糖尿病予防の完全ガイド|今日からできる7つの習慣と基準値
この記事でわかること
目次
糖尿病予防を考えるうえでまず知っておきたいのが現状の数字です。厚生労働省の調査では、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は男性16.8%・女性8.9%で、この10年間で有意な増減はみられません[2]。同じ厚労省調査によると、年齢が上がるほど割合は高くなり、70歳以上では男性26.2%・女性13.7%に達します[2]。
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糖尿病予防のカギは、空腹時血糖値・HbA1c・腹囲という3つの数字を知り、日本糖尿病学会の「境界型」や厚労省の特定健診の「追加リスク」の段階で気づいて生活習慣を変えることです。糖尿病情報センターによれば、体重を5〜10%減らすだけでも、高血糖・高血圧・脂質異常の改善や糖尿病の発症予防につながるとされています[6]。この記事では、日本糖尿病学会の最新診断基準、厚労省の特定保健指導の階層化のしくみ、そしてアメリカ糖尿病学会の基準との違いまで、一次資料に基づいて解説します。
要点まとめ
- 厚労省調査:「糖尿病が強く疑われる者」は男性16.8%・女性8.9%(令和5年国民健康・栄養調査)[2]
- 日本糖尿病学会の基準:空腹時血糖値126mg/dL以上またはHbA1c 6.5%以上などで「糖尿病型」と判定される[3]
- 厚労省の特定保健指導の階層化では、空腹時血糖100mg/dL以上・HbA1c 5.2%以上が「追加リスク」に数えられる[8]
- 糖尿病情報センターによれば、腹囲男性85cm以上・女性90cm以上はメタボリックシンドロームの必須項目[6]
- 厚労省・糖尿病情報センターの資料では、体重5〜10%減、1日60分の中強度以上の身体活動が予防の柱とされる[6][4]。以下で目安がすべて分かる
編集方針: JHO編集部がAIツールの支援を受け、厚生労働省・日本糖尿病学会・国立健康危機管理研究機構(糖尿病情報センター)の公的資料と照合して作成しました。最終確認は人の目で行っています。医師による個別診断の代わりにはなりません。数値・分類はガイドライン改定により変わることがあります(更新日:2026年7月・2026年7月確認)。内容に誤りやお気づきの点がありましたら、お問い合わせフォームからご連絡・ご報告ください。
今すぐ自分でチェックできる3つの数字
- ①健診の「空腹時血糖値」は100mg/dL未満か?厚労省の特定保健指導では100以上で「追加リスク」に該当します[8]
- ②「HbA1c」は5.1%以下か?厚労省の基準では5.2%以上で同じく追加リスクです[8]
- ③おへその高さの腹囲は男性85cm・女性90cm未満か?糖尿病情報センターの基準です[6]
3つのうち1つでも当てはまるなら、この記事の「境界型の基準」と「特定健診・特定保健指導のしくみ」を先に読んでください。糖尿病の全体像は、当サイトの糖尿病まとめページもあわせてご覧ください。
糖尿病予防の基礎知識 — 1型と2型で何が違うのか
厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、糖尿病は、インスリンというホルモンの分泌が不足したり、効きが悪くなったりすることで、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高い状態が続く病気です[1]。同資料は、初期にはほとんど自覚症状がないまま進行し、動脈硬化が進んで脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まるほか、網膜症・腎症・神経障害という3大合併症を起こし、失明や人工透析につながることもあると説明しています[1]。
糖尿病情報センターによると、糖尿病には大きく分けて2つのタイプがあります[7]。
| 項目 | 1型糖尿病 | 2型糖尿病 |
|---|---|---|
| 原因 | 膵臓のβ細胞が壊され、インスリンがほとんど出なくなる[7] | 遺伝的な要因に、食べ過ぎ・運動不足・肥満などの生活習慣が加わって発症する[7] |
| 多い年代 | 子どもや若い世代に多い(どの年代でも起こりうる)[7] | 中高年に多い[7] |
| 症状の出方 | 急に症状が出やすい[7] | 自覚症状がないまま静かに進むことが多い[7] |
| 治療 | 生命維持のためインスリン注射が必須[7] | 生活習慣の改善・飲み薬・必要に応じてインスリン注射[7] |
出典:糖尿病情報センター(国立健康危機管理研究機構)「1型糖尿病と2型糖尿病」[7]
この記事で扱う「予防」は、主に生活習慣が関わる2型糖尿病を対象にしています。糖尿病情報センターは、2型糖尿病について、生活習慣のすべてが原因というわけではないものの、食事や運動といった要素を見直すことが重要だと説明しています[7]。糖尿病になったあとの治療薬については、当サイトの糖尿病治療薬で注意すべき5つのポイントで詳しく解説しています。
予防を考えるうえでもう1つ重要なのが、内臓脂肪の蓄積です。糖尿病情報センターによれば、おなかの内臓のまわりに脂肪がつきすぎると、インスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)になりやすいことが知られています[6]。同センターの解説では、メタボリックシンドロームの人は、そうでない人に比べて2型糖尿病になるリスクが約3倍、心血管疾患を起こしたり、それにより死亡したりするリスクも約3倍になるといわれています[6]。逆に言えば、内臓脂肪を減らすことが、糖尿病予防の中でも特に効果が大きいポイントだということです。
今の血圧・脈拍を確かめる
数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。
身長と体重からBMIも調べる
血圧手帳(この端末に保存)
これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
糖尿病になる人はどれくらいいるのか?最新データ
厚生労働省が令和5年(2023年)11月に実施した「国民健康・栄養調査」によると、ヘモグロビンA1c(NGSP)が6.5%以上、または現在糖尿病治療中と回答した「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、20歳以上で男性16.8%・女性8.9%でした[2]。同調査では、この10年間(平成23年〜令和5年)でみると、男女とも有意な増減はみられていないとされています[2]。
同じ厚労省調査を年齢階級別にみると、年齢が上がるにつれて割合は明確に高くなります[2]。
| 年齢階級 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 20〜29歳 | 0%[2] | 0%[2] |
| 30〜39歳 | 3.4% | 1.0% |
| 40〜49歳 | 6.3% | 4.6% |
| 50〜59歳 | 11.1% | 6.2% |
| 60〜69歳 | 15.7% | 10.1% |
| 70歳以上 | 26.2% | 13.7% |
出典:厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」(2024年公表)[2]
年齢が上がるほど割合が高くなるのは、加齢そのものに加えて、長年の生活習慣の積み重ねが影響しているためと考えられます。厚労省調査では20〜29歳は男女とも「糖尿病が強く疑われる者」の割合が0%と算出されていますが、これは調査の対象者数(この年齢層の血液検査の解析対象は限られています)による面もあり、「絶対にならない」という意味ではない点に注意してください[2]。
あわせて、同じ厚労省調査によると、肥満者(BMI25以上)の割合は男性31.5%・女性21.1%、運動習慣のある者(1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している者)の割合は男性36.2%・女性28.6%にとどまっています[2]。1日の歩数の平均値は男性6,628歩・女性5,659歩で、この10年間で男女とも有意に減少していると厚労省は報告しています[2]。運動不足の広がりが、糖尿病の割合が下がらない一因になっていると考えられます。
あなたは大丈夫?「境界型」を含む診断基準
日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2024」では、空腹時血糖値・75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間値・随時血糖値・HbA1cの4つの検査値を組み合わせて、「正常型」「境界型」「糖尿病型」の3つに判定します[3]。境界型は治療の対象になる前の「受診の目安」を考えるうえで重要な段階です。
| 判定区分 | 基準 | 備考 |
|---|---|---|
| 正常型 | 空腹時血糖値110mg/dL未満かつOGTT2時間値140mg/dL未満 | ただし空腹時血糖値100〜109mg/dLは「正常高値」[3] |
| 境界型 | 正常型にも糖尿病型にも当てはまらないもの | いわゆる糖尿病予備群[3] |
| 糖尿病型 | 空腹時血糖値126mg/dL以上/OGTT2時間値200mg/dL以上/随時血糖値200mg/dL以上のいずれか+HbA1c6.5%以上 | 血糖値とHbA1cが同一採血で両方糖尿病型なら1回の検査で診断可[3] |
出典:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」1章 糖尿病診断の指針[3]
日本糖尿病学会のガイドラインが注意を促しているのは、血糖値とHbA1cのどちらか一方だけが糖尿病型だった場合です。同学会によれば、この場合は「糖尿病疑い」となり、3〜6ヵ月以内に血糖値とHbA1cの両方を再検査することが必要とされています[3]。同ガイドラインは、初回検査でHbA1cのみを判定に使った場合、HbA1cのみの反復検査による診断は認められておらず、再検査では必ず血糖値による判定を含めなければならないとしています[3]。さらに同学会は、糖尿病の疑い、境界型、空腹時血糖値が正常高値、HbA1c5.6%以上の患者や、肥満や脂質異常症の患者、家族歴が濃厚な患者に対しては、積極的にOGTTの施行を検討することを勧めています[3]。
HbA1cの数字だけを鵜呑みにしないで
日本糖尿病学会のガイドラインは、HbA1cと平均的な血糖値が食い違う可能性がある病態を具体的に挙げています[3]。詳しいコントロール目標の考え方は、当サイトのHbA1c値が危険な範囲とはの記事でも解説しています。
- 同ガイドラインによれば、鉄欠乏状態・急速に改善した糖尿病では、HbA1cが実態より高く出ます[3]
- 同ガイドラインによれば、鉄欠乏性貧血の回復期・溶血・肝硬変・透析・エリスロポエチンで治療中の腎性貧血・失血後・輸血後では、HbA1cが実態より低く出ます[3]
- 同ガイドラインによれば、異常ヘモグロビン血症では、高値・低値のどちらの方向にもずれる可能性があります[3]
貧血の治療中の方や透析を受けている方は、HbA1cの数字だけで一喜一憂せず、血糖値もあわせて医師に確認しましょう。
特定健診・特定保健指導のしくみ — 「追加リスク」で決まる支援レベル
厚生労働省が定める「標準的な健診・保健指導プログラム」によれば、40〜74歳を対象にした特定健康診査(特定健診)では、内臓脂肪の蓄積度と「追加リスク」の数の組み合わせで、保健指導のレベルを4つのステップで判定します[8]。この判定方法を知っておくと、健診結果の見え方がまったく変わります。
ステップ1:内臓脂肪蓄積のリスクを判定
同プログラムでは、腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上の場合は(1)の分類に、腹囲が基準未満でもBMI25以上の場合は(2)の分類に進むとされています[8]。腹囲の考え方は、当サイトの腹囲90cmは危険信号の記事でも取り上げています。
ステップ2:追加リスクをカウント
同プログラムは、以下の4項目のうち、①〜③はメタボリックシンドロームの判定項目、④はそれ以外の関連リスクとして数えるとしています[8]。
| 項目 | 該当する基準 |
|---|---|
| ①血糖 | 空腹時血糖100mg/dL以上、またはHbA1c 5.2%以上、または薬剤治療中[8] |
| ②脂質 | 中性脂肪150mg/dL以上、またはHDLコレステロール40mg/dL未満、または薬剤治療中[8] |
| ③血圧 | 収縮期130mmHg以上、または拡張期85mmHg以上、または薬剤治療中[8] |
| ④質問票 | 喫煙歴あり(①〜③のいずれかが1つ以上該当する場合のみカウント)[8] |
出典:厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム」第3章 保健指導対象者の選定と階層化[8]
ステップ3:保健指導レベルの判定
厚労省の同プログラムによれば、腹囲基準に該当する(1)の場合、追加リスクが2以上なら「積極的支援レベル」、1なら「動機づけ支援レベル」、0なら「情報提供レベル」となります[8]。腹囲は基準未満でもBMI25以上の(2)の場合は、追加リスク3以上で「積極的支援レベル」、1または2で「動機づけ支援レベル」、0で「情報提供レベル」とされています[8]。
ステップ4:年齢による調整
同プログラムでは、65歳以上75歳未満の前期高齢者は、日常生活動作能力や運動機能を踏まえたQOL(生活の質)への配慮から、積極的支援の対象となった場合でも「動機づけ支援」にとどめる運用がされています[8]。
実際に受ける支援の内容も違う
厚労省のe-ヘルスネットによれば、「積極的支援」になった場合は、医師・保健師・管理栄養士らとともに生活習慣改善の計画を立て、3ヵ月間にわたって継続的な指導とサポートを受けます[9]。同資料では、「動機づけ支援」は、生活改善を実行する動機づけのための指導が原則1回行われる形だとされています[9]。つまり「積極的支援」に該当する人ほど、内臓脂肪の蓄積とリスクの数が多く、それだけ手厚い継続的なサポートが必要と判断されているということです。
基準を超えたら即・治療が必要というわけではない
厚生労働省の運用方針では、健診機関は判定基準に受診者の結果を機械的に当てはめるのではなく、検査結果の持つ意味・異常値の程度・年齢等を考慮したうえで、医療機関を受診する必要性を医師が個別に判断し、受診者にわかりやすく通知することとされています[8]。同資料は、特定保健指導の対象となった人については、健診機関の医師の判断により保健指導を優先して行い、効果が認められなかった場合に必要に応じて受診勧奨を行うことが望ましいとも述べています[8]。数字が1つ基準を超えたからといって、すぐに薬物治療が始まるとは限らない、ということです。
つまり、健診結果で「空腹時血糖100〜125」や「HbA1c5.2%以上」と言われた段階は、日本糖尿病学会の診断基準(126以上・6.5%以上)には届いていなくても、厚労省の階層化基準ではすでに「追加リスク」としてカウントされ、保健指導の対象になり得るということです[8]。この段階で生活習慣を見直すことが、将来の糖尿病発症を防ぐ最も重要なタイミングになります。日々の体調管理のコツは、当サイトの糖尿病の日常ケア6つの基本もあわせて参考にしてください。
すぐに受診が必要なサイン — 受診の目安
次のような症状があるときは、健診の結果を待たずに受診してください(受診の目安)
- 厚労省のe-ヘルスネットが挙げる典型的な症状:のどが異常に渇く、水をたくさん飲む(口渇・多飲)[1]
- 同資料が挙げる典型的な症状:尿の回数や量が急に増える(多尿)[1]
- 同資料が挙げる典型的な症状:特に食事量を変えていないのに体重が急に減る(体重減少)[1]
- 強い疲労感、けがや傷が治りにくい
日本糖尿病学会のガイドラインによれば、これらは糖尿病の典型的な症状とされ、血糖値の基準値と合わせて診断の根拠になります[3]。何科に行けばよいか迷う場合は、まず内科(糖尿病内科・内分泌代謝内科があればなお良い)を受診してください。
日本とアメリカ、境界線の引き方はどう違うのか
日本糖尿病学会のガイドラインによれば、糖尿病型の基準値そのものは、日本糖尿病学会・アメリカ糖尿病学会・世界保健機関(WHO)・国際糖尿病連合(IDF)で共通しています[3]。しかし、糖尿病になる手前の「境界」をどこで線引きするかには、実ははっきりした違いがあります。
| 項目 | 日本・WHO | アメリカ糖尿病学会(ADA) |
|---|---|---|
| 空腹時血糖値による予備群の判定 | 110〜125mg/dL(2時間値を測定した場合)[3] | 100〜125mg/dL——空腹時血糖値のみで判定[3] |
| 判定に必要な検査 | OGTT(75gブドウ糖負荷試験)を重視 | 空腹時血糖値のみでも判定可能 |
| 糖尿病型の基準値 | 空腹時126以上/HbA1c 6.5%以上 | 同一の数値を採用[3] |
出典:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」1章(WHO・ADAの基準についての注釈を含む)[3]
つまり、アメリカの基準で判定すると、日本の「正常高値」(100〜109mg/dL)に含まれる人の一部が、すでに「予備群」に分類される可能性があるということです。日本糖尿病学会自身も、空腹時血糖値100〜125mg/dLとHbA1c5.7〜6.4%の片方だけを満たした場合より、両方を満たした場合の方が将来の糖尿病発症リスクが高いとする海外の報告を紹介しています[3]。健診で「空腹時血糖100〜109、正常高値」と言われても、油断せずに生活習慣を見直す価値がある理由がここにあります。興味深いことに、厚労省の特定保健指導そのものは、追加リスクの判定に空腹時血糖100mg/dL以上という、アメリカの基準に近い数値をすでに採用しています[8]。つまり診断名としての「境界型」はOGTT重視で厳しめでも、保健指導の入り口はアメリカ並みに早めに設定されているのが実情です。
食事で予防する — 数字で見る具体策
糖尿病予防の食事は「何か1つを完全にやめる」ことよりも、日々の基準量を知って近づけることが土台になります。具体的な献立の工夫は、当サイトの糖尿病の食事療法|バランス食で血糖管理でも詳しく解説しています。
| 項目 | 目標量の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 食塩相当量(1日) | 男性7.5g未満・女性6.5g未満 | 厚労省「日本人の食事摂取基準」の目標量[5] |
| 食物繊維(1日・成人) | 男性18〜64歳で20〜22g以上・女性18〜74歳で18g以上 | 2025年版で目標量が引き上げられた[5] |
| 体重減少の目安 | 今の体重の5〜10% | これだけでも高血糖・高血圧・脂質異常の改善や発症予防につながるとされる[6] |
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定ポイント[5]/糖尿病情報センター「メタボってなに?」[6]
厚労省の資料によれば、食物繊維の目標量は、現在の日本人成人の摂取量の中央値(13.3g/日)と理想とされる25g/日の中間をとって設定されたもので、野菜・海藻・きのこ・大豆製品・全粒穀物を意識して増やすことで近づけやすくなります[5]。同資料では、食塩についてはWHOが掲げる1日5g未満という目標がありますが、日本人の食生活の実情をふまえて、現実的に達成可能な7.5g(男性)・6.5g(女性)が目標量として設定されているとしています[5]。なお、高血圧や慢性腎臓病(CKD)の重症化予防という観点では、男女とも1日6g未満というさらに厳しい目標が示される場合もあると厚労省は説明しています[5]。
運動による糖尿病予防 — 数字で見る具体策
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人に対して次のような身体活動量を推奨しています[4]。
| 対象 | 推奨される身体活動量 |
|---|---|
| 成人(全体) | 中強度以上(3メッツ以上)の身体活動を1日60分以上[4] |
| 有酸素性運動 | 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上[4] |
| 筋力トレーニング | 週2〜3日以上、多要素な運動を取り入れる[4] |
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」[4]
ところが、前述の厚労省調査による実際の運動習慣者(1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している人)の割合は男性36.2%・女性28.6%にとどまり、1日の歩数の平均も男性6,628歩・女性5,659歩と、健康日本21(第三次)が目標に掲げる1日7,100歩(年齢調整値)に届いていません[2]。同調査を年齢階級別にみると、20〜64歳では男性7,506歩・女性6,494歩なのに対し、65歳以上では男性5,329歩・女性4,419歩まで下がります[2]。いきなり60分の運動を始めるのが難しければ、「今より10分多く歩く」ところから始めるだけでも、歩数は着実に増えていきます。
高齢者は「歩く」だけでなく「多要素」がカギ
厚労省の運動ガイドは、高齢者については、歩行のような有酸素性の運動に加えて、筋力トレーニングやバランス運動を組み合わせた「多要素な運動」を週3日以上行うこと、また3メッツ以上の身体活動を1日40分以上(週15メッツ・時以上に相当)行うことを推奨しています[4]。同ガイドによれば、歩くことだけに偏らず、椅子からの立ち座りや片足立ちのようなバランス運動を組み合わせることが、高齢期の運動指導では重視されています[4]。このガイドは、一律の数値を全員に強制するのではなく、個人差を踏まえて強度や量を調整し、今の自分にできることから取り組む、という考え方を基本にしています[4]。
禁煙も予防の一部 — 糖尿病情報センターの説明
糖尿病情報センターは、禁煙もメタボリックシンドローム対策の重要な柱の1つとして位置づけています[6]。同センターの解説によれば、喫煙は動脈硬化を進行させ、心臓・血管の病気をおこしやすくするため、とても重要だとされています[6]。厚労省の特定保健指導の階層化でも、喫煙歴は追加リスクの1項目として数えられており、血糖・脂質・血圧のいずれかがすでに基準を超えている人では、喫煙歴の有無がそのまま支援レベルの重さに直結します[8]。禁煙は糖尿病そのものだけでなく、糖尿病が引き起こす心血管疾患のリスクを重ねて下げる意味を持つ習慣だといえます。禁煙・食事・運動・体重管理は、どれか1つで完結するものではなく、無理のない範囲で少しずつ重ねていくことが、糖尿病予防を長く続けるための現実的なコツです。
| 適用時期 | 年収の目安 | 計算式 | 100万円の場合 |
|---|---|---|---|
| ~2026年7月診療分 現行 | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 87,430円 |
| 2026年8月診療分から 見直し後(第1段階) | 年収約370万~770万円(区分ウ) | 85,800円+1%(PDF原文の表記) | 約92,940円<br><small>(編集部試算)</small> |
| + 年間上限 53万円(新設) | |||
※「100万円の場合」の金額のうち、現行(~2026年7月)欄は出典PDFに記載の計算例そのものです。2026年8月欄について、出典PDFに印字されているのは「85,800+1%」という表記のみです。1%を乗じる基準額(現行の267,000円に相当する部分)と、100万円の場合の約92,940円は、PDFに印字されておらず、現行制度と同じ計算方法にもとづくJHO編集部試算です。正確な金額は加入されている健康保険組合等にご確認ください。
※ 制度は改定されることがあります。受診・手術の時期によって自己負担額が変わるため、最新の情報は
厚生労働省の高額療養費制度ページで必ずご確認ください。
出典:厚生労働省「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」(令和7年12月16日) (PDF)
|JHO確認日:2026-07-16
健診結果を持って受診するときのチェックリスト(印刷して使えます)
- 直近の健診結果(空腹時血糖値・HbA1c・腹囲・血圧・脂質)一式
- いつから血糖値が高いと言われているか(初めてか、何年前からか)
- 現在服用している薬(糖尿病治療薬に限らず、すべての薬・サプリメント)
- 家族に糖尿病と診断された人がいるか
- 医師に聞きたいこと:「境界型」や「動機づけ支援」と言われた場合、次にいつ再検査するか/今の食事・運動量で十分か
糖尿病になりやすさには遺伝的な要因も関わるとされていますが、家族歴だけでどの程度リスクが上がるかを一律の数字で示せるほど単純ではなく、今回参照した一次資料にも個人ごとの倍率のような記載は見当たりませんでした。気になる場合は、健診の数値と合わせて医師に相談することをおすすめします。また、糖質制限や特定のサプリメント、食べる順番を工夫する方法などの長期的な効果についても、資料によって見解が分かれており、現時点で確定的な結論はありません。今回は、複数の情報源で見解が割れる内容ではなく、厚生労働省・日本糖尿病学会・糖尿病情報センターが数値として示している基準にしぼって解説しました。内容は今後のガイドライン改定にあわせて見直します。
よくある質問
糖尿病予防のためにどれくらい体重を減らせばいいですか?
家族に糖尿病の人がいると、自分もなりやすいですか?
1型糖尿病も生活習慣の改善で予防できますか?
参考文献
- 厚生労働省・健康日本21アクション支援システム「糖尿病」(e-ヘルスネット) 2024 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-002.html
- 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」2024 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf
- 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」1章 糖尿病診断の指針 2024 https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/01.pdf
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」2024 https://www.mhlw.go.jp/content/001204942.pdf
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定ポイント 2025 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001396865.pdf
- 糖尿病情報センター(国立健康危機管理研究機構)「メタボってなに?」https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/010/010/02.html
- 糖尿病情報センター(国立健康危機管理研究機構)「1型糖尿病と2型糖尿病」https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/010/010/01.html
- 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム」第3章 保健指導対象者の選定と階層化 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu/pdf/02b_0004.pdf
- 厚生労働省・健康日本21アクション支援システム「特定保健指導の実際」(e-ヘルスネット)https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-04-002.html
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