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熱中症警戒アラートとは|暑さ指数と初期症状・今すぐの対処

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熱中症警戒アラートが出るほど暑い日に、目の前で人が倒れたら——まず次の4つを行ってください。

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今すぐの対処 — 目の前に具合の悪そうな人がいるとき

環境省の応急処置の手順に沿って、まず次の4つを行ってください[13]。

  • ①涼しい場所へ移動させ、衣服をゆるめる
  • ②首・脇の下・足の付け根に水をかけて扇ぎ、体を冷やす
  • ③⛔意識がはっきりしない・吐き気がある・すでに吐いているときは、無理に水を飲ませない
  • ④自力で水が飲めない、意識がおかしい、けいれんがあるときは、すぐに119番

詳しい手順は、本記事内の「熱中症の応急処置の手順」でも解説しています。

結論から言うと、環境省と気象庁は、暑さ指数(WBGT)をもとに熱中症警戒アラートを発表しています。環境省によると、府県予報区等内のいずれかの地点で翌日または当日の日最高WBGTが33に達すると予測されたときに発表され[1]、都道府県内のすべての地点でWBGTが35に達する場合には、最上位の熱中症特別警戒アラートが発表されます[3]。

総務省消防庁によると、2025年(令和7年)は全国の熱中症による救急搬送者数が5〜9月で100,510人となり、統計を開始した平成20年以降で最も多い人数を記録しました[8]。環境省が呼びかけるとおり、今年もアラートが出る日は、めまいやこむら返りといった熱中症の初期症状を軽く見ず、屋内でもエアコンを使い、こまめに水分・塩分をとることが大切です[2]。

要点まとめ

  • 環境省によると、熱中症警戒アラートは暑さ指数(WBGT)33以上、特別警戒アラートは都道府県内全地点でWBGT35以上のときに発表される[1][3]
  • 環境省の説明では、WBGTは気温だけでなく湿度・輻射熱も含めた指標で、同じ気温でも湿度が高い日ほど数値が上がる[5]
  • 日本救急医学会のガイドラインによれば、めまい・立ちくらみ・大量の発汗・こむら返り・強い倦怠感は熱中症の初期症状の代表例で、この段階で対処すれば重症化を防げる[11]
  • 東京都監察医務院の集計では、東京都23区の令和7年の熱中症死亡者193人のうち181人が屋内で発生し、その多くがエアコン未使用だった[9]
  • 環境省のマニュアルによれば、高齢者は「暑い」「喉が渇いた」と感じにくくなるため、感覚に頼らず室温と時間で水分補給を管理する必要がある[10]

編集方針: JHO編集部がAIツールの支援を受け、環境省・総務省消防庁・東京都監察医務院・日本救急医学会など公的機関・学会の一次資料と照合して作成しました。最終確認は人の目で行っています。医師による個別診断の代わりにはなりません。暑さ指数の基準値や統計は今後のガイドライン改定・年次更新により変わることがあります(2026年7月25日時点の情報)。

今のWBGTからすぐ行動を決める早見

環境省の基準では、WBGT31以上「危険」の帯に入ると、日最高WBGTが33に達すると予測された時点で熱中症警戒アラートが発表されます[1]。環境省が呼びかけるとおり、アラートが出た日は、外出をできるだけ控え、屋内でもエアコン等を適切に使用して涼しい環境で過ごし、こまめな休憩と水分・塩分補給を行うことが基本です[2]。自分のいる場所の暑さ指数は、環境省熱中症予防情報サイトで確認できます[2]。めまいやこむら返りなど熱中症の初期症状に早めに気づければ、悪化を防げる可能性が高くなります。詳しい重症度の見分け方と119番のサインは、熱中症と高体温症の重症度Ⅰ〜Ⅳ度の見分け方と応急処置のガイドで詳しく解説しています。

熱中症警戒アラート・熱中症特別警戒アラートとは何か

熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測されるときに、環境省と気象庁が共同で発表する情報です[6]。単なる「暑い日の注意喚起」ではなく、暑さ指数(WBGT)という数値の予測に基づいて機械的に発表・解除が行われる点が特徴です。環境省のサイトでは「府県予報区等内において、いずれかの暑さ指数情報提供地点における、翌日・当日の日最高暑さ指数(WBGT)が33(予測値)に達する場合に発表します」と説明されています[1]。環境省の説明では、全国は58の府県予報区等に分けられており、そのうちの1地点でも33以上が予測されれば、その地域全体にアラートが発表されます[1]。

発表のタイミングは1日3回のWBGT地図更新に連動しています。環境省熱中症予防情報サイトによると「地図の更新は1日3回です。5時に『きょう』の地図、14時と17時に『あす』の地図を更新します」とされており[2]、当日分のアラートは午前5時ごろ、翌日分のアラート(通常のアラート)は前日17時ごろに発表されることになります。環境省の発表によると、令和8年度は4月22日から10月21日までの期間、この熱中症警戒アラート・特別警戒アラートの運用が行われています[4]。

図:JHO編集部が作成

受け取り方は、環境省熱中症予防情報サイトが提供する「熱中症警戒アラート等メール配信サービス」に登録すると、アラート発表をメールで知ることができます[2]。テレビの天気予報やニュース、気象庁・自治体のウェブサイトでも発表状況が案内されます。アラートが出た日にすべきことについて、環境省は「屋内では、エアコン等を適切に使用し、涼しい環境で過ごしましょう」「こまめな休憩や水分補給・塩分補給をしましょう」「身近な場所での暑さ指数(WBGT)を確認し、涼しい環境以外では、運動等を中止しましょう」と呼びかけています[2]。環境省はあわせて「高齢者、こども等は熱中症になりやすいので特に注意し、身近な方も見守り・声かけをしましょう」とも案内しており[2]、自分自身の対策だけでなく、周囲の高齢者や子どもへの声かけも呼びかけの一部になっています。

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数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。

身長と体重からBMIも調べる

これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。

熱中症特別警戒アラートとの違い — WBGT35と指定暑熱避難施設

熱中症特別警戒アラートは、通常のアラートよりもさらに一段階厳しい基準で発表される、2024年度に新設された最上位の情報です。環境省のサイトでは「都道府県内において、全ての暑さ指数情報提供地点における、翌日の日最高暑さ指数(WBGT)が35(予測値)に達する場合等に発表します」と定義されています[3]。環境省のこの2つの説明を比べると、通常のアラートが「府県予報区等内のいずれか1地点」で33に達すれば発表されるのに対し、特別警戒アラートは「都道府県内のすべての地点」で35に達する必要があるため、より広範囲かつより高い暑さ指数が条件になっています[3]。環境省熱中症予防情報サイトの「よくある質問」によると、発表時刻も通常のアラートより早く設定されており、特別警戒アラートは前日14時、通常の警戒アラートは前日17時(または当日5時)に発表されます[15]。

特別警戒アラートが発表されると、市町村があらかじめ指定していた「指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)」が開放されます。環境省の説明では「事前に市町村長が市町村(市町村には特別区を含む。)の区域内に存する施設を指定暑熱避難施設として指定している場合には、熱中症特別警戒情報が発表される際、当該指定暑熱避難施設が開放されます」とされており[3]、環境省によると公民館・図書館・ショッピングセンターなど、冷房設備を備えた施設が対象になり得ます[3]。ただし環境省は「自宅にエアコンがある場合等、涼しい環境が確保できる際には、クーリングシェルターへの移動は必須ではありません」とも案内しているため[3]、自宅で涼しく過ごせるなら無理に外出して避難施設へ向かう必要はありません。

熱中症警戒アラートの発表回数は年々増えている

熱中症警戒アラートは2021年から本格運用が始まった比較的新しい情報ですが、その発表回数は年を追うごとに増えています。総務省消防庁がまとめた令和7年(2025年)5〜9月の報告では、「令和7年は、気象庁による統計開始以降、多くの地方で最も早い梅雨明けとなったほか、夏の日本の平均気温が最も高くなりました。また、熱中症警戒アラートの発表回数が過去最多となるなど、非常に厳しい暑さが長期間にわたって続いた」と総括されています[8]。総務省消防庁によると、この結果、令和7年5〜9月の全国の熱中症による救急搬送者数は100,510人となり、平成20年に調査を開始して以来、最も多い搬送人員となりました[8]。総務省消防庁の集計では、特に6月の搬送人員は17,229人と月別で過去最多を記録しており[8]、梅雨明けが早まるほど、体が暑さに慣れる「暑熱順化」が追いつかないまま危険な暑さにさらされるリスクが高まると考えられます。

環境省は令和8年度についても、4月22日から10月21日までの期間、熱中症特別警戒アラートおよび熱中症警戒アラートの運用を継続すると発表しています[4]。本記事を公開している7月下旬は、例年アラートの発表が最も集中する時期にあたります。過去の傾向をふまえると、梅雨明け直後や、涼しい日が続いたあとに急に気温が上がった日は、体がまだ暑さに慣れていないため、暑さ指数の数値がそこまで高くなくても熱中症を発症しやすいとされています。アラートが出ていない日でも油断せず、こまめな水分・塩分補給を続けることが大切です。

暑さ指数(WBGT)の読み方 — 気温とは違う数値

環境省によると、熱中症警戒アラートの土台になっている暑さ指数(WBGT、Wet Bulb Globe Temperature、湿球黒球温度)は、1954年にアメリカで提案された指標です[5]。環境省の説明によると、WBGTは「人体の熱収支に与える影響の大きい①湿度、②日射・輻射など周辺の熱環境、③気温の3つを取り入れた指標」であり[5]、単位は気温と同じ摂氏度(℃)で表されますが、その値は気温そのものとは異なります[5]。つまり天気予報の「気温32℃」とWBGTの「32」は同じ数字でも意味が違い、湿度が高い日はWBGTのほうが体感に近い危険度を示します。

日常生活での目安として、環境省の熱中症環境保健マニュアルに掲載されている表1-1では、WBGTが31以上を「危険」、28以上31未満を「厳重警戒」、25以上28未満を「警戒」、25未満を「注意」の4区分に分け、それぞれの注意事項が示されています[6]。これは日本生気象学会の「日常生活における熱中症予防指針」に基づく分類です[6]。加えて、日本スポーツ協会は「熱中症予防運動指針」を公表しており[7]、そこではこの4区分の下にWBGT21未満の「ほぼ安全」という、より軽い区分が置かれています。以下の表は、この2つの指針を組み合わせた5段階の基準です。

暑さ指数(WBGT) 区分 日常生活の注意事項 運動時の注意事項
31以上 危険 高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する[6] 運動は原則中止。特に子どもの場合は中止すべき[6]
28以上31未満 厳重警戒 すべての生活活動でおこる危険性。外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する[6] 激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。10〜20分おきに休憩をとり水分・塩分を補給する[6]
25以上28未満 警戒 中等度以上の生活活動でおこる危険性。運動や激しい作業をする際は定期的に十分な休息を取り入れる[6] 積極的に休憩をとり、適宜、水分・塩分を補給する。30分おきくらいに休憩をとる[6]
21以上25未満 注意 一般に危険性は少ないが、激しい運動や重労働時には発生する危険性がある[6] 熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する[6]
21未満 ほぼ安全 通常は熱中症の危険性は小さいが、激しい運動や重労働時には発生することがある 適宜、水分・塩分の補給は必要[7]

出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル」表1-1(日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針」・日本スポーツ協会「熱中症予防のための運動指針」に基づく)[6][7]

熱中症の初期症状 — 見逃しやすいサインを知る(熱中症の初期症状)

「熱中症の初期症状」というと重い病気を想像しがちですが、実際にはもっと日常的な体の変化として現れます。日本救急医学会の熱中症診療ガイドライン2024では、同学会が示す熱中症の診断基準となる症状として「暑熱環境に居る、あるいは居た後」に、めまい、失神(立ちくらみ)、生あくび、大量の発汗、強い口渇感、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、意識障害、痙攣、せん妄、小脳失調、高体温などの症状を呈するものと、同学会は定義しています[11]。このうち、めまい・立ちくらみ・生あくび・大量の発汗・強い口渇感・こむら返り・軽い頭痛・なんとなくだるいといった症状は、まだ意識がはっきりしている段階で出る初期のサインです。

特に見逃されやすいのが「こむら返り」と「なんとなくだるい」の2つです。日本救急医学会の診断基準を踏まえると、ふくらはぎなどの筋肉が突然つる「こむら返り」は、汗とともに失われたナトリウムなどの電解質が不足して起こると考えられており、単なる運動のしすぎではなく熱中症のサインである可能性があります[11]。こむら返り自体の原因やケアの詳しい解説は、こむら返りが起こる仕組みと対処法のまとめもあわせてご覧ください。「なんとなくだるい」「体が重い」という感覚も、日本救急医学会の診断基準にある「倦怠感」「虚脱感」に相当し、単なる疲れと片づけずに休憩と水分補給のサインとして受け止めることが勧められます[11]。

熱中症の初期症状のこの段階で涼しい場所に移動し、水分・塩分を補給できれば、多くの場合は悪化を防げます。日本救急医学会のガイドラインでも、軽症例(重症度分類のⅠ〜Ⅱ度)は、クーラーや日陰の涼しい部屋で休憩するPassive Coolingと水分・電解質の補給で症状が軽快しうるとされています[11]。一方、意識障害・痙攣・せん妄・高体温が続く場合は、初期症状の段階を超えた重症のサインです。むずかしいのは「どこからが受診レベルか」という線引きで、重症度Ⅰ度〜Ⅳ度の詳しい見分け方・119番すべきサイン・応急処置の手順は、熱中症と高体温症の重症度Ⅰ〜Ⅳ度の見分け方と119番のサインで詳しくまとめています。ここでは、その手前の「気づく段階」に絞って解説します。

体のサイン 考えられる状態 この段階でできること
めまい・立ちくらみ・生あくび 暑熱環境での初期の循環反応[11] すぐに涼しい場所へ移動し、座るか横になって休む
大量の発汗・強い口渇感 脱水が進み始めているサイン[11] 水分と塩分(経口補水液など)を補給する
こむら返り・筋肉痛 発汗による電解質(ナトリウム等)の喪失[11] 塩分を含む水分を補給し、患部を安静にする
頭痛・なんとなくだるい・虚脱感 脱水や体温上昇が脳・全身に及び始めた状態[11] 涼しい場所で休息し、症状が続けば受診を検討
意識障害・痙攣・せん妄・高体温 重症(Ⅲ〜Ⅳ度)の可能性[11] ためらわず119番。詳細は下記「危険なサイン」参照

出典:日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」の診断基準・重症度に関する記述に基づきJHO編集部が整理[11]

室内・夜間の熱中症 — 死亡の9割以上は屋内で起きている

「熱中症は炎天下の屋外で起きるもの」というイメージを持たれがちですが、実際の死亡統計はそれとは異なる姿を示しています。東京都監察医務院がまとめた令和7年(2025年)夏の東京都23区における熱中症死亡者数(確定値)は合計193人(男性122人、女性71人)で、月別では6月29人、7月64人、8月78人、9月22人でした[9]。東京都監察医務院の集計では、死亡者193人のうち屋内での死亡が181人、屋外での死亡は12人でした[9]。つまり、東京23区で熱中症により亡くなった人の10人中9人以上は、屋外ではなく自宅などの室内で亡くなっているということになります。

さらに注目すべきは、屋内で亡くなった人のエアコン使用状況です。同じ東京都監察医務院のデータでは、屋内死亡者のうちエアコンを設置・使用していたのは28人(15.5%)にとどまり、エアコン未使用が121人(66.8%)、設置なしが23人(12.7%)、不明が9人(5.0%)でした[9]。つまり屋内で亡くなった人の約8割強は、エアコンを使っていなかったか、そもそも使える状態になかったことになります。冷房があっても使わない、あるいは使えない状況が、室内での熱中症死亡の大きな背景になっていると考えられます。

この背景には、高齢者特有の体温調節の特徴があります。環境省の熱中症環境保健マニュアルでは、夏季の高齢者の居室の温度(就寝時を除く)は若年者より2℃ほど高い31〜32℃に達しており、この温度差は7月から9月のあいだ観察されていると報告されています[10]。環境省のマニュアルによれば、その理由として、高齢者は冷房の使用時間が短く、使用した際でも設定温度が高いことが挙げられており、体の冷えを嫌がる、節電意識といった理由に加えて、老化に伴い皮膚の温度センサーの感度が鈍くなり、暑さを感知しにくくなることも一因とされています[10]。これを踏まえ、同マニュアルは「高齢者の部屋に『温度計』を置き、周囲の方も協力して、室内温度をこまめにチェックし、室温をほぼ28℃前後に保つようにしましょう」と呼びかけています[10]。体感に頼らず、温度計という客観的な数字で管理することが室内熱中症を防ぐ具体策になります。

全国規模で見ても、室内(住居)は熱中症の発生場所として最大の割合を占めています。総務省消防庁がまとめた令和7年5〜9月の全国の熱中症による救急搬送状況(確定値)では、総務省消防庁によると、発生場所別の内訳は「住居(約38%)が最も多く、次いで道路(約20%)、駅(屋外ホーム)等の不特定者が出入りする屋外の場所(約12%)、道路工事現場・工場・作業所等の仕事場(約11%)の順」となっています[8]。夜間、就寝中に自覚のないまま症状が進むケースもあるため、寝る前にエアコンのタイマーを切ってしまう、あるいは扇風機だけで済ませるといった習慣がある人は、特に注意が必要です。

暑さ指数(WBGT)を今日から確認する方法

「暑さ指数を確認しましょう」と言われても、どこを見ればよいか分からない人は少なくありません。最も確実な方法は、環境省熱中症予防情報サイトで全国約840地点の暑さ指数の実況値・予測値を直接確認することです[6]。都道府県と地点を選ぶだけで、現在の値と今後の予測値がグラフで表示されます。毎日チェックするのが面倒な場合は、同サイトが提供する「熱中症警戒アラート等メール配信サービス」に登録しておけば、アラートが発表されたときだけメールで知らせてもらえるため、能動的に見に行く手間を減らせます[2]。

テレビやラジオの天気予報でも、夏の間は気温予報とあわせて熱中症警戒アラートの発表状況が伝えられることが一般的です。スマートフォンの天気アプリの多くも暑さ指数や熱中症情報を表示する機能を備えています。自治体によっては防災行政無線や防災アプリでアラートを知らせる場合もあるため、お住まいの自治体がどの手段で知らせているかを一度確認しておくと、アラートの出し忘れ・見逃しを防げます。会社や学校など、多くの人が集まる場所を管理する立場の人は、環境省が呼びかけているとおり「全ての人が熱中症対策を徹底できているか確認」する役割も担うことになります[2]。

職場・学校・スポーツ現場での運用 — 立場ごとに何が変わるか

暑さ指数(WBGT)は、個人の熱中症対策だけでなく、職場や学校、スポーツの現場でのルールづくりにも使われています。厚生労働省は労働安全衛生規則を改正し、2025年6月から、事業者に対して職場での熱中症対策を罰則付きで義務化しました。対象となるのは「WBGT28度以上又は気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間以上の実施」が見込まれる作業とされ[14]、この基準の根拠として、厚生労働省の資料では「WBGT28度を超えると急激に、救急搬送者数も増えるため、これを一つの線引きとすることが適当」と説明されています[14]。厚生労働省の資料によれば、対象となる作業がある事業場には、同省が示す①熱中症の自覚症状がある労働者やそれを見つけた者が報告するための体制(連絡先や担当者)をあらかじめ定めて周知すること、②緊急連絡網や搬送先、作業離脱・冷却・搬送の実施手順をあらかじめ作成して周知することの2点が義務付けられています[14]。屋外の建設現場や農作業だけでなく、空調が効きにくい工場や倉庫、厨房なども対象になり得るため、屋内だから安心とは限りません。

学校では、日本スポーツ協会の運動指針にあるとおり、WBGTが31以上の「危険」域では運動は原則中止とされ、特に子どもの場合は中止すべきとされています[6]。部活動や体育の授業を実施するかどうかは、気温だけでなく暑さ指数を基準に判断している学校が増えています。日本スポーツ協会の運動指針を踏まえれば、運動部の指導者や保護者は、大会・練習の前に現地のWBGTを確認し、厳重警戒(WBGT28以上31未満)の段階から10〜20分おきの休憩と水分・塩分補給を徹底することが基本になります[6]。

立場 WBGT28以上(厳重警戒)での対応 WBGT31以上(危険)での対応
職場(事業者) 報告体制・実施手順に沿って作業者を観察し、休憩を増やす[14] WBGT28度以上かつ連続1時間以上等に該当する作業は義務化対象。異常があれば作業離脱・冷却・搬送[14]
学校・部活動 激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避け、10〜20分おきに休憩[6] 運動は原則中止。特に子どもの場合は中止すべき[6]
一般の外出・買い物等 炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する[6] 外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する[6]

出典:厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課「職場における熱中症対策の強化について」(第174回安全衛生分科会資料)・環境省「熱中症環境保健マニュアル」表1-1[14][6]

特に注意が必要な人 — 高齢者・子ども・持病のある人

総務省消防庁の令和7年5〜9月の確定値によると、熱中症による救急搬送者100,510人のうち総務省消防庁の確定値で年齢区分別を見ると、高齢者(満65歳以上)が最も多く57,433人(57.1%)、次いで成人(満18歳以上満65歳未満)34,096人(33.9%)、少年(満7歳以上満18歳未満)8,447人(8.4%)、乳幼児531人(0.5%)となっています[8]。総務省消防庁の確定値では、初診時における傷病程度別で、入院が必要な中等症・重症の方が約36%を占めており、軽症で済まないケースが一定数あることも示されています[8]。

高齢者 — 暑さも喉の渇きも感じにくくなる

環境省の熱中症環境保健マニュアルは、高齢者が熱中症にかかりやすい理由として「『暑い』と感じにくくなる」「行動性体温調節が鈍る」「発汗量・皮膚血流量の増加が遅れる」「発汗量・皮膚血流量が減少する」「体内の水分量が減少する」「のどの渇きを感じにくくなる」の6点を挙げています[10]。環境省のマニュアルは特に「のどの渇き」について、一般に脱水が進むとのどの渇きが起こり自然に飲水行動をとるものですが、高齢者では脳での察知能力が低下するため、脱水が進んでものどの渇きが起こりにくくなっていると説明しています[10]。このため同マニュアルは「発汗する機会が多くなる夏には、高齢者にはのどの渇きが起こらなくても、早め早めにこまめな水分補給を行いましょう」と勧めています[10]。統計的にも、猛暑にみまわれた平成22年には1,745人が熱中症で死亡し、その80%が65歳以上の高齢者だったと報告されており[10]、高齢者の熱中症は今も昔も一貫した課題です。環境省のマニュアルが指摘するとおり、心臓や腎臓の持病がある方は、脱水による循環系への負担が特に大きくなる点にも注意が必要です[10]。

子ども — 大人より地面に近い分、高温にさらされている

環境省のマニュアルによれば、思春期前の子どもは、汗腺をはじめとした体温調節能力がまだ十分に発達していないため、高齢者と同様に熱中症のリスクが高くなります[10]。環境省の同マニュアルによれば、子どもは大人より「体表面積(熱放散するところ)/体重(熱産生するところ)」の比が大きいため、熱しやすく冷めやすい体格特性を持っており、気温が皮膚温より高い夏の炎天下のような条件では、未発達な発汗能力の影響が大きく、同マニュアルは深部体温が大人より大きく上昇しやすいとしています[10]。

環境省の資料に掲載されている実測例は具体的です。「気温が高い日に散歩などをする場合、身長の低い幼児は大人よりも危険な状態になります。その理由は晴天時には地面に近いほど気温が高くなるからです」としたうえで、「環境省の資料は「通常気温は150cmの高さで測りますが、東京都心で気温が32.3度だった時、幼児の身長である50cmの高さでは35度を超えていました。また、さらに地面近くの5cmは36度以上になっていました」と報告しています[10]。つまり大人が「今日は32度で暑いな」と感じているとき、ベビーカーの中や歩いている幼児は、実際にはそれより3〜4度以上高い熱環境にさらされていることになります。環境省のマニュアルによれば、子どもの口渇感(喉の渇きを感じる能力)は大人より劣るわけではないとされているため[10]、喉が渇いたと訴えたときに自由に水分を取らせられるよう、外出時は飲み物を持たせる習慣が重要です。夏の水分補給を兼ねたおやつの工夫については、夏のおやつ「スイカゼリー」で水分補給を助ける工夫も参考になります。

持病・服薬中の人と肥満の人

糖尿病や腎臓病などの持病があり利尿薬を服用している人は、薬の作用で尿量が増え、体内の水分・電解質が失われやすいため、熱中症のリスクが上がります。持病がある方の入浴時・脱水時の水分補給の注意点は、糖尿病と脱水・入浴の注意点|水分補給法のまとめで詳しく解説しています。また、尿量が普段より少ない「乏尿」に気づいた場合は、脱水や腎臓の機能低下のサインである可能性があるため、尿量が少ない(乏尿)原因と危険なサインの見分け方もあわせてご確認ください。肥満のある人は、体内に熱がこもりやすく汗による放熱効率が下がりやすいため、同様に注意が必要な group とされています。

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水分・塩分補給の正しい方法 — 経口補水液・スポーツドリンク・麦茶の違い

「水分補給」と一口に言っても、何をどれだけ飲むかによって効果は変わります。日本救急医学会の熱中症診療ガイドライン2024では、軽症〜中等症の熱中症に対して、経口補水液(ORS、Oral Rehydration Solution)による水分・電解質補給が有用とされ、そのナトリウム濃度はWHOが推奨するORSの組成に準じており、吸収効率が高い点が挙げられています[11]。世界保健機関(WHO)は、脱水を有する患者が腸管から効率よくナトリウムと水分を吸収できるよう、ナトリウムとブドウ糖の濃度を調整したORSの使用を推奨しており、ORSの組成表も公表しています[11]。一方で日本救急医学会のガイドライン2024は、経口補水液そのものについては「十分な研究成果が得られておらず、今後の課題」とも位置づけており[11]、経口補水液さえ飲めば万能というわけではない点にも注意が必要です。

日本救急医学会の以前のガイドライン(熱中症診療ガイドライン2015)では、通常程度の水分・電解質補給であれば市販のスポーツドリンクでも十分とする考え方が示されていました。スポーツドリンクは運動時の水分・エネルギー補給に向いた飲み物で、経口補水液と比べてナトリウム濃度は低めですが糖分は多めに設計されているため、日常的な軽い発汗時の水分補給には適している一方、しっかりとした脱水が起きている場面では、ナトリウム濃度がより高く糖濃度が抑えられた経口補水液のほうが向いていると整理できます。麦茶はカフェインを含まず塩分・糖分もほぼ含まないため飲みやすい反面、それ単独では発汗で失われた塩分を補うことはできません。汗を大量にかいた後や、めまい・こむら返りなど熱中症の初期症状が出ている場面では、麦茶や水だけでなく、塩分を含む経口補水液やスポーツドリンク、あるいは塩あめなどを併用することが勧められます。こむら返りの予防に役立つ食事の工夫については、筋肉痙攣(こむら返り)に対する食事療法のガイドもあわせてご覧ください。

なお、水だけを大量に飲み、塩分を補給しないまま水分だけを取り続けると、血液中のナトリウム濃度が薄まる「低ナトリウム血症」を招き、かえって頭痛・吐き気・けいれんなどを引き起こすことがあります。水分補給は「水だけ」ではなく「水+塩分(電解質)」をセットで考えることが基本です。

飲み物 特徴 向いている場面
経口補水液(ORS) ナトリウム濃度が高め、糖濃度は低めでWHO推奨組成に準じる[11] 大量の発汗・下痢・嘔吐などしっかりした脱水が疑われるとき[11]
スポーツドリンク 糖分・ナトリウムを含むが、経口補水液よりナトリウム濃度は低め 運動時の水分・エネルギー補給、軽い発汗が続くとき
麦茶・水 カフェイン・塩分・糖分をほぼ含まない 日常のこまめな水分補給。ただし発汗量が多い日は塩分を別に補う

出典:日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」の経口補水液に関する記述に基づきJHO編集部が整理[11]

熱中症の応急処置の手順 — 涼しい場所へ移してから救急要請まで

周りの人が熱中症の初期症状を超えて、めまいがひどい、まっすぐ歩けないなどの様子を見せたときは、次の順番で対応します。環境省の熱中症環境保健マニュアルは「熱中症を疑った時には、放置すれば死に直結する緊急事態であることをまず認識しなければなりません」としたうえで[13]、現場での応急措置として①涼しい環境への避難、②脱衣と冷却、③水分・塩分の補給、④医療機関へ運ぶ、の4段階を示しています[13]。

手順 具体的にすること
①涼しい環境への避難 風通しのよい日陰や、できればクーラーが効いている室内などに避難させる[13]
②脱衣と冷却 衣服を脱がせ、きついベルト・ネクタイ・下着はゆるめる。露出させた皮膚に水をかけてうちわや扇風機で扇ぎ、氷のうがあれば前頚部の両脇・腋窩部(脇の下)・鼠径部(太ももの付け根)に当てて冷やす[13]
③水分・塩分の補給 意識がはっきりしていて自分で飲める場合に限り、経口補水液やスポーツドリンクなどを口から与える[13]
④医療機関へ運ぶ 自力で水分がとれない、または②③で改善しないときは、点滴が必要なため緊急で医療機関へ搬送する[13]

出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル」Ⅱ熱中症になったときには 3.熱中症を疑ったときには何をするべきか[13]

この手順の中で、命にかかわるほど重要なのが「水を飲ませてはいけないとき」の見極めです。環境省のマニュアルは「『呼び掛けや刺激に対する反応がおかしい』、『応えない(意識障害がある)』時には誤って水分が気道に流れ込む可能性があります。また『吐き気を訴える』ないし『吐く』という症状は、すでに胃腸の動きが鈍っている証拠です。環境省のマニュアルは「これらの場合には、経口で水分を入れるのは禁物で、病院での点滴が必要です」と明確に警告しています[13]。つまり、呼びかけへの反応がおかしい・意識がはっきりしない・吐き気がある・すでに吐いているといった様子が見られる場合、無理に水を飲ませようとすると、水分が気道に入ってしまう誤嚥のリスクがあります。環境省の手順に従えば、この場合は口から水分を与えることをやめ、ためらわずに119番通報し、救急隊の到着を待つ間も体を冷やし続けることが優先されます[13]。環境省のマニュアルでは、冷やす場所は、体表近くに太い静脈が通っている前頚部の両脇・脇の下・足の付け根の前面(鼠径部)が効果的とされており、保冷剤や冷たいペットボトルをタオルでくるんで当てるだけでも実践できます[13]。

すぐに119番・受診が必要なサイン

日本救急医学会の熱中症診療ガイドライン2024が示す重症のサインは次のとおりです[11]。

  • 呼びかけへの反応がおかしい、まっすぐ歩けない、意識がはっきりしない[11]
  • けいれんを起こしている、体が熱いのに汗が止まっている[11]
  • 自力で水分を飲めない、吐いてしまって水分がとれない
  • 涼しい場所へ移動し、水分・塩分を補給しても症状が良くならない、むしろ悪化する

これらのサインが1つでもあれば、ためらわずに119番通報してください。重症度Ⅰ度からⅣ度までの詳しい見分け方、体の冷やし方などの応急処置の手順は、熱中症と高体温症:重症度Ⅰ〜Ⅳ度の見分け方と119番のサイン・応急処置にまとめてありますので、あわせてご確認ください。何科を受診すべきか迷う場合は、意識がはっきりしていれば内科・救急外来、症状が重ければためらわず救急要請が基本です。救急搬送や入院にかかる費用の自己負担の目安は

💰 高額療養費制度の自己負担限度額(医療費100万円の例)
自己負担限度額(70歳未満・区分別)— 適用時期に注意
適用時期年収の目安計算式100万円の場合
~2026年7月診療分
現行
年収約370万~770万円(区分ウ) 80,100円+(医療費-267,000円)×1% 87,430円
2026年8月診療分から
見直し後(第1段階)
年収約370万~770万円(区分ウ) 85,800円+1%(PDF原文の表記) 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small>
+ 年間上限 53万円(新設)

※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は 厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF) |JHO確認日:2026-07-16

でご確認いただけます。

受診の目安 — 何科に行くか、いつ119番するか

環境省の熱中症環境保健マニュアルが示す応急処置の手順を踏まえると、受診の目安は大きく3段階に分けて考えられます[13]。第一に、意識がはっきりしていて自力で水分がとれる場合は、涼しい場所への移動と水分・塩分補給で経過を見てよい段階です。第二に、症状が続く、あるいは自力での水分摂取が難しい場合は、入院設備のある病院の内科・救急外来を受診する段階です。総務省消防庁の集計でも、熱中症で救急搬送された人のうち入院が必要な中等症・重症の方が約36%を占めており[8]、軽症のまま自宅で様子を見て済むとは限りません。第三に、環境省が明確に警告しているとおり、呼びかけへの反応がおかしい・意識がはっきりしない・けいれんがある・自力で水分を飲めないという状態は、迷わず119番通報すべき段階です[13]。

何科を受診すべきか迷う場合、日中に症状が軽ければ内科でかまいませんが、休日・夜間や症状が重い場合は救急外来(救急科)を選び、症状が改善しないまま様子を見続けないことが大切です。特に高齢者は、環境省のマニュアルが指摘するとおり暑さや喉の渇きを自覚しにくいため[10]、本人が「大丈夫」と言っていても、周囲の人が顔色・言動のおかしさ・水分摂取量を見て受診を判断する必要があります。乳幼児の場合も、機嫌の悪さや食欲低下、おしっこの回数や色の変化が受診を検討するサインになります。

よくある質問

熱中症の初期症状で頭痛が出るのはなぜですか?
頭痛は日本救急医学会の熱中症診断基準にも含まれる代表的な初期症状の1つです[11]。発汗による脱水で脳への血流が変化することや、体温上昇に伴う炎症反応などが関係すると考えられています。熱中症による頭痛が疑われる場合は、まず涼しい場所へ移動し、水分と塩分をセットで補給することが優先で、自己判断で解熱鎮痛薬だけに頼るのは避け、症状が続くようなら受診を検討してください。
エアコンは何度に設定すればよいですか?
環境省の熱中症環境保健マニュアルは、高齢者の熱中症対策として「室温をほぼ28℃前後に保つようにしましょう」と案内しています[10]。これは「エアコンの設定温度」ではなく「実際の室温」の目安です。日当たりや部屋の広さによってエアコンの効き方は変わるため、設定温度を28℃にしても室温がそこまで下がらない場合は、体調や室温計の表示を見ながら設定温度を下げることも検討してください。同マニュアルが指摘するとおり、とくに高齢者は自分では暑さを感じにくいため、感覚ではなく温度計の数字で判断することが大切です[10]。
熱中症は何日くらいで治りますか?
めまいや軽い頭痛、こむら返りなどの熱中症の初期症状の段階で涼しい場所に移動し、水分・塩分を補給できれば、多くの場合は数時間から1日程度で回復に向かいます。日本救急医学会のガイドラインでも、軽症例(Ⅰ〜Ⅱ度)はクーラーや日陰の涼しい部屋での休憩と水分・電解質補給で症状が軽快しうるとされています[11]。ただし、意識障害やけいれんを伴う重症(Ⅲ〜Ⅳ度)の場合は入院治療が必要になることもあり、回復までの期間は症状の程度によって大きく異なります。数日以上だるさが続く場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。
熱中症警戒アラートが出た日、学校や部活動はどうなりますか?
アラート発表時の対応方針は、国が一律に「休校」を定めているわけではなく、各学校・自治体・部活動の主催者が暑さ指数を踏まえて判断します。環境省は「校長や経営者、イベント主催者等の管理者は、全ての人が熱中症対策を徹底できているか確認しましょう」と呼びかけており[2]、WBGTが31以上の「危険」域では運動は原則中止、特に子どもの場合は中止すべきとされています[6]。お子さんの学校での対応については、各校からの案内を確認してください。
自分がいる場所の暑さ指数(WBGT)はどこで確認できますか?
環境省熱中症予防情報サイトでは、全国約840地点の暑さ指数の実況値・予測値が公開されています[6]。お住まいの都道府県・地点を選ぶことで、現在および今後の予測値を確認できます。環境省熱中症予防情報サイトの熱中症警戒アラート等メール配信サービスに登録すると、アラート発表時にメールで知らせてもらうこともできます[2]。
経口補水液は毎日飲んでもよいですか?
日本救急医学会のガイドライン2024を踏まえると、経口補水液は脱水時の水分・電解質補給に向いた飲み物ですが、ナトリウム濃度が高めに設計されているため、脱水症状がないときに水分補給の目的だけで日常的に飲み続けるものではありません[11]。持病があり塩分制限を受けている方は、経口補水液の摂取量について事前に主治医や薬剤師に相談することが勧められます。日常のこまめな水分補給には水や麦茶を基本とし、大量の発汗があったときや初期症状が出ているときに、経口補水液やスポーツドリンクを併用するという使い分けが目安になります。
熱中症に後遺症は残りますか?
軽症の熱中症であれば、多くは数日以内に回復し、後遺症を残さずに済むケースがほとんどです。一方で、意識障害や高体温が長時間続いた重症例(Ⅲ〜Ⅳ度)では、脳などの中枢神経系に影響が及び、倦怠感やめまい、集中力の低下といった症状が回復後も一定期間続く可能性があるとされています。どの程度の症状が後遺症として残るかは重症度や治療開始までの時間によって個人差が大きいため、重症の熱中症から回復したあとに体調の違和感が続く場合は、自己判断せず医療機関で相談してください。

受診時に持っていくメモ(該当するものにチェック)

□ いつから症状が出たか(時刻・場所・気温やWBGTがわかれば) □ めまい・立ちくらみ・こむら返り・頭痛・嘔吐・意識障害など、当てはまる症状 □ 屋内にいたか屋外にいたか、エアコンの使用状況 □ 水分・塩分をどれだけ、いつ、何を飲んだか □ 持病(糖尿病・腎臓病・心臓病など)と服用中の薬(利尿薬など) □ 高齢者・子どもの場合は普段との違い(食欲・活気・おしっこの回数や色など)

本記事は環境省・総務省消防庁・東京都監察医務院・日本救急医学会などの公的資料をもとに作成していますが、暑さ指数の細かい地点ごとの実測値や、個々の体質・持病による重症化リスクの違いについては、今回参照した資料だけでは判断できません。ご自身やご家族の体質・既往症を踏まえた個別の判断は、かかりつけ医にご相談ください。

更新日:2026年7月25日。本記事の内容に誤りや古い情報にお気づきの際は、編集部までお知らせください。事実を確認のうえ訂正いたします。

参考文献

  1. 環境省熱中症予防情報サイト「熱中症警戒アラートとは」 https://www.wbgt.env.go.jp/about_alert.php ↩
  2. 環境省熱中症予防情報サイト「熱中症警戒アラート」 https://www.wbgt.env.go.jp/alert.php
  3. 環境省熱中症予防情報サイト「熱中症特別警戒情報とは」 https://www.wbgt.env.go.jp/about_special_alert.php ↩
  4. 環境省「令和8年度熱中症特別警戒アラート及び熱中症警戒アラートの運用を開始します」 https://www.env.go.jp/press/press_04076.html ↩
  5. 環境省熱中症予防情報サイト「暑さ指数(WBGT)について」 https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php ↩
  6. 環境省「熱中症環境保健マニュアル」1-6 暑さ指数:熱中症予防のための指標(表1-1) https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_1-6.pdf ↩
  7. 日本スポーツ協会「熱中症予防運動指針」 https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid523.html ↩
  8. 総務省消防庁「令和7年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」 https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r7/heatstroke_nenpou_r7.pdf ↩
  9. 東京都監察医務院「令和7年夏の熱中症死亡者数の状況【東京都23区(確定値)】」 https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/kansatsu/heatstroke/r07-heatstroke ↩
  10. 環境省「熱中症環境保健マニュアル」Ⅲ熱中症を防ぐためには 2.高齢者と子どもの注意事項 https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/3-2.pdf ↩
  11. 日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」 https://www.jaam.jp/info/2024/files/20240725_2024.pdf ↩
  12. 環境省「熱中症環境保健マニュアル」Ⅱ熱中症になったときには 3.熱中症を疑ったときには何をするべきか https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/2-3.pdf ↩
  13. 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課「職場における熱中症対策の強化について」(第174回安全衛生分科会資料) https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001385232.pdf ↩
  14. 環境省熱中症予防情報サイト「よくある質問」Q7-8(アラートの発表・更新時刻) https://www.wbgt.env.go.jp/faq2.php ↩
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本記事はAI技術を活用し、厚生労働省・WHO等の公的医療機関の情報に基づいて作成されています。医療専門家による個別の監修は受けておりません。健康上の判断や治療については、必ず医師にご相談ください。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。

Trinh Van Dieu

Trinh Van Dieu

ITエンジニア(17年)・Japanese Health 運営者

ベトナム在住のITエンジニア。17年の技術経験を活かし、日本の公的医療機関の情報をAI技術で整理・発信しています。

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