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精神・心理疾患 31分で読める 15回

心身症とは?症状・原因・治療法をわかりやすく解説【心療内科】

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心身症とは、近畿大学病院の説明では「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子(いわゆるストレスなど)が密接に関与し、器質的障害(例えば胃潰瘍など)ないし機能的障害(例えば過敏性腸症候群など)の認められる病態をいいます。ただし、神経症やうつ病などほかの精神障害に伴う身体症状は除外する」と定義されている、身体そのものに実際に起きている病気の総称です(近畿大学病院の報告)。[6]

過敏性腸症候群、本態性高血圧症、緊張型頭痛、気管支喘息、アトピー性皮膚炎など、多くの診療科にまたがる病気が対象になります。国立精神・神経医療研究センター病院は、通常の治療だけでは改善が難しいことも特徴だと説明しています[3]。体の症状は「気のせい」ではなく本物であり、そこにストレスとの関連が加わっている状態だと理解し、まずは症状に対応する診療科、または心療内科に相談することが出発点です。

要点まとめ

  • 心身症は「気のせい」ではありません。近畿大学病院の報告によれば、ストレスが発症や経過に関与しているだけで、痛みや不調そのものは体に実際に起きている病気です[6]。
  • 心身症は独立した病名ではなく、心理社会的因子が関わる身体疾患群全体を指す考え方です。実際の診断名は「過敏性腸症候群」「本態性高血圧症」など個々の病気名になります(同学会・報告)[1]。
  • 神経症やうつ病にともなう身体症状、国際的な診断分類の「身体症状症」とは異なる概念であり、混同すると受診先を間違えることがあります(同センター・報告)[3]。
  • 診断は他の病気を除外したうえで、心理社会的ストレスとの関連を確認して初めて成り立ちます。自己判断のチェックリストで確定できるものではありません[6]。
  • 治療は薬物療法と心理療法(自律訓練法・認知行動療法など)を組み合わせるのが基本です。何科に行くか迷う場合は、まず症状のある体の部位に対応する診療科か、心療内科に相談してかまいません(厚労省・報告)[2]。

この記事はJHO編集部がAIツールの支援を受けながら、日本心身医学会・日本女性心身医学会・厚生労働省・国立精神・神経医療研究センター・MSDマニュアル・J-STAGE掲載論文・近畿大学病院など、公的機関や学会の一次資料と照合して作成し、最終確認は人の目で行っています。医師による個別の診断・治療の代わりにはなりません。心身症の考え方や治療方針は、今後の研究やガイドラインの改定によって変わることがあります(2026年7月時点の情報です)。内容に誤りや古い情報があるとお気づきの際は、記事末尾からお知らせください。事実を確認のうえ訂正します。

何科に相談すればいいか迷ったときの整理

心身症では「体の症状はあるのに、どの科に行けばいいか分からない」という悩みがよく聞かれます。次の順番で考えると整理しやすくなります。

  1. まずは症状が出ている体の部位に対応する診療科(胃なら消化器内科、頭痛なら脳神経内科など)を受診し、体そのものの病気がないか調べてもらう。
  2. 検査で特に異常が見つからない、あるいは治療をしてもストレスがかかると症状がぶり返す場合は、その主治医に心療内科への相談を検討してよいか聞いてみる。
  3. 気分の落ち込みや強い不安、眠れない状態が体の症状よりも前面に出ている場合は、精神科・心療内科のどちらでも相談窓口になり得ます。どちらを受診しても、必要に応じて他科へ紹介してもらえます(厚労省・報告)[2]。

これはあくまで一般的な流れです。地域によって心療内科の数や紹介状の要否は異なるため、事前に医療機関のウェブサイトや電話で確認しておくとスムーズです。緊急性の高い症状がある場合は、この順番を待たず、最寄りの医療機関をすぐに受診してください。

心身症とは?体の症状が「気のせい」ではない理由

日本心身医学会は、心身医学(Psychosomatic Medicine)を、心と身体の関係を科学的に研究して医学に活用しようとする学問だと位置づけています[8]。日本では1959年に「日本精神身体医学会」(現在の日本心身医学会)が設立されて研究と診療の基盤が整い、1996年には心身医学を実践する診療科である「心療内科」が標榜科として認可され、多くの病院に設置されるようになりました[8]。日本心身医学会は、心療内科の設置によって患者が治療を受けやすくなった一方で、診療報酬の水準が低く、その引き上げが今後の課題であるとも指摘しています[8]。専門医を育てるための大学講座の増設も、今後の課題として挙げられています[8]。

その中で「心身症」とは、高血圧や胃潰瘍のように体そのものに起きている病気のうち、発症や経過に心理社会的な因子(ストレス)が密接に関与しているものを指します。近畿大学病院は「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子(いわゆるストレスなど)が密接に関与し、器質的障害(例えば胃潰瘍など)ないし機能的障害(例えば過敏性腸症候群など)の認められる病態をいいます。ただし、神経症やうつ病などほかの精神障害に伴う身体症状は除外する」と説明しています[6]。厚生労働省のe-ヘルスネットも、心療内科が対象とする疾患を「心理社会的な因子が、発症や経過に密接に影響する身体の疾患(心身症)」と説明し、薬物療法だけでは十分な効果が得られないケースが少なくないと述べています[2]。

国立精神・神経医療研究センター病院は、心身症を「各科が対応する身体疾患の内、発症や経過に心理社会的ストレスの影響で機能的(器質的)な障害を伴った疾患群」と位置づけ、日常生活の仕事や対人関係などのストレスに無頓着だったり無自覚だったりする場合に発症・悪化することが多く、通常の治療だけでは改善が難しいことも特徴だとしています(同センター・報告)[3]。つまりこの病気は、体の症状という「結果」と、ストレスという「引き金」の両方を見なければ、治療の糸口がつかみにくい病気だといえます。

図:JHO編集部が作成

上の図のように、同じストレスを受けても、気づいて対処できているときは自律神経のバランスが保たれやすい一方、気づかないまま負荷がかかり続けると自律神経が乱れやすくなり、胃の痛みや動悸、血圧の変化といった体の症状として現れやすくなると考えられています(同センター・報告)[3]。国立精神・神経医療研究センター病院は、身体症状と心理社会的ストレスの間にある「心身相関」の理解を心療内科は重要視すると述べており[3]、この気づきを深めていくことが治療の重要な要素の一つとされています。

今の血圧・脈拍を確かめる

数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。

身長と体重からBMIも調べる

これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。

心身症で見られる症状 — 診療科ごとに現れ方が違う

心身症は特定の一つの病気ではなく、様々な診療科にまたがる病態の総称です。日本女性心身医学会は、代表的な例として次のような疾患群を挙げています[1]。

領域 代表的な疾患・症状
呼吸器系 気管支喘息、過換気症候群、神経性咳嗽、咽頭痙攣、慢性閉塞性肺疾患など
循環器系 本態性高血圧症、本態性低血圧症、起立性低血圧症、狭心症、心筋梗塞、不整脈(一部)、レイノー病など
消化器系 胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、急性胃粘膜病変、慢性胃炎、心因性嘔吐、びまん性食道痙攣、食道アカラシア、呑気症、ガス貯留症候群など
内分泌代謝系 神経性やせ症、神経性過食症、pseudo-Bartter症候群、甲状腺機能亢進症、心因性多飲症、糖尿病、単純性肥満症、反応性低血糖など
神経・筋肉系 筋収縮性頭痛、片頭痛、その他の慢性疼痛、痙性斜頸、書痙、眼瞼痙攣など
泌尿・生殖器系 夜尿症、過敏性膀胱、心因性尿閉、遊走腎、心因性インポテンツなど
婦人科系 月経困難症、月経前症候群、無月経、月経不順、更年期障害など
その他 関節リウマチ、腰痛症、慢性蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、メニエール病、顎関節症、円形脱毛症など

出典:日本女性心身医学会「心身症」(心身症診断・治療ガイドライン2006をもとに一部改変して掲載されたものを整理)[1]

国立精神・神経医療研究センター病院によると、初診時に多い訴えは頭・腹部・肩・手足などの痛み、胸腹部のもたれ感、吐き気、全身のだるさなどで、これは心理社会的ストレスが影響した身体疾患群であるため、基本的にはそれぞれの病気本来の症状に準じて現れるとされています[3]。例えば過敏性腸症候群であれば下痢や便秘、機能性ディスペプシアであれば腹部膨満感といった具合です(同センター・報告)[3]。共通しているのは、通常の治療だけでは回復が困難なことが多いという点です(同センター・報告)[3]。

ここで注意したいのは、「ストレスが多い時期に症状が出ている」というだけでは心身症と判断できない点です。日本女性心身医学会は、ライフイベントや日常生活のストレスの存在、抑うつや不安といった情動上の変化の存在、性格傾向や行動上の問題の存在、生育上の人間関係の問題の存在、疾患自身の心理・行動面への影響の存在という5つの視点を挙げ、これらを踏まえたうえで、心理社会的ストレッサー(ストレス)の存在があり、そのストレスによって症状が生じている、あるいは悪くなっている場合に初めてその病気を心身症として考えるとしています(同学会・報告)[1]。また同学会は、心理社会的ストレスの増大に伴って発症する身体疾患の割合は増えており、時代背景や社会文化的影響を受けやすくなっているとも述べています[1]。

心身症・身体症状症・うつ病はどう違う?混同しやすい3つの概念

「心身症」を調べると、「身体症状症」や「うつ病」との違いが分かりにくいという声をよく見かけます。この3つは重なって見えることがありますが、成り立ちが異なります。

概念 位置づけ ポイント
心身症 身体疾患(内科的な病気)の一群 器質的・機能的な体の病気があり、その発症や経過にストレスが密接に関わっている状態[6]
身体症状症 精神疾患の診断名(国際的な診断分類) 体の症状にとらわれ、症状や健康への懸念に不釣り合いなほど大きな苦痛・時間・労力を費やしている状態。体の病気の有無にかかわらず生じうる[4]
うつ病などの精神障害にともなう身体症状 精神疾患そのものの症状 心身症の定義から明確に除外されている[3]

出典:近畿大学病院「心身症(ストレス関連身体疾患)の治療」[6]/MSDマニュアル家庭版「身体症状症」[4]

国立精神・神経医療研究センター病院は「神経症・うつ病などの精神疾患に伴う身体症状は心身症ではありません」と明確に述べています[3]。一方でMSDマニュアル家庭版は、身体症状症について「慢性的な身体症状がみられることに加えて、その症状に関連して不釣り合いに大きな苦痛、心配、日常的な役割遂行の問題がみられることを特徴とします」と説明しており、身体的な病気があってもなくても診断されうるとしています[4]。心身症が「体の病気の見方・関わり方」であるのに対し、身体症状症は精神疾患としての「診断名」である点が大きな違いです。この違いを知らずに検索すると、体の病気の話と心の診断の話が混ざってしまうことがあるため、注意が必要です。体の不調そのものへの不安と向き合う具体的な工夫については、止まらない体の不調への不安とその向き合い方で詳しく解説しています。

MSDマニュアル家庭版は、身体症状症の診断について、症状がどれくらい重篤かを絶えず不釣り合いに深刻に考えている、自分の健康や症状について極度に心配している、症状や健康に関する懸念について時間とエネルギーを過剰に費やしているといった状態から医師が判断すると説明しています[4]。同マニュアルは「症状が持続してみられるとともに、その症状について過度に考え、心配することから、類似する精神疾患と区別することができます」とも述べています(MSDマニュアル)[4]。治療については精神療法、特に認知行動療法が効果的な治療法とされ、医師との協力的な信頼関係を築くことが、不要な検査や治療から患者を守ることにもつながるとされています(MSDマニュアル)[4]。同マニュアルはまた、この病気の人でも新たな身体疾患が生じる可能性があるため、新しく現れた症状をすべてこの病気によるものと決めつけてはいけないとも注意を促しています(MSDマニュアル)[4]。

心身症と診断されるまでの流れ — なぜ「除外診断」が必要なのか

近畿大学病院は、心身症の診療ではまず問診という形で、困っている症状の発症時期や増悪・軽快因子を詳しく聞いていくとし、この段階からすでに、よりよい患者・医師関係を築いていくことを重視した治療が始まっていると説明しています[6]。同病院の報告では、患者の心理社会的背景、家族関係、生育歴、受診動機なども掘り下げて確認するとされています[6]。

段階 行うこと
①問診 症状の発症時期、増悪・軽快因子、心理社会的背景・家族関係・生育歴・受診動機を確認し、患者・医師関係を築く[6]
②身体診察・一般検査 血液・尿検査、心電図などに加え、必要に応じてCT・MRI・上部/下部消化管内視鏡検査を実施し、体の病気を確認する[6]
③特殊検査 症状に応じて消化管の運動機能を調べる「消化管輸送能検査」などを実施し、心理テストで心理状態も把握する[6]
④総合的な判断 これらの所見を総合して鑑別診断を行い、診断を確定する[6]

出典:近畿大学病院「心身症(ストレス関連身体疾患)の治療」[6]

近畿大学病院は、下部消化管内視鏡検査で(器質的な)異常がなくても、消化管の動きの問題でこうした症状が現れることがあり、これを機能的疾患と呼ぶと説明しています。上腹部で同様の機能的異常がみられるものは機能性ディスペプシア、下腹部の腹痛や便通異常をともなうものは過敏性腸症候群にあたるとされています[6]。「検査で異常が出ない」ことは「病気がない」ことと同じ意味ではなく、機能的な障害として扱われる可能性がある点は、覚えておく価値があります。

ここが診療の核心部分です。体の症状がある以上、まず優先されるのは、命に関わる病気やほかの内科的な病気が隠れていないかを確認する除外診断です。心理社会的ストレスとの関連を先に決めつけて検査を省略することは想定されていません。「ストレスのせいかもしれない」という自己判断だけで受診を先延ばしにすることは避け、まずは症状に対応する診療科を受診することが基本になります。

具体例で見る診断の考え方 — 過敏性腸症候群の場合

近畿大学病院が紹介する症例では、繰り返す腹痛や便通異常を訴える患者に下部消化管内視鏡検査を行っても、器質的な異常は見つからなかったとされています[6]。この場合、国際的なRome(ローマ)Ⅳという診断基準に照らし合わせると「過敏性腸症候群」という診断になり[6]、器質的な異常がなくても、消化管の動きの問題によってこのような症状が現れることがあると近畿大学病院は報告しています[6]。同病院は、上腹部の領域で同様の機能的異常がみられるものは機能性ディスペプシア、下腹部の腹痛や便通異常をともなうものは過敏性腸症候群にあたると整理しています[6]。

こうした機能的疾患の原因には心理的要因が大きく関与しているとされ、具体的には仕事や受験などの生活ストレスや、ストレスへの対処能力が低いことなどが挙げられています[6]。これらが消化管の運動機能や内臓感覚に影響し、不快な症状を生じさせると説明されています[6]。つまり「検査は正常なのに、症状はある」という状態こそが機能的な障害として扱われる典型例であり、体の病気の除外診断を終えたあとに初めて見えてくる領域だといえます。この整理の仕方は、頭痛や動悸、皮膚のかゆみなど、ほかの部位の不調にもあてはめて考えることができます。

受診の目安 — すぐに医療機関に相談したいサイン

次のような場合は、心身症かどうかを自己判断せず、早めに医療機関を受診してください

  • 体重の急激な減少、繰り返す嘔吐、血が混じる便や吐物、強い胸の痛みなど、体の病気そのものを疑わせる症状がある場合
  • 症状が急に強くなった、今までと明らかに様子が違うと感じる場合
  • 気分の落ち込みや強い不安が続き、眠れない状態が長引いている場合
  • 「消えてしまいたい」「生きているのがつらい」といった気持ちが浮かぶ場合

最後の項目にあてはまるときは、一人で抱え込まず、すぐに相談窓口へ連絡してください。厚生労働省「まもろうよ こころ」によると、#いのちSOS(0120-061-338、フリーダイヤル)とよりそいホットライン(0120-279-338、フリーダイヤル)は月曜日から日曜日まで24時間対応しています[7]。いのちの電話(0120-783-556、フリーダイヤル)は毎日16時から21時までの受付で、毎月10日は午前8時から翌日午前8時まで対応時間が延長されるとされています(厚労省)[7]。こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556、ナビダイヤル)は、相談対応の曜日・時間が都道府県によって異なるとされています[7]。夜間や休日でつながる窓口を探す場合は、まず24時間対応の#いのちSOSかよりそいホットラインを検討してください。

心療内科と精神科、何が違う?受診先の選び方

厚生労働省のe-ヘルスネットは、心療内科を「心理社会的因子が発症や経過に密接に関連する身体疾患(心身症)に、心身両面から総合的にアプローチする心身医学を実践する内科」と説明しています[2]。実際に心療内科が診療する病気として、過敏性腸症候群・機能性ディスペプシア・糖尿病・肥満症・緊張型頭痛・片頭痛・高血圧などの心身症のほか、神経性やせ症・神経性過食症・むちゃ食い症といった摂食症、がん患者の緩和ケア(サイコオンコロジー)も対象に含まれるとしています(厚労省・報告)[2]。

心療内科 精神科
基本的な立ち位置 心身医学を背景とする内科。体の症状を入り口にする[2] 精神疾患そのものを扱う診療科
主な対象 過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア、高血圧などの心身症、摂食症、緩和ケア領域など[2] 統合失調症、気分障害(うつ病・双極症など)、不安症など
心身症との関係 この病気を主たる診療対象とする[2] この病気にともなう気分の落ち込みや不安が強い場合に対応することがある

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「心療内科」[2]

もっとも、実際の医療現場では心療内科と精神科の境目がはっきり分かれているわけではなく、両方の症状が重なって現れることも珍しくありません。どちらを受診しても、必要があれば他方や他科に紹介してもらえるため、まずは目についた症状に近い方を選んで相談してかまいません。近くに心療内科がない地域では、精神科やかかりつけの内科にこの病気について相談することも一つの方法です。ストレスと心の不調全般との向き合い方を広く知りたい場合は、メンタルヘルスとは?ストレスと心の免疫力を高める方法と相談窓口もあわせて参考にしてください。

日本の「心身症」と国際的な「身体症状症」— 診断アプローチのズレ

比較項目 日本(心身医学の心身症) 国際的な分類(身体症状症)
拠って立つ学問 心身医学。身体疾患の発症・経過への心理社会的因子の関与を重視[6] 精神医学の診断基準。症状への反応の仕方に焦点を置く[4]
診断の入り口 内科・心療内科などの身体科。体の病気の除外診断が前提[6] 精神科領域の診断基準。体の病気の有無を問わず診断されうる[4]
診断の中心となる視点 身体疾患の発症・経過への心理社会的因子の関与の強さ[1] 症状そのものへの不釣り合いな苦痛・心配・時間の費やし方[4]

この二つは同じ「体とストレス」というテーマを扱っていますが、前提とする学問も診断の入り口も異なるため、単純に同じ意味の言葉として置き換えることはできません。MSDマニュアル家庭版は、かつての診断のあり方について「医師はかつて、身体的な病気で説明のつかない身体症状を患者が訴える場合に限り、この種の精神疾患の診断を下していました(心身症や身体表現性障害などの病名が使用されていました)。しかし、定義が変更され、現在では、患者が自分の症状や健康に関する懸念にどのように反応するかに焦点が置かれるようになっています」と説明しています(MSDマニュアル)[4]。つまり国際的な精神医学の分類では、かつて似た場面で「心身症」という訳語が使われていたこともありましたが、現在の身体症状症は体の病気の有無を問わない心理的な反応のパターンに焦点を移しており、日本の心療内科が使う「心身症」(体の病気+心理社会的因子)とは前提が異なります。国立精神・神経医療研究センター病院が「神経症・うつ病などの精神疾患に伴う身体症状は心身症ではありません」と明記しているとおり[3]、日本の心身症は精神疾患の診断名そのものではなく、あくまで身体疾患群への「見方」であるという整理を、国際的な診断分類と混同しないよう意識しておくとよいでしょう。どちらの考え方が優れているというものではなく、目的の異なる二つの枠組みが存在すると理解しておくことが実用的です。

心身症の治療 — 薬物療法と心理療法を組み合わせる

近畿大学病院は、心身症の患者は失感情症といって、自分自身の内なる感情を無意識のうちに抑圧していたり、それをうまく言葉で言い表せないような状態に陥っていることが多いようだと同病院は報告しています[6]。そのため心療内科では、まず患者自身の訴えをよく聞いてその思いを受けとめ、考え方を支持しながらより良い患者・医師関係を築き、治療への動機づけをしていくとされています[6]。医師と患者の双方で治療の目標を確認しあう「治療契約」を結んだうえで、心理テストの結果をフィードバックするなどして、患者自身が心身相関(ストレスと身体症状の関連性)に気づけるようにサポートしていくと説明されています[6]。

そのうえで、必要に応じて消化器系の薬剤や向精神薬、漢方薬も積極的に使用し、自律訓練法・交流分析・認知行動療法的アプローチといった心理療法や、臨床心理士によるカウンセリングを併用しながら、心身両面から治療していくとされています[6]。使用する薬の種類や組み合わせ、量は症状や体質によって異なり、医師が個別に判断するものです。近畿大学病院は、症状自体がゼロにならなくても、その症状を患者自身がコントロールでき、少しでもQOL(生活の質)が改善されるようにすることが「治療のゴール」だと位置づけています[6]。そのために医師だけでなく、様々な職種の医療スタッフとチームを組んで治療にあたるとされ、初診には十分な時間が必要なため1時間枠の完全予約制をとっている病院もあります[6]。

心療内科を受診するときの実際の流れ(一例)

心療内科の初診では、体の症状だけでなく生育歴や家族関係、生活背景まで丁寧に聞き取るため、通常の外来より長い時間が必要になりやすい傾向があります。近畿大学病院の場合、初診に十分な時間をとる必要があるため1時間枠で予約を設定しており、完全予約制になっていると同病院は報告しています[6]。予約は患者支援センターを通した電話予約で受け付け、その際にはかかりつけ医からの紹介状の持参が求められるとされています[6]。

こうした体制は近畿大学病院に限った話ではなく、心療内科全般で、初診に時間がかかりやすい傾向があります。受診を検討する際は、事前に電話やウェブサイトで予約方法や紹介状の要否を確認しておくと、当日慌てずに済みます。予約が数週間先になることも珍しくないため、余裕を持って早めに動くことも大切です。この記事の後半で紹介する「受診時に持っていくと役立つメモ」を用意しておくと、限られた診察時間の中でも要点を伝えやすくなります。

心理療法の一つであるリラクセーション法について、心身医学の専門誌に掲載された総説は、心身症患者の多くが発症から一定期間が経過した慢性状態にあり、心理社会的な要因が体の自然治癒力の発揮を妨げていると述べ、漸進的筋弛緩法・自律訓練法・バイオフィードバック法・呼吸法などの技法が用いられると説明しています(同学会誌の報告)[5]。これらの技法は、リラックス状態を得ることに加えて、心身の状態への気づきを高め、セルフコントロール力を身につけ、再発を防止することまで視野に入れて指導が行われるとされています(同学会誌の報告)[5]。

このうちバイオフィードバック法は、筋電図・皮膚温・血圧・心拍変動・脳波といった患者自身の生体信号を測定し、その変化を本人に提示することで、自分の意思で生理状態をコントロールする技術を身につけていく方法だとされています(同学会誌の報告)[5]。同総説は、信号の種類によって適した疾患の傾向があるとして、次のように整理しています(同学会誌の報告)[5]。

信号の種類 主な適応疾患
筋電図 緊張型頭痛、斜頸、書痙、不眠
皮膚温 レイノー病、片頭痛
血圧 本態性高血圧
心拍変動 気管支喘息、うつ病、線維筋痛症、PTSD
脳波 不眠、慢性疼痛

出典:日本心身医学会 学会誌「心身医学」57巻10号1025-1031頁、富岡光直「リラクセーション法」(2017年)[5]

また自律訓練法については、標準練習を続けることで不安や緊張、抑うつ、怒りといった感情が和らぐ傾向があり、自己受容感や自己効力感が高まる、入眠までの時間が短くなる、疲労感が軽くなるといった変化が報告されているとされています[5]。同総説は、こうした変化には自律神経系や内分泌系の働きが関わっていると考えられるとし、リラクセーション法は一時的に体をゆるめるだけでなく、患者の生活様式そのものに影響を及ぼす可能性を示唆していると述べています[5]。

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心身症の治療がめざす「全人的医療」とは

近畿大学病院は、心療内科の役割について「身体と心を分けずに、疾患だけを診るのではなく、病気をもった患者さん自身を全体としてとらえていく内科です」と報告しています[6]。患者の心理社会的背景から、その人を取り巻く環境を含めて、心身両面から、患者が病とつき合いながら今後の人生をどう切り開いていくかを一緒に考え、実践していくとされています[6]。

同病院はまた、いったん病に陥ると、「身体的苦痛、心理的苦痛、仕事や経済面での社会的苦痛、精神的苦痛が相互に関連しあって、トータルペイン(全人的苦痛)をもたらします。こうした苦痛に対処するには、医療側も全人的医療を実践していく必要があります」と述べています[6]。こうした治療で心理療法と薬物療法の両方が使われることが多いのは、体の症状だけを取り除こうとするのではなく、こうした複数の苦痛に同時にアプローチする必要があるためだと理解すると分かりやすいでしょう。この考え方は、なぜ心療内科の初診に長い時間がかけられるのか、なぜ医師一人ではなくチームで対応するのかという疑問にもつながります。

心身症になりやすい人・背景にある5つの視点

日本女性心身医学会は、ある病気を心身症として考えるときに存在を確認すべき要素として、次の5つを挙げています[1]。

視点 具体的な内容
①ライフイベント・日常のストレス 進学・就職・結婚・昇進・転職・死別など、生活上の出来事や日々の負担の存在[1]
②情動の変化 抑うつや不安といった情動上の変化の存在[1]
③性格傾向・行動上の問題 ストレスの認知とコーピングスタイル、生活習慣を含む性格傾向・行動上の問題の存在[1]
④生育上の人間関係 親子関係など、生育上の人間関係の問題の存在[1]
⑤疾患自体の影響 疾患自身の心理・行動面への影響の存在[1]

出典:日本女性心身医学会「心身症」[1]

国立精神・神経医療研究センター病院は、心療内科では一人ひとりの生活習慣や行動様式、性格や考え方の特徴に加え、進学・就職・結婚・昇進・転職・死別、環境変化といったライフイベントが病気に与える影響を考慮すると説明しています[3]。本人がストレスの体への影響や心と体の関係に気づいていない場合もあり、それ自体がこの病気の症状の一部かもしれないとも指摘されています(同センター・報告)[3]。「自分はそれほどストレスを感じていない」と思っていても、体は反応していることがあるという点は、この病気を理解するうえで重要な視点です。また日本心身医学会は、不登校の子どもたちの多くが、腹痛(過敏性腸症候群)や頭痛(筋緊張性頭痛)などの心身症の症状を訴えて登校できなくなっていると述べており[8]、この病気は大人だけのものではありません。

日本女性心身医学会は、多くの女性が毎月のホルモンの波を乗りこなしながら、仕事や育児、介護など複数の役割を求められやすい立場にあり、心理社会的なストレスにさらされやすい状況が続いていると指摘しています[1]。その結果、妊娠・出産に関わる不妊、産前産後の心身の変化、夫婦関係、更年期など、女性の生涯を通じてこの病気は起こりうるとされています(同学会・報告)[1]。同学会は一方で、心と体がつながっているために起こるこの病気を見直すことは、心や体に極端な負荷がかかっていないか自分自身をふり返るきっかけにもなりうると述べています[1]。

家庭でできるセルフケアと周囲のサポート

心身症の治療そのものは医療機関で行うものですが、心身医学の専門誌が紹介するリラクセーション法の考え方は、日常生活のセルフケアを考えるうえでのヒントにもなります。漸進的筋弛緩法や呼吸法などは、心理的なリラックス状態と生理的な反応の両方をもたらすことを目的とした技法だとされています(同学会誌の報告)[5]。ただし、これらは症状の重さや体質によって向き不向きがあり、自己流で強く思い込みながら行うことがかえって負担になる場合もあるため、可能であれば医療機関や心理職の指導を受けながら取り入れることが望ましいと考えられます(同学会誌の報告)[5]。呼吸法や自律訓練法に近い考え方の実践法については、マインドフルネスの全てや瞑想とリラクゼーションの科学で具体的な方法を解説していますので、あわせてご覧ください。

周囲の家族や同僚にできることとしては、「気のせい」「気の持ちよう」で片づけずに、体の症状は本物として受け止めたうえで、受診や休養を後押しすることが挙げられます。この病気は心理社会的ストレスに無自覚なまま発症・悪化することが多いとされているため(同センター・報告)[3]、本人が気づいていないストレス要因に周囲が気づき、さりげなく伝えることが助けになる場合もあります。一方で、原因探しを急かしすぎることはかえって負担になりかねないため、まずは医療機関につながることを優先する姿勢が大切です。この病気になりやすい性格傾向として、自分の感情をうまく言葉にできない「失感情症」がしばしば挙げられますが[6]、これは本人の努力不足ではなく、心理療法などの支援を通じて向き合っていくものだとされています。

💰 高額療養費制度の自己負担限度額(医療費100万円の例)
自己負担限度額(70歳未満・区分別)— 適用時期に注意
適用時期年収の目安計算式100万円の場合
~2026年7月診療分
現行
年収約370万~770万円(区分ウ) 80,100円+(医療費-267,000円)×1% 87,430円
2026年8月診療分から
見直し後(第1段階)
年収約370万~770万円(区分ウ) 85,800円+1%(PDF原文の表記) 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small>
+ 年間上限 53万円(新設)

※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は 厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF) |JHO確認日:2026-07-16

受診時に持っていくと役立つメモ

限られた診察時間の中で、伝え忘れを防ぐために、受診前に紙やスマートフォンのメモに次の項目を書き出しておくと役立ちます。印刷して持参し、医師に直接渡してもかまいません。

  • 症状がいつから始まったか、どんなときに悪化・軽快するか
  • 症状が強くなる時期と、仕事や人間関係など生活上の出来事が重なっていないか
  • これまでに受けた検査とその結果(分かる範囲でよい)
  • 今飲んでいる薬やサプリメント、アレルギーの有無
  • 眠れているか、食欲はあるか、気分の落ち込みや不安はないか
  • 医師に聞きたいこと(この症状は心身症の可能性があるか、何科への相談を続ければよいかなど)

心身症全体としての国内の患者数や有病率について、今回参照した資料には明確な統計は見当たりませんでした。日本女性心身医学会はこの病気が増加していると述べていますが[1]、具体的な年次推移の数値までは確認できていません。また、治療によってどの程度の期間でどの程度改善するかという長期的な見通しについても、疾患ごとに大きく異なるとみられ、今回参照できた資料の範囲では一律の数値を示すことができませんでした。気になる場合は、実際に受診した診療科で、自分の状態に即した見通しを確認することをおすすめします。数値で一律に示せない以上、担当医と話しながら自分なりの見通しを持つことが、遠回りに見えて確実な道すじになります。

ここまでの内容を振り返ると、押さえておきたいポイントは大きく3つに整理できます。1つ目は、体の症状は本物であり、ストレスとの関連が加わっているだけだということ。2つ目は、診断は自己判断ではなく、他の病気を除外したうえで段階的に行われるものだということ。3つ目は、治療は薬物療法と心理療法を組み合わせ、症状をゼロにすることよりも、自分でコントロールしながら生活の質を保つことを目標にするということです。次のよくある質問では、ここまでの内容を短い形でもう一度確認できます。

よくある質問

心身症とは簡単に言うとどんな病気ですか?
近畿大学病院の報告によれば、体そのものに実際に起きている病気のうち、発症や経過にストレスなど心理社会的な要因が深く関わっているものの総称です[6]。痛みや不調は「気のせい」ではなく本物の身体症状で、そこにストレスとの関連が加わっている状態だとイメージすると分かりやすいでしょう。
心身症は独立した病名ですか?
いいえ。日本女性心身医学会は、心身症は「病態」を示す一連の身体疾患の総称であり、実は独立した病名ではないと説明しています[1]。実際の診断名は「過敏性腸症候群」「本態性高血圧症」のように、それぞれの身体疾患名になります。
心身症かどうかは自分でチェックリストで判断できますか?
できません。近畿大学病院の報告によれば、心身症の診断は、問診と身体検査で他の病気を除外したうえで、心理社会的ストレスとの関連を確認するという段階的なプロセスを経て行われます[6]。インターネット上のチェックリストで「当てはまる項目が多いから心身症」と自己判断することは避け、気になる症状は医療機関で相談してください。
心身症は何科(外来)を受診すればいいですか?
まずは症状が出ている体の部位に対応する診療科を受診し、体の病気がないか調べてもらうのが基本です。そのうえで心療内科への相談を検討する流れが一般的です(厚労省・報告)[2]。近くに心療内科がない場合は、かかりつけの内科や精神科に相談することもできます。
心身症の治療にはどんな薬を使いますか?
近畿大学病院によると、症状に応じて消化器系の薬剤や向精神薬、漢方薬なども使われるとされています[6]。どの薬をどれくらい使うかは症状や体質によって医師が個別に判断するため、この記事では具体的な薬の量までは扱っていません。診察のときに、薬の種類や副作用について直接確認することをおすすめします。
心身症とうつ病はどう違いますか?
国立精神・神経医療研究センター病院は「神経症・うつ病などの精神疾患に伴う身体症状は心身症ではありません」と明確に区別しています[3]。この病気は身体疾患そのものにストレスが関与している状態であるのに対し、うつ病は精神疾患そのものであり、体の症状はその一部として現れるという違いがあります。
心身症は自然に治りますか?
国立精神・神経医療研究センター病院は、この病気は通常の治療では改善が難しいことも特徴だとしています[3]。近畿大学病院は、治療の目標を症状をゼロにすることではなく、患者自身が症状をコントロールできるようになり生活の質を高めることに置いていると説明しており[6]、自然に消えるのを待つよりも、医療機関に相談しながら向き合っていくことが現実的な進め方だと考えられます。
ストレスに心当たりがなくても心身症と言われることはありますか?
あります。国立精神・神経医療研究センター病院は、本人がストレスの体への影響や心と体の関係に気づいていない場合もあり、それ自体がこの病気の症状の一部かもしれないと述べています[3]。自覚がないからといって、心理社会的な要因が関わっていないとは限りません。
子どもも心身症になりますか?
なります。日本心身医学会は、不登校の子どもたちの多くが腹痛(過敏性腸症候群)や頭痛(筋緊張性頭痛)といった心身症の症状を訴えて登校できなくなっていると述べています[8]。子どもの場合は、小児科や小児の心療内科など、子どもの診療に慣れた医療機関に相談することが勧められます。
心療内科は保険診療の対象になりますか?
心療内科は1996年に標榜科として認可され、多くの病院に設置されるようになりました(同学会・報告)[8]。保険診療の適用範囲や自己負担額は検査・治療の内容によって異なるため、詳しくは受診先の医療機関に確認してください。
心身症は治療後に再発しますか?
近畿大学病院の報告によれば、治療の過程で患者自身に新しいライフスタイルや適応の仕方を身につけてもらい、再び悪化しないようにすることを重視しているとされています[6]。症状が落ち着いた後も、ストレスへの気づきや対処の仕方を続けることが、再発の防止につながると考えられます。
仕事のストレスが原因でもなりますか?
なります。国立精神・神経医療研究センター病院は、仕事や対人関係などの心理社会的ストレスに無頓着だったり無自覚だったりする場合に発症・悪化することが多いと説明しています[3]。日本女性心身医学会も、就職・昇進・転職といったライフイベントを、この病気に関わる要因の一つに挙げています[1]。
高齢者は見過ごされやすいと聞きましたが本当ですか?
MSDマニュアル家庭版は、近い概念である身体症状症について、高齢者では疲労感や痛みなど特定の症状が加齢によるものと判断されたり、複数の医学的問題を抱えて多くの薬剤を服用している場合には症状に関する心配も当然と判断されたりすることから、見落とされることがあると述べています[4]。年齢のせいだと決めつけず、気になる症状は医療機関で相談することが勧められます。

参考文献

  1. 日本女性心身医学会「心身症」 https://www.jspog.com/general/details_51.html
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット「心療内科」(最終更新日:2025年7月1日) https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-087.html
  3. 国立精神・神経医療研究センター病院「心身症」 https://web.archive.org/web/20250630102519/https://www.ncnp.go.jp/hospital/patient/disease12.html
  4. MSDマニュアル家庭版「身体症状症」(最終更新日:2024年7月) https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/10-心の健康問題/身体症状症および関連症群/身体症状症
  5. 富岡光直「リラクセーション法」心身医学 57巻10号 1025-1031頁、2017年(J-STAGE) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/57/10/57_1025/_pdf/-char/ja
  6. 近畿大学病院「心身症(ストレス関連身体疾患)の治療」 https://www.med.kindai.ac.jp/diseases/psychosomatic_disorder.html
  7. 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談窓口 https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/
  8. 日本心身医学会「沿革」 https://shinshin-igaku.com/about/history/

更新日:2026年7月26日。本記事は日本心身医学会・厚生労働省・国立精神・神経医療研究センター・MSDマニュアル・J-STAGE・近畿大学病院の一次資料をもとに、公開時点で確認できた最新の情報を反映しています。内容に誤りや古い情報があるとお気づきの際は、記事末尾のお問い合わせ窓口からお知らせください。事実を確認のうえ訂正します。

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本記事はAI技術を活用し、厚生労働省・WHO等の公的医療機関の情報に基づいて作成されています。医療専門家による個別の監修は受けておりません。健康上の判断や治療については、必ず医師にご相談ください。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。

Trinh Van Dieu

Trinh Van Dieu

ITエンジニア(17年)・Japanese Health 運営者

ベトナム在住のITエンジニア。17年の技術経験を活かし、日本の公的医療機関の情報をAI技術で整理・発信しています。

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