コンテンツへスキップ
お問い合わせ
スポンサーリンク
糖尿病 25分で読める 89回

糖尿病の果物|80kcalでわかる選び方と適量の目安

スポンサーリンク
文字サイズ





結論から言うと——糖尿病があっても、果物は「食べてはいけない食品」ではありません。日本糖尿病学会の「糖尿病食事療法のための食品交換表」では、果物は1日1単位(80kcal)を目安にとることが勧められています[1]。

受診の目安チェック・無料

この症状、いつ受診すべきか確認しますか?

回答に合わせて必要な質問だけを表示します。診断は行いません。

症状はいつから続いていますか?

回答により質問数が変わります・途中でいつでも記事に戻れます

スポンサーリンク
この症状、放置して大丈夫?次に確認すべきこと 関連記事
この記事では答えていない疑問です — 読み終えたら、続けてご確認ください
食べてもいい果物の種類 記事へ 運動は毎日必要? 記事へ 放置すると合併症が怖い 記事へ コンビニで買える低GI食品は? 記事へ
この記事で気になったことを、AIにそのまま聞けます
健康アドバイザーオンライン ・ 24時間対応 無料
糖尿病でも果物は諦めたくない、でも不安ですよね。どんな果物をどのくらい食べていますか?
気になるものを、タップするだけ
厚生労働省・査読論文などの一次情報源をもとに、あなたの状況に合わせてお答えします

禁止するのではなく「量」と「食べ方」を選ぶことが基準です。日本糖尿病学会の食品交換表の抜粋によれば、バナナなら1本、りんごなら半分、みかんなら2個程度が1単位の目安になります[2]。同学会の食品交換表では、ドライフルーツや加工品について、加工の過程でビタミンが失われたり糖分が加えられたりすることがあるため、生の果物とは分けて考える必要があるとされています[2]。

要点まとめ

  • 日本糖尿病学会の食品交換表では果物は1日80kcal(1単位)が目安。バナナ1本=りんご半分=みかん2個程度が同じ1単位[1][2]
  • 「毎日くだもの200グラム推進全国協議会」の資料によれば、みかん可食部200gで成人(18〜29歳男性)が1日に必要なビタミンCの64%、かき200gなら140%を満たせるなど、果物はエネルギー量のわりに栄養価が高い[2]
  • 同資料では、果物は「血糖値を上げにくい食品」として見直されており、糖尿病の食事療法に欠かせない食品と位置づけられている[2]
  • 日本糖尿病学会の食品交換表によれば、ドライフルーツ・缶詰などの加工品は、加工の過程でビタミンが失われたり糖分が加えられたりすることがあるため、生の果物とは分けて量を考える[2]
  • 1回にまとめ食いせず、日をまたいで安定した量を守ることが基本。体調や薬の内容で変わる場合は主治医・管理栄養士に確認を

編集方針: JHO編集部がAIツールの支援を受け、公的機関・学会・査読論文と照合して作成。最終確認は人の目。医師による個別診断の代わりにはなりません。数値・分類はガイドライン改定により変わることがあります(2026年7月時点)。

更新日:2026年7月18日。内容に誤りや古い情報にお気づきの際は、ページ下部の参考文献を確認のうえ、お問い合わせよりお知らせください。事実を確認のうえ訂正いたします。

きょうの果物、何単位? 下の「果物ごとの80kcal(1単位)早見表」で、食べたい果物の重量を確認してから、1日1単位を超えていないかチェックしましょう。日本糖尿病学会の食品交換表をもとにした資料では、表の重量は皮・種・芯を除いた「実際に食べられる量」とされています[2]。

糖尿病があっても果物を「食べても大丈夫」といえる理由

糖尿病の食事療法というと「甘いものは全部だめ」と考えてしまう人が少なくありません。しかし日本糖尿病学会が示す食事療法の考え方は「特定の食品を禁止する」ものではなく、「1日の総エネルギー量の中で、食品の種類ごとにバランスよく配分する」というものです[1]。果物はこの中で「表2」というグループに分類され、ビタミンC・カリウム・食物繊維の重要な供給源として、1日1単位(80kcal)を目安に毎日とることが前提として組み込まれています[1]。

果物を完全に断つことがすすめられていないのには理由があります。「毎日くだもの200グラム推進全国協議会」の資料によれば、果物の多くはグリセミックインデックス(GI、ブドウ糖を100とした時の血糖値の上昇の程度を示す指標)が低く、食後血糖値を上げにくい食品に分類されています[2]。同資料は、果物は種々の栄養素や植物化学成分の摂取源であり健康にも有益であることが示されているとしたうえで、糖尿病患者にも毎日1単位(80kcal分、みかんなら2個程度)程度の果物摂取が勧められているとしています[2]。問題になるのは「果物そのもの」ではなく、「一度に食べる量」「食べる速さ」「食べる形態(生か加工品か)」の3つです。

日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」では、果物は糖質だけでなく食物繊維を含み、グリセミックインデックス(GI)が低いことから血糖コントロールに影響を与えない可能性があるとしつつも、現時点では血糖コントロールに対する果物の影響は十分に確認されていないと整理されています[1]。同ガイドラインが引用するメタ解析では、1日90g未満の果糖摂取でHbA1c(血糖コントロールの指標)が改善し、100g未満であれば体重増加や空腹時中性脂肪の上昇はきたさなかった一方、果糖の過剰摂取は中性脂肪や体重増加をきたす懸念があるとされています[1]。果物摂取のみを対象にした直接的な介入試験のメタ解析は乏しく、同ガイドラインは「2型糖尿病の血糖コントロールのために果物を摂取することも摂取しないことも推奨するにはいたらない」という立場を取っています[1]。この「白黒つけない」姿勢こそ、日本糖尿病学会の食品交換表が示す1日80kcal(1単位)という具体的な目安の意味を裏付けています——エビデンスが確定していないからこそ、極端に避けるのでも無制限に食べるのでもない、実務的な落としどころとして単位という考え方が使われているのです。

もうひとつ、果物が「食べても大丈夫」と位置づけられている理由に、生の果物に含まれる食物繊維の存在があります。果物の細胞壁に含まれる水溶性食物繊維は、胃から腸への糖の移動をゆるやかにし、同じ糖質量でも急激な吸収を抑える方向に働くと考えられています。これが、同じ糖質量の砂糖水やジュースを一気に飲む場合と、果肉をよく噛んで食べる場合とで、体への負担の出方が異なるとされる理由のひとつです。ただし、この「ゆるやかさ」は食物繊維が保たれている生の状態でこそ働きやすいものであり、加工・搾汁によって食物繊維が取り除かれると同じ効果は期待しにくくなります。この点は後述する「果汁・ドライフルーツ」の章で詳しく整理します。

図:果物の食べ方(量・タイミング)による食後血糖値の変化の傾向をもとにJHO編集部が作図。実測データではなく、「1単位を守る」場合と「まとめ食い」する場合の違いを示すイメージ図です。

上の模式図が示すように、同じ果物でも「1単位を守って食べる」場合と「一度に何単位分もまとめて食べる」場合とでは、食後の血糖値の上がり方の傾向が異なると考えられます。これは実測データそのものではなく、量とタイミングによる違いをイメージ図として示したものですが、「同じ果物でも食べ方次第」という考え方を理解するうえで役立ちます。

今の血圧・脈拍を確かめる

数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。

身長と体重からBMIも調べる

これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。

果物に含まれる栄養素と、糖尿病がある人にとっての役割

果物を完全にやめてしまうと失われる栄養素があります。代表的なのがビタミンC・カリウム・食物繊維です。ビタミンCは体内で作ることができず食事からとる必要がある栄養素で、果物はその代表的な供給源のひとつです。カリウムは血圧の調整に関わるミネラルで、食物繊維は腸内環境や食後の血糖の上がり方に関わるとされています。厚生労働省は「健康日本21」の中で、生活習慣病予防の観点から果物の摂取量の目標値を1日200gとしており[4]、この量は高血圧・肥満・2型糖尿病などの発症リスク低下との関連が報告される水準として位置づけられています[2]。

ここで注意したいのは、この「1日200g」はあくまで糖尿病のない一般の人を対象にした目標値だという点です。すでに糖尿病と診断されている人の場合は、同じ量をそのまま当てはめるのではなく、血糖コントロールの状態に応じて日本糖尿病学会の「1単位(80kcal)」という、より個別の血糖管理を意識した目安を優先することになります[1]。「一般の健康目標」と「糖尿病がある人の食事療法の目安」は数字の出どころが違うため、ネット上の情報を比較するときはどちらの基準について書かれているのかを区別して読むことが大切です。

糖分だけを見て果物を避けてしまうと、こうしたビタミンC・カリウム・食物繊維を他の食品で補う必要が出てきます。日本糖尿病学会の食品交換表の中で「表2(果物)」がわざわざ独立した項目として設けられているのは、果物を完全に切り離すのではなく、量を管理しながら栄養素としての役割を活かすという考え方が土台にあるためです[1]。

ビタミンCは、みかん・キウイフルーツ・いちごなどに豊富に含まれる、水に溶けやすいビタミンです。体内にためておくことが難しいため、まとめて大量にとるよりも、日々の食事の中で継続してとることに意味があるとされています。カリウムは、バナナ・メロン・キウイフルーツなどに多く含まれるミネラルで、体内のナトリウム(塩分)バランスの調整に関わります。ただし腎機能が低下している人は、カリウムの排出がうまくいかず体内に蓄積しやすくなるため、果物であっても摂取量の制限が必要になる場合があります。この点は後述する「相談したいサイン」の章でも触れています。食物繊維は皮や果肉の細胞壁に含まれ、腸内環境を整えるだけでなく、糖質の消化・吸収の速度にも関わるとされる成分です。同じ果物でも、皮ごと食べられるかどうか、生か加工品かによって、実際にとれる食物繊維の量は変わってきます。

「1日80kcal(1単位)」の基準 — 日本糖尿病学会の食品交換表と果物の実際の量

日本糖尿病学会が発行する「糖尿病食事療法のための食品交換表」(現行は2013年発行の第7版)は、食品を4群6表に分類し、80kcalを「1単位」として、同じ表の中であれば単位数を交換して献立を組み立てられるようにした、同学会公式のツールです[1]。同学会の食品交換表では、果物は「表2」に分類され、1日の目安量は1単位(80kcal)です[1]。

「80kcal」と言われても、実際にどれくらいの量なのかイメージしづらいものです。公益財団法人中央果実協会が事務局を務める「毎日くだもの200グラム推進全国協議会」は、日本糖尿病学会の食品交換表「表2 くだもの」から、代表的な果物の1単位(80kcal)に相当する重量を抜粋して公開しています[2]。

果物 80kcal(1単位)の目安量(可食部) 皮・芯を含めた重量 目安・備考
みかん 200g 約270g 中2個[2]
りんご 150g 約180g 中1/2個[2]
なし(梨) 200g 約240g 大1/2個[2]
かき(柿) 150g 約170g 中1個[2]
ぶどう 150g 約180g マスカット・巨峰等10〜15粒[2]
グレープフルーツ 200g 約290g ―[2]
もも 200g 約240g 大1個[2]
キウイフルーツ 150g 約180g 小2個[2]
さくらんぼ 150g 約170g 米国産は100g[2]
バナナ 100g 約170g 中1本[2]

出典:毎日くだもの200グラム推進全国協議会(事務局:公益財団法人中央果実協会)「糖尿病患者は1日どれくらいくだものを食べているのか」——日本糖尿病学会「糖尿病食事療法のための食品交換表」表2 くだものから抜粋[2]。

この表からわかるとおり、同じ80kcalでも果物の種類によって食べられる重量は違います。水分量が多いグレープフルーツ・なし・ももは、同じカロリーでも200gと比較的たくさんの量を楽しめる一方、バナナは水分が少なくエネルギー密度が高いため100gが目安になります。「選び方のポイント」を一言でいえば、可食部の重量に対してカロリーが低い(水分量が多い)果物ほど、同じ満足感を得ながらエネルギーを抑えやすいということになります。

ここで示した重量はあくまで目安であり、同じ「りんご」でも品種・熟度・産地によって糖度や水分量は変わります。家庭で毎回グラムを量るのが難しい場合は、上の表の「およそ○個・○粒」というおおまかな個数の目安から入り、慣れてきたら気になる果物だけ実際にキッチンスケールで重さを確認する、という段階的なやり方でも十分です。大切なのは「毎回ミリグラム単位で厳密に量る」ことではなく、「だいたいこのくらい」という感覚を体で覚え、日によって極端に量がぶれないようにすることです。

果物の適量は、体格・活動量・血糖コントロールの状態・服薬内容によって一人ひとり異なります。この記事で紹介している「1単位(80kcal)」はあくまで一般的な出発点であり、実際に自分の食事プランへ落とし込む際は、次に挙げるようなサインが出ていないかをセルフチェックしながら進めることが安全につながります。

受診の目安 — すぐに医師・薬剤師に相談したいサイン

  • 果物を含む食後に、いつもと違う強い喉の渇き・頻尿・倦怠感が続くとき(高血糖でみられる代表的な症状)
  • 血糖自己測定(SMBG)や持続血糖測定(CGM)の数値が、果物を食べた後に自分の目標範囲を大きく超えて続くとき(目標範囲は主治医から個別に指示されている値に従う)
  • インスリンや血糖降下薬を使用中で、果物を含む食事のあとに低血糖症状(冷や汗・動悸・強い空腹感)が出たとき——薬の量やタイミングとの兼ね合いは自己判断せず主治医に確認する
  • 腎臓の機能低下(カリウム制限)を指摘されている場合、果物の種類・量について自己判断で増やす前に必ず相談する

日本と米国(ADA)のガイドライン比較 — 「1単位」と「フルーツチョイス」の考え方の違い

果物の適量に関する考え方は、日本と海外で表現の仕方が異なります。日本糖尿病学会は「1単位=80kcal」というカロリーベースの単位で示していますが、米国糖尿病協会(ADA)が案内する食品分類では、炭水化物量を基準にした「フルーツチョイス」という単位が使われています[3]。どちらが優れているという話ではなく、「どの数値をものさしにするか」が違うだけで、両者とも「果物を適量の範囲で毎日の食事に組み込む」という基本方針は共通しています。

項目 日本(日本糖尿病学会 食品交換表) 米国(ADA)
基準の単位 1単位=80kcal[1] 1フルーツチョイス=炭水化物約15g[3]
りんごの目安 約150g(およそ半分)[2] 小さめのりんご1個丸ごと[3]
バナナの目安 約100g(およそ1本)[2] 果物ひとかけ、または冷凍・缶詰なら約½カップ[3]
1日の目安量 1単位(80kcal)が基本の配分[1] 食事プラン全体の中で個別に配分(献立により変動)[3]

日本の基準ではカロリーで一つの果物の量が決まるのに対し、米国の基準は炭水化物量を基準にしているため、同じ果物でも「何を優先して量を決めるか」の視点が違います。どちらの基準を使う場合でも共通しているのは、「量を決めてから食べる」という発想そのものです。自己判断で基準を混ぜて計算すると量がずれるため、実際の食事療法では主治医・管理栄養士が指示する単位・基準に統一して使うことが大切です。

もう一つ興味深いのは、日米どちらの資料でも「小さめの果物1個」を基準にしている点です。米国糖尿病協会(ADA)の指針では、新鮮・冷凍・無糖の缶詰いずれも、小さめの果物ひとかけ、または冷凍・缶詰なら約½カップで炭水化物約15gに相当するという趣旨の目安が示されており[3]、日本糖尿病学会の食品交換表でも「りんご半分」「バナナ1本」という個数ベースの目安が使われています[2]。数値の出し方は違っても、「スーパーで売っている標準サイズより、やや小さめの1個分」という感覚は共通しており、旅行や外食で海外の資料しか手元にないときも、大まかな目安として応用しやすい部分です。ただし正式な栄養指導を受けている場合は、必ず自分の主治医・管理栄養士が使っている基準を優先してください。

生の果物・冷凍・缶詰・ドライフルーツ・果汁、何が違う? — 健康的な果物選びの実践ポイント

「果物」とひとことで言っても、加工の状態によって糖尿病の食事療法における扱いは大きく変わります。ここが「健康的な果物選び」の実践上、最も差がつくポイントです。

よく話題になる「低GI(グリセミック・インデックス)の果物なら安心」という考え方についても、注意しておきたい点があります。GIはブドウ糖を100とした時の血糖値の上昇の程度を示す指標で、果物の多くはこのGIが低く、食後血糖値を上げにくい食品に分類されるとされています[2]。ただし、GIが低い食品であっても、食べる量そのものが多ければ体に入る糖質の総量は増え、血糖値への影響も大きくなります。つまり「低GIの果物だから量を気にせず食べてよい」というわけではなく、GIの高低にかかわらず、この記事で紹介している「1単位(80kcal)」という総量の目安を基本に置くことが実践上は重要です。

形態 糖尿病の食事療法での位置づけ 選ぶときのポイント
生の果物(皮ごと食べられるもの) 表2として推奨。食物繊維・ビタミンCが保たれる[2] 皮ごと食べられる種類は皮ごと。1回で食べきらず、複数回に分けるとより穏やかとされる[2]
冷凍フルーツ(無糖) 生の果物に近い扱いとされることが多い(製品による) 加糖・シロップ漬けでないものを選ぶ。解凍時に出る果汁も糖分を含む
缶詰の果物 加工の過程でビタミンの一部が失われ、シロップに糖分が加えられていることがある[2] シロップを使わない「果肉のみ」タイプを選び、シロップは飲まない
ドライフルーツ 水分が抜けて糖分が凝縮しやすく、少量でもエネルギー量が高くなりやすい[2] 市販品は追加の砂糖(加糖)がされている場合があるため原材料表示を確認する
果汁(フルーツジュース・スムージー) 食物繊維が少なく、生の果物に比べて消化吸収が速いと考えられている 果物として数えず、基本的には「甘い飲み物」として扱い、量を控える

この中でとくに誤解されやすいのが「果汁ならヘルシー」というイメージです。果汁は咀嚼して食べる生の果物と違い、食物繊維の多くが取り除かれた状態で糖分だけが液体として一気に体に入るため、同じ果物由来でも血糖値への影響の出方が違うと考えられています。「毎日くだもの200グラム推進全国協議会」の資料では、ジュースは果汁100%であっても2型糖尿病のリスクとなる可能性が示唆されるため、水代わりに飲むことは適切ではないとされています[2]。また、日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」が引用する系統的レビューでも、砂糖を添加した果糖飲料の摂取は血糖コントロールの悪化をきたす可能性が指摘されており、果物の摂取が2型糖尿病の発症リスクを抑制した一方で、果糖飲料は発症リスクを高めたと報告されています[1]。

選び方に迷ったときの実践的な優先順位としては、①旬の生の果物を丸ごと(皮ごと食べられるものは皮ごと)、②無糖の冷凍フルーツ、③シロップなしの缶詰(シロップは飲まない)、④原材料表示を確認したドライフルーツ少量、⑤果汁・スムージーは最後の選択肢、という順で考えると迷いにくくなります。とくに旬の時期の国産果物は、輸送・保管期間が短く出回る量が多いぶん価格も手頃になりやすく、家計の面でも継続しやすい選び方です。季節に合わせて食べる果物を入れ替えることは、栄養バランスの面でも単調になりにくいというメリットがあります。

食べるタイミングと組み合わせ方 — いつ・何と一緒に食べるか

果物の適量が同じでも、食べるタイミングによって体への負担感は変わります。日本糖尿病学会の食品交換表を紹介する資料によれば、果物には、脳の主なエネルギー源であるブドウ糖や、吸収されやすい果糖が含まれており、睡眠中に消費された分を補給できる朝食時の摂取は効果的な取り入れ方のひとつとされています[2]。一方、夜間は日中に比べて活動量が少なく、エネルギーが消費されにくいため、まとめ食いや就寝前の摂取は控えめにしたほうがよいという考え方が一般的です。

朝に果物を取り入れるメリットは血糖管理の面だけではありません。日本糖尿病学会の食品交換表を紹介する同資料では、果物に含まれる有機酸には水分やさわやかな食感を与える働きがあり、唾液の分泌を促して食欲を増進させるほか、香りや彩りが慌ただしい朝の食卓に気持ちのゆとりを与えてくれるとも紹介されています[2]。血糖管理の数値的な話に偏りがちな食事療法の中で、こうした「続けやすさ」の視点も、長期的に適量を守るうえでは軽視できない要素です。

また、1日の目安量(1単位)を1回でまとめて食べるのではなく、複数回・複数の食事に分けて少しずつ取り入れることも、血糖値の急な変動を避けるうえで意識したいポイントです。たんぱく質や脂質を含む食品(ヨーグルト、ナッツなど)と一緒に果物をとると、消化吸収の速度がゆるやかになりやすいとも言われていますが、これは一般的な栄養学の考え方であり、今回参照した資料の中では果物単体での厳密な比較データまでは確認できませんでした。血糖値への影響を正確に知りたい場合は、自己測定(SMBG)や医師の指導のもとでの記録が確実です。

具体的な1日の組み立て方の一例としては、①朝食に主食・主菜・副菜を揃えたうえでヨーグルトと果物半量を添える、②昼食後のデザートとして残り半量を食べる、③夕食では果物を入れず野菜中心の副菜にする、という形で「1単位」を2回に分けて配分する方法があります。これはあくまで一例であり、実際の配分は1日の総エネルギー量や他の食品とのバランス、仕事や生活リズムによって変わります。自己流で完璧な形を目指すよりも、まずは「夜遅くにまとめ食いしない」「毎日だいたい同じくらいの量にする」という2点を守ることから始めると、無理なく継続しやすくなります。

外食や旅行先など、正確な重量を量れない場面もあります。そうした場合は、上で紹介した「およそ1個・半分・2個」という個数ベースの感覚を目安にしつつ、その日のうちに果物を重ねて食べていないか(例えば朝に果物、昼のデザートにも別の果物、というように無意識に複数回とっていないか)を振り返る習慣をつけると、大きくずれることを防ぎやすくなります。

この症状、放置して大丈夫?次に確認すべきこと 関連記事
この記事では答えていない疑問です — 読み終えたら、続けてご確認ください
食べてもいい果物の種類 記事へ 運動は毎日必要? 記事へ 放置すると合併症が怖い 記事へ コンビニで買える低GI食品は? 記事へ

年代・体の状態によって変わる目安 — 子ども・高齢者・妊娠中の場合

ここまで紹介した「1単位(80kcal)」は、成人の2型糖尿病を主な想定とした一般的な目安です。実際には年代やライフステージによって、必要なエネルギー量も果物の位置づけも変わります。

子どもの糖尿病(1型・2型)の場合、成長期であることを踏まえたエネルギー配分が必要になり、果物の量・タイミングも大人とは別に考える必要があります。具体的な種類・量・タイミングの目安は、成長期の子どもに特化した記事「小児糖尿病の子どもの果物は?安全な種類・量・タイミング」で詳しく解説しています。

高齢者の場合は、血糖コントロールの目標値そのものが個別に緩やかに設定されることがあり、また低血糖を起こしたときのリスク(転倒など)も踏まえて量やタイミングが調整されることがあります。日々の血糖管理の全体像や食事療法の考え方は「糖尿病管理 完全ガイド|最新の診断基準・食事・運動療法から薬物治療、高齢者の目標設定まで」で確認できます。

また、まだ糖尿病の診断基準に届いていない「予備群」の段階でも、果物の摂り方を見直すことは血糖コントロールの観点から意味があります。ご自身の数値がどの区分にあたるかは「糖尿病と予備群の診断基準【2025年最新】」で確認しておくと、この記事の「1単位」の考え方がより実感を持って理解できます。果物を間食として取り入れる際の具体的な選択肢は「日本の糖尿病患者向け間食完全ガイド」も参考にしてください。糖尿病全般の基礎知識は「糖尿病の総合ガイド」にまとめています。

💰 高額療養費制度の自己負担限度額(医療費100万円の例)
自己負担限度額(70歳未満・区分別)— 適用時期に注意
適用時期年収の目安計算式100万円の場合
~2026年7月診療分
現行
年収約370万~770万円(区分ウ) 80,100円+(医療費-267,000円)×1% 87,430円
2026年8月診療分から
見直し後(第1段階)
年収約370万~770万円(区分ウ) 85,800円+1%(PDF原文の表記) 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small>
+ 年間上限 53万円(新設)

※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は 厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF) |JHO確認日:2026-07-16

診察に持っていくメモ(コピーしてお使いください)

  • 直近1〜2週間、果物を1日にどれくらい(種類・重量・回数)食べているか
  • 果物を食べる時間帯(朝・昼・夕・就寝前)
  • 血糖自己測定をしている場合は、果物摂取前後の数値の記録
  • 現在服用中のインスリン・血糖降下薬の種類と量
  • 腎臓や中性脂肪について指摘を受けたことがあるか
  • 医師に聞きたいこと:「私の場合、1日何単位・どの時間帯が適切ですか」

ここまでの内容を一度整理すると——糖尿病があっても果物は禁止食品ではなく、日本糖尿病学会の食品交換表が示す「1日1単位(80kcal)」を目安に、朝食・昼食時か日中の間食として、まとめ食いせずに取り入れるというのが基本の考え方です[1][2]。同学会の食品交換表では、生の果物は皮ごと・複数回に分けて食べ、ドライフルーツ・缶詰・果汁は同じ「果物」でも扱いが異なるため量や種類を選ぶ、という2段構えで考えると実践しやすくなります[2]。年齢・合併症の有無・服薬内容によって適切な量は変わるため、最終的な数値は必ず主治医・管理栄養士の指導と照らし合わせてください。

果物の摂取と血糖値・体重・脂質への影響の大きさは、果物の種類・熟度・個人の体質・服薬内容によって差があり、「万人に共通する絶対的な安全量」を示す資料は、今回参照した範囲では見当たりませんでした。ここで紹介した1単位(80kcal)はあくまで一般的な目安であり、腎機能・血糖コントロールの状態・使用中の薬によって適切な量は変わります。自己判断で大きく増減させず、必ず主治医・管理栄養士と相談のうえで調整してください。

よくある質問

糖尿病でも果物を毎日食べていいですか?
はい。日本糖尿病学会の食品交換表では、果物は禁止食品ではなく、1日1単位(80kcal)を目安に毎日の食事に組み込むことが前提とされています[1]。量とタイミングを守ることが基準であり、「毎日食べてはいけない」というわけではありません。むしろビタミンCや食物繊維の供給源として、適量を継続的にとることが想定されています。血糖コントロールの状態や合併症の有無によって適切な量は変わるため、初めて食事療法に取り組む場合は自己判断だけで進めず、一度は管理栄養士の指導を受けておくと、自分に合った「1単位」の感覚をつかみやすくなります。
バナナは1本まるごと食べても大丈夫ですか?
日本糖尿病学会の食品交換表を紹介する資料では、バナナ約100g(皮を除いた可食部)がおよそ1単位(80kcal)の目安とされています[2]。一般的なサイズのバナナ1本であれば目安に近い量ですが、大きさによって重量は変わるため、気になる場合は重さを量って確認すると安心です。
果物ジュースやスムージーは果物と同じように数えていいですか?
日本糖尿病学会の食品交換表を紹介する資料によれば、果汁は食物繊維が少なく、糖分が液体として速く吸収されるため、血糖値が急に上がりやすいと考えられています[2]。生の果物と同列に「1単位」として扱うのではなく、甘い飲み物として控えめにするのが安全です。
ドライフルーツは食物繊維が多いから体にいいのでは?
食物繊維自体は含まれますが、乾燥させる過程で水分が抜けて糖分が凝縮しやすく、生の果物より少ない重量でカロリーが高くなりやすい点に注意が必要です。日本糖尿病学会の食品交換表を紹介する資料では、生の柿は1単位(80kcal)がおよそ150g(中1個)とされていますが[2]、干し柿はこれよりずっと少ない重量で同じカロリーに達します。加えて市販品には砂糖が添加されているものもあるため、原材料表示の確認が欠かせません。
果物は皮をむいたほうがいいですか、皮ごとのほうがいいですか?
日本糖尿病学会の食品交換表を紹介する資料によれば、皮ごと食べられる種類(りんご、ぶどうなど)は、皮ごと食べることで食物繊維をより多く摂れるとされています[2]。ただし残留農薬が気になる場合はよく洗う、あるいは無理せずむいて食べるなど、体調や好みに合わせて選んで問題ありません。
夜、果物をデザートとして食べるのはよくないですか?
日本糖尿病学会の食品交換表を紹介する資料では、夕食後や就寝前の摂取は避けたほうがよいとされています[2]。夜間は活動量が少なくエネルギーが消費されにくいため、朝食・昼食時、または日中の間食として取り入れる方法が推奨されています。
妊娠糖尿病でも同じ「1単位」の基準でいいですか?
妊娠中は必要エネルギー量や単位配分が個別に変わることが多く、一般的な「1単位」の目安をそのまま当てはめるのではなく、産科・糖尿病専門医、管理栄養士の個別指導に従うことが必要です。今回の記事は妊娠していない成人の一般的な目安を中心にまとめたものです。
腎臓が悪い場合、果物の量や種類を変える必要がありますか?
腎機能低下がありカリウム制限を指摘されている場合、果物の種類・量を自己判断で増やすことは避け、必ず主治医に確認してください。糖尿病性腎症などを合併している場合は、果物の基準そのものが変わることがあります。
果物の代わりに野菜ジュースやスムージーで栄養を補ってもいいですか?
日本糖尿病学会の食品交換表の考え方に照らせば、野菜・果物を混ぜたジュースやスムージーも、果汁と同様に食物繊維が減り糖分の吸収が速くなりやすいため、生の果物・野菜の代替として同列に扱うのは避けたほうが安全です[2]。栄養素の補給は、まず食事全体のバランスの中で考えることが基本です。どうしても飲み物として取り入れたい場合は、果肉をそのまま使った無糖タイプを選び、量を少なめにして食事の一部として数える、というくらいの慎重さが必要です。
コンビニで買うなら、どんな果物・果物製品を選べばいいですか?
コンビニで手に入る選択肢の中では、カットフルーツ(無添加のもの)やシロップ不使用の冷凍フルーツが、生の果物に近い扱いをしやすい選択肢です。逆に果肉入りジュース、加糖のフルーツヨーグルト(果肉部分だけでなくジャム状のソースが加糖されているタイプ)、砂糖漬けのドライフルーツ菓子は、同じ「果物」という名前がついていても糖分・カロリーが高くなりがちです。パッケージの原材料表示で「果糖ぶどう糖液糖」「砂糖」が上位に来ていないか確認する習慣をつけると選びやすくなります。
運動前後に果物を食べるのはどうですか?
運動前後は体がエネルギーを消費・補充しやすいタイミングであり、日中の適切な時間帯であれば果物を組み込みやすい場面のひとつです。ただし、これは「運動をするから量を増やしてよい」という意味ではなく、あくまで1日の目安量(1単位)の中で、いつ食べるかを選ぶという考え方です。運動の強度や血糖降下薬・インスリンの使用状況によって低血糖のリスクも変わるため、運動と食事のタイミングについては主治医と相談しながら自分に合ったパターンを見つけることが望まれます。

参考文献

  1. 一般社団法人日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」3章 食事療法 CQ3-7「糖尿病の血糖コントロールのために果物摂取を推奨すべきか?」 https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/03_1.pdf
  2. 毎日くだもの200グラム推進全国協議会(事務局:公益財団法人中央果実協会)「FACT BOOK 果物と健康」六訂版——日本糖尿病学会「糖尿病食事療法のための食品交換表」(第7版)から抜粋の表を含む http://www.kudamono200.or.jp/booklet/pdf/factbook6_3.pdf
  3. American Diabetes Association「Best Fruit Choices for Diabetes」 https://diabetes.org/food-nutrition/reading-food-labels/fruit
  4. 厚生労働省「健康日本21アクション支援システム」果物の1日の摂取目標量に関するページ https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-01-003
この記事はお役に立ちましたか?
はいいいえ

この記事をシェア

LINE 𝕏
この記事について(運営者情報・免責事項) タップで表示

医療情報に関する重要なお知らせ

本記事はAI技術を活用し、厚生労働省・WHO等の公的医療機関の情報に基づいて作成されています。医療専門家による個別の監修は受けておりません。健康上の判断や治療については、必ず医師にご相談ください。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。

Trinh Van Dieu

Trinh Van Dieu

ITエンジニア(17年)・Japanese Health 運営者

ベトナム在住のITエンジニア。17年の技術経験を活かし、日本の公的医療機関の情報をAI技術で整理・発信しています。

運営者情報を見る →