糖尿病の頭痛はなぜ起こる?低血糖・高血糖と対処法まとめ
この記事でわかること
目次
- 「糖尿病=頭痛の原因」と早合点しないために
- 糖尿病の頭痛とは?なぜ「合併症」と呼ぶのが正確でないのか
- 低血糖による頭痛の特徴と血糖値の基準
- 低血糖の頭痛が出たときの対処法
- 対処の手順をまとめると
- 高血糖と頭痛の関係 — こちらは「はっきりした記載」が少ない
- 糖尿病の頭痛を、低血糖と高血糖の症状で見分ける
- 受診の目安 — 何科に相談すればいいか
- 糖尿病の頭痛が低血糖以外で起こる場合も考える
- 生活シーン別に見る、低血糖の頭痛が起こりやすい場面
- 食事の前・食事が遅れたとき
- 運動中・運動後
- 就寝中・早朝
- 薬の量を変更した直後
- 糖尿病の頭痛を繰り返さないための予防
- 家族・周囲の人ができること
- 職場・学校で糖尿病の頭痛が起きたときの対応
- 周囲への伝え方
- 職場・学校での備え
- 運転中に頭痛を感じたら
- よくある誤解を整理する
- 誤解1:「頭痛は糖尿病の慢性合併症の一つ」
- 誤解2:「頭痛薬を飲めば根本的に解決する」
- 誤解3:「糖尿病でなければ低血糖の頭痛は関係ない」
- 誤解4:「軽い頭痛だから様子を見ていい」
- よくある質問
- 薬の種類と低血糖の起こりやすさ
- 参考文献
結論から言うと、糖尿病の頭痛は、糖尿病そのものが直接引き起こす「合併症」というより、血糖値の急な変化(特に低血糖)に伴って起こる症状であることが多いです。(厚生労働省によると)[1]
この症状、いつ受診すべきか確認しますか?
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症状はいつから続いていますか?
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特に、血糖値が60〜70mg/dL未満になる低血糖では、頭痛は代表的な初期症状の一つとして公式資料にも明記されています(厚生労働省によると)[1]。冷や汗・動悸・手足のふるえなどと一緒に頭痛が急に出たときは、低血糖を疑ってすぐに糖分を摂ることが大切です。
要点まとめ(20秒で読める要約)
編集方針: JHO編集部がAIツールの支援を受け、公的機関・学会の資料と照合して作成。最終確認は人の目。医師による個別診断の代わりにはなりません。数値・分類はガイドライン改定により変わることがあります(2026年7月時点)。掲載する症状・基準は、参照した公的資料の記載を基準にしています。更新日:2026年7月19日。内容に誤りや古い情報にお気づきの場合は、お問い合わせフォームよりご指摘いただければ確認のうえ修正いたします。
頭痛が出たときの自己チェック(迷ったら受診の目安として使ってください)
- □ 冷や汗・動悸・手足のふるえ・強い空腹感が一緒に出ている(厚生労働省によると)[1]
- □ 血糖値を下げる薬(インスリン・経口薬)を使用中である(同資料)[1]
- □ 食事の時間が遅れた、いつもより運動量が多かった(同資料)[1]
- □ のどが異常に渇く、尿の回数が多い、体がだるい(糖尿病情報センターによると)[2]
上の2つに当てはまれば低血糖の可能性、下の1つに当てはまれば高血糖の可能性を考え、それぞれの対処に進んでください。どちらとも判断がつかない場合や、症状が強い場合は、自己判断で待たずに医療機関へ相談してください。
「糖尿病=頭痛の原因」と早合点しないために
糖尿病がある人が頭痛を経験すると、「糖尿病のせいだろう」と考えがちです。しかし、頭痛は非常に多くの人が経験するありふれた症状であり、糖尿病がない人でも、緊張型頭痛や片頭痛、睡眠不足、目の疲れ、風邪など、さまざまな原因で起こります。糖尿病があるからといって、すべての頭痛を糖尿病と結びつけて考える必要はありません。
この記事では、糖尿病の治療と直接関係が深い「低血糖による頭痛」を中心に、公的資料に基づいて正確な情報を整理します。低血糖以外の頭痛の可能性についても後の章で触れているので、あわせて確認してください。「糖尿病=頭痛の原因」と決めつけてしまうと、本来別の原因で起きている頭痛への対処が遅れたり、逆に低血糖のサインを見逃してしまったりすることがあります。まずは「低血糖の可能性はあるか」を確認したうえで、そうでなければ他の原因も視野に入れる、という順番で考えるのが実用的です。
今の血圧・脈拍を確かめる
数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。
身長と体重からBMIも調べる
血圧手帳(この端末に保存)
これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
糖尿病の頭痛とは?なぜ「合併症」と呼ぶのが正確でないのか
「糖尿病合併症による頭痛」という言葉を見かけることがありますが、正確に言うと、頭痛は神経障害・網膜症・腎症のような、糖尿病が長年かけて血管や神経を傷つけることで起こる「慢性合併症」とは性質が異なります。頭痛の多くは、血糖値が急に下がる、あるいは急に上がることに伴って一時的に起こる「症状」です。
糖尿病情報センターは低血糖を「血糖値が低値になってしまっている状態」と説明しています(糖尿病情報センターによると)[3]。厚生労働省の資料も同様に、低血糖について「血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が低くなった状態」と説明したうえで、血糖値が60〜70mg/dL未満になると「冷や汗がでる、気持ちが悪くなる、急に強い空腹感をおぼえる、寒気がする、動悸がする、手足がふるえる、目がちらつく、ふらつく、力のぬけた感じがする、頭が痛い」などの症状が出現するとしています(厚生労働省によると)[1]。これは「交感神経症状」と呼ばれるもので、低血糖に対して血糖を上げようとするアドレナリンやグルカゴンが分泌されるために起こるとされています(同資料)[1]。
つまり「糖尿病の頭痛」の正体としてもっとも根拠がはっきりしているのは、糖尿病の治療(インスリンや血糖を下げる薬)によって血糖値が下がりすぎたときに起こる、低血糖の症状としての頭痛だということです。
低血糖による頭痛の特徴と血糖値の基準
低血糖の症状は、血糖値の下がり方によって2段階に分かれます。厚生労働省の資料は「血糖値が60-70 mg/dL未満になると、『冷や汗がでる、気持ちが悪くなる、急に強い空腹感をおぼえる、寒気がする、動悸がする、手足がふるえる、目がちらつく、ふらつく、力のぬけた感じがする、頭が痛い』などの症状が出現します」とし、これを「交感神経症状」と呼んでいます(厚生労働省によると)[1]。さらに血糖値が50mg/dL未満になると「ぼんやりする、ボーッとしている、うとうとしている、いつもと人柄の違ったような異常な行動をとる、わけのわからないことを言う、ろれつが回らない、目の前が真っ暗になって倒れそうになる、意識がなくなる、けいれんを起こす」といった「中枢神経症状」に進むとされています(同資料)[1]。
| 血糖値の目安 | 呼び方 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 60〜70mg/dL未満 | 交感神経症状 | 冷や汗、動悸、手足のふるえ、頭が痛い、空腹感など(厚生労働省によると)[1] |
| 50mg/dL未満 | 中枢神経症状 | ぼんやりする、ろれつが回らない、意識がなくなる、けいれんなど(同資料)[1] |
出典:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖」(令和5年12月改定)[1]
頭痛は「交感神経症状」の段階、つまりまだ意識がはっきりしている早い段階で出やすい症状です。頭痛と一緒に冷や汗や動悸、手のふるえがあれば、低血糖のサインとして早めに対処できるチャンスでもあります。
ここで重要なのは、低血糖になっていても症状がまったく出ない場合もあるという点です。厚生労働省の資料は「ただし、低血糖になっていても症状がみられない場合も多く、医療機関を受診した時に、血糖値を測定してはじめて指摘されることもあります」と注意しています(厚生労働省によると)[1]。頭痛という症状が出ること自体は、むしろ低血糖に気づける貴重なサインだとも言えます。頭痛を「ただの頭痛」として市販薬だけで済ませず、低血糖の可能性を一度は考えてみることが、糖尿病治療中の人にとっては大切な習慣になります。
すぐに対処・受診が必要なサイン
低血糖の頭痛が出たときの対処法
厚生労働省の資料は、症状を感じたら「すぐに吸収の速い糖分(砂糖や砂糖を多く含むジュースなど)を摂取すれば通常5分以内に症状は改善します」としています(厚生労働省によると)[1]。「特に、主治医からブドウ糖での対応を勧められている場合には、購入して常備しましょう」とも書かれており(同資料)[1]、ブドウ糖は粉末タイプのほか固形タイプ・ゼリータイプの商品もあるとされています(同資料)[1]。
注意点もあります。α-グルコシダーゼ阻害薬という種類の糖尿病治療薬を服用している場合は「低血糖発現時は必ずブドウ糖を摂取してください」とされています(同資料)[1]。これは、この薬の作用で砂糖(ショ糖)の分解・吸収が遅れるため、砂糖では効果が間に合わないことがあるためです。自分がどの種類の薬を使っているか分からない場合は、事前に主治医・薬剤師に確認しておくと安心です。お薬手帳に薬の名前を書いてもらい、低血糖時の対応方法をあわせてメモしておくと、家族や周囲の人が対応する際にも役立ちます。
また「一旦低血糖症状が改善しても30分ほどで再度低血糖が起こる場合もありますので注意してください」とも記載されています(同資料)[1]。頭痛が一度おさまっても、しばらくは体調の変化に注意しておくことが大切です。
対処の手順をまとめると
低血糖による頭痛が疑われるときの対応を、順を追って整理します。
| 順番 | すること | ポイント |
|---|---|---|
| ① | 頭痛と一緒に他の低血糖症状がないか確認する | 冷や汗・動悸・手のふるえ・空腹感など(厚生労働省によると)[1] |
| ② | 可能であれば血糖値を測定する | 60〜70mg/dL未満なら低血糖の可能性が高い(同資料)[1] |
| ③ | 吸収の速い糖分をすぐに摂る | ブドウ糖・砂糖・砂糖入りジュースなど(同資料)[1] |
| ④ | 5分ほど安静にして様子を見る | 通常5分以内に症状が改善する(同資料)[1] |
| ⑤ | 改善しなければ同じ対応を繰り返す | 15分以上改善しない場合は再度摂取(同資料)[1] |
| ⑥ | それでも改善しなければ受診・救急要請 | 意識障害がある場合は口から摂らせず救急要請 |
出典:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖」[1](2026年7月時点で参照)
・頭痛が出た時間帯(食前・食後・運動中/後・就寝前など)
・一緒に出た症状(冷や汗・動悸・手のふるえ・空腹感など)
・使用している糖尿病の薬の名前(インスリン/経口薬の種類)
・糖分を摂ってから症状が改善するまでの時間
・低血糖を繰り返す頻度(週に何回程度か)
・医師に聞きたいこと(薬の量の調整、ブドウ糖の携帯方法など)
高血糖と頭痛の関係 — こちらは「はっきりした記載」が少ない
低血糖の頭痛は公式資料に明記されていますが、高血糖と頭痛の関係については、日本の公的資料にはっきりした記載は多くありません。糖尿病情報センターは、糖尿病ケトアシドーシスなどの急性合併症について「急にのどが渇き、たくさん水を飲み、尿がたくさん出て、全身がだるくなります。お腹が痛くなり吐き気を伴うこともあり」、悪化すると「高度の脱水状態にな」ると説明していますが(糖尿病情報センターによると)[2]、この説明の中に「頭痛」という言葉は含まれていません。
一般的に、脱水は頭痛の誘因になり得ると考えられていますが、高血糖そのものが頭痛を起こすという直接的な記載は、今回参照した日本の公的資料からは確認できませんでした。「のどが異常に渇く」「尿の回数が異常に多い」といった症状と一緒に頭痛がある場合は、脱水を伴う高血糖の可能性も考えられるため、自己判断で様子を見続けず、血糖値を測定するか医療機関に相談することをお勧めします。
| 適用時期 | 年収の目安 | 計算式 | 100万円の場合 |
|---|---|---|---|
| ~2026年7月診療分 現行 | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 87,430円 |
| 2026年8月診療分から 見直し後(第1段階) | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 85,800円+1%(PDF原文の表記) | 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small> |
| + 年間上限 53万円(新設) | |||
※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は
厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF)
|JHO確認日:2026-07-16
糖尿病の頭痛を、低血糖と高血糖の症状で見分ける
頭痛だけでは、それが低血糖によるものか高血糖によるものかを判断するのは難しいことがあります。一緒に出ている他の症状に注目すると、見分けの手がかりになります。以下の表を参考に、頭痛と一緒にどんな症状が出ているかを確認してみてください。
| 症状 | 低血糖でよく見られる | 高血糖でよく見られる |
|---|---|---|
| 頭痛 | あり(症状リストに明記)(厚生労働省によると)[1] | 明確な記載なし(糖尿病情報センターによると)[2] |
| 冷や汗・動悸 | あり(同資料)[1] | 記載なし |
| 強い空腹感 | あり(同資料)[1] | 記載なし |
| のどの渇き・多尿 | 記載なし | あり(急にのどが渇き、たくさん水を飲み、尿がたくさん出る)(糖尿病情報センターによると)[2] |
| 腹痛・吐き気 | 記載なし | あり(悪化時)(同資料)[2] |
出典:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖」[1]/糖尿病情報センター「糖尿病の急性合併症のはなし」[2](2026年7月時点で参照)
頭痛に加えて冷や汗・動悸・空腹感があれば低血糖を、頭痛に加えてのどの渇き・多尿・腹痛があれば高血糖(の急性合併症)を、それぞれ疑う手がかりになります。可能であれば、血糖値を測定して確認するのが最も確実です。
受診の目安 — 何科に相談すればいいか
頭痛が起きたときに、どこに相談すればよいか迷う人は少なくありません。ここで受診の目安を整理します。
| 状況 | 受診の目安 |
|---|---|
| 頭痛と一緒に低血糖症状(冷や汗・動悸など)があり、糖分で改善する | 次回の診察で主治医(糖尿病内科)に相談し、薬の量を見直す |
| 糖分を摂っても頭痛や他の症状が良くならない | すぐに主治医と連絡を取るか受診する(厚生労働省によると)[1] |
| 意識がぼんやりする・ろれつが回らない・けいれんがある | すぐに救急要請または救急受診(同資料)[1] |
| 低血糖症状を伴わず、頭痛だけが繰り返し起こる | 頭痛外来・脳神経内科への相談も検討する |
| のどの渇き・多尿と一緒に頭痛がある | 血糖値を測定し、高値であれば医療機関に相談する |
受診の目安に迷ったときは、症状が軽いうちに主治医に相談しておくと、次に同じ症状が出たときの対応がスムーズになります。「これくらいで受診していいのか分からない」とためらう人もいますが、低血糖は放置すると重い症状に進むことがあるため、迷ったときは相談する方向で判断して差し支えありません。電話での相談を受け付けている医療機関もあるため、外出が難しい場合は、まず電話で症状を伝えて指示を仰ぐという方法も検討してください。
糖尿病の頭痛が低血糖以外で起こる場合も考える
糖尿病がある人の頭痛が、すべて血糖値の変化によるものとは限りません。緊張型頭痛や片頭痛など、糖尿病とは関係のない頭痛が別に存在することもあります。血糖値の変化と関係のない頭痛の特徴として考えられるのは、次のような場合です。
- 低血糖の症状(冷や汗・動悸・手のふるえなど)を伴わない
- 糖分を摂っても改善しない
- 食事のタイミングや薬の使用と関係なく起こる
- 頭痛の性質(ズキズキする・締め付けられるなど)がいつもと同じで、繰り返している
このような場合は、糖尿病の主治医だけでなく、頭痛外来や脳神経内科への相談も選択肢になります。「糖尿病があるから頭痛も糖尿病のせい」と決めつけず、血糖値との関連が薄いと感じたら、別の原因も考えることが大切です。頭痛が起きた日の血糖値の記録と、頭痛の起き方(時間帯・強さ・持続時間)を一緒にメモしておくと、糖尿病の主治医と頭痛の専門医のどちらに相談すべきか判断しやすくなります。両方の可能性を疑いながら記録を続けることで、「いつも低血糖と一緒に起きている」のか「血糖値に関係なく起きている」のかが、次第にはっきりしてきます。自己判断で結論を急がず、数回分の記録がたまってから主治医に見せると、より的確なアドバイスを受けやすくなります。記録は難しく考える必要はなく、スマートフォンのメモに「◯月◯日 朝 頭痛あり 血糖値◯◯」と一行書き留めるだけでも十分役立ちます。
生活シーン別に見る、低血糖の頭痛が起こりやすい場面
低血糖は「早朝空腹時、昼食前、夕食前、就寝時、とくに食事の時刻が遅れたときに多くみられます。また、食事とは関係なく、運動中や運動後にも起こりやすくなります」とされています(厚生労働省によると)[1]。場面ごとに注意点を整理します。
食事の前・食事が遅れたとき
薬の効果が続いている状態で食事の時間が遅れると、体内のブドウ糖が使われ続けて血糖値が下がりやすくなります。仕事や外出で食事が遅れそうなときは、事前に軽い間食を摂るなどの工夫が役立ちます。
運動中・運動後
運動は血糖値を下げる作用があるため、いつもより長く・激しく運動した日は、運動中や運動後に低血糖が起こりやすくなります。運動前後の血糖値を意識し、必要に応じて補食を用意しておくと安心です。ウォーキングやジョギングなど運動の習慣がある人は、いつも同じ強度・時間で行うようにすると、血糖値の変化のパターンをつかみやすくなります。旅行や登山など普段と違う運動をする予定がある場合は、事前に補食の準備量を増やしておくといった対策も有効です。
就寝中・早朝
夜間から早朝にかけては、食事を摂らない時間が長く続くため、低血糖が起こりやすい時間帯の一つです(厚生労働省によると)[1]。朝起きたときの頭痛やだるさが続く場合は、夜間の低血糖が関係している可能性もあるため、主治医に相談してみることをお勧めします。起床時のシーツが汗で湿っている、寝汗をかいた覚えがある、といった手がかりも、夜間低血糖を疑うヒントになることがあります。
薬の量を変更した直後
インスリンや血糖を下げる薬の量が変わった直後は、体が新しい量に慣れるまでの間、低血糖が起こりやすくなることがあります。薬の変更後しばらくは、頭痛やその他の症状の出方をいつもより注意深く観察するとよいでしょう。医師や薬剤師から「新しい薬に変えます」と説明されたときは、その場で「低血糖のリスクは変わりますか」と一言尋ねておくと、変更後の体調変化に気づきやすくなります。
糖尿病の頭痛を繰り返さないための予防
低血糖による頭痛を繰り返さないためには、低血糖そのものを起こさない工夫が基本になります。厚生労働省の資料は「低血糖は、早朝空腹時、昼食前、夕食前、就寝時、とくに食事の時刻が遅れたときに多くみられます。また、食事とは関係なく、運動中や運動後にも起こりやすくなります」としています(厚生労働省によると)[1]。
食事の時間が不規則になりがちな人、運動量が急に増えた日、薬の量が変わった直後などは、低血糖のリスクが高まるタイミングです。頭痛の頻度や起こりやすい時間帯を記録しておくと、主治医と薬の量や食事のタイミングを相談する際の手がかりになります。スマートフォンのメモアプリや血糖管理アプリを使えば、頭痛が起きた日時・血糖値・食事や運動の状況をまとめて記録できます。数週間分たまったところで見返すと、「特定の曜日」「特定の時間帯」に頭痛が集中していないか、自分では気づきにくいパターンが見えてくることがあります。
家族・周囲の人ができること
厚生労働省の資料は、本人が症状を自覚しないまま「いきなり『ぼんやりする、ボーッとしている、うとうとしている、いつもと人柄の違ったような異常な行動をとる、わけのわからないことを言う、ろれつが回らない、目の前が真っ暗になって倒れそうになる、意識がなくなる、けいれんを起こす』などの症状が出現することもあります」と注意を促しています(厚生労働省によると)[1]。「高齢者では認知症と間違われる場合もあります」とも指摘されており(同資料)[1]、家族や周囲の人がこうした変化に気づいた場合は「周りにいる人が吸収の早い糖分やブドウ糖を食べさせてください」とされています(同資料)[1]。あらかじめ家族がグルカゴンの点鼻薬や注射の使い方について指示されている場合は、その対応に従うことも重要です(同資料)[1]。
職場・学校で糖尿病の頭痛が起きたときの対応
低血糖による頭痛は、自宅だけでなく職場や外出先で起こることもあります。周囲の人にどう伝えておくかも、いざというときの安心につながります。
周囲への伝え方
糖尿病でインスリンや血糖を下げる薬を使っていることを、職場の信頼できる同僚や上司に一言伝えておくと、頭痛や体調不良のときにサポートを受けやすくなります。「頭痛と一緒に様子がおかしいときは、甘いものを勧めてほしい」と具体的に伝えておくと、周囲も対応しやすくなります。伝える相手は一人に限らず、複数の同僚や友人に共有しておくと、その場に誰もいないという事態を避けやすくなります。
職場・学校での備え
デスクや通学かばんにブドウ糖やあめなど、すぐに口にできる糖分を常備しておくことが基本です。会議中や授業中など、すぐに離席しにくい場面でも対応できるよう、手の届く場所に置いておくとよいでしょう。低血糖を繰り返しやすい人は、職場の救急箱の場所や、緊急連絡先を事前に確認しておくことも役立ちます。学校に通うお子さんの場合は、担任の先生や保健室の先生に、低血糖の症状と対応方法(糖分を摂らせる、様子がおかしいときは保護者に連絡するなど)を具体的に共有しておくと、いざというときに周囲の大人が落ち着いて対応できます。
運転中に頭痛を感じたら
運転中に頭痛とともに低血糖の症状(冷や汗・ふらつきなど)を感じた場合は、無理に運転を続けず、安全な場所に停車してから対処することが重要です。低血糖による意識障害は事故につながる危険があるため、症状を感じた時点で早めに車を止める判断が求められます。日頃から車内にブドウ糖を常備しておく、長距離運転の前には食事や補食のタイミングを確認しておくといった準備も、こうした場面での安全につながります。
よくある誤解を整理する
誤解1:「頭痛は糖尿病の慢性合併症の一つ」
頭痛は、神経障害・網膜症・腎症のような血管や神経が長期間かけて傷つく慢性合併症とは異なり、多くは血糖値の急な変化に伴う一時的な症状です。厚生労働省の資料が頭痛を挙げているのは低血糖の症状としてであり(厚生労働省によると)[1]、慢性合併症の分類とは別に理解する必要があります。
誤解2:「頭痛薬を飲めば根本的に解決する」
低血糖による頭痛は、血糖値そのものを正常な範囲に戻すことで改善するのが基本です。「すぐに吸収の速い糖分…を摂取すれば通常5分以内に症状は改善します」とされており(厚生労働省によると)[1]、頭痛薬だけで対処して糖分を摂らずにいると、低血糖そのものが悪化するおそれがあります。
誤解3:「糖尿病でなければ低血糖の頭痛は関係ない」
低血糖は「糖尿病のお薬だけでなく、抗不整脈薬などを服用した場合でも起こることがあります」とされています(厚生労働省によると)[1]。糖尿病がない人でも、特定の薬を服用している場合は低血糖による頭痛が起こり得ます。
誤解4:「軽い頭痛だから様子を見ていい」
低血糖は「直ちに治療を行えば危険はありませんが、中枢神経症状が数時間以上続くと、稀に脳の重大な後遺症や生命の危険が生じることがあります」とされています(厚生労働省によると)[1]。軽い頭痛だからと様子を見ているうちに、意識障害などの中枢神経症状に進むこともあるため、低血糖が疑われる頭痛は早めの対処が重要です。
高血糖そのものが頭痛を引き起こすメカニズムの詳細(脱水以外の要因の有無など)については、今回参照した日本の公的資料には明確な記載が見当たりませんでした。海外の資料では高血糖と頭痛の関連を指摘するものもありますが、日本国内での確立した見解として断定はできません。高血糖が疑われる頭痛が続く場合は、自己判断で原因を決めつけず、血糖値の測定と医療機関への相談をお勧めします。
よくある質問
糖尿病の薬を飲み始めてから頭痛が増えました。薬のせいですか?
頭痛と一緒にめまいや手のふるえがあります。何が起きていますか?
頭痛が起きたとき、砂糖とブドウ糖のどちらを摂ればいいですか?
のどが渇いて頭痛もあります。高血糖でしょうか?
低血糖を繰り返しています。頭痛薬を常備すればいいですか?
子どもが糖尿病で治療中です。頭痛を訴えたら低血糖を疑うべきですか?
薬の種類と低血糖の起こりやすさ
低血糖のリスクは、使っている糖尿病治療薬の種類によって異なります。厚生労働省の資料でも「低血糖は、糖尿病のお薬だけでなく、抗不整脈薬などを服用した場合でも起こることがあります」と述べられており(厚生労働省によると)[1]、糖尿病治療薬の中でも薬によって低血糖の起こりやすさに違いがあります。
特に注意が必要なのが、インスリン製剤と、SU薬(スルホニル尿素薬)と呼ばれる種類の飲み薬です。これらは血糖値を強く下げる作用があるため、食事の量やタイミングとのバランスが崩れると低血糖につながりやすくなります。一方、α-グルコシダーゼ阻害薬を使っている場合は、低血糖が起きたときに「必ずブドウ糖を摂取してください」という特別な注意点があります(厚生労働省によると)[1]。自分がどの種類の薬を使っているか分からない場合は、お薬手帳を確認するか、薬剤師に尋ねてみてください。
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- 【専門医が解説】低血糖の全貌:糖尿病ではない人の原因から最新治療・予防策まで — 低血糖そのものについてさらに詳しく知りたいときに
- 糖尿病の日常ケア6つの基本|足と血糖を守る方法 — 日々の血糖コントロール全体を見直したいときに
参考文献
- 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖」(令和5年12月改定) https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1d45.pdf
- 糖尿病情報センター(国立国際医療研究センター)「糖尿病の急性合併症のはなし」 https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/060/010/01.html
- 糖尿病情報センター(国立国際医療研究センター)「低血糖」 https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/050/05.html
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