塩分摂取と血圧の関係|6g・7.5g・5gの目標値の違いを解説
この記事でわかること
目次
- 結論から言うと
- 要点まとめ
- 減塩の目標値(基準)はなぜ「6g」「7.5g/6.5g」「5g」と3つあるのか
- 日本人の塩分摂取と血圧——実際どれくらい摂っているのか
- 「自分は塩分を摂りすぎていない」と思っている人が多い——調査が示す認識のズレ
- 減塩すれば必ず血圧が下がるのか——「塩分摂取と血圧」の個人差
- 減塩がもたらす血圧以外のメリット
- 自分の塩分摂取量を知る方法——随時尿を使った推定食塩摂取量
- 実際の食事に潜む塩分——醤油・味噌汁・漬物・麺類の汁
- 栄養成分表示の見方——「ナトリウム」を「食塩相当量」に変換する
- 1日の食事全体で塩分を積み上げてみる
- 今日からできる減塩の工夫を使いこなす
- カリウムを味方につける——減塩の実践と腎臓病の人への注意
- DASH食——カリウム・カルシウム・マグネシウムを組み合わせる食事法
- 減塩を生活習慣の中に位置づける
- 減塩の効果を実感するには——家庭血圧との組み合わせ
- 受診の目安
- 減塩とおいしさを両立させる——「がまん」にしない工夫
- まとめ——「塩分摂取と血圧」を今日から見直すために
- よくある質問
- 参考文献
結論から言うと
塩分摂取と血圧の関係では、日本高血圧学会(JSH)が高血圧の人を中心に(血圧が正常な人にも)「1日6g未満」[1]の減塩を勧める一方、厚生労働省の食事摂取基準は健康な成人に「男性7.5g未満・女性6.5g未満」[2]、世界保健機関(WHO)は「5g未満」[3]を掲げており、数字が3つバラバラに見えます。
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これは学会・省庁・WHOが「誰に向けて」「何を目的に」数字を決めているかが違うためで、優劣ではありません。さらに厚生労働省の令和5年国民健康・栄養調査では、日本人の食塩摂取量の平均値は総数9.8g、男性10.7g、女性9.1gと、どの目標値からも大きく超過している状況が続いています[4]。減塩の効果には個人差があり、腎臓が悪い人はカリウムの摂り方にも注意が必要です。
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数値を入れると、日本高血圧学会の血圧値の分類と「次にすること」を表示します。記録はこの端末の中だけに保存され、登録は不要です。
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これは診断ではありません。入力された数値を日本高血圧学会の血圧値の分類(高血圧の基準は診察室 140/90mmHg以上・家庭 135/85mmHg以上)に当てはめて「受診の目安」を機械的に示すもので、医師の診察に代わるものではありません。日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、降圧目標は年齢によらず診察室 130/80mmHg未満・家庭 125/75mmHg未満とされています。脈拍の目安は学会の分類ではなく一般的な参考範囲です。
要点まとめ
- 日本高血圧学会の「6g未満」は高血圧の人の減塩目標であり、同学会の減塩委員会は血圧が正常な人にも(特に糖尿病・慢性腎臓病の人には強く)1日6g未満を勧めており[1]、厚生労働省の食事摂取基準は健康な成人全体への「まず届けたい」目標、WHOの5g未満は世界共通の理想値という位置づけの違いがある
- 令和5年国民健康・栄養調査によると、日本人の食塩摂取量の平均は総数9.8g・男性10.7g・女性9.1gで、どの世代もどの性別も目標値を上回っている[4]
- 減塩による血圧低下の程度には個人差があり、日本高血圧学会は特に糖尿病や慢性腎臓病がある人に対して1日6g未満の減塩を強く勧めている[1]
- カップめん1個で食塩約5.5g、きつねうどん1人前で約5.3gなど、麺類の汁だけで1日の目標量に迫ることも珍しくない[1]
- 減塩と同時にカリウムを増やすことが勧められるが、腎臓病と診断されている人は自己判断でカリウムを増やさず、必ず医師の指示に従う必要がある[2]
編集方針: JHO編集部がAIツールの支援を受け、公的機関・学会・査読論文と照合して作成。最終確認は人の目。医師による個別診断の代わりにはなりません。数値・分類はガイドライン改定により変わることがあります(2026年7月時点)。
減塩の目標値(基準)はなぜ「6g」「7.5g/6.5g」「5g」と3つあるのか
「塩分摂取と血圧」について調べると、日本国内だけでも複数の目標値が出てきて戸惑う人が多いです。実際には、それぞれ「誰に向けた数字か」が異なります。日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインでは、高血圧の人の生活習慣修正の項目として「減塩:食塩摂取量6g/日未満」を明記しています[1]。同学会の減塩委員会が公開している資料でも、「血圧が正常な人にも食塩制限(可能であれば1日6g未満)をお勧めします。特に糖尿病や慢性腎臓病の人は、循環器病や腎不全の予防のためにも、1日6g未満の減塩を推奨します」と説明されています[1]。つまりJSHの6gという数字は、高血圧の人だけでなく血圧が正常な人にも予防目的で勧められている目標であり、なかでも糖尿病や慢性腎臓病がある人には、循環器病や腎不全の予防の観点からとりわけ強く推奨されている、というのが正確な位置づけです。
一方、厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準」に基づく目標は、生活習慣病の発症予防を目的として、18歳以上の男性で7.5g/日未満、女性で6.5g/日未満と設定されています[2]。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の策定検討会報告書に基づくスライド資料に示されたナトリウムの表でも、18歳以上のすべての年代区分(18-29・30-49・50-64・65-74・75以上)で男性7.5g未満・女性6.5g未満という、年代によらず一定の目標量が示されています[7]。同じ表の注記には「高血圧及び慢性腎臓病(CKD)の重症化予防のための食塩相当量の量は、男女とも6.0g/日未満とした」ともあり[7]、実はJSHの6g未満とほぼ同じ水準の目標が、厚生労働省の食事摂取基準の中にも、高血圧・CKDの重症化予防という限定した対象向けに別途示されていることが分かります。これは高血圧の診断の有無にかかわらず、国民全体が現実的に目指せる水準として厚生労働省が定めた目標量です。JSHの6gも血圧が正常な人を含めて勧められている数字ではありますが[1]、より踏み込んだ「治療・重点予防の目標」であるのに対し、厚生労働省の7.5g/6.5gは「まず国民全体に届けたい現実的な目標」という位置づけの違いがあります。
さらに世界保健機関(WHO)は、ファクトシート「Sodium reduction」の中で、成人の摂取量について「less than 2000 mg/day of sodium(食塩に換算するとおよそ5g/日未満)」を推奨すると明記しています[3]。WHOの5gという数字は、特定の国の医療制度や食文化を前提とせず、心血管疾患のリスクを下げる観点から世界共通の理想値として示されたものです。日本人の食生活は醤油・味噌・漬物など塩分を多く含む調味料・食品に依存する部分が大きく、WHOの基準は「いきなり全員が達成すべきライン」というより「長期的に目指す方向」として理解しておくとよいでしょう。
| 基準を出している機関 | 数値 | 主な対象・目的 |
|---|---|---|
| 日本高血圧学会(JSH)[1] | 1日6g未満 | 高血圧の人・血圧が正常でも予防したい人。糖尿病や慢性腎臓病がある人には特に強く推奨 |
| 厚生労働省 食事摂取基準[2][7] | 男性7.5g未満/女性6.5g未満(18歳以上・1日あたり) | 生活習慣病の発症予防を目的とした、健康な人を含む国民全体への目標量 |
| 世界保健機関(WHO)[3] | 1日5g未満(ナトリウム2000mg未満) | 心血管疾患リスク低減を目的とした世界共通の目安 |
出典:日本高血圧学会「ナトリウム(食塩)の減らし方と食塩の多い食品・料理」[1]/厚生労働省 e-ヘルスネット「栄養・食生活と高血圧」[2]/WHO Fact sheet「Sodium reduction」[3]
日本高血圧学会は2000年に高血圧治療ガイドラインを初めて発行して以来、ほぼ5年ごとに改訂を重ねており、直近では2025年8月29日発行の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」が最新版となっています[6]。減塩の目標値そのものは大きく変わっていませんが、対象を明確にし、国民・患者・医療者の行動につながる内容にするという方針のもとで版を重ねているため[6]、「なぜ6gなのか」という説明の仕方も、版によって少しずつ具体的になってきています。目標値の数字だけを覚えるより、「この数字は誰のために、どんな目的で作られたか」を押さえておくと、他の生活習慣病の目標値を見るときにも応用できます。
この3つの数値は矛盾しているわけではなく、いわば「治療の目標(JSH)」「国民全体への現実的な目標(厚生労働省)」「世界共通の理想(WHO)」という3層構造になっています。すでに高血圧と診断されている人・糖尿病や慢性腎臓病がある人・本格的に減塩に取り組みたい人はJSHの6g未満を、まず食生活全体を見直したい人はひとまず厚生労働省の7.5g/6.5gを目安にし、長期的な目標としてはWHOの5gを意識するとよいでしょう(JSHの6gも血圧が正常な人を含めて勧められている数字であり、対象を厳密に区切るものではありません)。次の章で見るように、日本人の実際の平均摂取量はこの3つのどれとも大きく離れているため、最初から最も厳しいWHOの数値を目指す必要はありません。まずは自分の現在地を知り、どの目標値からどれくらい離れているかを把握することのほうが、実践の第一歩としては重要です。より詳しい薬物治療の基準については、薬に頼らない血圧管理の完全ガイドもあわせてご覧ください。
日本人の塩分摂取と血圧——実際どれくらい摂っているのか
目標値がいくつあっても、現状の摂取量が分からなければ自分ごとになりません。厚生労働省が公表した「令和5年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、20歳以上の食塩摂取量の平均値は9.8gであり、男性10.7g、女性9.1gという結果でした[4]。同調査の報告書は、この10年間で見ると男女とも有意な増減はみられないとも述べています[4]。つまり、日本人の塩分摂取量はここ10年ほど大きくは変わらず、高止まりしている状態です。
年齢階級別に見ると、男性は20-29歳で10.4g、30-39歳で10.6g、40-49歳で10.6g、50-59歳で10.3g、60-69歳で10.7g、70歳以上で11.1gと、年齢が上がるほど摂取量が多くなる傾向が調査で示されています[4]。女性でも20-29歳8.3g、30-39歳8.1g、40-49歳8.9g、50-59歳8.9g、60-69歳9.5g、70歳以上9.4gと、同様に年齢とともに増える傾向です[4]。
| 年齢階級 | 男性の食塩摂取量平均 | 女性の食塩摂取量平均 |
|---|---|---|
| 総数(20歳以上) | 10.7g | 9.1g |
| 20-29歳 | 10.4g | 8.3g |
| 30-39歳 | 10.6g | 8.1g |
| 40-49歳 | 10.6g | 8.9g |
| 50-59歳 | 10.3g | 8.9g |
| 60-69歳 | 10.7g | 9.5g |
| 70歳以上 | 11.1g | 9.4g |
出典:厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査結果の概要」(性・年齢階級別、20歳以上)[4]
厚生労働省が推進する健康増進の国民運動「健康日本21(第三次)」では、参考として食塩摂取量の平均値を7gまで減らすことが目標として示されています[4]。現状の総数9.8gからみると、まだ2.8g程度の開きがあることになります。日本高血圧学会の減塩委員会は、この背景として「ほとんどの日本人は必要量をはるかに超える食塩を摂取しているので、減塩による健康障害は起こりません」と述べており、多くの人にとって減塩は「やりすぎ」より「まだ足りない」段階にあることを示しています[1]。ただし同資料は、夏場に大量の汗をかいた場合は例外になるとも注意しています[1]。
「自分は塩分を摂りすぎていない」と思っている人が多い——調査が示す認識のズレ
塩分摂取と血圧の話を難しくしている理由のひとつに、「自分の食塩摂取量が多いという自覚を持ちにくい」という問題があります。厚生労働省の令和5年国民健康・栄養調査は、食習慣改善の意思について「食塩の摂取を控える」ことをたずねた結果もあわせて公表しています[4]。それによると、「食塩の摂取を控える」という項目について、男女とも「食習慣に問題はないため改善する必要はない」と回答した者の割合が最も高かったと報告されています[4]。
さらに興味深いのは、実際の摂取量別に見た結果です。同調査は、食塩摂取量の状況別に食習慣改善の意思をみると、男女ともに1日の食塩摂取量が7g以上の者では「食習慣に問題はないため改善する必要はない」と回答した者の割合が最も高いと明記しています[4]。具体的な数値でも、食塩摂取量が1日7g以上の男性1,676人のうち23.3%が「食習慣に問題はない」と回答したのに対し、7g未満の男性380人では20.5%でした[4]。女性でも、7g以上の1,658人のうち24.2%が「問題はない」と回答し、7g未満の689人(22.5%)よりわずかに高い割合でした[4]。
つまり、すでに多くの塩分を摂っている人ほど「今のままで問題ない」と感じやすいという、やや皮肉な傾向が調査から読み取れます。これは怠慢や意志の弱さの問題というより、日々の食事に含まれる塩分の量が数値として見えにくいことが大きな理由だと考えられます。前章・次章で紹介する食品ごとの塩分量の目安は、この「見えにくさ」を具体的な数字に変えるための手がかりとして役立ちます。
同じ調査は、野菜や果物の摂取についても同様の傾向を報告しています。野菜摂取量別に食習慣改善の意思をみると、男女ともに1日の野菜摂取量が70g未満の者では「関心はあるが改善するつもりはない」と回答した者の割合が最も高く、果物摂取量別でも、1日の果物摂取量が0gの者では同じく「関心はあるが改善するつもりはない」と回答した者の割合が最も高いとされています[4]。塩分・野菜・果物のいずれについても、「量が少ない・多い人ほど、現状維持でよいと考えがち」という共通のパターンが見られることは、数値を知ること自体に意味があることを裏付けています。
減塩すれば必ず血圧が下がるのか——「塩分摂取と血圧」の個人差
「塩分摂取と血圧」の関係を語るときに見落とされがちなのが、減塩の効果に個人差があるという点です。日本高血圧学会のガイドラインは、日本人のように食塩摂取量が多い集団では減塩による降圧効果が大きいと考えられるとしつつ、対象を一律に扱っているわけではありません[1]。実際、同学会の資料は糖尿病や慢性腎臓病がある人については、循環器病や腎不全の予防の観点から「1日6g未満の減塩を推奨」と、他の人よりも踏み込んだ表現を使っています[1]。これは、糖尿病や慢性腎臓病がある人ほど塩分の影響を受けやすく、減塩の恩恵も相対的に大きいと学会が判断していることの表れと読み取れます。
いわゆる「食塩感受性高血圧」という言葉は、減塩に対する血圧の反応が人によって異なることを表す考え方として一般的に知られていますが、どの程度の人が塩分に敏感で、平均して血圧がどの程度下がるかという定量的なデータについては、今回参照した日本高血圧学会・厚生労働省の資料には具体的な数値の記載が見当たりませんでした。したがって本記事では、個人差があるという事実と、糖尿病・慢性腎臓病の人には特に強い減塩推奨が出されているという事実の2点にとどめてお伝えします。自分が塩分の影響を受けやすい体質かどうかを厳密に調べたい場合は、医療機関での相談が必要です。
減塩は一度に厳しくやろうとせず、少しずつ摂取量を落としていく進め方が現実的です。日本高血圧学会は、大人になってからの高血圧や循環器病を防ぐためには、子どもの頃から食塩を制限することが望まれるとも説明しています[1]。この「個人差があっても、まず試す価値がある」という位置づけは、減塩が血圧以外にもたらす影響を考えるとさらに納得しやすくなります。
減塩がもたらす血圧以外のメリット
減塩の意味は、血圧の数値を下げることだけにとどまりません。日本高血圧学会の減塩委員会は、血圧が正常な人にも食塩制限を勧める理由として、糖尿病や慢性腎臓病の人については「循環器病や腎不全の予防のためにも、1日6g未満の減塩を推奨します」と述べています[1]。つまり減塩は、血圧という1つの数値を介して、脳卒中や心臓病、腎臓病といった、より重い病気の予防にもつながる生活習慣として位置づけられています。
特に糖尿病がある人は、高血糖そのものが血管に負担をかけるうえに、塩分の影響も受けやすいと考えられるため、日本高血圧学会は他の人よりも踏み込んだ減塩目標を示しています[1]。同様に慢性腎臓病がある人も、腎臓が塩分やカリウムを調整する働きが低下しているため、食事管理の重要度が高くなります[1]。糖尿病・慢性腎臓病のいずれも診断されていない人にとっても、「今は数値に問題がなくても、将来の血管や腎臓への負担を減らす」という長期的な視点で減塩を捉えると、日々の小さな工夫を続けるモチベーションになります。
また、子どものころからの食習慣が、大人になってからの血圧に影響するという指摘もあります[1]。家庭全体の食事で塩分の多い調味料や加工食品への依存を少しずつ減らしておくことは、家族の誰か一人だけでなく、世帯全体の将来的な血圧リスクを下げる取り組みとしても意味があります。無理な制限で食事の楽しみを失わせるのではなく、だしの旨味や香辛料、香りの強い野菜を活用して、塩に頼らない満足感を家庭の味として定着させていくという発想が、長く続けるための鍵になります。
自分の塩分摂取量を知る方法——随時尿を使った推定食塩摂取量
食塩摂取量を正確に測る方法として医学的にもっとも精度が高いとされるのは、1日分の尿をすべてためる24時間蓄尿による測定ですが、日常生活の中で毎日行うのは現実的ではありません。そこで、外来や健康診断など限られた場面で1回分の尿(随時尿)から食塩摂取量を推定する方法も使われています。厚生労働省は「食行動の変容に向けた尿検査及び食環境整備に係る実証事業」として、随時尿を活用した保健事業の実証を行っています[5]。
ただし、随時尿からの推定食塩摂取量は、測定した1回分の尿の状態や測定条件によって変動しうる簡易的な指標であり、24時間蓄尿による実測値とは差が生じる場合があります。具体的な推定式の内容や、測定条件ごとの誤差の大きさについては、今回参照した厚生労働省の資料には詳しい記載が見当たりませんでした。自分の推定食塩摂取量を知りたい場合は、健診や医療機関で随時尿検査を行っているかどうかを確認し、数値の解釈については担当の医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。
随時尿による推定は、あくまで「その1回分の尿からの推計」であるという性質上、前日の食事内容や水分の摂り方、測定した時間帯によっても値が変わりえます。1回の数値だけで一喜一憂するのではなく、複数回・複数日にわたって確認し、傾向として増えているか減っているかを見る使い方が現実的です。厚生労働省の実証事業も、随時尿を保健事業(特定保健指導など)の中で活用する枠組みとして位置づけており[5]、個人が単発で自己判断するための検査というより、専門職の関与のもとで継続的に活用することを想定した仕組みと考えられます。
日々の目安としては、次章で紹介する食品ごとの塩分量を積み上げて、大まかに「今日はどのくらい塩分を摂ったか」を把握する方法が、道具を使わずにできる現実的な第一歩になります。
実際の食事に潜む塩分——醤油・味噌汁・漬物・麺類の汁
「塩分摂取と血圧」の話を自分の食事に落とし込むには、ふだん口にしている料理にどれくらいの食塩が含まれているかを知ることが役立ちます。日本高血圧学会の減塩委員会が公開している資料には、代表的な食品・料理ごとの食塩量が示されています[1]。
| 食品・料理 | 目安量 | 食塩相当量 |
|---|---|---|
| カップめん | 1個(100g) | 約5.5g |
| きつねうどん | 1人前 | 約5.3g |
| にぎり寿司(しょうゆ込み) | 1人前 | 約5.0g |
| 天丼 | 1人前 | 約4.1g |
| カレーライス | 1人前 | 約3.3g |
| 梅干し(塩漬) | 1個(10g) | 約1.8g |
| みそ汁 | 1杯 | 約1.5g |
| 塩鮭 | 1切れ(80g) | 約1.5g |
| ポタージュ | 1杯 | 約1.2g |
| あじの開き | 小1枚(60g) | 約1.1g |
| ハム | 2枚(40g) | 約0.9g |
| 梅干し(調味漬) | 1個(10g) | 約0.8g |
| たくあん | 2切れ(20g) | 約0.7g |
出典:日本高血圧学会「ナトリウム(食塩)の減らし方と食塩の多い食品・料理」[1]
この表からも分かるように、カップめん1個やきつねうどん1人前だけで、JSHが掲げる1日6g未満の目標のほとんどを使い切ってしまいます[1]。同資料は、めん類の汁やスープを残すことで2〜3g減塩できるとし、「外食のラーメンや市販のインスタント麺には多くの食塩が含まれています。汁は最後まで飲み切らないようにしましょう」と具体的に勧めています[1]。厚生労働省のe-ヘルスネットも、めん類の汁やスープを飲まずに残すと2〜3g減塩できると、同様の工夫を紹介しています[2]。
味噌汁についても、日本高血圧学会は「みそ汁は1日1杯以内」を目安のひとつとして挙げ、「同じ味付けでも具だくさんにすることで、汁を減らせます。また、具だくさんにすると野菜の摂取増加にもつながり、一石二鳥です」と説明しています[1]。そのほか、同資料が紹介している工夫には、味見をせずにむやみに調味料をかけない、ポン酢やケチャップなど低塩タイプの調味料を使う、しょうゆさしを大量に出にくいタイプに替える、加工食品(練り物・ハム・ソーセージなど)や惣菜を控える、食卓に調味料を置かない、酢や香辛料を積極的に使う、しょうが・にんにく・しそなど香りの強い野菜を利用する、といった項目があります[1]。漬物についても「少量にとどめ、また自家製浅漬けにしたり、食塩が少ない漬物を選ぶなどの工夫もしましょう」と勧められています[1]。
厚生労働省のe-ヘルスネットは、こうした工夫と並んで「DASH食」と呼ばれる食事法にも触れています。詳しくは後述の章で取り上げます[2]。
栄養成分表示の見方——「ナトリウム」を「食塩相当量」に変換する
加工食品のパッケージを見ると、「食塩相当量」ではなく「ナトリウム」の量(mg)だけが表示されている商品にまだ出会うことがあります。この場合、厚生労働省の国民健康・栄養調査でも使われている換算式で、自分で食塩相当量に直すことができます。同調査の報告書には「食塩相当量=ナトリウム量(mg)×2.54/1,000で算出」という計算式が示されています[4]。
例えば、ナトリウム量が800mgと表示されている食品であれば、800×2.54÷1,000で約2.0gの食塩相当量になる、という計算です。カップめんやスナック菓子、加工食品を選ぶときに、この換算式を知っておくと、「ナトリウム○○mg」という表示だけの商品でも、1日6g・7.5g・6.5gといった目標値と比較しやすくなります。日本高血圧学会の減塩委員会も、加工食品には目に見えない食塩が多く含まれているとして、栄養成分表示を確認しとりすぎに注意するよう呼びかけています[1]。買い物のときに表示を1つ確認する習慣が、積み重なると1日の塩分摂取量に大きく影響します。
1日の食事全体で塩分を積み上げてみる
前章の表にある数値を使って、1日の食事を仮に組み立ててみると、塩分摂取と血圧の関係がより実感しやすくなります。例えば朝食にみそ汁1杯(約1.5g)と塩鮭1切れ(約1.5g)を組み合わせただけで、合計はすでに約3.0gになります[1]。これは日本高血圧学会が掲げる1日6g未満の目標[1]のちょうど半分にあたる量です。昼食にきつねうどん1人前(約5.3g)を選べば、この時点で朝食と合わせて8g前後に達し、すでにJSHの6g未満はもちろん、厚生労働省の男性7.5g未満・女性6.5g未満という目標も超えてしまう計算になります[1][2]。
もちろんこれは一例であり、実際の摂取量は調理方法や汁を残すかどうかによって変わります。ただ、「麺類を1食食べただけで1日の目標の大部分を使い切ってしまう」という感覚を持っておくと、夕食では汁物を控える、漬物を減らす、といった1日単位での調整がしやすくなります。日本高血圧学会も、めん類の汁を残せば2〜3gの減塩になると説明しており[1]、1食の中で「これは残せる」「これは全部食べたい」を選び分けることが、1日トータルでの帳尻合わせにつながります。
夕食についても同様に考えることができます。あじの開き小1枚(約1.1g)とたくあん2切れ(約0.7g)を組み合わせると、この2品だけで約1.8gになります[1]。ここに、もし1日6g未満を目指すのであれば、朝食・昼食で使った分を差し引いた残りの枠に収まるかどうかを意識することになります。反対に、朝食・昼食を汁物なしで軽めにしておけば、夕食で好きな料理を楽しむ余地を残す、といった1日単位でのやりくりも可能です。数字を細かく計算し続けることが目的ではなく、「今日はどのあたりで塩分を使うか」を大まかに意識するだけでも、無意識に摂りすぎることを防ぐ助けになります。
今日からできる減塩の工夫を使いこなす
前章で紹介した日本高血圧学会の10の工夫は、どれも今日の食事から始められる内容です[1]。ここでは、それぞれがなぜ塩分摂取と血圧の関係に役立つのかを、もう少し具体的に見ていきます。
「めん類の汁やスープを残す」は、単独の工夫としては最も効果が大きい部類に入ります。日本高血圧学会は、全部残せば2〜3gの減塩になるとしており[1]、これは厚生労働省の目標量である男性7.5g・女性6.5gの3分の1前後に相当する量です[2]。同学会は「外食のラーメンや市販のインスタント麺には多くの食塩が含まれています」とも説明しており[1]、麺類の汁は「味付けのため」というより「塩分の大部分がそこに溶けている」と捉えると、残す動機づけになります。
日本高血圧学会が挙げる「みそ汁は1日1杯以内」も、量そのものを減らすというより「具だくさんにして汁を減らす」という工夫が中心です[1]。同学会によれば、同じ椀の中で汁の割合を減らし、野菜や豆腐などの具を増やせば、満足感を保ちながら塩分と野菜摂取量の両方を同時に改善できるとされています[1]。
「味見をせずにむやみに調味料をかけない」「低塩タイプの調味料を使う」「しょうゆさしを大量に出にくいタイプに替える」の3つは、日本高血圧学会がいずれも「無意識にかけすぎる塩分」を減らすための工夫として挙げているものです[1]。同学会は、ポン酢、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングなどは比較的食塩が少ない調味料だとしており[1]、しょうゆやソースをそのままかけるのではなく、これらに置き換えるだけでも積み重なりが変わってきます。
「加工食品や惣菜を控える」は、栄養成分表示を確認する習慣とセットで意味を持ちます。日本高血圧学会によれば、加工食品には目に見えない食塩が多く含まれているとされ[1]、厚生労働省の調査報告書が示す「ナトリウム量(mg)×2.54÷1,000」の換算式を使って[4]、購入前に食塩相当量を確認する一手間が効いてきます。「食卓に調味料を置かない」「酢や香辛料を積極的に使う」「しょうが・にんにく・しそなど香りの強い野菜を利用する」も、同学会がいずれも「塩の代わりに味の物足りなさを埋める」ための工夫として紹介しているものです[1]。最後の「減塩食品を活用する」については、日本高血圧学会自身が減塩食品のリストを公開しています[1]。すべてを一度に取り入れる必要はなく、まずは自分の食生活の中で最も塩分が多い1〜2品目(麺類の汁、みそ汁、漬物など)から手をつけるのが、続けやすい進め方です。
取り組む順番に迷う場合は、前章の食品別の表で数値が大きいものから優先するという考え方が分かりやすいです。カップめんやきつねうどんのように1品で5g前後になる食品を週に何回食べているかをまず数え、その頻度を減らす、あるいは汁を残す習慣をつけることから始めると、無理なく1日の合計を下げやすくなります。減塩は一度に全部やろうとするより、1週間に1つずつ工夫を増やしていくくらいのペースのほうが続けやすく、数か月単位で見れば大きな変化につながります。
カリウムを味方につける——減塩の実践と腎臓病の人への注意
塩分摂取と血圧の関係を考えるうえで、減塩と並んで語られるのがカリウムです。厚生労働省のe-ヘルスネットは、カリウムにはナトリウムの排出を促す作用などがあり、血圧を低下させることが報告されているとしています[2]。生活習慣病の発症予防を目的としたカリウム摂取の目標量は、18歳以上において男性3,000mg/日以上、女性2,600mg/日以上に設定されています[2]。しかし同ページによれば、最近の国民健康・栄養調査の結果では、男女ともに約400mg〜600mg、目標量に対して不足している状況です[2]。この不足分は「ほうれん草のお浸しに換算すると小鉢約1.5杯分に相当」する量とされており[2]、数字だけで見るより、日々の食卓に置き換えるとイメージしやすくなります。
厚生労働省のe-ヘルスネットは、ナトリウムとカリウムの摂取比(ナトリウム/カリウム)を下げることが重要であると報告されているとも述べています[2]。つまり、塩分を減らすだけでなく、野菜や果物などでカリウムを積極的に摂ることが、血圧管理の両輪になるという考え方です。同ページが紹介する目安では、副菜1つ分(約70g)を1日5つ分(350g)以上の野菜を食べるよう心がけることが勧められています[2]。カリウムは野菜・果物のほか、牛乳・乳製品、お茶(抽出液)など様々な食品にも含まれているとされています[2]。
腎臓病がある人はカリウムの増やし方に注意
- 厚生労働省のe-ヘルスネットは「なお、医師から腎臓病と言われている方は必ず医師の指示にしたがってください」と明記しています[2]
- 腎機能が低下していると、カリウムを体外にうまく排出できず、血液中のカリウム濃度が上がりやすくなることが知られています。自己判断で野菜ジュースやカリウムを多く含むサプリメントなどを増やすのは避け、必ず主治医・管理栄養士に相談してください
DASH食——カリウム・カルシウム・マグネシウムを組み合わせる食事法
減塩とカリウム摂取をあわせて実践する具体的な方法として、厚生労働省のe-ヘルスネットは「DASH食」を紹介しています。「高血圧管理・治療ガイドライン2025」では、高血圧の改善のために開発された食事法として「DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension)」が紹介されているとされ[2]、この食事法はカリウムに加えて、カルシウムやマグネシウム、食物繊維、不飽和脂肪酸を積極的に摂ることにより、飽和脂肪酸や食事性コレステロールを抑えることが特徴として挙げられています[2]。同ページによれば、このような食事を摂ることで、血圧の低下や脳心血管病のリスク低減につながることが報告されているとされています[2]。
具体的な取り入れ方としては、野菜や果物のほか、低脂肪の乳製品や魚、主食に全粒穀物を積極的に取り入れ、反対に赤身肉やお菓子、砂糖を含んだ飲料を控えることで、DASH食に近づけることができるとされています[2]。減塩、カリウム摂取、DASH食は、それぞれ別々の取り組みというより、「野菜・果物・乳製品・魚を増やし、加工食品・赤身肉・甘い飲み物を減らす」という1つの食生活の方向性の中に、自然にまとめて含まれるものだと捉えると実践しやすくなります。
減塩を生活習慣の中に位置づける
日本高血圧学会のガイドラインでは、減塩は肥満の予防・改善、飲酒している人の節酒、運動習慣の見直しなどと並ぶ、生活習慣修正の柱の一つとして位置づけられています[1]。同ガイドラインは、こうした生活習慣の修正はひとつだけに集中するよりも、組み合わせて行うことで効果が出てくるとも説明しています[1]。軽症の高血圧であれば生活習慣の修正から治療を始め、すでに薬を使っている場合でも、生活習慣の修正がうまくいくと薬の量を減らすのに役立つ場合があるとされています[1]。
厚生労働省のe-ヘルスネットも、高血圧の予防・治療につながる生活習慣として、①減塩、②カリウムを積極的に摂る、③DASH食を摂る、に続けて、④適正体重を維持する、⑤飲酒量に注意する、という5項目を紹介しています[2]。④については「肥満は、高血圧のリスク因子の1つです。毎食腹八分目を心がける、間食を減らす、エレベーターを使わないで階段を利用する、体重計で体重を確認するなど」、小さなことから少しずつ取り組むことが勧められています[2]。⑤については「高血圧では、たとえ少量の飲酒であっても、飲酒自体が発症リスクを上げてしまうことが報告されています」と説明されています[2]。減塩だけを単独で頑張るのではなく、この5項目を並行して見直すことが、血圧管理の土台になります。
| 項目 | 具体的な内容 |
|---|---|
| ①減塩 | 食塩相当量の目標量は男性7.5g/日未満・女性6.5g/日未満(生活習慣病予防の目的)[2] |
| ②カリウムを積極的に摂る | 目標量は男性3,000mg/日以上・女性2,600mg/日以上[2] |
| ③DASH食を摂る | 野菜・果物・低脂肪乳製品・魚・全粒穀物を増やし、赤身肉・お菓子・糖分の多い飲料を控える[2] |
| ④適正体重を維持する | 腹八分目、間食を減らす、階段を使うなど、小さなことから取り組む[2] |
| ⑤飲酒量に注意する | 少量の飲酒でも高血圧の発症リスクを上げることが報告されている[2] |
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「栄養・食生活と高血圧」[2]
減塩以外の生活習慣の見直し方については、薬に頼らない血圧管理の完全ガイド:科学的根拠に基づく8つの生活習慣改善法で詳しく取り上げていますので、あわせてご覧ください。
すでに降圧薬による治療を受けている人が、薬と生活習慣の関係についてさらに詳しく知りたい場合は、【2025年版】高血圧の薬 飲む時間は?1日2回・朝と夜の違いをガイドラインで徹底解説もあわせてご確認ください。高血圧に関する記事を横断的にまとめた高血圧(ハブ)ページでは、診断基準・治療薬・生活習慣など、テーマ別の記事一覧を確認できます。
減塩の効果を実感するには——家庭血圧との組み合わせ
減塩の取り組みは、血圧の数値という形で結果が見えると続けやすくなります。日々の食事の工夫と合わせて、朝晩など決まったタイミングで家庭血圧を記録しておくと、「めん類の汁を残すようになってから」「みそ汁を1日1杯にしてから」といった変化が数字として見えやすくなります。血圧の分類や、どの数値から医療機関への相談が必要かといった基準の詳細については、血圧140/100 mmHgの完全ガイドで詳しく解説していますので、自分の数値がどの段階にあるかを確認しながら、減塩の効果を追ってみてください。
減塩の効果には個人差があるため、数週間続けても数値がほとんど変わらないこともあります。その場合も「自分には効果がない」とすぐに結論づけず、糖尿病や慢性腎臓病の有無、飲酒量や運動習慣など、他の生活習慣もあわせて医師に相談することが勧められます[1]。
受診の目安
受診の目安
- 減塩や生活習慣の見直しを続けても家庭血圧が高い状態が続く場合は、自己判断で様子を見続けず医療機関に相談してください
- 血圧が非常に高い状態(収縮期血圧・拡張期血圧とも著しく高い数値)や、頭痛・意識の変化など体調の急な変化を伴う場合は、すぐに医療機関を受診してください
- 糖尿病や慢性腎臓病がある人は、日本高血圧学会が特に減塩を強く推奨している対象であり[1]、自己判断で減塩やカリウム摂取量を大きく変える前に、必ず主治医に相談してください
- すでに降圧薬を使っている人が、減塩をはじめとする生活習慣の見直しに取り組む場合も、薬の量や種類を自己判断で変更せず、必ず主治医に相談してください[1]
- ご自身の血圧の数値がどの段階にあるか詳しく知りたい場合は、血圧140/100 mmHgの完全ガイドもご参照ください
減塩とおいしさを両立させる——「がまん」にしない工夫
減塩というと「味が薄くて我慢する食事」というイメージを持つ人も少なくありません。しかし日本高血圧学会が紹介している工夫の多くは、塩を単純に減らすのではなく、他の味の要素で補うという考え方に基づいています[1]。酢や香辛料、しょうが・にんにく・ねぎ・しそ・三つ葉・みょうが・セロリ・山椒・ハーブといった香りの強い食材を活用すると、料理の味が引き締まり、風味付けにもなるとされています[1]。塩の量を減らした分を、酸味や香りで補うと考えると、続けやすくなります。
また、だしをしっかり効かせることも、減塩と味の満足感を両立させる方法としてよく知られています。かつお節や昆布、煮干しなどのだしの旨味は、塩味が少なくても料理全体の満足感を高めてくれます。みそ汁を具だくさんにして汁の量そのものを減らすという日本高血圧学会の勧めも[1]、単に薄味にするのではなく、具材の旨味で満足感を保ちながら塩分の総量を減らす工夫のひとつと言えます。「薄味にする」ことだけを目指すのではなく、「塩以外の要素で満足感を作る」という視点を持つことが、無理なく続けるコツになります。
まとめ——「塩分摂取と血圧」を今日から見直すために
ここまで見てきたように、「塩分摂取と血圧」をめぐる数字は、日本高血圧学会の1日6g未満[1]、厚生労働省の食事摂取基準における男性7.5g未満・女性6.5g未満[2]、WHOの5g未満[3]という3つの目標値があり、それぞれ「誰のための、どんな目的の数字か」が異なります。そして令和5年国民健康・栄養調査によれば、実際の日本人の平均摂取量は総数9.8g、男性10.7g、女性9.1gと、そのどれとも大きな差があるのが現状です[4]。
減塩の効果には個人差がありますが、糖尿病や慢性腎臓病がある人には特に強い減塩推奨が出されており[1]、血圧の数値だけでなく循環器病や腎不全の予防にもつながる生活習慣として位置づけられています[1]。麺類の汁やみそ汁、漬物、加工食品など、ふだんの食事に潜む塩分を具体的な数字で把握し[1]、カリウムを含む野菜・果物をあわせて摂ることが[2]、無理なく続けられる第一歩になります。腎臓病がある人は、カリウムの増やし方について自己判断をせず、必ず医師の指示に従ってください[2]。
食塩感受性高血圧について、どの程度の割合の人が塩分に敏感で、減塩によって平均どのくらい血圧が下がるかという定量的なデータ、および随時尿からの推定食塩摂取量の具体的な計算式や誤差の範囲については、今回参照した資料には詳しい記載が見当たりませんでした。これらは医療機関での個別の検査や相談が必要な領域です。
よくある質問
塩分を減らしても血圧が下がらないのはなぜですか?
随時尿での塩分測定は自宅でもできますか?
子どもの頃から減塩したほうがよいのですか?
減塩を急に厳しくしても大丈夫ですか?
夏に汗をたくさんかいたときも減塩したほうがよいですか?
ナトリウムしか表示されていない食品の塩分はどう計算すればよいですか?
糖尿病や慢性腎臓病がある場合、減塩の目標は変わりますか?
減塩に取り組んでいるつもりですが、周りからは「摂りすぎ」と言われます。なぜですか?
参考文献
- 日本高血圧学会 減塩委員会「ナトリウム(食塩)の減らし方と食塩の多い食品・料理」 https://www.jpnsh.jp/data/salt01.pdf
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「栄養・食生活と高血圧」(最終更新日:2026年5月15日) https://kennet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-006.html
- World Health Organization「Sodium reduction」Fact sheet https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/sodium-reduction
- 厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査結果の概要」 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf
- 厚生労働省「食行動の変容に向けた尿検査及び食環境整備に係る実証事業」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172_00012.html
- 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」出版物案内ページ https://www.jpnsh.jp/guideline.html
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 スライド集(ナトリウムの食事摂取基準の表を含む) https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001396865.pdf
更新日:2026年7月21日。本記事の内容について、誤りや古い情報にお気づきの場合は、お問い合わせフォームよりご指摘・ご連絡いただけますと幸いです。ガイドラインの改定に応じて、内容を随時見直します。
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本記事はAI技術を活用し、厚生労働省・WHO等の公的医療機関の情報に基づいて作成されています。医療専門家による個別の監修は受けておりません。健康上の判断や治療については、必ず医師にご相談ください。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。
