【血圧を上げるハーブ】高血圧の人が注意したいサプリ・漢方と安全な付き合い方
この記事でわかること
目次
- Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について
- 要点まとめ
- 第1部:血圧の基本とハーブ・サプリの関係を理解する
- 1.1. 血圧の仕組みと高血圧とは?
- 1.2. ハーブ・サプリが血圧に影響するメカニズム
- 第2部:代表的な「血圧を上げるハーブ・サプリ」とその特徴
- 2.1. 甘草(カンゾウ)と偽アルドステロン症
- 2.2. エフェドラ(麻黄)、ビターオレンジ、カフェイン系成分
- 2.3. 人参類、ヨヒンベ、セント・ジョーンズ・ワートなど
- 第3部:高血圧治療中にハーブ・サプリを使うときの注意点
- 3.1. 降圧薬との相互作用に注意
- 3.2. リスクが高い人(高齢者・腎機能低下・妊娠中など)
- 3.3. すぐに受診を考えるべき危険なサイン
- 第4部:今日からできるハーブ・サプリとの安全な付き合い方
- 第5部:医療機関への相談 ー いつ・どこで・何を伝える?
- 5.1. 受診を検討すべき危険なサイン
- 5.2. 症状に応じた診療科の選び方
- 5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安
- よくある質問
- 結論:この記事から持ち帰ってほしいこと
- この記事の編集体制と情報の取り扱いについて
- 参考文献
「健康に良さそうだから」「自然のものなら安心だと思って」──そんな気持ちでハーブティーやサプリメント、漢方薬を取り入れている方は少なくありません。一方で、血圧を下げる薬を飲んでいるのに、なかなか数値が安定しない、むしろ上がってきている…という相談も増えています。
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その背景の一つとして問題視されているのが、血圧を上げる可能性のあるハーブやサプリメントです。甘草(カンゾウ)を含む漢方薬、エフェドラ(麻黄)やビターオレンジを含むダイエット系サプリ、ヨヒンベやガラナ、高用量カフェインなどは、血圧や脈拍を上昇させたり、血圧の薬の効きを弱めてしまったりすることがあります1,2,8,9。
とくに日本では、漢方薬が「自然でやさしい」と受け止められがちで、甘草を含む製剤を複数・長期間服用した結果、血圧上昇やむくみ、低カリウム血症(血液中のカリウムが少なくなる状態)を起こす「偽アルドステロン症」が問題になっています2–6,12,13。また、エネルギードリンクや一部のサプリに含まれるカフェインやハーブ成分が、知らないうちに血圧コントロールを難しくしているケースもあります1,8,9。
この記事では、日本の公的機関や学会、世界のガイドラインやレビュー論文などの情報をもとに、どのようなハーブ・サプリが血圧を上げるのか、高血圧の人は何に注意すべきか、そして安全に利用するためのチェックポイントを、できるだけわかりやすく整理して解説します。ご自身やご家族が高血圧と付き合っている方はもちろん、「血圧は今のところ正常だけれど、ハーブやサプリをよく使う」という方にも役立つ内容です。
Japanese Health(JHO)編集部とこの記事の根拠について
Japanese Health(JHO)は、健康と美容に関する情報を提供するオンラインプラットフォームです。膨大な医学文献や公的ガイドラインを整理し、日常生活で活用しやすい形でお届けすることを目指しています。
本記事の内容は、厚生労働省や医薬品医療機器総合機構(PMDA)、日本高血圧学会などの国内公的情報源およびガイドライン、さらに海外のレビュー論文や国際的なガイドラインなど、信頼性の高い一次情報源に基づいて、JHO編集部がAIツールのサポートを受けつつ、最終的には人の目で一つひとつ確認しながら作成しています1–10。
- 厚生労働省・PMDA・自治体・公的研究機関:偽アルドステロン症(甘草に関連する副作用)に関する資料や、高血圧に関する啓発資料を優先的に参照しています2–6。
- 国内外の医学会ガイドライン・査読付き論文:日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」や、国際高血圧学会ガイドライン、サプリメントと高血圧の関係をまとめたレビュー論文などについて要点を整理しています1,3,7,8,10。
- 教育機関・医療機関・企業の一次資料:甘草を含む漢方薬に関する病院の解説ページや、血圧治療中の漢方・サプリ使用についての解説など、日本の生活者向けに発信されている実務的な情報も参考にしています9,12。
AIツールは、文献の要約や構成案作成の「アシスタント」として活用していますが、公開前には必ずJHO編集部が原著資料と照合し、重要な記述を一つひとつ確認しながら、事実関係・数値・URLの妥当性を検証しています。
私たちの運営ポリシーや編集プロセスの詳細は、運営者情報(JapaneseHealth.org)をご覧ください。
要点まとめ
- 甘草(カンゾウ)、エフェドラ(麻黄)、ビターオレンジ、ヨヒンベ、ガラナ、高用量カフェインなどの一部ハーブ・サプリは、血圧や脈拍を上昇させることがあります1,8,9。
- 甘草を多く含む漢方薬やグリチルリチン含有製剤を長期間・多剤併用すると、「偽アルドステロン症」と呼ばれる状態を引き起こし、高血圧やむくみ、低カリウム血症による筋力低下、不整脈などにつながることがあります2–6,12,13。
- 高血圧の治療薬(利尿薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬など)と一部ハーブ・サプリが相互作用を起こし、薬の効果を弱めたり、副作用を強めたりする可能性があります1,8–11。
- 「自然のものだから」「市販だから」「健康食品だから」と自己判断せず、漢方薬やサプリメントも必ず医師・薬剤師に申告することが、高血圧治療の安全性を高めるポイントです3,7,9。
- 突然の血圧上昇やひどい頭痛、むくみ、筋力低下、動悸などが出た場合は、服用しているハーブ・サプリをいったん中止し、早めに医療機関に相談してください2–6,12,13。
- この記事を最後まで読むことで、「どのハーブに注意すべきか」「今飲んでいるものをどう医師に伝えればよいか」「今日から見直せるポイントはどこか」を具体的にイメージできるようになることを目指します。
「高血圧といわれたけれど、どこまで生活を変えたらいいのか分からない」「漢方薬やサプリを続けても大丈夫なのか不安」と感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、そんな不安に寄り添いながら、血圧とハーブ・サプリの関係を順番に整理していきます。
まずは、血圧の仕組みや高血圧とは何かといった基本から確認し、そのうえで、甘草やエフェドラなど代表的なハーブが血圧をどのように上げるのかを、体の中で起きている変化とともに説明します。また、「どのような症状が出たら危険のサインか」「医療機関では何を相談すればよいか」まで、段階的に理解できるよう構成しています。
必要に応じて、日本人の生活に密着した高血圧の総合ガイドや、高血圧治療に関する詳細解説記事など、JHO内の関連記事に自然な文脈で橋渡しを行います。
この記事を読み進めることで、「自分の血圧が上がっている背景にハーブやサプリが関係していないかを整理し、いつどこで誰に相談すべきか」を具体的にイメージできるようになることを目指します。
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数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。
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これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
第1部:血圧の基本とハーブ・サプリの関係を理解する
まずは、「血圧とは何か」「高血圧とはどのような状態か」を押さえたうえで、ハーブやサプリメントが血圧に影響する仕組みを確認していきます。仕組みを理解しておくと、「自分はどの程度リスクがあるのか」「どこからが注意すべきラインなのか」がイメージしやすくなります。
1.1. 血圧の仕組みと高血圧とは?
血圧とは、心臓が血液を全身に送り出すときに、血管の内側にかかる圧力のことです。ホースに水を流したときの水圧をイメージすると分かりやすいでしょう。ホース(=血管)が細くなったり硬くなったりすると圧力が上がり、水(=血液)の量が増えても圧力は上がります。
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」では、診察室血圧が140/90mmHg以上、家庭血圧が135/85mmHg以上の状態が続く場合に「高血圧」と診断されるとされています3。数値が高いほど心臓病や脳卒中、腎臓病などのリスクが高まるため、生活習慣の見直しや薬物治療によって適切にコントロールすることが重要です3,7,10。
血圧は、塩分の摂りすぎや運動不足、ストレス、喫煙・飲酒など日常生活の影響に加えて、遺伝や年齢、ホルモンの変化などさまざまな要因に左右されます。ここにハーブやサプリメント、漢方薬などの成分が追加されると、思わぬかたちで血圧が変動することがあります1,8,9。
1.2. ハーブ・サプリが血圧に影響するメカニズム
血圧を上げる可能性のあるハーブやサプリには、いくつかの共通したメカニズムがあります。
- 交感神経を刺激するタイプ:エフェドラ(麻黄)やビターオレンジ、ヨヒンベ、ガラナなどは、アドレナリンに似た作用を持つ成分を含み、心拍数を増やしたり血管を収縮させたりすることで血圧を上昇させます1,8,9。
- ホルモン様の作用を持つタイプ:甘草に含まれるグリチルリチンは、体内でアルドステロンというホルモンに似た作用を示し、ナトリウムと水分をため込み、カリウムを排泄させることで、むくみや血圧上昇を引き起こします2–6,12,13。
- 薬の分解・代謝に影響するタイプ:セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)などは肝臓の薬物代謝酵素を誘導し、一部の降圧薬の血中濃度を下げてしまう可能性が指摘されています1,8,9。
- カフェインを多量に含むタイプ:ガラナや一部の緑茶エキスなどを高濃度で含むサプリやエネルギードリンクは、一時的に血圧や心拍数を上昇させることがあります1,8,9。
このようなメカニズムが、塩分の摂りすぎやストレス、睡眠不足などの生活要因と重なると、血圧がさらに上昇し、高血圧治療薬の効果が十分に発揮されにくくなることがあります。そのため、「サプリや漢方は安心」と思い込まず、血圧との関係を意識しながら利用することが大切です。
| こんな状況・習慣はありませんか? | 考えられる背景・リスクカテゴリ |
|---|---|
| 風邪薬や漢方薬をいくつか同時に、数か月以上続けて飲んでいる | 甘草の重複摂取による偽アルドステロン症のリスク |
| ダイエットや運動前に、エネルギードリンクやサプリを毎日のように飲んでいる | カフェインやエフェドラ類似成分による血圧上昇・心拍数増加 |
| 「疲れ対策」「男性機能」「集中力アップ」目的のハーブサプリを複数併用している | ヨヒンベや人参類、ガラナなど刺激性成分の重複による血圧への影響 |
| 血圧の薬を飲み始めたが、サプリや漢方は医師に伝えていない | 薬とハーブ・サプリの相互作用により、降圧効果が十分に出ない可能性 |
第2部:代表的な「血圧を上げるハーブ・サプリ」とその特徴
ここからは、実際に血圧を上昇させる可能性が報告されている代表的なハーブやサプリを、一つずつ見ていきます。どのような仕組みで血圧に影響するのか、日本でよく使われる製品にはどのようなものがあるのか、注意すべきポイントを具体的に解説します。
2.1. 甘草(カンゾウ)と偽アルドステロン症
甘草(カンゾウ)は、咳止めや胃腸薬などに古くから使われてきた生薬で、漢方薬にも非常によく含まれています。味が甘く、炎症を抑えたり、胃の粘膜を保護したりする働きがあるとされますが、グリチルリチンという成分が過剰になると「偽アルドステロン症」を引き起こすことが知られています2–6,12,13。
偽アルドステロン症とは、アルドステロンというホルモンが増えていないにもかかわらず、アルドステロンが増えたときと同じように、体内のナトリウムと水分がたまり、カリウムが失われてしまう状態です2,5,6,13。その結果、以下のような症状が現れることがあります。
- 血圧の上昇(もともと高血圧の人ではさらに悪化)
- 手足や顔のむくみ、体重増加
- 手足の脱力感、しびれ、つっぱり感、こむら返り
- 頭重感や頭痛、だるさ、動悸
- 重症になると、不整脈や麻痺など
厚生労働省やPMDAは、甘草やグリチルリチンを含む医薬品を長期間使用した患者で偽アルドステロン症が発生することを重く見て、医療関係者・一般の方向けに注意喚起資料を公表しています2,5,6,13。また、日本の病院や企業の解説でも、甘草を含む漢方薬を数種類・長期間にわたり服用すると、甘草の総量が多くなりすぎて偽アルドステロン症を起こすおそれがあると説明されています12。
甘草は、芍薬甘草湯、葛根湯、小青竜湯、補中益気湯、人参養栄湯など、多くの漢方製剤に含まれています12。複数の漢方薬を併用していると、自分では意識しないうちに甘草の総量が増えてしまうことがあるため、「どの漢方に甘草が入っているのか」を薬剤師に確認し、「何種類までなら安全か」「どれくらいの期間続けてよいか」を相談することが重要です。
2.2. エフェドラ(麻黄)、ビターオレンジ、カフェイン系成分
次に、交感神経を刺激して血圧や心拍数を上昇させるタイプのハーブやサプリについて見ていきます。
エフェドラ(麻黄)は、かつてダイエットや運動パフォーマンス向上目的のサプリに広く使われていた成分で、心拍数の増加や血圧上昇、不整脈、心筋梗塞などの重い副作用が問題となり、多くの国でサプリとしての使用が禁止・制限されています1,8,9。漢方薬としての麻黄には、医師の管理下で使用される場合もありますが、高血圧や心疾患がある人には慎重な投与が求められます。
ビターオレンジ(シトラス・オーランチウム)は、減量用サプリや「脂肪燃焼系」製品に含まれることがあるハーブで、シネフリンという成分を含みます。シネフリンはエフェドリンに似た作用を持ち、血圧や心拍数を上昇させる可能性が指摘されています1,8,9。とくにカフェインと併用した場合、心血管系への負担が大きくなるおそれがあります。
ガラナや高濃度カフェインを含むサプリやエネルギードリンクも要注意です。カフェインは、一時的に血圧を上昇させる作用があり、降圧薬(とくにβ遮断薬や一部の利尿薬など)の効果を弱める可能性が指摘されています1,8,9。カフェインに敏感な人や、もともと血圧の高い人では、少量でも動悸や頭痛、手の震えなどが出ることがあります。
2.3. 人参類、ヨヒンベ、セント・ジョーンズ・ワートなど
その他にも、血圧に影響する可能性のあるハーブやサプリがいくつか知られています。
- 高麗人参・朝鮮人参・シベリア人参(エゾウコギ):疲労回復や冷え性対策のイメージが強いですが、交感神経を刺激し、血圧や心拍数を上昇させる可能性が指摘されています1,8。研究によって結果はまちまちですが、高血圧や不整脈のある人では慎重に扱うべきとされています。
- ヨヒンベ:男性機能改善やダイエット目的のサプリに含まれることがある成分で、交感神経を刺激し、血圧や心拍数を上昇させるほか、不安や不整脈、けいれんなどの副作用が報告されています1,8,9。一部の国ではサプリとしての使用が禁止・制限されています。
- セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ):軽い抑うつ症状や更年期の気分の落ち込み対策として使われることがありますが、肝臓の薬物代謝酵素を誘導して多くの薬の血中濃度を下げる可能性があります1,8,9。降圧薬や抗凝固薬、抗うつ薬などとの相互作用が問題になることがあり、必ず医師に相談が必要です。
これらのハーブやサプリは、単体ではなく複数成分が混ざった「ブレンド製品」として使われることが多いため、ラベルを見ただけではどの成分がどれくらい入っているのか分かりにくいのが実情です。成分名が英語で書かれている場合も多いため、「よく分からないけれど効きそうだから」と自己判断で継続するのは避けましょう。
第3部:高血圧治療中にハーブ・サプリを使うときの注意点
ここでは、すでに高血圧の診断を受けている方や血圧の薬を服用している方が、ハーブやサプリ、漢方薬を利用するときに、とくに注意しておきたいポイントを整理します。
3.1. 降圧薬との相互作用に注意
降圧薬は、血圧を下げるために、血管を広げる、心臓の負担を軽くする、体内の余分な水分を排出するなど、さまざまなメカニズムで作用します。一方で、前述の甘草、エフェドラ、ビターオレンジ、ヨヒンベ、カフェイン、セント・ジョーンズ・ワートなどは、それとは逆方向の作用を持っていたり、薬の代謝に影響したりします1,8–11。
- 利尿薬+甘草:利尿薬は体内の水分・塩分を排出する薬ですが、甘草はナトリウムと水分をため込み、カリウムを排出する方向に働きます。両者が重なると、低カリウム血症や血圧上昇、不整脈のリスクが高まります2,5,6,13。
- β遮断薬+カフェイン・エフェドラ・ガラナ:β遮断薬は心拍数や血圧を下げる薬ですが、刺激性のハーブが加わると、薬の効果が十分に出ないことがあります1,8,9。
- カルシウム拮抗薬・ACE阻害薬など+セント・ジョーンズ・ワート:セント・ジョーンズ・ワートは薬物代謝酵素を誘導し、血中濃度を下げる可能性があるため、降圧効果が期待どおりに出ないことがあります1,8,9。
「血圧の薬を飲んでいるのに、なかなか下がらない」「むしろ最近上がり気味」と感じる場合は、現在飲んでいるサプリや漢方薬、ドリンク類をすべてリストアップし、医師・薬剤師に見てもらうことが大切です。
3.2. リスクが高い人(高齢者・腎機能低下・妊娠中など)
同じハーブやサプリを摂取しても、その人の体の状態によってリスクの高さは変わります。以下に当てはまる方は、とくに慎重な判断が必要です。
- 高齢者:腎臓や肝臓の機能が低下していることが多く、薬やサプリの影響が出やすい傾向があります。さらに、多剤併用になりやすいため、甘草の重複摂取などが起こりやすくなります。
- 腎機能が低下している方、心不全の既往がある方:ナトリウムや水分がたまりやすく、甘草による偽アルドステロン症や、カフェイン・エフェドラによる血圧上昇が重なると、心不全や不整脈が悪化するおそれがあります。
- 妊娠中・授乳中の方:安全性が十分に検証されていないハーブやサプリも多く、血圧だけでなく胎児や乳児への影響も考慮する必要があります。
- 複数の慢性疾患で多くの薬を飲んでいる方:糖尿病、高脂血症、不整脈、うつ病などで複数の薬を服用している場合、ハーブやサプリとの相互作用が複雑になりがちです。
このような背景を持つ方は、医師の許可なく新しいサプリやハーブティー、漢方薬を追加しないことを基本ルールとし、「飲んでみたい」と思った段階で、一度相談するようにしましょう。
3.3. すぐに受診を考えるべき危険なサイン
ハーブやサプリを含め、何らかの製品を飲み始めてから、次のような症状が出てきた場合は、自己判断で様子を見るのではなく、早めに医療機関に相談してください。場合によっては救急受診(119番通報)が必要になることもあります。
- 急に上の血圧が180mmHg以上、または下の血圧が120mmHg以上になった
- これまでにない強い頭痛、視界のかすみ、話しにくさ、片側の手足のしびれや麻痺が出た
- 動悸が強く、胸の痛みや圧迫感、息苦しさを伴う
- 短期間で急に体重が増え、足や顔のむくみがはっきり分かる
- 手足の力が入りにくい、こむら返りが頻繁に起こる、しびれがひどい
これらは、脳卒中や心筋梗塞、不整脈、偽アルドステロン症による重度の低カリウム血症など、命に関わる病気のサインである可能性があります2,5,6,13。服用している医薬品やサプリ、漢方薬の名前が分かるように、パッケージやお薬手帳を持参して受診しましょう。
第4部:今日からできるハーブ・サプリとの安全な付き合い方
ここでは、「今すぐできること」「今週から試したいこと」「長期的に続けたいこと」に分けて、ハーブやサプリとの付き合い方を具体的に整理します。すべてを完璧に行う必要はありませんが、できるところから一歩ずつ取り組むことで、血圧コントロールのしやすさが変わってきます。
| ステップ | アクション | 具体例 |
|---|---|---|
| Level 1:今夜からできること | 自分が飲んでいるものを「見える化」する | 寝る前に、漢方薬、市販薬、サプリ、ハーブティー、エネルギードリンクなどをテーブルに並べ、スマホで写真を撮っておく。成分表示に「甘草」「グリチルリチン」「エフェドラ」「マオウ」「シトラス」「ガラナ」などがないか眺めてみる。 |
| Level 1:今夜からできること | 刺激性ハーブやカフェインを減らす | 仕事終わりや運動前に飲んでいたエネルギードリンクを、ノンカフェインのお茶や水に置き換えてみる。就寝前3〜4時間はカフェイン飲料を控える。 |
| Level 2:今週から始めたいこと | 甘草を含む漢方薬の重複をチェックする | 薬局や病院で処方されている漢方薬の名前をメモし、「これらに甘草は入っていますか?」と薬剤師に確認する。複数の医療機関を受診している場合は、お薬手帳を1冊にまとめる。 |
| Level 2:今週から始めたいこと | 主治医にサプリ・漢方の一覧を見せる | 診察時に「医師から処方された薬」だけでなく、ドラッグストアや通販で購入したものも含め、すべての製品名・用量・飲んでいる期間を紙に書き出して持参する。 |
| Level 3:長期的に続けたいこと | 「薬を増やす前に生活を見直す」習慣をつける | 血圧が高めのとき、すぐに新しいサプリに飛びつくのではなく、塩分量の見直し、体重管理、運動習慣、睡眠の質など、ガイドラインで推奨される生活習慣の改善に目を向ける3,7,10。 |
| Level 3:長期的に続けたいこと | 定期的に情報をアップデートする | 厚生労働省や日本高血圧学会などの公的な情報源にアクセスし、最新の高血圧治療ガイドラインや注意喚起情報を確認する習慣をつける。 |
第5部:医療機関への相談 ー いつ・どこで・何を伝える?
最後に、「どのタイミングで受診を考えるべきか」「どの診療科を選べばよいか」「診察のときに何を伝えるとスムーズか」についてまとめます。ハーブやサプリを使っていることを伝えるのは恥ずかしいと感じる方もいますが、安全に治療を続けるためには、とても大切な情報です。
5.1. 受診を検討すべき危険なサイン
- 前述のような、急な血圧上昇、激しい頭痛、しびれや麻痺、胸の痛み、強い息苦しさなどがある場合
- 高血圧治療薬をきちんと飲んでいるのに、ここ数週間で血圧が明らかに上昇している場合
- むくみや体重増加、手足の脱力感やこむら返りなど、偽アルドステロン症を疑う症状が出てきた場合2,5,6,12,13
これらのサインがある場合は、自己判断でサプリや漢方薬を続けるのではなく、まず服用を中止し、早めに医療機関を受診してください。救急外来にかかる際も、飲んでいるハーブやサプリの情報は、とても重要な手がかりになります。
5.2. 症状に応じた診療科の選び方
- 高血圧のフォローアップ全般・薬の調整:かかりつけの内科、循環器内科
- むくみ、腎機能の評価が必要な場合:循環器内科、腎臓内科
- 不整脈や胸部症状が強い場合:循環器内科(必要に応じて救急外来)
- 妊娠中の血圧や薬・サプリの相談:産婦人科+内科(周産期センターなど)
どこを受診すべきか迷う場合は、まずはかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門科を紹介してもらう方法もあります。
5.3. 診察時に持参すると役立つものと費用の目安
- お薬手帳:処方薬だけでなく、市販薬・漢方薬・サプリメントもできるだけ記載しておきましょう。
- 実物またはパッケージの写真:成分名や含有量を確認するために役立ちます。
- 血圧の記録:家庭血圧を1〜2週間分、朝晩で記録して持参すると、ハーブやサプリと血圧の変動の関係が見やすくなります3,7。
- 検査や治療の費用:日本では公的医療保険が適用されるため、一般的な血液検査や心電図、必要な画像検査などは自己負担3割で受けられます。具体的な金額は医療機関や検査内容によって異なりますが、受診前に受付で目安を確認しておくと安心です。
「サプリや漢方を飲んでいることを怒られないだろうか」と心配する方もいますが、医師や薬剤師にとって重要なのは、事実を正確に共有してもらうことです。遠慮せずに、日々の工夫や不安も含めて相談してみてください。
よくある質問
Q1: どんなハーブやサプリが血圧を上げる可能性がありますか?
A1: 代表的なものとして、甘草(カンゾウ)、エフェドラ(麻黄)、ビターオレンジ、ヨヒンベ、高用量のカフェインを含むガラナや一部のエネルギードリンク、高麗人参・シベリア人参などが挙げられます1,8,9。セント・ジョーンズ・ワートなど、直接血圧を上げるというよりは降圧薬の効きを変えてしまう可能性があるハーブもあります1,8,9。
ただし、同じハーブでも含有量や組み合わせによってリスクは変わるため、「名前だけ」で安全・危険を判断するのではなく、今飲んでいる製品の成分表示を確認し、医師や薬剤師に相談することが大切です。
Q2: 高血圧でも漢方薬を飲んで大丈夫ですか?
A2: 高血圧だからといって、すべての漢方薬がダメというわけではありません。症状や体質に応じて適切に選ばれた漢方薬が、血圧コントロールを含めた全身状態の改善に役立つこともあります。一方で、甘草を含む漢方薬を複数・長期間服用すると、偽アルドステロン症による血圧上昇や低カリウム血症などの副作用が起こることがあります2–6,12,13。
重要なのは、「どの漢方薬をどれくらいの期間飲んでいるか」「他にどんな薬やサプリを併用しているか」を、処方した医師やかかりつけ医、薬剤師と共有することです。自己判断で漢方薬だけを長く続けたり、複数の医療機関から漢方薬を処方してもらったりするのは避けましょう。
Q3: 甘草はどれくらい摂ると危険ですか?
A3: 甘草の安全な上限量は、年齢や体格、持病、併用薬によって異なります。研究や副作用報告からは、甘草やグリチルリチンを比較的少量でも、長期間にわたって摂取すると偽アルドステロン症を起こす場合があることが示されています2–6,12,13。
とくに、複数の甘草含有製剤(漢方薬、胃腸薬、のど薬など)を同時に使っている場合、本人が思っている以上に総量が増えていることがあります。「このくらいなら大丈夫だろう」と自己判断せず、甘草を含む製剤は何種類までか、どのくらいの期間ならよいかを医師や薬剤師に必ず確認してください。
Q4: エネルギードリンクやカフェイン入りサプリは、どのくらいまでなら大丈夫ですか?
A4: 一般的には、健康な成人であれば1日のカフェイン摂取量が400mgを超えない範囲が目安とされていますが、高血圧や心疾患がある人、妊娠中の人、カフェインに敏感な人では、もっと少ない量でも血圧上昇や動悸などの症状が出ることがあります1,8,9。
エネルギードリンクやカフェイン入りサプリには、コーヒーやお茶よりも高濃度のカフェインが含まれている場合があります。とくに、高血圧治療中の方は、「毎日飲む」習慣になっていないか、複数製品を併用していないかを見直し、できるだけノンカフェインの飲み物に切り替えることをおすすめします。
Q5: 市販の風邪薬や胃腸薬にも血圧に悪影響を与えるものはありますか?
A5: 風邪薬や胃腸薬にも、甘草やカフェイン、交感神経を刺激する成分(鼻づまりをとる成分など)が含まれていることがあります2,5,6,9,13。これらが重なると、血圧が上がったり、偽アルドステロン症を起こすリスクが高まります。
「頭痛・発熱用」「かぜ薬」「総合感冒薬」などを選ぶときは、パッケージや添付文書の「成分・分量」の欄を確認し、高血圧の人が注意すべき成分が含まれていないかを薬剤師にチェックしてもらいましょう。すでに降圧薬を飲んでいる場合は、そのことも必ず伝えてください。
Q6: 血圧がむしろ低めなのですが、「血圧を上げるハーブ」を飲んでもいいですか?
A6: 血圧が低めだからといって、エフェドラやヨヒンベ、ビターオレンジなどの刺激性ハーブを自己判断で利用するのはおすすめできません。これらの成分は、血圧や心拍数を急激に上げてしまい、不整脈や心筋梗塞などを引き起こしたケースも報告されています1,8,9。
「立ちくらみがつらい」「朝起きられない」など、低血圧が疑われる症状がある場合は、まず医療機関で原因を調べ、必要な治療や生活改善策を相談しましょう。そのうえで、医師の管理下で漢方薬などを使う場合もありますが、自己流でのハーブ・サプリ利用は避けましょう。
Q7: すでにサプリや漢方をたくさん飲んでしまっているのですが、急にやめても大丈夫でしょうか?
A7: 一般的な健康食品や市販の漢方薬であれば、多くの場合は急に中止しても問題はありませんが、長期間・高用量で甘草を含む製品を使用していた場合や、刺激性ハーブを多く含む製品を続けていた場合には、体調の変化に注意が必要です2–6,8,9,12,13。
中止する前に、まずは現状をメモにまとめ、かかりつけ医や薬剤師に相談することをおすすめします。すぐに受診できない場合でも、血圧や体重、むくみ、手足のしびれや脱力感などの症状を記録しておき、変化があれば早めに医療機関を受診してください。
結論:この記事から持ち帰ってほしいこと
ハーブやサプリメント、漢方薬は、うまく活用すれば日々の健康づくりに役立つこともあります。しかし、「自然」「健康食品」「市販」というイメージだけで安心してしまうと、思わぬかたちで血圧を上げてしまうことがあります。
とくに甘草を含む製剤や、エフェドラ・ビターオレンジ・ヨヒンベ・高用量カフェインなどを含むサプリは、高血圧の悪化や偽アルドステロン症、不整脈など、重大な健康被害につながる可能性があるため注意が必要です1–6,8,9,12,13。
今日からできることは、まず「自分が飲んでいるものすべてを書き出してみる」ことです。そのうえで、かかりつけ医や薬剤師に相談しながら、「どのハーブ・サプリは続けてもよいか」「どれは控えるべきか」を一緒に整理していきましょう。
一人で抱え込む必要はありません。血圧とサプリ・漢方の問題は、多くの日本人が直面している共通の課題です。信頼できる公的情報源と医療専門職の力を借りながら、ご自身の体に合った、安全で納得感のある血圧コントロールの方法を見つけていきましょう。
この記事の編集体制と情報の取り扱いについて
Japanese Health(JHO)は、信頼できる公的情報源と査読付き研究に基づいて、健康・医療・美容に関する情報をわかりやすくお届けすることを目指しています。
本記事の原稿は、最新のAI技術を活用して下調べと構成案を作成したうえで、JHO編集部が一次資料(ガイドライン・論文・公的サイトなど)と照合しながら、内容・表現・数値・URLの妥当性を人の目で一つひとつ確認しています。最終的な掲載判断はすべてJHO編集部が行っています。
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参考文献
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