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心血管疾患 35分で読める 7回

血圧計の選び方|上腕式が基本、精度検証済みの見分け方

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結論

血圧計の選び方の結論から言うと、家庭用血圧計は「上腕式(カフ式)」を選ぶのが基本です。日本高血圧学会のガイドライン解説冊子「高血圧の話」では「血圧計は、上腕にカフを巻くタイプを用いてください。手首に巻くタイプは、どうしても値が不正確になりがちなので注意して使ってください」と明記されています[1]。厚労省(厚生労働省)のスマート・ライフ・プロジェクトのページでも「血圧計は二の腕(上腕)に巻きつけるタイプがお勧めです」と同じ結論が示されています[6]。

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さらに一歩進んで「壊れていない・正確に測れる機種」を選びたいなら、日本高血圧学会が毎年公開している「血圧計の試験結果に関する集計」を見るのが確実です[2]。ここには、臨床試験で精度が検証された家庭用血圧計の型番がメーカー別に一覧掲載されています[3][4][5]。この記事では、上腕式が推奨される理由の科学的な背景、精度検証の中身、腕帯(カフ)サイズの選び方、本当に役立つ機能とマーケティング上の機能の見分け方、買い替えの目安、そして家庭血圧の基準値までを、公的機関・学会が公開している一次資料の数字だけで整理します。

要点まとめ

  • 家庭用血圧計は上腕式(カフ式)が基本。手首式は日本高血圧学会の集計対象から外されており、その理由は「水柱圧補正が困難」「手首の解剖学的特性から動脈の圧迫が保証されない場合がある」ためです[2]。
  • 日本で販売されている上腕式電子血圧計は、日本工業規格「JIS T 1115:2018(非観血式電子血圧計)」に適合した医療機器です[2]。加えて、臨床論文で精度検証された機種は日本高血圧学会の集計表で型番まで確認できます[2]。
  • カフのサイズは腕周囲に合わせる必要があります。標準(Mサイズ)カフの適用範囲は機種により異なり、たとえば日本高血圧学会の集計に載る機種では22cm〜32cmという例が示されています[4]。標準サイズが合わない腕の太さ・細さの方は、メーカーが出している別サイズのカフに交換できるか確認しましょう。
  • 家庭用血圧計は薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)上の「管理医療機器」にあたり、認証番号は独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医療機器情報検索で調べられます[7]。
  • 受診の目安は、日本高血圧学会のガイドラインが示す血圧値の分類表を基準にします。家庭血圧で収縮期160以上・拡張期100以上(Ⅲ度高血圧に相当する水準)が続く場合や、めまい・胸痛・呂律が回らないなど症状を伴う急な高値は、早めに医療機関へ相談してください[1]。

編集方針:JHO編集部がAIツールの支援を受け、日本高血圧学会の公開資料(ガイドライン解説冊子、血圧計精度検証集計)、厚生労働省スマート・ライフ・プロジェクト、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と照合して作成しました。最終確認は人の目で行っています。医師による個別の指導・診断の代わりにはなりません。数値・分類・掲載機種はガイドライン改定や毎年の集計更新により変わることがあります(2026年7月時点の公開情報)。

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これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。

買う前のセルフチェック(5項目)

  • ☑ 上腕式(カフ式)か? 手首式・指式ではないか[1]
  • ☑ 「JIS T 1115:2018」に適合した医療機器として販売されているか[2]
  • ☑ 自分の二の腕の周囲(cm)を測り、カフの適用範囲に収まっているか
  • ☑ 平均値表示・メモリー機能・不整脈(脈波の乱れ)検出があるか(あれば便利、なくても必須ではない)
  • ☑ 本体・カフの耐用年数(買い替え時期)を、日本高血圧学会の集計に掲載された各社資料または説明書で確認したか[3][4]

そもそも、なぜ家庭で血圧を測る必要があるのか

血圧計選びの各論に入る前に、なぜここまで「正確に測ること」にこだわる必要があるのかを、日本高血圧学会のガイドライン解説冊子が示す数字で押さえておきます。同冊子は「高血圧はわが国で患者数がもっとも多い病気で、現在約4300万人の患者さんがいると推計されています。そのなかで適切に血圧がコントロールされているのは、わずか1200万人程度と考えられています」と述べています[1]。残りおよそ3100万人には、治療していても目標値に届いていない人だけでなく、「自分が高血圧であるか知らない人、知っていながらも治療がなされていない人もかなり含まれます」と、日本高血圧学会のガイドライン解説冊子は述べています[1]。

高血圧は自覚症状に乏しいことでも知られています。同冊子は「高血圧は、サイレントキラー(静かなる殺人者)といわれるように、ほとんどの人で自覚症状がないにもかかわらず、脳や心臓の血管が動脈硬化を起こし、腎臓のはたらきが悪くなることもある決して侮れない病気です。わが国で年間10万人以上の方が、高血圧が原因で亡くなっています」と、同学会は説明しています[1]。自覚症状がないからこそ、家庭で定期的に測って数字として記録しておくことが、唯一の早期発見の手段になります。同冊子はさらに「機会をみて血圧を測るようにし、15歳をすぎたら年に1回くらいは血圧をチェックすることも大切です。そのような意味でも、病院に行かなくても測ることができる家庭血圧の測定は有用です」とも述べており[1]、家庭血圧計は高血圧と診断された人だけでなく、まだ診断されていない人にとっても意味のある道具だという位置づけがわかります。

だからこそ、この「唯一の早期発見の手段」である家庭血圧計が不正確では意味がありません。ここから先は、その精度をどう見分け、どう維持するかを具体的に見ていきます。

血圧計の選び方の基本 — 測定の仕組みと「なぜ精度が大事か」

家庭用の自動血圧計の多くは、腕に巻いたカフ(腕帯)に空気を送って血管を一時的に圧迫し、圧を緩めていく過程で血管の壁が発する微小な振動(脈波)を電子的にとらえて血圧を算出する「オシロメトリック法」という方式を採っています。この方式は聴診器を使わずに自動で測れる一方、カフの巻き方・当てる位置・腕の太さとカフの適合具合によって、拾う振動の大きさや圧の伝わり方が変わってしまうという弱点も抱えています。だからこそ「どこに巻くか(上腕か手首か)」と「カフが腕に合っているか」の2点が、数字の信頼性を左右する最大のポイントになります。

日本高血圧学会のガイドライン解説冊子では、家庭血圧の意義について「家庭血圧を上手に用いることで、高血圧による病態を正確に診断することや、治療の効果をより高めることができます」と述べたうえで、測定条件として「朝と夜の1日2回、座位で測定します。血圧値はその平均を取りますが、測った血圧値はすべて血圧手帳などに記録しておきましょう」と説明しています[1]。厚労省のスマート・ライフ・プロジェクトのページも「測定回数は原則2回でその平均をとります。何度も測定してよい値だけを記録することはしないようにしてください」と、都合の良い数値だけを残す測り方を明確に戒めています[6]。つまり、家庭血圧計は「1回のラッキーな数値」を出す道具ではなく、「毎日同じ条件で測り続けて、平均と傾向を見る」ための道具だという前提を押さえておくと、次の章以降の「なぜ上腕式か」「なぜカフサイズが大事か」がすっと理解できます。

図:JHO編集部が作成

正しい測定条件 — どんなに良い機種でも条件が崩れると数字は狂う

ここまで読むと「良い機種を選べば数字は信頼できる」と思われるかもしれませんが、実はもう一つ見落とされがちな前提があります。それは「測定条件」です。同じ機種・同じカフサイズでも、測る姿勢や部屋の環境、測定前の行動によって数値は大きく動きます。日本高血圧学会のガイドライン解説冊子には、家庭血圧を測るときの条件が図とともに具体的に示されています[1]。

表A:日本高血圧学会が示す家庭血圧測定の条件
項目 条件
タイミング(朝) 起床後1時間以内、排尿後、食前・服薬前、1〜2分の安静後[1]
タイミング(夜) 就寝前、1〜2分の安静後[1]
部屋の環境 静かで、過ごしやすい温度[1]
姿勢 イスに脚を組まずに腰掛け、カフの高さと心臓の高さをあわせる[1]
測定前 たばこを吸わない、飲酒しない、カフェインを摂らない[1]
測定中 話をしない、力を入れたり動いたりしない[1]
記録 原則として2回測って、すべてを記録する[1]

出典:日本高血圧学会ガイドライン解説冊子「高血圧の話」[1]

この中でとくに見落とされやすいのが「カフの高さと心臓の高さをあわせる」という条件です[1]。前章で触れた「水柱圧補正」の考え方がここにも関わってきます。腕を垂らしたまま測ったり、逆にテーブルが高すぎて腕が心臓より上がった状態で測ったりすると、その高低差ぶんだけ数値がずれます。上腕式の血圧計であっても、机の高さが合っていない・脚を組んで座っているといった条件の崩れがあれば、日本高血圧学会が推奨する測定条件からは外れてしまうため、「良い機種を買うこと」と「正しい条件で測ること」はセットで考える必要があります[1]。

また、厚労省のスマート・ライフ・プロジェクトも「測定前に必ず1~2分間安静にしてください」と重ねて注意を促しています[6]。歩いてきた直後や、階段を上がった直後にすぐ測ると、運動による一時的な血圧上昇がそのまま数値に反映されてしまうため、椅子に座って呼吸を整えてから測る、という1〜2分の「ため」が、機種の精度以上に数値の信頼性を左右することもあります。

日常のありがちな場面に置き換えると、次のような行動が日本高血圧学会・厚労省の示す条件から外れやすい例として挙げられます。

  • 朝、洗面所で歯を磨いた直後、立ったまま測る(姿勢が椅子座位ではない)
  • 出勤前で急いでおり、測定直前まで階段の上り下りをしていた(1〜2分の安静が取れていない)
  • 朝食を食べながら、または喫煙・コーヒーを飲みながら測る(日本高血圧学会が示す、測定前の飲食・喫煙・カフェイン摂取を避ける条件から外れる)[1]
  • 寒い脱衣所や冷房の効きすぎた部屋で、薄着のまま測る(部屋の温度条件から外れる)
  • 測定中にテレビの話に相槌を打ったり、スマートフォンを操作したりする(話をしない・動かないという条件から外れる)[1]

これらはどれも血圧計そのものの故障ではなく、条件のズレによって数値が本来より高め・低めに出てしまう例です。「今日はいつもより高い(低い)」と一喜一憂する前に、測定条件が守れていたかを振り返ることが、記録の信頼性を保つ第一歩になります。

上腕式(カフ式)と手首式、どちらを選ぶべきか

結論は前述のとおり上腕式ですが、「なぜ手首式はダメなのか」を数字の裏付けとともに理解しておくと、店頭での迷いがなくなります。日本高血圧学会が公開する血圧計精度検証の集計ページには、そもそも手首カフ式の血圧計を集計の対象から除外している理由が明記されています。原文は次のとおりです。

「手首カフ式の血圧計は使用が容易ですが,水柱圧補正が困難であることや、手首の解剖学的特性から動脈の圧迫が保証されない場合があるため、本集計からは除外しています」と、日本高血圧学会は明記しています[2]

この一文には2つの技術的な理由が凝縮されていると考えられます[2]。1つ目は「水柱圧補正」の難しさです。血圧は心臓の高さを基準に測ることが前提になっており、測定部位が心臓より下がる・上がるだけで、その高低差ぶんの圧(水柱圧)が数値に上乗せ・差し引きされる可能性があります。上腕は「脇を開けて机の上に置く」「クッションで支える」など心臓の高さに合わせやすい一方、手首は動かしやすい関節であるぶん、無意識のうちに心臓より高くなったり低くなったりしやすく、その補正が上腕に比べて難しくなると推測されます。2つ目は「手首の解剖学的特性」です。手首は上腕に比べて骨・腱・血管が密集しており、同じ力でカフを締めても動脈がまっすぐ均等に圧迫されるとは限りません。ただし、この2つの理由それぞれが実際の測定誤差に何mmHgずつ寄与するかについて、具体的な数値までは今回参照した資料からは分かりませんでした。この2点が重なることで、手首式は条件がばらつきやすい測定になりやすいと考えられ、日本高血圧学会は精度検証の集計対象そのものから外しています[2]。

日本高血圧学会のガイドライン解説冊子でも「血圧計は、上腕にカフを巻くタイプを用いてください。手首に巻くタイプは、どうしても値が不正確になりがちなので注意して使ってください」と明記されており[1]、厚労省のスマート・ライフ・プロジェクトも同じ結論を「血圧計は二の腕(上腕)に巻きつけるタイプがお勧めです」と述べています[6]。2つの独立した公的情報源が同じ方向を指しているため、「上腕式が基本」という結論は現時点でかなり確度の高いものと言えます。

表1:上腕式と手首式の違い(日本高血圧学会・厚労省の情報をもとに整理)
項目 上腕式(カフ式) 手首式
推奨度 日本高血圧学会・厚労省がともに推奨[1][6] 両者とも積極的には推奨していない[1][6]
心臓高さの合わせやすさ 比較的容易(机の上などで固定しやすい) 手首は動かしやすく、心臓の高さからずれやすい[2]
動脈の圧迫の均一性 上腕は筋肉が比較的均一で圧迫が安定しやすい 骨・腱が近く、動脈の圧迫が均等になるとは限らない(解剖学的特性)[2]
日本高血圧学会の精度検証集計への掲載 掲載対象[2] 集計から除外[2]
携帯性・使いやすさ やや大きい コンパクトで持ち運びしやすい(ただし精度は上腕式が優先)

出典:日本高血圧学会「高血圧の話」[1]/日本高血圧学会「血圧計の試験結果に関する集計」[2]/厚生労働省スマート・ライフ・プロジェクト[6]

「精度検証済み」とはどういう意味か — JIS規格と国際プロトコル

「精度検証済み」という言葉には、実は2つの異なるレベルの意味が混ざりやすいので、ここで整理しておきます。1つ目は「医療機器としての規格に適合している」というレベル、2つ目は「臨床論文で実際の精度が確認されている」というレベルです。

まず1つ目について、日本高血圧学会の集計ページには、我が国で販売されている上腕式の電子血圧計は日本工業規格「JIS T 1115:2018(非観血式電子血圧計)」に医療機器として適合しているという趣旨が、次の原文(英語)で明記されています:It should be noted that the upper arm-cuff electronic sphygmomanometers currently marketed in Japan are compliant with the Japanese Industrial Standard “JIS T 1115:2018 (noninvasive blood pressure monitor)” as medical devices。これは日本高血圧学会の集計ページの記載です[2]。つまり、日本国内で正規に販売されている上腕式の電子血圧計であれば、この規格への適合は前提条件として満たされていることになります。

ただしJIS適合は「基本の土台」であり、これだけでは「この機種が実際に何mmHgの誤差で測れるか」までは分かりません。そこで重要になるのが2つ目のレベル、臨床論文による精度検証です。世界高血圧連盟(World Hypertension League; WHL)と国際高血圧学会(International Society of Hypertension; ISH)は、自動血圧計の製造・精度検定に関する合同声明を学術誌『The Journal of Clinical Hypertension』(2016年、378〜380ページ)に発表し、この中で「自動血圧計の精度検定結果を査読のある学術誌などで公表すること」を提言していると、日本高血圧学会の集計ページは紹介しています[2]。この提言を受けて、日本高血圧学会は2016年より、電子血圧計の製造・販売に携わる関連4団体(日本医療機器工業会、日本計量機器工業連合会、日本ホームヘルス機器協会、電子情報技術産業協会)を通じて、各社の血圧計の精度検定試験に関する情報を毎年収集・公開しています[2]。この集計に載っている機種は、メーカー自身が「この型番はこの臨床試験で検証されました」という論文の出典(著者名・雑誌名・巻号・年)まで開示しているものです。

たとえば2025年度の集計では、次のような家庭用上腕式血圧計が、臨床試験による精度検証の出典つきで掲載されています。

表2:日本高血圧学会「血圧計の試験結果に関する集計」(2025年度・家庭用)に掲載された機種の例
製造会社 型番 検証試験・出典
オムロン ヘルスケア HCR-7800T(同等性機種:HEM-7130)/HEM-7530T/HCR-7624T(同等性機種:HEM-7320F) ESH International protocol revision 2010に基づく検証。Takahashi H, et al. Blood Pressure Monitoring 2015;20:92-97[3]
エー・アンド・デイ UA-851PBT-C(同等性機種:UA-85x) Bonso E, et al. Blood Pressure Monitoring 2008;13:339-341[4]
エー・アンド・デイ UA-651BLE Plus(同等性機種:UA-654Plus) ESH International Protocol revision 2010に基づく検証。Benetti E, et al. Blood Press Monit. 2014;19(1):50-3[4]
日本精密測器 DSK-1051/DS-A10/DS-B10 欧州高血圧学会(ESH)臨床試験合格の記載[5]

出典:日本高血圧学会「血圧計の試験結果に関する集計」2025年度版(オムロン[3]、エー・アンド・デイ[4]、日本精密測器[5]の各社提出資料)。集計は毎年11月頃に更新されるため、最新の機種は各社の最新版PDFで確認してください[2]。

日本高血圧学会は同じページで、学会自体は個々の製品を推奨するものではないという趣旨も、次の原文(英語)で明記しています:The Japanese Society of Hypertension is not involved in any of the individual contents provided in the listing and does not recommend any specific device。これも同学会自身による記載です[2]。つまりこの集計は「お墨付きランキング」ではなく、各メーカーが自己申告した検証情報を並べた「一次資料の窓口」という位置づけです。この記事も特定の1機種を推すのではなく、「この集計表に自分が買おうとしている型番(または同等性機種)が載っているかを確認する」という使い方を勧めます。

なお、日本では2021年より「水銀に関する水俣条約」の発効に伴い、水銀血圧計の製造・販売・輸出入が禁止されていると、日本高血圧学会の集計ページで説明されています[2]。かつて病院で使われていた水銀式血圧計はこの条約により姿を消し、現在は上で説明した電子式(オシロメトリック法)が医療機関・家庭の両方で主流になっています。

管理医療機器と薬機法の認証番号 — 何を、どこで確認できるか

家庭用の電子血圧計は、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)が定める医療機器のうち「管理医療機器」に区分される製品です。日本高血圧学会の集計ページが述べるとおり、上腕式の電子血圧計は「JIS T 1115:2018」という医療機器としての規格に適合した状態で市場に出ています[2]。この規格適合を確認した証として、製品の外箱や取扱説明書には認証番号(または承認番号)が記載されています。

「自分が買おうとしている機種の認証番号が本当に存在するか」「その製品名が公的な記録と同じ内容かどうか」を消費者自身が確かめたい場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開している「医療機器情報検索」を使う方法があります[7]。このページでは「一般的名称・販売名」による検索欄が用意されており、「一般的名称及び販売名」「一般的名称のみ」「販売名のみ」のいずれかを選び、名称の一部が合う検索・名称の先頭が合う検索の条件で絞り込めます。また「承認・認証番号等」を直接入力して検索する欄もあり、製品パッケージや説明書に記載された番号をそのまま照合できる仕組みに、PMDAのこの検索ページはなっています[7]。

実務的な確認の手順は次のとおりです。

  1. 製品の外箱・取扱説明書に記載された「販売名」(多くの場合、型番と同じか近い名称)と「認証番号/承認番号」を控える。
  2. PMDAの医療機器情報検索ページを開き[7]、販売名または認証番号で検索する。
  3. 検索結果に該当する添付文書・審査関連の記録が表示されれば、公的に登録された医療機器であることが確認できる。

薬機法は、医療機器を人体へのリスクの大きさに応じて複数のクラスに分類し、クラスごとに国(厚生労働大臣・PMDA)が直接審査する「承認」と、国に登録された第三者の認証機関が審査する「認証」とに手続きを分けています。家庭用の電子血圧計のように広く市販され、長年の使用実績がある品目の多くは、この「認証」の手続きを経て市場に出ています。個々の製品がどちらの手続きを経ているか、認証機関がどこかといった詳細は製品ごとに異なるため、最終的には前述のPMDA医療機器情報検索での確認、または製造販売元への問い合わせが確実です[7]。

なお、管理医療機器(クラスII相当の家庭用電子血圧計など)の認証は、国(PMDA)自身ではなく、国に登録された「登録認証機関」と呼ばれる第三者機関が行う制度になっています。この認証機関ごとの一覧や、認証番号の枝番の読み方(発行年・機関コードなど)の詳細な解説については、今回参照した資料の範囲では確認が取れませんでした。より専門的に確認したい場合は、PMDAの医療機器情報検索の結果画面、または製造販売元のカスタマーサポートに直接問い合わせることをおすすめします。

カフ(腕帯)サイズの選び方 — 腕の太さに合っているか

血圧計本体がどれだけ精度検証されていても、カフ(腕帯)が自分の腕の太さに合っていなければ、その検証結果どおりの精度は再現されません。カフには「腕周囲何cmから何cmまで」という適用範囲があらかじめ決められており、その範囲を外れた太さ・細さの腕に巻くと、圧の伝わり方が想定と変わってしまいます。

具体的な範囲はメーカー・機種ごとに異なりますが、参考として、日本高血圧学会の集計に掲載されているエー・アンド・デイのUA-1020シリーズ(D-ringタイプのカフ)では「22cm〜32cm」という適用範囲が示されています[4]。この22〜32cmという幅は、成人の平均的な二の腕の太さを想定した「標準(M)サイズ」に相当するもので、多くのメーカーが同程度の範囲を標準カフの目安としています。腕が細い方・太い方向けに、S(小)サイズやL(大)サイズのカフを別売りで用意しているメーカーもあります。

表3:カフサイズを選ぶときに確認すべきポイント
確認項目 内容
自分の腕周囲を測る 二の腕の中央(肩とひじの中間あたり)を、メジャーで実測する
標準(M)カフの適用範囲の目安 メーカー例では22cm〜32cm程度[4]。ただし機種により数値は異なるため、購入前に必ず本体の仕様表を確認する
範囲を外れる場合 S・Lなど別サイズのカフに対応した機種か、メーカーサイトや取扱説明書で確認する
子どもや腕が非常に細い/太い方 成人用の標準機種では対応できないことがあるため、医療機関や薬局で専用サイズの相談をする

カフのサイズが合っていない場合に、収縮期・拡張期血圧がそれぞれ具体的に何mmHgずれるかという数値については、今回のTier0/1情報源(日本高血圧学会・厚生労働省・PMDAの公開資料)の範囲では、明確な記載を確認できませんでした。「カフが小さすぎると数値が高めに、大きすぎると低めに出やすい」という一般的な傾向は臨床の現場でよく知られていますが、具体的な誤差量を断定できる一次資料が今回は見つからなかったため、ここでは数値を挙げていません。腕の太さに不安がある場合は、購入前にメーカーへ直接問い合わせるか、薬局・医療機関で実際に測ってもらい、自宅の機種と数値を照らし合わせることをおすすめします。

自分の血圧計が正しく測れているか不安なときの確認方法

「この機種が精度検証リストに載っている」「JIS規格に適合している」ということが分かっても、実際に自分の手元の1台が正常に動いているかどうかは、また別の話です。数値がおかしいのでは、と不安になったときは、次の方法で確認できます。

  1. 健康診断やかかりつけ医の受診時に、その場で自分の血圧計を持参し、医療機関の血圧計(医用血圧計)と自宅の機種でほぼ同じタイミングで測って数値を見比べる。
  2. 本体の取扱説明書に記載された「点検・校正」の案内(メーカーによる点検サービスの有無、問い合わせ先)を確認する。
  3. 本体・カフに亀裂、変色、空気漏れ、表示の乱れがないか目視で確認する。前章で触れた、日本高血圧学会の集計掲載資料が示す耐用年数・耐用回数の目安に近づいていないかもあわせて確認する[3][4][5]。
  4. 製品名・認証番号が公的な記録と対応しているかを、PMDAの医療機器情報検索で確認する[7]。

とくに1つ目の「医療機関の数値と見比べる」方法は、日本高血圧学会が示す「白衣高血圧」「仮面高血圧」の考え方とも関係します[1]。診察室と家庭とで数値に大きな開きがある場合、それが血圧計の故障によるものなのか、それとも白衣高血圧・仮面高血圧という生理的な現象によるものなのかは、自己判断せずに医師に相談して切り分けることが大切です。

本当に役立つ機能と、マーケティングだけの機能

家庭用血圧計には「平均値表示」「メモリー(記録)機能」「不整脈(脈波の乱れ)検出」「Bluetooth連携」「体組成連動」など、さまざまな付加機能がついています。ここでは、日本高血圧学会・厚労省が推奨する測定方法に照らして、どの機能が実際に測定の質を高めるのかを整理します。

表4:家庭用血圧計の機能 — 測定の質を高めるものか、あると便利な付加機能か
機能 位置づけ 理由
平均値表示 推奨方法に直結する機能 日本高血圧学会は「血圧値はその平均を取ります」と明記しており[1]、平均値を自動計算する機能はこの推奨方法をそのまま実行してくれる
メモリー(記録)機能 推奨方法に直結する機能 「測った血圧値はすべて血圧手帳などに記録しておきましょう」[1]という指示を自動化するもの。手書きの手帳と違い、都合の良い数値だけを残す(厚労省が戒める行為[6])ことを防ぎやすい
不整脈(脈波の乱れ)検出 受診のきっかけとして有用 脈のリズムの乱れを画面表示で知らせる機能。診断そのものではないが、「気づいていなかった不整脈の可能性」に気づき、医療機関の受診につなげるきっかけになりうる
Bluetooth連携・スマホアプリ記録 あると便利な付加機能 記録の手間を減らす点は有用だが、日本高血圧学会・厚労省が測定方法として必須と位置づけているものではない
体組成・体重連動、AIによる健康アドバイスなど マーケティング要素が強い付加機能と考えられる 血圧測定そのものの精度には直接関係しないと考えられる。他の付加機能が多いことと、血圧計としての基本性能(上腕式・JIS適合・カフサイズの適合)は別の話として考える
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買い替えの目安 — 本体・カフの耐用年数

血圧計は精密機器であり、内部のセンサーやポンプ、そしてゴム製のカフは経年で劣化します。「壊れて動かなくなるまで使う」のではなく、メーカーが示す耐用年数・耐用回数を目安に、動作していても計画的に買い替える・カフだけ交換することが勧められます。日本高血圧学会の集計に掲載された各社の資料には、次のような耐用期間の目安が明記されています。

表5:メーカー公表の耐用年数・耐用回数の例(日本高血圧学会の集計に掲載された資料より)
製造会社 本体(カフを除く) カフ
オムロン ヘルスケア 30,000回もしくは5年のいずれか早く到達した方[3] 10,000回もしくは1年のいずれか早く到達した方[3]
エー・アンド・デイ 本体耐用年数:5年[4] カフ耐用年数(目安):2年[4]
日本精密測器 耐用期間:5年あるいは30,000回(消耗品は除く)[5] (本体の耐用期間に含む記載)[5]

出典:日本高血圧学会「血圧計の試験結果に関する集計」2025年度版、各社提出資料(オムロン[3]、エー・アンド・デイ[4]、日本精密測器[5])

表からわかるとおり、複数のメーカーが「本体は概ね5年・30,000回」「カフは1〜2年」という近い水準の目安を報告しています。ただしこれらは各メーカーが自己申告した数値であり、第三者機関が独立に検証した耐用年数ではない点には注意が必要です。毎日朝晩2回測定すると仮定すると、1年でおよそ700回強、5年でも4,000回に満たないため、多くの家庭では回数よりも先に「年数」の目安に到達することが多いと考えられます。加えて、カフはゴムやチューブの経年劣化・空気漏れが起きやすい消耗品であるため、本体より短い周期での交換が、各社の資料で推奨されています[3][4]。数値が急に不安定になった、電源は入るのに測定エラーが頻発する、カフに亀裂や空気漏れがある、といったサインが出たら、耐用年数の途中であっても買い替え・カフ交換のタイミングと考えましょう。

受診の目安

すぐに受診・相談を検討したいサイン

  • 家庭血圧で収縮期160以上・拡張期100以上(Ⅲ度高血圧の水準)が繰り返し出ている[1]
  • 急な血圧上昇に、激しい頭痛・胸の痛み・息苦しさ・呂律が回らない・手足の麻痺などの症状を伴う
  • 血圧計の数値が毎回大きくばらつく、または明らかに機器が壊れているのに数値が表示され続ける(機器の故障が疑われる場合は、まず正確な機種で測り直す)
  • 家庭血圧の記録を持って、まずはかかりつけ医に相談したい場合(数値そのものが「正常」でも、記録をもとに相談すること自体は有用です)

なぜ「家庭での正確な測定」がそこまで重要なのか

ここまで「正確な血圧計を選ぶこと」を中心に説明してきましたが、そもそも「なぜ家庭での測定精度がそれほど大事なのか」を、日本高血圧学会のガイドライン解説冊子が示す2つの現象から補足します[1]。

1つ目は「白衣高血圧」です。日本高血圧学会は「家庭や職場などではいつも135/85mmHg未満であるのに、診察室血圧は高血圧基準である140/90mmHgを超える人がいます。このように診察時のみ(白衣の前では)血圧が高くなる例を『白衣高血圧』と呼びます」と説明しています[1]。そのうえで「家庭血圧が本当に正常であれば、診察室血圧のみが高くても降圧薬による治療の必要は当面ないことがわかってきました」とも述べています[1]。つまり、家庭血圧計が不正確で「実際より高め」の数値を出してしまうと、本来治療の必要がない人まで不安にさせたり、誤った判断につながったりするおそれがあるということです。

2つ目は逆のケースである「仮面高血圧」です。日本高血圧学会は「健康診断や診察の時は正常なのに家庭や職場での血圧が高い人がいます。そのような例を、診察時には高血圧が隠れていることから『仮面高血圧』と呼びます」と説明し、「この仮面高血圧の人は、診察室血圧・家庭血圧の両方とも高い『持続性高血圧』の人と同じくらい脳心血管病を発症しやすいので、治療が必要です」と、決して軽く見てよい状態ではないことを強調しています[1]。同資料は「喫煙者、精神的ストレスの高い人、身体的活動度の高い人、アルコール多飲者は仮面高血圧になりやすいので、意識的に家庭や職場で血圧を測るようにしましょう」とも呼びかけています[1]。このケースでは逆に、家庭血圧計が不正確で「実際より低め」の数値しか出さないと、本当は治療が必要な仮面高血圧を見逃してしまうことになります。

この2つの現象は、どちらも「診察室で測った1回の数値だけでは全体像が分からない」ことを示しています。だからこそ日本高血圧学会は「高血圧治療では24時間にわたって血圧が良好であることが望まれます」と述べ[1]、診察室だけでなく家庭でも正確に測ることの重要性を位置づけています。逆に言えば、家庭血圧計そのものが不正確であれば、白衣高血圧を疑うべき場面でも仮面高血圧を疑うべき場面でも、判断の土台がぐらついてしまいます。「上腕式を選ぶ」「精度検証済みの機種を選ぶ」「カフサイズを合わせる」「正しい条件で測る」という、この記事で説明してきた基本の積み重ねが、白衣高血圧・仮面高血圧という2つの見落としを防ぐ最初の一歩になるのです。

家庭血圧の基準値と分類 — 数字の見方

日本高血圧学会のガイドライン解説冊子は、血圧の測り方には「(1)病院・クリニックなどで測る診察室血圧、(2)自宅で自分で測る家庭血圧、(3)特殊な機器をつけて15分〜1時間ごとに1日掛けて血圧を測る24時間血圧の3つがあります」としたうえで、「わが国では一般に診察室血圧と家庭血圧が用いられます」と説明しています[1]。この記事で扱っている家庭用血圧計は、この3つのうち(2)家庭血圧を担う機器です。(3)の24時間血圧測定(自由行動下血圧測定)は医療機関で貸し出される専用の機器を使うもので、家庭用血圧計の選び方とは別の話になります。血圧の値をどう読めばよいかは、日本高血圧学会のガイドラインが「診察室血圧」と「家庭血圧」それぞれについて分類表を示しています[1]。家庭血圧は、診察室(病院・健診)で測る血圧よりも低めに出る傾向があるため、基準値も別に設定されています。厚労省のスマート・ライフ・プロジェクトも「家庭血圧での高血圧の診断基準は上も下も診察室(病院や健診)より5mmHg低いことに注意してください」と説明しています[6]。

表6:血圧値の分類(成人血圧、単位はmmHg)
分類 診察室血圧(収縮期) 診察室血圧(拡張期) 家庭血圧(収縮期) 家庭血圧(拡張期)
正常血圧 <120 かつ<80 <115 かつ<75
正常高値血圧 120〜129 かつ<80 115〜124 かつ<75
高値血圧 130〜139 かつ/または80〜89 125〜134 かつ/または75〜84
Ⅰ度高血圧 140〜159 かつ/または90〜99 135〜144 かつ/または85〜89
Ⅱ度高血圧 160〜179 かつ/または100〜109 145〜159 かつ/または90〜99
Ⅲ度高血圧 ≧180 かつ/または≧110 ≧160 かつ/または≧100
(孤立性)収縮期高血圧 ≧140 かつ<90 ≧135 かつ<85

出典:日本高血圧学会ガイドライン解説冊子「高血圧の話」に掲載された血圧値の分類表[1]

日本高血圧学会のガイドライン解説冊子は、診察室血圧の測定について「1日だけでなく別の日にも行い、数回の測定結果をもとに判定します」とも述べています[1]。つまり、家庭血圧計で1回高めの数値が出ただけで慌てる必要はなく、同じ条件(朝・起床後1時間以内、夜・就寝前、座位、1〜2分安静後)で複数日にわたって記録し、平均としてどの分類に入るかを見ることが大切です[1]。この記録を持参すれば、医療機関でも「その場だけの1回の数値」より正確な診断材料になります。

外来に持っていくメモ(コピーしてお使いください)
・血圧計のメーカー名・型番:
・使用開始(購入)年月:
・朝の血圧(起床後1時間以内、複数日の平均):   /
・夜の血圧(就寝前、複数日の平均):   /
・記録した期間:   月   日〜   月   日
・気になる症状(頭痛・めまい・胸痛など)の有無:
・現在服用中の薬:

よくある質問

上腕式と手首式、家に両方あるので使い分けたいのですが問題ありませんか?
日本高血圧学会・厚労省がともに推奨しているのは上腕式です[1][6]。継続的な記録・受診時の判断材料として使うなら、上腕式に統一することをおすすめします。手首式を旅行時などの簡易チェックとして併用すること自体は禁止されていませんが、「正式な記録」は上腕式で取るようにしましょう。
日本高血圧学会の集計に自分の機種が載っていない場合、その血圧計は不正確ということですか?
そうとは限りません。集計ページ自体が「各年の集計時、製造・販売会社より提供を受けた情報をそのまま公開しています。情報提供のなかった機種については掲載されていません」と説明しているとおり[2]、メーカーが情報を提出していないだけで集計に載っていない機種も存在します。ただし、購入時に「載っている機種」を選べるなら、それに越したことはありません。
血圧計は医療機関で使っているものと同じ精度なのでしょうか?
日本高血圧学会の集計は、医療機関での測定用(医用血圧計)と家庭血圧測定用を分けて公開しています[2]。同じメーカーの技術が使われていても、家庭用と医用では想定される使用環境や仕様が異なる場合があります。あくまで「家庭用」として検証された機種かどうかを確認しましょう。
カフを腕にきつく巻きすぎたり、逆に緩く巻いたりすると数値は変わりますか?
巻き方の強さそのものについての具体的な誤差数値は、今回参照した資料には記載が見当たりませんでしたが、カフのサイズが腕に合っていることに加えて、取扱説明書に書かれた巻き方(指2本が入る程度など、各メーカーの指示)を守ることが基本です。毎回同じ巻き方で測ることが、数値のばらつきを減らす一番の近道です。
血圧計は何年くらいで買い替えるべきですか?
日本高血圧学会の集計に掲載された各社の資料では、本体は「30,000回もしくは5年」「5年」「5年あるいは30,000回」、カフは「10,000回もしくは1年」「2年(目安)」といった耐用の目安が示されています[3][4][5]。数値が壊れる前に、この年数・回数を目安に買い替え・カフ交換を検討しましょう。
家庭血圧の数値が診察室で測った数値より低く出ます。血圧計が壊れているのでしょうか?
壊れているとは限りません。厚労省のスマート・ライフ・プロジェクトは「家庭血圧での高血圧の診断基準は上も下も診察室(病院や健診)より5mmHg低いことに注意してください」と述べており[6]、家庭血圧は診察室血圧より低めに出る傾向があること自体が前提とされています。日本高血圧学会の分類表でも、家庭血圧の基準値は診察室血圧よりおおむね5前後低く設定されています[1]。
不整脈(脈波の乱れ)検出機能つきの血圧計を使えば、心臓病の診断ができますか?
できません。この機能は脈のリズムの乱れを画面上で知らせるものであり、心電図のような確定診断の代わりにはなりません。表示が続く・気になる場合は、その記録を持って医療機関を受診し、専門的な検査を受けることが必要です。
血圧計を選ぶとき、価格の高さと精度は比例しますか?
必ずしも比例しません。この記事で紹介した「上腕式であること」「JIS T 1115:2018に適合していること」「できれば日本高血圧学会の集計に臨床試験の出典つきで掲載されていること」[2]「自分の腕周囲にカフのサイズが合っていること」が満たされているかどうかが優先すべきポイントです。付加機能の多さと基本性能は別に考えましょう。
エー・アンド・デイやオムロン以外のメーカー(エレコム、シチズンなど)の血圧計は精度検証されていないのですか?
日本高血圧学会の2025年度の集計ページには、オムロン ヘルスケア・エー・アンド・デイ・日本精密測器に加えて、エレコム・シチズンの提出資料も、家庭用血圧計として同学会のページに公開されています[2]。この記事では代表例として3社の型番を紹介しましたが、他のメーカーの機種についても、同じ集計ページから最新のPDFをたどって確認できます[2]。
白衣高血圧・仮面高血圧が疑われる場合、家庭ではどのくらいの期間・回数を測ればいいですか?
日本高血圧学会のガイドライン解説冊子は「高血圧治療では24時間にわたって血圧が良好であることが望まれます」としたうえで、診察室血圧が正常でも早朝など別の時間帯に血圧が高い場合は「医師とよく相談し、あらゆる時間帯で正常血圧となるよう取り組みましょう」と述べています[1]。具体的な測定期間・回数は症状や持病によって医師の判断が変わるため、まずは朝・夜1日2回の測定を数日〜数週間続けて記録し、かかりつけ医に相談することをおすすめします。
家族で1台の血圧計を共有していますが、カフも共有して問題ありませんか?
カフの適用範囲(腕周囲)に家族全員が収まっているかを確認してください。範囲を外れる場合は、その方専用のサイズのカフを別途用意することが望ましいです。また、衛生面では、日本高血圧学会の集計に掲載された各社資料が案内する清拭方法(乾いた柔らかい布での拭き取りなど)に沿ってお手入れすることが推奨されています[3][4]。

この記事の内容は、家庭用の心拍数の目安について詳しく知りたい方は年齢別の心拍数の目安と測り方の記事もあわせてご覧ください。血圧140/100 mmHgがどの分類に相当するかを詳しく知りたい方はII度高血圧の解説記事を、逆に数値が低く出て心配な方は低血圧の基準とリスクの記事を参考にしてください。すでに薬を処方されている方は、服薬時間についてまとめた血圧の薬 1日2回の服用に関する記事もあわせてご確認ください。家庭血圧の基礎や関連情報の全体像は高血圧の総合ページにまとめています。

この記事は、特定のメーカー・機種を推奨するものではありません。紹介した機種名は、日本高血圧学会が公開している集計資料(2025年度版)に、臨床試験による精度検証の出典つきで掲載されている例として挙げたものです[2][3][4][5]。集計は毎年更新されるため、購入時点の最新版を日本高血圧学会のページで必ず確認してください[2]。カフサイズが腕の太さに合っていないことが具体的に何mmHgの誤差を生むか、また管理医療機器の認証番号の枝番の読み方といった、より技術的な細部については、今回参照した公的資料の範囲では明確な記載を確認できませんでした。気になる場合は、製造販売元またはPMDAへ直接お問い合わせください[7]。

更新日:2026年7月21日(JHO編集部が出典を確認した日)。医療情報やガイドライン、公的資料の集計内容は改定・更新されることがあります。本記事の内容に誤りや古い情報があるとお気づきの際は、ぜひご連絡ください。JHO編集部が一次資料と照合のうえ、事実関係を確認して訂正・更新いたします。

参考文献

  1. 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」一般向け解説冊子「高血圧の話」https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019_gen.pdf
  2. 日本高血圧学会「血圧計の試験結果に関する集計」公開ページ(集計基準・手首式除外理由・JIS規格・WHL/ISH合同声明ほか)https://www.jpnsh.jp/com_ac_wg1.html
  3. 日本高血圧学会「血圧計の試験結果に関する集計」2025年度・家庭用・オムロン ヘルスケア提出資料https://www.jpnsh.jp/data/ketsuatsukei2025/home2025-omron.pdf
  4. 日本高血圧学会「血圧計の試験結果に関する集計」2025年度・家庭用・エー・アンド・デイ提出資料https://www.jpnsh.jp/data/ketsuatsukei2025/home2025-aandd.pdf
  5. 日本高血圧学会「血圧計の試験結果に関する集計」2025年度・家庭用・日本精密測器提出資料https://www.jpnsh.jp/data/ketsuatsukei2025/home2025-seimitsu.pdf
  6. 厚生労働省 スマート・ライフ・プロジェクト「血圧」https://kennet.mhlw.go.jp/slp/event/disease/pressure/index.html
  7. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)医療機器情報検索https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiSearch/
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本記事はAI技術を活用し、厚生労働省・WHO等の公的医療機関の情報に基づいて作成されています。医療専門家による個別の監修は受けておりません。健康上の判断や治療については、必ず医師にご相談ください。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。

Trinh Van Dieu

Trinh Van Dieu

ITエンジニア(17年)・Japanese Health 運営者

ベトナム在住のITエンジニア。17年の技術経験を活かし、日本の公的医療機関の情報をAI技術で整理・発信しています。

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