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糖尿病の食事、炭水化物量の目安は?最新ガイドラインの基準

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結論から言うと、糖尿病の食事療法における炭水化物量の目安は、糖尿病情報センター(国立健康危機管理研究機構)によれば「摂取エネルギーの40〜60%」で、たんぱく質は20%まで、残りを脂質でとる形が基本です[1]。

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ただし2024年に改定された日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」では、エネルギー制限食だけでなく、総エネルギー摂取量が適正であることを前提にした緩やかな糖質制限も選択肢の一つとして位置づけられました[2]。「一律の正解」ではなく「自分の状態と好みに合わせて医療者と決める」ものへと考え方が変わってきています。この記事では、基準となる数字と、その数字がどこから来ているかを一つずつ確認していきます。数字だけを覚えるのではなく、「なぜその数字なのか」「自分の場合はどこに相談すればよいのか」まで含めて理解できることを目標にしています。糖尿病そのものについて基礎から知りたい方は、まず糖尿病の総合ガイドもあわせてご覧ください。

要点まとめ

  • 炭水化物の目安は摂取エネルギーの40〜60%(食品交換表の単位は1単位=80kcal)[1]
  • たんぱく質は20%まで、脂質は20〜30%が目安の枠組み[1]
  • 2024年版ガイドラインでは、短期間(6〜12か月以内)の緩やかな糖質制限も血糖コントロールに有効な可能性があるとされた(推奨グレードB)。長期の有効性は根拠が不十分[2]
  • 1日の目安量は「身長から求めた目標体重×身体活動量の係数」で計算する(例:身長160cmの座り仕事の人で目標体重約56.3kg、目安エネルギー量は約1400〜1700kcal)[1]
  • 低血糖の症状(冷や汗・手のふるえ・意識がもうろうとする等)が出たときや、体調不良で食事が取れないとき(シックデイ)は自己判断せず、すぐに医療機関・薬剤師に相談する

編集方針: JHO編集部がAIツールの支援を受け、公的機関・学会が公表する一次資料と照合して作成しました。最終確認は人の目で行っています。医師による個別の診断・指導の代わりにはなりません。数値や基準はガイドラインの改定により変わることがあります(2026年7月時点の情報)。ご自身の食事量・薬の量は、必ず主治医・管理栄養士と相談のうえ決めてください。

炭水化物量の早見表(糖尿病情報センターが示す1単位=80kcalの食品交換表の考え方[1])

1日の指示エネルギーが1,600kcalの場合 → 20単位。うち炭水化物(表1・表2)はおおむね9〜11単位(約720〜880kcal=炭水化物180〜220g)が一つの目安になります。実際の配分は病態・体格・活動量によって医療者が個別に指示するため、この数字は「計算の考え方を知るための例」であり、そのまま自己判断で使う数値ではありません。同じ考え方で、指示エネルギーが1,400kcalなら17.5単位、2,000kcalなら25単位というように、単位数はエネルギー量に比例して変わります。自分の指示単位数がわからない場合は、次回の通院時に確認してみてください。単位数を覚えておくと、外食時にもおおまかな換算がしやすくなり、食品交換表を持ち歩かなくても大きく外れにくくなるという実用上の利点もあります。

糖尿病の食事療法で炭水化物量が重要な理由 — 血糖が上がる仕組み

炭水化物(糖質+食物繊維)は、消化されるとブドウ糖に分解され血液中に入り、血糖値を上げます。糖尿病情報センターによれば、健康な体では、血糖値が上がるとすい臓からインスリンが分泌され、ブドウ糖を全身の細胞に取り込ませることで血糖値は正常範囲に戻ります[1]。ブドウ糖は脳をはじめ全身の細胞にとって主要なエネルギー源であり、炭水化物を極端にゼロにすればよいというものではありません。大切なのは「体がその日にきちんと処理できる量」を超えないようにすることです。

糖尿病では、このインスリンの分泌量が不足していたり(1型糖尿病に多い)、分泌はあってもインスリンの効き目が弱くなっていたり(2型糖尿病に多い)するため、同じ量の炭水化物をとっても血糖値が上がりやすく、下がりにくくなります。一度に大量の炭水化物をとると急激な血糖上昇(食後高血糖)を招きやすく、これが繰り返されることが血管の合併症のリスクにつながると考えられています。だからこそ、炭水化物を「まったくとらない」のではなく「量とタイミングを整える」ことが食事療法の中心になります。

図:JHO編集部が作成

1型糖尿病では、インスリンをつくる細胞そのものが働かなくなるため、食事内容にかかわらずインスリンの補充(注射やポンプ)が治療の中心になり、炭水化物量に合わせてインスリン量を調整する「カーボカウント」が重要な役割を果たします。2型糖尿病では、インスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)や分泌の遅れが背景にあることが多く、炭水化物の総量や食べ方の工夫によって食後の血糖上昇そのものを緩やかにすることが治療の柱の一つになります。どちらのタイプでも、「炭水化物=敵」ではなく「量と体の反応を見ながら付き合っていくもの」という位置づけです。

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数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。

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これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。

適切な摂取量の基準 — 糖尿病情報センター・日本糖尿病学会の目安

公的な情報源が示す、炭水化物・たんぱく質・脂質の配分の目安は次のとおりです。これらは「体重を適正に保ちながら、血糖値の急激な変動を避ける」という目的から導き出された枠組みであり、単なる数値目標としてだけでなく、日々の食事を組み立てるための土台として理解しておくと実践しやすくなります。

栄養素 摂取エネルギーに占める割合の目安 備考
炭水化物 40〜60% 食品交換表では1単位=80kcalを基準に食品重量を換算[1]
たんぱく質 20%まで 腎機能が低下している場合は別途制限が必要になることがある[1]
脂質 20〜30% 残りのエネルギーを脂質で補う考え方[1]
食塩 1日6g未満 高血圧・腎症予防の観点から[3]

出典:糖尿病情報センター(国立健康危機管理研究機構)「糖尿病の食事のはなし(基本編)」[1]/厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病の食事」[3]

糖尿病情報センターによると、1日の目安エネルギー量は、次の式で計算します[1]。

身体活動レベル エネルギー係数(kcal/kg目標体重) 目安となる働き方の例
軽い労作 25〜30 デスクワーク中心
普通の労作 30〜35 立ち仕事・営業など
重い労作 35〜 力仕事・農作業など

出典:糖尿病情報センター「糖尿病の食事のはなし(基本編)」[1](例:身長160cmでデスクワークの人の場合、目標体重は約56.3kg、目安エネルギー量は約1400〜1700kcalとなります)

この式で出たエネルギー量に、上の表の40〜60%を掛けて4で割ると、1日にとる炭水化物のグラム数の目安が出ます。ただし目標体重や係数の考え方は年齢・体格・治療方針によって医療者が調整するため、この式は「仕組みを理解するため」のものであり、自己判断で目標体重・エネルギー量を決めるためのものではありません。

受診の目安 — すぐに医療機関・薬剤師に相談が必要なサイン

  • 冷や汗・手のふるえ・動悸・強い空腹感・意識がぼんやりする(低血糖が疑われる症状)が出たとき
  • 発熱・嘔吐・下痢などで食事がいつも通りとれないとき(シックデイ)— 自己判断でインスリンや薬を中止しない
  • 炭水化物を大きく減らした・増やした後に、めまいや強いだるさが続くとき
  • 意識を失った、呼びかけに反応しないなど — ためらわず救急要請

日本とアメリカ(ADA)のガイドライン比較 — 「割合」を出す日本、出さないアメリカ

炭水化物量の考え方は、国・学会によって強調点が異なります。どちらが正しいというより、目的の違いを知っておくことが役立ちます。

項目 日本(日本糖尿病学会・糖尿病情報センター) アメリカ(米国糖尿病学会 ADA)
炭水化物の割合の考え方 摂取エネルギーの40〜60%という具体的な範囲を示す[1] 炭水化物・たんぱく質・脂質について特定の比率は推奨せず、個々の食習慣・嗜好・治療目標に合わせて個別化する[4]
糖質制限食の扱い 2024年版ガイドラインで、総エネルギーが適正な範囲での短期間(6〜12か月以内)の緩やかな制限を選択肢として明記(推奨グレードB)。長期の有効性は根拠不十分[2] 炭水化物の「量」よりも「質」(食物繊維が多く、野菜・果物・豆類・全粒穀物・乳製品由来であること)を重視する方向にシフト[4]
実践ツール 「食品交換表」(1単位=80kcal)による単位制計算[1] カーボカウント(炭水化物グラム数を数える方法)を中心に個別調整[4]

両者が実質的にズレているのは「割合を数字で決めるか、個々の食習慣に合わせて質を重視するか」という出発点です。日本の医療機関で「40〜60%」という数字を渡された方が、海外の情報サイトで「炭水化物の割合に決まりはない」という記述を見て混乱するケースがありますが、これは矛盾ではなく重視するポイントの違いです。

もう一つの違いは、実践のための「道具」です。日本では『食品交換表』という共通のツールが長年にわたり普及しており、医療機関でも患者本人でも同じ単位(80kcal)の考え方で会話ができるという強みがあります[1][5]。一方ADAは、炭水化物の「質」(食物繊維の多さ、添加糖の少なさ)を評価基準に据え、野菜・果物・豆類・全粒穀物・乳製品を中心に据えることを重視しています[4]。日本のガイドラインも2024年改定で、量だけでなく食事療法全体の個別化を進める方向に動いており、両者の距離は少しずつ縮まってきているとも言えます。

この違いを知っておく実用的なメリットは、海外発の糖尿病関連の情報(書籍・アプリ・SNS)に触れたときに混乱しないことです。たとえば「炭水化物比率にこだわらなくてよい」という海外の情報と、「40〜60%を目安に」という日本の医療機関の指導が、一見矛盾しているように見えることがあります。しかし前提を分解すれば、ADAも「質の低い(食物繊維が少なく、精製度の高い)炭水化物を大量にとってよい」とは言っていませんし、日本のガイドラインも「40〜60%という数字さえ守れば内容は何でもよい」とは言っていません。どちらも最終的には「食物繊維が多く、血糖の急上昇を招きにくい炭水化物を、体に合った量でとる」という方向を向いており、強調の仕方が異なるだけだと理解しておくと、情報に振り回されにくくなります[1][4]。

実践編 — 食品交換表とカーボカウントの考え方

日本の医療機関で広く使われている『糖尿病食事療法のための食品交換表』(日本糖尿病学会編)は、食品を6つの表に分類し、1単位=80kcalを基準に、同じ表・同じ単位数なら食品を交換して食べてよいという考え方です[1]。分類は次のとおりです[5]。

表 含まれる食品 主な栄養素
表1 穀類・いも・炭水化物の多い野菜・種実類 炭水化物
表2 くだもの 炭水化物
表3 魚介・肉・卵・チーズ・大豆製品 たんぱく質
表4 牛乳・乳製品 たんぱく質
表5 油脂・多脂性食品 脂質
表6 野菜(表1以外)・海藻・きのこ・こんにゃく ビタミン・ミネラル・食物繊維

出典:福井道明ほか「見直される糖尿病の食事療法 6.食品交換表第7版 改訂のポイント」糖尿病56巻12号(日本糖尿病学会)[5]

炭水化物の主な供給源は表1(主食)と表2(くだもの)です。「同じ表の中でなら交換してよい」というのが単位制のいちばんの利点で、たとえば指示された表1の単位数の範囲内であれば、ごはんとパンを状況に応じて置き換えることができます。

一方カーボカウントは、1回の食事に含まれる炭水化物のグラム数を計算し、特にインスリン注射をしている場合に、その量に合わせてインスリンの単位数を調整する方法です。良好な血糖コントロールにつながることが期待される一方、炭水化物量の見積もりには誤差が出やすいため、導入時は医療者・管理栄養士の指導のもとで練習することが前提になります。

どちらの方法を選ぶかは、治療内容(食事療法のみか、インスリン注射をしているか)や生活スタイルによって変わります。食品交換表は「表の中で交換する」というシンプルなルールで続けやすい一方、カーボカウントは炭水化物量とインスリン量の関係をより細かく反映できるため、血糖の変動が大きい方に向いていることがあります。どちらの方法にも一長一短があり、優劣で選ぶというより、自分の生活リズムと治療内容に合っているかどうかで判断するものです。「表を使うか、グラムを数えるか」を自己流で決めず、通院時に管理栄養士に相談して自分に合う方法を選ぶことが、長く続けるコツです。インスリン注射を使っている方は、注射器具そのものの選び方や使い方も炭水化物量の管理と合わせて確認しておきたいポイントです(インスリンペンの種類と選び方・正しい使い方)。

食事の摂り方の工夫 — 量だけでなく「食べ方」も血糖に関わる

炭水化物の総量を守っていても、食べ方が偏ると血糖の動きが不安定になりやすいことが知られています。糖尿病情報センターは、日々の食事の工夫として次の点を挙げています[1]。

  • 朝食・昼食・夕食を規則正しく食べる — 1食を抜くと次の食事で血糖値が急上昇しやすくなる
  • 夜遅く、寝る前には食べない — 就寝前の食事は血糖・体重管理の両面で不利になりやすい
  • 食事は腹八分目でストップしておく — 「満腹になるまで」を毎回の基準にしない

1日の指示エネルギー量・炭水化物量が同じでも、3食にどう配分するかで食後の血糖の上がり方は変わります。極端に偏った配分(たとえば夕食に1日分の主食の大半を集める、など)は避け、3食でなるべく均等に近づけることが糖尿病情報センターの示す基本の考え方です[1]。仕事や生活リズムの都合で毎日同じ時間に食べることが難しい場合もありますが、その場合も「1食を抜いて次の食事でまとめて食べる」よりは、軽くてもよいので3食に分けたほうが血糖の急な変動を抑えやすいとされています。間食についても、量とタイミングを含めて指示エネルギー量の中でどう位置づけるかを、通院時に確認しておくと安心です。夜勤や交代制勤務など、そもそも「朝・昼・夕」という枠組みに生活が合わない場合は、自分の生活リズムに合わせた食事回数・タイミングの調整方法があるため、自己判断で極端に食事を抜くのではなく、その旨を主治医・管理栄養士に伝えて相談することが大切です。

主食・食品ごとの炭水化物量の目安

食品交換表の「単位」は重量換算されており、代表的な主食のおおよその目安量は次のとおりです(1単位=80kcal相当の重量の一般的な目安)。

食品 1単位(80kcal)の目安重量 備考
ごはん 約50g(茶碗軽く半分程度) 炊いた状態[1]
食パン 約30g(6枚切り半分程度) 具体的な商品の重量は個別に確認[1]
うどん(ゆで) 約80g つゆの糖分・塩分は別に考慮[1]

出典:糖尿病情報センター「糖尿病の食事のはなし(基本編)」の食品交換表の考え方に基づく一般的な目安[1]。正確な重量は『糖尿病食事療法のための食品交換表』(日本糖尿病学会編・文光堂)で確認してください。数値は商品・炊き方により変動します。

1日3食で炭水化物量が大きく偏らないよう、時間を決めて規則正しくとることも、糖尿病情報センターが血糖の安定に関わるポイントとして挙げています[1]。

食物繊維の役割 — 「同じ炭水化物量」でも中身で変わること

炭水化物は「糖質」と「食物繊維」に分けられます。血糖値を直接上げるのは主に糖質のほうで、食物繊維は消化・吸収されにくく、血糖値をほとんど上げません。日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」は、「2型糖尿病の血糖コントロールのために積極的な食物繊維摂取は有効である」としています[2]。

つまり、同じ「炭水化物◯g」という数字でも、精製度の低い穀物(玄米・全粒粉パンなど)や野菜・きのこ・海藻(食品交換表の表6)を多く含む食事と、白米や砂糖・精製された小麦粉を中心にした食事とでは、食後の血糖の上がり方が異なりやすいと考えられます。炭水化物の「量」を守ることに加えて、表6の食品(食物繊維の供給源)を毎食の皿に取り入れることも、食事療法の実践面で役立つ工夫の一つです。

ただし食物繊維をとれば量の管理をしなくてよいわけではありません。日本糖尿病学会のガイドラインが位置づけているのはあくまで「炭水化物量というベースの上に、質(食物繊維の多さ)を重ねる」という考え方であり、量の基準(40〜60%)自体を置き換えるものではない点に注意してください[1][2]。

外食・コンビニ・飲み会でどう炭水化物量を管理するか

家庭での食事は分量を計りやすい一方、外食やコンビニ食は炭水化物量が見えにくく、量が多くなりがちです。ここでは「厳密に計算する」よりも「続けやすい工夫」を優先する考え方を紹介します。

丼物・麺類より定食を選ぶ。 丼物やラーメン・パスタ単品は炭水化物(表1)に偏りやすく、野菜(表6)やたんぱく質(表3)が不足しがちです。定食スタイルであれば、主食の量を残す・減らすといった調整がしやすくなります。

主食の「大盛り」に注意する。 コンビニのおにぎり・パンは1個あたりの炭水化物量が商品ごとに大きく異なります。パッケージの栄養成分表示にある「炭水化物」または「糖質」の欄を確認する習慣が、外食中心の生活でも量を把握する助けになります。

飲み会・お酒とのつきあい方は医療者に確認する。 アルコールそのものの扱いや、おつまみに含まれる炭水化物量、服薬中の飲酒の可否は、使っている薬の種類によって注意点が異なります。自己判断せず、通院時に具体的な質問として聞いておくことをおすすめします。

これらは「絶対にしてはいけない」というルールではなく、炭水化物量が把握しにくい場面での実践的な工夫です。量の把握に自信が持てない期間は、外食の頻度そのものを主治医・管理栄養士と一緒に相談しながら調整していくとよいでしょう。間食との付き合い方についてより詳しく知りたい場合は、コンビニ商品から専門店のスイーツまで扱う別記事(日本の糖尿病患者向け間食完全ガイド)もあわせてご覧ください。

この症状、放置して大丈夫?次に確認すべきこと 関連記事
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よくある誤解と注意点

ここまで見てきた基準や実践方法をふまえたうえで、特に混同されやすい誤解を整理します。数字を守ること自体が目的化してしまうと、かえって続けにくくなったり、思わぬリスクを招いたりすることがあります。

「炭水化物ゼロが一番安全」ではありません。 極端な糖質制限は、短期的に血糖値を下げやすい一方、長期的な安全性・有効性については2024年版ガイドラインの時点でも根拠が十分ではないとされています[2]。また、インスリンや血糖降下薬を使っている人が自己判断で炭水化物を極端に減らすと、薬の量とのバランスが崩れて低血糖を起こす危険があります。

「糖質オフの商品なら量を気にしなくてよい」わけでもありません。 糖質を減らした商品でも、脂質やエネルギー量が多い場合があり、総エネルギー摂取量が適正であることが前提とされている点に注意が必要です[2]。

「一度決めた量は変えられない」ものでもありません。 体重・血糖値・治療内容の変化に応じて、指示エネルギー量や配分は見直されるものです。数値が更新されたら、その都度、最新の指示に沿って調整します。

「同じ糖尿病の人が実践している方法だから自分にも合う」とも限りません。 年齢・体格・活動量・服薬内容(インスリンの有無など)・合併症の有無によって、糖尿病情報センターが示す「炭水化物40〜60%」という目安の中でも、実際の指示エネルギー量やグラム数は人によって大きく異なります[1]。SNSや知人の体験談で見た数値をそのまま自分に当てはめず、自分自身の指示内容を主治医・管理栄養士に確認することが基本です。

「エネルギー制限食が唯一の正解」というわけでもありません。 2024年版ガイドラインは、これまで中心だったエネルギー制限食に加えて、糖質制限食や低GI食といった複数の選択肢を、患者の病態や嗜好に応じて選べる方向性を示しています[2]。どの方法にも「総エネルギー摂取量が適正であること」という前提があるため、方法を選ぶ段階でも医療者との相談が欠かせません。

炭水化物量の管理は、一人で完結させる作業ではありません。医療機関を受診する際、あらかじめ聞きたいことをメモしておくと、限られた診察時間の中でも要点を確認しやすくなります。以下のチェックリストは、そのまま印刷・コピーして持参できるように作成しています。

通院時に確認しておきたいメモ(コピーして使えます)

  • 直近の空腹時血糖値・HbA1cの数値
  • 1日の指示エネルギー量と、炭水化物・たんぱく質・脂質の配分
  • 今使っている食品交換表またはカーボカウントの単位・グラム数
  • 低血糖を起こしたことがあるか、あればいつ・どんな状況だったか
  • 外食・飲酒・間食の頻度と、それについて相談したいこと

本記事で参照した資料には、年齢層別(高齢者・妊婦・成長期の子どもなど)に細分化された炭水化物量の詳細な数値までは記載が見当たりませんでした。年齢・妊娠の有無・持病の内容によって目安は個別に調整されるため、該当する場合は主治医・管理栄養士に直接確認してください。糖尿病そのものの診断基準について確認したい場合は、日本の基準と国際基準を比較した別記事(糖尿病と予備群の診断基準)もあわせてご確認ください。同様に、腎機能低下がある場合のたんぱく質制限の具体的な数値(g/kg体重など)についても、本記事で参照した一般向け資料には詳細な記載がなく、腎症の病期に応じて医療者が個別に設定するものであるため、該当する方は主治医の指示を優先してください。運動療法と炭水化物摂取のタイミングを組み合わせた具体的な指導内容についても、本記事で参照した一般向け資料には詳細な記載がなく、運動の種類・強度・薬物治療の内容によって注意点が異なるため、運動を新たに始める場合や運動量を大きく変える場合は、事前に主治医に相談することをおすすめします。

よくある質問

炭水化物は1日何グラムまでにすればいいですか?
一律の正解はありません。糖尿病情報センターによれば、摂取エネルギーの40〜60%を炭水化物からとる考え方が一つの目安ですが[1]、実際のグラム数は身長・体重・活動量・治療内容から医療者が個別に計算します。まずは通院時に自分の指示エネルギー量を確認することが出発点です。
糖質制限(炭水化物をかなり減らす食事)はしてもいいですか?
2024年版の日本糖尿病学会ガイドラインでは、総エネルギー摂取量が適正であることを前提に、6〜12か月以内の短期間であれば緩やかな糖質制限が血糖コントロールに有効な可能性があるとされています(推奨グレードB)。ただし長期的な有効性・安全性の根拠は十分ではないとされており[2]、自己判断で始めず医療者に相談することが前提です。
ごはんを減らして、おかずを増やせば血糖値は上がりにくいですか?
主食(ごはん・パン・めん類)を減らせば単純計算では炭水化物量は減りますが、代わりにたんぱく質や脂質を大きく増やすと、糖尿病情報センターが示す「たんぱく質20%まで、脂質20〜30%」という配分の目安から外れることがあります[1]。特定の栄養素だけを増減させるより、全体のバランスで考えることが基本です。
食品交換表とカーボカウント、どちらを使えばいいですか?
食事療法が中心の方は食品交換表による単位計算、インスリン注射をしていて食事ごとに量を細かく調整したい方はカーボカウントが選ばれる傾向がありますが、どちらも自己流で始めるものではなく、管理栄養士の指導のもとで自分に合う方法を選びます。
くだものは炭水化物に入りますか?食べてはいけませんか?
糖尿病情報センターの食品交換表の考え方では、くだものは「表2」に分類され、炭水化物の供給源の一つです[1]。食べてはいけないということではなく、指示された単位数の範囲でとる食品として位置づけられています。量やとる時間帯については個別に確認してください。
食塩はなぜ食事療法の話に出てくるのですか?
厚生労働省 e-ヘルスネットによれば、糖尿病の食事療法では炭水化物量に加えて、食塩を1日6g未満に抑えることも基本の一つとして挙げられています[3]。高血圧や腎症など、糖尿病に合併しやすい病気の予防に関わるためです。
低血糖になったとき、炭水化物はどうとればいいですか?
低血糖が疑われる症状(冷や汗・手のふるえ・強い空腹感・意識がぼんやりするなど)が出たときの対応(ブドウ糖の量やタイミング)は、使っている薬の種類によって異なります。インスリンやSU薬などを使っている場合は、事前に主治医から低血糖時の具体的な対応(ブドウ糖何gをどのタイミングでとるか等)の指示を受けておくのが基本です。症状が改善しない、繰り返す、意識障害があるときはためらわず医療機関を受診してください。炭水化物量を自己判断で日常的に大きく変えることは、低血糖のリスクを不安定にする一因になり得るため避けてください。
外食のときも炭水化物量を細かく計算しなければいけませんか?
外食では正確なグラム数の把握は難しいことが多いため、主食の量を目安で調整する、丼物より定食を選ぶといった実践的な工夫が紹介されることが一般的です。厳密な計算にこだわりすぎて外食自体を避けるより、続けやすい方法を管理栄養士と一緒に見つけることが勧められます。炭水化物量の把握に慣れないうちは、外食の頻度や量について通院時に相談し、自分なりの目安を少しずつつかんでいくとよいでしょう。
アメリカなど海外の情報で「炭水化物の割合に決まりはない」と見ました。日本の基準と矛盾していますか?
矛盾ではありません。米国糖尿病学会(ADA)は特定の比率を推奨せず、個々の食習慣に合わせた個別化と炭水化物の「質」(食物繊維の多さ、精製度の低さ)を重視する立場をとっています[4]。一方、日本は糖尿病情報センターが40〜60%という具体的な範囲を目安として示す立場です[1]。どちらも「食事療法は個別に調整するもの」という前提は共通しており、強調点が異なるだけです。海外の情報を参考にする場合も、実際に指示を受けるのは日本の主治医であることを忘れずに、最終的な数値は日本の医療機関での指示を優先してください。
体重を減らすために、炭水化物だけを極端に減らせば早く痩せますか?
炭水化物を大きく減らすと体重が短期的に落ちやすいことはありますが、糖尿病診療ガイドライン2024の時点でも、糖質制限の長期的な有効性・安全性の根拠は十分ではないとされています[2]。また体重減少は炭水化物量だけでなく総エネルギー摂取量とのバランスで決まるため、脂質やたんぱく質を大きく増やしてしまうと期待した効果が得られないこともあります。体重管理を目的とする場合も、自己流ではなく医療者・管理栄養士と相談しながら進めることが安全です。無理のない続け方については糖尿病でも楽しく健康に生きるためのヘルシーダイエットガイドも参考になります。
「糖質」と「炭水化物」はどう違うのですか?表示を見るときどちらを見ればいいですか?
炭水化物は「糖質」と「食物繊維」を合わせた総称です。食品の栄養成分表示には「炭水化物」とだけ書かれている場合と、「炭水化物(糖質・食物繊維)」のように内訳まで書かれている場合があります。血糖値を直接上げるのは主に糖質のほうですが、日々の目安として「炭水化物」の欄をチェックする方法が広く使われています。どちらの表示を基準にするかは、通院先での指導方針に沿って確認してください。

更新日:2026年7月19日。本記事は公的機関・学会が公表する一次資料をもとに作成していますが、内容に誤りや古い情報が含まれている場合は、コメント欄またはお問い合わせフォームからお知らせいただけますと幸いです。いただいたご指摘は確認のうえ、必要に応じて記事を修正します。

参考文献

  1. 糖尿病情報センター(国立健康危機管理研究機構)「糖尿病の食事のはなし(基本編)」 https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/020/02-1.html
  2. 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」第3章 食事療法 https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/03_1.pdf
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病の食事」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-004.html
  4. Summary of Revisions: Standards of Care in Diabetes—2025, American Diabetes Association(PMC収載) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11635056/
  5. 福井道明・山本浩司・石田均「見直される糖尿病の食事療法 6.食品交換表第7版 改訂のポイント」『糖尿病』56巻12号、日本糖尿病学会 https://www.jstage.jst.go.jp/article/%e7%b3%96%e5%b0%bf%e7%97%85/56/12/56_922/_pdf/-char/en
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医療情報に関する重要なお知らせ

本記事はAI技術を活用し、厚生労働省・WHO等の公的医療機関の情報に基づいて作成されています。医療専門家による個別の監修は受けておりません。健康上の判断や治療については、必ず医師にご相談ください。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。

Trinh Van Dieu

Trinh Van Dieu

ITエンジニア(17年)・Japanese Health 運営者

ベトナム在住のITエンジニア。17年の技術経験を活かし、日本の公的医療機関の情報をAI技術で整理・発信しています。

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