糖尿病スクリーニング検査は誰が受ける?年齢と危険因子
この記事でわかること
目次
- 糖尿病スクリーニング検査とは?なぜ「誰が受けるか」が重要なのか
- 「早期発見」がなぜそれほど重要なのか
- 特定健診でどんな検査を受けられるのか
- 40歳未満でも検査を検討すべき人 — 危険因子という考え方
- 危険因子は「変えられるもの」と「変えられないもの」に分けて考える
- 日本と米国のスクリーニング方針の違い
- 検査を受ける前に準備しておくこと
- 空腹時血糖を測る場合の食事の注意
- 服薬中の人の注意
- 問診票の記入
- 結果の保管
- 特定健診と会社の健診、人間ドックの違い
- 特定健診の後、どうなるのか — 保健指導という次のステップ
- 40歳未満・75歳以上の人はどこで検査を受けられるか
- 会社の定期健康診断
- 人間ドック・任意の健康診断
- 75歳以上の人
- 妊娠中の人
- 特定健診の通知が届いたのに受けそびれた場合
- 結果票に書かれている言葉の意味 — 「要精密検査」「経過観察」とは
- よくある誤解を整理する
- 誤解1:「若いから糖尿病の検査は関係ない」
- 誤解2:「症状がないから検査を受けなくていい」
- 誤解3:「1回受けたから、もう受けなくていい」
- 誤解4:「血糖値の基準値さえ知っていれば検査は不要」
- 誤解5:「痩せているから、糖尿病の危険因子はゼロ」
- 「面倒だから」を乗り越えるための考え方
- よくある質問
- あわせて読みたい関連記事
- 参考文献
結論から言うと、糖尿病スクリーニング検査は、40〜74歳であれば「特定健診」で誰でも受けられます。(厚生労働省によると)[2]
この症状、いつ受診すべきか確認しますか?
回答に合わせて必要な質問だけを表示します。診断は行いません。
症状はいつから続いていますか?
回答により質問数が変わります・途中でいつでも記事に戻れます
それに加えて、肥満・運動不足・家族歴・妊娠糖尿病の既往などの危険因子がある人は、40歳未満でも早めの検査が勧められます(厚生労働省の資料)[3]。診断そのものの基準値(血糖値やHbA1cの数値)は別記事で詳しく解説しているので、ここでは「誰が・いつ・どの検査を受けるべきか」というスクリーニング(ふるい分け)の考え方に絞って説明します。
要点まとめ(20秒で読める要約)
編集方針: JHO編集部がAIツールの支援を受け、公的機関・学会の資料と照合して作成。最終確認は人の目。医師による個別診断の代わりにはなりません。数値・分類はガイドライン改定により変わることがあります(2026年7月時点)。掲載する年齢・対象の基準は、参照した公的資料の記載を基準にしています。更新日:2026年7月19日。内容に誤りや古い情報にお気づきの場合は、お問い合わせフォームよりご指摘いただければ確認のうえ修正いたします。
自分は対象か、今すぐ確認
- □ 40〜74歳である → 特定健診の対象(同資料)[2]
- □ BMI25以上、または運動習慣がほとんどない(同資料)[3]
- □ 血のつながった家族に糖尿病の人がいる(米国ハーバード公衆衛生大学院)[4]
- □ 妊娠中に血糖値を指摘された、または4,000g以上の赤ちゃんを出産した経験がある(同資料)[4]
1つでも当てはまれば、年齢にかかわらず早めの検査を検討する価値があります。
糖尿病スクリーニング検査とは?なぜ「誰が受けるか」が重要なのか
糖尿病は、のどの渇き・多尿・体重減少といった典型的な症状が出るころには、すでに血糖値がかなり高くなっていることが少なくありません。症状が出る前の段階で見つけるための検査が「スクリーニング(ふるい分け)検査」です。
日本では、症状のない人を対象にした最大のスクリーニングの仕組みが「特定健康診査(特定健診)」です。厚生労働省は「対象者(40歳~74歳)の方にメタボリックシンドロームに着目した健診を行います」と説明しており(厚生労働省によると)[2]、特定健診は「生活習慣病の予防のため」に実施されるとしています(同資料)[2]。つまり「40歳を過ぎたら、症状がなくても検査を受ける仕組みがすでに用意されている」ということです。
今の血圧・脈拍を確かめる
数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。
身長と体重からBMIも調べる
血圧手帳(この端末に保存)
これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
「早期発見」がなぜそれほど重要なのか
糖尿病は、血糖値が高い状態が何年も続くことで、血管や神経がゆっくりと傷ついていく病気です。この過程は自覚症状がほとんどないまま進むことが多く、のどの渇き・多尿・体重減少といった典型的な症状が出るころには、すでにかなり血糖値が高くなっていたり、合併症が始まっていたりすることがあります。
逆に言えば、症状が出る前の「境界型」や糖尿病の初期の段階で見つけることができれば、生活習慣の見直しだけで進行を防げる可能性が高くなります。厚生労働省が特定健診・特定保健指導という制度をわざわざ用意しているのも、「症状が出る前に見つけて、生活習慣の改善につなげる」ことに大きな意味があるためです(厚生労働省によると)[2]。スクリーニング検査は、いわば「症状という警報が鳴る前に、静かに進んでいる変化を先に見つけるためのしくみ」です。
特定健診でどんな検査を受けられるのか
特定健診の検査項目について、厚生労働省 e-ヘルスネットは「質問票(服薬歴・喫煙歴等)、身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)、理学的検査、血圧測定、脂質検査、血糖検査、肝機能検査、検尿」を挙げています(厚生労働省 e-ヘルスネットによると)[1]。糖尿病に関する検査については「空腹時血糖又はHbA1c、やむを得ない場合には随時血糖」を実施するとされています(同資料)[1]。
血糖値とHbA1cを両方見るのには理由があります。空腹時血糖は「その瞬間」の血糖の高さを示すのに対し、HbA1cは過去1〜2か月の平均的な血糖の状態を反映する指標です。1回の採血で「今の状態」と「ここ数か月の傾向」の両方を確認できる仕組みになっています。
| 検査項目 | 分かること | 実施される場面 |
|---|---|---|
| 空腹時血糖・随時血糖 | 採血した瞬間の血糖の高さ | 特定健診の血糖検査(厚生労働省 e-ヘルスネットによると)[1] |
| HbA1c | 過去1〜2か月の平均的な血糖の状態 | 特定健診の血糖検査(同資料)[1] |
| 身体計測(BMI・腹囲) | 肥満・メタボリックシンドロームの有無 | 特定健診の基本項目(同資料)[1] |
| 問診(質問票) | 服薬歴・喫煙歴などの生活習慣 | 特定健診の基本項目(同資料)[1] |
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「特定健康診査の検査項目」[1](2026年7月時点で参照)
実際の診断基準(空腹時血糖何mg/dL以上、HbA1c何%以上で糖尿病型と判定されるか)は、検査の「結果の読み方」にあたる別のテーマです。数値の基準については、当サイトの「糖尿病検査はいつ受ける?基準数値2024」で詳しく解説しています。
40歳未満でも検査を検討すべき人 — 危険因子という考え方
特定健診は40〜74歳が対象ですが、これは「40歳未満は安全」という意味ではありません。危険因子が重なっている人は、40歳未満でも検査を検討する価値があります。
厚生労働省の資料は、糖尿病の危険因子として肥満と運動不足を挙げ、BMIが高い肥満の人ほど糖尿病発症リスクが高いこと、「500 Kcal/週の運動毎に年齢訂正糖尿病発症は6%低下する」と報告していることを示しています(厚生労働省によると)[3]。
海外の資料では、より具体的な危険因子のリストが示されています。米国ハーバード公衆衛生大学院(The Nutrition Source)は、45歳以上であること、特定の人種・民族に属すること、妊娠糖尿病の既往があること、体重4,000g以上の赤ちゃんを出産した経験があることなどを、早期のスクリーニングを検討すべき条件として挙げています(米国ハーバード公衆衛生大学院によると)[4]。
これらの危険因子は「1つあれば即・要検査」という単純なものではなく、重なる数が多いほど検査を急ぐ理由になる、という考え方で読むのが実用的です。気になる項目が複数当てはまる場合は、40歳未満でも医療機関や人間ドックで相談することをお勧めします。
危険因子は「変えられるもの」と「変えられないもの」に分けて考える
危険因子を整理するときは、自分で変えられるものと、変えられないものを分けて考えると行動につながりやすくなります。年齢・家族歴・妊娠糖尿病の既往といった過去の経緯は、今から変えることはできません。一方で、肥満や運動不足は、時間はかかっても生活習慣の見直しで変えていくことができる要因です。厚生労働省の資料が示す「500 Kcal/週の運動毎に年齢訂正糖尿病発症は6%低下する」というデータは(厚生労働省によると)[3]、変えられない危険因子(年齢や家族歴)を持つ人ほど、変えられる危険因子(運動習慣)に取り組む意味が大きいことを示しています。
「家族に糖尿病の人がいるから、自分もいずれなる」と諦める必要はありません。変えられない危険因子がある人ほど、変えられる危険因子への対策と、定期的なスクリーニング検査の両方が重要になる、という理解が実用的です。逆に、変えられない危険因子が何もない人であっても、肥満や運動不足が重なれば発症リスクは上がります。「家族に糖尿病の人がいないから大丈夫」という考え方も、油断につながる誤解の一つです。
日本と米国のスクリーニング方針の違い
日本と米国では、「誰に検査を勧めるか」の設計思想が異なります。この違いを知っておくと、「自分は対象外だから安心」という誤解を避けやすくなります。
| 項目 | 日本(厚生労働省の特定健診) | 米国(ハーバード公衆衛生大学院が紹介する考え方) |
|---|---|---|
| 対象の決め方 | 年齢で一律に区切る(40〜74歳は全員対象)(厚生労働省によると)[2] | 年齢に加えて、人種・家族歴・出産歴などの個別の危険因子を重視(米国ハーバード公衆衛生大学院によると)[4] |
| 制度の性質 | 医療保険者が実施主体となる公的な仕組み(厚生労働省によると)[2] | 臨床の場での個別判断が中心(同資料)[4] |
| 40歳未満への対応 | 制度上は対象外(別途、任意の健診が必要) | 危険因子があれば45歳未満でも検討対象になり得る(米国ハーバード公衆衛生大学院によると)[4] |
どちらが優れているという話ではありません。日本の制度は「対象年齢なら誰でも公平に受けられる」という利点があり、危険因子に着目する考え方は「若くてもリスクが高い人を早く見つける」という利点があります。両方の視点を持つことで、自分がどちらに当てはまるかを判断しやすくなります。
海外の資料を参考にするときに注意したい点もあります。米国ハーバード公衆衛生大学院が挙げる「特定の人種・民族に属すること」という危険因子は(米国ハーバード公衆衛生大学院によると)[4]、米国内の人口構成をもとにした分類であり、そのまま日本の集団に当てはめられる数値ではありません。海外の資料は「どのような要因が関係しうるか」という考え方の参考にしつつ、実際に自分が受けるべき検査の種類やタイミングについては、日本国内の制度(特定健診など)や、かかりつけ医の判断を優先することをお勧めします(厚生労働省によると)[2]。
| 適用時期 | 年収の目安 | 計算式 | 100万円の場合 |
|---|---|---|---|
| ~2026年7月診療分 現行 | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 87,430円 |
| 2026年8月診療分から 見直し後(第1段階) | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 85,800円+1%(PDF原文の表記) | 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small> |
| + 年間上限 53万円(新設) | |||
※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は
厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF)
|JHO確認日:2026-07-16
検査を受ける前に準備しておくこと
特定健診や人間ドックをスムーズに受けるために、事前に準備しておくと役立つことをまとめました。
空腹時血糖を測る場合の食事の注意
空腹時血糖を正確に測るためには、検査前の食事制限(絶食)の指示に従うことが基本です。指示された時間(多くの場合、検査当日の朝食を抜く、前日の夜から一定時間以上食べないなど)は、受診する医療機関や健診機関の案内に従ってください。自己判断で食事のタイミングを変えると、正確な結果が得られないことがあります。
服薬中の人の注意
糖尿病以外の持病で薬を服用している場合、検査当日に薬を飲んでよいかどうかは、薬の種類や検査項目によって異なります。特に絶食を伴う検査の場合は、事前に医療機関や健診機関に確認しておくと安心です。
問診票の記入
特定健診では「質問票(服薬歴・喫煙歴等)」への回答が求められます(厚生労働省 e-ヘルスネットによると)[1]。家族歴(血のつながった家族に糖尿病の人がいるか)や、これまでの健診結果で指摘されたことがあるかなど、思い出せる範囲で正確に記入しておくと、判定の参考になります。
結果の保管
健診結果は、その年だけでなく、数年分をまとめて見比べることで「数値がゆっくり上がってきていないか」という変化に気づきやすくなります。結果票は捨てずに保管しておくか、写真やアプリで記録しておくことをお勧めします(受診の目安が分からないときは、遠慮せずかかりつけ医に確認してください)。1年ごとの数値を並べてみると、「異常なし」の範囲内であっても、数値がじわじわと基準値に近づいている場合があります。そうした変化は、1回だけの結果からは分かりません。数年分を並べて見る習慣そのものが、症状が出るより早い段階で変化に気づくための、もう一つのスクリーニングの形だと言えます。
特定健診と会社の健診、人間ドックの違い
「健診」と一言でいっても、いくつか種類があり、それぞれ目的や検査項目が少しずつ異なります。混同しやすいので、ここで整理しておきます。
| 健診の種類 | 主な対象 | 実施主体・根拠 |
|---|---|---|
| 特定健診(特定健康診査) | 40〜74歳の医療保険加入者 | 医療保険者。「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づく(厚生労働省によると)[2] |
| 会社の定期健康診断 | 常時使用される労働者(年齢を問わない) | 事業者(労働安全衛生法に基づく) |
| 人間ドック | 希望する人(年齢を問わない、多くは自費) | 医療機関(任意の健診) |
| 妊婦健診 | 妊娠中の人 | 産科医療機関 |
出典:厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」[2](2026年7月時点で参照)
会社員の場合、定期健康診断の中に特定健診相当の項目(血糖値・腹囲など)が組み込まれていることが多く、実質的に二重で受ける必要がないよう調整されています。自分がどの制度でカバーされているか分からない場合は、勤務先の総務担当者や、加入している医療保険者に確認するのが確実です。
特定健診の後、どうなるのか — 保健指導という次のステップ
特定健診は「検査を受けて終わり」ではありません。厚生労働省は、特定健診とセットで「特定保健指導」という仕組みを用意しています。特定保健指導は「生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる方」を対象としており(厚生労働省によると)[2]、専門スタッフ(保健師、管理栄養士など)が生活習慣改善のサポートを提供する制度です(同資料)[2]。
つまり、特定健診の結果でリスクが高いと判定された場合、「数値を伝えられて終わり」ではなく、保健師や管理栄養士に相談しながら生活習慣を見直す支援を受けられる仕組みが用意されているということです。健診結果に「特定保健指導の対象」という案内があった場合は、忙しくても一度は利用を検討する価値があります。
| 段階 | 内容 | 実施主体 |
|---|---|---|
| ①特定健診 | 血糖値・HbA1c・血圧・脂質などを検査 | 医療保険者(厚生労働省によると)[2] |
| ②結果判定 | メタボリックシンドロームや生活習慣病のリスクを判定 | 医療保険者(同資料)[2] |
| ③特定保健指導 | リスクが高い人に生活習慣改善のサポートを提供 | 保健師・管理栄養士など専門スタッフ(同資料)[2] |
出典:厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」[2](2026年7月時点で参照)
40歳未満・75歳以上の人はどこで検査を受けられるか
特定健診の対象年齢(40〜74歳)から外れる人も、検査を受ける方法はいくつかあります。
会社の定期健康診断
会社員・公務員などは、年齢にかかわらず年1回の定期健康診断で血糖値やHbA1cの項目が含まれることが一般的です。健診結果に血糖値やHbA1cの記載があれば、それがスクリーニング検査の役割を果たしています。20代・30代で「まだ健診なんて」と感じる人もいますが、血糖値やHbA1cは会社の健診でも一般的な項目に含まれているため、結果票が届いたら数値だけでも確認しておく習慣をつけておくと、40歳になってから急に意識するよりも変化に気づきやすくなります。
人間ドック・任意の健康診断
会社の健診がない人(学生・フリーランス・専業主婦/主夫など)は、市区町村の任意健診や人間ドックを自費で利用する方法があります。危険因子に心当たりがある場合は、血糖値・HbA1cの項目が含まれるプランを選ぶとよいでしょう。人間ドックには基本コースとオプションコースが用意されていることが多く、血糖値やHbA1cは基本コースに含まれていることが一般的です。申し込み時に、糖尿病関連の項目が含まれているかどうかをあらかじめ確認しておくと安心です。
75歳以上の人
75歳以上は特定健診の対象から外れますが、後期高齢者医療制度のもとで、市区町村が実施する健康診査を受けられる場合があります。お住まいの自治体の案内を確認することをお勧めします。特に、これまで特定健診を継続して受けてきた人が75歳を迎えるタイミングで案内が届かなくなり、そのまま検査の機会を逃してしまうケースもあります。誕生月の前後で自治体からの案内が届いているか、家族が確認してあげることも一つの対策です。
妊娠中の人
妊娠中は、通常の特定健診とは別に、妊婦健診の中で糖尿病のスクリーニング(妊娠糖尿病の検査)が行われます。時期や方法は通常の糖尿病検査と異なるため、妊娠中の検査については産科の主治医の指示に従ってください。出産後も、妊娠糖尿病の既往は将来の糖尿病発症の危険因子として扱われるため、その後の健診でも継続して血糖値・HbA1cを確認していくことが勧められます。
特定健診の通知が届いたのに受けそびれた場合
年度の途中で通知を見落とした、忙しくて受診できなかったという場合でも、年度内であれば実施医療機関に問い合わせることで受けられることがあります。加入している医療保険者(健康保険組合・国民健康保険など)の窓口、または通知に記載された連絡先に確認するのが確実です。「もう今年は間に合わない」と自己判断で諦める前に、一度問い合わせてみることをお勧めします。年度をまたいで受診の機会を逃し続けると、結果的に数年単位で自分の血糖値の変化を把握できない期間ができてしまいます。忙しい年ほど、あえて早めに予定を確保しておくという工夫も有効です。
結果票に書かれている言葉の意味 — 「要精密検査」「経過観察」とは
特定健診を受けたあと、結果票に見慣れない言葉が並んでいて戸惑う人は少なくありません。ここでは、血糖値・HbA1cの結果でよく使われる判定の考え方を整理します。厚生労働省の資料は、特定健診が「メタボリックシンドロームに着目した健診」であること(厚生労働省によると)[2]、リスクが高いと判定された場合は特定保健指導につながる仕組みであることを示しています(同資料)[2]。
| 結果票の言葉 | おおまかな意味 | 次にすること |
|---|---|---|
| 異常なし | 今回の検査では基準の範囲内 | 次年度も継続して受診する |
| 要経過観察 | 基準からやや外れているが、すぐの精密検査までは不要とされる範囲 | 生活習慣を見直しつつ、次回の健診も必ず受ける |
| 特定保健指導の対象 | 生活習慣病の発症リスクが高いと判定された状態 | 保健師・管理栄養士のサポートを利用する(厚生労働省によると)[2] |
| 要精密検査・要受診 | 糖尿病型の基準に近い、または該当する可能性がある状態 | 早めに医療機関を受診し、追加の検査を受ける |
出典:厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」[2](2026年7月時点で参照。判定区分の呼び方は実施機関により表記が異なる場合があります)
「要精密検査」「要受診」と書かれていても、それだけで「糖尿病と確定した」という意味ではありません。あくまで「詳しい検査が必要な段階」という位置づけです。反対に「異常なし」であっても、危険因子が複数当てはまる場合は、次回までの1年間で生活習慣を見直しておく価値があります。
よくある誤解を整理する
誤解1:「若いから糖尿病の検査は関係ない」
危険因子が重なっていれば、40歳未満でも検査を検討する価値があります。特に肥満・運動不足・家族歴・妊娠糖尿病の既往のいずれかがある場合は、年齢だけで安心しないことが大切です(厚生労働省・米国ハーバード公衆衛生大学院によると)[3][4]。
誤解2:「症状がないから検査を受けなくていい」
特定健診はそもそも「症状のない人」を対象にした仕組みです。厚生労働省は特定健診の目的を「生活習慣病の予防のため」としており(厚生労働省によると)[2]、症状が出る前に見つけることそのものが目的です。症状がないことは「検査が不要」な理由にはなりません。
誤解3:「1回受けたから、もう受けなくていい」
血糖値やHbA1cは生活習慣の変化とともに動きます。特定健診は毎年度実施される仕組みであり、1回の結果が良好でも、翌年また変わっている可能性があります。継続して受けることに意味があります。
誤解4:「血糖値の基準値さえ知っていれば検査は不要」
基準値を知っていることと、実際に自分の数値を測ることは別です。基準値については当サイトの別記事で詳しく解説していますが、その基準に自分が当てはまるかどうかは、実際に検査を受けなければ分かりません。
誤解5:「痩せているから、糖尿病の危険因子はゼロ」
肥満は代表的な危険因子ですが、唯一の危険因子ではありません。厚生労働省の資料は運動不足を独立した危険因子として扱っており(厚生労働省によると)[3]、米国ハーバード公衆衛生大学院の資料も、年齢・家族歴・出産歴など、体格以外の要因を複数挙げています(同資料によると)[4]。体格に自信があっても、他の危険因子が当てはまらないか一度確認してみることをお勧めします。
「面倒だから」を乗り越えるための考え方
特定健診の対象なのに受けていない人の多くは、病気を軽視しているわけではなく、「忙しい」「面倒」「毎年同じ結果だろう」という理由で先送りにしていることが少なくありません。ここで、先送りにしがちな考え方を、実際の制度の仕組みと照らして見直してみます。
特定健診は「メタボリックシンドロームに着目した健診」として、生活習慣病の予防を目的に制度化されています(厚生労働省によると)[2]。1回あたりの所要時間は問診・身体計測・採血が中心で、多くの場合30分から1時間程度で終わります。一方で、症状が出てから見つかった場合の治療は、通院・服薬・生活制限が長期間にわたることが少なくありません。「今の30分〜1時間」と「将来の長期的な通院」を比べると、スクリーニング検査にかける時間は決して大きな負担ではないと考えられます。
また「毎年同じ結果だろう」という予測も、体重や生活習慣が変化していれば必ずしも当てはまりません。特定保健指導が「生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる方」を対象にしていること自体が(厚生労働省によると)[2]、生活習慣とともに数値が変わりうることを前提にした制度設計だと言えます。
特定健診の対象年齢(40〜74歳)が定められた詳しい経緯や、危険因子の「いくつ重なったら受診すべきか」という具体的な数の目安については、今回参照した資料には明確な記載が見当たりませんでした。気になる場合は、自己判断せず、かかりつけ医や自治体の健診窓口に直接ご相談ください。
よくある質問
健康診断で「血糖値」だけ測っていれば、糖尿病のスクリーニングとして十分ですか?
会社の健康診断を受けていれば、特定健診は別に受けなくていいですか?
家族に糖尿病の人がいます。何歳から検査を受けたほうがいいですか?
妊娠中に血糖値を指摘されました。出産後も検査を続けたほうがいいですか?
75歳以上の親に検査を受けさせたいのですが、特定健診は使えますか?
BMIが25未満でも、運動不足なら検査を受けたほうがいいですか?
特定健診の結果、血糖値が「境界型」と言われました。何をすればいいですか?
フリーランスで会社の健診がありません。どうすればいいですか?
特定保健指導の対象と言われました。必ず受けないといけませんか?
妊娠糖尿病と診断されたことがありますが、普通の特定健診でいいですか?
特定健診は無料ですか?費用はどれくらいかかりますか?
特定健診と人間ドックの両方を受けたほうがいいですか?
あわせて読みたい関連記事
- 糖尿病検査はいつ受ける?基準数値2024 — 血糖値・HbA1cの具体的な診断基準を知りたいときに
- HbA1c完全ガイド:基準値・診断から治療までを徹底解説 — HbA1cの数値の意味を詳しく知りたいときに
- 糖尿病の検査費用はいくら?保険適用の範囲・自己負担額から特定健診の活用法まで徹底解説 — 検査にかかる費用が気になるときに
- 保護者のための小児糖尿病完全ガイド:早期発見のサインから充実した日常生活まで — お子さんの早期発見サインを知りたいときに
参考文献
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「特定健康診査の検査項目」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-04-005.html
- 厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161103.html
- 厚生労働省「糖尿病」 https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b7.html
- Harvard T.H. Chan School of Public Health, The Nutrition Source「Diabetes Prevention」 https://nutritionsource.hsph.harvard.edu/disease-prevention/diabetes-prevention/
この記事について(運営者情報・免責事項) タップで表示
医療情報に関する重要なお知らせ
本記事はAI技術を活用し、厚生労働省・WHO等の公的医療機関の情報に基づいて作成されています。医療専門家による個別の監修は受けておりません。健康上の判断や治療については、必ず医師にご相談ください。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。
