛門周囲が詰まっているような感じがある
- 手でお腹を押したり、肛門周囲を押さないと出しにくい
- 週に3回未満しか排便がない
これらのうち複数が、数か月単位で続き、日常生活に支障をきたしている場合は、自己流の対処だけで我慢するよりも、早めに医療機関で相談することが推奨されています23。
専門医のもとでは、問診に加え、生活習慣や薬、既往歴の確認、必要に応じて血液検査や大腸内視鏡検査などを行い、「機能性(腸の動き方や感受性の問題)なのか」「器質的(腸の形や狭さの問題)なのか」を見極めたうえで、薬物療法や生活指導が行われます。
3.2. 大腸がんなど、見逃したくない便秘のサイン
すべての便秘が大腸がんにつながるわけではありませんが、便秘の背景に大腸がんなどの器質的な病気が隠れている場合があります。以下のような「赤信号」がある場合は、早めに医療機関を受診し、必要な検査を受けることが重要です23。
- 急に便秘がひどくなった、または排便習慣が大きく変わった(例:数週間〜数か月の間に、毎日出ていたのが週1回程度になった)
- 便が以前より明らかに細くなった、鉛筆のような形が続く
- 黒い便や、鮮やかな赤い血が便に混ざる、トイレットペーパーに何度も血が付く
- 原因不明の体重減少や食欲低下が続く
- 強い腹痛や嘔吐を伴う便秘(腸閉塞などの可能性)
- 貧血を指摘されたり、だるさが続くのに、便秘・血便などの症状もある
特に、40歳以上で大腸がん検診をまだ受けていない方、家族に大腸がんの方がいる場合は、こうしたサインを見逃さないことが大切です。救急レベルの強い腹痛や嘔吐、発熱を伴う場合は、ためらわずに救急外来や救急相談窓口に連絡し、必要に応じて119番通報も検討してください。
第4部:今日から始める便秘改善アクションプラン
原因が何であれ、「今この瞬間からできること」「今週から意識したいこと」「数か月かけて整えていきたいこと」を分けて考えると、行動に移しやすくなります。ここでは、短期的に排便を楽にするコツと、中長期的に便秘になりにくい体づくりのポイントを、ステップごとに整理します。
| ステップ | アクション | 具体例 |
|---|---|---|
| Level 1:今夜〜明日からできること | 腸を「動かしやすい状態」に整える | ・朝起きたらコップ1杯の常温〜やや温かい水やお茶を飲む ・朝食後10〜15分、スマホを持たずにトイレに座る「排便タイム」を作る ・足元に20cmほどの台を置き、上半身を少し前に倒して「しゃがむ姿勢」に近づける ・おへそ周りを時計回りにやさしくマッサージする |
| Level 2:今週から始める生活習慣の見直し | 食物繊維・水分・身体活動を少しずつ増やす | ・毎食「野菜・海藻・きのこ・豆類」のどれかを一品追加する ・水分を1日1.5〜2Lを目標に、こまめに分けて飲む(医師から制限がある場合は指示を優先) ・エレベーターの代わりに階段を使う、1日20〜30分の速歩きを週3〜5日行う57 |
| Level 3:1〜3か月かけて整える習慣 | 自分の便通リズムを把握し、必要に応じて医療機関へ | ・「いつ・どんな便が出たか」「何を食べたか」「ストレス状況」を簡単なメモに残す ・3か月以上便秘が続く、または市販薬が手放せない場合は、メモを持参して内科・消化器内科で相談する23 ・医師の指示のもと、新しいタイプの便秘薬や腸管運動改善薬などの治療も含めて検討する |
特に「Level 1」の工夫は、今まで便秘対策を意識してこなかった方でも取り入れやすいものばかりです。温かい飲み物は胃腸の動きを促し、朝食後のトイレタイムは大腸の反射を利用して排便を起こしやすくします。足台を使った姿勢は、直腸と肛門の角度を排便しやすい形に近づける効果が期待されています。
一方で、浣腸や坐薬は「どうしても出なくてつらい」ときに一時的な助けになることがありますが、自己判断で頻繁に使用するのではなく、目安や頻度について医師や薬剤師に相談しながら利用することが安心です23。
第5部:専門家への相談 — いつ・どこで・どのように?
便秘は「よくある悩み」だからこそ、「病院に行くほどではない」と我慢してしまいがちです。しかし、長く続く便秘や危険なサインを伴う便秘は、早めの受診が安心につながります。この章では、受診の目安や診療科の選び方、診察時に準備しておくと役立つ情報について解説します。
5.1. 受診を検討すべき危険なサイン
- 便秘が急に悪化し、強い腹痛・嘔吐・発熱を伴う(腸閉塞などの可能性)
- 黒いタール状の便、または鮮やかな赤い血が便やトイレットペーパーによく付く
- 最近、便が鉛筆のように細くなった状態が続く
- 原因不明の体重減少(数か月で数kg以上)や食欲低下が続いている
- 3か月以上続く便秘で、生活習慣の見直しや市販薬でも改善しない
- 貧血を指摘された、または強いだるさが続き、便秘や血便もある
これらに当てはまる場合は、自己判断で様子を見続けるのではなく、できるだけ早く医療機関に相談してください。特に、激しい腹痛・嘔吐・発熱を伴う場合は緊急性が高いことがあるため、地域の救急相談窓口や119番への連絡も検討してください。
5.2. 症状に応じた診療科の選び方
- まず相談しやすいのは「かかりつけの内科・消化器内科」:便秘の多くはここで評価・治療が可能です。必要に応じて大腸内視鏡検査や専門医への紹介が行われます。
- 女性で月経や妊娠が関係していそうな場合:産婦人科と併せて相談することで、ホルモンや妊娠経過を踏まえた対応が期待できます。
- 子どもの便秘:小児科で相談し、成長や発達も含めて評価してもらうと安心です。
- 心の不調と便秘・下痢をくり返す場合:うつ病や不安障害などが背景にあることもあるため、精神科・心療内科と消化器内科が連携して診るケースもあります。
どの診療科に行けばよいか迷った場合は、まずかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門科へ紹介してもらうとスムーズです。
5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安
- 便通日誌:「いつ・どんな便が出たか」「どれくらいいきんだか」「お腹の痛みはあったか」などを、1〜2週間分メモしておくと診断の助けになります。
- お薬手帳:便秘を悪化させる可能性のある薬が含まれていないか、医師が確認できます。
- 健康診断の結果:貧血や糖尿病、甲状腺機能など、背景にある病気が推測しやすくなります。
- 費用の目安:日本の公的医療保険(自己負担3割の場合)では、初診料・再診料に加え、必要な血液検査やX線検査、大腸内視鏡検査などの費用がかかります。検査内容によって変動するため、事前に医療機関の窓口に問い合わせておくと安心です。
恥ずかしさから相談を先延ばしにしてしまう方も少なくありませんが、医療者にとって便秘の相談はごく一般的なものです。「どこが一番つらいのか」「何を一番心配しているのか」を簡単にメモして持参すると、限られた診察時間でも話しやすくなります。
よくある質問
Q1: 毎日出ないと便秘なのでしょうか?
A1: 一般的には「1日3回〜3日に1回程度」が目安とされますが、それより回数が少なくても、本人にとって苦痛がなく、便が出たあとのスッキリ感があれば、必ずしも病的とは限りません23。一方で、以前は毎日出ていたのに、数か月前から3〜4日に1回になり、コロコロと硬い便や強いいきみが続く場合は、便秘として対策を考えたほうがよい状態です。
Q2: 何日くらい出なかったら病院に行くべきですか?
A2: 目安として、3日以上全く出ない状態が続き、お腹の張りや痛みが強い、吐き気があるなどの場合は、早めに医療機関に相談したほうが安心です23。特に、急に便秘がひどくなった、便が細くなった、血便がある、体重が減っているなどのサインがあれば、日数にかかわらず受診を検討してください。
Q3: 妊娠中でも市販の便秘薬を飲んでも大丈夫でしょうか?
A3: 妊娠中は便秘になりやすく、市販薬に頼りたくなることもありますが、自己判断での服用はおすすめできません。妊娠中に比較的安全とされる薬もありますが、妊娠週数や他の薬との飲み合わせによって選び方が変わります2。まずは産婦人科やかかりつけ医に相談し、妊娠中でも使用可能な薬や、生活習慣の工夫についてアドバイスを受けてください。
Q4: 浣腸や坐薬をよく使っています。クセになってしまいますか?
A4: 浣腸や坐薬は、一時的に便を柔らかくしたり、肛門周囲を刺激することで排便を助ける方法です。短期間・限定的な使用であれば有用ですが、頻繁に頼り続けると、自力での排便がしづらくなるおそれが指摘されています23。週に何回までにとどめるか、どのタイミングで医療機関に相談するかなど、具体的な目安については、医師や薬剤師と相談しながら使うことをおすすめします。
Q5: 食物繊維のサプリだけ増やせば、便秘はよくなりますか?
A5: 食物繊維は便秘予防に重要ですが17、サプリだけに頼るのではなく、食事全体のバランス(水分・脂質・たんぱく質など)や身体活動も合わせて見直すことが大切です。また、サプリで食物繊維を過剰に摂りすぎると、ミネラルの吸収に影響する可能性も指摘されているため1、パッケージの用量を守りつつ、野菜・果物・海藻・きのこ・豆類などの「本来の食材」から摂ることを基本にしましょう。
Q6: 子どもが便秘でトイレに行くのを嫌がります。どうしたらいいですか?
A6: 子どもの場合、「トイレで痛い思いをした経験」があると、我慢して悪循環になることがよくあります。まずは、便を柔らかくするために水分・食物繊維を整えつつ、排便に成功したときに褒める、トイレの雰囲気を明るくするなど、心理的なサポートも大切です。硬い便や血便が続く場合、また数日以上出ない状態が続く場合は、小児科で相談し、必要に応じて薬物療法や生活指導を受けましょう。
Q7: 高齢の家族がほとんど動けず、便秘で苦しんでいます。運動以外にできることはありますか?
A7: 高齢者では筋力低下や持病、薬の影響など、複数の要因が重なって便秘になりやすくなります34。歩行が難しい場合でも、ベッド上で足首を動かす・膝を曲げ伸ばしするなどの軽い体操や、介護者がサポートする腹部マッサージなどは、一部の研究で便通改善に役立つ可能性が示されています57。ただし、心臓や骨の病気がある場合は、どの程度まで動いてよいかを医師に確認しながら行ってください。
Q8: ストレスが強いときに便秘と下痢をくり返します。何科を受診すればよいですか?
A8: 強いストレスや不安、不規則な生活リズムが続くと、「過敏性腸症候群(IBS)」という病態として、便秘と下痢をくり返すことがあります13。まずは消化器内科で器質的な病気(大腸がんなど)がないか確認してもらい、そのうえで、心療内科や精神科と連携しながらストレスマネジメントや薬物療法を行うケースもあります。ストレスが背景にある便通トラブルは決して珍しくないため、一人で抱え込まずに相談してみましょう。
結論:この記事から持ち帰ってほしいこと
便秘は、「恥ずかしいから」「我慢すればそのうち出るから」と後回しにされやすい悩みですが、生活の質を大きく下げるだけでなく、長期的には健康リスクとも関係することが分かってきています34。一方で、温かい飲み物やトイレの姿勢、食物繊維・水分・身体活動の見直しなど、今日からできる小さな工夫だけでも、排便を少し楽にすることは十分に期待できます157。
大切なのは、「自分だけがだめなのではない」「多くの人が同じように悩んでいる」という事実を知り、無理のない範囲で生活習慣を整えつつ、必要なときには医療機関に相談することです。特に、3か月以上続く慢性的な便秘や、血便・体重減少・強い腹痛などのサインがある便秘は、自己判断で様子を見続けるのではなく、早めに受診して原因を確認しましょう。
本記事が、あなたやご家族の便秘との向き合い方を少しでも楽にし、「こうすればよいかもしれない」という具体的な一歩を見つけるきっかけになれば幸いです。
この記事の編集体制と情報の取り扱いについて
Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。
本記事の原稿は、最新のAI技術を活用して下調べと構成案を作成したうえで、JHO編集部が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断はすべてJHO編集部が行っています。
ただし、本サイトの情報はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療の決定を直接行うものではありません。気になる症状がある場合や、治療の変更を検討される際は、必ず医師などの医療専門家にご相談ください。
記事内容に誤りや古い情報が含まれている可能性にお気づきの場合は、お手数ですが運営者情報ページ記載の連絡先までお知らせください。事実関係を確認のうえ、必要な訂正・更新を行います。
参考文献
-
厚生労働省. 食物繊維(しょくもつせんい). e-ヘルスネット. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-016.html(最終アクセス日:2025-11-26)
-
日本消化管学会 便通異常症診療ガイドライン作成委員会. 便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症. Mindsガイドラインライブラリ. https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00812/(最終アクセス日:2025-11-26)
-
伊原栄吉, 田中義将, 荻野治栄. 便通異常症診療ガイドライン2023(慢性便秘症・慢性下痢症). 日本内科学会雑誌. 2024;113(10):1948-1954. https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/113/10/113_1948/_pdf/-char/ja(最終アクセス日:2025-11-26)
-
春日井邦夫ほか. Internet surveyによる日本の一般生活者の便秘に関する実態調査;REACTION-J(Research for Actual Situation of Constipation in the Japanese). 日本消化器病学会雑誌. 2019;116(11):913-924. https://www.jstage.jst.go.jp/article/nisshoshi/116/11/116_913/_article/-char/ja/(最終アクセス日:2025-11-26)
-
Cui J, et al. Physical activity and constipation: a systematic review of observational studies. 2024. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11583288/(最終アクセス日:2025-11-26)
-
Safarvanadeh M, et al. Fluid intake, fiber consumption, and physical activity related to constipation among elderly, which one is more important? A cross-sectional study in Iran. Nordic and Alpine Journal of Food, Nutrition and Research. 2025. https://najfnr.com/home/article/view/653/355(最終アクセス日:2025-11-26)
-
厚生労働省. 食物繊維の必要性と健康. e-ヘルスネット. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food-summaries/e-05.html(最終アクセス日:2025-11-26)
-
厚生労働省. 過敏性腸症候群[各種疾患 – 医療者]. eJIM. 2025. https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/overseas/c05/16.html(最終アクセス日:2025-11-26)
この記事について(運営者情報・免責事項) タップで表示
医療情報に関する重要なお知らせ
本記事はAI技術を活用し、厚生労働省・WHO等の公的医療機関の情報に基づいて作成されています。医療専門家による個別の監修は受けておりません。健康上の判断や治療については、必ず医師にご相談ください。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。
