コンテンツへスキップ
お問い合わせ
スポンサーリンク
心血管疾患 28分で読める 42回

【高血圧とは?】原因・症状・合併症と治療・予防まで徹底解説

スポンサーリンク
文字サイズ





健康診断のたびに「血圧が高めですね」と言われるものの、特に自覚症状がないまま様子を見続けている――そんな方は日本でも少なくありません。世界保健機関(WHO)は、30〜79歳の成人約14億人が高血圧を抱えており、そのうち約6億人は自分が高血圧であることに気づいていないと報告しています。

受診の目安チェック・無料

この症状、いつ受診すべきか確認しますか?

回答に合わせて必要な質問だけを表示します。診断は行いません。

症状はいつから続いていますか?

回答により質問数が変わります・途中でいつでも記事に戻れます

スポンサーリンク
この症状、放置して大丈夫?次に確認すべきこと 関連記事
この記事では答えていない疑問です — 読み終えたら、続けてご確認ください
脳卒中リスクは高い? 記事へ 治る高血圧の見分け方は? 記事へ この血圧は大丈夫? 記事へ 塩分6gはどれくらい? 記事へ
この記事で気になったことを、AIにそのまま聞けます
健康アドバイザーオンライン ・ 24時間対応 無料
自覚症状がないまま血圧が高めと言われる不安、よくわかります。いつ頃から気になっていますか?
気になるものを、タップするだけ
厚生労働省・査読論文などの一次情報源をもとに、あなたの状況に合わせてお答えします

日本でも、高血圧は生活習慣病の中で最も重要なリスク要因の一つとされ、特に70歳以上では男女ともに7割を超える人が高血圧に分類されるという報告があります。 症状が乏しいまま、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞などの重い合併症として現れることもあり、「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」と呼ばれることもあります。

一方で、生活習慣の見直しや適切な薬物療法によって、血圧をコントロールし合併症のリスクを大きく減らせることも、多くの研究やガイドラインで示されています。日本高血圧学会の最新ガイドライン(JSH2025)では、年齢や合併症にかかわらず、原則として130/80mmHg未満を目標とした血圧管理が推奨されています。

本記事では、厚生労働省や日本高血圧学会、WHOなどの信頼できる情報源に基づき、高血圧の基礎知識から原因・症状・検査・治療・セルフケア・受診の目安まで、できるだけわかりやすく整理して解説します。気になる症状がある方や、家族に高血圧の方がいる人も、ぜひ参考にしてください。

Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について

Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。

本記事の内容は、主に以下のような一次情報源に基づいて、JHO編集部がAIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています。

  • 厚生労働省や公的研究機関の情報:e-ヘルスネットの「高血圧」や「生活習慣病」関連ページ、国民健康・栄養調査、統計資料など、日本人向けの公式情報を優先して参照しています。
  • 日本高血圧学会(JSH)などのガイドライン:JSH2019およびJSH2025ガイドラインや関連論文を通じて、日本人の高血圧診療に関する最新の推奨を確認しています。
  • 世界保健機関(WHO)など国際機関の資料:高血圧の世界的な負担や治療率、減塩推奨量などについて、WHOのファクトシートや報告書を参照しています。

AIツールは、文献の要点整理や構成案の作成など「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述について事実関係・数値・URLの妥当性を確認しています。

私たちの運営ポリシーや編集プロセスの詳細は、運営者情報(JapaneseHealth.org)をご覧ください。

要点まとめ

  • 高血圧とは、診察室血圧で原則140/90mmHg以上の状態が続くことで、日本人では加齢とともに有病率が急激に増加します。
  • 多くの場合、自覚症状はほとんどありませんが、放置すると脳卒中や心筋梗塞、腎不全、認知症など、命に関わる合併症のリスクを大きく高めます。
  • 日本人の高血圧の最大の原因は「食塩のとり過ぎ」であり、肥満・運動不足・飲酒・喫煙・ストレスなどの生活習慣や、腎臓病・ホルモン異常などの病気が影響することもあります。
  • 日本高血圧学会は、高血圧患者では1日の食塩摂取量6g未満、WHOは成人1日5g未満(ナトリウム2g未満)を推奨しており、減塩と体重管理・運動などの生活改善が治療の土台になります。
  • 生活改善だけで十分でない場合には、利尿薬、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬/ARB、β遮断薬などの降圧薬を、医師と相談しながら継続的に使用することで、合併症リスクを大きく減らすことができます。
  • 頭痛・息切れ・胸痛・視覚異常などを伴う180/120mmHg以上の「非常に高い血圧」は緊急事態の可能性があり、ためらわずに救急受診や119番通報を検討することが重要です。

今の血圧・脈拍を確かめる

数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。

身長と体重からBMIも調べる

これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。

第1部:高血圧の基礎知識と日常生活の見直し

最初に、高血圧とはどのような状態を指すのか、日本で用いられている血圧の基準値や分類、そして日常生活の中で気づきにくい「悪い習慣」について整理します。いきなり病気の話に進む前に、まずは血圧の仕組みと、生活習慣との関係をイメージしてみましょう。

1.1. 血圧の基本と高血圧の定義

血圧とは、心臓が血液を全身に送り出すときに、血管の壁にかかる圧力のことです。腕に巻くカフで測る数値は、上が「収縮期血圧(最高血圧)」、下が「拡張期血圧(最低血圧)」を表し、たとえば「120/80mmHg」のように表記されます。

日本高血圧学会のガイドラインでは、診察室で測定した血圧が原則として140/90mmHg以上の状態が続く場合に「高血圧」と診断されます。家庭での自己測定では、診察室よりもやや低めに出やすいため、一般に135/85mmHg以上が高血圧の目安とされています。

一方で、140/90mmHgには達していないものの、将来の高血圧や心血管疾患のリスクが高い「高値血圧(いわゆる正常高値)」という段階も定義されています。JSH2019では、診察室血圧130〜139/80〜89mmHg程度がこれに相当し、生活習慣の見直しが強く推奨されます。

1.2. 高血圧の分類と目標値

JSHガイドラインでは、高血圧の重症度やリスクに応じて、次のような分類や目標値が示されています(数値は一例であり、年齢・合併症・個々の事情により異なります)。

  • 正常血圧:診察室血圧で120/80mmHg未満
  • 高値血圧:診察室血圧で130〜139/80〜89mmHg程度
  • 高血圧(ステージ1〜3):診察室血圧で140/90mmHg以上(160/100mmHg以上など、数値が高いほどリスクが大きい)
  • 目標血圧:JSH2025では、多くの成人で130/80mmHg未満を共通目標としつつ、高齢者や合併症の有無に応じて個別に調整

近年は、家庭血圧や24時間血圧(ホルター血圧)の重要性も強調されており、「診察室では高いが家庭では正常(白衣高血圧)」や、「診察室では正常だが家庭では高い(仮面高血圧)」といった状態も、心血管リスクが高いことがわかってきました。

1.3. 自覚症状が乏しい「サイレントキラー」

高血圧の怖いところは、「かなり血圧が高くなっていても、自覚症状がほとんどないこと」が多い点です。軽〜中等度の高血圧では、多くの人が普段どおり仕事や家事をこなせてしまうため、「少し高いくらいなら大丈夫」「歳だから仕方ない」と放置されがちです。

一方で、長年にわたって高い血圧にさらされた血管や臓器は、少しずつダメージを蓄積していきます。その結果として、ある日突然、脳卒中(脳梗塞・脳出血)や心筋梗塞、心不全、腎不全などの重い病気として現れることがあり、「サイレントキラー」と呼ばれています。WHOの報告では、高血圧は世界の心血管死亡の大きな割合を占める主要な危険因子です。

ただし、血圧が180/120mmHg以上のように非常に高くなった場合には、激しい頭痛・息切れ・胸の痛み・視界のかすみ・吐き気・意識がぼんやりするなどの症状が出ることがあります。このようなときは、脳卒中や大動脈解離などの緊急疾患が隠れている可能性があるため、迷わず救急受診や119番通報を検討しましょう。

1.4. 高血圧を悪化させるNG生活習慣

厚生労働省のe-ヘルスネットによると、日本人の高血圧の最大の原因は「食塩のとり過ぎ」であり、飲酒・運動不足・肥満・喫煙などの生活習慣も大きく関与するとされています。 以下のような行動は、高血圧を悪化させる代表的なNG習慣です。

  • 塩分の多い食事:ラーメンのスープを飲み干す、漬物・梅干し・干物をたっぷり食べる、加工肉やインスタント食品・総菜・外食が多い、しょうゆを「かける」というより「浸す」感覚で使ってしまう など。
  • 飲酒量が多い:毎日多量の飲酒を続けると、血圧の上昇や不整脈、肝障害のリスクが高まります。
  • 運動不足・長時間の座りっぱなし:通勤・仕事・家事・余暇のすべてが「ほぼ座りっぱなし」で、息が上がる程度の運動が週にほとんどないケース。
  • 体重増加・内臓脂肪の蓄積:腹囲が増え、ベルトの穴が1〜2つ分きつくなっているのに、そのまま放置してしまう。
  • 喫煙:タバコは血管を収縮させ、動脈硬化を進行させます。高血圧と喫煙が重なると心血管リスクは一段と高くなります。
  • 睡眠不足やストレス:慢性的な睡眠不足や強いストレスは自律神経のバランスを崩し、血圧のコントロールを悪化させます。

これらは「つい、いつもの習慣で」続けてしまいがちなものばかりですが、血圧にとっては確実に負担となります。すべてを一度に変える必要はありませんが、「塩分を少し減らす」「1日10分だけ歩く時間を増やす」といった小さな一歩から始めることが大切です。

表1:セルフチェックリスト ― 日常生活と血圧の関係
こんな症状・状況はありませんか? 考えられる主な背景・原因カテゴリ
健康診断で毎回「血圧高め」と言われるが、自覚症状は特にない サイレントな高血圧/高値血圧(生活習慣の見直しと定期的な測定が必要)
ラーメンや丼もの、総菜・コンビニ食が多く、外食が週3回以上ある 食塩過多・エネルギー過多による高血圧リスクの上昇
ここ数年で体重が5kg以上増え、お腹まわりがきつくなった 肥満・内臓脂肪型肥満による血圧上昇や糖尿病・脂質異常症リスク
夜遅くまでスマホやPCを見ていて、睡眠時間が毎日5〜6時間以下 睡眠不足・自律神経の乱れによる血圧の変動・高血圧リスク
病院では血圧が高いが、家庭で測ると比較的落ち着いている 白衣高血圧の可能性(家庭血圧や24時間血圧測定での評価が大切)
逆に病院では正常だが、家庭では高めの数値が続いている 仮面高血圧の可能性(心血管リスクが高く、早めの対応が重要)

第2部:身体の内部要因 ― 遺伝・ホルモン・隠れた病気

生活習慣を見直しても血圧が高いままの場合、背景には遺伝的な体質や、腎臓・ホルモンの病気など「身体の内側」の問題が隠れていることがあります。この章では、特に日本人で多いパターンや、女性のライフステージと血圧の関係、二次性高血圧の代表的な原因を整理します。

2.1. 本態性高血圧と家族歴

高血圧の約9割は「本態性高血圧」と呼ばれ、特定の病気が原因ではなく、遺伝的体質と生活習慣が重なって起こるタイプです。親や兄弟姉妹に高血圧の人がいる場合、自分も高血圧になりやすいことが多くの疫学研究で示されています。

また、若い頃からやや血圧が高めで、塩分の多い食事や体重増加、ストレスなどが重なると、40〜50代で本格的な高血圧として現れてくるケースも少なくありません。家族歴がある方は、「自分はまだ若いから大丈夫」と思わず、30代のうちから血圧や生活習慣を意識しておくことが重要です。

2.2. 【特に女性】ライフステージとホルモンバランス

女性では、月経・妊娠・更年期など、ホルモンバランスの変化が血圧に影響します。

  • 妊娠高血圧症候群:妊娠中に初めて高血圧が現れるタイプで、母体だけでなく胎児にも影響する可能性があります。むくみや頭痛、視覚異常、急激な体重増加などがある場合は、早めに産婦人科へ相談が必要です。
  • 経口避妊薬(ピル):一部の人では、ピルの使用が血圧上昇に関与することが知られており、定期的な血圧チェックが推奨されます。
  • 更年期と高血圧:女性ホルモン(エストロゲン)の減少に伴い、血管の保護作用が弱まり、脂質異常や内臓脂肪型肥満とともに血圧が上がりやすくなります。

「更年期だから仕方ない」と諦めてしまうのではなく、生活習慣の見直しや、必要に応じて内科・循環器内科・婦人科などと連携して対策をとることが大切です。

2.3. 二次性高血圧 ― 隠れた病気が原因のケース

高血圧の残り1割ほどは、「二次性高血圧」と呼ばれ、明確な原因疾患が存在するタイプです。代表的なものとして、次のような病気が挙げられます。

  • 腎臓の病気(慢性腎臓病、腎動脈狭窄など)
  • ホルモンの病気(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、甲状腺機能異常、褐色細胞腫など)
  • 睡眠時無呼吸症候群:いびきをかき、睡眠中に呼吸が止まる状態が繰り返される病気で、夜間〜早朝の血圧上昇や日中の強い眠気を伴うことがあります。
  • 薬剤性高血圧:一部の鎮痛薬(NSAIDs)、ステロイド、経口避妊薬、感冒薬、漢方薬、サプリメントなどが血圧上昇に関与することがあります。

次のような場合には、二次性高血圧を疑って詳しい検査が検討されます。

  • 若い年齢(例えば35歳未満)で突然高血圧と診断された
  • 3種類以上の降圧薬を最大量近く使っても血圧が十分に下がらない
  • カリウム低値など、血液検査で特異的な異常が見つかった
  • 夜間の血圧が非常に高い、または早朝血圧が極端に高い

2.4. 小児・若年者の高血圧

かつて高血圧は中高年以降の病気と考えられがちでしたが、近年では子どもや若者の高血圧も世界的に増加していることが報告されています。大規模なメタ解析では、20年間で子ども・思春期の高血圧有病率が約2倍に増加し、肥満や運動不足が大きな要因と指摘されています。

日本でも、小児肥満や生活習慣の変化に伴って、学校検診や小児科外来で高血圧が見つかるケースが増えています。お子さんの体重増加や運動不足が気になる場合は、学校や小児科で血圧を含めた健康チェックを受けることが大切です。

第3部:専門的な診断が必要な疾患と合併症

ここでは、高血圧を放置した場合に起こり得る合併症や、検査・診断の流れを整理します。「単なる数値」ではなく、その先にある脳・心臓・腎臓・血管・眼・脳機能への影響を具体的にイメージすることが、治療を続けるモチベーションにもなります。

3.1. 高血圧が引き起こす主な合併症

高血圧は、次のような合併症の大きなリスク因子です。

  • 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血):長年高い血圧にさらされた脳血管が傷み、詰まりやすくなったり、もろくなって破れやすくなります。
  • 心筋梗塞・狭心症・心不全:心臓は高い血圧に逆らって血液を送り続けるため、次第に筋肉が厚くなり(左室肥大)、やがて機能が低下して心不全に至ることがあります。
  • 慢性腎臓病・腎不全:腎臓の細い血管がダメージを受け、老廃物をうまく排出できなくなります。透析療法が必要になるケースもあります。
  • 大動脈瘤・大動脈解離:大動脈の壁が弱くなって膨らんだり(瘤)、裂けたり(解離)する危険な状態です。突然の激しい胸痛・背部痛が特徴で、緊急治療が必要です。
  • 網膜症・視力低下:眼の奥の細い血管が障害され、視力が低下したり、最悪の場合失明につながることもあります。
  • 認知症・脳の萎縮:高血圧はアルツハイマー型認知症や血管性認知症のリスクを高めるとされ、近年特に注目されています。

3.2. 検査・診断の流れ ― 何を調べるのか

高血圧が疑われる場合、医療機関では次のような検査が行われます。

  • 血圧測定:両腕で2〜3回ずつ測定し、別の日にも測定して平均を確認します。家庭血圧や24時間血圧測定(ABPM)が勧められることもあります。
  • 血液検査:腎機能(クレアチニン・eGFR)、電解質(ナトリウム・カリウムなど)、脂質(コレステロール・中性脂肪)、血糖・HbA1cなどを調べ、合併症や二次性高血圧の手がかりを探ります。
  • 尿検査:蛋白尿やアルブミン尿の有無を確認し、腎臓への影響を評価します。
  • 心電図・心エコー:心肥大や不整脈、心機能の低下などをチェックします。
  • 眼底検査:眼の奥の血管の状態を見て、全身の動脈硬化の進み具合を推測します。

これらの検査結果を総合して、高血圧の重症度(ステージ)や、脳・心・腎などの臓器障害の有無、将来の心血管イベントリスクが評価されます。そのうえで、生活習慣の改善だけで様子を見るのか、降圧薬を開始するのか、といった治療方針が決められます。

3.3. どんなときに「すぐ受診」すべきか ― 危険なサイン

次のような症状や状況がある場合は、高血圧が原因の緊急疾患が疑われるため、自己判断で様子を見ず、ただちに救急受診や119番通報を検討してください。

  • 突然の激しい頭痛、今までに経験したことのない痛み
  • 片側の手足の麻痺・しびれ、ろれつが回らない、視野の一部が見えない
  • 胸の強い圧迫感や痛み、冷汗、息が苦しい
  • 意識がぼんやりする、呼びかけに反応しにくい
  • 血圧が180/120mmHg以上で、上記のような症状を伴っている

一方、症状が軽くても、家庭血圧で135/85mmHg以上が続く、健康診断で何度も高血圧を指摘されている、糖尿病や腎臓病など他の生活習慣病も指摘されている場合は、早めにかかりつけ医や内科を受診し、詳しい評価を受けることをおすすめします。

第4部:今日から始める改善アクションプラン

高血圧の管理では、「生活習慣の改善」と「必要に応じた薬物療法」の両輪が重要です。ここでは、今日からでも始められる行動をレベル別に整理し、現実的に続けやすい方法を考えていきます。

表2:改善アクションプラン ― レベル別にできること
ステップ アクション 具体例
Level 1:今夜からできること 減塩とリラックスを意識する ラーメンのスープを残す/しょうゆは「かける」から「つける」に変える/就寝1〜2時間前はスマホを控え、照明を少し暗くする
Level 2:今週から始めること 毎日の血圧チェックと歩く時間の確保 毎朝・毎晩、同じ時間帯に家庭血圧を測り、ノートやアプリに記録する/エレベーターの代わりに階段を使う/一駅分歩く
Level 3:今月から取り組みたいこと 体重管理と飲酒・喫煙の見直し 1カ月で体重1〜2kg減を目標に、夕食の主食を少し減らす/週に2日は「休肝日」を設ける/禁煙外来の受診を検討する
Level 4:中長期的に続けること 定期受診と薬の継続・見直し 医師と相談しながら、3〜6カ月ごとに血圧と検査結果を確認し、目標達成に合わせて薬の種類や量を調整する

4.1. 減塩 ― 日本人にとって最重要テーマ

日本人の平均食塩摂取量は、令和元年の国民健康・栄養調査でも約10g/日と報告されており、世界的にも高いレベルです。 日本高血圧学会は、高血圧患者では1日6g未満、できれば健常人でも6g未満を目指すことを推奨しています。一方、WHOは成人で1日5g未満(ナトリウム2g未満)を推奨しています。

減塩のポイントは、「塩を完全にゼロにする」ことではなく、「気づかないうちにとりすぎている塩分を意識して減らす」ことです。

  • 麺類の汁は残す(半分以上残すだけでも大きな減塩になります)
  • 漬物・梅干しは量を減らし、回数を減らす
  • 加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコン)や練り物の頻度を減らす
  • しょうゆ・ソースは「卓上に出しっぱなし」にせず、小皿に少量だけ出して使う
  • だしや香味野菜(昆布・かつお節・柑橘・ハーブ・スパイス)を活用し、「塩味以外のおいしさ」を増やす

4.2. 体重管理と運動 ― 少しの変化でも血圧は下がる

肥満、とくにお腹まわりの内臓脂肪の増加は、高血圧や糖尿病、脂質異常症を同時に悪化させる要因になります。体重を減らすことで血圧が下がることは、多くの臨床研究で示されています。

運動のポイントは、「いきなり激しい運動をする」のではなく、「無理のない範囲で、少し息が弾む程度の活動を、週合計150分程度」から始めることです。

  • 早歩き(ブラスウォーキング)を1日20〜30分、週5日程度
  • エレベーターの代わりに階段を使う
  • テレビを見ながらのストレッチや軽い筋トレ

ただし、すでに心疾患や重い合併症を抱えている方は、無理な運動を始める前に主治医に相談しましょう。

4.3. アルコール・タバコ・睡眠・ストレスとの付き合い方

飲酒は「適量」であれば楽しみの一つですが、量が多くなると血圧を上げる方向に働きます。一般的には、純アルコール量にして男性1日20g、女性1日10g程度を上限とし、「休肝日」を週に2日程度設けることが勧められます。

喫煙については、どんな少量でも血管に悪影響を与えることがわかっているため、高血圧がある場合は禁煙を強くおすすめします。禁煙外来やニコチン代替療法など、医療機関のサポートを利用すると成功率が高まります。

また、睡眠時間が短い、または眠りが浅い状態が続くと、自律神経のバランスが崩れ、血圧の変動が大きくなります。就寝・起床時間をできるだけ一定にする、寝る前のスマホやカフェインを控える、寝室の環境を整えるなど、睡眠の質を高める工夫も大切です。

第5部:専門家への相談 ― いつ・どこで・どのように?

高血圧は「自宅でのセルフケアだけ」で完結する病気ではありません。生活習慣の見直しと並行して、医療機関で定期的なチェックを受けることで、合併症を防ぎながら長期的に血圧をコントロールしていくことができます。

5.1. 受診を検討すべき危険なサイン

  • 家庭血圧で135/85mmHg以上、または診察室血圧で140/90mmHg以上が繰り返し記録される
  • 頭痛・めまい・息切れ・動悸・胸痛などの症状を伴う
  • 糖尿病・脂質異常症・腎臓病・心疾患など、他の生活習慣病も指摘されている
  • 妊娠中に血圧が上がってきた、または妊娠前から高血圧がある
  • 家族に脳卒中・心筋梗塞・突然死などの家族歴がある

これらに当てはまる場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに内科・循環器内科・腎臓内科などを受診しましょう。

5.2. 症状に応じた診療科の選び方

  • まず相談しやすい窓口:かかりつけ医(内科・総合診療)、健診で指摘された場合の紹介先
  • 心臓の症状(胸痛・動悸・息切れなど)が強い場合:循環器内科
  • 腎臓の異常や蛋白尿が指摘されている場合:腎臓内科
  • いびき・睡眠時無呼吸が疑われる場合:睡眠外来、耳鼻咽喉科、呼吸器内科など
  • 妊娠中・産後の高血圧:産婦人科+内科/循環器内科との連携
  • 小児・思春期の高血圧:小児科、小児循環器科

5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安

  • 血圧記録:家庭血圧を測っている場合は、1〜2週間分の朝晩の記録(ノートやアプリ)を持参すると、診断に大変役立ちます。
  • お薬手帳:現在飲んでいる薬(市販薬やサプリメントも含む)を医師が把握することで、相互作用や薬剤性高血圧の可能性を確認できます。
  • 健診結果:過去の健康診断結果を持参すると、血圧や体重、コレステロール・血糖値の推移をまとめて確認できます。
  • 保険証・医療証:日本では公的医療保険により、原則3割負担(年齢や所得によって異なる)で受診できます。検査内容によって費用は変動しますが、初診時には数千円〜程度かかることが一般的です。

よくある質問

Q1: 血圧が「少し高め」と言われました。すぐに薬を飲む必要がありますか?

A1: 診察室血圧で130〜139/80〜89mmHg程度の「高値血圧」の段階では、多くの場合まず生活習慣の改善(減塩・体重管理・運動・飲酒の見直しなど)が優先されます。 ただし、糖尿病や腎臓病、心疾患など他のリスクが高い場合は、比較的早い段階から薬物療法が検討されることもあります。自分のリスクや目標値について、かかりつけ医とよく相談しましょう。

Q2: 降圧薬は一度飲み始めたら、一生やめられないのでしょうか?

A2: 高血圧は基本的に「慢性的に付き合っていく病気」であり、多くの方では長期的な薬物療法が必要になります。一方で、減塩や体重減少、運動習慣の定着などにより血圧が大きく改善した場合には、医師の判断で薬の種類や量を減らしたり、中止を検討できることもあります。自己判断で薬をやめると、血圧が急に上がり危険な場合があるため、必ず主治医と相談のうえで調整しましょう。

Q3: 家庭で測ると血圧が高いのに、病院では正常と言われます。どちらを信じればいいですか?

A3: 家庭では高く、診察室では正常な場合、「仮面高血圧」の可能性があります。仮面高血圧は、心血管リスクが高いことが知られており、診察室血圧だけでは見逃されるおそれがあります。 家庭血圧の測定方法(時間帯・姿勢・カフのサイズなど)を確認したうえで、記録を持参して医師に相談し、必要であれば24時間血圧測定(ABPM)などで詳しく評価してもらいましょう。

Q4: 妊娠中に血圧が高いと言われました。赤ちゃんへの影響が心配です。

A4: 妊娠中の高血圧(妊娠高血圧症候群)は、母体だけでなく胎児の発育にも影響する可能性があり、専門的な管理が必要です。 すでに産婦人科に通院している場合は、血圧の記録や症状(頭痛・視覚異常・むくみ・体重増加など)を詳しく伝えましょう。自己判断で塩分を極端に減らしたり、薬を中断することは危険です。産婦人科と内科・循環器内科などが連携して、妊婦さんと赤ちゃん両方の安全を考えた治療方針を立てていきます。

Q5: 高血圧でも運動して大丈夫ですか?

A5: 多くの高血圧の方にとって、適度な有酸素運動(早歩き・軽いジョギング・サイクリングなど)は血圧を下げる方向に働き、推奨されています。 ただし、すでに心臓病や重い合併症がある場合、血圧が非常に高い(例えば180/110mmHg以上が続く)場合には、運動の前に必ず主治医に相談し、どの程度まで行ってよいか確認してください。

Q6: 食事だけでどこまで血圧を下げられますか?

A6: 個人差はありますが、減塩や体重減少、アルコールの節制などを組み合わせることで、収縮期血圧を10mmHg前後下げられることもあると報告されています。 しかし、すでに高い血圧が続いている、他の生活習慣病を合併している場合には、食事だけでは目標値に届かないことも多く、その際には薬物療法を併用することが推奨されます。

Q7: 子どもでも家庭で血圧を測ったほうがよいのでしょうか?

A7: 小児や思春期では、健診や学校検診で高血圧が疑われた場合や、肥満・睡眠時無呼吸・腎臓病などがある場合に、家庭血圧測定が役立つことがあります。 ただし、子どもの血圧は年齢・身長によって正常値が異なるため、大人と同じ基準で判断せず、小児科や小児循環器科に相談しながら評価してもらうことが大切です。

この症状、放置して大丈夫?次に確認すべきこと 関連記事
この記事では答えていない疑問です — 読み終えたら、続けてご確認ください
脳卒中リスクは高い? 記事へ 治る高血圧の見分け方は? 記事へ この血圧は大丈夫? 記事へ 塩分6gはどれくらい? 記事へ

結論:この記事から持ち帰ってほしいこと

高血圧は、自覚症状が乏しいまま静かに進行し、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの重い病気として現れることがある「サイレントキラー」です。しかし同時に、生活習慣の改善と適切な医療によって、合併症のリスクを大きく減らすことができる「介入可能なリスク因子」でもあります。

今日からできることは、小さな一歩でも構いません。ラーメンのスープを残す、しょうゆの量を意識する、1日10分だけ歩く時間を増やす、寝る前のスマホ時間を短くする――そんな行動の積み重ねが、数年後の血圧や健康状態に大きな違いを生みます。そして、家庭血圧を記録し、かかりつけ医と情報を共有しながら、自分に合った治療方針を一緒に考えていくことが何より大切です。

本記事の情報は、あくまで一般的な解説であり、個々の診断や治療方針を決めるものではありません。気になる症状がある場合や、治療の変更・中止を検討している場合は、必ず医師などの医療専門家に相談してください。

この記事の編集体制と情報の取り扱いについて

Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。本記事では、厚生労働省のe-ヘルスネット、日本高血圧学会のガイドライン、世界保健機関(WHO)などの資料を中心に、高血圧に関する最新の知見を整理しました。

原稿の作成にあたっては、最新のAI技術を活用して文献の下調べや構成案の作成を行い、そのうえでJHO編集部が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断や更新のタイミングは、すべてJHO編集部が行っています。

ただし、本サイトの情報はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療の決定を直接行うものではありません。気になる症状がある場合や、治療の変更を検討される際は、必ず医師などの医療専門家にご相談ください。

記事内容に誤りや古い情報が含まれている可能性にお気づきの場合は、お手数ですが運営者情報ページ記載の連絡先までお知らせください。事実関係を確認のうえ、必要な訂正・更新を行います。

免責事項 本記事は情報提供のみを目的としており、専門的な医学的助言や診断、治療に代わるものではありません。健康上の懸念がある場合や、治療内容の変更・中止等を検討される際には、必ず資格のある医療専門家にご相談ください。

参考文献

  1. World Health Organization. Hypertension – Key facts. 2025. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/hypertension(最終アクセス日:2025-11-26)

  2. World Health Organization. Global report on hypertension: the race against a silent killer. 2023. 概要紹介記事:First WHO report details devastating impact of hypertension and ways to stop it. https://www.who.int/news/item/19-09-2023-first-who-report-details-devastating-impact-of-hypertension-and-ways-to-stop-it(最終アクセス日:2025-11-26)

  3. 厚生労働省. e-ヘルスネット「高血圧」ほか関連ページ. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-003.html など(最終アクセス日:2025-11-26)

  4. 厚生労働省. 生活習慣病とは? e-ヘルスネット. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-001.html(最終アクセス日:2025-11-26)

  5. Umemura S, Arima H, Arima S, et al. The Japanese Society of Hypertension Guidelines for the Management of Hypertension (JSH 2019). Hypertens Res. 2019;42:1235–1481. https://www.nature.com/articles/s41440-019-0284-9(最終アクセス日:2025-11-26)

  6. Ohya Y, et al. Key highlights of the Japanese Society of Hypertension Guidelines for the management of elevated blood pressure and hypertension 2025 (JSH2025). Hypertens Res. 2025. https://www.nature.com/articles/s41440-025-02331-8(最終アクセス日:2025-11-26)

  7. Miura K, et al. Report of the Working Group for Dietary Salt Reduction of the Japanese Society of Hypertension. Hypertens Res. 2013 ほか関連文書(JSH東京宣言など). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24152612/(最終アクセス日:2025-11-26)

  8. World Health Organization. Sodium reduction – Fact sheet. 2025. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/sodium-reduction(最終アクセス日:2025-11-26)

  9. Ueshima H, et al. Epidemiology of Hypertension in Japan. Circ J. 2013;77(9):2226–2231 ほか、近年の日本人高血圧疫学研究. https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/77/9/77_CJ-13-0847/_article(最終アクセス日:2025-11-26)

  10. N Hu, et al. Lowering Sodium Intake: Reduction and Substitution for Prevention and Management of Hypertension. Curr Hypertens Rep. 2025. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40613399/(最終アクセス日:2025-11-26)

  11. NCD Risk Factor Collaboration (NCD-RisC) ほか. 高血圧の治療率・コントロール率に関する国際共同研究および関連論文(JSH2025レビューに引用). https://www.nature.com/articles/s41440-024-01622-w(最終アクセス日:2025-11-26)

  12. Hypertension in children and adolescents – recent global meta-analysis. 報道記事例:Reuters, The Guardian など(The Lancet Child & Adolescent Health 掲載研究に関する報道)https://www.reuters.com/…(最終アクセス日:2025-11-26)

この記事はお役に立ちましたか?
はいいいえ

この記事をシェア

LINE 𝕏
この記事について(運営者情報・免責事項) タップで表示

医療情報に関する重要なお知らせ

本記事はAI技術を活用し、厚生労働省・WHO等の公的医療機関の情報に基づいて作成されています。医療専門家による個別の監修は受けておりません。健康上の判断や治療については、必ず医師にご相談ください。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。

Trinh Van Dieu

Trinh Van Dieu

ITエンジニア(17年)・Japanese Health 運営者

ベトナム在住のITエンジニア。17年の技術経験を活かし、日本の公的医療機関の情報をAI技術で整理・発信しています。

運営者情報を見る →