糖尿病になりやすいのは何歳から?年代別のリスクと対策
この記事でわかること
目次
- 糖尿病になりやすいのは何歳からか、積み重なる危険因子で決まる
- 何歳から発症率が上がる?数字で見る根拠
- 何歳から何に注意する?年代別ポイント
- 20〜30代:変えられる危険因子への土台づくり
- 40代〜50代:発症率が明確に上がる年代
- 60代〜65歳:発症率データの上限年代
- 65歳以降:特定健診の対象外でも検査の機会はある
- 合併症のリスクも年代とともに積み重なる
- 「変えられる危険因子」への具体的な対策
- 肥満対策
- 運動対策
- 食事対策
- 糖尿病検診(健診)が年代とともに果たす役割
- 年代別・健診との付き合い方
- 何歳から急に増える?最新の年代別調査データ
- 日系移民の研究が示す、生活習慣の影響の大きさ
- 年代を問わず共通する「受診の目安」
- 受診時に役立つ準備
- よくある誤解を整理する
- 誤解1:「若いうちは糖尿病を気にしなくていい」
- 誤解2:「家族に糖尿病の人がいなければ安心」
- 誤解3:「痩せていれば運動しなくても大丈夫」
- 誤解4:「65歳を過ぎたら対策しても意味がない」
- よくある質問
- 参考文献
結論から言うと、糖尿病は何歳からと決まった瞬間に発症する病気ではなく、年齢とともに徐々にリスクが積み重なっていく病気です。(厚生労働省によると)[1]
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厚生労働省の資料によると、2型糖尿病の新たな発症は「40才〜65才の一般住民1,000人・年あたり6-8人と報告されている」とされています(厚生労働省によると)[1]。この記事では、年代別にどんな危険因子が積み重なっていくのか、どの年代で何に注意すべきかを、公的資料にもとづいて整理します。
要点まとめ(20秒で読める要約)
編集方針: JHO編集部がAIツールの支援を受け、公的機関の資料と照合して作成。最終確認は人の目。医師による個別診断の代わりにはなりません。数値・分類はガイドライン改定により変わることがあります(2026年7月時点)。掲載する年代・数値の基準は、参照した公的資料の記載を基準にしています。更新日:2026年7月19日。内容に誤りや古い情報にお気づきの場合は、お問い合わせフォームよりご指摘いただければ確認のうえ修正いたします。
自分の年代のリスクを今すぐ確認
- □ 40歳以上である(厚生労働省によると)[1]
- □ 血のつながった家族に糖尿病の人がいる(同資料)[1]
- □ BMI25以上、または運動習慣がほとんどない(同資料)[1]
- □ 健診で血糖値やHbA1cを指摘されたことがある
2つ以上当てはまる場合は、年代にかかわらず一度検査を検討することをお勧めします。
糖尿病になりやすいのは何歳からか、積み重なる危険因子で決まる
「何歳から糖尿病に気をつければいいのか」という疑問に、単純な一つの年齢で答えることはできません。厚生労働省の資料は、日本人を対象とした疫学研究による糖尿病の発症危険因子として「1)加齢,2)家族歴,3)肥満,4)身体的活動の低下(運動不足)5)耐糖能異常(血糖値の上昇)」を挙げ、「これ以外にも高血圧や高脂血症も独立した危険因子である」としています(厚生労働省によると)[1]。
重要なのは、これらの危険因子が年代とともに自然に積み重なっていく点です。同資料は「加齢と家族歴は改善(介入)が不可能であり,変更可能な危険因子としては,肥満,食事(摂取カロリーとその内容),運動量の不足などがあげられる」と整理しています(同資料)[1]。年齢を重ねること自体は止められませんが、肥満や運動不足という「変えられる部分」に、年代ごとにどう向き合うかが実践的な対策になります。
今の血圧・脈拍を確かめる
数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。
身長と体重からBMIも調べる
血圧手帳(この端末に保存)
これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
何歳から発症率が上がる?数字で見る根拠
厚生労働省の資料は、糖尿病の発症率について具体的な数字を示しています。「1980年〜90年代の疫学研究によれば2型糖尿病の新たな発症は40才〜65才の一般住民1,000人・年あたり6-8人と報告されている」とされ(厚生労働省によると)[1]、「軽症の耐糖能異常であっても累積死亡率は健常者に比較して2倍以上である」とも指摘されています(同資料)[1]。
患者数の将来推計についても触れられており、「現在の増加傾向がそのまま続くと仮定した場合,10年後の糖尿病有病者は男性約520万人,女性560万人,合計1,080万人となることが予想される」と報告されています(同資料)[1]。この推計が作られた当時の平成9年度調査では「糖尿病が強く疑われる人は690万人,可能性を否定できない人を含めると1,370万人と推計されている」ともされ(同資料)[1]、その後の年代でも同様の増加傾向が続いていると考えられます。
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 2型糖尿病の新規発症率(40〜65歳) | 住民1,000人・年あたり6〜8人 | 厚生労働省「健康日本21(糖尿病)」[1] |
| 糖尿病が強く疑われる人(当時の推計) | 約690万人 | 同上[1] |
| 可能性を否定できない人を含む推計 | 約1,370万人 | 同上[1] |
| 軽症耐糖能異常者の累積死亡率 | 健常者の2倍以上 | 同上[1] |
出典:厚生労働省「健康日本21(糖尿病)」[1](2026年7月時点で参照)
何歳から何に注意する?年代別ポイント
危険因子の積み重なり方をふまえ、年代ごとに意識したいポイントを整理します。
20〜30代:変えられる危険因子への土台づくり
この年代では、糖尿病そのものの発症率はまだ高くありませんが、厚生労働省の資料が挙げる「変更可能な危険因子」である肥満・食事・運動量への対策を始めるのに適した時期です(厚生労働省によると)[1]。若いうちからの生活習慣が、40代以降のリスクに影響することが知られています。
この年代は健診の機会が会社の定期健康診断に限られがちで、糖尿病を意識する場面が少ないのが実情です。しかし、資料が示す「肥満の回避」「身体的活動の増加」「適正な食事」という3つの対策は(厚生労働省によると)[1]、20〜30代のうちに習慣として身につけておくほど、40代以降に無理なく続けやすくなります。特に、就職・独り暮らし・出産・子育てなど生活が大きく変わるタイミングは、食事や運動の習慣が崩れやすい時期でもあるため、意識して見直す機会にするとよいでしょう。
40代〜50代:発症率が明確に上がる年代
厚生労働省の資料が示す「40才〜65才」という発症率のデータ範囲に入る年代です(厚生労働省によると)[1]。この年代からは「特定健診」の対象にもなり、症状がなくても定期的に血糖値・HbA1cを確認できる仕組みが用意されています(厚生労働省によると)[2]。40代に入った時点で、まだ一度も血糖値の検査を受けたことがないという人も、特定健診をきっかけに初めて検査を受ける良い機会になります。
この年代は、仕事の責任が重くなる、親の介護が始まるなど、生活が忙しくなりやすい時期でもあります。忙しさを理由に健診を後回しにしがちですが、まさにこの年代こそ、厚生労働省の資料が示す発症率データの中心にあたります(厚生労働省によると)[1]。特定健診の通知が届いたら、忙しくても後回しにせず、早めに予定を確保することが重要です。すでに危険因子(肥満・運動不足・家族歴など)に心当たりがある人は、特定健診の対象年齢を待たず、早めに医療機関で相談することも検討してください。
60代〜65歳:発症率データの上限年代
厚生労働省が示す発症率データの対象年代の上限にあたります(厚生労働省によると)[1]。この年代までに危険因子(肥満・運動不足など)への対策を続けているかどうかが、それまでの蓄積として表れやすい時期でもあります。定年退職や役職の変化など、生活リズムが大きく変わる人も多く、それまでの運動習慣・食生活が崩れやすい時期でもあります。逆に、時間に余裕ができることで、運動や食事の見直しに取り組みやすくなる面もあります。この年代で健診結果に変化が出ていないか、特に注意深く確認することをお勧めします。
65歳以降:特定健診の対象外でも検査の機会はある
特定健診は40〜74歳が対象で、75歳以降は別の枠組みになります(厚生労働省によると)[2]。年代が上がっても、後期高齢者医療制度のもとでの健康診査など、検査を受ける方法は残されています。
この年代で特に意識したいのは、すでに糖尿病と診断されている場合の合併症管理です。厚生労働省の資料が示す「網膜症・腎症・神経障害」といった慢性合併症は(厚生労働省によると)[1]、長年の血糖コントロールの積み重ねが影響するため、65歳以降は特に、これまでの管理状況を主治医と一緒に振り返る機会を持つことが役立ちます。合併症の兆候(目のかすみ、足のしびれ、むくみなど)にも普段から注意を払い、気になる変化があれば早めに伝えるようにしてください。新たに糖尿病と診断される場合もあるため、「もう歳だから」と検査を諦める理由にはなりません。年齢を重ねてから初めて指摘されるケースも珍しくなく、何歳であっても、早期発見の価値は変わりません。
| 適用時期 | 年収の目安 | 計算式 | 100万円の場合 |
|---|---|---|---|
| ~2026年7月診療分 現行 | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 87,430円 |
| 2026年8月診療分から 見直し後(第1段階) | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 85,800円+1%(PDF原文の表記) | 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small> |
| + 年間上限 53万円(新設) | |||
※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は
厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF)
|JHO確認日:2026-07-16
合併症のリスクも年代とともに積み重なる
糖尿病の怖さは、発症そのものだけでなく、時間の経過とともに進む合併症にもあります。厚生労働省の資料は「糖尿病はひとたび発症すると治癒することはなく,放置すると網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こし,末期には失明したり透析治療が必要となることがある」と説明しています(厚生労働省によると)[1]。さらに「糖尿病は脳卒中,虚血性心疾患などの心血管疾患の発症・進展を促進することも知られている」とも述べられています(同資料)[1]。
透析導入の原因についても具体的な数字が示されています。「1998年に行われた日本透析医学会の調査によると,1998年の1年間で新規に透析導入となった患者のうち,35.7%は糖尿病性腎症が原因であり,1983年の2倍以上に増加している」とされています(厚生労働省によると)[1]。視覚障害についても「糖尿病性網膜症により年に約3,000人が視覚障害となっている」と報告されています(同資料)[1]。
| 合併症 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 新規透析導入のうち糖尿病性腎症が原因の割合 | 35.7%(1998年) | 厚生労働省「健康日本21(糖尿病)」[1] |
| 1983年からの増加 | 2倍以上に増加 | 同上[1] |
| 糖尿病性網膜症による視覚障害 | 年間約3,000人 | 同上[1] |
出典:厚生労働省「健康日本21(糖尿病)」[1](2026年7月時点で参照。数値は当時の調査時点のもの)
これらの数字が示すのは、糖尿病の発症年代だけでなく、発症後にどれだけ長く血糖コントロールを続けられるかが、合併症のリスクを左右するということです。40〜50代で発症に気づき、そこから対策を続けることは、60代・70代での合併症リスクを左右する重要な分かれ道になります。
逆に言えば、発症に気づくのが遅れるほど、血糖値が高いまま経過する期間が長くなり、合併症のリスクが積み重なっていきます。「症状がないから大丈夫」と自己判断せず、年代ごとの健診の機会を活用して早めに気づくことが、結果的に60代・70代での生活の質を守ることにつながります。厚生労働省の資料が糖尿病を「ひとたび発症すると治癒することはなく」と表現していることからも(厚生労働省によると)[1]、予防と早期発見の重要性が読み取れます。
「変えられる危険因子」への具体的な対策
厚生労働省の資料は、変更可能な危険因子への対策として「肥満の回避」「身体的活動の増加」「適正な食事」を挙げています(厚生労働省によると)[1]。それぞれ、根拠となる数字も示されています。
肥満対策
「BMI区分別糖尿病有病率からの試算によると,肥満度が高い程,有病率は高くなる傾向がみられる」とされ(厚生労働省によると)[1]、「我が国のBMI25kg/m2以上の割合を男性(20歳以上)15%以下,女性(20歳以上)を18%以下に減少することによって,糖尿病有病率を男性約6.2%,女性約5.7%減少できると見込まれる」と試算されています(同資料)[1]。
運動対策
大学卒業生を対象とした大規模な追跡研究(ペンシルバニア大学同窓生研究)が引用されており、「500 Kcal/週の運動毎に年齢訂正糖尿病発症は6%低下すると報告している」とされています(厚生労働省によると)[1]。日常生活の中での身体活動量を増やすことが、年代を問わず有効な対策であることを示すデータです。「週500Kcal」という数字は、激しい運動でなくても達成できる範囲です。たとえば、通勤や買い物での早歩きを増やす、エレベーターではなく階段を使う、休日に軽いウォーキングをするといった、日常生活に組み込みやすい活動の積み重ねでも、この基準に近づけることができます。年代が上がって激しい運動が難しくなった場合でも、こうした軽い活動量の積み重ねという考え方は続けやすい対策です。
食事対策
「国民栄養調査から,日本人の食習慣の推移をみると,1日の総エネルギー摂取量は減少傾向を示しているが,動物性脂肪摂取の増加傾向がみられる」と指摘されており(同資料)[1]、「糖質の比率の減少と脂質の比率の増加がみられている」とも述べられています(同資料)[1]。量だけでなく、脂質と糖質のバランスも意識する対象になります。外食やコンビニ食が中心になりやすい20〜30代、家族の食事に合わせがちな40〜50代、量は少なくても脂質や糖質に偏りやすい60代以降など、年代によって食生活の課題は異なります。共通して意識したいのは、脂肪分の多い食品や糖質に偏った食事を続けないこと、そして食事の量そのものが自分の活動量に見合っているかを、年代が変わるたびに見直すことです。
| 対策 | 根拠となる数字 |
|---|---|
| 肥満の回避 | BMI25以上の割合を男性15%以下・女性18%以下に減らすと有病率が男性約6.2%・女性約5.7%減少(厚生労働省によると)[1] |
| 運動量の増加 | 週500Kcal相当の運動ごとに発症率が6%低下(同資料)[1] |
| 食事の見直し | 動物性脂肪・脂質比率の増加傾向を意識したバランス改善(同資料)[1] |
出典:厚生労働省「健康日本21(糖尿病)」[1](2026年7月時点で参照)
糖尿病検診(健診)が年代とともに果たす役割
厚生労働省の資料は、糖尿病対策の柱の一つとして早期発見の重要性を挙げています。「現時点で我が国の糖尿病の二次予防(検診)は,老人保健事業による基本健康診査,職域での定期健診,病院・診療所での健診等,様々な機会をもって行われている」とされ(厚生労働省によると)[1]、「糖尿病対策における二次予防の目標としては,糖尿病検診の受診率の向上,検診後の保健指導の徹底が重要である」と述べられています(同資料)[1]。
現在では、40〜74歳を対象とした「特定健診」がこの役割を担っています。厚生労働省は「対象者(40歳~74歳)の方にメタボリックシンドロームに着目した健診を行います」と説明しており(厚生労働省によると)[2]、特定健診は「生活習慣病の予防のため」に実施されるとしています(同資料)[2]。年代が上がるにつれて、この健診をどれだけ継続して受けているかが、早期発見の分かれ目になります。1回だけ受けて「異常なし」だったからと安心し、その後何年も受けていないというケースは少なくありません。血糖値やHbA1cは生活習慣の変化とともに動くため、過去の結果が良好でも、継続して受けることに意味があります。年に1度の健診を、単なる義務ではなく、自分の年代のリスクを実際の数値で確認する機会として活用することをお勧めします。
年代別・健診との付き合い方
| 年代 | 健診との関わり方 |
|---|---|
| 20〜30代 | 会社の健康診断や任意健診で血糖値の項目を確認する習慣をつける |
| 40〜74歳 | 特定健診の対象。毎年度、空腹時血糖またはHbA1cを確認できる(厚生労働省によると)[2] |
| 75歳以降 | 後期高齢者医療制度のもとでの健康診査を活用する |
出典:厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」[2](2026年7月時点で参照)
何歳から急に増える?最新の年代別調査データ
より新しい年代別データも見てみます。日本糖尿病学会関連の総説は、2019年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」を引用し、「加齢とともに2型糖尿病が増える,2019年の厚生労働省の国民栄養調査では,70歳以上の男性の26.4%,女性の19.6%は糖尿病が強く疑われる人である」と報告しています(学会誌の総説によると)[3]。さらに細かい年代別の内訳として「65歳から74歳の22.6%、75歳以上の21.5%が糖尿病が強く疑われる」というデータも示されています(同総説)[3]。
| 年代 | 「糖尿病が強く疑われる」割合の目安 |
|---|---|
| 20代 | 男女とも数%程度と低い水準(学会誌の総説によると)[3] |
| 40代 | 男性約6%前後、女性はそれより低い水準(同総説)[3] |
| 60代 | 男性約25%前後、女性約11%前後(同総説)[3] |
| 65〜74歳 | 22.6%(同総説)[3] |
| 70歳以上 | 男性26.4%・女性19.6%(同総説)[3] |
| 75歳以上 | 21.5%(同総説)[3] |
出典:荒木厚「高齢者糖尿病の特徴と治療」心臓55巻1号:19-25(2023)[3]、原典は厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査報告」(2019年)(2026年7月時点で参照)
この数字が示すのは、糖尿病のリスクは40〜65歳で急に止まるわけではなく、70代・75歳以上になっても引き続き高い水準にあるということです。高齢者糖尿病には特有の注意点もあります。同総説は「高齢者糖尿病では口渇,多飲,多尿などの高血糖症状が出現しにくい」とし、「低血糖,特に重症低血糖をきたしやすい」「低血糖が無自覚または頭がくらくらする,体がふらふらするなどの非典型的症状で起こることが多い」と指摘しています(同総説)[3]。つまり、高齢になるほど、症状が典型的でなくなり、自分では気づきにくくなる傾向があるということです。
日系移民の研究が示す、生活習慣の影響の大きさ
年齢や遺伝だけでなく、生活環境がどれほど糖尿病リスクに影響するかを示す、興味深い研究があります。厚生労働省の資料は「日系移民を対象とした研究によると,日本人とは遺伝的背景は同一であるものの生活習慣の欧米化がさらに進行した米国の日系移民集団では,糖尿病有病率・罹患率はともにわが国の住民よりも2ー3倍高いことが知られている」と紹介しています(厚生労働省によると)[1]。
同じ遺伝的背景を持つ集団でも、生活習慣(食事・運動量など)が異なるだけで、有病率・罹患率が2〜3倍も変わるということです。資料はこの点について「社会的状況を考えれば,現在の日系米国人は将来の日本国民の健康状況であるとも推測され,早急な糖尿病対策が必要であることの根拠としても注目すべきである」と述べています(同資料)[1]。つまり、年齢という変えられない要因だけでなく、生活習慣の変化(食の欧米化など)が、日本人全体の糖尿病リスクを今後さらに押し上げる可能性がある、という警鐘です。この研究が示す2〜3倍という差は、遺伝的な体質がほぼ同じ集団を比較した結果であるため、生活習慣の影響の大きさを裏づける説得力のあるデータと言えます。日本国内でも、都市部と地方、世代間で食生活や運動量に違いがあることを考えると、同じ年代であっても住む地域や生活スタイルによって、リスクの積み重なり方が変わってくる可能性があります。「両親も祖父母も糖尿病ではなかったから自分も大丈夫」という考え方だけに頼るのは不十分です。遺伝的なリスクが低くても、生活習慣そのものが独立した危険因子として働くため、家族歴の有無にかかわらず、日々の食事や運動への意識が年代を問わず重要になります。
この研究結果は、年代別の対策を考えるうえで重要な視点を与えてくれます。「自分の年代だから仕方ない」と諦めるのではなく、生活習慣という変えられる部分に、どの年代からでも取り組む価値があるということです。家族全体の食生活・運動習慣を見直すことは、本人だけでなく、同居する家族の将来的な糖尿病リスクを下げることにもつながります。特に子どもがいる家庭では、大人が意識して選んだ食習慣や運動習慣が、そのまま次の世代の生活習慣の土台になっていきます。
年代を問わず共通する「受診の目安」
年代によってリスクの高さは変わりますが、受診を検討すべきサインは年代を問わず共通しています。
| サイン | 考えられること |
|---|---|
| のどが異常に渇く、尿の回数が多い | 血糖値が高い状態が続いている可能性 |
| 健診で血糖値・HbA1cを指摘された | 特定健診など公的な仕組みで確認できる(厚生労働省によると)[2] |
| 家族に糖尿病の人が複数いる | 家族歴という危険因子に該当(厚生労働省によると)[1] |
| BMIが高く、運動習慣がほとんどない | 変更可能な危険因子が重なっている状態(同資料)[1] |
これらのサインに心当たりがあれば、自分の年代が「発症率データの中心(40〜65歳)」に入っているかどうかにかかわらず、一度検査を検討する価値があります。
受診時に役立つ準備
年代にかかわらず、実際に受診・相談する際に準備しておくと役立つ情報をまとめました。
・年齢と、これまでの健診結果(血糖値・HbA1c・BMIが分かるもの)
・家族に糖尿病の人がいるか(何親等か)
・現在の運動習慣(頻度・種類)
・食生活で気になっている点(外食が多い、間食が多いなど)
・気になる症状の有無(のどの渇き、頻尿、体重の変化など)
・医師に聞きたいこと(自分の年代でのリスク、次回検査の時期など)
特に、家族歴を伝える際は「親」だけでなく「祖父母」「兄弟姉妹」まで含めて振り返ってみると、危険因子の全体像を主治医が把握しやすくなります。「詳しく思い出せない」という場合も、分かる範囲で構いません。おおまかな情報でも、主治医がリスクを判断する手がかりになります。厚生労働省の資料が家族歴を独立した危険因子として挙げていることからも(厚生労働省によると)[1]、この情報は診断の参考になります。
よくある誤解を整理する
誤解1:「若いうちは糖尿病を気にしなくていい」
危険因子(肥満・運動不足など)は年代を問わず影響します。厚生労働省の資料は、変更可能な危険因子への対策を「国民全体を対象とした健康の増進」の課題として位置づけています(厚生労働省によると)[1]。20〜30代からの生活習慣が、40代以降のリスクに影響します。
誤解2:「家族に糖尿病の人がいなければ安心」
家族歴は危険因子の一つですが、唯一の要因ではありません。厚生労働省の資料は、家族歴に加えて「肥満,身体的活動の低下(運動不足),耐糖能異常」も独立した危険因子として挙げています(厚生労働省によると)[1]。家族歴がなくても、他の危険因子が重なればリスクは上がります。
誤解3:「痩せていれば運動しなくても大丈夫」
運動不足は肥満とは別の独立した危険因子です。「500 Kcal/週の運動毎に年齢訂正糖尿病発症は6%低下する」というデータは(厚生労働省によると)[1]、体格にかかわらず運動習慣そのものに意味があることを示しています。
誤解4:「65歳を過ぎたら対策しても意味がない」
厚生労働省の資料が示す発症率データは40〜65歳の範囲ですが、これは「65歳以降は対策不要」という意味ではありません(厚生労働省によると)[1]。65歳以降も特定健診の対象年齢(74歳まで)であり続け、その後も健康診査の機会は続きます(厚生労働省によると)[2]。
65歳以降の年代別の詳しい新規発症率(1,000人・年あたりの人数)については、今回参照した資料には明確な記載が見当たりませんでした。年代が上がるほど発症率がどう変化するかについては、自己判断で推測せず、健診の結果や主治医との相談を通じて自分自身の状態を確認することをお勧めします。
よくある質問
30代です。まだ糖尿病の心配はしなくていいですか?
50代で健診の血糖値が「やや高め」でした。何をすればいいですか?
家族に糖尿病の人が多いです。何歳から検査を受けたほうがいいですか?
65歳を過ぎました。今から運動を始めても意味がありますか?
糖尿病の患者数は今後も増え続けるのですか?
40〜65歳のデータと言われても、自分がどの位置にいるか分かりません。どうすればいいですか?
危険因子が2つ以上当てはまります。何科を受診すればいいですか?
糖尿病の患者数が増えているのは、日本人の遺伝的な体質が変わったからですか?
糖尿病の合併症は、発症してすぐに起こるものですか?
特定健診を受けていれば、糖尿病の合併症も防げますか?
- 糖尿病検査はいつ受ける?基準数値2024 — 血糖値・HbA1cの診断基準を知りたいときに
- 糖尿病の日常ケア6つの基本|足と血糖を守る方法 — 日々の生活習慣対策を知りたいときに
- 糖尿病性足病変とは?早期発見で防ぐ切断リスク — 合併症について詳しく知りたいときに
参考文献
- 厚生労働省「健康日本21(糖尿病)」 https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b7.html
- 厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161103.html
- 荒木厚「高齢者糖尿病の特徴と治療」心臓55巻1号:19-25(2023) https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/55/1/55_19/_pdf/-char/ja
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