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糖尿病 33分で読める 26回

糖尿病治療薬で注意すべき5つのポイント

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厚生労働省・日本糖尿病学会などの公的資料によれば、糖尿病治療薬を安全に使い続けるうえで特に注意すべき点は、①低血糖、②シックデイ(体調不良時の対応)、③薬の種類ごとに異なる副作用、④飲み忘れたときの対処、⑤アルコールや造影剤・他の薬との相互作用の5つです。厚生労働省の資料によれば、どれも「知っていれば防げる、知らないと重篤化しうる」事故につながります[1]。糖尿病情報センターの資料では、特に低血糖は、血糖値がおおむね70mg/dL未満になった状態を指し[2]、放置すると意識障害やけいれんに至ることがあるため、症状が出たらブドウ糖10g程度をすぐに摂るなどの初期対応を知っておくことが欠かせません[1]。以下、厚生労働省・日本糖尿病学会・独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)などの公的資料をもとに、5つのポイントを順に解説します。

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要点まとめ

  • 厚生労働省の資料によれば、低血糖は血糖値がおおむね70mg/dL未満になった状態で、異常な空腹感・冷や汗・手のふるえなどが典型的な症状[2]
  • シックデイ(発熱・下痢・嘔吐で食事がとれない日)は、薬の種類によって「中止する薬」と「食事量に応じて減量する薬」が分かれる[3]
  • SGLT2阻害薬には尿路感染症・性器感染症・まれにフルニエ壊疽(壊死性筋膜炎)などの重大な副作用が報告されている[4]
  • 薬を飲み忘れても、気づいた時点で2回分をまとめて飲むのは危険。薬の種類ごとに正しい対応が決まっている[6]
  • ヨード造影剤検査の前後はビグアナイド薬(メトホルミン)を一時中止する必要があり、飲酒はSU薬・インスリンの低血糖リスクを高める[5]

編集方針: JHO編集部がAIツールの支援を受け、厚生労働省・日本糖尿病学会・PMDAなど公的機関の資料と照合して作成。最終確認は人の目。医師・薬剤師による個別の指導の代わりにはなりません。用法・用量・薬の変更や中止は、必ず主治医・薬剤師に相談してください(2026年7月時点の情報)。

最も注意すべきこと 血糖値を下げる薬(特にSU薬・インスリン)を使っている人は、低血糖の症状と対処法(ブドウ糖10〜15g程度の摂取)をあらかじめ知っておくこと[1]
体調不良のとき ビグアナイド薬とSGLT2阻害薬は、発熱・下痢・嘔吐で食事がとれない「シックデイ」にはあらかじめ中止する薬として案内されている。自己判断で続けず、必ずかかりつけ医に連絡する[3]
飲み忘れたとき 気づいた時点で2回分をまとめて飲まない。薬の種類(食直前薬か、そうでないか)によって対応が異なるため、薬局でもらった説明書か薬剤師の指示に従う[6]

糖尿病治療薬にはどんな種類があり、なぜ注意が必要なのか

2型糖尿病の治療薬(経口薬・注射薬)は作用のしかたによっていくつかの系統に分かれます。膵臓からのインスリン分泌を強力に促す「SU薬」「グリニド薬」、インスリンの効きをよくする「ビグアナイド薬(メトホルミンなど)」「チアゾリジン薬」、食後の血糖上昇をゆるやかにする「α-グルコシダーゼ阻害薬」、血糖値が高いときだけインスリン分泌を促す「DPP-4阻害薬」、尿へ糖を排出させる「SGLT2阻害薬」、そして直接インスリンを補う「インスリン製剤」などです。日本糖尿病学会の資料によれば、これらは作用の仕組みが異なるため、起こりやすい副作用や体調不良時の対応、飲み合わせの注意点もそれぞれ違います[3]。

「薬を飲んでいれば血糖値の管理は薬に任せておける」というものではなく、体調・食事量・他の薬やアルコールとの組み合わせによって薬の効き方が変わることを理解しておくことが、安全に治療を続けるための土台になります。厚生労働省・日本糖尿病学会・PMDAなどの資料によれば、本記事で扱う5つのポイントは、どれも医療機関や薬局で繰り返し注意喚起されている内容です[1][3][4]。以下、それぞれを具体的に見ていきます。

系統 おおまかな作用の仕組み 低血糖の起こりやすさの傾向
SU薬 膵臓からのインスリン分泌を、血糖値の高低にかかわらず強く促す 比較的高い[1]
グリニド薬(速効型インスリン分泌促進薬) SU薬と似た作用だが、効果の発現・消失が速い 比較的高いが持続は短い
ビグアナイド薬(メトホルミンなど) 肝臓での糖新生を抑え、インスリンの効きをよくする 単独では低い(他剤併用時は変わる)
チアゾリジン薬 脂肪組織・筋肉でのインスリンの効きをよくする 単独では低い
α-グルコシダーゼ阻害薬 腸での糖の分解・吸収を遅らせ、食後血糖の急上昇を抑える 単独では低い
DPP-4阻害薬 血糖値が高いときだけインスリン分泌を促すホルモン(インクレチン)の分解を抑える 単独では低いが、SU薬併用で上昇[7]
SGLT2阻害薬 腎臓での糖の再吸収を抑え、尿とともに糖を排出する 単独では低い(他剤併用時は変わる)
インスリン製剤 体内で不足しているインスリンそのものを補う 高い[1]

出典:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖」[1]/厚生労働省「医薬品・医療機器等安全性情報 No.275」[7]をもとにJHO編集部が整理した一般的な傾向です。実際の低血糖リスクは、用量・腎機能・食事状況・他剤併用など個々の状況によって変わります。

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ポイント1:低血糖――症状を知り、迷わず糖分を補給できるようにする

糖尿病情報センターの資料によれば、低血糖とは、血液中のブドウ糖(血糖)が少なくなりすぎた状態のことで、一般に血糖値がおおむね70mg/dLを下回ると低血糖と扱われます[2]。糖尿病治療薬のうち、SU薬・グリニド薬・インスリン製剤は、血糖値が高いか低いかにかかわらずインスリンの分泌を促したり血中インスリン濃度を上げたりする作用を持つため、厚生労働省の資料では、食事量が少ない、運動量が多い、薬の量が体に合っていないといった状況で低血糖を起こしやすいことが知られています[1]。

厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」によれば、低血糖の症状は血糖値の下がり方に応じて段階的に現れます。まず異常な空腹感・脱力感・発汗・手足のふるえ・動悸・顔面蒼白といった、体が血糖低下に対抗しようとする反応(交感神経症状)が出ます。さらに血糖値が下がると、頭痛・目のかすみ・集中力の低下・生あくび・眠気など脳のエネルギー不足による症状(中枢神経症状)が現れます。同マニュアルによれば、重症になるとけいれんや意識消失に至ることがあります[1]。

段階の目安 血糖値の目安 主な症状
軽度 おおむね70mg/dL未満 強い空腹感、あくび、吐き気、脱力感
中等度 おおむね50mg/dL台〜60mg/dL台 発汗、動悸、手足のふるえ、顔面蒼白、頭痛、目のかすみ
重度 おおむね50mg/dL未満が目安とされる場合が多い 意識のもうろう、異常行動、けいれん、意識消失

出典:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖」[1]/独立行政法人国立健康危機管理研究機構「糖尿病情報センター」[2]をもとにJHO編集部が整理。個人差があり、境目の数値は目安です。

低血糖の症状に気づいたときの対処として、糖尿病情報センターや医療機関で広く案内されているのが「すぐに糖分を摂る」ことです。ブドウ糖であれば10g程度、砂糖であれば20g程度、清涼飲料水であれば150〜200mL程度が目安とされ、15〜20分たっても症状が改善しない場合は同量をもう一度摂ることが勧められています[1]。α-グルコシダーゼ阻害薬を併用している場合はショ糖(砂糖)の消化・吸収が遅れることがあるため、厚生労働省の資料では、そうした場合はブドウ糖そのものを摂るよう指導されることがあります[1]。糖分をとってもすぐに食事ができない状況が続く見込みのときは、追加の対応が必要になることもあるため、対応方法は事前に主治医と確認しておいてください。

意識がはっきりせず自分で糖分を摂れない、けいれんを起こしている、呼びかけへの反応がないといった場合は、周囲の人がすぐに救急要請(119番)することが必要です。厚生労働省の同マニュアルでは、低血糖を起こしやすい患者に対しては、あらかじめグルカゴン(点鼻薬や注射薬)を処方し、家族などが使用できるよう指導しておく場合があるとされています[1]。自分がどの薬で低血糖を起こしやすいかは薬の種類によって異なるため、次の章とあわせて主治医・薬剤師に確認しておくと安心です。

なお、車の運転をする人は特に注意が必要です。運転中に低血糖症状が起きると重大な事故につながる危険があるため、低血糖を起こしやすい薬を使っている場合は、運転前の血糖測定や補食など、主治医から指導された対策を守ることが求められます。夜間に無自覚で低血糖が起きる「夜間低血糖」も報告されており、就寝前の低血糖症状(悪夢、寝汗、起床時の頭痛など)に心当たりがある場合は、自己判断で様子を見ず、次の受診時に必ず伝えてください。

特に注意したいのが「無自覚性低血糖」です。低血糖を繰り返していると、体が血糖低下に慣れてしまい、空腹感や動悸といった警告サインが出にくくなることがあります。この状態では、自分で気づかないうちに血糖値がかなり低いところまで下がってしまう危険があるため、血糖自己測定(SMBG)や持続血糖測定(CGM)による記録が特に重要になります。高齢の患者や、罹病期間が長く低血糖を繰り返してきた患者は、厚生労働省の資料では、この無自覚性低血糖のリスクが高いことが知られています[1]。

また、高血圧などの治療で「β遮断薬(βブロッカー)」を併用している場合も注意が必要です。厚生労働省の同マニュアルによれば、β遮断薬は交感神経の働きを抑えるため、低血糖の初期に現れる動悸・手のふるえといった警告症状が出にくくなり(症状のマスク)、低血糖に気づくのが遅れたり、回復が遅れたりすることがあると指摘されています[1]。糖尿病治療薬とβ遮断薬を併用している場合は、症状だけに頼らず、指示された血糖自己測定を定期的に行うことが勧められます。

ポイント2:シックデイ――発熱・下痢・嘔吐で食事がとれない日の対応

日本糖尿病学会の資料によれば、「シックデイ」とは、糖尿病の治療中に、風邪や胃腸炎などの発熱・下痢・嘔吐によって食欲がなくなり、ふだんどおりに食事がとれなくなった状態を指します[3]。体調不良のときは血糖値が乱れやすく、食事量が減っているのに薬の量はふだんのままだと低血糖を起こしたり、逆に体がストレス状態になって血糖値が上がりすぎたりすることがあります。日本糖尿病学会は2024年、シックデイ対策の重要性についてあらためて注意喚起する文書を公表しています[3]。

日本糖尿病学会の資料では、シックデイの基本原則として、体調不良になったら自己判断で薬を続けたり中断したりせず、必ずかかりつけ医に連絡することが挙げられています。また、インスリン療法を行っている場合は、食事がとれていても自己判断でインスリン注射を中断しないよう指導されています[3]。特に1型糖尿病では、食事がとれない状況でもインスリンを完全に中断してはいけないとされており、同学会の資料では、これは食事量とは関係なく体内で常にインスリンが必要とされる1型糖尿病の特性によるものです[3]。

薬の種類ごとの目安として、ビグアナイド薬(メトホルミンなど)とSGLT2阻害薬は、あらかじめシックデイの間は中止するよう患者に伝えておく薬とされています。一方、SU薬とグリニド薬は、食事の摂取状況に応じて中止するか減量するかを判断するとされ、2型糖尿病では食事量がふだんの半分以下になった場合に薬を減量し、日本糖尿病学会の資料では、発熱・下痢などで脱水のおそれがある場合はメトホルミンやSGLT2阻害薬を休薬するという目安が示されています[3]。

薬の系統 シックデイでの一般的な考え方
ビグアナイド薬(メトホルミンなど) あらかじめシックデイの間は中止するよう案内される薬。脱水時は乳酸アシドーシスのリスクが高まるため[3]
SGLT2阻害薬 あらかじめシックデイの間は中止するよう案内される薬。脱水やケトアシドーシスのリスクがあるため[3][4]
SU薬・グリニド薬 食事の摂取状況に応じて中止・減量を判断(食事量がふだんの半分以下なら減量が目安)[3]
インスリン製剤 食事がとれなくても自己判断で中断しない。特に1型糖尿病では完全中断は不可[3]

出典:一般社団法人日本糖尿病学会「糖尿病患者の皆様へ:今一度シックデイ対策を」[3]。最終的な判断は必ず主治医の指示によります。この表は一般的な目安であり、個々の病状・処方内容によって対応が異なります。

水分補給も重要な柱です。脱水を防ぐため、口から十分な水分(お茶や水、経口補水液など)を摂ることが基本とされ、同学会の資料では、経口摂取が難しい場合には医療機関で点滴による補液が行われることもあります[3]。食事がまったくとれない場合でも、可能であれば炭水化物を中心におかゆやうどん、果汁、スポーツドリンクなど口当たりのよいものを少しずつ摂ることが勧められることがありますが、これも体調や指示された対応によって異なるため、事前にかかりつけ医と「自分の場合のシックデイルール」を確認しておくことが最も確実です。

次のような場合は、様子を見ず速やかに医療機関へ連絡・受診してください:高熱が続く、嘔吐や下痢が止まらず水分もとれない、意識がもうろうとする、日本糖尿病学会の資料では、血糖自己測定で著しい高血糖または低血糖が続く、といった状況です[3]。休日・夜間で主治医に連絡がとれない場合の連絡先(地域の救急医療機関など)も、体調が良いうちに確認しておくと安心です。

シックデイの間は、ふだん以上にこまめな血糖自己測定が勧められます。数時間おきに血糖値を測定し、記録しておくと、受診時や電話相談の際に医師が状況を判断しやすくなります。可能であれば、体温・水分摂取量・尿量・血糖値をあわせてメモしておくとよいでしょう。血糖測定器がない場合や、測定値の見方に不安がある場合も、遠慮せず電話で相談してください。

「シックデイのときにどの薬をどう調整するか」は、糖尿病の型(1型か2型か)、ふだん使っている薬の組み合わせ、腎機能などによって個人差が大きい項目です。体調が良いときに、主治医・薬剤師と一緒に「自分の場合のシックデイルール」を紙に書いて手元に用意しておくと、実際に体調を崩したときにあわてず対応できます。

ポイント3:副作用――薬の種類ごとに異なるリスクを知っておく

糖尿病治療薬の副作用は、薬の作用機序によって傾向が異なります。ここでは代表的な系統について、公的資料に基づく主な副作用を整理します。いずれも「必ず起こる」ものではなく、頻度や重症度は個人差があります。気になる症状があれば自己判断で薬をやめず、必ず処方医・薬剤師に相談してください。

薬の系統 主な副作用(一般的に知られているもの)
SU薬 低血糖(頻度が高い)、体重増加。高齢者・腎機能低下者では低血糖が遷延しやすい[1]
ビグアナイド薬(メトホルミン) 下痢・吐き気などの消化器症状(比較的多い)、まれに乳酸アシドーシス(重大な副作用)[5]
DPP-4阻害薬 単独では低血糖は起こりにくいとされるが、SU薬と併用すると重篤な低血糖のリスクが高まる[7]
SGLT2阻害薬 尿路感染症・性器感染症、脱水、まれに正常血糖ケトアシドーシス、ごくまれに外陰部・会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)[4]
チアゾリジン薬 むくみ(浮腫)、体重増加。心不全がある人では悪化のおそれがあるため使用が慎重に判断される。長期使用で骨折リスクへの影響も報告されている
α-グルコシダーゼ阻害薬 お腹の張り、放屁の増加、下痢などの消化器症状(比較的多い)。低血糖の心配は単独では少ない
インスリン製剤 低血糖(頻度が高い)、体重増加、注射部位の皮膚症状

出典:厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖」[1]/PMDA「SGLT2阻害薬含有製剤の『使用上の注意』の改訂について」(2019年5月)[4]/公益社団法人日本糖尿病協会「メトホルミンの適正使用に関するRecommendation」[5]/厚生労働省「医薬品・医療機器等安全性情報 No.275」[7]をもとにJHO編集部が整理。

PMDAは2019年5月、SGLT2阻害薬含有製剤について「使用上の注意」の改訂を発出しており、外陰部および会陰部の壊死性筋膜炎(いわゆるフルニエ壊疽)が重大な副作用として追記されています[4]。これは頻度としては高くないものの、陰部の急な痛み・腫れ・発赤・発熱を伴う場合は緊急性が高いサインとされ、様子を見ず直ちに受診することが必要です。SGLT2阻害薬はまた、尿として糖を排出する作用により脱水を起こしやすいため、特に高齢者や利尿薬を併用している人、暑い時期や体調不良時には、こまめな水分補給が重要になります。

日本糖尿病協会の適正使用Recommendationによれば、メトホルミン(ビグアナイド薬)の重大な副作用である乳酸アシドーシスは頻度としてはまれですが、脱水・過度の飲酒・重い腎機能障害・肝機能障害がある場合や、ヨード造影剤を使う検査と重なる場合にリスクが高まることが示されています[5]。初期症状として、吐き気・嘔吐、腹痛、下痢、過呼吸、倦怠感などが報告されており、こうした症状が急に現れた場合は速やかに医療機関に連絡してください[5]。

いずれの薬も、「効果を高めたいから」「体重を減らしたいから」といった理由で、処方された量を超えて自己判断で増やすことは薬機法上も推奨されない行為であり、低血糖や重大な副作用のリスクを高めます。逆に、副作用が心配だからといって自己判断で減量・中止することも、血糖コントロールの悪化につながる可能性があります。量の調整が必要と感じたときは、必ず処方医・薬剤師に相談してください。

高齢の患者や、糖尿病以外にも複数の持病がある患者では、服用する薬の数が多くなる「ポリファーマシー」の状態になりやすく、薬どうしの相互作用や副作用の見分けが難しくなる傾向があります。「最近ふらつく」「食欲がない」といった症状が、加齢によるものか、薬の副作用(低血糖や脱水など)によるものか自己判断で区別するのは難しいため、複数の医療機関を受診している場合はお薬手帳を1冊にまとめ、すべての処方薬・市販薬をかかりつけ医・薬剤師に把握してもらうことが安全につながります。

ポイント4:飲み忘れ――2回分をまとめて飲むのは危険

糖尿病治療薬を飲み忘れたとき、糖尿病情報センターの資料によれば、最も避けるべきなのは「気づいた時点で2回分をまとめて飲む」ことです。2回分を一度に服用すると、薬の効果が重なって低血糖の危険性が高まったり、逆に食事のタイミングとずれて期待どおりの効果が得られなかったりすることがあるためです[6]。糖尿病治療薬は、服用するタイミング(食直前・食前・食後・食事に関係ないもの)が薬の作用機序によって決められているため、飲み忘れへの対処も薬の種類ごとに異なります。

服用タイミングの分類 薬の例 飲み忘れたときの一般的な目安
食直前に服用 α-グルコシダーゼ阻害薬、速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬) 食事中に気づけばすぐに服用。食後に気づいた場合はその回の服用を見送るのが一般的な目安
食前・食後に服用 SU薬、ビグアナイド薬(メトホルミンなど) 気づいた時点で1回分を服用し、次の服用までの間隔をあける。2回分をまとめない
朝食前後に1日1回服用 チアゾリジン薬、一部のSGLT2阻害薬 お昼ごろまでに気づけば服用、それ以降に気づいた場合はその日の服用を見送り翌日から再開するといった目安が案内されることがある
食事に関係なく服用 DPP-4阻害薬 気づいたときにすぐ服用。次の服用時間が近い場合はその回を見送る

出典:一般社団法人日本糖尿病学会「糖尿病治療のエッセンス」[3]/独立行政法人国立健康危機管理研究機構「糖尿病情報センター」[6]をもとにJHO編集部が整理。これはあくまで一般的な目安であり、実際の対応は処方時に薬剤師から渡される説明書、または薬剤師・主治医の指示を優先してください。

飲み忘れが続くと血糖コントロールが不安定になり、合併症のリスクにもつながります。飲み忘れが多いと感じる場合は、一包化(薬を1回分ずつまとめて袋にする調剤)や、服薬タイミングをアラームで管理する、お薬カレンダーを使うなど、忘れにくい工夫を薬剤師に相談することも一つの方法です。特に高齢者や、複数の薬を服用している人は、飲み忘れと同時に「飲んだこと自体を忘れて重複して服用してしまう」リスクもあるため、家族や介護者と情報を共有しておくことも有効とされています。

インスリン注射の打ち忘れについては、経口薬以上に自己判断が難しく、薬の種類(持効型・中間型・速効型など)によって対応が大きく異なります。インスリンの打ち忘れに気づいた場合は、必ず主治医・看護師・薬剤師にあらかじめ確認しておいた対応方法に従い、自己判断で追加注射をしないようにしてください。

旅行や出張などで生活リズムが変わるときも、飲み忘れ・打ち忘れが起こりやすいタイミングです。時差のある海外へ行く場合のインスリン注射のタイミング調整は特に専門的な判断が必要になるため、出発前に主治医へ相談し、対応方法を書面などで確認しておくと安心です。また、インスリン製剤や一部の薬剤は保管温度に注意が必要なものがあり、暑い時期の持ち運びには保冷ポーチを使うなど、薬剤師から指導された保管方法を守ることも、効果を安定させるうえで欠かせません。

ポイント5:相互作用――飲酒・造影剤検査・他の薬との組み合わせ

糖尿病治療薬は、他の薬やアルコール、検査で使う造影剤との組み合わせによって、効果が強まったり副作用のリスクが高まったりすることがあります。ここでは特に注意が必要とされる3つの組み合わせを取り上げます。

①アルコール(飲酒)との関係

厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、アルコールは肝臓でのブドウ糖合成(糖新生)を抑制する作用があるため、血糖値が下がってきても肝臓からブドウ糖が十分に放出されず、低血糖になりやすく、低血糖からの回復も遅れる可能性があるとされています[8]。インスリン製剤やSU薬など低血糖を起こしやすい薬を使っている人が飲酒すると、薬の作用とアルコールの作用が重なり、低血糖のリスクがさらに高まることがあります[8]。また、ビグアナイド薬(メトホルミン)を服用している人が過度に飲酒すると、重大な副作用である乳酸アシドーシスのリスクが高まるとされています[5][8]。

飲酒する場合は、血糖コントロールが安定していることを前提に、厚生労働省e-ヘルスネット(後継サイト)の資料では、適量(純アルコール換算でおおむね男性1日20g以下、女性はその半量以下が目安とされる)にとどめ、空腹での飲酒は避けることが勧められています[8]。飲酒の可否・適量は肝機能や合併症の有無によっても変わるため、必ず主治医に確認してください。

②ヨード造影剤を使う検査との関係

CT検査などでヨード造影剤を使う際、ビグアナイド薬(メトホルミン)との併用には特別な注意が必要です。日本糖尿病協会のRecommendationでは、造影剤の投与によって一時的に腎機能が低下すると、メトホルミンの排泄が遅れ、乳酸アシドーシスが起こりやすくなることが添付文書上の重要な注意点として示されています[5]。同Recommendationでは、ヨード造影剤を用いる検査を行う患者について、検査前の一時的な休薬と、造影剤投与後48時間はメトホルミンの投与を再開しないことが基本的な対応とされています(緊急に検査が必要な場合を除く)[5]。また、腎機能が低下している場合(eGFRがおおむね30〜60の患者など)は、検査後48時間が経過してもすぐに再開せず、腎機能を評価したうえで再開の可否を判断するとされています[5]。造影剤検査を受ける予定がある場合は、糖尿病治療薬を服用していることを検査を行う医療機関に必ず伝えてください。

③他の糖尿病治療薬・他科の薬との併用

厚生労働省の「医薬品・医療機器等安全性情報」では、DPP-4阻害薬をSU薬と併用した場合に、重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失に至った例が報告されたことが注意喚起されています。特に高齢者や軽度の腎機能低下がある患者にSU薬治療中にDPP-4阻害薬を追加する場合には、SU薬をあらかじめ減量したうえで追加することが必要とされています[7]。これは「新しい薬を追加したら効果が重なって血糖値が下がりすぎた」という典型的なパターンで、複数の糖尿病治療薬を併用する際に共通して注意すべき点です。

糖尿病治療薬以外にも、感冒薬や解熱鎮痛薬、他科で処方された薬の中には血糖値に影響を与えるものがあります。市販薬(OTC医薬品)を購入する際やほかの診療科を受診する際は、糖尿病治療薬を服用していることを薬剤師・医師に伝え、「お薬手帳」を必ず持参・提示することが、こうした相互作用によるトラブルを防ぐ最も確実な方法です。

④血糖値を上げる方向に働く薬(ステロイドなど)

関節リウマチや喘息、皮膚疾患など別の病気の治療でステロイド(副腎皮質ホルモン)が処方されることがあります。日本内分泌学会によれば、ステロイドは肝臓からのブドウ糖放出を増やし、インスリンの効きを抑える作用があるため血糖値が上がりやすくなり、ある調査ではステロイドを投与された患者628例のうち46例(7.3%)が糖尿病を発症し、90日投与で約66%、300日投与では約94.2%に達したと報告されています[9]。ステロイドを新たに処方された場合は、糖尿病治療薬を服用していることを必ず処方医に伝え、血糖値の変化に応じて薬の調整が必要かどうかを相談してください。

このほか、一部の利尿薬や抗精神病薬なども血糖値に影響を与える可能性があるとされています。「糖尿病とは関係のない診療科だから」と伝え忘れることのないよう、どの診療科を受診する際にも、糖尿病治療薬を服用していることとお薬手帳の提示を習慣にしてください。

薬を安全に使い続けるための3つの習慣

ここまで見てきた5つのポイントに共通するのは、「体調・食事・他の薬の情報を、薬を処方する側(医師・薬剤師)と共有できているかどうか」が安全性を大きく左右するということです。最後に、日々の生活の中で無理なく続けられる3つの習慣を紹介します。

①お薬手帳を1冊にまとめて必ず持参する
複数の医療機関にかかっている場合でも、お薬手帳を1冊にまとめておくことで、医師・薬剤師が薬の飲み合わせを確認しやすくなります。市販薬を購入するときも、薬剤師にお薬手帳を見せる習慣をつけましょう。

②血糖自己測定・症状の記録をつける
低血糖やシックデイの症状があった日時、血糖値、対応した内容を記録しておくと、次の受診時に医師が薬の調整を判断する重要な材料になります。スマートフォンのアプリやノートなど、続けやすい方法で構いません。

③「いつもと違う」と感じたら、様子を見ずに連絡する
低血糖症状、シックデイ、原因不明の体調の変化など、「いつもと違う」と感じたときは、自己判断で我慢したり様子を見続けたりせず、早めにかかりつけ医・薬局へ連絡することが、重症化を防ぐ最も確実な方法です。

🖨️ 診察に持参するチェックリスト(印刷推奨)

  • 今使っている糖尿病治療薬の名前・用量・服用タイミング(お薬手帳のコピーでも可)
  • 低血糖症状が出た日時・血糖値・そのときの対応(食事量、運動量、体調不良の有無)
  • 飲み忘れの頻度と、飲み忘れたときにどう対応しているか
  • アルコールを飲む頻度・量、造影剤検査の予定の有無
  • 医師に聞きたいこと(低血糖時の補食量、シックデイルール、飲み合わせの不安など)

受診の目安・救急要請の目安をまとめて確認

ここまでの5つのポイントをふまえ、「様子を見てよい場合」と「すぐに連絡・受診すべき場合」を分ける基準を整理します。あくまで一般的な目安であり、個々の病状によって異なるため、最終的な判断は主治医の指示を優先してください。

判断フレーム(もし〜なら、こうする) — 厚生労働省・日本糖尿病学会・日本糖尿病協会・糖尿病情報センターの資料をもとに整理

  • 厚生労働省の資料では、もし低血糖症状(空腹感・冷や汗・手のふるえなど)が出たら → すぐにブドウ糖10g程度(または同等の糖分)を摂り、15〜20分後も改善しなければもう一度摂る[1]
  • 同資料では、もし意識がもうろうとする、けいれんがある、呼びかけに反応しないなら → 周囲の人がためらわず119番通報する[1]
  • 日本糖尿病学会の資料では、もし発熱・下痢・嘔吐で食事がとれない(シックデイ)なら → 自己判断で薬をやめずに、まずかかりつけ医に電話で相談する[3]
  • 日本糖尿病協会の資料では、もし造影剤を使う検査の予定があるなら → 事前に糖尿病治療薬(特にメトホルミン)を服用していることを検査施設に伝える[5]
  • 糖尿病情報センターの資料では、もし薬を飲み忘れたなら → 2回分をまとめて飲まず、薬の種類ごとの目安か薬剤師の指示に従う[6]

🚦 すぐに医療機関へ、あるいは119番が必要な症状

  • 糖分を摂っても低血糖症状が改善しない、または意識障害・けいれんがある
  • 高熱・嘔吐・下痢が続き、水分も十分にとれない状態が続く
  • 陰部の急な痛み・腫れ・発赤・発熱がある(SGLT2阻害薬服用中)
  • 吐き気・嘔吐・腹痛・過呼吸が急に現れた(ビグアナイド薬服用中)

受診する場合の窓口は、通常は糖尿病を主に診てもらっている内科(糖尿病内科・内分泌代謝内科)ですが、上記のような緊急性の高い症状では、時間帯にかかわらず救急外来や119番の判断を優先してください。日本の公的医療保険では、通常の外来診療は自己負担が原則3割です(年齢や所得により異なります)。

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🔧 5つのポイント別・とっさの対応早見表

外出先など、すぐに資料を読み返せない状況のために、5つのポイントごとの「とっさの対応」を1枚にまとめました。印刷して財布やお薬手帳に挟んでおくと、いざというときに役立ちます。あくまで一般的な目安であり、個々の処方内容によって対応が異なる場合があるため、必ず主治医・薬剤師に自分の場合の対応を確認してください。

ポイント 起こったときの合図(気づくきっかけ) とっさの対応 詳しい根拠
①低血糖 強い空腹感・冷や汗・手のふるえ・動悸 ブドウ糖10g程度(または同等の糖分)をすぐ摂る。15〜20分後も改善しなければもう一度[1] 意識障害・けいれんがあれば119番
②シックデイ 発熱・下痢・嘔吐で食事がとれない 自己判断で薬を続けず、まずかかりつけ医へ電話連絡[3] ビグアナイド薬・SGLT2阻害薬は中止対象になりやすい
③副作用 陰部の痛み・腫れ、吐き気・過呼吸、むくみなど普段と違う症状 自己判断で様子を見ず、症状を具体的に医療機関へ伝える[4][5] SGLT2阻害薬・ビグアナイド薬で特に注意
④飲み忘れ いつもの服用時間を過ぎたことに気づいた 2回分をまとめて飲まない。薬の種類ごとの目安か薬剤師の指示に従う[6] 迷ったら薬局へ電話確認
⑤相互作用 飲酒の予定、造影剤検査の予定、新しい薬の処方 糖尿病治療薬を服用していることを必ず申告し、お薬手帳を提示する[5][7][8] 特にメトホルミン+造影剤、SU薬+DPP-4阻害薬に注意

出典:本記事の各ポイントで示した参考文献1・3・4・5・6・7・8をもとにJHO編集部が作成した早見表です。個々の状況で対応が異なる場合があるため、最終判断は必ず主治医・薬剤師に確認してください。

妊娠中・授乳中の糖尿病治療薬の使い方、小児の糖尿病治療薬に特有の注意点については、今回参照した資料には詳しい記載が見当たりませんでした。該当する場合は、本記事の一般的な内容にかかわらず、必ず主治医に個別にご相談ください。

よくある質問

低血糖の症状が出たとき、糖分を摂る以外にやってはいけないことはありますか?
安静にせず激しい運動を続けることは避けてください。運動を続けると血糖値がさらに下がりやすくなります。また、症状が軽いからと自己判断で放置したり、厚生労働省の資料をふまえると、薬の量を自分の判断で調整したりすることも避け、繰り返す場合は次回受診時に必ず医師へ伝えてください[1]。
シックデイのとき、市販の解熱剤や下痢止めを飲んでもいいですか?
薬によっては血糖値や腎機能に影響を与える可能性があるため、自己判断で市販薬を追加する前に、糖尿病治療薬を服用していることを薬剤師・医師に伝え、相談することが勧められます。シックデイの基本原則として、体調不良時はまずかかりつけ医に連絡することが日本糖尿病学会の資料でも案内されています[3]。
薬を飲み忘れたことに気づかず、次の服用時間になってしまいました。どうすればいいですか?
前回分は服用せず、次の通常のタイミングで1回分を服用するのが一般的な目安です。2回分をまとめて飲むことは、低血糖のリスクを高めるため避けてください[6]。不安な場合は、飲んでいる薬の名前を伝えたうえで薬局・かかりつけ医に電話で確認するのが確実です。
お酒はまったく飲んではいけないのですか?
一律に禁止されているわけではありませんが、血糖コントロールが安定していることが前提となり、適量(純アルコール換算でおおむね男性1日20g以下、女性はその半量以下が目安)にとどめ、空腹での飲酒は避けることが勧められています。インスリンやSU薬など低血糖を起こしやすい薬を使っている場合や、肝機能・合併症の状況によっても可否が変わるため、必ず主治医に確認してください[8]。
健康診断でCT検査(造影剤を使う検査)を受けます。糖尿病の薬はどうすればいいですか?
日本糖尿病協会の資料では、特にメトホルミン(ビグアナイド薬)を服用している場合は、検査前の一時的な休薬と、検査後48時間は服用を再開しないことが一般的な対応とされています[5]。検査を予約する際、あるいは検査を受ける医療機関の受付・問診時に、糖尿病治療薬を服用していることを必ず申告してください。緊急の検査が必要な場合の対応は医師の判断によります。
SGLT2阻害薬を飲み始めてから尿路感染症のような症状が出ました。どうすればいいですか?
SGLT2阻害薬は尿として糖を排出する作用があるため、尿路感染症や性器感染症が起こりやすくなることが知られています。排尿時の痛みや違和感、陰部のかゆみ・発赤などがあれば、自己判断で薬をやめずに早めに医療機関を受診してください。特に陰部の急な痛み・腫れ・発熱を伴う場合は、まれですが重篤な感染症(壊死性筋膜炎=フルニエ壊疽)の可能性もあるため、PMDAの改訂情報をふまえると、様子を見ずすぐに受診することが必要です[4]。
新しく別の糖尿病の薬を追加すると言われました。何に注意すればいいですか?
薬を追加すると、それまでの薬との組み合わせによって低血糖のリスクが変わることがあります。特にSU薬を使っている人にDPP-4阻害薬を追加する場合、重篤な低血糖の報告があることから、あらかじめSU薬を減量したうえで追加することが必要とされています[7]。薬が追加・変更になったあとしばらくは、低血糖症状に普段以上に注意し、気になる症状があれば早めに医師・薬剤師に伝えてください。
副作用が心配で薬をやめたいのですが、自分の判断でやめてもいいですか?
自己判断での中止は避けてください。薬を中断すると血糖コントロールが悪化し、合併症のリスクが高まる可能性があります。副作用が疑われる症状がある場合は、その内容を具体的に医師・薬剤師に伝え、薬の変更や用量の調整が必要かどうかを相談してください。急に中止してよいかどうかは薬の種類や病状によって異なります。
飲み忘れが多くて困っています。何か対策はありますか?
薬局で「一包化」(1回分をまとめて1袋にする調剤)をお願いする、服薬アラームやお薬カレンダーを使う、家族に声をかけてもらうなどの方法があります。飲み忘れが続くと血糖コントロールが不安定になりやすいため、糖尿病情報センターの資料をふまえ、対策について薬剤師に相談することが勧められます[6]。
血圧の薬(β遮断薬)を飲んでいます。糖尿病の薬との飲み合わせで気をつけることはありますか?
β遮断薬は、低血糖の初期に現れる動悸や手のふるえといった警告症状をわかりにくくすることがあり、厚生労働省の資料では、低血糖に気づくのが遅れる可能性があると指摘されています[1]。症状だけに頼らず、指示された頻度で血糖自己測定を行い、低血糖が疑われるときは症状の有無にかかわらず血糖値を確認する習慣をつけることが勧められます。薬の組み合わせについて不安がある場合は主治医・薬剤師に相談してください。
別の病気でステロイドを処方されました。糖尿病の薬はそのままでいいですか?
ステロイドは血糖値を上げる方向に働くことがあり、日本内分泌学会の資料では、投与期間が長くなるほど糖尿病発症頻度が上がり、90日投与で約66%、300日投与では約94.2%に達したとの報告があります[9]。ステロイドを新たに処方されたときは、糖尿病治療薬を服用していることを必ず処方医に伝え、血糖値の変化に応じて薬の調整が必要かどうかを相談してください。自己判断で糖尿病治療薬の量を増やすことは避けてください。

まとめ

結論として、糖尿病治療薬を安全に使い続けるための5つのポイントを振り返ります。①低血糖は血糖値がおおむね70mg/dL未満になった状態で、症状が出たらブドウ糖10g程度をすぐに摂る[1]。②シックデイでは自己判断で薬を続けず、まずかかりつけ医に連絡する。ビグアナイド薬とSGLT2阻害薬はあらかじめ中止対象とされることが多い[3]。③副作用は薬の系統ごとに傾向が異なり、SGLT2阻害薬の感染症・SU薬とインスリンの低血糖・メトホルミンの消化器症状と乳酸アシドーシスは特に知っておきたい[1][4][5]。④飲み忘れたときは2回分をまとめて飲まない[6]。⑤飲酒・造影剤検査・他の薬との組み合わせは、事前の申告と相談で多くのトラブルを防げる[5][7][8]。

いずれの項目も、自己判断で薬の量を増やしたり減らしたり中止したりせず、必ず主治医・薬剤師に相談することが共通する原則です。この記事を印刷して、次回の診察やお薬手帳と一緒に持参し、自分の場合の対応(低血糖時の補食量、シックデイルール、飲み忘れ時の対応)を主治医・薬剤師に具体的に確認しておくことをお勧めします。

糖尿病治療薬は、種類が増えるほど、また年齢を重ねるほど、体調や他の薬との組み合わせによる影響を受けやすくなります。今回紹介した5つのポイントは、どれも特別な知識がなくても実践できる「日常の心がけ」です。お薬手帳を1冊にまとめる、低血糖やシックデイの記録をつける、いつもと違うと感じたら早めに連絡する——この3つの習慣を続けることが、長く安全に治療を続けるための土台になります。制度や薬の添付文書は改定されることがあるため、気になる点があれば、自己判断せずその都度かかりつけ医・薬剤師に確認してください。

更新日:2026年7月18日。内容に誤りや古い情報にお気づきの際は、事実を確認のうえ訂正しますのでお知らせください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療効果を保証したり、薬の自己判断による増量・減量・中断を勧めたりするものではありません(薬機法に基づく留意事項)。個々の症状・治療方針については、必ず主治医・薬剤師にご相談ください。

この記事について(編集方針・情報源)

本記事はJHO編集部がAIツールの支援を受けながら、厚生労働省、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)、一般社団法人日本糖尿病学会、公益社団法人日本糖尿病協会、独立行政法人国立健康危機管理研究機構「糖尿病情報センター」など公的機関・学会が公表している一次資料と照合し、最終確認を人の目で行って作成しています。医師による監修は行っておらず、個別の診断・治療方針の決定に代わるものではありません。ガイドラインや添付文書は改定されることがあるため、最新の情報は各機関の公式サイトでご確認ください。

参考文献

  1. 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖」(平成23年3月、令和5年12月改定) mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1d45.pdf
  2. 独立行政法人国立健康危機管理研究機構「低血糖」糖尿病情報センター dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/050/05.html
  3. 一般社団法人日本糖尿病学会「糖尿病患者の皆様へ:今一度シックデイ対策を」(2024年) jds.or.jp/modules/important/index.php?content_id=242
  4. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤含有製剤の『使用上の注意』の改訂について」(2019年5月9日) pmda.go.jp/files/000229296.pdf
  5. 公益社団法人日本糖尿病協会「メトホルミンの適正使用に関するRecommendation」 nittokyo.or.jp/modules/information/index.php?content_id=23
  6. 独立行政法人国立健康危機管理研究機構「糖尿病の薬とうまくつきあっていくために」糖尿病情報センター dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/100/050/05.html
  7. 厚生労働省「医薬品・医療機器等安全性情報 No.275」(2010年12月) mhlw.go.jp/www1/kinkyu/iyaku_j/iyaku_j/anzenseijyouhou/275-1.pdf
  8. 厚生労働省 e-ヘルスネット(後継サイト)「アルコールと糖尿病」 kennet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-013.html
  9. 一般社団法人日本内分泌学会「ステロイド糖尿病」(一般の皆様へ) j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=99
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本記事はAI技術を活用し、厚生労働省・WHO等の公的医療機関の情報に基づいて作成されています。医療専門家による個別の監修は受けておりません。健康上の判断や治療については、必ず医師にご相談ください。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。

Trinh Van Dieu

Trinh Van Dieu

ITエンジニア(17年)・Japanese Health 運営者

ベトナム在住のITエンジニア。17年の技術経験を活かし、日本の公的医療機関の情報をAI技術で整理・発信しています。

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