女性の痔|原因・症状から治療まで。妊娠・産後の悩みも解決
この記事でわかること
目次
- 痔とは?女性が知っておくべき基本
- 痔核はなぜできる?仕組みをもう少し詳しく
- なぜ女性は痔になりやすいのか?
- 痔の初期症状:見逃さないためのチェックリスト
- 【最重要】妊娠中・産後の痔の悩みと安全なケア
- 妊娠中の有病率と予測因子
- 妊娠中の安全な治療法:科学的根拠に基づく選択
- 保存的治療の中身をもう少し具体的に
- 産後の痔はいつ治る?データが示す希望
- 痔の治療法:日本の診療ガイドラインと世界の最新研究
- ステップ1:保存的治療(自宅でできること)
- ステップ2:日本の標準治療(診療ガイドラインに基づく解説)
- ステップ3:世界の最新治療(低侵襲手術の進歩)
- 専門医への相談:いつ、どこへ行くべきか
- 日本ではどれくらいの人が治療を受けている?
- 危険なサイン:すぐに病院へ
- 緊急ではないが受診を検討すべき目安
- よくある質問
- 結論
- 参考文献
痔は多くの人が経験しうる疾患ですが、女性にとっては妊娠や出産といったライフステージの変化に伴い、より身近な悩みになることがあります。デリケートな部位の問題のため、誰にも相談できず一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。本記事は、日本大腸肛門病学会のガイドラインやPMDA添付文書、PubMed収載の査読論文・Cochraneレビューなど、公的機関・学術文献に基づき、女性の痔について原因・初期症状の見分け方、妊娠中・産後のセルフケア、日本の標準治療から海外の低侵襲治療の研究動向までを整理しました。
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女性の痔(じ)は、いぼ痔(痔核)と切れ痔(裂肛)が中心で、妊娠・出産・慢性便秘が主な引き金です。妊娠中の女性の約45%が痔・裂肛を経験したとする研究があり、日本大腸肛門病学会のガイドラインではGoligher分類に基づき保存的治療からALTA療法・手術まで段階的に治療方針が示されています[1][2]。
妊娠中・授乳中は使える薬や治療法が限られるため自己判断は禁物です。黒っぽい血や出血が続く場合は大腸の病気との鑑別が必要になるため、早めに肛門科・消化器外科・産婦人科へ相談してください(ガイドライン)[1]。
要点まとめ
〈編集方針〉JHO編集部がAIツールの支援を受けつつ、日本大腸肛門病学会のガイドライン、PMDA添付文書、PubMed収載の査読論文・Cochraneレビューと照合して作成しました。特定の医師・医療機関による監修ではありません。数値・治療方針はガイドライン改定により変わることがあります(2026年7月30日時点の公開情報に基づく)。
- 出血の色は鮮やかな赤色か、それとも黒っぽい/暗赤色か
- 肛門の外に出てきたものが指で押すと戻るか、戻らないか(Goligher分類の目安[1])
- 妊娠中・授乳中か、市販薬をすでに使っているか
- 症状が数日〜1週間以上続いていないか
痔とは?女性が知っておくべき基本
痔とは、肛門周辺の血管がうっ血して腫れたり、皮膚が切れたりする疾患の総称です。日本大腸肛門病学会のガイドラインでは、主な臨床症状として出血・疼痛・脱出・腫脹・瘙痒感・粘液漏出があげられています[1]。本記事では、特に女性に多く見られる「いぼ痔(痔核)」と「切れ痔(裂肛)」を中心に解説します。
- いぼ痔(痔核): 最も一般的なタイプで、直腸の内側にできる「内痔核」と、肛門の外側にできる「外痔核」に分けられます。
- 切れ痔(裂肛): 硬い便の通過などによって肛門の皮膚が切れる状態で、排便時に強い痛みを伴うのが特徴です。
- 痔ろう(あな痔): 肛門周りの組織に細菌が感染して膿がたまり、皮膚までトンネルができる状態で、手術が必要になることがほとんどです。
本記事のタイトルカード(JHO編集部が作成。データや図表は含まれておらず、統計の出典は本文および参考文献[1]をご参照ください)
海外の疫学研究では、症状からみた痔核の有病率は4.4〜13.3%、肛門鏡検査でみた有病率は21.6〜55%と報告されており、有病率に男女差はなく、45〜65歳の年齢層に最も多いとされています[1]。リスク因子としては慢性便秘・重い物を扱う職業・長時間の坐業・食物繊維不足のほか、「妊娠、出産、慢性下痢などを契機に痔核を発症することもある」とガイドラインは明記しています[1]。
| 指標 | 報告された数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 症状からみた有病率(海外疫学研究) | 4.4〜13.3% | 症状の有無で評価[1] |
| 肛門鏡検査でみた有病率 | 21.6〜55% | 無症状の痔核も含む[1] |
| 最も多い年齢層 | 45〜65歳 | 男女差はないと報告[1] |
| 妊娠中に痔・裂肛を経験した割合 | 約45% | 2024年のCureus誌の研究[2] |
出典:日本大腸肛門病学会「肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)・直腸脱診療ガイドライン2020年版」[1]/Boughton RS, et al. Cureus. 2024[2]
痔核はなぜできる?仕組みをもう少し詳しく
痔核の病因には諸説ありますが、ガイドラインは「支持組織の減弱」説を最も支持しています。肛門には血管・弾性結合織・平滑筋線維からなる「肛門クッション」という組織があり、これを支える組織が加齢や妊娠などの負荷で弱くなると、クッションがずれて腫れ・出血を起こしやすくなると考えられています[1]。また、痔核のある人は肛門の締まり(静止圧)が高い傾向があるとする研究もあり、締まりが強い肛門ほど、脱出した痔核が締めつけられてうっ血し、出血や浮腫が生じやすいと考えられています[1]。かつては「静脈のうっ滞(静脈還流阻害)」が主因とする説も有力でしたが、その後の研究では否定的な見方が多くなっています[1]。つまり「痔=単なる血流のうっ滞」という単純な説明は、現在の医学的理解としてはやや古い、ということになります。
なぜ女性は痔になりやすいのか?
ライフステージ特有の危険因子:妊娠・出産
妊娠と出産は、女性が痔を発症する大きな危険因子です(ガイドライン)[1]。
- 腹圧の上昇: 子宮が大きくなると腹部の内圧が上昇し、肛門周辺の静脈が圧迫されてうっ血しやすくなります(研究)[4]。
- ホルモンの影響: 妊娠はガイドラインが挙げる痔核発症のリスク因子の一つで、ホルモン変化による腸の動きの低下も便秘を招きやすくすると考えられています(ガイドライン)[1]。
- 出産時のいきみ: 分娩時の強いいきみは肛門に強い圧力をかけ、既存の痔を悪化させたり新たに発症させたりする一因になります(研究)[4]。
便秘と生活習慣の影響
便秘は、特に切れ痔の大きな引き金です。硬い便が肛門を通過する際に皮膚を傷つけ、裂肛を引き起こします。ガイドラインは、重い物を扱う職業・長時間の坐業・食物繊維の摂取不足を痔核発症のリスク因子として挙げています[1]。
今の血圧・脈拍を確かめる
数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。
身長と体重からBMIも調べる
血圧手帳(この端末に保存)
これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
痔の初期症状:見逃さないためのチェックリスト
ガイドラインが示す主な臨床症状は、出血・疼痛・脱出・腫脹・瘙痒感・粘液漏出です[1]。以下に心当たりがないか確認してみましょう。
- 出血: 排便時にトイレットペーパーに血が付着する、便器が赤くなるなど。多くは排便時に鮮やかな赤色でみられます[1]。
- 痛み: 急性の血栓性外痔核などで、発症から数日は比較的強い持続的な痛みが生じ、次第に軽減します(ガイドライン)[1]。
- かゆみ: 便や粘液による皮膚への刺激でかゆみが生じることがあります(ガイドライン)[1]。
- 腫れ・脱出: 排便時や運動時、重い物を持ったときなどに、いぼ状のものが肛門の外に出てくる感じがあります(ガイドライン)[1]。
すぐに受診が必要なサイン
痔による出血は肛門近くから起こるため鮮やかな赤色(鮮血)であることが多いのが特徴です。一方、ガイドラインは「暗赤色の出血、粘血液、便潜血陽性、貧血、持続的な出血症状がみられる場合は下部消化管精査による大腸病変の鑑別が必要である」と明記しています[1]。便の色がいつもと違う、出血が続く、貧血症状を伴う場合は自己判断せず、速やかに医師の診察を受けてください。
【最重要】妊娠中・産後の痔の悩みと安全なケア
妊娠中や産後は、多くの女性が痔の悩みに直面する時期です。正しい知識を持つことで、安全に対処し不安を軽減できます。
妊娠中の有病率と予測因子
痔と裂肛(HAF)は妊婦にとって一般的な問題です。医学誌「Cureus」に2024年に掲載された研究によると、調査対象の妊婦の45%がHAFの症状を経験していました。この研究では、35歳以上の女性はそれ以下の年齢の女性に比べてHAFを発症するリスクが著しく高いことも示されています[2]。
妊娠中の安全な治療法:科学的根拠に基づく選択
妊娠中の治療は胎児への影響を考慮し、安全性が最優先されます。第一選択は薬を使わない「保存的治療」です[4]。
- 食事療法: 水分と食物繊維を十分に摂り、便を柔らかく保ちます(ガイドライン)[1]。
- 温める: ぬるめの湯での入浴や坐浴で肛門周辺の血行を良くすると、痛みの緩和に有効とされています(ガイドライン)[1]。
- 生活習慣: 長時間の座位や体の冷えを避け、適度な運動を心がけます(ガイドライン)[1]。
薬の使用には慎重な判断が必要です。妊娠中の痔治療薬に関する文献では、多くの局所薬(塗り薬・坐薬)は妊娠中の安全性データが限られていると指摘されています(研究)[4]。実際に、代表的な処方薬「ボラザG軟膏」(トリベノシド・リドカイン配合)のPMDA添付文書には次のように記載されています。
「9.5 妊婦:妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。9.6 授乳婦:治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。」[8]
つまり、市販薬・処方薬いずれも自己判断での使用は避け、必ず産婦人科医やかかりつけ医に相談し、有益性とリスクを個別に判断してもらう必要があります。日本の診療ガイドラインでは、硬化療法の一つであるALTA療法(ジオン注射)について「禁忌は妊婦・授乳婦…である」と明記されており、妊娠中・授乳中の女性には使用できません[1]。
保存的治療の中身をもう少し具体的に
妊娠中・産後の痔に対する保存的治療は、水分・食物繊維を意識した食事、便意を我慢しない排便習慣、坐浴や短時間の入浴による血行改善、長時間の座位や立位を避けることなどが中心です(ガイドライン)[1]。一方、「オキセルチン(ルトシド)」のような静脈強化薬を内服する治療については、Cochraneの系統的レビュー(2005年)が妊娠中・産褥期の症候性痔核を対象にオーラルルトシドとプラセボを比較した研究を検証しましたが、対象研究はわずか2件・150名にとどまり、「安全性データが不十分なため、新たな証拠が得られるまで妊婦への使用は推奨されない」と結論づけています[7]。つまり、内服の血行改善薬についても「妊娠中だから安全」と決めつけず、必ず処方医に相談することが必要です。授乳中も服薬については特に慎重な判断が必要になるため、産後に痔の症状が続く場合も、自己判断で薬を選ぶ前に、出産した産科・産婦人科または肛門科に相談することが勧められます。
産後の痔はいつ治る?データが示す希望
出産を終えた後も痔の症状に悩む方は少なくありません。前述のCureus誌の研究では、産後の症状経過について次のようなデータが示されました[2]。
- 症状が出た患者の45%は、産後数日以内に改善しました。
- 27%は、数週間以内に改善しました。
- 残りの28%も、数ヶ月以内には改善が見られました。
このデータは、産後の痔の多くが体の回復とともに自然に軽快していくことを示唆しています。一方で、Cochraneの系統的レビュー(2020年)は、痔核・会陰切開部の痛み・妊娠ホルモンの作用・妊娠中の鉄剤などを産後便秘のリスク因子として挙げつつ、「産後便秘を予防するための下剤の有効性と安全性について一般的な結論を出すには証拠が不十分である」と結論づけています[9]。つまり、産後に市販の下剤・整腸剤を自己判断で使い続けることの安全性は確立しておらず、便秘が続く場合は自己判断で薬に頼らず医師・助産師に相談するのが安全です。
痔の治療法:日本の診療ガイドラインと世界の最新研究
痔の治療は症状の程度や種類に応じて、セルフケアから専門的な医療まで様々な選択肢があります。
ステップ1:保存的治療(自宅でできること)
症状が軽度な場合の基本は生活習慣の改善です。ガイドラインは「十分な水分量の摂取と食物繊維の摂取を勧める、アルコールの過剰摂取にも注意する」とし、温坐浴や長時間の座位・体の冷えを避けることを生活指導として挙げています[1]。
ステップ2:日本の標準治療(診療ガイドラインに基づく解説)
保存的治療で改善しない場合や症状が進行している場合は、医療機関での治療が必要になります。日本の治療は日本大腸肛門病学会(JSCP)の診療ガイドラインに基づいて行われます[1]。
Goligher分類という基準と治療選択
内痔核の進行度は、脱出の程度によって「Goligher分類」でI度からIV度に分けられ、治療法選択の基準として世界的に汎用されています[1]。
| 分類 | 状態 | 主な治療法(JSCPガイドライン準拠) |
|---|---|---|
| I度 | 出血はあるが、脱出はない。 | 保存的治療、薬物療法 |
| II度 | 排便時に脱出するが、自然に戻る。 | 保存的治療、ALTA療法、ゴム輪結紮術 |
| III度 | 脱出し、指で押さないと戻らない。 | ALTA療法、結紮切除術 |
| IV度 | 常に脱出したままで、戻すことができない。 | 結紮切除術(手術) |
出典:日本大腸肛門病学会「肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)・直腸脱診療ガイドライン2020年版」(Goligher分類)[1]
ALTA療法(ジオン注射)
内痔核に直接薬剤を注射し、痔核を硬化・縮小させる治療法です。「切らない治療」として知られ、入院期間が短い、あるいは日帰り治療が可能で術後の痛みが少ないのが利点です。適応はGoligher分類II〜IV度の内痔核で、外痔核には無効とされています(ガイドライン)[1]。前述のとおり、妊婦・授乳婦・透析中の腎不全患者には禁忌です(ガイドライン)[1]。
結紮切除術
痔核を根元で縛って切除する従来からの手術方法です。進行したIII度・IV度の痔核やALTA療法が適さない場合などに行われ、根治性が高い「標準手術」とされています。一方で術後の痛みが他の治療法より強い傾向があり、一定期間の入院が必要になる場合があります(ガイドライン)[1]。
ステップ3:世界の最新治療(低侵襲手術の進歩)
レーザー痔核形成術(LH)
痔核にレーザーファイバーを挿入し、内側から照射して焼灼・縮小させる治療法です。2025年に発表された研究動向の総説によると、LHは従来の結紮切除術と比較して手術時間が短く、出血量が少なく、術後の痛みが著しく低いことが示されています。12ヶ月後の再発率は同等レベルとされ、患者負担を軽減する可能性が期待されています[3]。
その他の先進的治療法
硬化剤を泡状にして使う「ポリドカノールフォーム硬化療法」や、痔核へ栄養を送る動脈を塞ぐ「塞栓術(Emborrhoid technique)」なども研究されていますが、これらはまだ評価段階にあり、さらなる研究が必要とされています[3]。
治療法を選ぶときに知っておきたい考え方
国際的なレビューでは、痔核の治療方針は「症状の重さ」「Goligher分類による脱出の程度」「患者本人の希望(切らずに済ませたいか、根治性を優先するか)」の3つを軸に決めるべきだと整理されています[5]。日本のガイドラインが示すGoligher分類ごとの標準治療はあくまで「目安」であり、同じII度でも症状の強さや生活への支障度によって、保存的治療のまま様子を見るか、ALTA療法に進むかは主治医との相談で決まります。「分類上はII度だから必ずこの治療」と機械的に決まるものではない、という点は知っておくとよいでしょう(ガイドライン)[1](研究)[5]。
| 項目 | 日本(JSCPガイドライン2020) | 国際的な研究動向 |
|---|---|---|
| 低侵襲レーザー治療 | ガイドライン本文では標準治療として結紮切除術・ALTA療法を中心に記載[1] | 2025年の総説はレーザー痔核形成術(LH)が出血量・術後痛の面で従来手術より優れる可能性を報告[3] |
| 妊娠中の痔治療薬の安全性 | ALTA療法は妊婦・授乳婦に禁忌と明記[1] | 局所薬全般について妊娠中の安全性データが限定的と指摘する文献がある[4] |
両者を並べると、日本のガイドラインは妊婦・授乳婦への禁忌を明確に定める一方、低侵襲の新しい術式については海外の総説のほうが踏み込んで評価している、という違いが見えてきます。どちらが優れているという単純な話ではなく、日本で治療を受ける場合は主治医が「日本のガイドラインでは何が標準か」を踏まえて説明してくれるかを確認するとよいでしょう。
| 適用時期 | 年収の目安 | 計算式 | 100万円の場合 |
|---|---|---|---|
| ~2026年7月診療分 現行 | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 87,430円 |
| 2026年8月診療分から 見直し後(第1段階) | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 85,800円+1%(PDF原文の表記) | 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small> |
| + 年間上限 53万円(新設) | |||
※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は
厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF)
|JHO確認日:2026-07-16
- 症状(出血・痛み・かゆみ・脱出)がいつから続いているか
- 出血の色(鮮やかな赤/黒っぽい・暗赤色)
- 妊娠中・授乳中かどうか、妊娠週数
- すでに使っている市販薬・処方薬の名前
- 医師に聞きたいこと(治療の選択肢、妊娠中でも使える薬はあるか、など)
専門医への相談:いつ、どこへ行くべきか
多くの女性が「恥ずかしい」「怖い」といった理由で肛門科の受診をためらいがちです。しかし、適切な診断と治療を受けることが早期回復への確実な道です。
日本ではどれくらいの人が治療を受けている?
日本の医療保険レセプトデータ(NDBオープンデータ)を分析した研究では、痔核に関連する診療の傾向が報告されています[6]。海外の疫学研究による有病率(症状ベースで4.4〜13.3%、肛門鏡検査ベースで21.6〜55%)と合わせて考えると[1]、痔は「まれな病気」ではなく、多くの人が経験しながらも受診をためらいがちな疾患だと分かります。恥ずかしさから受診が遅れることが、症状の慢性化や、本来なら早期に見つかるはずの他疾患の見逃しにつながるリスクもあります。
危険なサイン:すぐに病院へ
以下の症状がある場合は自己判断せず、速やかに専門医(肛門外科、肛門科、消化器外科など)を受診してください(ガイドライン)[1]。
- 出血が止まらない、または量が多い
- 我慢できないほどの激しい痛みがある
- 便に黒っぽい血が混じる(前述のとおり)
- 貧血の症状(めまい、動悸、だるさ)を伴う
特に、痔の症状は大腸がんなど他の重篤な疾患と紛らわしい場合があります。ガイドラインが指摘するとおり、暗赤色の出血や便潜血陽性、持続的な出血がある場合は下部消化管の精査(大腸内視鏡検査など)による鑑別が必要です[1]。専門医による正確な診断は、こうした重篤な疾患を見逃さないためにも重要です。
緊急ではないが受診を検討すべき目安
出血や激しい痛みなどの危険なサインがなくても、市販薬によるセルフケアを続けているのに改善しない場合は、自己判断でだらだらと使い続けるのは避けるべきです。国内で広く使われている痔疾用市販薬(ボラギノールA軟膏)の添付文書には、「10日間位使用しても症状がよくならない場合は使用を中止し、この文書を持って医師または薬剤師に相談すること」と明記されています[10]。つまり、目安として市販薬を10日程度使っても症状の改善が感じられない場合は、それ以上の自己判断でのセルフケア継続をやめ、専門医または薬剤師に相談するのが安全な目安です。妊娠中・授乳中の方は、この目安を待たずにセルフケアを始める前の時点で産婦人科医に相談することが望まれます。
妊娠中・授乳中に「どの市販薬なら絶対に安全か」を一律に断定できる公的資料は、今回参照した範囲では見つかりませんでした。PMDAの添付文書も「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用」という個別判断を求める表現にとどまっており、本記事も同様に、最終判断は必ず主治医・産婦人科医に確認することをお勧めします。
よくある質問
Q1: 産後の痔はいつ治りますか?自然に治ることもありますか?
Q3: 授乳中でも痔の薬を使えますか?
Q4: 痔の出血と大腸がんの出血はどう見分けますか?
Q5: ALTA療法(ジオン注射)とはどんな治療ですか?
Q6: 痔は自然に治りますか?受診の目安は?
Q8: 産後の便秘に市販の下剤を使い続けても大丈夫ですか?
結論
女性の痔は、ライフステージの変化と密接に関連した、非常によくある悩みです。しかし、それは決して「恥ずかしいこと」や「我慢するしかないこと」ではありません。原因を正しく理解し、妊娠・産後の悩みも解決できる正しいセルフケアと受診のタイミングを知ることが、回復への近道です。原因は科学的に解明されており、セルフケアから日本のガイドラインに基づく治療、さらに海外の低侵襲治療の研究まで、選択肢は数多く存在します。
特に妊娠・産後の時期は、心身ともに大きな変化のなかで痔の悩みが加わることが大きなストレスになり得ます。しかし、研究データが示すように、その多くは時間とともに改善に向かいます[2]。一方で、薬の安全性は個別判断が必要な部分も多く、産後の便秘対策についても万能な答えはまだ確立していません[8][9]。正しい知識を持ち、必要なタイミングで専門医に相談することが、回復への確かな一歩になります。
参考文献
- 日本大腸肛門病学会. 肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)・直腸脱診療ガイドライン2020年版. 2020. Available from: https://www.coloproctology.gr.jp/uploads/files/journal/koumonshikkan_guideline2020.pdf
- Boughton RS, Brophy C, Corbett G, Murphy S, Clifford J, Hanly A, Fitzpatrick M, O’Brien L. Haemorrhoids and Anal Fissures in Pregnancy: Predictive Factors and Effective Treatments. Cureus. 2024 Feb 7;16(2):e53773. doi: 10.7759/cureus.53773. PMID: 38327723. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38327723/
- Kang SI. Latest Research Trends on the Management of Hemorrhoids. J Anus Rectum Colon. 2025 Feb 28;9(1):1-8. doi: 10.23922/jarc.2024-090. PMID: 40302863. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12035339/
- Staroselsky A, Nava-Ocampo AA, Vohra S, Koren G. Hemorrhoids in pregnancy. Can Fam Physician. 2008 Feb;54(2):189-90. PMID: 18272631. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2278306/
- Lohsiriwat V. Hemorrhoids: from basic pathophysiology to clinical management. World J Gastroenterol. 2012 May 7;18(17):2009-17. doi: 10.3748/wjg.v18.i17.2009. PMID: 22563187. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3342598/
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- Quijano CE, Abalos E. Conservative management of symptomatic and/or complicated haemorrhoids in pregnancy and the puerperium. Cochrane Database Syst Rev. 2005 Jul 20;(3):CD004077. doi: 10.1002/14651858.CD004077.pub2. Available from: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8763308/
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA). ボラザG軟膏 添付文書(9.5 妊婦/9.6 授乳婦). 医薬品医療機器情報提供ホームページ. Available from: https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2559813M1021_1_09/
- Turawa EB, Musekiwa A, Rohwer AC. Interventions for preventing postpartum constipation. Cochrane Database Syst Rev. 2020 Aug 5;8(8):CD011625. doi: 10.1002/14651858.CD011625.pub3. PMID: 32761813. Available from: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32761813/
- 天藤製薬. ボラギノールA軟膏 添付文書(一般用医薬品). 医薬品医療機器総合機構(PMDA)医薬品医療機器情報提供ホームページ. Available from: https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J0601003706_01_A.pdf
消化管全体の病気の中で痔がどのような位置づけにあるのかを俯瞰しておきたい場合は、症状・検査・食事・治療・予防を横断的にまとめた消化器疾患の総合ガイドも併せて確認しておくと安心材料になるでしょう。
痔の種類による原因や対処法の違いを体系的に知りたいときは、痔の真相に関する完全ガイドも参考になります。
外側にできるいぼ痔(外痔核)の症状と自宅でできる対策、市販薬の選び方から最新の医療まで整理した外痔核の治し方ガイドを確認しながら選ぶとよいでしょう。
術後の痛みのイメージや入院期間、費用、病院選びに不安がある場合には、痔の手術完全ガイドを事前に読んでおくと、受診時に医師へ具体的な質問がしやすくなります。
「痔だと思っていたら別の重大な病気だった」というケースを避けるため、痔を含む血便の原因から検査・費用までを整理した血便の原因と対策ガイドも参考に、「危ないサイン」を見逃さない意識を持つことも大切です。
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